[ブラジルU-23代表招集](国際親善試合2023年9月)

投稿者: | 2023年8月19日

(2023.09.12更新)
モロッコ時間2023年9月8日夜にモロッコ中部を襲ったM6.8の地震のため、ブラジル時間9月11日に予定されていた国際親善試合(モロッコU-23代表 x ブラジルU-23代表)の第2戦は中止となった。

(2023.09.04更新)
現地時間2023年9月3日、CBFより招集選手の辞退、追加が発表された。
 辞退: VOLダニーロ(Danilo, 2001, ノッティンガム・フォレスト)
  理由: 9月2日プレミアリーグ第4節チェルシー戦での左太ももへのケガ。
 辞退: VOLジョアン・ゴメス(João Gomes, 2001, ウルヴァーハンプトン)
  理由: 9月3日プレミアリーグ第4節クリスタルパレス戦での右膝へのケガ。
 追加: VOLアレキサンデル(Alexsander, 2003, フルミネンセ)
 追加: VOLガブリエウ・モスカルド(Gabriel Moscardo, 2005, コリンチャンス)

(2023.09.02更新)
2023年8月28日、CBFより招集選手の辞退、追加が発表された。
 辞退: CBヴィトン(Vitão, 2000, 'インテルナシオナウ)
  理由: 8月26日全国選手権第21節フラメンゴ戦における右太ももへのケガにより、復帰まで3~4週間要するものと診断されたため。
 追加: CBカイキ・メロ(Kaiky Melo, 2004, アルメニア/ESP)

国際親善試合概要

2023年9月7日, 11日 対戦相手:モロッコ 開催地:モロッコ王国フェズ
上記国際親善試合に向けたU-23ブラジル代表の招集メンバーがブラジル標準時間8月18日16:30に発表された。
2023年U-20W杯、同年U-20南米ユース選手権の監督を務めたハモン・メネゼス(Ramon Menezes)氏が監督として指揮を執る。
なお、この親善試合は、2023年10月にチリ・サンチアゴで開幕するパンアメリカン競技大会(参加資格:2000年1月1日以降の出生)、および、2024年初めにベネズエラでの開催が予定されている2024パリ五輪予選(参加資格:2001年1月1日以降の出生)に向けた最初の親善試合となる。
両大会は国際Aマッチデーの縛りを受けないため、両大会を照準とした今回の招集では一部の有力選手の招集は控えられている。

代表招集メンバー

辞退
追加
ポジション名前所属生年月日
GK /
Goleiro
ガブリエウ・グランド
Gabriel Grando
グレミオ
Grêmio
2000/3/29
GK /
Goleiro
マテウス・クーニャ
Matheus Cunha
フラメンゴ
Flamengo
2001/5/24
GK /
Goleiro
ミカエウ
Mycael
アトレチコ・パラナエンセ
Athletico Paranaense
2004/3/12
SB /
Lateral
アルトゥール
Arthur
バイエル・レヴァークーゼン
Bayer Leverkusen/GER
2003/3/17
SB /
Lateral
ヴィニシウス・トビアス
Vinicius Tobias
レアルマドリード
Real Madrid/ESP
2004/2/23
SB /
Lateral
ウェリントン
Welington
サンパウロ
São Paulo
2001/2/19
SB /
Lateral
アビネル
Abner
ベチス
Bétis/ESP
2000/5/27
辞退CB /
Zagueiro
ヴィトン
Vitão
インテルナシオナウ
Internacional
2000/2/2
追加CB /
Zagueiro
カイキ・メロ
Kaiky Melo
アルメニア
Almería
2004/1/12
CB /
Zagueiro
ルーカス・アウテル
Lucas Halter
ゴイアス
Goiás
2000/5/2
CB /
Zagueiro
モラト
Morato
ベンフィカ
Benfica/POR
2001/6/30
CB /
Zagueiro
ホベルチ・ヘナン
Robert Renan
ゼニト
Zenit/RUS
2003/10/11
MF /
Meio campista
アンドレイ・サントス
Andrey Santos
チェルシー
Chelsea/ENG
2004/5/3
辞退MF /
Meio campista
ジョアン・ゴメス
João Gomes
ウルヴァーハンプトン
Wolverhampton/ENG
2001/2/12
MF /
Meio campista
マルロン・ゴメス
Marlon Gomes
ヴァスコダガマ
Vasco Da Gama
2003/12/14
MF /
Meio campista
マウリシオ
Maurício
インテルナシオナウ
Internacional
2001/6/22
MF /
Meio campista
ビテロ
Bitello
グレミオ
Grêmio
2000/1/7
辞退MF /
Meio campista
ダニーロ
Danilo
ノッティンガム・フォレスト
Nottingham Forest/ENG
2001/4/29
追加MF /
Meio campista
アレキサンデル
(Alexsander)
フルミネンセ
Fluminense
2003/10/8
追加MF /
Meio campista
ガブリエウ・モスカルド
(Gabriel Moscardo)
コリンチャンス
COrinthians
2005/5/28
FW /
Atacante
ラザロ
Lázaro
アルメリア
Almería/ESP
2002/3/12
FW /
Atacante
ヴィトル・ホッキ
Vitor Roque
アトレチコ・パラナエンセ
Athletico Paranaense
2005/2/28
FW /
Atacante
ジョアン・ペドロ
João Pedro
ブライトン
Brighton/ENG
2001/9/26
FW /
Atacante
イゴル・パイション
Igor Paixão
フェイエノールト
Feyenoord/HOL
2000/6/28
FW /
Atacante
パウリーニョ
Paulinho
アトレチコ・ミネイロ
Atlético Mineiro
2000/7/15
FW /
Atacante
マルコス・レオナルド
Marcos Leonardo
サントス
Santos
2003/5/2
監督: ハモン・メネゼス(Ramon Menezes)

