【ブラジル全国選手権2023】第20節(1/2)

投稿者: | 2023年8月17日

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全国選手権第20節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこの記事で。
・2023/08/19 サンパウロ(SAO) x ボタフォゴ(BOT)
・2023/08/19 インテルナシオナウ(INT) x フォルタレーザ(FOR)
・2023/08/19 フルミネンセ(FLU) x アメリカ・ミネイロ(AME)
・2023/08/19 クイアバ(CUI) x パウメイラス(PAL)
・2023/08/19 クルゼイロ(CRU) x コリンチャンス(COR)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2023】第20節(2/2)
・2023/08/20 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
2023/08/20 サントス(SAN) x グレミオ(GRE)
2023/08/20 コリチバ(CFC) x フラメンゴ(FLA)
2023/08/20 バイーア(BAH) x RBブラガンチーノ(RBB)
2023/08/21 ゴイアス(GOI) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)

全国選手権第20節 試合概要

サンパウロ(SAO) 0-0 ボタフォゴ(BOT)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=9gfyGApWGBY
(SAO) : N/A
(BOT) : N/A

見どころ(試合前の順位)

   サンパウロは全国選手権7勝6分6敗勝点27の9位。
   ボタフォゴは全国選手権15勝2分2敗勝点47の首位。

得点シーン

N/A

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:59% 41% ⇒ 前後半:60% 40%
シュート(枠内): 前半:8‐4(3-0) ⇒ 前後半:12-10(4-1)
パス成功率: 前半:90% 82% ⇒ 前後半:85% 77%
   サンパウロは、週中にコパ・スウアメリカーナ準々決勝LDUキト/EQU戦に備え、GKを含め多くのポジションに控え選手が入る先発陣。U-23代表に選出されたSBウェリントン(Welington, 2001)、7月末に加入しこの試合が2試合目となるMFハメス・ロドリゲス(James Rodríguez, 1991)がスタメンに名を連ねる。
   ほぼ控え選手による陣容だったが、ほぼベストメンバーと言える首位ボタフォゴを相手にボールを支配。しかし、サンパウロ下部組織出身、2017年U-20南米ユース選手権代表、サンパウロトップチームでの出場機会がほとんどなかったGKルーカス・ペリ(Lucas Perri, 1997)が立ちはだかり得点を奪うことができなかった。
   前半11分、自陣からSBウェリントンからFWルシアーノ(Luciano, 1993)を経たボールが左サイドを抜け出したFWフアン・サントス(Juan Santos, 2002)に渡りGKルーカス・ペリと一対一と対峙、しかし、GKルーカス・ペリがシュートをブロック。
   後半2分にもFWフアン・サントスが抜け出しGKルーカス・ペリの股の間を狙うがGKルーカス・ペリシュートを弾き出す(オフサイドの判定)。
   さらには、後半45+2分、ゴール正面に抜け出したFWアレシャンドレ・パトがSBウェリントンからのパスを受けシュート(オフサイドの判定)、続く後半45+4分にも自陣右サイドライン際のFWルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)から中央のFWカレリ(Calleri, 1993)を経て右サイドの抜け出しを図るSBナタン・メンデス(Nathan Mendes, 2002)にボールが渡り、SBナタン・メンデスはGKのニアサイドを抜こうとするが、ことごとくGKルーカス・ペリが弾き返す。
   後半18分、後半34分には、GKルーカス・ペリの牙城を崩し、FWルシアーノがゴールネットを揺らすが、いずれもオフサイドの判定。
   相手GKの再三の好セーブや相次ぐオフサイドで無得点に終わったものの、控えと主力の選手が混同した中で数々の得点チャンスを生み出したことは事実。ドリヴァウ・ジュニオール監督の戦術がチーム全体に浸透していることが感じられる試合だった。
   次戦は、中4日の8月24日にコパ・スウアメリカーナ準々決勝LDUキト/EQUとのアウェイでの1stレグ。
   全国選手権第21節は、さらに中2日の8月27日にアウェイでのアメリカ・ミネイロ戦。

