<2026W杯南米予選>第4節 ウルグアイ x ブラジル [2023.10.17]

投稿者: | 2023年10月17日

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ウルグアイ(URU) 2-0 ブラジル (BRA)

ハイライト動画(ポルトガル語実況)

ハイライト動画(実況なし)

得点経過

(URU) : 42' #9 ダルウィン・ヌーニェス(Darwin Núñez, リヴァプール/ENG)[#13 マキシミリアーノ・アラウーホ(Maximiliano Araújo, トルーカ/MEX)]
(URU) : 77' # デ・ラ・クルス(De La Cruz, リーベルプレート/ARG)[#9 ダルウィン・ヌーニェス(Darwin Núñez, リヴァプール/ENG)]
  (BRA) : N/A

ブラジル代表 メンバー表

「背番号」欄 : "〇"は先発フル出場。"△"はin、"▽"はout。
背番号ポジション名前所属生年月日交代
得点
カード他
〇 22GK /
Goleiro
エデルソン・モラエス
Ederson  Moraes
マンチェスターシティ/ENG
Manchester City
1993/8/17Y77′
▽ 6SB /
Lateral
ヤン・コウト
Yan Couto
ジローナ/ESP
Girona
2002/6/3↓73′
〇 3CB /
Zagueiro
マルキーニョス
Marquinhos
パリSG/FRA
Paris SG
1994/5/14
〇 4CB /
Zagueiro
ガブリエウ・マガリャンエス
Gabriel Magalhães
アーセナル/ENG
Arsenal
1997/12/19
▽ 16SB /
Lateral
カルロス・アウグスト
Carlos Augusto
インテルナツィオナーレ/ITA
Internazionale
1999/1/7↓73′
〇 5MF /
Meio campista
カゼミロ
Casemiro
マンチェスターユナイテッド/ENG
Manchester United
1992/2/23Y71′
▽ 8MF /
Meio campista
ブルーノ・ギマランエス
Bruno Guimarães
ニューキャッスル/ENG
Newcastle
1997/11/16↓84′
▽ 10MF /
Meio campista
ネイマール・ジュニオール
Neymar Júnior
アル・ヒラル/KSA
Al Hilal
1992/2/5↓45+4′
〇 11FW /
Atacante
ホドリゴ
Rodrygo
レアル・マドリード/ESP
Real Madrid
2001/1/9Y45+5′
▽ 7FW /
Atacante
ヴィニシウス・ジュニオール
Vinícius Júnior
レアル・マドリード/ESP
Real Madrid
2000/7/12↓84′
〇 19FW /
Atacante
ガブリエウ・ジェズス
Gabriel Jesus
アーセナル/ENG
Arsenal
1997/4/3Y83′
12GK /
Goleiro
ルーカス・ペリ
Lucas Perri
ボタフォゴ
Botafogo
1997/12/10
1GK /
Goleiro
アリソン・ベッケル
Alisson Becker
リヴァプール/ENG
Liverpool
1992/10/2
2SB /
Lateral
エメルソン・ホイヤウ
Emerson Royal
トッテナム/ENG
Tottenham
1999/1/14
△ 6SB /
Lateral
ギリェルミ・アラーナ
Guilherme Arana
アトレチコ・ミネイロ
Atlético Mineiro
1997/4/14↑73′
15CB /
Zagueiro
ブレメル
Bremer
ユヴェントス/ITA
Juventus
1997/3/18
14CB /
Zagueiro
アドリエウソン
Adryelson
ボタフォゴ
Botafogo
1998/3/23
△ 20MF /
Meio campista
ハファエウ・ヴェイガ
Raphael Veiga
パウメイラス
Palmeiras
1995/6/19↑84′
17MF /
Meio campista
アンドレ
André
フルミネンセ
Fluminense
2001/7/16
22MF /
Meio campista
ジェルソン
Gerson
フラメンゴ
Flamengo
1997/5/20
△ 21FW /
Atacante
マテウス・クーニャ
Matheus Cunha
ウルヴァーハンプトン/ENG
Wolverhampton
1999/5/27↑84′
Y89′
△ 9FW /
Atacante
ヒシャルリソン
Richarlison
トッテナム/ENG
Tottenham
1997/5/10↑45+4′
△ 18FW /
Atacante
ダヴィジ・ネリス
David Neres
ベンフィカ/POR
Benfica
1997/3/3↑73′
監督代行: フェルナンド・ジニース(Fernando Diniz)

