【ブラジル全国選手権2023】第21節(1/2)

投稿者: | 2023年8月27日

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全国選手権第21節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこの記事で。
・2023/08/26 フラメンゴ(FLA) x インテルナシオナウ(INT)
・2023/08/26 コリンチャンス(COR) x ゴイアス(GOI)
・2023/08/27 RBブラガンチーノ(RBB) x クイアバ(CUI)
・2023/08/27 ボタフォゴ(BOT) x バイーア(BAH)
・2023/08/27 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x サントス(SAN)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2023】第21節(2/2)
・2023/08/27 アメリカ・ミネイロ(AME) x サンパウロ(SAO)
2023/08/27 パウメイラス(PAL) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
2023/08/27 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x フルミネンセ(FLU)
2023/08/27 フォルタレーザ(FOR) x コリチバ(CFC)
2023/08/27 グレミオ(GRE) x クルゼイロ(CRU)

全国選手権第21節 試合概要

フラメンゴ(FLA) 0-0 インテルナシオナウ(INT)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=9GmVqKSK4SE
(FLA) : N/A
(INT) : N/A

見どころ(試合前の順位)

   フラメンゴは全国選手権10勝5分5敗勝点35の3位。
   インテルナシオナウは全国選手権6勝6分8敗勝点24の14位。

得点シーン

N/A

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:54% 46% ⇒ 前後半:56% 44%
シュート(枠内): 前半:4‐2(2-0) ⇒ 前後半:9-4(5-1)
パス成功率: 前半:87% 82% ⇒ 前後半:85% 81%
   フラメンゴは、左SBにアイルトン・ルーカス(Ayrton Lucas, 1997)が先発復帰、出場停止のVOLジェルソン(Gerson, 1997)に代わりVOLチアゴ・マイア(Thiago Maia, 1997)が入る。
   前半4分、相手ペナルティエリア手前でMFデ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)が相手ディフェンダーへのプレスからボール奪取、FWルイス・アラウージョ(Luiz Araújo, 1996)に繋ぎシュートに持ち込むなど、開始5分で2本のシュート。ホームサポーターの後押しもあり優位に試合を進める。
   しかし、ここから相次ぐアクシデント。前半16分、MFデ・アラスカエッタが左足ハムストリングスに痛みを感じ交代を要請。前半35分、高い位置でのボール奪取や2本の惜しいシュートなど攻撃陣を牽引していたFWルイス・アラウージョもまた左足ハムストリングスに痛みを感じ交代を余儀なくされる。それぞれのポジションにはVOLヴィクトル・ウーゴ(Victor Hugo, 2004)、MFエヴェルトン・ヒベイロ(Éverton Ribeiro, 1989)が投入される。
   前半はボールを支配、相手陣でのプレーに終始し被シュートは僅かに2本に抑えるものの、シュートまで持ち込めない試合展開にサポーターからブーイングを受けながら前半を折り返す。
   後半も前半同様の試合展開で始まる。後半の立ち上がり、16分のインテルナシオナウの2度の交代策に、一時的にボールを支配されるものの、フラメンゴも後半21分に残る3枚の交代枠を使い主導権を取り戻す。また、同時に前線に高さのあるFWペドロ(Pedro, 1997)を投入し攻撃の選択肢を増やす。
   ゴール前へのハイボールや、ゴールライン際からのクロス、中央での崩しなど、多様な攻撃を仕掛けるも、最後までインテルナシオナウのゴールをこじ開けることができず、0-0の引き分け。この試合もボールを支配しながらもゴールを奪うことができず、サポーターのフラストレーションが高まる一戦となった。
   次戦は、9月2日に全国選手権第22節アウェイでのボタフォゴ戦。現時点で勝点差は12。今後の全国選手権を面白くするためにも勝ち点3を勝ち取って貰いたい。

