【ブラジル全国選手権2023】第29節(1/2)

投稿者: | 2023年10月24日

投稿内の選手名のリンクは、当ブログ選手紹介記事にリンクしています。
投稿内の「動画URL」はブラジルスポーツサイト「ge」YouTube公式チャンネルのダイジェスト動画にリンクしています。

全国選手権第29節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこの記事で。
・2023/10/25 フルミネンセ(FLU) x ゴイアス(GOI)
・2023/10/25 RBブラガンチーノ(RBB) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
・2023/10/25 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x アメリカ・ミネイロ(AME)
・2023/10/25 パウメイラス(PAL) x サンパウロ(SAO)
・2023/10/25 クルゼイロ(CRU) x バイーア(BAH)
以下の4試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2023】第29節(2/2)
・2023/10/25 グレミオ(GRE) x フラメンゴ(FLA)
・2023/10/25 クイアバ(CUI) x コリンチャンス(COR)
・2023/10/26 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x インテルナシオナウ(INT)
・2023/10/26 サントス(SAN) x コリチバ(CFC)
以下の試合は順延。
・2023/**/** フォルタレーザ(FOR) x ボタフォゴ(BOT)

全国選手権第29節 試合概要

フルミネンセ(FLU) 5-3 ゴイアス(GOI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=5vXYLs90d98
(GOI) : 5' #77 アラーノ(Allano, 1995)[#23 タデウ(Tadeu, 1992)]
(GOI) : 13' #9 マテウス・バビ(Matheus Babi, 1997)[#60 ギリェルミ・マルケス(Guilherme Marques, 1991)]
(FLU) : 17' #30 フェリピ・メロ(Felipe Melo, 1983)[#10 ガンソ(P.H.Ganso, 1989)]
(FLU) : 37' #21 ジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)[#11 ケーノ(Keno, 1989)]
(FLU) : 47' #21 ジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)[#16 ジオゴ・バルボーザ(Diogo Barbosa, 1992)]
(FLU) : 53' #11 ケーノ(Keno, 1989)[PK]
(FLU) : 62' #11 ケーノ(Keno, 1989)[#10 ガンソ(P.H.Ganso, 1989)]
(GOI) : 69' #10 パラシオス(Palacios, 1999)[#27 アレソン(Alesson, 1999)]

見どころ(試合前の順位)

   フルミネンセは全国選手権12勝6分10敗42勝点の9位。
   ゴイアスは全国選手権7勝10分11敗勝点31の16位。

得点シーン

(GOI)前半5分 :
GKタデウからのロングフィードを右サイドで受けたFWアラーノがペナルティエリアに横から侵入。ディフェンダーを左足のシュートフェイントでかわし、ゴールニアサイドに右足のシュートを打ち込む。(0-1)
   FWアラーノは、2014年2月リオデジャネイロ州選手権でボタフォゴから18歳のプロデビュー。その後、クルゼイロやバイーア、国外はポルトガルやトルコ、2019年ヴァンフォーレ甲府/JPN(13試合1得点2アシスト)などを経て2023年7月にゴイアスに加入。間もなくレギュラーの座を掴むと、スピードと守備への貢献でチームを牽引。全国選手権の出場試合は前節まで4勝8分1敗と意外な成績を収めている。
(GOI)前半13分 :
右サイドからMFギリェルミ・マルケスが蹴るFK。ファーサイドに上げたボールに長身FWマテウス・バビがディフェンダーの体勢を崩して頭に合わす。(0-2)
   FWマテウス・バビは、アトレチコ・パラナエンセ所属で身長191㎝の大型センターフォワード。2022/23年は期限付き移籍でサンタクララ/PORでプレーし31試合6得点。2023年7月25日に期限付き移籍でゴイアスに加入した。7月30日の全国選手権第17節グレミオ戦でクラブデビューを飾り、クラブ初ゴールも記録。今節は9月20日第24節フラメンゴ戦以来の先発出場。今節終了時点で10試合410出場3得点。
(FLU)前半17分 :
MFガンソが蹴る右CK。ニアサイドでCBフェリピ・メロがほぼフリーの状態で頭を合わせフルミネンセが反撃開始。(1-2)
   CBフェリピ・メロは、2010年W杯4試合などブラジル代表22試合2得点。フラメンゴ下部組織出身で2011年11月15日全国選手権第24節サンパウロ戦でVOLとして17歳のプロデビューし、翌第25節でプロ初ゴールをマーク。国外はマジョルカ/ESPを皮切りに、フィオレンティーナ/ITA、ユベントス/ITA、ガラタサライ/TURなどで活躍。2017-2021年はパウメイラス、2022年にフルミネンセに加入。2024年末までフルミネンセとの契約を延長。
(FLU)前半37分 :
左サイドライン際からFWケーノがゴール前ファーサイドへクロスボールを供給。FWジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)が右サイドから絞り込むように駆け上がり右足でゴールに押し込む。(2-2)
   FWジョン・アリアスは、コロンビア代表で2026W杯南米予選など10試合2アシスト。世代別代表歴はなく、2021年フルミネンセ加入後の活躍を受けコロンビア代表に駆け上がった。フルミネンセでは2022年に62試合16得点17アシストを記録。2023年も今節終了時点で52試合9得点13アシストを記録している。スピードがあり、ドリブルも巧みで、シュート技術も高いサイドアタッカー。クラブだけでなくコロンビア代表でも日増しにその存在感を高めている。
(FLU)後半2分 :
左サイドペナルティエリア入口付近を中心に約30秒間、9本のパスを上下左右に繋ぎ、ゴールライン際からSBジオゴ・バルボーザがライナー性のクロス。逆サイドに抜けたところをFWジョン・アリアスがワントラップから左足を振り抜く。フルミネンセが2点のビハインドから逆転。(3-2)
   SBジオゴ・バルボーザは、2023年6月下旬にグレミオからの期限付き移籍でフルミネンセに加入。2023年は今節終了時点においてグレミオで19試合1アシスト、フルミネンセで15試合1得点1アシストを記録。チーム戦術にも順応しSBマルセロ(Marcelo, 1988)のバックアップとして出場機会を得ている。
(FLU)後半8分 :
左サイドライン際からFWケーノがドリブルでペナルティエリアに侵入。ドリブルでディフェンダーの間を割るが、抜け出した直後に倒されPKを獲得。これを自身がゴール中央に蹴り込む。(4-2)
   FWケーノは、2009年にセルジピ州下位のアメリカ‐SEでデビュー。徐々にステップアップし、2015年に全国選手権1部ポンチプレッタで15試合1得点1アシスト、2016年に全国選手権1部サンタクルスで61試合18得点7アシストを記録すると、2017年にパウメイラスに加入し53試合11得点6アシスト。2018年にはパウメイラスで全国選手権のタイトルを獲得。その後中東を経て、2020年にアトレチコ・ミネイロに加入。2023年シーズン前にフルミネンセと3年契約を締結。今節終了時点で45試合5得点11アシストでアシストはキャリアハイ。左サイドをスピードで相手守備陣をかく乱し、精度の高いクロスを供給する。
(FLU)後半17分 :
ペナルティエリア入口でMFガンソからのパスをFWケーノがワンタッチでディフェンダーをかわし、さらに縦に2人のディフェンダーを抜き去ると、間合いを詰めるGKの脇を通すシュート。(5-2)
(GOI)後半24分 :
相手陣深く右サイドライン際で相手ボールを奪うと、FWアレソンがゴール前にクロス。FWパラシオスがバイシクルに近い半身の豪快なダイレクトボレー。これがゴールネットに突き刺さるゴラッソ。(5-3)
   FWパラシオスは、サンロレンソ/ARG下部組織出身のアルゼンチン国籍選手。2022年12月にゴイアスに1年間の期限付き移籍加入。加入後は期待以上の働きでコパ・ヴェルジ優勝に貢献。ブラジルの過密日程や暑さにコンディションを乱す時期もあったが、今節終了時点で43試合3得点3アシストを記録。サンロレンソとの契約は2023年末までということもあり、来季は完全移籍でゴイアスでのプレーを見たい。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:68% 32% ⇒ 前後半:61% 39%
シュート(枠内): 前半:8‐3(4-2) ⇒ 前後半:17-9(8-4)
パス成功率: 前半:90% 83% ⇒ 前後半:90% 82%

