サントス (Santos)
正式名称:Santos Futebol Clube
略称:SAN
創立:1912年
本拠:サンパウロ州 サントス
《 主要タイトル 》
タイトル | 優勝回数 | 優勝年 |
---|---|---|
ブラジル全国選手権 | 8 | 2004, 2002, 1968, 1965, 1964, 1963, 1962, 1961 |
コパ・ド・ブラジル | 1 | 2010 |
コパ・リベルタドーレス | 3 | 2011, 1963, 1962 |
クラブワールドカップ(*) | 2 | 1963, 1962 |
(*)インターコンチネンタルカップおよびトヨタカップを含む
《 直近3年成績(2020年-2022年) 》
大会 | 2022年成績 | 2021年成績 | 2020年成績 |
---|---|---|---|
ブラジル全国選手権 | 12位 | 10位 | 8位 |
コパ・ド・ブラジル | ベスト16敗退 | 準々決勝敗退 | ベスト16敗退 |
コパ・リベルタドーレス | ― | 予選R敗退 | 準優勝 |
コパ・スウアメリカーナ | ベスト16敗退 | 準々決勝敗退 | ― |
サンパウロ州選手権 | 予選R敗退 | 予選R敗退 | 準々決勝敗退 |
各大会の概要は、当ブログ記事「主要大会と年間日程」を参照ください。
《 全国選手権 順位推移(2006年-2022年) 》
現行レギュレーション(20チームによるホーム&アウェア方式2回戦総当たり)で開催された2006年以降の全国選手権順位推移です。
《 2022年 》
<戦績>
大会 | 試合 数 | 勝数 | 引分 数 | 敗数 | 得点 | 失点 | 得失 点差 | 勝点率 (%) | 順位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
コパ・スウアメリカーナ | 8 | 3 | 4 | 1 | 9 | 7 | 2 | 54.2 | ベスト16敗退 |
全国選手権 | 38 | 12 | 11 | 15 | 44 | 41 | 3 | 41.2 | 12位 |
コパ・ド・ブラジル | 6 | 3 | 1 | 2 | 8 | 6 | 2 | 55.6 | ベスト16敗退 |
州選手権 | 12 | 3 | 5 | 4 | 16 | 19 | -3 | 55.6 | 予選R敗退 |
計 | 64 | 21 | 21 | 22 | 77 | 73 | 4 | 46.9 |
<全国選手権 年間順位推移>
<振り返り>
ペレー(Pelé)に始まり、ネイマール(Neymar)やホドリゴ・ゴエス(Rodrygo Goes)など、多くの世界レベルの選手を輩出してきた名門サントス。今なお下部組織では将来を嘱望される選手を育成し、トップチームに供給し続けている。
2022年も、世代別代表でキャプテンを務め2021年にレギュラーを掴んだCB/ZAGカイキ(Kaiky, 2004年生まれ)、2020年の昇格以来2年間で12得点をマークするマルコス・レオナルド(Marcos Leonardo, 2003年生まれ)、2020年に15歳でデビューし2年間で50試合1800分以上プレーするアンジェロ(Ângelo, 2004年生まれ)など、数多くの下部組織出身の若手選手の活躍が期待された。
【相次ぐ監督交代】
2022年は、前年9月3日に就任したファビオ・カリーリ(Fábio Carille)監督が引き続き指揮を執る。しかし、早くも2月17日サンパウロ州選手権第7節ミラソウ戦をもって辞任。
マルセロ・フェルナンデス(Marcelo Fernandes)氏が監督代行として3試合を指揮。
2月25日、エクアドルで監督としての経験を積んできたアルゼンチン人のファビアン・ブストス(Fabián Bustos)氏を招聘。3月8日コパ・ド・ブラジル2ndラウンドから指揮を執る。しかし、ファビアン・ブストス監督も7月6日コパ・スウアメリカーナ ラウンド16での敗退が決まると翌日に解任。
再びマルセロ・フェルナンデス氏が監督代行を務める。
7月20日にリスカ(Lisca)氏が監督に就任するも、9月12日の第26節終了後に解任。
オルランド・ヒベイロ(Orlando Ribeiro)氏が監督代行として全国選手権最終節までの12試合に指揮を執る。
サントスFCは慢性的な財政難に陥っており、監督の要望する補強ができず場当たり的な補強に終始。また、主力、中堅選手の売却や頻繁な監督交代もあり、チームが熟成していかない。
【サンパウロ州選手権】
1月26日に開幕した州選手権。 12試合のうち、出場時間600分以上の11選手の平均年齢が23.4歳。最年少16歳を筆頭に10代が3人、20歳が2人、30代2人という若いチーム。開幕の2試合を無得点で終えるが、第3節のコリンチャンスとのクラシコはアウェイで2-1のスコアで勝利。しかし、以降は思うように勝ち点を伸ばせず、3勝5分4敗の成績で予選ラウンド敗退。
【コパ・ド・ブラジル】