   インテルナシオナウは、リベルタドーレス準々決勝の谷間の試合、控え選手を中心とした先発陣で試合に臨む。
   立ち上がりからボールの出どころへプレスを仕掛け、相手のミスを誘うがそれをチャンスに繋げることができない。チームのファーストシュートは前半23分、SBに入ったカルロス・デ・ペニャ(Carlos de Peña, 1992)がゴールまで約30mの強引なロングシュートを放つが相手GKを脅かすことなく枠を外れる。
   前半40分を過ぎ、積極的な守備から攻撃への移行がスムースに行き、相手陣でのプレー時間が増える。相次いでCKのチャンスを得るがシュートに結びつけることはできない。
   後半に入り、前半のうちに足首を痛めたFWルイス・アドリアーノ(Luiz Adriano, 1987)に代わりFWエネル・バレンシア(Enner Valencia, 1989)を投入、フラメンゴ右サイドへの対応に苦労するカルロス・デ・ペニャを一列前に上げ、SBヘネー(Renê, 1992)を投入して左サイドの安定を図る。
   しかし、フラメンゴのボール支配は続き、後半16分に一気に3選手を交代、交代枠を早くも使い切り中盤でのボール支配の優位を奪いに行くが、すぐにフラメンゴの選手交代で優位性を失う。
   後半42分には、CBヴィトン(Vitão, 2000)が負傷。交代枠を使い切っており、一人少ない状況でスコアレスの引き分けに持ち込む戦術に切り替え、試合を0-0で終える。
   リベルタドーレスでは準々決勝に進出し1stレグを1-0と先勝したものの、全国選手権では9試合勝ち星のないインテルナシオナウ。降格圏17位のチームとの得点差は4と安泰とは言えない。
   公式戦3戦連続で無失点で乗り切ったが、この試合で絶対的なレギュラーのCBヴィトンが負傷。ケガの程度は検査を待たなければわからないが、今後に向け大きな不安材料となる可能性も。
   次戦は、中2日の8月29日にリベルタドーレス準々決勝ボリバル/BOLとの2ndレグ。全国選手権第22節は9月2日にアウェイでのゴイアス戦。

コリンチャンス(COR) 1-1 ゴイアス(GOI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=v29iiPP8Khc
(GOI) : 59' #60 ギリェルミ・マルケス(Guilherme Marques, 1991)[PK]
(COR) : 82' #7 マイコン(Maycon, 1997)[#8 ヘナト・アウグスト(Renato Augusto, 1988)]

見どころ(試合前の順位)