   フルミネンセは、CBニノ(Nino, 1997)が引き続きケガで欠場、CBフェリピ・メロが出場停止明けで復帰。併せてVOLアンドレ(André, 2001)がボランチに戻り、VOLマルチネリ(Martinelli, 2001)とツーボランチ。中盤の高い位置にはMFガンソを起用。10日後に迫るリベルタドーレス決勝を想定した布陣にも感じられる。
   ゴイアスは1-1で引き分けた前節クイアバ戦から、VOLイゴル・メリトン(Higor Meritão, 1994)とFWジョアン・マギノ(João Magno, 1997)に代わり、VOLウィリアン・オリヴェイラ(Willian Oliveira), 1993とFWマテウス・バビを先発に起用。これから週2試合の日程がしばらく続き、暑さも増していく中、選手起用法でも監督の手腕が試されることになる。

   フルミネンセは、一発のロングフィードでライン裏を突かれ先制を許し、高い位置でのプレスでボールを失い3点目を喫するなど、守備面での問題点が多く検出された。一方で、以前はボールを保持することが目的となりつつあり、相手を崩す理想的な形に持ち込むまではシュートを放たないような状況が長く続いていたが、最近の試合では積極的なミドルシュートや、個人が打開したシュートなど、シュートを多く放つことで攻撃面での怖さが増したように思われる。
   次戦は10月28日に全国選手権第30節、アウェイでのアトレチコ・ミネイロ戦。今節の試合から進歩した内容の試合を展開することができるだろうか。

   ゴイアスは、前半序盤に右サイドのFWアラーノを起点にした攻撃で2点を先制。しかし、2点目を奪った直後にセットプレーでのマークが甘く失点を喫すると、次第に押し込まれる時間が長くなり、前半のうちに同点に追いつかれる。
   後半は、フルミネンセのボール回しに後手に回ると、17分間で3失点。高い位置でのプレスによるボール奪取からFWパラシオスのゴラッソで1点を返したものの、その後は守備的になったフルミネンセからゴールを奪うことができず、3-5の敗戦。
   10月7日第26節バイーア戦の4-6に続く撃ち合いの試合。バイーア戦では2点差のビハインドを逆転した後に試合を落ち着かせることができず、今節はセットプレーでのマークミスや、相手のドリブル突破を簡単に許したことで、2点のリードを守り切ることができず、いずれの試合も短い時間帯で連続してゴールを許し大量失点で敗れた。
   攻撃陣の厚い援助を受けた守備で試合を作っているだけに、攻撃陣が攻撃に重点を置くと失点が重なる厳しい状況。最終ラインを少し上げるなど、攻撃陣の帰陣の負担を少しでも減らしていきたい。
   この試合の結果、下位2チームが試合を未消化の時点で、勝点差1ポイントの16位。厳しい状況は続く。
   次戦は10月29日に全国選手権第30節、ホームに残留争いのライバル、ヴァスコ・ダ・ガマを迎える。

