【ブラジル全国選手権2023】第25節(2/2)

投稿者: | 2023年10月1日

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全国選手権第25節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2023】第25節(1/2)
・2023/09/30 フラメンゴ(FLA) x バイーア(BAH)
・2023/09/30 フォルタレーザ(FOR) x グレミオ(GRE)
・2023/09/30 サンパウロ(SAO) x コリンチャンス(COR)
・2023/09/30 クイアバ(CUI) x フルミネンセ(FLU)
・2023/09/20 インテルナシオナウ(INT) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2023/10/01 サントス(SAN) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) 
・2023/10/01 クルゼイロ(CRU) x アメリカ・ミネイロ(AME)
・2023/10/01 コリチバ(CFC) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)
・2023/10/01 RBブラガンチーノ(RBB) x パウメイラス(PAL)
・2023/10/02 ボタフォゴ(BOT) x ゴイアス(GOI)

全国選手権第25節 試合概要

サントス(SAN) 4-1 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) 

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=LlIH4cN_t2U
(SAN) : 15' #9 マルコス・レオナルド(Marcos Leonardo, 2003)[PK]
(VAS) : 30' #99 ベヘッチ(Vegetti, 1988)[#11 ガブリエウ・ペッキ(Gabriel Pec, 2001)]
(SAN) : 45+1' #25 トマス・リンコン(Tomás Rincón, 1988)[#16 ドドー(Dodô, 1992)]
(SAN) : 45+3' #9 マルコス・レオナルド(Marcos Leonardo, 2003)[#8 ジアン・ルーカス(Jean Lucas, 1998)]
(SAN) : 75' #10 ソテウド(Soteldo, 1997)[#25 トマス・リンコン(Tomás Rincón, 1988)]

見どころ(試合前の順位)

   サントスは全国選手権6勝6分12敗勝点24の18位。
   ヴァスコ・ダ・ガマは全国選手権7勝5分12敗勝点26の15位。

得点シーン

(SAN)前半15分 :
VOLトマス・リンコンからのスルーパスに反応したFWマルコス・レオナルドが斜めに切れ込みペナルティエリア内でボールを確保しようとするところを後方から背中を押され倒される。VARが介入しオンフィールドレヴューの結果、サントスにPKが与えられる。このPKをFWマルコス・レオナルド自身が決める。
(VAS)前半30分 :
FWベヘッチが相手ミドルシュートをブロックするとボールは相手陣に流れる。FWガブリエウ・ペッキがディフェンダーと競り合いながらもボールをペナルティエリア内に運ぶと、GKが間合いを詰めに飛び出すところをフリーのFWベヘッチにボールを送る。FWベヘッチは無人のゴールにボールを蹴り込む。
   FWガブリエウ・ペッキは、FWホッシのケガによる欠場を受けて4試合ぶりの先発。その期待に応え、そして最近の好調を維持してFWベヘッチのゴールをアシスト。
   FWベヘッチは、8月のクラブデビュー以来、9試合7得点1アシスト。2023年アルゼンチン選手権得点王の肩書は伊達ではない。
(SAN)前半45+1分 :
MFソテウドが蹴る右CK。ニアサイドでCBドドーが頭で球筋を変えるとファーサイドでVOLトマス・リンコンが足を合わせゴールネットを揺らす。
   VOLトマス・リンコンは現役のベネズエラ代表で代表試合は128試合に出場し1得点を記録。この試合では、左右に幅広く走りヴァスコ・ダ・ガマの攻撃を寸断。チーム一点目は敵陣に入った所からFWマルコス・レオナルドへ絶妙のスルーパス。三点目は相手陣でのボール奪取が起点となり、四点目は相手ペナルティエリア内でボールをキープし絶妙のタイミングでMFソテウドにボールを預けるアシストをマーク。自身もこのゴールをマーク。チーム四得点のすべてに関与する活躍を見せた。
(SAN)前半45+3分 :
相手陣に入った所でVOLトマス・リンコンが相手ボールを掻き出し、そのこぼれ球を拾ったMFジアン・ルーカスがドリブルで縦にボールを運びFWマルコス・レオナルドへスルーパス。FWマルコス・レオナルドはダイレクトに左足を振り抜き、ファーサイドのゴールネットを揺らす。
   FWマルコス・レオナルドは、僅かにオフサイドと判定されたゴールでハットトリックは逃したものの、降格圏脱出に向け勝たなければならない試合で2得点をマークしチームの勝利に貢献。シーズン終了後には欧州移籍がほぼ確定しているような状況だが、チームの一部残留を置き土産に欧州へ旅立ってもらいたい。
(SAN)後半30分 :
FWマルコス・レオナルドが相手陣に抜け出し自陣からのクリアボールを受けるとGKの位置を見てロングシュート。GKが何とか足に当てゴールを逃れるが、FWマルコス・レオナルドがボールをキープ。ペナルティエリア内に上がったVOLトマス・リンコンにMFジアン・ルーカスを経てボールが繋がると、VOLトマス・リンコンは絶妙のタイミングでMFソテウドにボールを送る。MFソテウドがゴールにボールを蹴り込みダメ押し点。
   MFソテウドは後半始めに相手陣深くで両足でボールに乗る挑発的なプレーで、再開まで10分近く要する混乱を誘発する。この混乱で両チーム合わせてレッドカード3枚、イエローカードが2枚提示。それはさておき。試合ではスピードとドリブルで前がかりになるヴァスコ・ダ・ガマの背後を突くプレーでサントスに流れを引き寄せた。ダメ押しの4点目で試合の決着をつけた。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:42% 58%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:13-11(5-4)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:80% 86%

