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全国選手権第21節 対戦組合せ
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2023】第21節(1/2)
・2023/08/26 フラメンゴ(FLA) x インテルナシオナウ(INT)
・2023/08/26 コリンチャンス(COR) x ゴイアス(GOI)
・2023/08/27 RBブラガンチーノ(RBB) x クイアバ(CUI)
・2023/08/27 ボタフォゴ(BOT) x バイーア(BAH)
・2023/08/27 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x サントス(SAN)
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2023/08/27 アメリカ・ミネイロ(AME) x サンパウロ(SAO)
・2023/08/27 パウメイラス(PAL) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
・2023/08/27 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x フルミネンセ(FLU)
・2023/08/27 フォルタレーザ(FOR) x コリチバ(CFC)
・2023/08/27 グレミオ(GRE) x クルゼイロ(CRU)
全国選手権第21節 試合概要
アメリカ・ミネイロ(AME) 2-1 サンパウロ(SAO)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=r84HfWkg-O0
(AME) : 61' #17 マストリアーニ(Mastriani, 1993)[#65 ヴァランダ(Varanda, 2003)]
(SAO) : 81' #12 アレシャンドレ・パト(Alexandre Pato, 1989)[]
(AME) : 90' #65 ヴァランダ(Varanda, 2003)[#8 ジュニーニョ(Juninho, 1987)]
見どころ(試合前の順位)
アメリカ・ミネイロは全国選手権2勝4分13敗勝点10の20位。
サンパウロは全国選手権7勝7分6敗勝点28の10位。
得点シーン
(AME)後半16分 :
相手陣深くの右サイドライン際でFWヴァランダがFWアゼヴェド(Azevedo, 1987)とのタベーラでゴールライン際に抜け出し、ゴール前に鋭いクロス。FWマストリアーニが後方から現れ足を合わせゴール。
FWマストリアーニは欧州、中南米でのプレー経験がある経験豊かなウルグアイ国籍選手。2022年8月にアメリカ・ミネイロに加入したが、なかなか出場機会に恵まれなかったが、2023年7月2日全国選手権第13節アトレチコ・ミネイロとのクラシコでの2得点を皮切りに、公式戦14試合で11得点を記録するなど、1600分で14得点と高い決定率を誇る。
(SAO)後半36分 :
後方からの頭を越す浮き球のフィードにFWカレリ(Calleri, 1993)がペナルティエリア内で倒されPKを獲得。これをFWアレシャンドレ・パトが蹴るもGKカヴィキオリ(Cavichioli, 1986)がストップ。しかし、その跳ね返りをFWパトが冷静にゴールに押し込む。
FWアレシャンドレ・パトは、2023年6月に移籍金ゼロでサンパウロに加入。7月9日にクラブ再デビューを飾ると2試合目でゴールを記録。この得点はそれ以来の得点だが、141分で2得点と高い得点率を誇る。
(AME)後半45分 :
相手陣深く右サイドライン際からSBダニエウ・ボルジェス(Daniel Borges, 1993)がドリブルでマークをかわし中に切れ込み、さらには、ディフェンダー2人の間を割りペナルティエリアのゴールライン際までボールを持ち運ぶ。マイナスの鋭いクロスゴール前に送ると、MFジュニーニョがボールを止める形になり、そのボールをFWヴァランダが力強くゴールに蹴り込む。
FWヴァランダは、コリンチャンス下部組織出身で、2021年にヴァギネル・マンチーニ(Vágner Mancini)監督の下、18歳でプロデビューを果たし州選手権10試合1得点1アシストを記録。しかし、監督の解任により出場機会を失い、国内下位リーグやキプロスへの期限付き移籍を繰り返す。2023年ヴァギネル・マンチーニ監督率いるアメリカ・ミネイロに期限付き移籍。U-20チームでの9試合10得点の活躍もありトップチームへ招集されると5月23日コパ・スウアメリカーナでクラブデビュー。ファビアン・ブストス(Fabián Bustos)監督の下でも確実に出場時間を増やし、前節のクラブ初アシストに続き、今節はクラブ初ゴール。チーム状況は厳しいが、FWヴァランダの活躍で降格圏を抜け出したい。
試合概要、所感 etc.
ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:29% 71%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:9-11(4-5)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:68% 86%
アメリカ・ミネイロは、最下位に沈む全国選手権と、準々決勝に駒を進めるコパ・スウアメリカーナの掛け持ちで厳しい日程。週中のコパ・スウアメリカーナと大幅に先発を変更し今節に臨む。
試合はサンパウロにボールを持たせ、自陣に固く閉ざした堅固な守備で試合をコントロール。
前半10分、FWアゼヴェドが主導する鋭いカウンターで得た右CKからSBダニーロ・アヴェラール(Danilo Avelar, 1989)がヘディングシュート。ボールはゴール左上隅に向かうがGKハファエウ(Rafael, 1989)が片手で弾き出すデフェザッサ。前半35分にも自陣左サイドを起点とするカウンターから、中央のFWアゼヴェドが最終ライン裏に抜け出しを図るFWマストリアーニへスルーパス。FWマストリアーニはシュートに持ち込むが、再度GKハファエウが好セーブ。
ボール保持率に劣るアメリカ・ミネイロが、効率的、効果的にサンパウロにゴールに迫る。
後半15分に見事なパスワークでアメリカ・ミネイロが先制を奪う。
しかし、後半26分、自陣ゴールライン際での選手間の接触にFWアゼヴェドが倒れ込む。アメリカ・ミネイロの選手は治療を要求するが主審はプレーオンを命じる。FWマストリアーニがプレーを止めようとボール保持者に背後からファールに行くと、危険なプレーと判断され一発退場。このプレーを機にゴール前に押し込まれる時間が続くと、後半36分にPKを献上し失点。
その後もサンパウロに押し込まれ、逆転も時間の問題かと思われた後半45分、SBダニエウ・ボルジェスが個人技でチャンスを作り出すと、その好機を逃さずFWヴァランダが勝ち越しゴール。
不運な退場で一気に試合の流れを失う中、その流れに抗い、勝ち点3を獲得。公式戦は9試合ぶり、全国選手権に至っては11試合ぶりの勝利。1試合未消化の中、降格圏脱出までの勝点差は8と厳しい状況が続くが、この試合で見せた粘り腰を全国選手権を通して見せたいところ。
次戦は、中3日の8月31日にコパ・スウアメリカーナ準々決勝フォルタレーザ戦2ndレグ。1stレグを1-3で落としているが、どのような采配が打たれるだろうか。
全国選手権第22節は9月3日にホームに17位サントスをホームに迎える。
サンパウロも、コパ・スウアメリカーナ準々決勝2ndレグに向け、控え選手中心の先発メンバー。今季初出場のSBジョアン・モラエス(João Moreira, 2004)、全国選手権は3試合連続スタメンのSBナタン・メンデス(Nathan Mendes, 2002)、全国選手権2試合目の先発となるCBマテウス・ベレン(Matheus Belém, 2003)にCBアラン・フランコ(Alan Franco, 1996)を加えた若い最終ライン。両ボランチにパブロ・マイア(Pablo Maia, 2002)とルアン(Luan, 1999)、前線にFWフアン・サントス(Juan Santos, 2002)と6人(CBアラン・フランコを除く)の下部組織出身選手が名を連ねる。
試合は、ボールを保持しつつもパスミスも多く、アメリカ・ミネイロの堅固な守備を崩すことができず、前半は一本のシュートを放つこともできない。一方で、アメリカ・ミネイロのカウンターはGKハファエウを中心に凌ぎ前半を0-0で折り返す。
後半開始時にFWルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)を投入するが、前半と同様の展開が続き後半16分に失点。この直後に、FWカレリ、FWルシアーノ(Luciano, 1993)を投入。前線に高さができ、攻撃のバリエーションが増えていく。後半28分にアメリカ・ミネイロから退場者が出ると一気に試合の流れがサンパウロに傾き、後半36分にPKから同点。さらに相手ゴールに迫り、分厚い攻撃が続く。
しかし、一瞬の隙を突かれ、後半45分に失点。11分間ものアディショナルタイムは大きなチャンスを迎えることなく終了。1-2での敗戦を喫した。
決勝に駒を進めたコパ・ド・ブラジル、準々決勝進出のコパ・スウアメリカーナに重点を置いているとは言え、この結果、全国選手権は6戦未勝利。一時は4位の順位も11位まで転落。実戦での若手育成を図ることができているが、勝つことで若手選手の自信、勝者のメンタリティも植え付けたい。
次戦は、中3日の8月31日にコパ・スウアメリカーナ準々決勝LDUキト戦の2ndレグ。アウェイ標高3600mでの1stレグは後半に1点を返し1-2のビハインドで終えた。ホームでの2ndレグは2点差以上で勝利を収め、準決勝進出を決めたい。
全国選手権第22節は、さらに中2日で下位に低迷するコリチバ戦。2節続けて下位に低迷するチームから勝ち点を取りこぼしたくない。
パウメイラス(PAL) 1-0 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=OI2HO6MfmiU
(PAL) : 65' #23 ハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)[FK]
見どころ(試合前の順位)
パウメイラスは全国選手権10勝7分3敗勝点37の位。
ヴァスコ・ダ・ガマは全国選手権4勝4分11敗勝点16の18位。
得点シーン
(PAL)後半20分 :
左サイドライン際からディフェンダー2人をかわしFWブレーノ・ロペス(Breno Lopes, 1996)がスピードのあるドリブルでペナルティエリアに迫ったところを倒される。ペナルティエリア左角からのFK、MFハファエウ・ヴェイガが蹴ったボールはゴール左のポストに当たりそのままゴールイン。ゴラッソ。
MFハファエウ・ヴェイガは、2023年3月、6月の親善試合に続き、9月の2026W杯南米予選第1節、第2節も代表に招集。それを自ら祝うかのように、公式戦3試合連続ゴール。代表戦は過去3試合に各20分ほど出場しているが、まだ実力は発揮できていない。南米予選で結果を残し、代表に定着したいところ。
試合概要、所感 etc.