RBブラガンチーノ(RBB) 1-2 アトレチコ・ミネイロ(CAM)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=k2jWqYrSDko
(CAM) : 36' #7 フッキ(Hulk, 1986)[PK]
(CAM) : 80' #17 イゴル・ゴメス(Igor Gomes, 1999)[#11 パボン(Pavón, 1996)]
(RBB) : 84' #21 タリソン(Talisson, 2002)[#18 チアゴ・ボルバス(Thiago Borbas, 2002)]

見どころ(試合前の順位)

   RBブラガンチーノは全国選手権14勝10分4敗勝点52の2位。
   アトレチコ・ミネイロは全国選手権12勝7分9敗勝点43の7位。

得点シーン

(CAM)前半36分 :
自陣からのロングフィードにFWパウリーニョ(Paulinho, 2000)が右サイドのライン裏で抜け出しを図る。GKが間合いを詰めるとボールを中央へ送り、FWフッキがシュート。カバーリングに戻ったディフェンダーが転倒しながらもクリアを試みるが、この時ボールが腕に当たり、VARの検証の結果、ハンドの判定が下されアトレチコにPKが与えられる。これをFWフッキが左隅に決めアトレチコ・ミネイロが先制。(0-1)
(CAM)後半35分 :
GKからのロングフィードに相手陣に入ったところ、右サイドライン際でFWパボンが胸で受ける。右足でボールを収めると素早くゴール前にクロスボールを供給。ディフェンダーとの並走を手前に入りゴール前に駆け上がったMFイゴル・ゴメスが右足裏でボールをコントロールしシュート。GKから2本の精度の高いパスと受け手の確かな技術によるゴラッソ。アトレチコ・ミネイロが追加点。(0-2)
   MFイゴル・ゴメスは、サンパウロ下部組織出身で2018年11月26日全国選手権第37節エスポルチ戦で19歳のプロデビュー。2020‐22年の3年間はサンパウロで主力として170試合8得点15アシストを記録。しかし、2022年末にアトレチコ・ミネイロに移籍する。2023年は今節終了時点で44試合に出場しているものの、交代出場が多く(23試合)、自他ともに満足のいく内容ではない。9月30日第25節インテルナシオナウ戦では後半開始時の出場で、試合の流れを変える目覚ましい働きに加えゴールをマーク。このゴールはそれ以来のゴール。
(RBB)後半41分 :
相手ゴールキックをFWチアゴ・ボルバスが前方に跳ね返すと、FWタリソンがドリブルに持ち込みディフェンダーのマークを巧みにかわしペナルティエリア入口からシュート。これがゴール右隅に決まる。(1-2)
   FWタリソンは、2022年にRBブラガンチーノU-20に加入し、2023年1月のサンパウロ州選手権で20歳のプロデビュー。自身2試合目の出場となった4月6日コパ・スウアメリカーナでプロ初ゴールをマーク。出場機会には恵まれていないが、今節終了時点で7試合236分で3得点を記録。このゴールは8月27日第21節クイアバ戦以来、出場機会2試合ぶりのゴール。短い出場時間でゴールという結果を残しており、多くの出場時間を得てポジション争いに加わりたい。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:56% 44% ⇒ 前後半:59% 41%
シュート(枠内): 前半:2‐4(1-2) ⇒ 前後半:10-7(4-3)
パス成功率: 前半:80% 75% ⇒ 前後半:78% 72%

   RBブラガンチーノは、VOLマテウス・フェルナンデス(Matheus Fernandes, 1998)が出場停止、前々節まで3試合連続3得点のMFエリキ・ハミーレス(Eric Ramires, 2000)が突然の体調不良かベンチ外。左SBジュニーニョ・カピシャバ(Juninho Capixaba, 1997)が一列上がりVOLジャジソン(Jadsom, 2001)、VOLルーカス・エヴァンジェリスタ(Lucas Evangelista, 1995)と中盤を構成、左SBにはルアン・カンジド(Luan Cândido, 2001)が入る。
   アトレチコ・ミネイロは、前節敗戦のクルゼイロ戦のスタメンから3つのポジションを変更。守備的なVOLフーベンス(Rubens, 2001)を抜擢し、中盤を厚くしてRBブラガンチーノのポゼッションサッカーへの対応を図る。

   RBブラガンチーノは、ボールを持ちながらもアトレチコ・ミネイロの守備網を崩すことができず、前半の明らかなチャンスは、8分に左サイドからのクロスにFWエドゥアルド・サーシャ(Eduardo Sasha, 1992)が頭を合わせたシーンのみ。しかし、これもGKの正面を突き得点の匂いはしない。
   一方、守備面ではアトレチコ・ミネイロの中盤を省略したロングフィードに苦戦。前半35分に左サイドの裏を狙われPKを献上し先制を許す。
   前半の内に左SBを、後半開始時には一気に3選手を交代し、試合の流れを掴もうと図る。後半7分の右CKからのCBレオ・レアルペ(Léo Realpe, 2001)のヘディングシュートは僅かにクロスバーを越え、後半8分のクリアボールからのSBジュニーニョ・カピシャバのボレーはGKエヴェルソン(Éverson, 1990)がビッグセーブ。その後もアトレチコ・ミネイロのカウンターを警戒しつつアトレチコゴールに迫り続ける。
   しかし、後半35分にアトレチコの2本のロングパスにより失点。6分後の後半41分にFWタリソンのゴールで1点を返すが、その後の猛攻も叶わず、今節順延となった首位ボタフォゴとの勝点差を縮めることができず、ホームで痛い敗戦を喫した。
   次戦は11月2日に全国選手権第31節アウェイでのゴイアス戦。第30節はホームチームフラメンゴが競技場を確保できず順延となっている。