   サントスは前節で勝利を収めた顔ぶれと同じ先発陣。
   ヴァスコ・ダ・ガマはFWホッシ(Rossi, 1993)がケガのため欠場、MFディミトリ・パイェ(Dimitri Payet, 1987)がベンチスタート。この二選手に代わりFWガブリエウ・ペッキとVOLマルロン・ゴメス(Marlon Gomes, 2003)がスタメンに復帰。

   最近好調の流れを維持しヴァスコ・ダ・ガマが立ち上がりからサントス陣でボールを回す。FWベヘッチとFWガブリエウ・ペッキが適度な距離間でプレー。MFマルロン・ゴメスとSBルーカス・ピトンが左サイドを攻め上がり優位に試合を展開する。
   しかし、先制点はサントス。VOLトマス・リンコンのパスに抜け出したFWマルコス・レオナルドがペナルティエリア内で倒されPKを獲得。FWマルコス・レオナルド自身がこのPKを決める。
   失点後もヴァスコ・ダ・ガマはボールを支配。相手陣でボールを回し攻撃の糸口を探る。一方のサントスも下がり過ぎることなく、中盤での寄せを速くし、ボール奪取からのカウンターを狙う。
   サントスは前半29分にCKを獲得するが、それを逆手にヴァスコ・ダ・ガマがカウンターを仕掛け同点に追いつく。
   ボールを持つヴァスコ、カウンターを狙うサントスの構図は変わらず時間が経過、このまま前半を終えるかと思われた前半45+1分、サントスがCKから勝ち越し。さらにその2分後には相手陣でのボール奪取からカウンターで追加点。サントスが3-1とリードして前半を折り返す。
   ヴァスコは後半開始時に2選手を交代、攻撃な布陣で後半を迎える。しかし後半間もなく、サントスMFソテウドの挑発的なプレーをきっかけにヴァスコMFセバスチャン・フェレイラ(Sebastián Ferreira, 1998)が報復的なプレーで両チーム入り乱れる混乱が発生。約10分後に試合は再開するが、ヴァスコはCBメデル(Medel, 1987)、サントスはMFルーカス・リマ(Lucas Lima, 1990)とベンチのVOLロドリゴ・フェルナンデス(Rodrigo Fernández, 1996)がレッドカード。
   この判定でヴァスコは不要な交代カードを一枚使うことになる。ヴァスコが前がかりとなる中、後半30分にサントスがカウンターからダメ押しの4点目。
   試合はサントスが4-1で連勝を飾った。

   サントスは、相手にボールを持たれながらも、以前のようにチーム全体がゴール前に押し込まれるような場面もほとんどなく、効果的なカウンターで得点を積み重ね大事な一戦で勝利を収めた。
   VOLトマス・リンコンとVOLジアン・ルーカスの両ボランチは、献身的に中盤の守備に走り回るだけでなく、ボールのキープ力や前への推進力もあるため、マイボールの際の選択肢が多くなり、その中でカウンターが効果的になっているように感じられる。
   この試合では、キャプテンマークを巻いたVOLトマス・リンコンが無双の働き。守備面でのボール奪取に加え、4得点すべてに絡む活躍を見せた。
   この勝利でサントスは2連勝。順位も暫定ながら15位に浮上、今節での16位は確定した。今節のような試合運びを続けることができれば、安定した成績を残せるように思われる。
   次戦は、10月8日に全国選手権第26節アウェイでのクラシコ、パウメイラス戦。

   ヴァスコ・ダ・ガマは、最近の好調な試合ぶりをこの試合でも見せたが、少し前がかりになり過ぎ、サントスにスペースを与え過ぎたきらいがあった。また、FWホッシの不在と陣形の変更のため、右サイドでゴールライン際までボールを持ち上がることがなく、サントスの守備を押し込めなかったのが敗因の一つかもしれない。
   次戦は、10月7日に全国選手権第26節、ホームでのサンパウロ戦。最終ラインで精神的な支柱にもなっているCBメデルが出場停止となり、今節4失点の守備面で不安が残る。一方で、攻撃面ではFWベヘッチは好調を維持。FWホッシがスタメンに復帰するかガブリエウ・ペッキが引き続き先発に名を連ねるか不明だが、両選手ともFWベヘッチとの相性は良く、攻撃面での不安点は少ない。今節のように先制を許し後手に回る展開を避けて試合を進めたい。