ボール保持率: 前半:60% 40% ⇒ 前後半:56% 44%
シュート(枠内): 前半:5‐2(2-1) ⇒ 前後半:15-4(7-2)
パス成功率: 前半:87% 82% ⇒ 前後半:87% 84%
パウメイラスは、リベルタドーレス準々決勝1stレグと2ndレグに挟まれた試合。しかし、1stレグをアウェイで4-0と快勝したこともあり、全国選手権も2位につけていることから、この試合は現状のベストメンバーと言える先発陣で臨む。
ヴァスコ・ダ・ガマは、降格圏ながら、最近の3試合を上位陣を相手に2勝1分。ラモン・ディアス監督の戦術が徐々に浸透し、守備の安定と攻撃への移行がスムースになり調子は上向きにある。今節もCBが本職のホビソン・バンブー(Robson Bambu, 1997)を右SBに、メデル(Medel, 1987)を最終ラインに配置した先発陣。
パウメイラスは立ち上がりから高い位置でボールの出どころに激しいマークを仕掛け、相手陣でのプレーに終始し、攻撃の圧力を強め速い時間帯での先制点を奪いに行く。しかし、ヴァスコ・ダ・ガマ守備網を崩すことができない。
ヴァスコ・ダ・ガマも前半15分を過ぎるころには落ち着きを取り戻し、前半16分、左サイドライン際からSBルーカス・ピトン(Lucas Piton, 2000)がファーサイドへ高さのあるクロス。FWベヘッチ(Vegetti, 1988)がクリアに飛び出すGKウェヴェルトン(Wevwerton, 1987)の頭を越すヘディングシュート。しかし、これはゴールライン上でCBムリーロ(Murilo, 1997)がクリア。さらにディフェンダーがクリアしたボールを中央ペナルティエリア外でMFパウリーニョ(Paulinho, 1997)がコースを狙った縦回転のシュートでゴール左上隅にボールを突き刺すが、一連のプレーの中でオフサイドが検出されゴールは取り消される。
前半27分にはパウメイラスが左サイドライン際からのクロスにゴール前の混戦からVOLヒシャルジ・ヒオス(Richard Rios, 2000)のシュートはGKレオ・ジャルジン(Léo Jardim, 1995)がしっかりとキャッチ。ヴァスコ・ダ・ガマも前半37分にFWガブリエウ・ペッキ(Gabriel Pec, 2001)がFKを直接狙うが枠を外れる。
スコアレスのまま前半を折り返す。
後半もまた立ち上がりにパウメイラスが攻撃の圧力を強める。後半2分にMFハファエウ・ヴェイガがゴール正面から約25mのミドルシュート。後半8分には右浅い位置からのクロスにFWホニが頭を合わせるが、いずれもGKレオ・ジャルジンがしっかりとキャッチ。
しかし、後半20分、MFハファエウ・ヴェイガがFKを直接決めパウメイラスが先制する。
先制後もパウメイラスは最終ラインが高い位置をキープし、相手陣でのボール保持者へのマークを緩めず、たびたびヴァスコ・ダ・ガマゴールに迫る。パウメイラスは、最後までヴァスコに効果的な攻撃を許さず、1-0ながら内容的には完勝を収めた。
パウメイラスは、絶対的なレギュラーの左サイドのFWドゥドゥ(Dudu, 1992)が前半43分に負傷のため途中交代。その後の検査の結果、復帰まで6~8か月の期間する膝関節のケガが診断され、今シーズンが絶望。2年ぶりのリベルタドーレス制覇、全国選手権連覇に向け、大きな戦力ダウンが否めない。
次戦は、中2日の8月30日にリベルタドーレス準々決勝デポルティーボ・ペレイラ/COLとのホームでの2ndレグ。1stレグは前述のとおり4-0で勝利を収めており、準決勝進出はほぼ手中に収めている。
全国選手権第22節は9月3日にクラシコ、アウェイでのコリンチャンス戦。
ヴァスコ・ダ・ガマは、守備面ではパウメイラスのスピードに後手に回る場面が散見され17本ものシュートを浴びた。しかし、最後の局面ではシュートコースをしっかりと制限し、GKレオ・ジャルジンの好守もあり、無得点に抑え続けた。そてだけに失点シーンのFKを与えたファールが悔やまれる結果となった。
次戦は、9月3日に全国選手権第22節アウェイでの16位バイーア戦。現在の勝点差は5。降格圏脱出のためには勝ち点3の奪取が必須。
アトレチコ・パラナエンセ(CAP) 2-2 フルミネンセ(FLU)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=sPdyQLFQr5c
(CAP) : 13' #25 カカー(Cacá, 1999)[]
(FLU) : 76' #23 グーガ(Guga, 1998)[#15 ジョニー・ゴンサーレス(Yony González, 1994)]
(FLU) : 87' #35 ジョアン・ネット(João Neto, 2003)[#8 マルチネリ(Martinelli, 2001)]
