最新更新日 : 2024/07/18
更新履歴 : 2023/12/06
ヒケウミ・フィリピ・マリーニョ・デ・ソウザ
Riquelme Fillipi Marinho de Souza
ポジション:フォワード/アタカンチ
利き足:右
2006年9月15日生まれ
<幼少期>
ブラジル連邦共和国サンパウロ州、サンパウロ都市圏を構成するサントアンドレに生まれる。
ヒケウミという名前は、父がプレースタイルを好み、特にそのゴールに魅せられたアルゼンチン国籍選手フアン・ロマン・リケルメ(Juan Román Riquelme)(Wikipediaへリンク)から付けられた。
<クラブ経歴>
≪育成時代≫
2020年9月にイブラシナFCのU-15チームに加入。イブラシナFCはサンパウロ市モオカ地区に2020年9月に創立された育成カテゴリー専門クラブ、ヒケウミはクラブ創立にあわせ入団。イブラシナFCとパウメイラスの親善試合でのヒケウミのプレーがパウメイラスのスカウト陣に注目される。
2021年2月(14歳)にパウメイラスと3年間の育成契約を締結。10億レアル世代(レアルはブラジルの通貨単位。日本円に換算すると300億円の世代)と呼ばれるパウメイラス2006年生まれ世代の一員となる。
将来を嘱望される若手選手を数々輩出するパウメイラス下部組織の中でも、2006年生まれ世代は類稀な世代で、2024/25シーズンにレアルマドリード/ESPへの移籍が決定しているエンドリッキ(Endrick)など、2023年現在(この世代が17歳になる年)で複数のトップチーム昇格者や、世代別代表でのタイトル(2022モンテギュー国際大会(U-17)、2023U-20南米ユース選手権、2023南米U-17選手権)保有者が複数プレーしている。
2021年はU-15チームでプレー。14試合4ゴールを記録し、U-15州選手権制覇に貢献。
2022年にはU-17チームに昇格。U-17カテゴリーの全国選手権、コパ・ド・ブラジル、州選手権合わせて40試合に出場(うち14試合に先発)5得点を記録し、チームの三冠に貢献。 2022年10月14日にはパウメイラスとプロ契約を締結。
2023年3月8日、南米U-17選手権代表への選出が発表される。 2023年4月に閉幕した南米U-17選手権から帰国した直後の2試合はU-20カテゴリーの試合に出場。その後はU-17コパ・ド・ブラジルの準決勝ホーム&アウェイ、一発勝負の決勝戦にフル出場し、2年連続大会制覇に貢献。 その後は再びU-20チームに合流。U-20コパ・リベルタドーレス、U-20全国選手権の両大会は途中出場が中心ながら着実に試合経験を積み重ねる。
U-20全国選手権を準優勝に終えると、再びU-17チームに戻り、U-17全国選手権を2年連続制覇。
U-17州選手権は準決勝で敗退し2年連続のU-17カテゴリー三冠は逃したものの、2年連続二冠を達成。
2023年11月20日にインドネシアで開幕したU-17W杯に出場。4試合1アシストの成績を残した。
2023年成績:
U-17(パウメイラス)… 16試合3得点
U-17(南米U-17選手権)… 7試合2得点2アシスト
U-17(U-17W杯)… 4試合1アシスト
U-20(パウメイラス)… 13試合1得点
≪シーズン別クラブ出場記録≫
シーズン | 所属 | 大会 | 試合 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2023年(17歳) | パウメイラス | 出場経歴なし | ||||
2023年(18歳) | パウメイラス | 出場経歴なし |
イタリック斜体は、2024年7月18日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。
<代表(世代別含む)経歴>
– 2022 –
2022年11月1日、3日に開催されたチリとの親善試合に向けたU-17代表に招集。 第2戦の後半開始時に交代出場、世代別代表でのデビューを果たす。
– 2023 –
【南米U-17選手権】
2023年3月8日、3月30日開幕の南米U-17選手権代表に選出。
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-17代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日 | 節 | 対戦 相手 | 試合 結果 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2023/03/30 | 予選R第1節 | エクアドル | 2 – 2 | 11 | 0 | 0 |
2023/04/01 | 予選R第2節 | チリ | 3 – 0 | – | – | – |
2023/04/03 | 予選R第3節 | コロンビア | 3 – 1 | 45 | 1 | 0 |
2023/04/07 | 予選R第5節 | ウルグアイ | 3 – 0 | 90 | 0 | 1 |
2023/04/11 | 決勝R第1節 | ベネズエラ | 2 – 1 | – | – | – |
2023/04/14 | 決勝R第2節 | パラグアイ | 3 – 2 | 76 | 0 | 0 |
2023/04/17 | 決勝R第3節 | エクアドル | 2 – 2 | 90 | 0 | 0 |
2023/04/20 | 決勝R第4節 | チリ | 3 – 0 | 69 | 0 | 0 |
2023/04/23 | 決勝R第5節 | アルゼンチン | 3 – 2 | 76 | 1 | 1 |
合計 | 24 – 10 | 457 | 2 | 2 |
予選ラウンド第3節コロンビア戦の後半開始時に左ウィングとしてピッチに投入されると、後半24分にMFハイアンのゴールライン際からのパスを受け、左足のシュートでファーサイドのゴールネットを揺らし自身の大会初ゴール。
