ホドリゴ・ゴエス (Rodrygo Goes)

投稿者: | 2022年10月26日

2022年11月25日代表経歴加筆 
サントス レアルマドリード 2001年生まれ ワールドカップ ロドリゴ ゴエス

ホドリゴ・シウヴァ・デ・ゴエス

Rodrygo Silva de Goes

ポジション:フォワード/アタカンチ (Atacante)

利き足:右

2001年1月9日生まれ

<クラブ経歴>

≪育成時代・サントス≫

 11歳でサントスの下部組織に入団。加入後間もなく、スピード、ドリブル、強靭さ、ゴールへの嗅覚など、サッカー選手としての卓越した素質が注目を浴び、ブラジル人サッカー選手最年少(11歳)でナイキと契約を交わした。

 下部組織では各年代でゴールを積み重ね、各年代別の代表に招集。
 2017年、16歳にしてサントスとプロ契約を結び、同時に5000万ユーロの契約違約金が設定された。

≪サントス≫

 2017年11月4日、ホームで行われた全国選手権第32節アトレチコ・ミネイロ戦でブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 現フラメンゴ、代表2試合出場)と交代でトップチームデビュー。

 翌2018年1月25日、サンパウロ州選手権予選グループアウェイでのポンチプレッタ戦、後半34分にピッチに立つとロスタイムの46分に勝ち越し弾となるプロ初ゴールを決めた。

 監督のジャイール・ヴェントゥーラ(Jair Ventura)は、年齢を考え体力的な面から徐々にプロの水にならせようと考えていたが、サントス上層部、何よりもサポーターの過熱した要望に応えるようにして、ダービー/クラシコとなる3月4日のコリンチャンス戦にプロ初のスターティングイレブンで起用した。

 3月15日、コパ・リベルタドーレスでの当時のクラブ史上最年少(17歳2ヵ月6日)得点者となった。(後にカイキ(Kaiky, 現アルメリア/スペイン)が記録更新)

≪レアルマドリード≫

 2018年6月15日、レアルマドリード/スペインと移籍金4500万ユーロで契約(入団は2019年6月)。

 2019年9月25日、ラ・リーガ第6節オサスーナ戦でベンチ入り。後半26分、ヴィニシウス・ジュニオール(Vinícius Júnior)と交代でピッチに立ちチーム公式戦初出場を果たすと、直後の後半27分、左サイドからドリブルでペナルティエリアに侵入し右足一閃、ラ・リーガでの初得点を挙げた。
 11月6日、UEFAチャンピオンズリーグ、ガラタサライ/トルコ戦でハットトリックを達成。この試合での得点が同大会でのブラジル人選手最年少得点記録(18歳301日)。また、ラウル・ゴンサレス(Raúl González, 現レアルマドリード・カスティーリャ/スペイン監督)に次ぐ最年少でのハットトリック記録となる。
 その後、フォワード陣の層の厚さになかなか出場時間が増えない期間を過ごすも、2022年5月4日のマンチェスターシティ/イングランド戦で再び輝きを放つこととなる。
 初戦のアウェイゲームを4-3で敗戦し、最低でも勝利が必要なUEFAチャンピオンズリーグ準決勝第2戦。0-0で迎えた後半23分にピッチに投入されるも、直後の後半28分に先制を許す。2点のビハインドのまま迎えたロスタイム直前の後半44分、ゴールやや右からのクロスにベンゼマ(Benzema)が折り返したボールを右足で合わせゴールネットを揺らす。さらにその1分後、アセンシオ(Asensio)がそらしたカルヴァハル(Carvajal)からのクロスボールを頭でゴール左に突き刺し、2試合合計でタイに持ち込んだ。(その後延長戦でベンゼマがPKを決め、レアルマドリードは決勝進出を果たした。)

≪シーズン別クラブ成績≫

シーズン所属大会試合出場
時間
得点アシ
スト
2017年(16歳) サントス全国選手権22100
合計22100
2018年(17歳)サントスリベルタドーレス748810
全国選手権35269083
コパ・ド・ブラジル327001
州選手権1245230
合計573900124
2019年(18歳)サントス全国選手権 436012
コパ・ド・ブラジル627031
州選手権1045211
合計20108254
2019/20年レアルマドリード チャンピオンズリーグ533143
(19歳)/ スペインラ・リーガ19102320
コパ・デル・レイ11410
スーペルコパ・デ・エスパニア 16000
合計26142873
2020/21年レアルマドリード チャンピオンズリーグ1131911
(20歳)/ スペインラ・リーガ2297816
合計33129727
2021/22年レアルマドリード チャンピオンズリーグ1150452
(21歳)/ スペインラ・リーガ33152544
コパ・デル・レイ326601
スーペルコパ・デ・エスパニア 211602
合計49241199
2022/23年レアルマドリードチャンピオンズリーグ642331
(22歳)/ スペインラ・リーガ1291544
スーペルコパ・ユーロペイア12400
合計18128075
イタリック斜体は2022年11月15日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。