2月23日の1stラウンドの相手は、前年のペルナンブーコ州選手権で準決勝に進出し、コパ・ド・ブラジル出場権を獲得したサウゲイロ。この試合を3-0で勝利し、2ndラウンドに進出。 3月8日の2ndラウンド、全国選手権4部のフルミネンセ‐PI戦。前半4分に失点をすると、後半29分にVOLカマーショ(Camacho)が退場。後半36分にFW/ATAヒカルド・ゴウラール(Ricardo Goulart)のゴールで同点に追いつき試合は90分を終了。PK戦をなんとか5-4でものにし苦しみながらも3rdラウンドに駒を進める。
3rdラウンドの相手はコリチバ。 4月20日アウェイでの1stレグは、前半からコリチバにペースを握られ、前半23分に失点。その後は守護神ジョアン・パウロ(João Paulo)の再三の好セーブで追加点を許さないが、攻撃の連携に欠き、放ったシュートは僅か2本(うち、枠内シュートゼロ)といった内容で0-1の敗戦。 5月12日、ホームでの2ndレグ、早く同点に追いつきたいサントスFCが試合の主導権を握る。前半21分にマルコス・レオナルドがゴールネットを揺らすがオフサイドの判定。その後も相手ゴールに迫るがゴールは遠く前半を0-0で試合を折り返す。 後半3分、FKから相手ディフェンダーのクリアボールをMF/MEIザノセロ(Zanocelo)がダイレクトボレー、相手GK/GOLが何とか弾くがマルコス・レオナルドがこぼれ球を押し込み先制。後半18分、再びザノセロが左サイドからファーサイドにクロスをあげると、そこに右SB/LADマジソン(Madson)が走り込み頭を合わせ追加点。その2分後にはロドリゴ・フェルナンデス(Rodrigo Fernández)がミドルシュートのゴラッソを決める。守備でも被シュート2(枠内シュートゼロ)に抑え、2試合合計3-1としてラウンド16に駒を進める。
ラウンド16の相手はクラシコとなるコリンチャンス。 6月22日アウェイでの1stレグは、相手に主導権を握られ、前半のうちに3ゴールを喫す。後半にもさらに失点し、0-4でこの試合を落とす。 7月13日ホームでの2ndレグ、後半22分にマルコス・レオナルドがPKを決めるも、反撃はこの1得点のみ。 2試合合計1-4、コパ・ド・ブラジルはラウンド16で敗退。
【コパ・スウアメリカーナ】
4月5日の開幕戦をアウェイの地でバンフィールド/アルゼンチン戦に0-1で敗れるが、その後の試合を3勝2分でまとめ、得失点差の争いを1差リードしグループ1位、決勝ラウンドに進出する。
決勝ラウンド1回戦(ラウンド16)の相手はデポルチーボ・タチラ/ヴェネズエラ。 6月29日のアウェイでの1stレグ。前半30分にオウンゴールで相手にリードを許す苦しい展開。しかし、後半41分、アングロ(Angulo)のゴールで同点に追いつく。 7月6日、ホームでの2ndレグ。前半27分にカウンターから失点。前半ATには退場者を出し苦しい展開となる。しかし、後半24分、ルーカス・バルボザ(Lucas Barbosa)のゴールラインギリギリからのクロスにサンチェス(Sánchez)が頭で折り返すと、マルコス・レオナルドが頭で合わせ同点に持ち込む。試合はこのままタイムアップ。準々決勝進出を賭けたPK戦に突入するが、2-4で敗退。コパ・スウアメリカーナをラウンド16で後にする。
【全国選手権】
4月9日に開幕を迎えた全国選手権。
開幕5試合を3勝1分1敗と幸先いいスタートを切る。しかし、第6節以降は勝ち切れない試合が多くなり、前半戦を6勝8分5敗で折り返す。
前半戦の間に、前年17歳でCB/ZAGのレギュラーの座を掴んだカイキを7月に700万ユーロでアルメリア/スペインに売却。さらには、スペインのラ・リーガで長年プレーし若い攻撃陣の見本となるプレーを見せていたレオ・バチストン(Léo Baptistão)もまた8月にアルメリア/スペインに売却。 前年にインテルナシオナウからレンタルで加入し若い攻撃陣の牽引役を期待されたマルコス・ギリェルメ(Marcos Guilherme)とのレンタル契約を解除。2022年の目玉として広州恒大/中国から獲得した2014年全国選手権最優秀選手賞受賞のヒカルド・ゴウラールを給与に見合わぬパフォーマンスからバイーアに放出。
後半戦は6勝3分10敗と前半戦をやや下回る成績を残したが、辛うじて翌年のコパ・スウアメリカーナ出場権を得る12位で全国選手権を終えた。
選手権前半 : 6勝 8分 5敗、得点22失点16 選手権後半 : 6勝 3分10敗、得点22失点25 選手権合計 : 12勝11分15敗、得点44失点41
【雑感】
2019年にホルヘ・サンパオリ(Jorge Sampaoli)監督を招聘。監督の要望する補強を可能な限り進めたが、タイトルは獲得できず、全国選手権での2位が目立つ程度の成績に終わる。