クルゼイロ(CRU) 1-1 アメリカ・ミネイロ(AME)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=0TotX_VPVks
(CRU) : 21' #4 ルシアーノ・カスタン(Luciano Castán, 1989)[#10 ニカォン(Nikão, 1992)]
(AME) : 28' #10 ベニテス(Benítez, 1994)[#30 ニコラス(Nicolas, 1997)]

見どころ(試合前の順位)

   クルゼイロは全国選手権7勝8分9敗勝点29の13位。
   アメリカ・ミネイロは全国選手権4勝5分15敗勝点17の19位。

得点シーン

(CRU)前半21分 :
MFニカォンの右CKに、CBルシアーノ・カスタンがファーサイドでディフェンダーの頭越しにヘディングシュートを放ちクルゼイロが先制。
   CBルシアーノ・カスタンは、2008年のサンパウロ州選手権下位リーグ、ウニオン・サン・ジョアンでのデビュー以来、下位リーグでのプレーが続いたが、2016/17シーズンのフランス・スタッド・ブレストへの移籍を足掛かりに、翌年のカタールでのプレーを経て、2019年に全国選手権1部CSAに加入しレギュラーとしてプレー。2021年、2022年はコリチバでもレギュラーの座を獲得。クルゼイロには州選手権終了後の2023年3月22日に単年契約で加入し、レギュラーの座を射止めている。このゴールは今季の初ゴール。
(AME)前半28分 :
左サイドのSBニコラスからペナルティエリア手前でボールを受けたMFベニテスが内に切れ込み右足を振り抜くとグラウンダーのシュートはゴール右隅に吸い込まれる。
   MFベニテスは、2011年U-17W杯2試合、2011年南米U-17選手権5試合2得点を記録するアルゼンチン国籍選手。2022年7月に期限付き移籍でアメリカ・ミネイロに加入すると、中盤でのボールキープ、攻撃の組み立てを担い、下位に低迷していたチームの10位フィニッシュに貢献。クラブも一か月以上に及ぶ交渉の末、完全移籍で獲得した。2023年はチームが低迷する中、戦術的理由で満足のいく出場機会を得ていないが、今節終了時点で32試合7得点9アシストの記録を残しており、守備が安定すれば出場機会も増えていくはず。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:57% 43%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:16-17(2-7)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:85% 76%

   クルゼイロは、ゼ・ヒカルド(Zé Ricardo)監督が指揮を執り3試合目の試合。ほぼ固定した先発陣でアメリカ・ミネイロ戦に臨む。
   アメリカ・ミネイロは、ファビアン・ブストス(Fabián Bustos)監督が指揮を執り、全国選手権は前節終了時点で7試合勝ち点7。最近の4試合は2分2敗と勝ち点を伸ばせていない。2試合連続無得点中の今節は、試合開始直前のGKの変更や出場停止も含め、5つのポジションで先発変更。この試合では5試合ぶりの勝ち星を目指す。

   クラシコはホームのクルゼイロがボールを支配、FWウェズレイ(Wesley, 1999)や高い位置を取るMFニカォンが積極的に仕掛けアメリカゴールに迫る。
   すると、早くも前半21分にCKからクルゼイロが先制。しかし、喜びも束の間、7分後の前半28分にアメリカ・ミネイロが同点ゴール。
   その後は両チームとも攻撃面でのリスクを抑え、試合は膠着状態に陥る。
   後半もクルゼイロがボールを握り、アメリカ・ミネイロがカウンターを狙う展開。クルゼイロはボールを握るものの、アメリカ・ミネイロのカウンターを警戒し、人数をかけて相手守備網を崩すことができず、大きなチャンスを迎えることができない。時間が経過すると共にクルゼイロに集中力に欠くシーンが表れだし、後半35分を過ぎるころにはアメリカ・ミネイロがカウンターから相次いでクルゼイロゴールに迫る。後半アディショナルタイムにはクルゼイロは退場者を出し守備を固め試合終了。

   クルゼイロは、降格圏に低迷するアメリカ・ミネイロの守備網を崩すことができず、16本ものシュートを放ちながら枠内シュートは僅かに2本。効果的なパス回しは少なく、その点においては監督交代によってクォリティが下がっているように思われる。
   ゼ・ヒカルド監督はほぼ固定した選手起用で3試合が経過したが、連係面で向上した様子もなく、今節は3試合の中で最もサポーターがストレスを感じるような試合展開。前2監督は、結果こそ伴わなかったものの、将来に向け期待を抱かせるサッカーを見せていたが、現実路線に立ち戻った監督人事で結果が伴わないのは応援する分には厳しい。内容でなく結果を求められているゼ・ヒカルド監督には、一試合でも早く残留を確定してもらいたい。
   次戦は、全国選手権第26節が10月14日にアウェイでのクイアバ戦。