(CAP) : 90+3' #9 ヴィトル・ホッキ(Vitor Roque, 2005)[#28 クエージョ(Cuello, 2000)]
見どころ(試合前の順位)
アトレチコ・パラナエンセは全国選手権9勝5分6敗勝点32の6位。
フルミネンセは全国選手権10勝4分6敗勝点34の4位。
得点シーン
(CAP)前半13分 :
ペナルティエリア右角からのFK。ゴール前の混戦からこぼれたボールをCBカカーが押し込みアトレチコ・パラナエンセが先制。
CBカカーは、クルゼイロ下部組織出身で2018年10月の全国選手権で19歳のプロデビュー。2021年から徳島ヴォルティス/JPNでプレーし、2023年7月にアトレチコ・パラナエンセに期限付き移籍で加入。8月1日のリベルタドーレスでクラブデビューを果たすと。全国選手権は第18節から4試合連続先発出場。このゴールがクラブ初ゴールとなった。
(FLU)後半31分 :
FWジョアン・ネットが相手陣深くの右サイドライン際からペナルティエリアに向かいゴール前にクロス。VOLチアゴ・サントス(Thiago Santos, 1989)が頭で落とし、それを拾ったSBグーガがボールをゴールに蹴り込む。
SBグーガは2023年シーズン前にアトレチコ・ミネイロからフルミネンセに加入。SBサムエル・シャヴィエル(Samuel Xavier, 1990)の控えに甘んじているが、29試合に出場。このゴールがクラブ初ゴールとなった。
(FLU)後半42分 :
相手陣深く左サイドライン際でのパス交換から、VOLマルチネリがペナルティエリア内を右サイドから斜めに上がるFWジョアン・ネットに向けクロスボールを送る。相手ディフェンダーの前に入り、絶好のタイミングで放ったヘディングシュートがゴールネットを揺らしフルミネンセが逆転。
FWジョアン・ネットはフルミネンセ下部組織出身で2021年4月の州選手権で17歳のプロデビュー。2021年は3試合に出場したものの、その後はトップチームでの出場はなく、この試合が2年ぶりの出場。僅か26分の出場で、チーム1点目の起点と2点目のゴール。これを機に出場機会を増やし、レギュラー争いに加わりたいところ。
(CAP)後半45+3分 :
相手陣左サイドの浅い位置からFWクエージョがゴール前にボールを送ると、味方2選手の間からFWヴィトル・ホッキがフリーの状態で抜け出し頭を合わせる。これがゴールネットを揺らし土壇場でアトレチコ・パラナエンセが同点に追いつく。
FWヴィトル・ホッキはこれが全国選手権10得点目で得点ランキングは単独2位。9月のW杯南米予選に向けた代表は選外となり、U-23代表への招集となったが、再度フル代表のメンバーの中でのプレーが見たい。
試合概要、所感 etc.
ボール保持率: 前半:40% 60% ⇒ 前後半:36% 64%
シュート(枠内): 前半:6‐11(3-3) ⇒ 前後半:11-20(4-8)
パス成功率: 前半:70% 86% ⇒ 前後半:69% 88%
アトレチコ・パラナエンセは、出場停止のGKベント(Bento, 1999)に代わりGKレオ・リンキ(Léo Linck, 2001)、7月に徳島ヴォルティスから期限付き移籍で加入したCBカカ(Cacá, 1999)、左SBにヴィニシウス・カウエー(Vinicius Kauê, 2003)の若手選手をCBチアゴ・エレーノ(Thiago Heleno, 1988)と右SBマジソン(Madson, 1992)が支える。
警告累積で攻守の要VOLフェルナンジーニョ(Fernandinho, 1985)を欠く布陣。
フルミネンセはリベルタドーレス準々決勝の1stレグと2ndレグの谷間の試合。GKを含め全ポジション控え選手で試合に臨む。
試合は、両チームとも高い位置で相手の攻撃の起点へのマークを厳しくし、ボール奪取から相手ゴールに迫り、立ち上がりから互いに惜しい場面を創出する。
先制は、アトレチコ・パラナエンセ。ペナルティエリア手前でのFKからの流れでCBカカが加入後初ゴール。
ところが、前半22分にヴィニシウス・カウエーが危険なプレーで一発退場。アトレチコ・パラナエンセは残りの65分を一人少ない状況でのプレーを強いられる。フルミネンセは間もなく守備的なチアゴ・サントス(Thiago Santos, 1989)から攻撃的なアレキサンデル(Alexsander, 2003)へボランチを交代。攻撃に舵を切る。
アトレチコは自陣に引いた守備でゴール前を固めるが、一方で、FWヴィトル・ホッキ、FWカノービオ(Canobbio, 1998)がカウンターを主導し、前半29分にはFWカノービオがシュートに持ち込む。しかし、これは全国選手権初出場となるフルミネンセGKペドロ・ハンジェウ(Pedro Rangel, 2000)に阻まれる。