ホドリゴ・ゴエス(Rodrygo Goes)の移籍交渉は上手くいった一方で、契約条件や起用方法の問題から、下部組織出身で将来の代表候補と評価されていたユーリ・アウベルト(Yuri Alberto)、カイオ・ジョルジ(Kaio Jorge)を高額の移籍金を手にすることなく外部に流出。選手への給与支給遅延はもちろんのこと、サンパオリ監督やそのスタッフ、その後に就任する複数の監督の給与を2022年以降にまで遅延支払いを続けるなど、元々財政面は豊かではなかったが、この年を機にさらに悪化している。
その影響が2022年は監督選びや選手獲得に影響。 若手育成にしてもフラメンゴやパウメイラスなどから遅れを取り始めており、先が見通せない状況に陥っている。
2023年は、2018年に再昇格1年目のインテルナシオナウを3位に躍進させた実績を持つオダイール・エルマン(Odair Hellmann)氏が就任するが、その両肩にかかる重圧は大きい。
ペレ-の時代に全国選手権5連覇を果たし、ネイマールやパウロ・エンヒキ・ガンソを擁してコパ・リベルタドーレスを制したサントスFCが、2023年を復活の足掛かりの一年にすることができるのか、2022年と同じ過ちを繰り返すのか、2023年は楽しみな一年になりそうだ。
<チーム内個人成績・記録>
* 参照元:サッカーサイト「Ogol」
記録 | 選手 | 公式戦計 | 全国選手権 | スウアメ リカーナ | ブラジル 杯 | 州選手権 |
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最多試合出場 | ジョアン・パウロ (João Paulo) – GK/GOL | 62 | 37 | 7 | 6 | 12 |
(2位) | エドワルド・バウエルマン (Eduardo Bauermann) – CB/ZAG | 58 | 33 | 7 | 6 | 12 |
(3位) | ルーカス・ブラーガ (Lucas Braga) – FW/ATA | 58 | 33 | 8 | 5 | 12 |
最多出場時間 | ジョアン・パウロ (João Paulo) – GK/GOL | 5580 | 3330 | 630 | 540 | 1080 |
(2位) | エドワルド・バウエルマン (Eduardo Bauermann) – CB/ZAG | 5184 | 2970 | 600 | 540 | 1074 |
(3位) | マルコス・レオナルド (Marcos Leonardo) – FW/ATA | 4566 | 2883 | 280 | 441 | 962 |
最多得点 | マルコス・レオナルド (Marcos Leonardo) – FW/ATA | 21 | 13 | 2 | 2 | 4 |
(2位) | レオ・バチストン (Léo Baptistão) – FW/ATA | 7 | 5 | 1 | 0 | 1 |
(3位) | ルーカス・ブラーガ (Lucas Braga) – FW/ATA | 6 | 5 | 0 | 0 | 1 |
最多アシスト | アンジェロ (Ângelo) – FW/ATA | 8 | 7 | 0 | 0 | 1 |
(2位タイ) | マルコス・レオナルド (Marcos Leonardo) – FW/ATA | 5 | 3 | 0 | 0 | 2 |
(2位タイ) | ルーカス・ピーレス (Lucas Pires) – 左SB/LTE | 5 | 0 | 1 | 2 | 2 |
最多デュエル勝利 | ルーカス・ブラーガ (Lucas Braga) – FW/ATA | – | 165 | – | – | – |
(2位) | ロドリゴ・フェルナンデス (Rodrigo Fernández) – MF/MEI | – | 163 | – | – | – |
(3位) | エドワルド・バウエルマン (Eduardo Bauermann) – CB/ZAG | – | 140 | – | – | – |
最多キーパス | アンジェロ (Ângelo) – FW/ATA | – | 28 | – | – | – |
(2位) | ルーカス・ブラーガ (Lucas Braga) – FW/ATA | – | 27 | – | – | – |
(3位タイ) | マルコス・レオナルド (Marcos Leonardo) – FW/ATA | – | 24 | – | – | – |
(3位タイ) | マジソン (Madson) – 右SB/LTD | – | 24 | – | – | – |
最多CBI | エドワルド・バウエルマン (Eduardo Bauermann) – CB/ZAG | – | 225 | – | – | – |
(2位) | マイコン (Maicon) – CB/ZAG | – | 163 | – | – | – |
(3位) | マジソン (Madson) – 右SB/LTD | – | 97 | – | – | – |
※ デュエル勝利 : 一対一でのイーブンボールの奪い合いでボールを獲得すること キーパス : パスの受け手がシュートを打てた時にカウントされる指標 CBI : クリア、ブロック、インターセプト