   コリンチャンスは全国選手権6勝6分7敗勝点24の13位。
   ゴイアスは全国選手権6勝5分9敗勝点23の15位。

得点シーン

(GOI)後半14分 :
左サイドからのボールをペナルティエリア内入口で受けたFWジョアン・マギノ(João Magno, 1997)がディフェンダーに囲まれ倒される。主審はPKの判定。このPKをMFギリェルミ・マルケスがGKの指先をかすめながらもゴールネットを揺らしゴイアスが先制。
   FWジョアン・マギノは2023年7月6日に入団が発表された新加入選手。7月9日の全国選手権第14節サントス戦でクラブデビューを果たすと初ゴール。その後は全試合に出場し、7月23日第16節クルゼイロ戦で2点目を記録。195㎝の長身ながら足元も起用で守備の貢献度も高い。
   MFギリェルミは、18歳の2009年にリオデジャネイロ州に本拠を置くパライーバドスウという小さなクラブからブラジル国内でのデビューを待たずSCブラガ/PORに移籍。その後、ポーランドやトルコを経て、広州恒大/CHNから2023年4月3日にゴイアスに加入、31歳にして母国ブラジルで初めてプレーする。このゴールで今季20試合4得点3アシスト。中盤で攻撃の指揮を執るだけでなく、セットプレーはチームの得点源の一つとなっている。
(COR)後半37分 :
VOLマイコンが相手陣で前に向かいボールを奪うとMFヘナト・アウグストにボールを預け自身はゴールに向かう。MFヘナト・アウグストはボールを受けると中央へクロス。後方から走り込んだVOLマイコンの胸に当たったボールはゴールに吸い込まれコリンチャンスが同点に追いつく。
   VOLマイコンは、2017年U-20南米ユース選手権7試合1得点。コリンチャンス育成出身で2016年2月の州選手権で18歳のプロデビュー。2018年にシャクタルドネツク/UKRへ660万ユーロの移籍金で移籍を果たすが、ウクライナ戦争の特例を受け2022年4月に期限付き移籍でコリンチャンスに復帰を果たす。2023年はルシェンブルゴ監督の就任以降、レギュラーの座を獲得。セグンドボランチとして高い位置での守備やゴール前への飛び出し、守備と攻撃のつなぎ役として監督の信頼は厚い。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:57% 43% ⇒ 前後半:60% 40%
シュート(枠内): 前半:7‐5(1-1) ⇒ 前後半:18-16(7-4)
パス成功率: 前半:88% 80% ⇒ 前後半:88% 80%
   コリンチャンスは、コパ・スウアメリカーナ準々決勝の谷間の試合、控え選手中心のスタメン。ノッティンガム・フォレストからのオファーを受けたCBムリーロ(Murillo, 2002)に代わり、前年期限付き移籍先のコリチバで多くの試合に出場したCBカエタノ(Caetano, 1999)が左CBに入る。
   CBカエタノは前半3分に自陣からドリブルで相手陣中央まで持ち上がり、その1分後にも縦に約30mの楔のパスを通し、いずれもチームはシュートまで持ち込む。守っても相手のカウンターを事前に摘み取るプレーを披露。コリンチャンスの立ち上がりの相手陣での優位性を底から支える。
   ゴイアスは、出場停止明けのCBルーカス・アウテル(Lucas Halter, 2000)が先発に復帰した以外は前節と同じ先発陣。
   立ち上がりは自陣に押し込まれ前にボールを運べない状況が続くが、前半13分過ぎに落ち着きを取り戻すと、細かいパス回しと効果的なフリーランニングで相手守備ラインを下げ、U-23代表に招集された右CBルーカス・アウテルが対角線の左ライン裏への2度に渡る好フィードでチャンスを作り出す。
   前半23分頃に再びコリンチャンスが試合の主導権を握り返す。CBカエタノ、VOLモスカルド(Moscardo, 2005)が縦に効果的なパスを送ると、ペナルティエリア手前で左右にボールを揺さぶりチャンスを迎えるが、なかなかシュートに持ち込めない。
   前半35分、ゴイアスが鋭いカウンター。最後はFWアラーノ(Allano, 1995)がディフェンダー2人をかわしシュートを放つが惜しくもGKの正面を突く。
   後半30秒、3分と2度に渡り、ゴイアスが相手陣でボールを奪いシュートに持ち込む。しかし、ディフェンダーが必死のブロックでゴールを許さない。ゴイアスは後半5分にもミドルシュート、後半8分には自陣からのカウンターで相手ゴールに迫る。
   後半10分には左サイドからFWアンデルソン・オリヴェイラ(Anderson Oliveira, 1998)がシュート、クロスバーに直撃し跳ね返ったボールがFWアラーノに当たりゴールに向かうがディフェンダーがゴールライン上でクリア。相手陣でのボール奪取から相次いでチャンスを迎えると、後半12分、遂にPKから先制点を奪う。
   ゴイアスに先制を許すと、コリンチャンスは次々と攻撃的な選手を投入。ゴイアスが守備ラインを下げたこともあり、コリンチャンスがボールを支配し、途中出場のMFヘナト・アウグストを中心に次々と相手ゴールに迫る。
   後半37分、VOLマイコンが相手陣でボールを奪取し、そのままゴール前に駆け上がり同点ゴール。その後もコリンチャンスは攻勢を緩めずゴイアスゴールに迫るが、ゴイアスGKタデウ(Tadeu, 1992)が安定したキャッチングでゴールを許さない。
   ゴイアスも後半アディショナルタイムに自陣からカウンターで好機を迎えるが、シュートは枠を越えていく。
   試合は1-1のまま終了。残留争いから抜け出したい両チームだったが勝ち点1を分け合うにとどまった。

