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全国選手権第30節 対戦組合せ
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2023/10/28 パウメイラス(PAL) x バイーア(BAH)
・2023/10/28 アメリカ・ミネイロ(AME) x グレミオ(GRE)
・2023/10/28 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x フルミネンセ(FLU)
・2023/10/29 ゴイアス(GOI) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
・2023/10/29 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x サンパウロ(SAO)
以下の3試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2023】第30節(2/2)
・2023/10/29 コリンチャンス(COR) x サントス(SAN)
・2023/10/29 インテルナシオナウ(INT) x コリチバ(CFC)
・2023/10/29 ボタフォゴ(BOT) x クイアバ(CUI)
以下の2試合は順延。
・2023/11/18 フォルタレーザ(FOR) x クルゼイロ(CRU)
・2023/11/23 フラメンゴ(FLA) x RBブラガンチーノ(RBB)
全国選手権第30節 試合概要
パウメイラス(PAL) 1-0 バイーア(BAH)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=zE4RVpyHQgE
(PAL) : 38' #23 ハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)[]
(BAH) : N/A
見どころ(試合前の順位)
パウメイラスは全国選手権14勝8分7敗勝点50の3位。
バイーアは全国選手権9勝7分13敗勝点34の15位。
得点シーン
(PAL)前半38分 :
自陣に入ったところで相手のパスをCBグスタボ・ゴメス(Gustavo Gómez, 1993)がカットしワンタッチでFWエンドリッキ(Endrick, 2006)へ縦パスを通す。ドリブルでゴールに向かうFWエンドリッキは背後から押し倒されるが、主審はアドバンテージを適用、こぼれ球をMFハファエウ・ヴェイガが拾いペナルティエリア入口で左足を振り抜きゴールを奪う。(1-0)
CBグスタボ・ゴメスは、3度のコパ・アメリカなどパラグアイ代表として70試合4得点、2026W杯南米予選もここまで全4試合でフル出場を果たしている。パラグアイの名門リベルタ出身で、ラヌース/ARG、ミラン/ITAを経て、2018年7月31日にパウメイラスに加入。間もなくレギュラーの座を掴み、数々のタイトル獲得。2022年には11得点を記録、セットプレーからの得点力としても貢献した。キャプテンとしても闘争心溢れるプレーで最終ラインからチームを鼓舞、パウメイラスの中核を担っている。
試合概要、所感 etc.
ボール保持率: 前半:66% 34% ⇒ 前後半:60% 40%
シュート(枠内): 前半:6‐3(4-1) ⇒ 前後半:21-5(9-1)
パス成功率: 前半:90% 78% ⇒ 前後半:88% 76%
パウメイラスのスターティングイレブンは、5-0で快勝を収めた前節サンパウロ戦のものから、出場停止のVOLゼ・ハファエウ(Zé Rafael, 1993)がVOLファビーニョ(Fabinho, 2002)に変更されたのみ。VOLファビーニョはリベルタドーレス準決勝の谷間の10月1日の試合以来の先発起用、このチャンスを生かしたい。
バイーアは、前節0-3で敗れたクルゼイロ戦から一気に7選手を変更。3センターバックによる3バック。WBが引いた5バックでパウメイラスのスピードのあるサイド攻撃を封じる狙いと思われる。
パウメイラスは、試合序盤こそバイーアの素早い寄せに苦しめられるが、FWエンドリッキ(Endrick, 2006)とFWブレーノ・ロペス(Breno Lopes, 1996)のスピードを生かしたプレーで次第に試合の流れを掴むと、前半38分にMFハファエウ・ヴェイガが均衡を破る。