<代表経歴>

 2017年3月30日、U-17代表としてフランス・モンテギュー国際大会に向け招集。同大会では4試合3得点を記録。

 2019年U-20南米ユース選手権では、予選リーグ、決勝リーグ計12試合中8試合に出場するも、予選グループ、ヴェネズエラ戦の2得点に終わる。
 10月25日代表監督チッチ(Tite)からフル代表に招集され、11月15日アルゼンチン代表との親善試合にて後半26分にウィリアン(Wilian, 現フラム/イングランド)との交代でフル代表デビューを果たす。

 2022年2月1日、ブラジル・ミナスジェライス州ベロオリゾンテで行われた2022W杯予選第16節パラグアイ戦において代表初ゴールを挙げた。後半37分に投入された5分後の42分、左サイドハーフライン付近でボールを受け、そのままドリブルでペナルティエリア手前まで持ち込む。ペナルティエリア手前中央やや右に位置するアントニー(Antony, 現マンチェスターユナイテッド/イングランド)にボールを渡し、ブルーノ・ギマランイス(Bruno Guimarães, 現ニューキャッスル/イングランド)を経て戻ってきたグラウンダーのクロスボールを態勢を崩しながらゴールに押し込んだ。

 9月23日、27日の2022W杯に向けた最後の親善試合(ガーナ、チュニジア戦)にいずれも後半33分から途中出場。

 2022年11月7日、FIFAカタールW杯2022代表メンバーとして招集される。

 2022年11月24日、グループラウンド セルビア戦の後半31分にヴィニシウス・ジュニオールと交代でW杯初出場を果たす。

≪シーズン別代表成績≫

開催日大会・対戦相手試合出場
時間
得点アシ
スト
2019年(18歳)南米ユース選手権U-17871520
オリンピック代表親善試合25300
2019/10/10 – ヴェネズエラ2000
2019/10/14 – 日本3300
代表親善試合22100
2019/11/15 – アルゼンチン1900
2019/11/19 – 韓国200
2020年(19歳)オリンピック代表親善試合217710
2020/11/14 – 韓国8710
2020/11/17 – エジプト9000
2022W杯南米予選13100
2020/10/9 – 第1節 ボリビア3100
2021年(20歳)オリンピック代表親善試合28000
2021/6/5 – カーボヴェルジ6200
2021/6/8 – エジプト1800
2022年(21歳)2022W杯南米予選32910
2022/2/1 – 第16節 パラグアイ810
2022/3/24 – 第17節 チリ800
2022/3/29 – 第18節 ボリビア1300
代表親善試合22400
2022/9/23 – ガーナ1200
2022/9/27 – チュニジア1200
2022W杯11400
2022/11/24 – GR セルビア11400
2022年11月25日現在
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。

<エピソード、雑感 etc.>

 2022年9月3日、ラ・リーガ第3節レアルベティス戦を2-1の勝利で飾った後、監督のカルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)の会見にて。
 「ホドリゴは私にとって特別な選手だ。なぜなら、どの位置でもプレーできる。スピードがある。ボールを持たない局面でも、とてもインテリジェンスがある。一対一の局面も瞬間的に効果的なプレーを選択できる。学習期間は終わった。彼はもう完全なレアルマドリードの選手だ。」

 2022年9月27日、2022W杯に向けた最後の親善試合チュニジア戦ではフレッジ(Fred, 現マンチェスターユナイテッド/イングランド)に替わり途中出場。フレッジ同様、前線の1列下に位置取り、時にはボランチの位置まで下がってボールを前に運ぶ役割を担った。
 試合後、ホドリゴは「今まで試合では経験したことのない役割をチッチ監督から託されたよ。短い時間だったけど期待に応えられたと思う。」とコメントを残している。

 クラブにおいて、代表において、数多くの世界レベルの選手たちの中で、その存在感は日増しに高まっている。2022/23シーズンは、ベンゼマのケガもありレギュラーの座を掴んだようにも見られるかもしれないが、第3節のレアルベティス戦では右ウイングのポジションでベンゼマと共演しており、上記のアンチェロッティ監督のコメントからも読み取れるように、確信をもって起用されているように思われる。
 また、代表でもW杯前の最後の親善試合で新しく課されたタスクを本人が満足できる水準で遂行している。
 攻撃的なポジションならば、監督が要求するポジションや役割を高いレベルで表現できるホドリゴ・ゴエス。この進化はどこまで続くのだろうか。

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