カイオ・セーザル (Kaio César)

投稿者: | 2023年9月26日
最新更新日 : 2024/07/15
更新履歴 : 2023/11/29

若手 ブラジルサッカー コリチバ フォワード パンアメリカン

カイオ・セーザル・アンドラージ・リマ

Kaio César Andrade Lima

ポジション:フォワード/アタカンチ

利き足:右

2004年2月15日生まれ

<幼少期>

 ブラジル連邦共和国の北東部に位置するアラゴア州の州都マセイオに生まれる。
 フットサルでキャリアをスタートさせたカイオは、複数の名門チームの下部組織に在籍するが、いずれも上位カテゴリーに昇格できず、クラブを去る。

<クラブ経歴>

≪育成時代

 2018年、14歳になる年にコリチバの下部組織に入団。U-15チームに所属する。
 15歳で迎えた2020年には、1つ上のカテゴリーであるU-17チームに昇格。
 2021年、16歳でU-20チームに昇格。幼い頃からずっと小柄なカイオは、自らの特長であるスピードと俊敏性、ボールを扱う技術の高さに加え、体幹を強化、シーズン終盤にはU-23チームでも試合への出場機会を得るようになる。
 2021年のU-20コパ・ド・ブラジルでは準々決勝から決勝までのホーム&アウェイ計6試合に出場(うち4試合に先発)、チームの優勝に貢献。
 10月には、コリチバとプロ契約を締結。
 2022年は、コリチバU-20チームの年間31試合のうち28試合に出場(すべて先発)、U-20パラナ州選手権のタイトルを獲得する。この年にはトップチームのトレーニングにも参加、8月14日全国選手権第22節アトレチコ・ミネイロ戦では出場機会は訪れなかったもののベンチ入りを果たした。

コリチバ≫

– 2023 –

 2023年は、18歳にしてトップチームの一員として迎える。
 2023年1月18日、パラナ州選手権第2節で後半38分の途中交代出場でプロデビューを果たすと、自身3試合目の出場となる1月29日第5節で初スターティングイレブンに抜擢。後半11分に、FKから相手GKがパンチングでクリアしたボールをペナルティエリア入口からダイレクトに右足を合わせゴールネットに突き刺すプロ初ゴール。
 2月5日第7節アトレチコ・パラナエンセとのクラシコでは、前半17分にペナルティエリア内右で逆サイドからボールを受けると、ディフェンダーとの対峙を制し、GKのニアサイドを抜くシュート。チームの先制点となるゴールをマークする。
 4月に開幕した全国選手権でもコンスタントに試合に出場。11月のパンアメリカン競技大会のため一か月チームを離れるが、24試合に出場(うち先発9試合)。州選手権、コパ・ド・ブラジルではゴールを決めているが、全国選手権ではノーゴールに終わった。

– 2024 –

 トップチームでの実績を残しているものの、2024年1月開幕のU-20全国大会カップ戦に出場。

ヴィトーリアSC(レンタル元:コリチバ)≫

– 2023/24 –

 2024年1月30日、カイオはメディカルチェックを受けるためにポルトガルへ旅立つ。
 その後、ヴィトーリアSC/PORと2024年6月末までの期限付き移籍契約に署名。
 2024年2月17日リーグ戦第22節にて後半39分にピッチに立ちクラブデビュー。その後、途中交代出場が続き、4月7日第28節にて先発に抜擢される。以降は先発での起用が増え、最終的に14試合(うち先発5試合)に出場する。

– 2024/25 –

 期限付き移籍契約はさらに一年更新。新たな期限は2025年6月末。
 2024年7月10日のプレシーズンマッチではスタメンに起用され90分のフル出場。クラブ2年目での活躍が期待される。

≪シーズン別クラブ出場記録≫

シーズン所属大会試合出場
時間
得点アシ
スト
2023年(19歳)コリチバ全国選手権2487600
コパ・ド・ブラジル426210
州選手権843620
 合計36157430
2023/24年(20歳)ヴィトーリアSC/PORポルトガルリーグ1241900
ポルトガルカップ27500
 合計1449400
2024/25年(21歳)ヴィトーリアSC/PORポルトガルリーグ
ポルトガルカップ
 合計
イタリック斜体は、2024年7月15日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。

<代表(世代別含む)経歴>

2023年パンアメリカン競技大会(U-23)≫

 2023年9月22日には、10月22日開幕の2023パンアメリカン競技大会U-23代表18選手の一人として選出。19歳での初の世代別代表がU-23カテゴリーでの招集となった。
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-23代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日対戦
相手
試合
結果
出場
時間
得点アシ
スト
2023/10/23予選第1節アメリカ合衆国1 – 03100
2023/10/26予選第2節コロンビア2 – 01600
2023/10/29予選第3節ホンデュラス3 – 04500
2023/11/01準決勝メキシコ1 – 0100
2023/11/04決勝チリ1 – 1
PK: 4-2
1200
 合計8 – 110500
大会はすべて途中交代出場ながら、全5試合出場。
自身の特長を生かしたスピードで、攻撃面ではドリブルでの仕掛けや積極的なシュート、守備面では前線から中盤でボールホルダーを執拗に追い、初戦は試合の流れを変え、第2節以降は試合を締める役割を務めた。

<プレースタイル、雑感 etc.>

 利き足は右。
 身長は、160㎝~168㎝と情報源により異なる。コリチバ公式HPには記載なし。
 フットサル仕込みのボールを扱う技術とスピードが最大の特長。
 幼い頃から小柄で、低身長が理由の一つとしてカテゴリーを上げることができず、フルミネンセやエスポルチといった名門クラブの下部組織を退団している。
 プロデビュー後のインタビューでは、このエピソードをよく話のネタにしていると話し、「お前はチビだ」とよく言われるが「ホマーリオ(1994W杯のブラジル代表優勝の立役者、93/94シーズンにバルセロナでラ・リーガ得点王など)は?メッシは?」と言い返し、低身長であることをバネに成長を続けている一面もある。

 コリチバ下部組織出身で身長が170㎝に満たない選手と言えば、欧州の22/23シーズンを前にフェイエノールト/HOLに移籍し、入団4か月後の2022年11月には、大柄な選手がひしめくオランダリーグで相手の守備陣を切り裂くプレーでレギュラーの座を獲得。37試合9得点6アシストを記録しチームのリーグ優勝に貢献したFWイゴル・パイション(Igor Paixão, 2000)が挙げられる。
 イゴル・パイションは2023年9月のU-23モロッコ戦に出場したものの、パンアメリカンはクラブでの活躍のため招集が見合わされ、二人が共にプレーする機会は訪れなかった。しかし、カイオ・セーザルにとっては身近に感じて目標とすることができる選手。

 「チビ」は先入観や偏見だけでなく、実際にフィジカルが重要視される現代のサッカーではハンディキャップとなる。しかし、カイオ・セーザルは、幸いにも2023パンアメリカン競技大会で世界のスカウトの目に触れる機会を得た。その舞台で、クラブの先輩イゴル・パイションのように、自分の特性を120%生かしたプレーを披露し、自らの手で世界への扉を開けてもらいたい。そして、そこから続く無限に広がる道のりを着実に成長しながら歩んで行ってもらいたいと思う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です