   ボタフォゴも、週中にコパ・スウアメリカーナ準々決勝1stレグを控えるが、現状のベストメンバーといえる布陣で試合に臨む。
   立ち上がりからサンパウロの中盤での速い寄せに苦しみボールを保持することができない。しかし、ボタフォゴもボールの出所へのプレスで相手のミスを誘い、鋭いカウンターを繰り出し対抗。前半30分、相手SBからCBへのパスをカットからシュートまで持ち込むがシュートは僅かに枠を捉えない。
   後半6分にもペナルティエリアを出たGKからのフィードを、体と絶妙なボールタッチでディフェンダーをかわしたFWルイス・エンヒキ(Luis Henrique, 2001)がシュート、後半14分には、クリアボールを拾ったVOLチェチェー(Tchê Tchê, 1992)がペナルティエリア外からシュートを放つも、シュートはいずれも枠を捉えない。
   攻撃面は最後の精度に欠ける一方、守備面では、高く上げた最終ラインの裏のスペースを突かれるものの、数々のオフサイドを誘い、GKルーカス・ペリの再三にわたる好セーブもあり、全国選手権12試合目の無失点試合。
   全国選手権得点王チキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)が約1か月半離脱する中、8月12日に急遽年末までの契約を結んだ元スペイン代表のジエゴ・コスタ(Diego Costa, 1988)を後半29分に投入、押し込まれる展開で前線で孤立するものの、ボールを受けた僅かな機会には巧みなボールキープや相手のファールを誘うなど、今後に期待を抱かせるプレーを披露した。
   首位を独走するボタフォゴは、従来のパフォーマンスにほど遠い内容の試合を展開するも、アウェイで勝ち点1を積み上げることに成功。勝ち点を45に伸ばし、暫定2位パウメイラスとの勝点差11と依然二桁の勝点差を維持した。
   次戦は、中3日で8月23日にコパ・スウアメリカーナ準々決勝デフェンサ・イ・フスチーシア/ARGとのアウェイでの1stレグ。
   全国選手権第21節は、さらに中3日で8月27日バイーア戦。これまで10戦10勝のホームゲームが控えている。

インテルナシオナウ(INT) 0-1 フォルタレーザ(FOR)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=z_1I4_aM7Cg
(FOR) : 13' #91 チアゴ・ガリャルド(Thiago Galhardo, 1989)[PK]
(INT) : N/A

見どころ(試合前の順位)