試合概要

試合開始前

   ブラジルのスターティングイレブンは前節ベネズエラ戦から3つのポジションで変更。右SBには、ケガで途中交代を余儀なくされたダニーロに代わりヤン・コウト。左SBにはギリェルミ・アラーナに代わり代表デビューとなるカルロス・アウグスト。センターフォワードには、ヒシャルリソンに代わりガブリエウ・ジェズスがそれぞれ抜擢された。
   フェルナンド・ジニース監督のサッカーは短い距離のパスを細かく繋ぎ人もボールも有機的に動いて相手守備陣を崩すサッカー。前節ではFWヴィニシウス・ジュニオールもFWホドリゴも窮屈になりスピードを生かしたプレーができず、FWヒシャルリソンは前後の動きが少なく守備に帰る場面以外は消える時間が多かった。今節はFWガブリエウ・ジェズスが先発に抜擢されたが、この変更が効果を表すのか、前線の3選手の動きに注目したい。

前半

   ブラジルはウルグアイの高い位置でのプレスに最終ライン、特に両CBとGKの間でパスを回すばかりでボールを前に進めることができない。オフェンスで相手陣にボールが入ったのは前半7分、そこからヴィニシウス・ジュニオールがドリブルで相手をかわすが単発に終わる。
   FWホドリゴの初ボールタッチは前半14分、自陣のスローインを受けに戻った際に、ネイマールからのパスを受けドリブルで相手陣にボールを運ぶがやはり単発に終わる。
   ブラジルはボランチの2人が交互にボールを受けに下りるがボールを収めることができず、ボランチ2人が前に上がりネイマールが下がってボールを受けようとするが、ウルグアイの厳しいマークに前を向くことができずバックパスを繰り返す。
   ウルグアイは高い位置でのプレスからのボール奪取や、ブラジルが縦に送るボールをカットしては、左サイドを中心に攻撃を仕掛けていく。
   ブラジルは前半22分に初めて最終ラインがウルグアイ陣内に入る。そこから厚みのある攻撃を展開するかと期待されたが、間もなくボールを奪われる。
   前半25分を過ぎるころになると、ホドリゴが比較的自由に動き、時にはCBの手前まで下りるなどしボールタッチの回数を増やしていく。前半35分、ホドリゴが運んだボールをガブリエウ・ジェズスに預けるとジェズスがファールを貰いFKを獲得。ブラジルは初めてのチャンスを迎えるが、ネイマールがゴール前に上げたボールはあえなくクリアされる。
   前半42分、ウルグアイはブラジル陣でのスローインからマキシミリアーノ・アラウーホがマルキーニョスと入れ替わる形で左サイドライン際を抜け出す。ゴールライン手前から中央にボールを送ると、ダルウィン・ヌーニェスが潜り込むように頭を合わせ、両チーム合わせてこの試合の初シュート。これがゴールネットを揺らす。
   前半45分、接触プレーでネイマールが負傷。3分後にヒシャルリソンが交代でピッチに立つ。
   前半はブラジルが62%のボール保持率を誇ったが、プレーエリアは自陣左サイドが最も多く、全体としてもブラジル陣でのプレー時間が長く、ブラジルは1本のシュートを放つことができないまま、0-1のビハインドで前半を終えた。