後半に入ると完全にパウメイラスが試合の主導権を握り、バイーアを押し込んでいく。後半2分にFWエンドリッキが自陣からドリブルで約50mボールを運びあわやゴラッソかと思わせるシュート。後半15分には相手のクリアボールを拾ったCBムリーロ(Murilo, 1997)がGKの好守に阻まれるミドルシュート。後半29分にはセンターサークル内でのインターセプトからCBムリーロが縦に鋭いスルーパスを送りFWブレーノ・ロペスがGKと一対一を迎えるなど、相次いでバイーアゴールに迫る。8本ものシュートストップを記録したバイーアGKマルコス・フェリピ(Marcos Felipe, 1996)の好守を前に追加点を奪うことはできなかったものの、後半は終始相手陣でのプレーを続け、パウメイラスが1-0の勝利を収めた。
この勝利でパウメイラスは3連勝、いずれも無失点に抑える安定した試合運びで、低迷期を脱出したように見受けられる。
次戦は11月1日に全国選手権第31節、アウェイでのボタフォゴ戦。現時点で2試合未消化のボタフォゴとの勝点差は6ポイント。次節で敗れると実質的に優勝の目は潰える。全国選手権を面白くするためにもアウェイの地から勝ち点3を持ち帰ってもらいたい。
バイーアはボールも持たれながらも、中盤の素早い寄せと5バックによりサイドのスペースを埋めることでパウメイラスのサイド攻撃を封じる。しかし、前半18分にCBハウーウ・グスタヴォ(Raul Gustavo, 1999)が負傷退場。ここでMFジエゴ・ホーザ(Diego Rosa, 2002)を投入し4バックに変更。すると、それまで相手2トップを二人のSBでマークしWBが外のスペースを埋めていたものが、相手FWにCBとSBの間を狙われ外のスペースを空けることとなり、パウメイラスにペースを掴まれてしまう。
後半開始時に交代枠を1枚、後半16分に一気に3枚使い、試合の流れを変えようと試みるが、前線と守備との距離が広がりパスが繋がらず、相手にボールを渡しては自陣深くまで攻め込まれる展開が繰り返される。この状況は最後まで修正することができず0-1のまま試合終了。0-1のスコアながら内容的には完敗を喫した。
この敗戦で2連敗。前節はボールを持たされる形で相手守備網を崩せず、今節はボールを支配され攻撃への糸口が見いだせず2試合連続無得点。日曜日の結果次第で再び降格圏に転落する可能性も出てきた。
次戦は10月31日に全国選手権第31節ホームでのフルミネンセ戦。フルミネンセは中4日後のリベルタドーレス決勝戦に向けた控え選手中心の先発が予想されるだけに、しっかりと勝ち切って勝ち点3を積み上げたい。
アメリカ・ミネイロ(AME) 3-4 グレミオ(GRE)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=kKRkT01W1AM
(AME) : 3' #75 ホドリギーニョ(Rodriguinho, 2003)[#10 ベニテス(Benítez, 1994)]
(GRE) : 17' #6 ヘイナウド(Reinaldo, 1989)[PK]
(GRE) : 20' #13 ガウジーノ(Galdino, 1997)[#9 ルイス・スアレス(Luis Suárez, 1987)]
(AME) : 35' #17 マストリアーニ(Mastriani, 1993)[#8 ジュニーニョ(Juninho, 1987)]
(AME) : 49' #17 マストリアーニ(Mastriani, 1993)[#10 ベニテス(Benítez, 1994)]
(GRE) : 71' #9 ルイス・スアレス(Luis Suárez, 1987)[]
(GRE) : 78' #19 クリスタウド(Cristaldo, 1996)[#9 ルイス・スアレス(Luis Suárez, 1987)]
見どころ(試合前の順位)
アメリカ・ミネイロは全国選手権4勝7分18敗勝点19の20位。
グレミオは全国選手権14勝5分10敗勝点47の6位。
得点シーン
(AME)前半3分 :
右WBホドリギーニョがペナルティエリアの右でMFベニテスからのボールを受けると、ドリブルで中央へ切れ込み左足を振り抜き左サイドネットを揺らす。(1-0)
MFホドリギーニョは、アメリカ・ミネイロ生え抜き選手。2022年1月の州選手権で18歳のプロデビューを果たし、2022年5月10日コパ・ド・ブラジル三回戦CSA戦でプロ初ゴールをマーク。2022年はトップチームの14試合に出場。2023年は一年前倒しでトップチームに昇格。年初のケガで始動は6月と遅れたが8月以降は先発起用も多く、最近の3試合は先発で出場し1得点1アシストを記録している。
(GRE)前半17分 :
左サイドからボールにFWルイス・スアレスが抜け出す。GKジョリ(Jori, 1996)が間合いを詰めボールを確保しにいくが。FWルイス・スアレスを倒したとしてグレミオにPKが与えられる。これをSBヘイナウドがGKの逆をつくシュートを決めグレミオが同点に追いつく。(1-1)