   インテルナシオナウは全国選手権6勝6分7敗勝点24の13位。
   フォルタレーザは全国選手権7勝5分7敗勝点26の11位。

得点シーン

(FOR)前半13分 :
相手陣やや右寄りの位置でMFポチェチーノ(Pochettino, 1996)からのボールを受けたFWマリーニョ(Marinho, 1990)がドリブルでペナルティエリアに侵入しディフェンダーを抜き去ろうとする際に倒される。主審はPKの判定。これをFWチアゴ・ガリャルドがゴール右に決めフォルタレーザが先制。
   FWマリーニョは、26歳の2016年にヴィトーリアで43試合21得点6アシストでブレークした少し遅咲きのウィンガー。その後、長春/CHN、グレミオ、サントス(2020年43試合24得点8アシストでベストイレブン)、フラメンゴを経て、2023年7月に大きな期待を受けてフォルタレーザに加入するが、チャンスは生み出すものの自身やチームのゴールに繋がらず、次第にサポーターからの批判が大きくなる。2023年8月8日のコパ・スウアメリカーナのリベルタ/PAR戦で準々決勝進出を決定づけるゴールを決めると、今節では自身が獲得したPKが決勝点に結びつく。少しずつ周りの選手との連係が深まりつつある。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:66% 34% ⇒ 前後半:69% 31%
シュート(枠内): 前半:9‐6(3-3) ⇒ 前後半:17-7(4-3)
パス成功率: 前半:88% 67% ⇒ 前後半:86% 63%
   インテルナシオナウは、週中にリベルタドーレス準々決勝1stレグがあり、U-23代表に選出されたCBヴィトン(Vitão, 2000)MFマウリシオ(Maurício, 2001)の2選手と、GKロチェ(Rochet,1993)以外は控えメンバーが名を連ねた先発陣。とはいえ、ほとんどは今年前半には主力として試合に出場していた面々で大きな戦力ダウンは感じられない。
   試合は立ち上がりから、攻撃に重点を置き、ボールを保持して相手陣でのプレーを目論む。そして、前半2分には右サイドからのクロスにFWルイス・アドリアーノ(Luiz Adriano, 1987)が頭を合わせ早くもファーストシュート。
   ところが、前がかりになったところを前半4分、5分と相次いでカウンターから枠を捉えるシュートに持ち込まれる。そして、前半9分、フォルタレーザFWマリーニョのドリブルに堪らずペナルティエリア内で足を掛けてしまいPKを献上。先制点を奪われる。
   リードを奪われると、さらにボールの支配を強め、相次いでフォルタレーザゴールに迫る。流れの中では、前半17分、右からのクロスにFWペドロ・エンヒキ(Pedro Henrique, 1990)がヘディングシュート、前半27分、中央からMFブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1989)がミドルシュート。前半24分のMFブルーノ・エンヒキ、前半44分のMFマウリシオのFKはいずれもクロスバーに嫌われる。
   後半も一方的にボールを支配するが、中央をベースにボールとその近辺の選手への寄せに人数をかけるフォルタレーザの守備に苦しみチャンスを作り出せない。ミドルシュートや、逆サイドへのクロスなどで打開を図るが、ゴールからの距離が遠く、決定的なシーンまでには至らない。後半41分に最終ライン4人が並ぶ外側をFWペドロ・エンヒキが駆け上がり、そこにクロスが送られるがヘディングシュートは枠を捉えない。後半45+8分にはクロスボールにGKが飛び出すもクリアミス、無人のゴールにボールを蹴り込もうとするがディフェンダーにクリアされる。
   後半は相手のカウンターもシャットアウトし、ボールを支配し続けるも最後までゴールを奪えず、0-1で試合を終えた。
   エドゥアルド・クーデ(Eduardo Coudet)監督が指揮を執り1勝2分3敗と結果が出ていないが、リベルタドーレスを控えたこの試合の敗戦は想定の内か。直前のリベルタドーレスでのリーベルプレート戦に続き、試合を支配することには成功した。あとは、シュートに至る過程での一工夫が欲しいところ。リベルタドーレスのボリバル/BOL戦はその点に注目したい。
   次戦は、中2日の8月22日にリベルタドーレス準々決勝1stレグ、アウェイでのボリバル戦。
   全国選手権第21節は、8月26日にアウェイのフラメンゴ戦。

   フォルタレーザも週中にコパ・スウアメリカーナ準々決勝アメリカ・ミネイロ戦1stレグを控えるが、ほぼベストメンバーで試合に臨む。
   試合は、リベルタドーレスでの試合で内容が一転したインテルナシオナウを相手に守備に重点を置いた立ち上がり。しかし、前線からの厳しいチェックでカウンターから相次いでチャンスを迎える。すると、前半9分にFWマリーニョがペナルティエリア内で倒されPKを獲得。これをFWチアゴ・ガリャルドがきっちりと決め先制。
   その後は、相手陣でのプレスを控え自陣に引きこもり中央を閉ざす。ボール周辺に人数をかけた守備でボールに対して壁を作り、ゴールに近い位置でのプレーを寸断。一方、ボール奪取が相手ゴールから遠ざかったことと、インテルナシオナウの修正されたカウンターへの守備に、効果的にボールを相手陣に運ぶことができない。
   後半はチャンスらしいチャンスを迎えることができなかったが、守備面で集中力が途切れることなく、インテルナシオナウを完封。
   この勝利で全国選手権は2連勝、2試合連続無失点で切り抜けた。
   勝ち点は29となり、暫定ながら再び一桁順位の8位に浮上。
   次戦は、中4日の8月24日にコパ・スウアメリカーナ準々決勝アメリカ・ミネイロ戦1stレグ、アウェイでの試合。
   全国選手権第21節は中2日の8月27日にホームにコリチバを迎える。