   アトレチコ・ミネイロは、中盤の守備を固め、中盤を省略したロングフィードによる攻撃が功を奏した。前線にはFWフッキ、FWパウリーニョ、FWパボン(Pavón, 1996)の個人で打開もできる強力なFW陣が並び、それぞれがゴールに絡む活躍。
   守備面では前半は相手にボールを持たれながらも決定的な場面を許さず、後半もGKエヴェルソンを中心に粘り強くゴールを守り切った。
   この勝利で7位を維持し、リベルタドーレス出場圏までの勝点差を再び1ポイントまで詰めた。
   次戦は10月28日に全国選手権第30節、ホームにフルミネンセを迎える。

アトレチコ・パラナエンセ(CAP) 3-2 アメリカ・ミネイロ(AME)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=LaE3MLAe1QY
(AME) : 12' #17 マストリアーニ(Mastriani, 1993)[]
(CAP) : 28' #26 エリキ(Erick, 1997)[#28 クエージョ(Cuello, 2000)]
(CAP) : 45' #92 パブロ(Pablo, 1992)[#14 カノービオ(Canobbio, 1998)]
(CAP) : 45+3' #8 ヴィトル・ブエノ(Vitor Bueno, 1994)[#14 カノービオ(Canobbio, 1998)]
(AME) : 77' #5 エマヌエル・マルチネス(Emmanuel Martínez, 1994)[#80 カサーレス(Cazares, 1992)]

見どころ(試合前の順位)

   アトレチコ・パラナエンセは全国選手権12勝9分7敗勝点45の5位。
   アメリカ・ミネイロは全国選手権4勝7分17敗勝点19の20位。

得点シーン

(AME)前半12分 :
自陣からCBエデルのロングフィードをディフェンダーがクリア。これを拾ったFWマストリアーニが思い切りよく右足を振り抜くと綺麗な弧を描いたボールはゴールネットを揺らす。ゴラッソ。(0-1)
   FWマストリアーニは欧州、中南米でキャリアを積んだ経験豊かなウルグアイ国籍選手。2022年8月のアメリカ・ミネイロに加入後はなかなか出場機会に恵まれなかったが、2023年7月2日全国選手権第13節アトレチコ・ミネイロとのクラシコでの2得点を皮切りに、以降の公式戦14試合で11得点を記録。今節終了時点で35試合17得点1アシストを記録している。
(CAP)前半28分 :
右ショートコーナー。FWクエージョがゴール前に上げたボールをディフェンダーがクリアできずVOLエリキの元に落ちる。VOLエリキは落ち着いてボールをゴールに押し込む。(1-1)
   VOLエリキは、アトレチコ・パラナエンセ5年目のシーズン。今季は今節終了時点でフィールドプレーヤーとしてチーム最多の51試合に出場、同じくチーム2位の3770分出場。今節の出場で2022年を越えるキャリア最多出場、このゴールでキャリア最多の8ゴール。ベテランVOLフェルナンジーニョの隣で試合を経るごとに成長を続けている。
(CAP)前半45分 :
相手陣でVOLフェルナンジーニョ(Fernandinho, 1985)がインターセプト、そのままボールを縦にMFヴィトル・ブエノ、FWカノービオと繋がり、ペナルティエリア内左の深い位置からグラウンダーのクロス。逆サイドからFWパブロが絞り込むようにゴールファーサイドに詰め左足をダイレクトに合わせ逆転ゴール。(2-1)
   VOLフェルナンジーニョはアトレチコ・パラナエンセから2003年4月に17歳でプロデビューを果たし、シャクタルドネツク/UKRで8シーズン、マンチェスターシティ/ENGで9シーズンプレー。ブラジル代表としても数多くの試合に出場。代表ではコパ・アメリカを制覇、ウクライナ、イングランドでは国内リーグの多くのタイトルを獲得し、2022年7月にアトレチコ・パラナエンセに復帰。復帰後も圧倒的な存在感を発揮するとともに、オン・オフザボールに関わらず若い選手の見本となるプレーを披露している。
(CAP)前半45+3分 :
自陣でのボール奪取から左サイドへ展開。FWカノービオが中央へボールを送ると、これを受けたMFヴィトル・ブエノがペナルティアークの先からミドルシュート。これがゴール右上隅に決まる。(3-1)
   MFヴィトル・ブエノは、アトレチコ・パラナエンセ2年目。高さと足元の技術のある攻撃的MF。今季はPKを任されている。この試合終了時点で今季は50試合(うち先発33試合)10得点7アシスト、アシスト数は既にキャリアハイを更新。最近は8試合連続先発出場を記録しており、出場試合数、ゴール数のキャリアハイ更新も期待できる。
(AME)後半32分 :
自陣から右サイドライン際を人数をかけ縦にボールを運ぶと、FWカサーレスがゴール前にクロス。右サイドからゴール前に駆け上がる選手に引っ張られたディフェンダーの背後でMFエマヌエル・マルチネスが体を屈めながらヘディングシュート。ゴールネットを揺らす。(3-2)
   MFエマヌエル・マルチネスは、2022年8月に2025年末までの契約でアメリカ・ミネイロに加入した攻撃的なセンスに溢れたアルゼンチン国籍選手。2022年は多くの出場機会には恵まれなかったが、2023年は今節終了時点で54試合1得点8アシストを記録。その活躍はFWマストリアーニと共に全国選手権1部の他チームから2024年に向けた関心を集めている。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:59% 41% ⇒ 前後半:56% 44%
シュート(枠内): 前半:14‐2(6-1) ⇒ 前後半:19-12(7-6)
パス成功率: 前半:85% 70% ⇒ 前後半:83% 75%