SBヘイナウドは、2010年1月にペナポレンセからサンパウロ州選手権3部でプロデビュー。2013年に期限付き移籍でサンパウロに加入すると32試合2得点2アシストの成績を残し、翌2014年に完全移籍。2016年はポンチプレッタ、2017年はシャペコエンセへの期限付き移籍でサンパウロを離れるが、2018年に復帰すると5年間で266試合29得点39アシストを記録する。2023年シーズン前にグレミオに加入。グレミオでもスタメンに定着すると、6月4日全国選手権第9節で古巣を相手に全国選手権は初ゴールをマーク。このゴールはそれ以来のゴールとなった。
(GRE)前半20分 :
相手陣のセンターサークルの先でボールを受けたFWルイス・スアレスが前を向くと、右サイドを駆け上がるFWガウジーノへスルーパス。守備ライン裏を抜け出したFWガウジーノはGKジョリとの一対一を制しゴールにボールを流し込む。(1-2)
FWガウジーノは、全国選手権2部トンベンセからの期限付き移籍で2023年シーズン前にグレミオに加入。ケガによる約2か月の戦列離脱があったものの、途中出場ながら今節終了時点で35試合に出場(7得点1アシスト)。今節は前節に続き先発に抜擢され、9月18日第15節コリンチャンス戦以来となる全国選手権4点目のゴール。契約では2023年末の契約期限満了時に買取オプションが附帯されているが、その行使に関する報道は今のところない。
(AME)前半35分 :
グレミオ陣ペナルティエリア内でMFベニテスから縦に送られたボールを受けたVOLジュニーニョがゴール前に柔らかいクロス。ディフェンダーのマークが甘く、フリーのFWマストリアーニが難なくボールを蹴り込みアメリカ・ミネイロが再度振り出しに戻す。(2-2)
VOLジュニーニョは、2009年にゴイアス州下位リーグのアパレシーダで22歳のプロデビュー。25歳になる2012年に全国選手権4部のヒオヴェルジを経て、同じく全国選手権4部のモジミリンに加入し、モジミリンの3部昇格に貢献。2013年5月28日に全国選手権1部のアトレチコ・パラナエンセに加入。その年はコパ・ド・ブラジル決勝戦フラメンゴ戦のホーム&アウェイの両試合にスタメンに起用されるなど、半年間で26試合に出場するが、2014年以降はポジションを失い期限付き移籍で複数のクラブで過ごす。2016年5月にアメリカ・ミネイロに期限付き移籍で加入すると翌2017年に完全移籍。2016年にチームは2部に降格したものの、翌2017年には2部優勝で一年で1部復帰。その後も2部降格を味わうなどチームは浮き沈みが大きいものの、2021年には1部で8位に食い込むなどクラブの成長とともに歩みを重ねている。すでに2024年まで契約を更新、現在のチーム状況は厳しいが、若手の育成や攻撃的なスタイルなど明確なヴィジョンを示すクラブと共に来季も精神的な支柱としてプレーする。
(AME)後半4分 :
自陣に入ったところで相手のパスミスを拾いカウンター。VOLエマニュエル・マルチネス(Emmanuel Martínez, 1994)がドリブルで主導し、ペナルティエリア右へ縦にボールを送ると、MFベニテスがゴール前にクロス。FWマストリアーニがフリーでゴールを陥れアメリカ・ミネイロが逆転。(3-2)
FWマストリアーニは欧州、中南米でキャリアを積んだ経験豊かなウルグアイ国籍選手。2022年8月にアメリカ・ミネイロに加入。2023年はカップ戦要員としての出場が続いたが、7月2日全国選手権第13節アトレチコ・ミネイロ戦で交代出場から2得点をマークするとその試合を機に選手権での出場も増えていきゴールを量産。特に最近の5試合は5得点1アシストを記録。全国選手権は18試合1334分の出場ながら9得点1アシスト、得点ランキングは暫定で9位タイまで浮上している。
(GRE)後半26分 :
自陣右サイドからのロングフィードにFWルイス・スアレスが抜け出しシュート。一旦はGKジョリに止められたものの、その跳ね返りをゴールへ流し込む。(3-3)
FWルイス・スアレスは、7月に膝の不調のためしばらく試合やゴールから遠ざかったものの、年間を通してコンスタントに活躍。最近の出場10試合では6得点6アシストを記録するなど、今節終了時点で全国選手権は25試合10得点9アシスト。年間でも46試合22得点15アシストの成績を残している。2024年はメッシ擁するマイアミFC/USAへの噂も報じられているが、ブラジルでのプレーをしっかりと目に焼き付けておきたい。なお、このゴールはキャリア通算550回目のゴールとのこと。
(GRE)後半33分 :
左ショートコーナーからMFクリスタウドがFWルイス・スアレスとのタベーラにゴールライン手前をペナルティエリアに侵入。角度のない位置から放ったシュートはディフェンダーの股を抜きファーサイドのサイドネットを揺らし、グレミオが再逆転。(3-4)
MFクリスタウドは前々節で前半40分手前に懲罰的な途中交代を命じられたものの、前節は途中出場からアシストを記録。今節は先発に復帰し1得点。監督の信頼を取り戻したに違いない。
試合概要、所感 etc.
