ヴィトル・フィゲイレード (Vitor Figueiredo)

投稿者: | 2023年10月25日
最新更新日 : 2024/08/09
更新履歴 : 2023/12/06

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ヴィトル・ドス・サントス・フィゲイレード

Vitor dos Santos Figueiredo

ポジション: ボランチ

利き足:右

2006年3月3日生まれ

<幼少期>

 ブラジル連邦共和国サンパウロ州サンパウロに生まれる。
 幼い頃からパウメイレンセ(パウメイラスのファンの通称)だったヴィトル・フィゲイレードは、2015年、8歳でパウメイラスの下部組織に入団。

<クラブ経歴>

≪育成時代

 将来を嘱望される若手選手を数々輩出するパウメイラス下部組織の中でも、2006年生まれ世代は類稀な世代で、2024/25シーズンにレアルマドリード/ESPへの移籍が決定しているエンドリッキ(Endrick)など、2023年現在(この世代が17歳になる年)で複数のトップチーム昇格者や、世代別代表でのタイトル(2022モンテギュー国際大会(U-17)、2023U-20南米ユース選手権、2023南米U-17選手権)保有者を有している。
※関連記事 : 湘南ベルマーレ主催『2017 コパ・ベルマーレ U-11』がえげつない。【パウメイラス】
 U-11カテゴリーの州選手権を皮切りに、各カテゴリーで数多くのタイトルを獲得。
 2022年3月には4月に開催されるU-17カテゴリーのモンテギュー国際大会の代表に選出。
 同大会終了後はパウメイラスU-17チームに戻り、同カテゴリーのコパ・ド・ブラジルに出場。準々決勝以降のホーム&アウェイの全試合など計8試合に出場、6月21日決勝戦ヴァスコ・ダ・ガマ戦1stレグでのゴールなど3得点を記録し、チームの大会制覇に貢献。
 8月4日に開幕したU-17全国選手権にもレギュラーとして出場。開幕節、第2節と2試合連続ゴールをマーク。同大会も主力の一人としてチームを支えるものと思われた。
 しかし、9月14日予選ラウンド第4節インテルナシオナウ戦の前半8分、相手選手のマークにいった際に右足から力が抜けた。プレーを続けることができずそのまま交代。試合後に検査を受けると右膝前十字靭帯断裂と診断された。
 この試合の一週間前の2022年9月8日には、パウメイラスと契約期限は2025年9月末、6000万ユーロの契約解除金が附帯されたプロ契約を締結し、プロ選手になるという夢の一つを実現したばかりだった。
 手術を経て、2022年末にフィジカルトレーナーとリハビリを開始。
 2023年1月のU-20全国大会カップ戦やU-20南米ユース選手権、南米U-17選手権など、パウメイラスのチームメートの活躍を応援しながら、メッセージ交換でモチベーションを維持し、焦燥感に駆られることなく一日一日リハビリを続けていく。
 2023年6月10日、U-17州選手権で9か月(269日)ぶりにピッチに立つと、翌6月18日にはU-17全国選手権決勝戦アトレチコ・パラナエンセ戦の後半22分に交代出場、優勝の瞬間をピッチの上で迎える。
 その後は途中交代出場が多いもののU-20全国選手権を主体に試合に出場。同大会終了後にはU-17全国選手権に転戦。
 2023年10月11日には、11月にインドネシアで開幕するU-17W杯代表選手21名の一人としての選出がCBFより発表。2022年4月のモンテギュー国際大会以来、大ケガを乗り越えての国際大会U-17代表への選出となった。
 10月19日、U-17全国選手権準決勝コリンチャンス戦2ndレグ前半15分に途中交代。試合後の検査で、今度は左膝前十字靭帯断裂と診断され代表を辞退。
 2022年の右膝へのケガの時と同じように、再び手術を受け、約9か月にも及ぶ復帰への道のりを再び味わうことになる。
 パウメイラスは、2023年11月3日、フィゲイレードとの契約を1年延長した(~2026年9月末)。
 2024年8月9日現在、ケガの回復は順調とのこと。
 7月19日付のネット記事によると、すでにボールを使ったトレーニングを開始。まだフィジカルでの接触のあるトレーニングへは移行していないものの、約6週間(9月初め)で100%の状態でのU-20チームへの合流が可能になると見込まれている。