   アトレチコ・パラナエンセは、4バックに戻し右SBにFWが本職のクエージョを起用する攻撃的な布陣。FWカノービオが出場停止明けでスタメンに復帰。
   アメリカ・ミネイロは、前節1-1で引き分けたコリンチャンス戦のスタメンからの変更はCBのみ。CBヒカルド・シウヴァ(Ricardo Silva, 1992)が出場停止でCBエデル・フェヘイラ(Éder Ferreira, 1995)が9月19日第24節RBブラガンチーノ戦以来のスタメンに抜擢。

   アトレチコ・パラナエンセは、立ち上がりからコンパクトに敷いた3ラインと中盤の速い寄せでボールを奪い、次々とアメリカ・ミネイロゴールに迫る。アメリカFWマストリアーニのゴラッソで先制を許した後もスタイルは変わらず、中盤の寄せと速い攻撃への切り替えで試合を優位に進めると、前半28分にCKから同点。さらに前半45分には中盤のパスカットから素早く前線に運ぶ速攻、狙い通りの形で逆転。なおも、前半アディショナルタイムにMFヴィトル・ブエノのミドルシュートで突き放す。
   後半も前半同様のスタイルで試合に入るが、選手交代を通じ修正したアメリカに中盤の寄せをかわされ、8分、13分と相次いで計3本のシュートを枠に飛ばされるが、GKベントが安定した守備で事なきを得る。後半16分、アトレチコは自陣からのカウンター、右サイドをSBクエージョがドリブルで抜け出し中央へクロス。GKが弾いたボールをフリーの体勢でMFサペリがシュートに持ち込むが枠を越え、ダメ押しのチャンスを逸する。
   後半32分には右サイドを破られ失点。1点差に迫られるが、その後も守備ラインは引きすぎることはなく、選手交代で中盤に厚みを持たせカウンターも視野に入れた守備でリードを守り抜き、アトレチコがホームで3-2の勝利を収めた。
   この勝利で4試合負けなし。全国選手権も5位を維持。ウェズレイ・カルバーリョ(Wesley Carvalho)監督就任直後は最終ラインが下がり過ぎボールを奪う位置が相手ゴールから遠く、攻撃に移行できないような試合も見られたが、失点のリスクを負いながらも最終ラインが高い位置を保つようになり、最近の3か月は5勝6分1敗の成績を残している。失点も多く引き分けで終える試合も多いが、この課題を今後の試合で解消させ、リベルタドーレス出場権を獲得して来季に向けたいい形でシーズンを終わらせたい。
   次戦は10月29日に全国選手権第30節、ホームにサンパウロを迎える。

   アメリカ・ミネイロは先制したものの、前半を通してボールをキープ、試合を落ち着かせることができず3失点。後半開始時に選手交代を通じて中盤を厚くし流れを変えることに成功したものの、前半の2点差を覆すことができず2-3で敗戦を喫した。
   今季はシーズン当初から攻撃的なサッカーを標榜し、今節終了時点で61試合93得点。全国選手権に限っては29試合33得点と1試合平均1得点以上を記録。多くの選手を起用し若手選手も成長、コパ・ド・ブラジルやコパ・スウアメリカーナで準々決勝に進出するなど、一定の成果も残した。しかし、失点もそれぞれ年間100失点、全国選手権60失点と非常に多く、リスク管理はシーズン終盤になっても目に見える改善が見られない。
   この敗戦で8試合未勝利。降格圏脱出までの勝点差は残り9試合で14ポイントまで広がり、状況はより厳しいものになった。しかし、見ごたえのある攻撃的なサッカーを最後まで続け、少しでも勝ち星をあげサポーターへの感謝の気持ちを表したい。
   次戦は10月28日に全国選手権第30節、ホームでのグレミオ戦。

パウメイラス(PAL) 5-0 サンパウロ(SAO)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=E5Yn6JdFC9A
(PAL) : 16' #19 ブレーノ・ロペス(Breno Lopes, 1996)[#12 マイキ(Mayke, 1992)]
(PAL) : 26' #19 ブレーノ・ロペス(Breno Lopes, 1996)[#27 ヒシャルジ・ヒオス(Richard Rios, 2000)]
(PAL) : 45+7' #22 ピケレス(Piquerez, 1998)[PK]
(PAL) : 84' #2 マルコス・ホッシャ(Marcos Rocha, 1988)[#22 ピケレス(Piquerez, 1998)]
(PAL) : 87' #22 ピケレス(Piquerez, 1998)[#2 マルコス・ホッシャ(Marcos Rocha, 1988)]

見どころ(試合前の順位)