ポジション別感想

GK

フラメンゴのマテウス・クーニャが選出。今季はホルヘ・サンパオリ監督の就任以降、2020東京五輪にオーバーエージでプレーし金メダルを獲得したサントス(Santos, 1990)を抑えレギュラーの座を獲得。数々の驚異的なシュートストップでチームのコパ・ド・ブラジル決勝進出や全国選手権前半戦折り返し時点での4位の成績に貢献している。

SB

各年代の世代別代表が招集ごとに目まぐるしく変わるポジション。
2004年生まれの右SBヴィニシウス・トビアスは、今年開催されたU-20南米ユース選手権やU-20W杯に招集されるも、いずれの大会も辞退。
サンパウロの左SBウェリントンは2020年12月の3試合の国際親善試合以来の招集。クラブでは2022年にレギュラーの座を掴むものの、今年3月にケガで戦列を離脱。7月の復帰後も様子を見ながら試合に起用されているが、正直少しサプライズ的な選出。
今回選出された4選手は、特徴は少しずつ異なるものの、全員攻撃的な選手。どの選手が最も自分の持ち味を出すことができるだろうか。

CB

2023年3月、6月のフル代表に招集されたホベルチ・ヘナンは順当な選出と言える。
サプライズはルーカス・アウテル。2017年の南米U-17選手権、U-17W杯あわせて15試合に出場1得点を記録。しかし、2021年に8か月戦列を離脱する大ケガを負うなど順調とは言えないキャリアを送る。今季は期限付きで下位に低迷するゴイアスに移籍し、8月18日時点で40試合5得点を記録。「高さがあり、足元の技術も高く、ロングフィードの精度も高い。守備面では前に出てボールを奪うことを得意とし、厳しいマークで相手FWに簡単に前を向かせない。一方で積極的に前に出る守備は相手に背後のスペースを与えることになり監督によって好みの分かれるタイプかもしれない。」と別記事で記載したが、ハモン・メネゼス監督には評価された模様。
モラトについては勉強不足のためプレースタイルがわからないものの、インテルナシオナウのヴィトンも含め、攻撃的なサイドバックが空けるスペースをしっかりとカバーできるスピードあり、ボールを前に運び攻撃の起点となることのできる選手が選出されているように感じられる。
インテルナシオナウのヴィトンは、8月26日の試合中のケガで辞退。カイキ・メロが追加招集を受けた。カイキ・メロもボールを前に運べる選手。クラブでは第1節、第2節は出場機会がなかったものの、第3節は途中出場から試合終了間際の同点ゴール、直近の第4節(9月1日)はスタメンフル出場を果たしており、予定されている2試合への対応は十分に可能。