後半も同様の展開が続くが、後半19分、フルミネンセはCBダヴィジ・ブラス(David Braz, 1987)、MFダニエウ(Daniel, 1996)に代え、MFイザッキ(Isaac, 2004)とFWジョアン・ネットを投入。さらに攻撃の圧力を強める。
すると、後半31分、FWジョアン・ネットが起点となりフルミネンセが同点。さらに、後半42分にFWジョアン・ネットがプロ初ゴール。遂にフルミネンセが逆転する。
このまま試合を終えるかと思われたが、左サイドに2人、ペナルティエリア内に4人と、最後の攻撃に人数をかけたアトレチコ・パラナエンセがFWヴィトル・ホッキのゴールで同点に追いつき試合は終了。
一人少ない状況で長い時間を戦ったアトレチコ・パラナエンセと若手選手と控え選手を中心としてフルミネンセは2-2の痛み分け。勝ち点1を分け合った。
アトレチコ・パラナエンセは、監督交代後、上位チームとの対戦と下位チームとの対戦で試合内容が大きく異なるが、この試合は上位ながら控え選手中心のフルミネンセが相手。下位チームとの対戦時のように高い位置でのプレスから優位に立ち先制するも、退場者を出してからは上位チームとの対戦時のように守備に引きこもった内容。上位チームとの負けパターンのように守り切れず逆転を許すが、何とか同点に追いつき勝ち点1を確保。
監督交代前のダイナミックな展開が懐かしいこの頃。
次戦は、全国選手権第22節9月2日、ホームにアトレチコ・ミネイロを迎える。
フルミネンセは、相手が一人少ない状況もあり、控え選手中心ながらもボールも人も良く動くサッカーでチーム戦術の浸透が見受けられたが、最後の局面のアイディア不足で得点が奪えない。
その中で後半途中に投入した下部組織出身のFWジョアン・ネットが2得点に絡む活躍。レギュラー陣でもゴールやチャンスの創出を依存する状況が特定の選手に依存する状況が続くが、若いFWジョアン・ネットがこの状況を打開できるだろうか。
また、今季前半のチームの好調を牽引しながら、ケガのため長期に戦列を離脱したVOLアレキサンデルが、リベルタドーレスでの14分間の出場に続き、この試合は62分間の出場。このまま状態を上げ、リベルタドーレスでの活躍を期待したい。
次戦は、リベルタドーレス準々決勝オリンピア戦2ndレグ。ホームでの1stレグは2-0で完勝したとはいえ、アウェイでの試合だけに気を緩めず、準決勝進出を決めたい。
全国選手権第22節は、9月3日に3連勝と好調のフォルタレーザをホームに迎える。
フォルタレーザ(FOR) 3-1 コリチバ(CFC)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=G3qG2jqI4Zo
(FOR) : 42' #9 ルセロ(Lucero, 1991)[PK]
(FOR) : 45+4' #9 ルセロ(Lucero, 1991)[#29 ギリェルミ(Guilherme, 1995)]
(FOR) : 60' #12 マリーニョ(Marinho, 1990)[]
(CFC) : 68' #13 クスチェヴィッチ(Kuscevic, 1996)[#30 ホビソン(Robson, 1991)]
見どころ(試合前の順位)
フォルタレーザは全国選手権8勝5分7敗勝点29の8位。
コリチバは全国選手権3勝5分12敗勝点14の19位。
得点シーン
(FOR)前半42分 :
右CKをFWギリェルミ(Guilherme, 1995)が蹴る。ニアサイドでずらしたボールをファーサイドでFWルセロが合わそうとするが合わない。しかし、この時、FWルセロは背後から押されておりVARの結果、フォルタレーザにPKが与えられる。このPKをFWルセロがゴール左に決め、フォルタレーザが先制。
FWルセロは、デフェンサ・イ・フスチシア/ARG下部組織出身のアルゼンチン国籍選手。2022年のコロコロ/CHLでの活躍を受け、2023年1月にフォルタレーザが獲得。この試合終了時点で44試合18得点7アシストを記録。
FWギリェルミはグレミオからの期限付き移籍で今季はフォルタレーザでプレー。過去には中東でのプレーなど経験値が高い。週中のコパ・スウアメリカーナでの2得点を受け、今節は先発出場を果たし、1アシストと1点目の起点となるCKを担当。
(FOR)前半45+4分 :
ピッチ中央でのボールの奪い合いから、ボールを確保したVOLペドロ・アウグスト(Pedro Augusto, 1997)が前を向きペナルティエリア入口へスルーパス。これをFWギリェルミが直接ゴールに流し込もうとするが、GKが間合いを詰め阻止。しかし、こぼれ球をFWルセロがゴールに流し込む。
VOLペドロ・アウグストは、サンパウロ下部組織出身で2018年1月の州選手権で20歳のプロデビューを果たすが、ポジション争いに加われず、同年ロウレターノ/PORへ移籍。翌年から3年間ポルトガル2部のトンデラでプレーするも、2023年は契約を更新せず、7月に移籍金ゼロでフォルタレーザに加入。3試合スタメン後、3試合は後半終了間際の出場。今節は久しぶりの先発で得点に絡むプレー。フォルタレーザではポジション争いに食い込めるだろうか。