ボール保持率: 前半:50% 50% ⇒ 前後半:45% 55%
シュート(枠内): 前半:9‐6(4-6) ⇒ 前後半:16-16(6-11)
パス成功率: 前半:84% 83% ⇒ 前後半:81% 83%
アメリカ・ミネイロは、前節のスターティングイレブンからCBの一角をCBエデル・フェヘイラ(Éder ferreira, 1995)からCBヒカルド・シウヴァ(Ricardo Silva, 1992)に変更しスリーバックを継続。前線はツートップからFWマストリアーニ(Mastriani, 1993)のワントップに布陣を変更し中盤を厚くする。
グレミオは、前節試合開始時のスリーバックからフォーバックにシステムを変更。FWルイス・スアレス(Luis Suárez, 1987)が出場停止明けでスタメンに復帰。前節の逆転勝利の立役者の一人MFクリスタウド(Cristaldo, 1996)もスタメン復帰を果たす。
アメリカ・ミネイロは今季全国選手権で9度目となる逆転負け。今節も先制後に逆転を許し、再逆転後も再々逆転を許し、逆転負けを喫した。シーズン当初から攻撃的なサッカーを標榜し一定の成果を残した一方、リードしてからの戦い方が課題となり、シーズン終盤に差し掛かっても解消することができず、現状の順位に低迷している。
守りに意識がいった際に、最終ラインを筆頭に全体が下がり過ぎセカンドボールを次々と奪われ、防戦一方の状況に陥る場面がしばしば。それで体力を消耗し逆転を許した後には再逆転を果たせず試合を終える印象が強い。
次戦は11月1日に全国選手権第31節アウェイでインテルナシオナウ戦。
最近の試合では撃ち合いの試合となることが多いグレミオだが、今節はその撃ち合いを制し2連勝。出場停止明けのFWルイス・スアレスがいつも通りの絶妙なポジショニングや精度の高いパスやシュートからチームの得点に絡み、チームは2度のビハインドを巻き返す。前々節プロデビューで先発に抜擢されたVOLジョズエ(Josué, 2005)や前節でプロ初ゴールを記録したFWナタン・フェルナンデス(Nathan Fernandes, 2005)を後半に投入して経験を積ませることもでき、攻撃面では収穫も多い試合になったように思われる。
この勝利で暫定ながら順位は4位に浮上。多様なシステムや戦術を試し、多くの選手を起用しながらも、年間を通して大きく崩れることなくシーズン終盤に差し掛かった。このままリベルタドーレスの出場権を獲得し、今季蒔いた種を来期以降に次々と回収していきたい。
次戦は11月1日に全国選手権第31節、アウェイでのコリチバ戦。
アトレチコ・ミネイロ(CAM) 2-0 フルミネンセ(FLU)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=ahVvYGAYAU0
(CAM) : 62' #10 パウリーニョ(Paulinho, 2000)[]
(CAM) : 83' #10 パウリーニョ(Paulinho, 2000)[#15 サラーチョ(Zaracho, 1998)]
(FLU) : N/A
見どころ(試合前の順位)
アトレチコ・ミネイロは全国選手権13勝7分9敗勝点46の7位。
フルミネンセは全国選手権13勝6分10敗勝点45の8位。
得点シーン
(CAM)後半17分 :
右ショートコーナーから一度ペナルティエリア入口のラインまで下げたボールをFWフッキが再びゴールライン手前に運びゴール前にクロス。ゴール前で混戦となるが最後はFWパウリーニョがボールをゴールに蹴り込みアトレチコ・ミネイロが先制。(1-0)
FWパウリーニョは、2020東京五輪代表、2023年9月のU-23親善試合代表にも招集。ヴァスコ・ダ・ガマ下部組織出身で2017年に16歳でトップチームデビュー。デビュー戦でアシスト、3試合目に初ゴールを含む2得点を記録。2018/19シーズンにバイエル・レバークーゼン/GERへ移籍。5シーズン79試合9得点4アシストを記録するが、次第に出場機会を失っていき、2023年1月、完全移籍を前提にした期限付き移籍でアトレチコ・ミネイロに加入。今季はこの試合を含め53試合24得点7アシスト、全国選手権に限れば28試合13得点1アシストを記録。今節の2得点で得点ランキングも2位に浮上。
(CAM)後半38分 :
自陣ペナルティエリア付近から高く蹴り上げられたクリアボールをMFサラーチョが空中戦で確保。そのまま前方にボールを送るとFWパウリーニョが並走するディフェンダーをスピードでかわしGKとの一対一を制しこの日2点目。(2-0)
MFサラーチョは、2019年3月26日モロッコ戦にアルゼンチン代表として14分間の出場。ラシンクラブ/ARG出身で、2017年6月18日リーベルプレート戦で19歳のプロデビュー。2020年10月にアトレチコ・ミネイロに加入以来、今節終了時点で151試合18得点12アシストを記録している。
試合概要、所感 etc.
ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:50% 50%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:18-11(3-3)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:80% 85%
アトレチコ・ミネイロは、2-1で勝利を収めたRBブラガンチーノ戦から2つのポジションでスタメンを変更。CBマウリシオ・レーモス(Mauricio Lemos, 1995)が出場停止明け、戦術的な理由でMFサラーチョ(Zaracho, 1998)がスタメンを務める。
フルミネンセは、ちょうど一週間後に迫ったリベルタドーレス決勝戦に向け主力を大幅に温存。GKファビオ(Fábio, 1980)、VOLアンドレ(André, 2001)、VOLマルチネリ(Martinelli, 2001)、CBマルロン・サントス(Marlon Santos, 1995)の4選手が前節に続きスタメンに顔を並べる。
フルミネンセは、控え選手中心の選手ながら、前半7分にFWジョン・ケネジー(John Kennedy, 2002)が細かく繋いだ左サイドから抜け出したシュート、前半12分には右SBグーガ(Guga, 1998)のゴールライン際からのシュートがクロスバーを掠めるなど、得点チャンスはフルミネンセに訪れる。
一方のアトレチコ・ミネイロも次第に相手陣でのボールの出どころへのプレスから試合の流れを掴み始めると、前半20分に相手陣ペナルティエリア内でボールを奪取、こぼれ球を拾ったFWフッキ(Hulk, 1986)がシュートに持ち込むと、ゴールはゴールポストを直撃し跳ね返される。その後も相手陣でプレスをかけるアトレチコが優位に試合を進めるが両チーム無得点のまま前半を終える。
後半も前半同様の展開が続くと、後半17分にアトレチコ・ミネイロがCKからの混戦をFWパウリーニョがボールを蹴り込み先制。リードを奪ったアトレチコ・ミネイロは自陣に引いた守備でカウンターを狙うようになると、後半38分に狙い通りカウンターからFWパウリーニョがこの試合2点目のゴールを奪い試合を決定づける。後半40分にはフルミネンセFWジョン・ケネジーがペナルティエリア内で強烈なシュートを放つがアトレチコGKエヴェルソン(Éverson, 1990)が両手でストップ。試合は2-0のままホ、ームのアトレチコ・ミネイロが勝利を収めた。
アトレチコ・ミネイロは、前半序盤こそマークが甘くなり相次いでシュートに持ち込まれたが、相手陣でのプレスを仕掛け試合の流れを掴むと、その流れを後半にも持ち込み先制。その後は狙い通りのカウンターを追加点を奪う理想的な展開で控え選手中心のフルミネンセを一蹴。
この勝利で暫定ながらリベルタドーレス出場圏の6位に浮上。試合を重ねるごとに試合内容は安定、改善しており、リベルタドーレス出場圏の有力候補となっている。
次戦は11月1日に全国選手権第31節ホームにフォルタレーザを迎える。
フルミネンセは、序盤のチャンスを決めきれず、それ以後は攻撃の形を作れず敗戦。しかし、試合を通して13本のシュートを放った。一時期はボールを繋ぐことに焦点が移りシュート数が極端に少なかったが、最近の試合では積極的にゴールを狙うようなってきており、得点の匂いは以前よりも確実に高まっている。
自陣ゴール前で相手のプレスにも関わらずボールを繋ごうとするプレーはリスクが高い割には、プレスをかわしても相手ゴールまでの距離は遠く、相手守備陣も帰陣する時間もあり、得られるものは自己満足以外に多くのものはない。リスク管理の観点からも多様性を持った選択肢を用意したほうがよいのではないかと思われる。
次戦は10月31日に全国選手権第31節アウェイでのバイーア戦。
ゴイアス(GOI) 1-1 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=ZsF9rGU2aMo
(VAS) : 59' #99 ベヘッチ(Vegetti, 1988)[#4 マイコン(Maicon, 1988)]
(GOI) : 90+2' #9 マテウス・バビ(Matheus Babi, 1997)[#7 ヴィニシウス(Vinícius, 1993)]
見どころ(試合前の順位)
ゴイアスは全国選手権7勝10分12敗勝点31の17位。
ヴァスコ・ダ・ガマは全国選手権8勝6分15敗勝点30の18位。
得点シーン
(VAS)後半14分 :