フルミネンセ(FLU) 3-1 アメリカ・ミネイロ(AME)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=2rcK6pBk92c
(AME) : 52' #11 フェリピ・アゼヴェド(Felipe Azevedo, 1987)[#65 ヴァランダ(Varanda, 2003)]
(FLU) : 58' #9 ジョン・ケネジー(John Kennedy, 2002)[#11 ケーノ(Keno, 1989)]
(FLU) : 65' #14 ヘルマン・カーノ(Germán Cano, 1988)[#10 ガンソ(Ganso, 1989)]
(FLU) : 89' #21 ジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)[]

見どころ(試合前の順位)

   フルミネンセは全国選手権9勝4分6敗勝点31の7位。
   アメリカ・ミネイロは全国選手権2勝4分12敗勝点10の20位。

得点シーン

(AME)後半7分 :
自陣ペナルティエリア付近でボールを奪ったCBヤゴ・マイダーナ(Iago Maidana, 1996)がそのままドリブルで持ち上がり、相手陣に入り右サイドライン際のFWヴァランダにボールを預け自身はそのまま相手ゴールに向け駆け上がる。CBヤゴ・マイダーナのランニングにマークが薄くなったFWヴァランダは中央をしっかりと確認しクロス。FWフェリピ・アゼヴェドがダイレクトに右足を合わせゴールネットを揺らす。
   FWフェリピ・アゼヴェドは、アメリカ・ミネイロ在籍5年目のベテラン。最近はベンチを温める試合が増えたが、この試合は前節に続き2試合連続の先発出場。さらに最近の出場3試合で2ゴールを記録しており、ベテランの存在感はまだまだ衰えていない。
   CBヤゴ・マイダーナは、身長195㎝の大型CB。2015年U-20W杯代表。2022年1月に出場機会を求めてアメリカ・ミネイロに加入。今季は今節終了時点で前年の35試合を越える37試合に出場。契約は2023年末まで。今後にむけた動向が気になる。
(FLU)後半13分 :
相手陣左サイドライン際からのFWケーノのクロスに、相手CB間にポジションを取ったFWジョン・ケネジーが頭を合わせる。
   FWジョン・ケネジーは、全国選手権開幕直後は公式戦6試合で3得点3アシストと好調だったが次第にゴールから遠ざかり出場機会も失いつつあった。しかし、8月5日全国選手権第18節パウメイラス戦での約2か月ぶりの先発起用に応えるゴール。そのゴールを皮切りに、3試合連続ゴールをマークしている。
(FLU)後半20分 :
再び左サイドFWケーノを起点にサイドライン際からVOLマルチネリ(Martinelli, 2001)を経て、MFガンソにボールが渡る。MFガンソのトラップが少し大きくなりディフェンダーに蹴りだされそうになるが、幸運にもそのボールはMFガンソに当たり、ディフェンダーが空けたスペースに入り込んだFWヘルマン・カーノの足元へ。FWヘルマン・カーノがボールをゴールに蹴り込むフルミネンセが勝ち越し。
   FWヘルマン・カーノは、2人目の子供、長女が生まれたばかり。長女の誕生を祝うゴールで今季30点目、全国選手権は2試合連続7点目のゴール。
(FLU)後半44分 :
相手陣で相手ボールを奪ったFWジョン・アリアスがそのままドリブルでボールを運びペナルティエリアでディフェンダーをかわしシュート。これがゴールネットを揺らす。
   FWジョン・アリアスは、コロンビア国籍ながらメキシコのクラブ・ティフアナ下部組織出身。2021年8月に60万USドルでフルミネンセが獲得。2022年にはチーム71試合のうち62試合に出場、16得点17アシストを記録。2022年6月にはコロンビア代表としてデビューを飾る。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:68% 32%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:17-14(6-4)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:87% 77%
   フルミネンセは、現時点のベストメンバーと言える先発陣で試合に臨む。
   いつものようにボールを支配し、相手陣で細かくボールを回しチャンスをうかがう。前半12分に左SBマルセロが負傷交代するアクシデントに見舞われるが、SBジオゴ・バルボーザ(Diogo Barbosa, 1992)が好守にしっかりと穴を埋める。
   攻撃面では右サイドのFWケーノが起点となり、前半33分にFWヘルマン・カーノのヘディングシュート、前半40分のMFリマ(Lima, 1996)のシュートに繋がるボールを配給、前半42分には自らがシュートを放つ。
   FWケーノは前半終了間際に左サイドにポジションを移すと、後半13分にFWジョン・ケネジーのゴールをアシスト。後半20分のゴールにも一連の攻撃の起点となる活躍。
   戦術的にカウンターのリスクは仕方のない一面もあるが、カウンターでゴールに迫られる場面が多く、ボールを奪われた直後の寄せを速めカウンターのリスクを減らしたい。その意味でも、5月10日以降試合から遠ざかっているVOLアレキサンデル(Alexsander, 2003)がベンチ入りを果たしたことは今後に向け明るい材料となりそうだ。
   次戦は、中4日の8月24日にリベルタドーレス準々決勝オリンピア/PAR戦1stレグ。
   全国選手権第21節は、8月27日にアウェイでのアトレチコ・パラナエンセ戦。