   コリンチャンスは、前半の主導権を握る時間帯にゴールを奪うことができず、後半のMFヘナト・アウグストの投入により何とか追いついた試合。シュートは多く放つもGKの正面を突くことが多く、決定力に課題を残す。
   FWホメーロ(Romero, 1992)がアシストを記録した前節クルゼイロ戦に続き、サイドで攻守に渡り活躍。一方でFWユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)が、一時の大不振は抜け出したものの、まだまだ満足のいく結果を残せておらず全国選手権はいまだ4得点。残留争いを抜け出し、上位争いに加わるにはユーリ・アウベルトのゴールが必要になる。
   全国選手権は7戦無敗となったが、いまだ順位は暫定で13位。降格圏17位までの勝点差は4と厳しい状況は続いている。
   次戦は、9月3日に全国選手権第22節ホームでのクラシコ、パウメイラス戦。

   ゴイアスは、勝ち点2を失った試合。
   前半からしっかりした守備から鋭いカウンターを狙う展開。後半は相手陣でのボール奪取から次々とチャンスを作り出し、先制を奪うまではシナリオ通りの展開。その後の相手にボールを支配されながらも固い守備でボールを跳ね返し続けたが、後半37分に自陣でボールを奪われ同点ゴールを喫する。
   ゴイアスもカウンターを中心に多くのシュートを放つがゴールはPKによる1点のみ。相手GKの好セーブやゴールライン上でのクリアなど不運な面もあったが、最後の選択肢でパスを選ぶことが多くディフェンダーに戻られシュートコースが限定されることも多かったように思われる。
   この結果、7試合無敗となったが依然順位は15位。日曜日の試合の結果次第で再び降格圏に転落する可能性も。
   次戦は9月2日に全国選手権第22節、インテルナシオナウとのホームでの一戦。

RBブラガンチーノ(RBB) 2-0 クイアバ(CUI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=ZvxT9R8CatM
(RBB) : 55' #18 チアゴ・ボルバス(Thiago Borbas, 2002)[]
(RBB) : 83' #21 タリソン(Talisson, 2002)[#25 マテウス・ゴンサウヴェス(Matheus Gonçalves, 2005)]
(CUI) : N/A

見どころ(試合前の順位)

