エドゥアルド・コジツキ (Eduardo Kogitzki)【ドゥドゥ (Dudu)】

投稿者: | 2023年10月13日
最新更新日:2023/12/09

ブラジル 若手 逸材 アトレチコ・パラナエンセ ドゥドゥ 2023南米U-17選手権 2023U-17W杯

エドゥアルド・コジツキ・アナスタシオ

Eduardo Kogitzki Anastacio

ポジション:ミッドフィルダーメイオ・カンピスタ

利き足:左

2006年1月1日生まれ

<幼少期>

 ブラジル連邦共和国パラナ州の州都クリチバに生まれる。
 物心をつく頃には父親と近所の広場でボールを蹴るようになり、6歳の時に小学校のフットサルチームに入部。

<クラブ経歴>

≪育成時代

 2013年(7歳)に、クリチバに本拠を置くコリチバ下部組織のフットサルチームに入団。
 2019年(13歳)、コリチバの最大のライバル、アトレチコ・パラナエンセのフットサルチームに移籍。移籍後間もなく、フットサルからサッカーに転向し、アトレチコ・パラナエンセU-13チームに所属する。
 2021年(15歳)にはU-15ブラジル代表に初招集。
 2022年(16歳)、アトレチコ・パラナエンセU-17チームで30試合6得点、U-17代表に招集を受け、トップ下でのプレーで注目を浴びる。また、アトレチコ・パラナエンセではU-20チームの試合にも出場するようになる。
 2022年9月にはアトレチコ・パラナエンセとプロ契約を締結。2023年5月には契約を更改し、2026年4月まで契約期間を延長する。
 2023年にはU-20チームに昇格。1月に開催されるU-20全国大会カップ戦に出場。
 3月から4月にかけては南米U-17選手権に出場するためクラブを離れるが、帰国後はU-20、U-17の両カテゴリーでプレー。U-17コパ・ド・ブラジルでは準優勝。U-17全国選手権とU-20全国選手権は準々決勝進出。U-20パラナ州選手権は準決勝進出。いずれも決勝ラウンドのほぼすべての試合に出場を果たす。
 2023年7月9日、全国選手権第14節アウェイでのフォルタレーザ戦ではトップチームに帯同、出場機会には恵まれなかったものの初のベンチ入りを果たした。
 2023年10月13日現在、トップチームでの試合出場履歴はない。

≪シーズン別クラブ出場記録≫

シーズン所属大会試合出場
時間
得点アシ
スト
2023年(17歳)アトレチコ・パラナエンセ出場経歴なし
イタリック斜体は、2023年10月13日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。

<代表(世代別含む)経歴>

– 2021 –

 2021年(15歳)、U-15ブラジル代表に初招集。

– 2022 –

 2022年4月には、U-17ブラジル代表として2022年モンテギュー国際大会に出場。
 4月12日メキシコ戦(〇4-0)、14日オランダ戦(△2-2)の2試合は先発フル出場を果たし、16日イングランド戦(〇3-0)、18日決勝アルゼンチン戦(〇2-1)の2試合は先発出場で途中交代。
 この大会でブラジルは優勝を果たし、ドゥドゥは世代別代表での初タイトルを獲得した。