   アメリカ・ミネイロは、細かくボールを繋ぐフルミネンセを相手に、しっかりとしたブロックと連動したボールへの寄せを使い分け、しばしばボール奪取から相手ゴールに迫る。また、GKのフィードから縦に手数の少ない攻撃や、前線が幅広く並びサイドから逆サイドへのクロスでチャンスを作り出すなど攻撃のバリエーションは増えたものの、最後のシュートの精度に欠く。
   前半終了間際には、ディフェンダーの厳しいマークがあったとはいえ、GKが飛び出し無人となったゴールにボールを送ることができず、前半を無得点で折り返す。
   後半7分に先制したものの、後半7分、13分と相次いで失点。後半44分には自陣でのミスをゴールに結びつけられ1-3の完敗。
   2試合目の指揮となったファビアン・ブストス(Fabián Bustos)監督だが、初采配のコパ・スウアメリカーナで3点を奪うなど、前任のベースを上手く引き継ぎ、攻撃面では上積みが見て取れるが、短い時間で複数失点を喫する精神的な脆さを修正したい。
   次戦は、中4日の8月24日にコパ・スウアメリカーナ準々決勝フォルタレーザとホームでの1stレグ。
   全国選手権第21節は、8月27日にホームでサンパウロ戦。

クイアバ(CUI) 0-2 パウメイラス(PAL)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=DFM35bBMtng
(PAL) : 31' #23 ハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)[#13 ルアン(Luan, 1993)]
(PAL) : 66' #27 ヒシャルジ・ヒオス(Richard Rios, 2000)[]

見どころ(試合前の順位)