(FOR)後半15分 :
ゴール右約45度、約30mの距離のFKをFWマリーニョが直接狙う。GKのキャッチングミスもありフォルタレーザが貴重な追加点。
FWマリーニョは、2023年7月にフラメンゴからフォルタレーザに移籍。加入当初はチャンスを作りながらもゴールに絡めないことからサポーターからの批判の的となったが、最近の公式戦は5試合で2得点1アシスト。得点という結果で批判の封じ込め、サポーターからの信頼を獲得しつつある。
(CFC)後半23分 :
FWホビソンの蹴る右CKはゴールから遠ざかるボール。これにCBクスチェヴィッチが頭を合わせるとボールはゴール左隅に流れ込みコリチバが1点を返す。
CBクスチェヴィッチは、2022W杯南米予選などチリ代表として7試合に出場。ウニベルシダ・カトリカ/CHLからパウメイラスを経て、2023年2月に2026年末までの契約でコリチバに加入。5月に約1か月ケガのため戦列を離れたものの、最終ラインの要とし試合に出場。得点は7月3日の全国選手権第13節ゴイアス戦以来の今季2点目。
試合概要、所感 etc.
ボール保持率: 前半:59% 41% ⇒ 前後半:53% 47%
シュート(枠内): 前半:8‐2(5-1) ⇒ 前後半:12-8(7-2)
パス成功率: 前半:86% 76% ⇒ 前後半:83% 81%
フォルタレーザは、コパ・スウアメリカーナ準々決勝の谷間の試合、1stレグのアウェイでの試合を3-1と終えたことから、今節は最終ラインの2選手を除きコパ・スウアメリカーナと同じメンバーで臨み、全国選手権での上位進出も目指す。
最終ラインは左SBブルーノ・パシェコ(Bruno Pacheco, 1991)に代わり新加入でこれが2試合目の出場となるエスコバル(Escobar, 1997)、右SBチンガ(Tinga, 1993)に代わりCBブリテス(Brítez, 1992)、CBにベネヴェヌット(Benevenuto, 1996)が入る。
コリチバは、3勝1分(その間2失点)で最下位を脱出したものの、そこから4連敗(その間11失点)。短い時間帯に複数失点を喫する試合が続き、再び苦しい状況に陥っている。
先発メンバーは右サイドを中心に4つのポジションで変更。前節先発で加入後初得点をマークしたFWエドゥ(Edu, 1993)はベンチスタート。
今節開始前の時点で、公式戦3連勝中ホームのフォルタレーザと4連敗中のコリチバとの勢いの差が試合開始直後から現れる。
前半2分、フォルタレーザは自陣でのパス交換から、FWルセロがドリブルでボールを前に運び攻撃陣にスイッチを入れると自らシュート、これはコリチバGKガブリエウ(Gabriel, 1992)に両手で阻まれるが、その跳ね返りをFWマリーニョがシュート、ディフェンダーがブロックに入り得点を奪えないものの、連勝中の勢いを見せる。さらには、前半8分には相手陣でのボール奪取から、前半15分には自陣左サイドライン際をSBエスコバルがボールを持ち上がりクロスをあげシュートに持ち込む。
一方のコリチバは、最終ラインを高い位置にキープし、コンパクトに保ったフォルタレーザの中盤を突破できず、遠い位置からのシュートやFKからゴールを狙うにとどまる。
守ってはボールを支配され押し込まれながらを耐え続けたが、前半42分に軽率なプレーでPKを与え失点を喫すると、前半アディショナルタイムに追加点を奪われ、この試合も短い時間に2失点を喫する。
さらには、後半15分にGKガブリエウのキャッチングミスでダメ押しの3点目を喫する。
後半23分、コリチバはセットプレーから1点を返し、後半38分にはペナルティエリア内で左サイドからのクロスに飛び込むFWホビソンがペナルティエリア内で倒されPKを獲得。しかし、このPKはクロスバーを直撃し枠を越えていく。絶好のチャンスを逃したコリチバに反撃の余力は残されておらず、試合は3-1でフォルタレーザの勝利。
フォルタレーザは、3点目を奪ってから少しドタバタした時間帯があったものの、2試合続けてFWマリーニョ、FWルセロ、FWギリェルミのスリートップが機能し、2試合連続の3得点で公式戦4連勝を飾る。
次戦は、コパ・スウアメリカーナ準々決勝アメリカ・ミネイロ戦ホームでの2ndレグ。2点のアドヴァンテージを守り切り準決勝進出を果たしたい。
全国選手権は9月3日に第22節アウェイでのフルミネンセ戦。勝点差3でリベルタドーレス出場圏の5位に位置する相手から勝ち点3を奪い、リベルタドーレス出場圏の6位以内に食い込みたい。
コリチバは、5連敗で全国選手権19位と苦しい状況から抜け出せない。