   アメリカ・ミネイロは、守備が幾分改善。失点シーンは空中戦で完全に相手に上回られたものの、他のシーンではマークもしっかりと付き、危険な場面はほとんどなかった。守備から攻撃への移行も素早く、少ない人数で得点を奪うこともできた。
   しかし、選手権も約三分の二が終える中、降格圏脱出までに必要な勝点差は8ポイントに広がった。試合ごとの進歩も大事だが、今は勝ち点3が必要な状況。試合中は最後まで集中力を切らさず、セットプレーでは特に集中して無駄な失点を防ぎ、勝ち星を積み上げていきたい。
   次戦は10月8日に全国選手権第26節、アウェイでのフォルタレーザ戦。

コリチバ(CFC) 2-0 アトレチコ・パラナエンセ(CAP)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=Ot20JfF3VNo
(CFC) : 14' #3 ヴィクトル・ルイス(Victor Luís, 1993)[FK]
(CFC) : 45+4' #9 スリマニ(Slimani, 1988)[#10 マルセリーノ・モレノ(Marcelino Moreno, 1994)]

見どころ(試合前の順位)

   コリチバは全国選手権3勝5分16敗勝点14の20位。
   アトレチコ・パラナエンセは全国選手権11勝7分6敗勝点40の6位。

得点シーン

(CFC)前半14分 :
ゴール正面のFK。SBヴィクトル・ルイスが左足で直接狙った強烈なシュートは、壁の脇を抜け、ゴール左に決まる。
   SBヴィクトル・ルイスは、パウメイラス下部組織出身で、2017年に期限付き移籍先のボタフォゴでレギュラーとして活躍。パウメイラスでも2018年に38試合に出場し全国選手権制覇に貢献、2021年に32試合に出場しリベルタドーレス制覇に貢献するが、2022年末をもって契約が満了。2023年1月にコリチバに加入する。コリチバではSBジャメルソン・バイーア(Jamerson Bahia, 1998)とポジションを争い、今節終了時点で31試合3得点を記録。この試合では、守備やビルドアップでチームの勝利に大きく貢献した。
(CFC)前半45+4分 :
相手陣左サイドライン際アタッキングサードに入ったあたりからMFマルセリーノ・モレノがゴール前にクロス。FWスリマニが高さでディフェンダーに勝りヘディングシュートをゴールに沈める。
   FWスリマニは、2014W杯4試合2得点1アシストなどアルジェリア代表として94試合44得点を記録。2023年8月21日に2024年末までの契約でコリチバに入団。2試合連続ゴール。加入後4試合で2得点1アシストを記録。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:44% 56%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:7-11(3-6)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:76% 82%

   コリチバは8連敗中。その間の総失点は25と守備が崩壊。ミスに端を発する失点や短い時間での連続失点など精神的な面での立て直しが求められる。ホームでのクラシコ「アトレチーバ」で自信を取り戻したい。
   最終ラインにCBクスチェヴィッチ(Kuscevic, 1996)が出場停止明け、右SBにはナタナエウ(Natanael, 2002)が4試合ぶりにスタメン復帰、なかなか体調が上がらない元ギリシャ代表VOLサマリス(Samaris, 1989)に代わりVOLマテウス・ビアンキ(Matheus Bianqui, 1998)がプリメイロボランチを務める。攻撃陣ではスピードのある出場停止のFWホビソン(Robson, 1991)に代わり、高さのあるFWジオゴ(Diogo, 1996)を起用。
   アトレチコ・パラナエンセは、公式戦8試合負けなし。しかし、前節はFWヴィトル・ホッキ(Vitor Roque, 2005)と右SBマジソン(Madson, 1992)の主力2選手がケガのため途中交代。今節はFWパブロ(Pablo, 1992)が累積警告で出場停止、センターフォワードにはベテランFWウィリアン(Willian, 1986)が務める。