後半

   両チームとも選手交代なく後半が開始。
   後半3分、ブラジル陣の高い位置でウルグアイがボールを奪うと、ダルウィン・ヌーニェスがゴールライン際までボールを持ち運びマイナスのクロス。しかし、誰にも合わずブラジルは難を逃れる。
   後半10分、相手陣でガブリエウ・ジェズスがドリブルでペナルティエリアに迫るがディフェンダーに囲まれボールロスト。サポートの動きやパスを出せる位置に味方がおらず孤立する。
   後半12分、ブラジルは相手陣左サイドライン際でヴィニシウス・ジュニオールが倒されFKを得る。再スタートでボールを後ろへ戻し、攻撃の組み立てを図るが、狭い範囲に人は集まるものの、選手に動きはなく、あえなくボールを奪われる。
   後半16分、ホドリゴの右CK。高く上げたボールにガブリエウ・マガリャンエスが頭を合わせるは当たりは弱くボールは枠を越える。ブラジルのチーム初シュート。
   後半23分、ブラジルはゴール正面でFKを獲得。ホドリゴが直接狙ったボールはクロスバーを直撃、真上に上がったボールはゴール後方へと流れる。
   その後両チームともCKを一度ずつ獲得するがゴールに繋がらない。
   後半32分、ウルグアイはブラジル陣深く右サイドからスローイン。ダルウィン・ヌーニェスがゴールライン際から3人のディフェンダーの包囲をすり抜け中央へボールを送ると、デ・ラ・クルスがフリーの状態でボールをゴールに蹴り込む。ウルグアイが貴重な追加点。
   ウルグアイは守備陣を中心に選手交代を実施。
   ブラジルも選手交代を繰り返すが、繰り返すごとに、短いパスを細かく繋ぐコンセプトが薄まっていき、選手間の連係はなくなっていく。CBやVOLからのパスは距離が長くなり、前線にたどり着く前にボールを引っ掛けられ攻撃を組み立てられない。
   試合はこのままタイムアップ。ウルグアイが2-0の勝利を収めた。

所感

   開幕節のボリビア戦こそ5得点を奪ったものの、その後の2試合はセットプレーから1得点ずつを挙げたのみ。今節はシュート数僅かに2本、いずれもセットプレーからで流れからのシュートは0本。
   2022W杯で指揮を執ったチチ(TIte)監督は、両ウィングがサイドライン際に張り付き左右を広く使った攻撃スタイル。CBからサイド深くへのロングフィードや、そのプレーで出来たスペースを利用した攻撃、相手陣でのプレスからのショートカウンターを攻撃のベースにしていた。
   フェルナンド・ジニース監督の戦術は、チチ監督の戦術とは大きく異なっているにもかかわらず、この南米予選に招集する選手は2022W杯代表が主体。以前よりサイドバックが課題と言われ、この予選でも招集したSBの選手が次々に離脱するなど想定外の出来事も発生しており、そこに問題があるかのようにサイドバックを固定せず、途中交代で次々と入れ替えているが、問題はそこではない。
   そもそもの選手選考に問題がある。
   スピードのあるヴィニシウス・ジュニオールやホドリゴはその武器を生かす場面がなく、センターフォワードのガブリエウ・ジェズスもヒシャルリソンも前後左右にオフザボールで動いても、ボールをもらいに下りても、シュートに持ち込めるような場面が訪れない。
   カゼミロにしろブルーノ・ギマリャンエスにしろ、フェルナンド・ジニース監督のコンセプトに最適なボランチとは言えない。
   2022W杯代表、つまり前監督がベストと考えた(それはあくまでチチ監督の戦術にとってのベストな人選)選手を寄せ集め、フェルナンド・ジニース監督の戦術に当てはめさせようとしているが、結果的に個々の選手の特長を消してしまっている。
   代表戦では急激な選手の変更はリスクが大きいため徐々に自らの戦術に適した選手を招集していくものだと思うが、前回と今回でフェルナンド・ジニース監督の戦術に適するであろう選手の招集や、試合への起用は見られない。
   フルミネンセでは嵌ればファンを魅了するサッカーを展開しているだけに、自分の戦術に適した選手を自らの目で選択し、トレーニングでチームに戦術を浸透させて、11月の南米予選を迎えてもらいたい。

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