MF

私が勝手に呼んでいる「2001年生まれのボランチ三羽烏」のダニーロジョアン・ゴメスが選出。(もう一人のアンドレはフル代表に招集)。
アンドレイ・サントスマルロン・ゴメスは、今年のU-20南米ユース選手権、U-20W杯で特筆すべきプレーを披露。
このポジションのサプライズはマウリシオ。中盤のどのポジションもこなすポリヴァレント性があるものの、以前は器用貧乏な一面が見られた。しかし、インテルナシオナウではゴールに近い位置でのプレーでブレイクスルーを果たしている。前述4選手の守備力が高いだけに、マウリシオが攻撃に重点を置くことができるはず。
ビテロは、スピード、戦術眼があり、足元の技術が持ち味。相手ペナルティエリア内でもテンポよくワンタッチでパスを繋ぐグレミオサッカーの象徴となる選手の一人。
背番号10のポジションを争うマウリシオとビテロ。攻撃時は、マウリシオはペナルティエリア入口前後、ペナルティエリア幅でのプレーが多く、周りを使うタイプ。ビテロはゴールライン際やサイドライン際まで広いエリアでプレーし、周りを使ったり周りに使われたり。トレーニングでのFW陣との組み合わせや相性に応じてそれぞれの出番が決まるだろう。
ダニーロジョアン・ゴメスが試合中のケガで辞退。アレキサンデルガブリエウ・モスカルドが追加招集。
アレキサンデルは、2023年U-20南米ユース選手権代表。ツートップの一角から、左サイドハーフとして攻撃の組み立て、ボランチとして強固なマークやビルドアップを担うなど、試合ごと、または一試合の中でも、ベンチの指示で次々と役割を替え高いレベルで任務を遂行。派手さはないものの南米ユース選手権優勝の影の立役者。フルミネンセでは、左サイドバックやプリメイロボランチ、セグンドボランチとして上半期のチームの躍進に貢献するが、ケガのため5月10日の試合を最後に戦列を離脱。8月24日の試合で復帰を果たしたばかり。
ガブリエウ・モスカルドは、2023年6月28日のリベルタドーレス予選ラウンドの後半34分に交代出場でプロデビューを飾る。2023年7月2日全国選手権第13節のホームゲームで先発に抜擢。この試合は控え選手や若手選手を主体とした先発陣。モスカルドはこれまでに世代代表に選ばれたこともなく、2023年にU-20に昇格したばかりのため、試合前のテレビ局による観客へのインタビューでは熱烈なコリンチャンスファンでさえ名前を知らないような状況だった。
 ブラジル時間9月1日、チェルシー/ENGがモスカルドの獲得オファーをコリンチャンスに提示。FIFAの規定では、18歳未満の外国籍選手の移籍は認められていないため、18歳の誕生日後の移籍が前提とされている。移籍金は、(固定)2100万ユーロ+(インセンティブ)400万ユーロの計2500万ユーロ(約39億円)。無名のプロデビューから僅か2か月で、その名が広く世界に知れ渡ることとなった。
 ボール奪取力、危機管理能力、ボールキープ力や足元の技術も高く、何よりもどのような状況でも17歳とは思えぬ落ち着いたプレーでミスが少ない。
 追加招集の知らせは、全国選手権第22節パウメイラス戦のハーフタイム、テレビ放送でのインタビューの際に伝えられる。モスカルドは、感激のあまり涙ながら周りの人への感謝の言葉を口にし、後半戦への意気込みを語り、控室へと姿を消した。

FW

選出候補が多すぎて全く予想がつかなかったポジション。
その中で、2005年生まれのヴィトル・ホッキがメンバー中最年少での選出。バルセロナ/ESPへの移籍が決まり、2023年ブラジル全国選手権終了後の2023/24欧州冬季移籍ウィンドウでの移籍が見込まれている。
センターフォワードにはヴィトル・ホッキとはタイプが大きく異なるマルコス・レオナルドも選出。ヴィトル・ホッキはU-20南米ユース選手権得点王、一方のマルコス・レオナルドはU-20W杯のチーム内得点王。どちらがスターターとなるのだろうか。
イゴル・パイションは、全国選手権1部と2部を頻繁に行き来するエレベータークラブのコリチバ出身。2022年は7月までコリチバでプレーし、37得点11アシスト。フェイエノールト移籍後も11月にはポジションを確保し2022/23シーズンは37試合9得点6アシストを記録。身長168㎝の小柄な体型ながら簡単に当たり負けせず、俊敏性とスピード、シュート技術と味方のポジションを把握してパスやクロスを出せる視野の広さが、フェイエノールト一年目での成功の要因だと思われる。
センターフォワードの2人以外は、スピードがあり守備や中盤でのプレーも期待できる面々。どのような組み立てで得点を奪っていくのか、今から楽しみな組み合わせだ。

※ 上記一覧の選手名のリンクは当ブログ内の選手紹介記事にリンクしています。興味のある方はご覧ください。

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