   試合はホームのコリチバがボールをコントロール。自陣に引いて中盤を固めカウンターを狙うアトレチコ・パラナエンセの守備網に対し、慌てることなくリスクを犯すことなく、じっくりと攻撃の糸口を探る。
   前半14分、コリチバはゴール正面でFKを得ると、SBヴィクトル・ルイスが直接決め先制。
   その後はアトレチコがボールを持つが攻撃に迫力はなく、コリチバは集中力を保ちアトレチコの攻撃をしのいでいく。コリチバは、前半37分、ペナルティエリア内でのFWスリマニがボールをキープ、MFマルセリーノ・モレノがペナルティエリア内に侵入しボールを受け角度のない位置からシュートに持ち込むが、ボールはゴールポストを叩きGKベント(Bento, 1999)がしっかりとキャッチ。
   前半45+2分、コリチバはMFマルセリーノ・モレノ、FWスリマニへのマークの甘さを突き追加点を奪う。
   後半開始時にアトレチコは高さのあるFWホームロ(Rômulo, 2002)とスピードとキープ力のあるFWクエージョ(Cuello, 2000)を投入し、布陣をツートップからスリートップに変更。アトレチコはサイドでのゴールライン際までの持ち上がりやミドルシュートなど、攻撃のバリエーションが増え、コリチバを押し込んでいく。後半22分には左CKからクリアボールをFWホームロが芯に当たったビシクレッタを放つがGKガブリエウ(Gabriel, 1992)が両手でCKに逃れ、後半25分にはFWカノービオ(Canobbio, 1998)が自陣からドリブルでボールを持ち上がりシュート。後半35分には、FWアリアガーダ(Arriagada, 2002)が相手陣深くでボールを奪いゴール前に素早くクロスを送るが、ディフェンダーのマークを上手く外したFWホームロのシュートはゴール枠を捉えない。
   コリチバは、後半の多くの時間をボールを支配され自陣に押し込まれるが、最後まで集中力を切らすことなく、9試合ぶりの勝利を9試合ぶりの無失点で勝ち取った。

   コリチバは、ホームの利とアトレチコの消極的な姿勢を生かし、試合の立ち上がりをコントロールし早い時間帯に先制。その後も効率的な攻撃でアトレチコゴールを脅かし、前半終了間際に追加点。後半はアトレチコが攻撃の圧力を強める中、全員が守備の意識を高く保ち、FWジオゴなどの攻撃的な選手もボールの出どころへのプレスをかけ続け守備に貢献。最終ラインは、しっかりとしたラインコントロールで下がり過ぎることなく、中盤をコンパクトに保ち、ホームのクラシコ「アトレチーバ」を無失点の2-0で勝利を収めた。
   この結果、勝ち点3を積み上げ勝ち点は17。降格圏脱出には依然勝点差9を詰める必要があり、厳しい状況は変わらない。しかし、好調のアトレチコ・パラナエンセを相手に無失点に抑えたことは自信となるはず。一戦一戦目先の試合にこだわり、この試合で見せた集中力を今後のすべての試合で見せてもらいたい。
   次戦は、10月8日に全国選手権第26節、アウェイでのアトレチコ・ミネイロ戦。

   アトレチコ・パラナエンセは2か月ぶりの黒星。消極的な立ち上がりから、危険な位置でファールを犯し、FKを直接決められ先制点を許す。前半終了間際には、ゾーンディフェンスのためか、数的有利にあるもののボール保持者への寄せが甘くなり、ゴール前でも3対1の状況で頭を合わされ失点。
   後半は選手交代を通じて、攻撃の勢いを強めたものの、ボールの出どころへの寄せに苦しみ、サイドからの単調なクロスが主体となった攻撃は怖さがなく、ゴールをこじ開けることができず試合を終えた。
   次戦は10月8日に全国選手権第26節、ホームにRBブラガンチーノを迎える。

RBブラガンチーノ(RBB) 2-1 パウメイラス(PAL)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=t_6ojQeVfgA
(PAL) : 15' #9 エンドリッキ(Endrick, 2006)[#40 ジョン・ジョン(Jhon Jhon, 2002)]
(RBB) : 61' #19 エドゥアルド・サーシャ(Eduardo Sasha, 1992)[PK]
(RBB) : 90' #7 エリキ・ハミレス(Eric Ramires, 2000)[#8 ルーカス・エヴァンジェリスタ(Lucas Evangelista, 1995)]

見どころ(試合前の順位)