   RBブラガンチーノは全国選手権8勝8分4敗勝点32の7位。
   クイアバは全国選手権8勝4分8敗勝点28の9位。

得点シーン

(RBB)後半10分 :
右CK。ゴール前に上げたボールはクリアされるが、ペナルティエリア外でMFグスタヴィーニョ(Gustavinho, 2004)が拾い、左サイドのFWヴィチーニョ(Vitinho, 1999)を預ける。FWヴィチーニョはゴール奥へクロス。CBヘアウピ(Realpe, 2001)がダイビングヘッド。ボールはゴールポストを直撃するが、FWチアゴ・ボルバスがゴールへ押し込む。
   CBヘアウピは、2019年3月にインデペンディエンテ・デル・バジェからプロデビューを果たしたエクアドル国籍選手。RBブラガンチーノには2020年に加入し、この試合がクラブ50試合目の出場。RBブラガンチーノでの活躍が評価され、2023年6月のコスタリカ戦でエクアドル代表に招集&デビュー。スピードと守備範囲の広さが特長。
(RBB)後半38分 :
相手陣でのクイアバボールのスローイン。空中戦で流れたボールをFWアレハンドロ(Alerrandro, 2000)がヒールでパス。 これをMFマテウス・ゴンサウヴェスがダイレクトにゴール前にクロス。CBの間を抜け出たFWタリソン(Talisson, 2002)がワントラップからボールをゴールへ流し込む。
   FWタリソンは、2022年、サンパウロ州選手権3部のイタピレンセからRBブラガンチーノU-20に期限付き移籍。2023年にRBブラガンチーノが買取オプションを行使し完全移籍。2023年1月の州選手権でクラブ初出場を果たすと、自身2試合目の4月6日コパ・スウアメリカーナで初ゴール。4月15日全国選手権開幕節には先発出場を果たすが、以降は出場機会に恵まれず、この試合が全国選手権2試合目の出場だった。このゴールを機に出場機会を増やしていきたい。
   MFマテウス・ゴンサウヴェスは、7月に今期末までの期限付き移籍でフラメンゴから加入。独特のリズムのドリブルとボールキープ力を特長とする。最近の4試合に途中交代で試合に出場。これがクラブでの初アシスト(初めてのゴール関与)となった。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:63% 37% ⇒ 前後半:58% 42%
シュート(枠内): 前半:5‐3(1-1) ⇒ 前後半:10-6(4-3)
パス成功率: 前半:81% 59% ⇒ 前後半:80% 65%
   RBブラガンチーノは、膝のケガで6月4日以来戦列を離れていたFWエリーニョ(Helinho, 2000)が復帰戦としてスタメン起用、2019年南米U-17選手権コロンビア代表で期限付き移籍加入のVOLジャニ・キンテロ(Yani Quintero)は自身3試合目の出場で初スタメン。
   いつものように、高い位置で相手のボールの出どころにプレスをかけパスミスを誘い、相手陣でボールを回しながら攻撃の糸口を探る展開。しかし、カウンターでのチャンスをうかがい、容易に前に人数をかけないクイアバの守備網の前に大きなチャンスを迎えることなく前半を終える。
   流れの中からは攻撃が停滞する中、後半10分にセットプレーから先制。さらには後半38分、相手スローインを奪い素早いパス回しから追加点。守備面では、GKクレイトン(Cleiton, 1997)の好守と両CBの好カバーリングで、クイアバの鋭いカウンターをしっかりと抑えきり、前節0-4の大敗の尾を引くことなく勝ち点3を勝ち取った。
   この結果、勝ち点を35に伸ばし、暫定4位に浮上。
   次戦は、9月3日に全国選手権第22節、アウェイでのクルゼイロ戦。

   クイアバは、FWクライソン(Clayson, 1995)がハムストリングスに違和感があり、FWウェリントン・シウヴァ(Wellington Silva, 1993)がスタメンに名を連ね、中盤にVOLデニウソン(Denilson, 2001)を起用し中盤の守備を厚くする。
   厚くした中盤が機能し、RBブラガンチーノにボールを支配されながらも、簡単には中を使わせず、ライン裏へのパスも遮断していく。ボールを奪っては、RBブラガンチーノ守備ラインの裏のスペースへの抜け出しを図るFWデイヴェルソン(Deyverson, 1991)へボールを送る。前半26分には狙い通りFWデイヴェルソンが抜け出すがシュートは僅かにゴール枠を外れる。
   後半21分には、FWウェリントン・シウヴァがシュート。これはブラガンチーノGKクレイトンが横跳びに両手で弾き出す。このボールをFWデイヴェルソンがダイレクトにシュート。しかし、今度はGKクレイトンは右足で弾き返す。
   この好機を逃すと、後半38分に失点を喫し、0-2の敗戦。3試合無得点の3連敗を喫した。
   次戦は、9月3日にアウェイでのグレミオ戦。悪い流れを払拭したい。

ボタフォゴ(BOT) 3-0 バイーア(BAH)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=YkndJ196Ci0
(BOT) : 4' #19 ジエゴ・コスタ(Diego Costa, 1988)[#7 ヴィクトル・サー(Victor Sá, 1994)]
(BOT) : 52' #19 ジエゴ・コスタ(Diego Costa, 1988)[#14 ガブリエウ・ピーレス(Gabriel Pires, 1993)]
(BOT) : 76' #11 ルイス・エンヒキ(Luis Henrique, 2001)[#16 ウーゴ(Hugo, 2001)]

見どころ(試合前の順位)