FWアレックス・テイシェイラ(Alex Teixeira, 1990)が蹴る右CK。ゴール前に上げられたボールにCBマイコンがディフェンダーの上から頭を合わせる。ボールはGKタデウ(Tadeu, 1992)の正面を突くが、キャッチする直前にFWベヘッチが足を伸ばしスパイク裏でボールのコースを変えると、これがゴールに吸い込まれヴァスコ・ダ・ガマが先制点。(1-0)
FWベヘッチは、これが5試合ぶりのゴール。ゴールを量産するスピードは落ち着いてきているものの、14試合で8得点1アシストは来季の得点王争いが楽しみなペース。来季のレベルの高い得点王争いを繰り広げるためにもチームの1部残留に貢献したい。
(GOI)後半45+2分 :
退場者を出しゴール前に堅固な2ラインを敷くヴァスコ守備陣の外をボールを回し、左サイドライン際からFWヴィニシウスがゴール前にボールを送る。ファーサイドのCBの手前でFWマテウス・バビが頭を合わせ土壇場でゴイアスが同点。(1-1)
FWマテウス・バビは、クラブデビューとなった7月30日全国選手権第17節グレミオ戦での初ゴール以降は7試合でゴールが生まれなかったが、最近の4試合は3得点と調子は上向き。自身のゴールはチームの勝利に結びついていないが、選手権終了まで調子を維持してチームの1部残留に貢献したい。
FWヴィニシウスはパウメイラス下部組織出身で、2010年3月の州選手権で16歳のプロデビュー。2013年には46試合6得点6アシストの成績を残すが、その後は期限付き移籍要員となり国内の複数のクラブやトルコ、ギリシャでプレー。2022年にバイーアからの期限付き移籍でゴイアスに加入すると43試合6得点13アシストを記録し、2023年シーズンを前に3年契約で完全移籍。今季は途中出場が多くなっているが今節終了時点で42試合7得点5アシストの成績を残している。
試合概要、所感 etc.
ボール保持率: 前半:42% 58% ⇒ 前後半:46% 54%
シュート(枠内): 前半:5‐2(2-1) ⇒ 前後半:16-4(5-2)
パス成功率: 前半:81% 90% ⇒ 前後半:76% 85%
ゴイアスは、ケガでパンアメリカン競技大会への招集を辞退したCBルーカス・アウテル(Lucas Halter, 2000)が復帰。センターフォワードにはFWマテウス・バビ(Matheus Babi, 1997)に代わりFWジョアン・マギノ(João Magno, 1997)が復帰。この2点が前節壮絶な撃ち合いの末3-5で敗れたフルミネンセ戦でのスターティングイレブンからの変更点。
2連敗中のヴァスコ・ダ・ガマは、CB4選手を並べるフォーバック。9月25日以来約一カ月ぶりの試合となるFWセルジーニョ(Serginho, 1995)を中盤に抜擢。前節途中出場からゴールをマークしたFWアレックス・テイシェイ(Alex Teixeira, 1990)を先発に起用するなど、陣形、先発の顔ぶれを大きく変更し、今節に臨む。
前節終了時点で残留争いは14位から18位までが勝点差6の間にひしめく混戦。その中で降格圏の17位と18位の2チームによる対戦。両チームとも残留に向け勝ち点3を獲得したい。
白熱した試合が期待されたが、前半は両チーム失点を恐れセーフティなプレーに終始。
最初に訪れた得点機は前半16分のゴイアスのゴール正面のFK。SBウーゴ(Hugo, 1997)が直接狙うが、ヴァスコGKレオ・ジャルジン(Léo Jardim, 1995)が堅実に両手でCKに逃れる。
一方のヴァスコは、前半26分、左SBルーカス・ピトン(Lucas Piton, 2000)のゴールライン手前からのクロスにFWベヘッチ(Vegetti, 1988)が頭を合わせるがゴイアスGKタデウ(Tadeu, 1992)が横に跳び両手でブロック、こぼれ球をヴァスコが拾いシュートに持ち込もうとするが、ディフェンダーが辛うじてクリア。
後半開始時に両チームともに選手交代を実施。ヴァスコは、CBレオ(Léo, 1996)とFWセルジーニョに代えMFプラシェデス(Praxedes, 2002)とFWガブリエウ・ペッキ(Gabriel Pec, 2001)を投入し攻撃に舵を切る。一方のゴイアスはセンターフォワードのFWジョアン・マギノからFWマテウス・バビへの戦術変更を伴わない変更。
後半12分、攻撃に舵を切ったヴァスコがFWベヘッチのゴールで先制。
ゴイアスは失点後に一気に3選手を交代。プリメイロボランチを含めた戦術変更を伴わない変更でバランスを崩さず、ヴァスコのカウンターを警戒した交代策を打つ。一方のヴァスコはゴイアスの交代策を見て、直後に疲れの見える中盤、前線の2選手をフレッシュな選手と交代。自陣に引いて中を固く閉じた陣形でカウンターをうかがいながら逃げ切りを図る。