   RBブラガンチーノは全国選手権11勝9分4敗勝点42の4位。
   パウメイラスは全国選手権12勝8分4敗勝点44の2位。

得点シーン

(PAL)前半15分 :
自陣ペナルティエリア手前でVOLヒシャルジ・ヒオス(Richard Rios, 2000)が前に出てボールを奪いに行くとボールがこぼれる。そのボールをMFジョン・ジョンが拾い、すかさず相手守備ライン裏を狙うFWエンドリッキへスルーパス。FWエンドリッキは間合いを詰めるGKを冷静にかわし、無人のゴールにボールを送る。
   FWエンドリッキは、控えに甘んじているものの、全国選手権は19試合623分の出場で5点目。レギュラーの座を掴むためにも、与えられた出場機会で着実に結果を残していってもらいたい。
   MFジョン・ジョンは、サンパウロ州選手権下位リーグのプリマヴェーラで2021年にプロデビュー。その後、パウメイラスU-20チームへ期限付き移籍を経て完全移籍。2022年のU-20チームでの活躍を受け、2023年にトップチームに昇格。2023年は、中盤の攻撃的なポジションの3番手として、途中交代が中心ながら27試合(先発11試合)に出場。高い位置で左右に流れボールを配給するプレースタイルだが、ミドルシュートや前線を追い抜くプレーでゴールに絡む姿を見てみたい。
(RBB)後半16分 :
SBジュニーニョ・カピシャバが、ペナルティエリア内左でドリブルを仕掛け、ゴールライン際からクロス。これがディフェンダーの広げた腕に当たりPKを獲得。これをFWエドゥアルド・サーシャが決める。
   ケガによる一か月の離脱などもあったFWエドゥアルド・サーシャが、7月3日第13節コリンチャンス戦以来3か月ぶりのゴール。前半にはゴールポストに嫌われるシュートを放つなど、コンディションが上向いている。首位ボタフォゴを追い上げるためにもFWエドゥアルド・サーシャの復調は欠かすことができない。
(RBB)後半45分 :
相手ゴールから約35m付近をボールを右から左へ繋ぎ、SBジュニーニョ・カピシャバがクロス。VOLルーカス・エヴァンジェリスタ(Lucas Evangelista, 1995)がニアサイドで頭を合わせ後方へ流すと、VOLエリキ・ハミレスがファーサイドのゴールポスト手前でボールを押し込みRBブラガンチーノが逆転。
   VOLエリキ・ハミレスは、2019年U-20南米ユース選手権代表で4試合に出場。バイーア育成出身で18歳の2018年9月2日全国選手権第23節エスポルチ戦でスタメン起用のプロデビュー。2020年のバーゼル/SUIへの期限付き移籍などを経て、2020年11月に期限付き移籍でRBブラガンチーノに加入。2021年にはRBブラガンチーノで48試合に出場し、RBブラガンチーノが完全移籍で獲得。この試合では、後半開始時の出場で中盤を落ち着かせることに成功。試合終了間際の勝ち越しゴールをあげるMOM級の活躍。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:62% 38%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:22-9(8-3)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:84% 68%

   RBブラガンチーノは、リーグ最少負け数「4」で並ぶパウメイラスとの対戦。前節でアメリカ・ミネイロを相手に2-0の完勝を収めたが、今節は出場停止明けの2選手を含め、5選手を変更して試合に臨む。
   パウメイラスは、リベルタドーレス準決勝の谷間の試合。すべてのポジションに若手選手や控え選手が起用され、2000年以降生まれの選手が8選手、うち下部組織出身の7選手がスタメンに名前を連ねる。

   試合は立ち上がりからRBブラガンチーノがボールと陣地を支配。前半8分には相手陣深く左サイドライン際でボールを繋ぎ、ゴールライン際からのクロスにFWエドゥアルド・サーシャがファーサイドで足を合わせるがゴールポストを叩く。前半13分にはペナルティエリア手前を右から左へ細かくボールを繋ぎ、縦に駆け上がるSBジュニーニョ・カピシャバが角度のないところからシュート。ゴール前で混戦となるがパウメイラスGKマルセロ・ロンバ(Marcelo Lomba, 1986)が辛うじてボールを確保。RBブラガンチーノがバリエーション豊かな攻撃で試合の主導権を握るかに思われた。
   しかし、先制点はパウメイラス。前半15分にFWエンドリッキのゴールが生まれる。さらにパウメイラスは前半17分にMFルイス・ギリェルミ(Luis Guilherme, 2006)がMFジョン・ジョンがからボールを受け、ペナルティエリアに侵入し強烈なシュート。しかし、これはGKクレイトン(Cleiton, 1997)がしっかりとコースを塞ぎCKに逃れる。その2分後にもMFルイス・ギリェルミはペナルティエリアの手前ゴール正面からシュートを放つがゴールポストに嫌われる。さらには、前半25分のFWブレーノ・ロペス(Breno Lopes, 1996)のシュートもゴールポストに嫌われる。
   先制後にパウメイラスは多くのチャンスを迎えたが、GKクレイトンの好セーブや2度もゴールポストに嫌われるなど、僅かな所で追加点を奪えず、アウェイでの試合を1-0のリードで前半を終える。
   後半開始時にRBブラガンチーノはVOLを交代、中盤での安定を図る。この狙いは効果を表し、中盤でのボールロストが減り、RBブラガンチーノは相手陣でのプレー時間を増やしていく。すると、後半16分にPKを獲得し同点。試合終了間際の後半45分には逆転ゴール。
   上位対決をRBブラガンチーノが2-1で制し、RBブラガンチーノは2位に浮上した。

   RBブラガンチーノは、対戦相手に関わらず、ボール支配率を高め、相手陣でボールを展開するサッカーを今節も展開。このようなチームスタイルゆえに少し歯車が狂うとオープンな展開になるケースも多かったが、この試合でも見せたように、選手交代や指示を通して試合中に修正が行えるようになり、戦績が安定し始めた。
   勝ち切ることができず引き分けに終えた試合が多かったものの、負け数はリーグ最少の「4」、チームは試合を積み重ねるごとに成長を続けている。
   この勝利で勝ち点を44に伸ばし全国選手権は2位に浮上。
   次戦は10月8日に全国選手権第26節、アウェイでのインテルナシオナウ戦。