   パウメイラスは全国選手権13勝8分7敗勝点47の4位。
   サンパウロは全国選手権10勝8分10敗勝点38の10位。

得点シーン

(PAL)前半16分 :
自陣からCBグスタボ・ゴメス(Gustavo Gómez, 1993)から縦にFWエンドリッキ(Endrick, 2006)へグラウンダーのパス。FWエンドリッキがさらに斜め前方中央へボールを送ると、MFハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)がワンタッチで右サイドライン際へボールをはたく。フリーでボールを受けたSBマイキがGKと最終ラインの間へ鋭いクロス。3選手が飛び込む中、ファーサイドのFWブレーノ・ロペスが難なく足を合わせゴールネットを揺らす。(1-0)
   FWブレーノ・ロペスは、2016年3月に当時全国選手権2部のジョインヴィリからサンタカタリーナ州選手権で20歳のプロデビュー。2020年に全国選手権2部のジュヴェントゥージでシーズン途中ながら19試合9得点2アシストの成績を残すと、引き抜く形でパウメイラスが獲得。2020年11月にパウメイラスでクラブデビュー、初めて全国選手権1部の試合に出場。2021年1月30日にはコパ・リベルタドーレス決勝サントス戦で後半40分にピッチに立つと後半45分+9分にこの試合唯一のゴールをマーク、3か月前に初めて全国選手権1部でプレーした選手が一気に大舞台で優勝を決定づけるゴール。その後は、スピードとボールキープ力を武器に、ポジションに定着できないもののスーパーサブとして多くの試合に出場。2023年はこの試合を終えた時点でキャリアハイの51試合に出場。7得点4アシストを記録している。
(PAL)前半26分 :
自陣ペナルティエリア付近からCBムリーロ(Murilo, 1997)がハーフライン右サイドライン際へのフィード。SBマイキが中央にボールをはたくと、これを受けたVOLヒシャルジ・ヒオスが前を向き最終ライン裏へ抜け出しを図るFWブレーノ・ロペスへアウトサイドキックでのスルーパス。FWブレーノ・ロペスは間合いを詰めるGKの位置を見極めたシュートでゴールを奪う。(2-0)
   VOLヒシャルジ・ヒオスは、フラメンゴ下部組織出身のコロンビア国籍選手。2020年1月のリオデジャネイロ州選手権で19歳のプロデビュー。2023年10月12日にはW杯南米予選ウルグアイ戦で代表デビュー。パウメイラスに2023年に移籍加入した2選手のうちの一人。全国選手権はこの試合終了時点でチーム最多の28試合に出場(うち11試合先発)。前への推進量に長けたボランチ。スルーパスやミドルシュートも魅力の一つ。
(PAL)前半45+7分 :
相手ペナルティエリア内でのこぼれたボールの奪い合いに、サンパウロディフェンダーが相手選手の肩ではなく背中をチャージする形となりPKを与えてしまう。これをSBピケレスがゴール左へシュート。GKの脇を抜けたボールがゴールに収まる。(3-0)
(PAL)後半39分 :
右サイドからの戻りのボールを受けた左SBピケレスが自陣中央やや左から縦にペナルティエリア手前左のMFルイス・ギリェルミ(Luis Guilherme, 2006)へボールを送り、自らもそのまま駆け上がる。MFルイス・ギリェルミを追い抜いた左SBピケレスが中央へクロス。ファーサイドで右SBマルコス・ホッシャがフリーで右足を合わせゴール。(4-0)
   SBマルコス・ホッシは、2013年に代表で親善試合2試合に出場。アトレチコ・ミネイロ下部組織出身で2008年5月に期限付き移籍先CRBの全国選手権2部開幕節でプロ初スタメン、19歳のプロデビュー。その後は期限付き移籍で複数のクラブを経たものの、2012年からはアトレチコ・ミネイロでレギュラーとして活躍。2018年にパウメイラスに期限付き移籍加入すると、やはりレギュラーを務め翌年には完全移籍。3度のリベルタドーレスや2度の全国選手権、2度のコパ・ド・ブラジルなど多くのタイトルを獲得。今季はケガの影響もあり、これまでのような活躍は出来ていないが、来季末までの契約延長も発表され、若い選手の多いチームを支える役目が期待されている。
(PAL)後半43分 :
相手ペナルティエリア手前を右から左へ、右SBマルコス・ホッシャから左SBピケレスにボールが渡る。左SBピケレスは思い切りよく左足を振り抜くと、約30mのミドルシュートがゴールネットに突き刺さる。(5-0)
   SBピケレスは、ウルグアイ代表として13試合、2026W杯南米予選はこれまでの全4試合に出場(うち3試合先発)。2021年7月31日にパウメイラスへの移籍が発表。2022年には左SBの不動のレギュラーとして攻守に活躍。今季は今節終了時点で50試合6得点6アシストを記録。今節は2得点1アシスト。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:39% 61% ⇒ 前後半:45% 55%
シュート(枠内): 前半:6‐3(4-0) ⇒ 前後半:13-3(8-0)
パス成功率: 前半:84% 91% ⇒ 前後半:85% 88%

   パウメイラスは、前節2-0で勝利を収めたコリチバ戦に続き3CBによる3バック。FWエンドリッキ(Endrick, 2006)が出場停止明けでスタメンに名前を連ねた以外は同じスターティングイレブン。
   サンパウロは、前節3-0で勝利を収めたグレミオ戦のスタメンから2つのポジションを変更。左SBカイオ・パウリスタ(Caio Paulista, 1998)が出場停止明け、一方VOLパブロ・マイア(Pablo Maia, 2002)が出場停止のためVOLガブリエル・ネーヴェス(Gabriel Neves, 1997)がスタメンに抜擢される。