– 2023 –

 【南米U-17選手権】 

 2023年3月8日、3月30日開幕の南米U-17選手権代表に選出。
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-17代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日対戦
相手
試合
結果
出場
時間
得点アシ
スト
2023/03/30予選R第1節エクアドル2 – 29000
2023/04/01予選R第2節チリ3 – 09001
2023/04/03予選R第3節コロンビア3 – 17610
2023/04/07予選R第5節ウルグアイ3 – 0900
2023/04/11決勝R第1節ベネズエラ2 – 19011
2023/04/14決勝R第2節パラグアイ3 – 24901
2023/04/17決勝R第3節エクアドル2 – 2
2023/04/20決勝R第4節チリ3 – 09002
2023/04/23決勝R第5節アルゼンチン3 – 29011
合計24 – 1058436
予選R開幕節エクアドル戦は、得点にこそ絡まなかったものの、ブラジル代表は高い位置でボールを奪うとドゥドゥを経由して相手ゴールに迫る。サイド攻撃などボールがドゥドゥを経由しない場面では、FW陣が前に上がってできたスペース(二列目)にポジショニング、FWと適度な距離を取り、シュートの跳ね返りやクリアボールを攻撃を組み立てなおし、または自らシュートに持ち込む。
予選R第2節チリ戦では、前半30分、FWカウワン・エリアスの背後に位置取り、FWカウワン・エリアスが守備ライン裏に抜け出し放ったシュートがゴールポストに嫌われるやそのボールを回収。ゴール前に精度の高いクロスを供給しFWカウワン・エリアスのゴールをアシスト。
予選R第3節コロンビア戦はPKで自身の大会初ゴール。
決勝R第1節ベネズエラ戦は前半6分のCKを蹴り、CBダ・マタのゴールをアシスト。前半18分にもドゥドゥのCKにCBヴィトル・ヘイスがドンピシャのタイミングで頭を合わせクロスバーを直撃。
前半33分には、FWカウワン・エリアスがペナルティエリア手前で競り合った空中戦のこぼれ球に、ワンタッチでボールを縦方向に置き一瞬でディフェンダーを抜き去ると、GKの位置をよく見てファーサイドのサイドネットを揺らすコントロールショット。
決勝R第2節パラグアイ戦ではゴールライン際からのマイナスのクロスでMFハイアンのゴールをアシスト。
決勝R第4節チリ戦では、守備ライン裏へ抜け出しを図るMFハイアンへのスルーパスと、FKのキッカーとしてFWヒカルドのヘディングシュートの2アシストを記録。
優勝のために勝たなければならない決勝R第5(最終)節アルゼンチン戦では、前半29分に守備ライン裏に抜け出しを図るFWヒケウミへスルーパス。ボールを受けたFWヒケウミの切り返しが大きくなるところを縦に走り込みチーム2点目のゴール。同点に追いつかれた後半14分にはCKのキッカーとしてCBダ・マタの勝ち越しゴールをアシストした。
同大会は8試合に出場し3得点6アシストの活躍。6アシスト、9回のゴール関与は大会最多。ブラジル代表の優勝に大きく貢献した。

 【親善試合、代表合宿】 

 2023年6月7日、北中米カリブ海U-17選手権王者のメキシコとの親善試合に向けたU-17代表に選出。
 親善試合はメキシコシティで、6月28日(メキシコ1-0ブラジル)、6月30日(メキシコ2-5ブラジル)の2試合が開催されたが、試合の詳細は公表されておらず、試合への出場は不明。
 2023年8月22日~9月4日のU-17代表合宿に招集。
 2023年9月26日~10月7日の期間に行われたU-17代表合宿、および、9月29日、10月1日の行われるカナダU-17代表との親善試合、10月4日、6日に行われるアメリカU-17代表との親善試合に向けたU-17代表に選出。
 9月29日カナダ戦(〇3-1)は出場機会なし、10月1日カナダ戦(〇5-0)は先発出場。10月4日アメリカ戦は0-0のまま前半終了時に天候不良で試合終了、出場は不明。10月4日アメリカ戦(〇3-0)は先発出場で途中交代。

 【2023U-17W杯】 

 2023年10月11日、インドネシアで11月10日に開幕する2023U-17W杯代表の21選手の一人として選出された。
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-17代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日対戦
相手
試合
結果
出場
時間
得点アシ
スト
2023/11/11予選第1節イラン2 – 39000
2023/11/14予選第2節ニューカレドニア9 – 05900
2023/11/17予選第3節イングランド2 – 19000
2023/11/20決勝一回戦エクアドル3 – 19000
2023/11/14準々決勝アルゼンチン0 – 39000
合計16 – 841900
チーム5試合のすべてに先発出場。高い位置でFWエステヴォン、FWハイアンが積極的にボールを持つなか、守→攻へのつなぎ役、セカンドボールの回収など、セグンドボランチのような役割と全体のバランスをとるポジショニング。南米U-17選手権のようなゴールに直接結びつくプレーは多くは見られなかったが、その時には見られなかった新たな一面が見られた。