   パウメイラスは若手選手や控え選手主体のチームながら、立ち上がりこそ押し込まれたものの、前半の先制後は多くのチャンスを作り出した。RBブラガンチーノGKクレイトンの相次ぐ好セーブやゴールポストに阻まれたシュートがどれか一つでも入っていれば展開は変わっていたかもしれない。
   PKを与えた点や終了間際の逆転ゴールは課題として残るが、試合を通して若手選手は成長を感じさせた。リベルタドーレスでの抜擢は難しいかもしれないが、今後の全国選手権ではこの試合に出場した選手を積極的に起用し、来年以降に向けた補強に頼らない選手層の拡充を期待したい。
   この試合の結果、全国選手権は4位に後退。首位ボタフォゴとの差を詰めることができず、試合を重ねるごとに逆転優勝の可能性は低下している。
   次戦は、10月5日にリベルタドーレス準決勝ボカ・ジュニオルス/ARG戦ホームでの2ndレグ。守備の固いボカに対し、最近の試合は攻撃の迫力に欠けるパウメイラスだが、ホームでの一戦を勝利で飾り決勝戦に駒を進めたい。
   全国選手権第26節は10月8日にホームでのクラシコ、サントス戦が控えている。

ボタフォゴ(BOT) 1-1 ゴイアス(GOI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=cbLHbO0lOcE
(GOI) : 27' #3 ルーカス・アウテル(Lucas Halter, 2000)[#60 ギリェルミ・マルケス(Guilherme Marques, 1991)]
(BOT) : 52' #9 チキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)[#11 ルイス・エンヒキ(Luis Henrique, 2001)]

見どころ(試合前の順位)

   ボタフォゴは全国選手権16勝3分5敗勝点51の首位。
   ゴイアスは全国選手権6勝8分10敗勝点26の16位。

得点シーン

(GOI)前半27分 :
MFギリェルミ・マルケスが蹴る右CK。ニアサイドでCBルーカス・アウテルがディフェンダーの手前でボールを頭に合わせると、ボールはゴールネットに突き刺さる。
   CBルーカス・アウテルは、2023年10月22日に開幕するパンアメリカン競技大会のU-23代表に選出。2017年にはU-17W杯7試合、南米U-17選手権8試合1得点。アトレチコ・パラナエンセ下部組織出身で2019年1月のパラナ州選手権で18歳のプロデビュー。2022年7月に期限付き移籍でゴイアスに加入。2023年にはレギュラーの座を獲得。ゴイアスは完全移籍を要請するがアトレチコ・パラナエンセは拒否。来季はアトレチコ・パラナエンセへ復帰する可能性が高い。
(BOT)後半7分 :
FWルイス・エンヒキが自陣からドリブルで持ち上がり、FWチキーニョ・ソアレスにボールを預ける。FWチキーニョ・ソアレスはペナルティエリア手前までボールを運ぶと、ディフェンダーの寄せが甘くなったところをコースを狙った右足からの巻き込むシュート。右ゴールポストを叩いたボールがゴールに収まるゴラッソ。
   FWチキーニョ・ソアレスは今節まさかのベンチスタート。後半開始時に途中交代でピッチに立つと、オン/オフザボールで存在感を発揮。このゴールはシュート技術の高さを示すゴラッソ。約3カ月ぶり、ケガから復帰後の初ゴールをゴラッソで決めた。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:56% 44%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:15-8(6-3)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:81% 75%

   ボタフォゴはコパ・スウアメリカーナ準決勝2ndレグの敗退、全国選手権で3連敗を喫し、公式戦は4連敗中。守備から攻撃の移行にスピード感が欠け、2試合連続無得点で試合を終えている。FWチキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)が孤立する場面も散見され、攻撃の厚みを作り出せずにいる。
   今節は、FWチキーニョ・ソアレスに代えFWジエゴ・コスタ(Diego Costa, 1988)、右SBにチェチェー(Tchê Tchê, 1992)が起用される大方の予想を覆すスターティングイレブン。
   ゴイアスは、勝ち星から遠ざかっているが、再構築された守備が安定し、引き分けで勝ち点を積み重ねている。今節のスタメンは最近の安定した試合を展開するイレブン。セットプレーや攻撃に重心を置いた際には十分に得点を奪うだけのクオリティがある攻撃陣だけに、前回の対戦(2-1の勝利)同様、大方の予想を覆す結果をもたらす可能性もある。