   パウメイラスは固い守備から縦にスピードのある攻撃でサンパウロゴールに迫る。前半5分には右SBマイキ(Mayke, 2002)のクロスにVOLヒシャルジ・ヒオスがボールを押し込むがオフサイドの判定。しかし、前半16分に再びSBマイキのクロスに今度はFWブレーノ・ロペスが足を合わせゴール。前半26分には自陣から右サイドを経由した速い攻撃で追加点。前半終了間際にはPKから3点目。
   後半も前半と同様の展開。なかなかゴールは生まれないものの、後半39分に左SBピケレスのアシストで右SBマルコス・ホッシャがゴールを奪うと、後半43分には右SBマルコス・ホッシャのアシストで左SBピケレスがゴールを奪い5-0の快勝。3得点以上の大量得点試合は8月23日のリベルタドーレス以来、全国選手権では7月30日第17節アメリカ・ミネイロ戦以来となった。
   得点力不足に悩まされていたチームは3CBによる3バックで解決の糸口を掴んだか。固い守備をベースに、先発出場の右SBマイキと途中出場の右SBマルコス・ホッシャが次々と好機を演出。左SBピケレスも積極的な攻撃参加。スピードのあるFWが守備ラインを下げ、そこにできたスペースを中盤の3選手がバランスを崩さず埋め、効率よく相手ゴールに迫り得点を量産。
   後半にはFW陣を入れ替え、同じシステムで試合を展開し、チーム内の戦術の浸透も図れた。
   守備面でも2試合連続無失点。
   この勝利で再び3位に浮上。新しいシステムが2試合連続で機能、今後の伸びしろも大きく、ボタフォゴ追撃に向け明るい兆しが見えてきた。
   次戦は10月28日に全国選手権第30節、ホームにバイーアを迎える。

   サンパウロは、パウメイラスにボールを持たされるような形となり、時間をかけたパス回しも攻撃の糸口を見つけることができず、ボールを奪われては高い位置を取る左SBカイオ・パウリスタの裏を狙われる形で序盤に相次いで失点。前半のうちに戦術的理由で中盤の選手を交代するも、その後にFWルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)が筋肉系のケガで交代を余儀なくされるアクシデント。代わりに入ったMFウェリントン・ハット(Wellington Rato, 1992)が前半終了間際にお粗末なプレーでPKを犯す失態。
   後半開始時に、攻撃的なMFハメス・ロドリゲス(James Rodríguez, 1991)に代え守備的なVOLヘギソン・メンデス(Jhegson Méndez, 1997)を投入するも、パウメイラスの勢いを一時的にとどめたものの試合の流れを一転するまでは至らず、終盤に2ゴールを許し5失点を喫した。
   引いた相手の守備ブロックの外でボール回しに終始するシーンは以前からよく見られた光景。中盤や前線にタレント溢れる選手が配置された中でアイディア不足による停滞感が発生しており、トレーニングを通じて意思統一を図り守備を崩すような連係を生み出したい。
   次戦は10月29日に全国選手権第30節、アウェイでのアトレチコ・パラナエンセ戦。今節のパウメイラスと似た一面のあるチームだけに今節の反省をいかし連敗は逃れたい。

クルゼイロ(CRU) 3-0 バイーア(BAH)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=Mv9Cb8WlrFc
(CRU) : 19' #xx オウンゴール(Gol Contra)[]
(CRU) : 53' #3 マルロン(Marlon, 1997)[#19 アルトゥール・ゴメス(Arthur Gomes, 1998)]
(CRU) : 88' #9 ブルーノ・ホドリゲス(Bruno Rodrigues, 1997)[#12 ウィリアン(William, 1995)]

見どころ(試合前の順位)