≪シーズン別クラブ出場記録≫

シーズン所属大会試合出場
時間
得点アシ
スト
2023年(17歳)パウメイラス出場経歴なし
イタリック斜体は、2023年10月25日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。

<代表(世代別含む)経歴>

– 2022 –

 【モンテギュー国際大会(U-17)】 

 2022年4月、U-17ブラジル代表として2022年モンテギュー国際大会に出場。
 4月12日メキシコ戦(〇4-0)では先発出場から後半7分に豪快なミドルシュートによる1得点を記録(後半途中交代)。
 14日オランダ戦(△2-2)、16日イングランド戦(〇3-0)、優勝を賭けた18日アルゼンチン戦(〇2-1)の3試合は先発フル出場を果たす。
 同大会は全4試合に出場しブラジルU-17代表の優勝に貢献。世代別代表での初タイトルを獲得した。

– 2023 –

 【親善試合、代表合宿】 

 2023年8月22日~9月4日のU-17代表合宿23選手の一人として招集。
 2023年9月26日~10月7日のU-17代表合宿、同期間中のカナダU-17、アメリカU-17との親善試合各2試合に向け招集(23選手)。
 2023年10月11日、11月にインドネシアで開幕するU-17W杯代表選手21名の一人としての選出がCBFより発表された。
 しかし、10月19日、U-17全国選手権準決勝コリンチャンス戦2ndレグ前半15分に途中交代。試合後の検査で左膝前十字靭帯断裂と診断され代表を辞退。

<プレースタイル、雑感 etc.>

 利き足は右。
 身長177㎝、体重不明。(パウメイラス公式HP2023年選手情報より)
 ポジションはボランチ。
 プリメイロボランチでは守備ライン手前でフィルター役を務め、ボール奪取や危険な地域をケア、攻撃時にはビルドアップを担う。セグンドボランチでは攻撃時のセカンドボールの回収や高い位置でのマーク、FWを追い抜く攻撃参加、守備から攻撃への繋ぎ役を務める。
 育成カテゴリーの早い時期にはトップ下やサイドハーフとしてもプレーしており、中盤はどのポジションでもプレー可能。ゴールに近いポジションでは多くの得点も記録しておりシュート技術も高い。

 最近のパウメイラス下部組織出身のボランチと言えば、2023年1月にノッティンガム・フォレスト/ENGへ2000万ユーロで移籍し、シーズン終盤にレギュラーの座を獲得したダニーロ(Danilo, 2001)が挙げられる。その他にも、2020東京五輪で3試合に出場し、トップチームでは2020年以降(2023年10月24日現在で)195試合16得点16アシストを記録、2020年9月には代表に招集され、2024年1月にニューキャッスル/ENGへの移籍も噂されるガブリエウ・メニーノ(Gabriel Menino, 2000)。2019年南米U-17選手権4試合、2021年にトップチームデビューを果たし、2023年には(2023年10月24日現在で)29試合に出場するファビーニョ(Fabinho, 2002)など、パウメイラス下部組織は毎年のように将来性の高いボランチを輩出している。
 その中でもU-17カテゴリー時点での評価が高いヴィトル・フィゲイレード。
 前十字靭帯断裂からの復帰で精神的にも一回りも二回りも大きくなった。
 2023年11月のU-17W杯の舞台では、パウメイラスでのチームメート、エンドリッキ(Endrick)やルイス・ギリェルミ(Luís Guilherme)に劣らない潜在能力の高さを世界に知らしめるような活躍を期待したい。

(2023年12月6日追記)
 2023年10月、再び悲劇が襲った。今度は左膝前十字靭帯断裂。U-17W杯代表選出が発表された8日後の出来事だった。
 前回同様、ピッチに戻るまで約9か月もの期間が見込まれている。一日も早い回復と、復帰後のピッチでの活躍を祈らずにはいられない。

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