続く予選ラウンド第5節ウルグアイ戦で今大会初のスターティングイレブンに名を連ねると、後半38分、自陣でのボール奪取からペナルティエリア手前への約40mのスルーパスでMFロハンのゴールをアシスト。
優勝を賭けた決勝ラウンド第5節アルゼンチン戦では先発に抜擢。その期待に応えるように前半11分にドリブルでペナルティエリアに侵入し、ディフェンダーのマークを外しトゥーキックのシュート。これはGKに阻まれるが跳ね返りのボールを冷静に押し込みブラジルに貴重な先制点をもたらす。 前半29分には、MFドゥドゥからのパスをペナルティエリアで受け、ディフェンダーを切り返しでかわす。この切り返しのボールは少し大きくなるがMFドゥドゥがボールをゴールに沈め結果としてアシストを記録。
南米U-17選手権は7試合457分出場2得点2アシストの成績を残し、ブラジルU-17代表の大会優勝に大きく貢献した。
【親善試合、代表合宿】
2023年8月9日に発表された8月22日~9月4日の合宿代表23選手に選出。
2023年9月26日~10月7日のU-17代表合宿、同期間中のカナダU-17、アメリカU-17との親善試合各2試合に向け招集(23選手)。9月29日カナダとの初戦(〇3-1)、10月6日アメリカとの2戦目(〇3-0)に先発出場、アメリカ戦では前半36分に先制ゴールをマークした。
【2023U-17W杯】
2023年10月11日、インドネシアで11月10日に開幕する2023U-17W杯代表の21選手の一人として選出された。
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-17代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日 | 節 | 対戦 相手 | 試合 結果 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2023/11/11 | 予選第1節 | イラン | 2 – 3 | 13 | 0 | 0 |
2023/11/14 | 予選第2節 | ニューカレドニア | 9 – 0 | 31 | 0 | 1 |
2023/11/17 | 予選第3節 | イングランド | 2 – 1 | – | – | – |
2023/11/20 | 決勝一回戦 | エクアドル | 3 – 1 | 8 | 0 | 0 |
2023/11/14 | 準々決勝 | アルゼンチン | 0 – 3 | 6 | 0 | 0 |
合計 | 16 – 8 | 58 | 0 | 1 |
<プレースタイル、雑感 etc.>
利き足は右。 身長175㎝、体重不明。(パウメイラス公式HP2023年選手情報より)
スピード豊かなサイドアタッカー。 戦術理解が深く、主戦場の左サイドで様々なフォーメーションに対応するだけでなく、センターフォワードや右サイドでの試合出場や試合中のポジションチェンジにも素早く対応する。
アジリティが最大の特長だが、得点能力、ドリブル、一対一の駆け引きにも高い能力を示す。
ゴールは攻撃的なポジションを務める選手の一番の見せ場だからと、トレーニングでは特にフィニッシュにこだわりを持っていると話す。
試合では、ディフェンダーの視界の外からゴール前に現れる動き、守備ライン裏への抜け出し、細かいタッチでディフェンダーの重心を崩すドリブルなど、さまざまな形でシュートチャンスを作り出す。そして、トレーニングの成果を示すように、そこから強烈なシュート、GKのタイミングを外すトゥーキックやチップキックなど、多様なパターンのシュートを左右いずれの足からも披露する。
2023年10月30日現在、パウメイラスではU-17カテゴリーの年齢ながらU-20チームに所属。すでにトップチームのトレーニングにも参加している。 同じ歳のエンドリッキ(Endrick)やルイス・ギリェルミ(Luis Guilherme)はトップチームに昇格し、トップチームの試合で出場機会を得て活躍している。エンドリッキは2024年7月にレアルマドリード/ESPへ移籍、ルイス・ギリェルミも欧州ビッグクラブによる獲得の噂が絶えない。
ヒケウミは、2023南米U-17選手権では、開幕節のベンチスタートに始まり予選ラウンド4試合のうち3試合146分の出場から、決勝ラウンド5試合のうち4試合に出場(すべて先発)、試合を重ねるごとにMFドゥドゥを始め周りの選手との連係を高め、優勝を賭けた最終節のアルゼンチン戦では1得点1アシストを記録するなど、一か月足らずの大会の中で大きく成長。
柔軟性の高いプレースタイルや多様な戦術への対応力はエンドリッキやルイス・ギリェルミをも凌ぐものを持っており、今後順調に身体的な成長や精神的な成熟さが増していけばトップチームへの昇格も時間の問題と思われる。
そして、近い将来には、エンドリッキやルイス・ギリェルミと欧州の地で再会することになるだろう。
(2024年7月18日 追記)
2024年7月18日パウメイラス宛にノッティンガム・フォレスト/ENGからの獲得オファーが届いた旨の報道が行われた。
移籍金は600万ユーロ。パウメイラスは、ノッティンガム・フォレストによる交渉を認めており、ヒケウミ・フィリピの将来は自身と代理人との決定に委ねられている。
この移籍が実現すれば、パウメイラス育成2006年生まれ世代は、FWエンドリッキ(Endrick, レアルマドリード)、MFルイス・ギリェルミ(Luis Guilherme)に続く、3人目の欧州移籍となる。
投稿時に「近い将来には、エンドリッキやルイス・ギリェルミと欧州の地で再会することになるだろう。」と記載したが、まさかこんなに早く実現するとは思わなかった。しかし、3選手ともまだ欧州サッカーのスタート地点に立つ直前の段階。それぞれがクラブで出場機会を勝ち取り、互いに刺激し合い、切磋琢磨して、欧州サッカー、ブラジルサッカーを盛り上げてもらいたい。