選手交代後はゴイアスが相手陣でボールを支配。セカンドボールもしっかりと確保しヴァスコのカウンターのチャンスを断ちながらゴールをうかがい続ける。後半36分のゴイアス右クロスからの至近距離のシュートはヴァスコGKレオ・ジャルジンがストップ。続くCKからゴール隅に放たれたヘディングシュートも再びGKレオ・ジャルジンが片手で掻き出す。
しかし、後半45分にヴァスコから退場者を出すと、その2分後にゴイアスが同点弾。その後もゴイアスが猛攻を続けるがヴァスコも何とか凌ぎタイムアップ。
ゴイアスは、これで3試合未勝利。とはいえ、10月18日に始まった4週間続く週2試合の日程は現在半分の4試合を終え勝ち点5を積み上げており、残留圏までの勝点差2ポイントで踏みとどまっている。次節RBブラガンチーノ戦の後には、残留争いのライバルであるコリチバとサントスとの連戦を控えており、そこで一気に勝ち点を積み重ねたい。
今節は1点のリードを許した後に、攻撃の要MFギリェルミ・マルケス(Guilherme Marques, 1991)や前節ゴールを決めたMF(Palacios, 1999)をベンチに下げる予想外の交代策を切ったアルマンド・エヴァンジェリスタ(Armando Evangelista)監督だが、目先の試合と今後の試合の両方を見据えた交代策だったのだろう。交代策は功を奏し引分けに持ち込んだ。タイトな日程が続き、残留を争う厳しい状況の中、アルマンド・エヴァンジェリスタ監督の戦術や起用法にも注目したい。
次戦は11月2日全国選手権第31節ホームでのRBブラガンチーノ戦。
ヴァスコ・ダ・ガマは、1点のリードを守り切れず悔しい引き分け。タイトな日程の中、連敗中ということもあり先発陣を大幅に変更して試合に臨み、前半は試合のテンポを落とし、後半に先制点を奪い、ある程度理想的な試合運びができたものの、後半アディショナルタイムの被弾で勝ち点2を失った。
次戦は11月2日に全国選手権第31節アウェイでのクイアバ戦。FWベヘッチを出場停止で欠くが、どのような布陣で試合に臨むだろうか。
アトレチコ・パラナエンセ(CAP) 1-1 サンパウロ(SAO)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=6ox2cINoNfQ
(CAP) : 7' #92 パブロ(Pablo, 1992)[#8 ヴィトル・ブエノ(Vitor Bueno, 1994)]
(SAN) : 10' #29 パブロ・マイア(Pablo Maia, 2002)[#27 ウェリントン・ハット(Wellington Rato, 1992)]
見どころ(試合前の順位)
アトレチコ・パラナエンセは全国選手権13勝9分7敗勝点48の5位。
サンパウロは全国選手権10勝8分11敗勝点38の10位。
得点シーン
(CAP)前半7分 :
相手陣深く右サイドライン際からMFヴィトル・ブエノがゴール前にクロス。ディフェンダーの寄せが甘く、FWパブロが難なく頭に合わせアトレチコ・パラナエンセが先制。サンパウロでのプレー歴のある2選手による得点。(1-0)
FWパブロは、第24節でのヴィトル・ホッキ(Vitor Roque, 2005)のケガによる離脱後、5試合に先発出場を果たし4得点を記録。オフザボールでの動きが特長のセンターフォワードだが、この5試合は前後の動きでボランチの攻撃参加のスペースを作り出し、それで自身へのマークが薄くなったところを一気に前線に顔を出しサイドからのクロスに合わせるゴールが印象に残る。ヴィトル・ホッキのような華やかさはないが、円熟期に差し掛かったプレーは他の多くのセンターフォワードと一線を画し、その存在感はチーム内で日増しに高まっている。
(SAN)前半10分 :
FWウェリントン・ハットが蹴る右CK。ゴール前に上げられたボールにVOLパブロ・マイアが後方から駆け上がりノーマークのヘディングシュート。GKベント(Bento, 1999)は一歩も動けずボールはゴールネットに突き刺さる。(1-1)
VOLパブロ・マイアは、前節に続き2試合連続ゴール。前節は今季4点目にして初のペナルティエリア内から放ったシュートによるゴール。今節はセットプレーでのヘディングシュート。ドリヴァウ・ジュニオール(Dorival Júnior)監督に代わり、それまでのプリメイロボランチから、攻撃参加の多いセグンドボランチでの起用が増えているが、攻撃的なセンスも顕在化してきている。
試合概要、所感 etc.