   クルゼイロは全国選手権8勝10分10敗勝点34の14位。
   バイーアは全国選手権9勝7分12敗勝点34の13位。

得点シーン

(CRU)前半19分 :
右サイドライン際の浅めの位置からFWマテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)がゴール前にクロス。VOLマシャード(Machado, 1996)が後方から駆け上がり頭に合わせようとすると相手ディフェンダーのオウンゴールを誘発。ホームのクルゼイロが先制。(1-0)
   FWマテウス・ペレイラは、育成キャリアをブラジルミナスジェライス州でスタートさせるが、本格的にはスポルティング/PORで幾瀬年代を過ごす。スポルティングでプロデビューを果たすがポジションを奪い取るまでには至らず、期限付き移籍を繰り返し、ドイツ、イングランドを経てアル・ヒラル/KSAに移籍。クルゼイロには2023年7月24日に2024年6月末までの期限付き移籍で加入、母国ブラジルでの初めてのプレー機会を得る。7月29日のクラブデビュー以降ケガもあり今節が6試合目だが、最近の3試合はスタメンでの出場。得点力不足が著しいチームの攻撃陣への活性剤としての活躍が期待されている。
(CRU)後半8分 :
自陣でのパスカットからVOLルーカス・シウヴァ(Lucas Silva, 1993)がドリブルでカウンターを主導。しかし、相手の素早い帰陣に攻撃のテンポを落とし左サイドのFWアルトゥール・ゴメスへボールを預ける。ところが、左SBマルロンがFWアルトゥール・ゴメスを追い抜くと一気に攻撃のスピードが上がる。左SBマルロンがペナルティエリア内ゴールライン際からクロスを上げると、GKの指先をかすめたボールがゴールに吸い込まれる。(2-0)
   左SBマルロンは2015年11月7日全国選手権第34節ボタフォゴ戦でクリシューマから18歳のプロデビュー。2017年に期限付き移籍でフルミネンセに加入すると2019年に完全移籍。しかし、フルミネンセではポジションを奪えず、国外への期限付き移籍を繰り返す。クルゼイロには2023年3月にアンカラギュジュ/TURから2025年末までの契約で加入。加入後間もなくレギュラーの座を掴むと、アグレッシブなプレースタイルを見せ、セットプレーでのキッカーを務めるなど、絶対的なレギュラーの一人としてチームを攻守に牽引。今季全国選手権は今節終了時点で出場帝の2試合を除く全27試合に先発出場、3得点2アシストを記録している。
(CRU)後半43分 :
相手陣に入り右サイドライン際でボールを受けたSBウィリアンが浅い位置からGKと最終ラインの間へ絶妙のセンタリング。これをディフェンダーの間を抜け出したFWブルーノ・ホドリゲスが軽く足に合わせGKの頭上を越すシュート。柔らかい弧を描いたボールがゴールに吸い込まれる。
   FWブルーノ・ホドリゲスは全国選手権2部のトンベンセからのレンタルで2022年7月にクルゼイロに加入。今季は今節終了時点でチームのフィールドプレーヤー最多の40試合3230分の出場、10得点を記録している。期限付き移籍契約は2023年末まで、中東からのオファーもあり、クルゼイロは完全移籍での獲得交渉を進めている。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:45% 55% ⇒ 前後半:41% 59%
シュート(枠内): 前半:5‐1(1-0) ⇒ 前後半:13-6(5-0)
パス成功率: 前半:85% 85% ⇒ 前後半:83% 88%

   クルゼイロは、左SBマルロンが出場停止明けでスタメンに復帰。その他は前節アトレチコ・ミネイロとのクラシコで1-0の勝利を収めた試合のスターティングイレブンと同じ顔ぶれ。
   バイーアは、VOLヘゼンジ(Rezende, 1995)が出場停止明けでスタメンに復帰。3連勝を遂げた前節からのスタメンの変更はその点のみ。連勝の勢いを今節にも繋げたい。

   クルゼイロは、前節に続きスリーボランチが機能し、バイーアにボールを持たれながらもシュートチャンスを与えない。攻撃面では前線と中盤が前後左右にポジションチェンジを繰り返し、バイーア守備陣をかく乱する。
   前半13分にVOLルーカス・シウヴァが浅い位置からゴール前にクロス、そこにサイドから絞り込んできた右SBウィリアン(William, 1995)が足をあわせるがボールは僅かに枠外へ。しかし、前半19分、アタッキングサードの手前まで下がったFWマテウス・ペレイラのクロスにVOLマシャードが飛び込みオウンゴールを誘発。ダイナミックな動きでチャンスを作りゴールに結びつける。
   先制後は、自陣でのブロックを形成した守備からFW陣がカウンターを発動。前半33分にFWアルトゥール・ゴメスがペナルティエリア手前から僅かにゴールを外れるコントロールショット。前半38分にはFWブルーノ・ホドリゲスがポストを直撃するシュートに持ち込など、次々とバイーアゴールに迫る。
   後半に入ってもクルゼイロの勢いは衰えず、後半7分には自陣でのパスカットからVOLルーカス・シウヴァが主導したカウンターで貴重な追加点。その後もカウンターの意識を抑えながら守備を固めると、バイーアに決定的なチャンスを与えず時間を使っていく。後半40分を迎えるころには完全に試合をコントロール。後半43分にはダメ押しの3点目を決め、ホームで6月24日第12節サンパウロ戦以来の勝利を収めた。
   この勝利で勝ち点を37に伸ばし13位に浮上。何よりもスリーボランチと鋭いカウンターが機能、序盤にはポジションチェンジを有効に使った攻撃で相手守備をかく乱するなど、ゼ・ヒカルド監督の采配、戦術がチームにフィットし、連勝したことが今後に向けた最も明るい材料となる。
   全国選手権は第30節フォルタレーザ戦が11月18日に順延され、11月2日に行われる全国選手権第31節アウェイでのサンパウロ戦が次戦となる。コパ・ド・ブラジル王者を相手にこの2試合の戦いぶりが試されることになる。

   バイーアは、3試合前と前々節では守備を固め鋭いカウンターを武器に連勝したが、前節は主力を温存させたフォルタレーザを相手にボールを支配しながら2-0の勝利を収め、カウンターだけでないことを示した。しかし、今節はボールを持ちながらも最後までゴールへの糸口を見つけることができず試合を終えた。
   ボール支配率は60%近くに達したものの、シュート数は僅かに6本。前半は1本にとどまり、枠内シュートは試合を通じて0本。中盤でのミスが多く、それを引き金に多くのカウンターを浴びることに。前半36分には攻撃の要MFカウリー(Cauly, 1995)が足を痛め交代。代わりに投入したFWハファエウ・ハトン(Rafael Ratão, 1995)は機能せず、後半26分に一気に4選手を交代したが、交代選手は局地的にはいいプレーをみせたもののチームとしては機能したとはいえず、終盤にダメ押し点を奪われ0-3の完敗を喫した。
   この敗戦で15位に転落。このままズルズルと残留争いに巻き込まれないためにも、次戦は攻守に修正を図り勝ち点を積み上げたい。
   その次戦は10月28日に全国選手権第30節、アウェイでのパウメイラス戦が予定されている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です