   クイアバは全国選手権8勝4分7敗勝点28の8位。
   パウメイラスは全国選手権9勝7分3敗勝点34の2位。

得点シーン

(PAL)前半31分 :
相手GKのFWデイヴェルソンへのフィードを予測し、相手陣でカットしたCBルアンがそのままドリブルで右サイドライン際を持ち上がり、相手ディフェンダーの寄せをかわしペナルティエリア脇からゴール前にクロス。これをMFハファエウ・ヴェイガが頭で合わせる。
   MFハファエウ・ヴェイガは、3月、6月に続く代表招集が前日発表された。代表ではこれまで3試合にそれぞれ約25分ずつプレーするが、まだクラブでの実力を示すことができていない。9月の2026W杯南米予選では実力の一片を披露したい。
   CBルアンは、2016リオ五輪金メダリスト。ヴァスコ・ダ・ガマ育成出身で2012年9月に19歳でプロデビュー。パウメイラスには2017年6月に加入し今年が7年目。控えの一番手という位置づけが続くが、約230試合に出場する必要不可欠な選手。2023年7月にはクラスノダール/RUSが関心を示すがパウメイラスは交渉を拒否。
(PAL)後半21分 :
中央のVOLヒシャルジ・ヒオスから右サイドへボールを展開し、サイドライン際からSBマルコス・ホッシャ(Marcos Rocha, 1988)がペナルティエリア入口にクロス。VOLファビーニョ(Fabinho, 2002)がワントラップからシュートを放つがこれはディフェンダーのブロックに合いボールは大きく弾き返される。しかし、これを拾ったVOLヒシャルジ・ヒオスが縦回転のゴラッソ。
   VOLヒシャルジ・ヒオスは、フラメンゴ下部組織出身のコロンビア国籍選手。パウメイラスに2023年に移籍加入した2選手のうちの一人。全国選手権はこの試合終了時点で全20試合に出場(うち7試合先発)。この試合ではセグンドボランチとして攻撃の指揮を執り、時にはゴールライン際まで上がる活躍。このゴールは全国選手権2ゴール目。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:49% 51%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:10-17(1-5)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:78% 84%
   クイアバは、前節とほぼ同じ顔ぶれの先発メンバー。
   一方のパウメイラスは、週中のリベルタドーレス準々決勝1stレグに向け、スタメン選手と控え選手の混同した先発陣。
   試合は序盤から中盤でのボールの奪い合いが激しくなるなか、僅かな隙をつき、パウメイラスが前半8分に右サイドゴールライン際からのクロス、前半17分には敵陣浅い位置からのFK、前半21分にはペナルティエリア脇から逆サイドへの大きめのクロスで相手ゴールに迫る。
   一方のクイアバも前半30分、VOLハニエリ(Raniele, 1996)が右サイドのFWデイヴェルソン(Deyverson, 1991)にボールを預け、ゴール前に走り込む。FWデイヴェルソンはVOLハニエリの一列後ろのスペースにパスを送る。そこに走り込んだVOLハフェルナンド・ソブラウ(Fernando Sobral, 1994)がダイレクトに右足を合わせるがボールを枠を越えていく。
   その直後には、パウメイラスも、FWフラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)がゴールライン際までボールを運びマイナスのグラウンダーのクロス、MFジョン・ジョン(Jhon John, 2002)がダイレクトに足を振り抜くシュートで応戦する。
   前半30分にパウメイラスCBルアンの素晴らしい判断のボール奪取からサイドライン際の持ち上がり、さらにはゴール前への見事なクロスでパウメイラスが先制。
   後半もパウメイラスが追加点を奪いに行く。
   後半10分、MFジョン・ジョンが左サイドを個人技で抜け出し、FWフラッコ・ロペスへスルーパス。FWフラッコ・ロペスはディフェンダーをかわしシュートを放つがブロックされる。そのこぼれ球に対しMFハファエウ・ヴェイガがコースを狙ったグラウンダーのシュートを放つがボールはゴールポストを直撃しゴールネットを揺らすことができない。
   後半13分には後方からのボールをFWフラッコ・ロペスが頭でMFジョン・ジョンに向け落とし、自身はゴール前へ走り出す。MFジョン・ジョンはFWフラッコ・ロペスの一列後ろにスペースへマイナスのクロス。FWアルトゥール(Artur, 1998)が走り込み足を合わせるがクイアバGKヴァウテル(Walter, 1987)が倒れ込みながらしっかりとキャッチ。
   クイアバも得意のサイドからの攻撃や、CKからパウメイラスゴールに迫るが、枠を捉えたシュートを放つことができない。
   すると、後半21分、パウメイラスがVOLヒシャルジ・ヒオスのゴラッソで貴重な追加点。
   2点のリードを奪ったパウメイラスは、その後自陣ゴール前で堅固な守備網を構築し、クイアバの攻撃をシャットアウト。試合はこのままパウメイラスがアウェイの地で2-0の勝利を収めた。