   ボタフォゴは全国選手権15勝3分2敗勝点48の首位。
   バイーアは全国選手権5勝6分9敗勝点21の16位。

得点シーン

(BOT)前半4分 :
相手陣でMFエドゥアルド(Eduardo, 1989)がボールを奪い取ると素早くペナルティアーク外のFWヴィクトル・サーへ送る。FWヴィクトル・サーはボールを受けるとペナルティエリア内右へ柔らかいボールを送る。FWジエゴ・コスタがそこへ走り込みワントラップからシュート。GKに当たったボールはゴールに吸い込まれる。
   FWジエゴ・コスタは、ブラジル生まれながら元スペイン代表として2014W杯、2018W杯など26試合10得点。8月初めに今季末までの契約でボタフォゴに加入。自身3試合目、初先発出場で2得点の活躍。
(BOT)前半7分 :
相手GKのフィードをVOLガブリエウ・ピーレスが受け手の前に出てカットするとMFエドゥアルドとのタベーラで左サイドライン際を抜け出す。ゴールラインから10mの地点でゴール前にクロス。FWジエゴ・コスタがフリーで頭に合わせボタフォゴが追加点。
   VOLガブリエウ・ピーレスは、2022年8月にベンフィカ/PORからの期限付き移籍でボタフォゴに加入。2023年はケガやポジション争いもあり満足のいくプレーができていなかったが、8月23日のコパ・スウアメリカーナでケガ明け3か月ぶりの試合を先発出場で迎えるとゴールをマーク。この試合のアシストで2試合連続で得点に関与。
(BOT)後半31分 :
自陣右サイドペナルティエリア近辺でボールを奪ったSBウーゴがドリブルで持ち上がり、約50mの超絶スルーパス。これを受けたFWルイス・エンヒキがGKとの一対一をかわし、ボールはゴールへ流し込む。
   SBウーゴは、ボタフォゴ下部組織出身で2020年の19歳の誕生日に全国選手権サントス戦でプロデビュー。2023年はマルサウ(Marçal, 1989)とのポジション争いを繰り広げながらも、すでにキャリア最多の28試合に出場。マルサウに比べやや守備的な印象だが、タイミング良くオーバーラップを仕掛け、左足から絶妙なクロスを上げる。このアシストは、守備的な印象を覆す見事なスルーパスによってもたらされた。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:43% 57%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:10-17(5-6)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:80% 83%
   全国選手権に重点を置くボタフォゴは、週中のホームでのコパ・スウアメリカーナを控え選手中心のメンバーで1-1で終えた。今節は累積警告で出場停止の右SBジ・プラシド(Di Plácido, 1994)、VOLチェチェー(Tchê Tchê, 1992)に代わりSBJPガウヴォン(JP Galvão, 2001)、VOLガブリエウ・ピーレスを先発に起用、FWジエゴ・コスタとFWマチアス・セゴビア(Matías Segovia, 2003)が全国選手権初先発を飾った。
   ボタフォゴは、前半3分に相手陣でビルドアップのボールを奪い早くも先制。しかし、前節4-0の快勝で勢いに乗るバイーアを相手に、試合を落ち着かせることができず、前半8分、11分、19分、20分と相次いでシュートを浴びる。特に前半19分のピンチはスルーパスに抜け出すバイーアFWアデミール(Ademir, 1995)と一対一となるも、GKルーカス・ペリ(Lucas Perri, 1997)が間合いを詰めシュートブロック、ゴールを守り切る。
   防戦の時間帯が続く中、前半38分にカウンターでFWマチアス・セゴビアがFWジエゴ・コスタとのタベーラからペナルティエリアに侵入しシュートを放つが、バイーアGKマルコス・フェリピ(Marcos Felipe, 1996)の片手のセーブに追加点を阻まれる。
   後半も前半の流れを引き継ぎ、バイーアがボタフォゴ陣でボールを繋ぎ、後半5分にVOLレオ・シタジーニ(Léo Cittadi, 1994)がミドルシュート。このシュートは枠を捉えるがGKルーカス・ペリが堅実にCKに回避する。
   後半7分、1点目に続き、バイーア陣での相手のミスをつき貴重な追加点。このゴールを機に試合を落ち着かせることに成功すると、後半31分には自陣からのカウンターで3点目を奪い試合を決定づけ、結局は3-0の完勝。
   相手にボールを支配され試合の主導権を握られているように見えながらもゴールを許さず、ボールを奪ってからの速く厚みのある攻撃でゴールを奪い、結局は複数得点と僅かな失点(または無失点)で試合を終える今季何度も目にする試合展開で、この試合も快勝。出場停止などでチャンスを貰った選手がしっかりと結果を残す好循環。2位との勝点差11を維持し第21節を終えた。
   次戦は、中2日の8月30日にコパ・スウアメリカーナ準々決勝2ndレグ、デフェンサ・イ・フスチシア/ARGとのアウェイでの試合。
   全国選手権第22節は9月2日にホームでクラシコとなるフラメンゴ戦が予定されている。