   試合開始直後からアウェイのゴイアスが、守備時は4-5-1の布陣で最終ラインは下がり過ぎず中盤をコンパクトに保ち、VOLモレリ(Morelli, 1997)を中心に、FWアラーノ(Allano, 1995)が時には自陣コーナーフラッグ近辺まで守備に下がるなど、全員が守備の意識を高く持つ。攻撃面では右サイドのFWアラーノにボールを集め相手を押し込んでいく。人数をかけた攻撃は、ボールを失ってもすぐに奪い返し、ボタフォゴ陣でのプレーが続く。
   前半5分にはゴイアスはFWアラーノがペナルティエリア内右からのグラウンダーのシュート。一方のボタフォゴも前半10分に相手陣内でパスカットからFWジエゴ・コスタが強烈なシュートを放つがGKタデウ(Tadeu, 1992)が決死のセーブ。
   ゴイアスペースで時間が進むと、前半27分に得意のセットプレー、コーナーキックからCBルーカス・アウテルのヘディングシュートでゴイアスが先制。ゴイアスの先制後はボタフォゴも反撃を試みるが、ミドルシュートや単調なサイドからのクロスに止まりゴイアスの組織的な守備を崩すことができない。
   後半開始時にボタフォゴは、この試合ベンチスタートのFWチキーニョ・ソアレスを投入、FWルイス・エンヒキも同時に投入しアタッキングサードでの攻撃の打開を図る。すると、後半7分、この2人の共演による同点ゴール。
   このままボタフォゴに流れが傾くと思われたが、ゴイアスも守備をベースに落ち着きを取り戻し、再び試合は均衡状態に。
   後半36分、ボタフォゴはMFマチアス・セゴビア(Matías Segovia, 2003)を投入。すると、MFマチアス・セゴビアが右サイド深くでボールを受けディフェンスラインを下げVOLチェチェーにボールを下げると、VOLチェチェーはクロスバーを直撃するシュート。
   一方のゴイアスも後半42分に3選手を交代すると、自陣でVOLモレリがボール奪取から右サイドへスルーパス。SBアポジ(Apodi, 1986)はスピードを生かしディフェンダーを振り切ると中央へクロス。中央でFWマテウス・バビ(Matheus Babi, 1997)がシュートに持ち込むが、懸命に戻ったCBアドリエウソン(Adryelson, 1998)がシュートブロック。
   ゴイアスの積極的な試合運びと、両監督の選手交代を通した主導権の奪い合いが行われた試合は、最後までもつれ、1-1のままタイムアップ。ボタフォゴは全国選手権での連敗を3でストップ。ゴイアスは試合開始時には降格圏にあった順位を脱することに成功した。

   ボタフォゴは、ブルーノ・ラージェ(Bruno Lage)監督が思い切ったスターティングイレブンで試合に臨むが、VOLチェチェーが低い位置にいることでゴイアスに比較的自由なボールの展開を許し、攻撃面では次々と後方から選手がボールを追いこすダイナミックなスタイルが影を潜め単調な攻撃に終始する。
   後半に入り、FWチキーニョ・ソアレスがピッチに立ったことで、FWチキーニョ・ソアレスがボールを受けたり囮となることで攻撃のバリエーションは増えていく。しかし、セカンドボールの回収率は上がらず、攻撃の圧力をかけ続けることができない。
   攻撃面のスタッツではゴイアスを上回るものの、内容としては互角、もしくはやや劣った試合は最終的に1-1の引き分け。
   2位RBブラガンチーノとの勝点差は依然7ポイントと2ゲーム差以上の余裕はあるものの、全国選手権はこれで4試合未勝利。チームが好調の最中、突然の監督交代で就任したブルーノ・ラージェ監督だが、選手やサポーターが好調時のサッカーを記憶に残す中、自分の特色を植え付けるのに時間を要し、勝ち星から遠ざかることで批判も試合を追うごとに増している。
   チームのピーク時に外部からの招聘でチームを引き継いだブルーノ・ラージェ監督には気の毒な面もあるが、観戦者としてはやはりあのピーク時のサッカーが再び見たい。
   次戦は10月8日に全国選手権第26節、敵地マラカナンスタジアムでのクラシコ、フルミネンセ戦が控えている。

   残留争いに苦しむゴイアスだが、首位ボタフォゴを相手に積極的な試合を展開。全国選手権第11節から指揮を執るアルマンド・エヴァンジェリスタ(Armando Evangelista)監督が手掛けた守備の再構築とセットプレーでの得点力アップがこの試合でも発揮された。
   前線の守備の負担が重く流れの中からの得点は見られなかったが、惜しい場面も複数見られた。残留争いを繰り広げる間は現状の戦い方が続くだろうが、守備を立て直したアルマンド・エヴァンジェリスタ監督の攻撃面の手腕も見てみたい。
   今節の結果、残留圏の16位をキープ。
   次戦は10月7日に全国選手権第26節、ホームでの18位バイーア戦。バイーアとの勝点差は僅かに2ポイント。引き分けで勝ち点を積み上げているものの、最近の5試合は上位、中位のチームとの対戦で勝ち点はわずかに4。下位チーム同士の対戦で勝ち点3を積み上げ残留争いから抜け出したい。

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