ボール保持率: 前半:42% 58% ⇒ 前後半:44% 56%
シュート(枠内): 前半:4‐2(3-2) ⇒ 前後半:11-5(4-2)
パス成功率: 前半:88% 86% ⇒ 前後半:84% 85%
アトレチコ・パラナエンセは、3-2で勝利を収めたアメリカ・ミネイロ戦の先発陣からの変更は、出場停止のVOLフェルナンジーニョ(Fernandinho, 1985)に代わりVOLウーゴ・モウラ(Hugo Moura, 1998)が入った点のみ。最近の試合はほぼ固定された先発陣で試合に入っている。
サンパウロは、0-5の大敗を喫した前節パウメイラス戦から8選手が入れ替わったスターティングイレブン。今節の対戦相手アトレチコ・パラナエンセもパウメイラス同様ピッチを左右に広く使いスピードのあるサイド攻撃を得意とするチーム。前節の大敗の教訓が生かされるか試される。
前半7分、アトレチコ・パラナエンセはサイドライン際でのキックフェイントからMFヴィトル・ブエノが簡単にクロスボールをゴール前に上げると、FWパブロがディフェンダーの甘いマークをあざ笑うかのようなヘディングシュートで早くも先制。
一方のサンパウロも前半10分に右CKからペナルティエリアの外からスルスルと上がったVOLパブロ・マイアがフリーでヘディングシュートを決め同点。
両チームともゴール前のマークの甘さを突き得点、撃ち合いの試合が予想された。
しかし、その後両チームとも守備を修正。互いに中盤にスペースを与えない守備を敷き、互いに相手ゴールに迫ることが難しくなる。その状況の中、前半35分、左サイドライン際を抜け出しを図るFWカノービオ(Canobbio, 1998)に自陣からのロングフィードが繋がり、FWカノービオは角度がないながらもGKと一対一の局面を迎える。しかし、GKハファエウ(Rafael, 1989)が間合いを詰めシュートブロック。
後半6分、アトレチコはMFサペリ(Zapelli, 2002)がペナルティアークからシュート。後半7分、FWカノービオが左サイドゴールライン際でディフェンダーのマークを外しシュートに持ち込むが枠を捉えない。
アトレチコがこの2つを好機を逃すと試合は再び膠着状態に陥る。アトレチコがボールを支配する時間は長くなるが効果的に攻め入ることができず、サンパウロも数少ないチャンスをシュートに持ち込むが枠を捉えない。
試合はこのままタイムアップ。1-1で試合を終えた。
アトレチコ・パラナエンセはこれで5試合負けなし。今節は勝ち点1を積み上げたものの、僅かな勝点差に詰まった2~8位のリベルタドーレス出場権をかけた争いの中、順位を2つ落とし、リベルタドーレス出場圏外の7位に転落。
ほぼ固定化されつつある選手起用の中、中盤でのタイトな守備や攻撃面での連係は試合を追うごとに高まり、得点力も高まってきてはいるが、一方でリスク管理の面で甘さもあり、7試合連続で失点を喫している。得点力とのバランスやリスク許容度の問題で、負け数は少ないため大きな問題ではないが、今節も後半は危険なシーンもなく抑えているだけに、1試合を通じて安定した守備で無失点で抑える試合も期待したい。
次戦は11月1日に全国選手権第31節アウェイでのコリンチャンス戦。
サンパウロは、コパ・ド・ブラジル優勝後は3勝3分2敗。それ以前も不安定な試合が続いており、サポーターにとってはコパ・ド・ブラジル優勝の興奮が冷めた今、フラストレーションの溜まる状況に陥っている。全国選手権でのアウェイ試合はこれで7分8敗、大会終盤に差し掛かった現状で未勝利が続いている。
来季のリベルタドーレス出場権も確保し、控え選手も積極的に起用するが、個々の選手のパフォーマンスもチームとしてのパフォーマンスも頭打ち状態にある。チームの手綱を締める策が欲しいところ。
次戦は11月2日全国選手権第31節ホームにクルゼイロを迎える。