   バイーアは、前節4-0の快勝の勢いをもってボタフォゴに挑むが、攻撃陣はチャンスを作り出すもノーゴール。守備陣のミスから前後半の立ち上がり間もない時間帯に2失点と残念な結果に。
   前節で全4得点に絡んだMFカウリー(Cauly, 1995)が後半5分にケガによる途中交代を強いられる不運も。
   明るい材料としては、FWビエウが3か月ぶりの試合復帰。同じく長期離脱していたFWジャカレー(Jacaré, 1999)、VOLヤゴ・フェリピ(Yago Felipe, 1995)もすでに復帰を果たしており、今後、新加入選手と連係を深め攻守に進化を期待したい。
   今節は勝ち点を積み上げることができなかったが、下位チームも試合に敗れており、16位をキープ。
   次戦は、降格圏18位のヴァスコ・ダ・ガマとの対戦が全国選手権第22節として9月3日に組まれている。残留に向け勝ち点を落とすことは出来ない。

アトレチコ・ミネイロ(CAM) 2-0 サントス(SAN)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=NEPH10ZfG0Y
(CAM) : 12' #9 パウリーニョ(Paulinho, 2000)[#7 フッキ(Hulk, 1986]
(CAM) : 67' #9 パウリーニョ(Paulinho, 2000)[#7 フッキ(Hulk, 1986]

見どころ(試合前の順位)