この試合は軽率なプレーやミスから短い時間で複数失点。精神的な脆さを感じさせられる。
しかも、ケガのため途中交代を余儀なくされた守護神ガブリエウが、右足ふくらはぎの筋肉系のケガと診断され、復帰時期は公表されなかったものの、しばらく戦列を離れる事態に。このアクシデントをチーム一丸で乗り越え、自信を取り戻し、勝ち点を少しずつでも積み重ね、降格圏から脱出したい。
次戦は、9月3日に全国選手権第22節アウェイでのサンパウロ戦が控えている。
グレミオ(GRE) 3-0 クルゼイロ(CRU)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=WoKQtmYBHgY
(GRE) : 29' #9 ルイス・スアレス(Luis Suárez, 1987)[#19 クリスタウド(Cristaldo, 1996)]
(GRE) : 54' #8 カルバージョ(Carballo, 1996)[#9 ルイス・スアレス(Luis Suárez, 1987)]
(GRE) : 78' #23 ペペ(Pepê, 1998)[#39 ビテロ(Bitello, 2000)]
見どころ(試合前の順位)
グレミオは全国選手権10勝3分6敗勝点33の5位。
クルゼイロは全国選手権6勝7分7敗勝点25の12位。
得点シーン
(GRE)前半29分 :
相手陣右サイドゴールライン手前でMFクリスタウドとMFカルバージョがボールにプレスに行くと、相手のパスミスを誘発。こぼれ球を拾ったMFクリスタウドがゴールニアサイドでフリーのFWルイス・スアレスにボールを送る。FWルイス・スアレスはディフェンダーに寄せられる前にダイレクトに右足を振り抜くとボールはゴールネットに突き刺さる。
FWルイス・スアレスは、ウルグアイを代表する歴史的ストライカーの一人。代表実績は137試合68得点。プロデビューを果たしたナシオナル/URU、アヤックス/HOL、リヴァプール/ENG、バルセロナ/ESP、アトレチコマドリード/ESPで、数多くのチームタイトルと個人賞を受賞。グレミオにはナシオナル/URUを経て2023年に加入。膝に爆弾を抱えながらも今節終了時点で37試合17得点11アシストを記録。1部再昇格で上位争いに加わるグレミオへの貢献度も大きい。
(GRE)後半9分 :
相手陣のFKをクイックスタート。ペナルティエリア手前でFWルイス・スアレスがダイレクトに踵で中央にボールを流すとMFカルバージョがディフェンダーとの対峙をかわし右足からゴール右隅へシュート。
MFカルバージョは、2023年3月24日の日本戦でウルグアイ代表初キャップを獲得すると、日本戦を含め3月2試合、6月2試合に出場。2023年6月20日のキューバ戦では代表初先発。ナシオナル/URU下部組織出身で2016年2月に19歳でプロデビュー。2017/18シーズン前にセビージャ/ESPへ移籍。グレミオには2022年末にナシオナル/URUから加入。加入後間もなくセグンドボランチとしてレギュラーを獲得するも、4月、5月は相次ぐケガで戦列を離れるが、復帰後は再びレギュラーの座を奪回。このゴールは州選手権でのインテルナシオナウとのクラシコ以来グレミオでの2点目。全国選手権での初ゴールとなった。
(GRE)後半33分 :
最終ラインの手前でFWルイス・スアレスがゆっくりと右に流れながら、右後方のMFペペにボールを預け、自らはゴールに向け走り出す。ボールはMFペペからペナルティエリア右のMFビテロに送られ、オフサイドの位置から戻るFWルイス・スアレスと入れ替わる形でMFペペがゴールに向かい走り出す。そこにMFビテロから絶妙な戻りのパス。MFペペのシュートはGKのニアサイドを抜きゴールネットを揺らす。
MFペペは、フラメンゴ下部組織出身で2018年1月の州選手権で21歳のプロデビュー。しかし、フラメンゴではポジション争いに加われず、2019年はポルティモネンセ/POR、2021-22年はクイアバでプレー。グレミオには2022年末に3年契約で加入。しかし、4月を挟んだ2か月間と、5月から8月にかけての3か月間をケガのために離脱。復帰後4試合目の出場となるこの試合で2月1日の州選手権以来のゴールを記録。後半戦のチームの上位争いの一助となりたい。
MFビテロは、2023年9月のU-23モロッコ代表との親善試合に向けたU-23代表に招集。チームでは右サイドのサイドハーフ、ウィングとして決定的なパスの供給や自らのシュート、守備面でも高い位置でのプレスや自陣へのプレスバックなど、攻守に右サイドで存在感を放つ。ビテロは欧州でのプレー願望を公言、現在の欧州移籍ウィンドウでも複数の欧州クラブから関心が寄せられている。クラブも欧州移籍を後押しする姿勢を見せるも、貴重な戦力として現移籍ウィンドウでの移籍は相当額の移籍金の提示を条件としている模様。
試合概要、所感 etc.
ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:42% 58%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:8-6(4-1)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:79% 81%
グレミオは、公式戦2連敗中。コパ・スウアメリカーナ準々決勝2ndレグは、1stレグでの0-2の結果を受けての試合。何度もチャンスを作り出しながらもゴールを奪えず敗退。前節サントス戦は、ちぐはぐとした内容で逆転負けを喫した。
今節はFWルイス・スアレスがスタメンに名を連ね、2018W杯代表でグレミオで数々のタイトルを獲得するCBジェロメウ(Geromel, 1985)が大ケガを乗り越え2022年10月23日以来の復帰を先発で飾る。
一方のクルゼイロは、最近6試合に未勝利。3試合前のボタフォゴ戦は相手を圧倒する内容で引き分けたものの、前々節、前節と実質的なラストプレーで失点を喫し勝ち点を失っている。
今節の先発陣は、前節とほぼ同じメンバー。前節は引き分けに終えたものの終始内容は圧倒しており、その流れを今節に繋げたい意図が感じられる。
試合は、前半5分にグレミオが相手陣でのボール奪取から最後はFWルイス・スアレスがゴールネットを揺らす。しかし、これはオフサイドの判定。その後もグレミオは相手陣でボールへのプレスを続け、前半29分に相手陣でのボール奪取から先制点を奪う。
その後は高い位置でのプレスを控え、自陣に引いた守備を見せるものの、自陣に入ったボールに対しては素早く寄せに入り、クルゼイロに自由なボール回しを許さない。
後半6分、クルゼイロが左サイドからFWアルトゥール・ゴメス(Arthur Gomes, 1998)がゴール前ファーサイドへ柔らかいクロス。FWハファエウ・エリアス(Rafael Elias, 1999)が胸トラップからシュートを放つが、ゴール枠を越えてしまう。
すると、後半9分、相手陣でのFKのクイックスタートからグレミオが追加点。さらに後半33分にグレミオがダメ押しの3点目。
試合はそのまま3-0でグレミオが内容に見合った勝利を収めた。
グレミオは、FWルイス・スアレス不在の前節とは別チームの試合内容。
FWルイス・スアレスは、前半29分のゴール、後半9分のアシスト以外にも、開始5分のオフサイドとなり取り消されたゴール、後半29分のカウンターから時間を作りMFクリスタウドに送ったスルーパス、後半33分のゴールの起点、試合終了間際のオフサイドで取り消されたMFビテロのゴールではMFビテロに走るコースを指示するなど、攻撃面で八面六臂の活躍。今節のゴールが8試合ぶりの得点と記録上は全盛期のような数字は残せていないが、プレー面では圧巻の働きで、今季のグレミオの躍進を支えている。
一方で、10か月ぶりの復帰を果たしたCBジェロメウが、前半終了間際に右ハムストリングを痛めハーフタイムを待たずに交代。ケガの状態が気になる。
次戦は、全国選手権第22節が9月3日にホームにクイアバを迎えて行われる。
クルゼイロは、ほとんどいいところがなく0-3の完敗。
この敗戦で7試合未勝利となり、試合翌々日にペパ(Pepa)監督の解任が発表された。
ペパ監督は、ミナスジェライス州選手権準決勝敗退を受け、全国選手権開幕前にクルゼイロ監督に就任。
適度な選手間の距離で攻守にコンパクトな陣形を保ち、高いボール保持率を保ちながら相手ゴールに迫る戦術をチームに落とし込むことに成功。4月下旬には公式戦4連勝。全国選手権は第4節の3位をピークに第8節までリベルタドーレス出場圏の6位を維持。
しかし、VOLヒシャルジ(Richard, 1994)の不祥事による退団、VOLハミーロ(Ramiro, 1993)のケガによる長期離脱と、中盤のキーとなる2選手を失いチームの勢いは失速。適度な選手間の距離は次第に広がっていき、前線は数多くのシュートチャンスを作り出すことができてもゴールが奪えない試合が続く。
その状況で守備を再構築し、6月終わりから7月にかけて2勝2分と一度は挽回を果たすも、再び勝ち星から見放された。
好調時のサッカーは美しく、不調に陥った際も限られた選手層の中でその手腕は一定以上の評価を受けたが、残念ながら結果を残すことができず解任となった。
もう少し戦力の整ったチームでの采配を見てみたいと思わせる監督。ポルトガル国籍だがブラジルでの采配を再び見ることはできるだろうか。
次戦は、9月3日に全国選手権第22節ホームでのRBブラガンチーノ戦。