<プレースタイル、雑感 etc.>

 利き足は左。
 身長176㎝、体重70kg。(サッカーサイト「oGol」2023年10月13日参照)
 2006年生まれ世代の世代別代表の背番号10。しかし、ボールを持ってパスコースを探すタイプではなく、ワンタッチ、ツータッチの少ないタッチ数で決定的なパスを供給。
 相手ペナルティエリア近くでは、守備ライン裏へ絶妙なスルーパスを送り、味方に預けるパスから自らが縦に走りワンツーで守備ラインを崩しシュート。サイドに流れては精度の高いクロスをゴール前に供給。
 シュートとパスの判断力が高く、シュート技術も高いものを持つ。
 相手ゴールから離れた位置では、成功率の高い長短のパスで攻撃の起点となり、フットサル仕込みの足元の技術に基づいたボールキープ力でチームに落ち着きをもたらすなど、試合の流れを読む能力も高い。

 南米U-17選手権では、攻撃時にはFW陣と近い位置でプレーし決定的なパスを供給。FW陣に入るサイドからのクロスボールのこぼれ球やシュートの跳ね返りを回収し、再度FW陣へボールを供給し複数のアシスト、時には自らがシュートに持ち込みゴールをマーク。
 セットプレーのキッカーとして良質のボールを供給し、コーナーキックから3アシスト、フリーキックから1アシストを記録。さらにはPKから1ゴールを決め、同大会は8試合で3得点6アシストの数字を残す。
 守備面でもサイドバックやボランチを底にボール保持者に対して蓋をしにいく守備や、相手カウンター時の素早い帰陣や押し込まれた際の前を向きブロックを形成する守備で献身的な一面を見せた。

 アトレチコ・パラナエンセからは、近年では、リヨン/FRAからニューキャッスル/ENGに移籍しブラジル代表として2022W杯に出場したMFブルーノ・ギマランエス(Bruno Guimarães, 1997)や、アトレチコ・マドリード/ESPを経てマルセーユ/FRAでプレーするSBヘナン・ロッジ(Renan Lodi, 1998)、2024/25シーズンでのバルセロナ/ESP加入が決まっているFWヴィトル・ホッキ(Vitor Roque, 2005)が輩出されている。ドゥドゥもまた、これらの選手に続く資質を備えている。
 2023年は、U-17カテゴリーで8試合に対し、U-20カテゴリーで15試合に出場。いずれのカテゴリーでも各大会の決勝ラウンドを中心に出場。すでにトップチームのトレーニングにも参加しており、トップチームでの試合出場に向けた階段を一歩ずつ上っている。
 11月に開幕するU-17W杯への出場で年内のプロデビューは訪れないかもしれないが、2024年には早い時期にプロデビューの日を迎えるだろう。

 スペインのサッカーサイト「Fichajes.net」は、現地時間2023年10月10日にドゥドゥに関する記事を投稿。
 記事によると、レアルマドリードはドゥドゥの2023南米U-17選手権での活躍に注目。サッカー部門ディレクターのフニ・カラファト氏はドゥドゥへの関心を表明しており、2024年にはレアルマドリードの一員となる可能性、つまり欧州移籍が可能となる18歳の誕生日(2024年1月1日)を待ってドゥドゥの獲得オファーを提示する可能性がある、としている。
 このオファーを実現するためにも、ドゥドゥにはU-17W杯で南米U-17選手権を上回るような活躍を期待したい。

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