   アトレチコ・ミネイロは全国選手権7勝6分7敗勝点27の11位。
   サントスは全国選手権5勝6分9敗勝点21の17位。

得点シーン

(CAM)前半12分 :
MFペドリーニョ(Pedrinho, 1998)が相手陣に入った所からペナルティエリア入口へ縦にグラウンダーのボールを送る。そこにFWフッキが走り込む踵で中央にボールを流すとFWパウリーニョが走り込みダイレクトにシュート。アトレチコが先制。
   MFペドリーニョは、コリンチャンス育成出身で2017年3月の州選手権で18歳のプロデビュー。2020年に1800万ユーロでベンフィカ/PORへ移籍。2021年6月には同額でシャクタルドネツク/UKRへ。2022年のウクライナ戦争を機にアトレチコ・ミネイロに期限付き移籍で加入。2023年は主力として州選手権優勝に貢献するも、全国選手権開幕節の3日後に行われたリベルタドーレスで膝に大ケガを負う。7月に復帰したものの途中交代からの限られた時間の中での出場が続いた。今節で4か月ぶりの先発出場を果たすと、視野の広さをいかした絶妙のパスで先制点に貢献。
(CAM)後半22分 :
相手陣浅い位置の右サイドライン際のFK。FWフッキがゴール前に上げたクロスにFWパウリーニョが合わせ、アトレチコが貴重な追加点。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:54% 46%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:15-13(7-0)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:89% 87%
   アトレチコ・ミネイロの新本拠地・アレーナMRVのこけら落としの一戦、前節は降格圏に低迷するヴァスコ・ダ・ガマに0-1での敗戦、今節は累積警告の出場停止からFWパボン(Pavón, 1996)、ケガでしばらく戦列を離れていたMFペドリーニョを先発に起用。
   試合は立ち上がりからFWパウリーニョとFWフッキが近い距離でプレー。左からFWパボン、右からMFペドリーニョが交互に前線の2人との距離を縮めたり離れたりし、ディフェンダーにマークを絞らせない。
   前半30秒にFWフッキがFWパウリーニョとのタベーラからシュート、前半8分にはクリアボールをディフェンダーの背後から奪ったMFペドリーニョがFWパウリーニョにパスを送りシュート、その跳ね返りをFWフッキがさらにシュートと相次いでチャンスを迎える。
   すると前半12分、MFペドリーニョ、FWフッキと繋がったボールを最後はFWパウリーニョがゴール。いい形、いい流れでアトレチコ・ミネイロが先制点を奪う。
   アトレチコの勢いはこれに止まらず、前半21分にもFWフッキからのクロスにFWパウリーニョが足を合わせゴールネットを揺らすが、これはオフサイド。
   前半30分前後にサイドを広く使われ、また、自陣でのパスミスを奪われ相次いでピンチを招くが、サントスのシュートミスに助けられ、1点リードで前半を折り返す。
   後半に入り、再び相手陣での展開に持ち込むと、後半22分に貴重な追加点。その後も相手陣でマークに行くディフェンスを継続し得点を奪いに行く。後半34分には相手陣でのパス交換から、VOLアラン・フランコ(Alan Franco, 1998)が縦にボールを運び、最後はFWフッキがペナルティエリア入口から強烈なシュートを放つも惜しくもゴールポスト叩き、試合終了間際のCKはMFイゴル・ゴメス(Igor Gomes, 1999)がフリーで頭を合わせるがGK正面を突く。
   最後まで攻める姿勢を見せたアトレチコ・ミネイロが2-0の完勝。4試合ぶりの複数得点を記録した。
   この結果、最近の5試合を3勝1分1敗とし勝ち点は30、順位も11位から9位へ浮上。リベルタドーレス出場圏の6位までの勝点差を5に縮めた。
   次戦は、9月2日に全国選手権第22節アウェイでのアトレチコ・パラナエンセ戦。リベルタドーレスを含め今季はいずれも戦戦ながら2勝1敗とリードしており、4度目の対戦も難しい試合が予想されるが勝ち点3を持ち帰りたい。

   サントスは、前節グレミオ戦で途中出場から2得点に絡んだMFソテウド(Soteldo, 1997)が足に違和感を覚え大事をとって今節は欠場。一方で前節同じく途中出場から逆転勝ちに貢献したVOLリンコン(Rincón, 1988)が先発イレブンに名を連ねる。
   前節は固いマークでグレミオの攻撃陣を抑えた最終ラインが、今節はアトレチコ・ミネイロの強力ツートップとそこに前後左右から絡む3人目、4人目の動きに不安定な対応。さらに、自陣でのパスミスや相手のプレスによるボールロストをきっかけに相次いでピンチを招き、前半の早い時間帯に失点。
   前半30分前後にいい流れを掴み、守備ライン裏への抜け出しや、相手のパスミスからチャンスを迎え、相次いでシュートまで持ち込むものの、シュートが枠を捉えず得点を奪えない。
   後半も、アトレチコの高い位置でのマークに苦しみ、スピードのあるFWメンドーサ(Mendoza, 1992)へボールを素早く送り局面を打開しようと試みるが、相手SBに対応されチャンスは訪れない。
   攻撃的なポジションでボールを収め、自ら縦に進みシュートまで持ち込むことができ、パスの選択肢も豊富なMFソテウドの不在が大きく影響した形で、全体的に攻撃の形を作ることができず、0-2の敗戦。
   残留争いに巻き込まれたチームがいずれも勝ち点3を獲得できなかったため、幸いにも勝ち点差を広げられることはなかったものの、依然として降格圏の17位。
   次節第22節はいずれも9月3日に、16位バイーア対18位ヴァスコ・ダ・ガマ、20位アメリカ・ミネイロ対17位サントスが激突する全国選手権後半戦最初の裏天王山。しっかりと勝ち点3を積み上げて、一刻も早く残留争いから抜け出したい。

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