   クイアバは、1引分けを挟んだ5連勝後に2連敗。連敗はいずれも0-2のスコアで敗れており、攻守ともに課題が残る。
   次戦は、全国選手権第21節8月27日にアウェイでのRBブラガンチーノ戦。ブラガンチーノは今節終了時点で勝点差3でリベルタドーレス出場圏の6位。リベルタドーレス出場圏順位に向け勝ち点3を勝ち取りたい。

   パウメイラスは、控え選手の活躍で2-0の完勝。
   FWフラッコ・ロペスとMFジョン・ジョンのコンビが多くの得点機を作り出した。FWフラッコ・ロペスは前節終了間際の貴重な勝ち越しゴール、今節はクロスのターゲット、ゴールライン際からのクロスの供給、ポスト、裏抜けを様々なプレーを披露。MFジョン・ジョンはこれまで二列目でのプレーが多かったものの、この試合はそれに加え、前線でのプレーや積極的なシュートなど、よりゴールに近い位置、ゴールを意識したプレーを披露。この二人のコンビは、今後に向け、新たなオプションとなりうる明るい材料となった。
   次戦は、8月23日にリベルタドーレス準々決勝デポルティーボ・ペレイラ/PERとのアウェイでの1stレグ。
   全国選手権第21節は8月27日にホームにヴァスコ・ダ・ガマを迎える。

クルゼイロ(CRU) -1-1 コリンチャンス(COR)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=aBwgIsuVFzY
(CRU) : 45' #40 ハファエウ・エリアス(Rafael Elias, 1999)[#9 ブルーノ・ホドリゲス(Bruno Rodrigues, 1997)]
(COR) : 90+8' #19 グスタヴォ・モスキート(Gustavo Mosquito, 1997)[#11 ホメーロ(Romero, 1992)]

見どころ(試合前の順位)

   クルゼイロは全国選手権6勝6分7敗勝点24の12位。
   コリンチャンスは全国選手権6勝5分7敗勝点23の14位。

得点シーン

(CRU)前半45分 :
自陣深くでのSBパラシオス(Palacios, 1993)のボール奪取からボールを受けたFWウェズレイがスピードのあるドリブルで約60mボールを運び、右サイドのFWブルーノ・ホドリゲスへボールを送る。FWブルーノ・ホドリゲスがワンタッチでゴール前にボールを供給すると、FWハファエウ・エリアスがスライディングで左足にボールを合わせゴールネットを揺らす。
   FWハファエウ・エリアスは、パウメイラス下部組織出身で2019年U-20南米ユース選手権に3試合出場。19歳の2019年にはU-20チームで32試合32得点を記録するが、トップチームでは多くの出場機会に恵まれず期限付き移籍を繰り返す。2023年7月に3年契約でクルゼイロに加入。2023年8月6日全国選手権第18節ボタフォゴ戦で途中交代でのクラブデビュー。翌第19節で初先発。この試合でクラブ初ゴールを記録した。
(COR)後半45+8分 :
自陣右サイド深くでボールキープを図る相手からVOLモスカルドがボールを奪いカウンターがスタート。中央のSBマテウス・ビドゥ(Matheus Bidu, 1999)を経たボールは左サイドでFWホメーロに渡りゴール前にクロス。ディフェンダーの背後から現れたFWグスタヴォ・モスキートがボールを頭に合わせると、ボールはポストを叩きゴールイン。
   FWグスタヴォ・モスキートは、コリチバ育成出身で2019年のコリンチャンス移籍後の1月、州選手権で21歳のプロデビュー。その後複数のクラブへの期限付き移籍で経験を積み、2020年にコリンチャンスに復帰すると多くの試合に出場。2021年にはチーム62試合中53試合(うち先発31試合)に出場。2022年も同様に先発や途中交代で多くの試合に出場するも、2022年10月26日全国選手権第34節で前十字靭帯断裂の大ケガを負う。手術や長いリハビリを終えて、この試合の後半13分に約10か月ぶりのピッチに立つ。そして、復帰初戦、実質的に最後のプレーで同点ゴール。昨シーズンは右サイドを蹂躙したサイドアタッカーが約1年ぶりのゴールを決めた。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:43% 57%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:18-5(7-2)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:84% 85%
   クルゼイロは、前々節に3得点を記録し、長らく悩まされた得点力不足に終止符が打たれたかと思われたが、その後の2試合は再び無得点に終わり、5試合勝ち星から遠ざかっている。
   今節は、加入後初戦で2ゴールをマークしたFWアルトゥール・ゴメス(Arthur Gomes, 1998)、加入後3試合目となるFWハファエウ・エリアスがスタメンに名を連ねた。
   試合は攻守に選手間の距離がよく、攻め込まれる前にボール奪取、ボールを奪うとリードパスを中心に人もボールもよく動くサッカーで相手ゴール前へのクロスやシュートでプレーを終える展開が続く。
   コリンチャンスGKカシオ(Cássio, 1987)の堅実なプレーになかなかゴールを奪えなかったが、前半終了間際に自陣ゴールライン際からのカウンターをFWハファエウ・エリアスがゴールに繋げ先制。
   後半も追加点を奪いに行くが、コリンチャンスの後半13分の前線3人を入れ替える交代、後半23分の交代を受け、前半に見せた優位性が少しずつ失われていく。
   クルゼイロも後半22分にスリートップの一角をボランチに交代。後半35分過ぎに中盤とツートップを交代し、全員守備とカウンターを狙う体勢に明確にシフト。危ない場面もなく時間は経過し、後半アディショナルタイムにはカウンターからFWホベルチ(Robert, 2005)のシュートがクロスバーを叩くなど、ほぼ想定通りに試合を締めることに成功するものと思われた。
   しかし、実質的に最後のプレーで、相手陣深くでキープしようとしたボールを奪われ、素早くゴール前にボールを運ばれ失点。勝ち点3が手のひらから滑り落ち、ホームサポーターのブーイングに包まれ試合を終えた。
   この引き分けで6試合未勝利。順位は12位ながら降格圏17位のチームとの勝点差は4と狭まり、下位の動向を気にしなければならない状況に陥りつつある。
   次戦は、8月27日に全国選手権第21節、アウェイでのグレミオ戦。

   コリンチャンスは、週中にコパ・スウアメリカーナ準々決勝を控え、スリートップにU-20所属選手3人を並べるなど若手選手を主体としたスタメンを組む。
   試合は効果的にボールを前に運ぶことができず、後手に回る展開が続き、GKカシオや加入後初出場のCBルーカス・ヴェリッシモ(Lucas Veríssimo, 1995)を中心に耐える時間が長くなるが、前半終了間際に先制を許す。
   後半に入り選手交代で流れを変えようと図るも、僅かながらに好転するに止まる。
   しかし、試合終了間際にVOLモスカルド(Moscardo, 2005)が自陣深くで相手ボールを奪いカウンターの起点になると、最後は大ケガのため戦列を離脱し、この試合が今季初出場となったFWグスタヴォ・モスキートがゴール。土壇場で同点に追いつき勝ち点1を獲得。
   これで全国選手権は6試合負けなし。週中のコパ・スウアメリカーナにいい流れで臨める結果となった。
   次戦は、そのコパ・スウアメリカーナ、8月22日にアウェイでのエストゥジアンテス/ARG戦1stレグ。
   全国選手権第21節は8月26日にゴイアスをホームに迎える。

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