最新更新日 : 2024/08/09
新規投稿 : 2023/11/18
ケヴィソン・コスタ・イ・シウヴァ
Kevyson Costa E Silva
ポジション:左サイドバック/ラテラウ・エスケルド
利き足:左
2004年3月29日生まれ
<幼少期>
ブラジル連邦共和国ミナスジェライス州、州都ベロオリゾンテの南南東約300㎞、リオデジャネイロ州まで約50㎞の人口約5万人の小さな町レオポウジーナに生まれる。
<クラブ経歴>
≪育成時代≫
非営利社会福祉団体が設立母体となるサッカーチームでサッカーのキャリアをスタート。
2018年(14歳)、地元から1200㎞以上離れたブラジル南部サンタカタリーナ州フロリアノポリスに本拠を置き、当時トップチームが全国選手権2部に参戦していたフィゲイレンセで練習生としてプレーするチャンスを掴む。そして、その年の12月にフィゲイレンセとの育成契約を勝ち取る。
2019年は、フィゲイレンセU-15チームで活躍。その活躍が、優秀な下部組織を持つ全国選手権1部アトレチコ・パラナエンセのスカウト陣の目にとまり、同年12月にアトレチコ・パラナエンセへの移籍が決まる。
アトレチコ・パラナエンセでは2年間U-17カテゴリーでプレーするものの、U-20への昇格が叶わず2021年末にクラブを離れる。
2022年3月、サントスがU-20チームの一員として18歳のケヴィソンを獲得。
2022年6月にサントスU-20チームでのデビューを果たすと、トップチームで左SBにケガ人が相次いだこともあり、間もなくトップチームのトレーニングに参加。
2022年7月13日コパ・ド・ブラジルでのベスト16コリンチャンス戦でマルセロ・フェルナンデス(Marcelo Fernandes)監督代行のもとベンチ入りを果たすと、最終的には年内のトップチームデビューは叶わなかったものの、合計8試合にベンチ入りを果たした。
一方で、U-20チームでは、サンパウロ州選手権決勝ラウンドの準々決勝から決勝までのホーム&アウェイの全6試合に先発出場。11月4日の決勝コリンチャンス戦1stレグでは、前半15分に先制ゴールをマークし2-0の勝利に貢献。翌週の2ndレグもチームは2-2の引き分けに終え、サントスU-20はU-20州選手権に優勝。2022年を有終の美で締めくくった。
18歳で迎えた2023年1月には、U-20全国大会カップ戦に出場。敗退した準決勝までの全8試合に先発出場し、1得点を記録する。しかし、前年にデビュー直前まで迫ったトップチームへの招集はない。 3月開幕のU-20全国選手権、4月開幕のU-20コパ・ド・ブラジルといったU-20チームでのプレーが続く。
≪サントス≫
– 2023 –
2023年6月29日、コパ・スウアメリカーナ予選ラウンド第6節、この日がサントスでの初采配となるパウロ・トゥーハ(Paulo Turra)新監督によりスタメンに抜擢。19歳にして遂にプロデビューを飾った。
このデビュー戦は既にコパ・スウアメリカーナの予選敗退が決まっていた消化試合だったが、その3日後の全国選手権第13節クイアバ戦で後半45分間の出場。さらに、翌週7月9日の全国選手権第14節ゴイアス戦ではスタメンでフル出場を果たした。
しかし、チームが不振から残留争いに巻き込まれるようになると、ディエゴ・アギーレ(Diego Aguirre)監督への監督交代もあり、トップチームでの出場機会はほとんどなくなり、再びU-20チームでのプレーが主となる。
2023年9月に入るとディエゴ・アギーレ監督が成績不振を理由に更迭。マルセロ・フェルナンデス氏が監督代行に就任すると、初采配となる9月18日全国選手権第24節バイーア戦でケヴィソンをスターティングイレブンに抜擢。残留争いで守備的な戦いが続いていた中、監督代行は思い切りよく攻撃的なスタイルに舵を切りシステムや起用選手を大幅に変更。その中でスピードと身体の強さが特長の攻撃的なケヴィソンに左WBとして白羽の矢が立った。
守備面ではCBドドー(Dodô, 1992)やベネズエラ代表VOLトマス・リンコン(Tomás Rincón, 1988)との連係も良く、攻撃面ではベネズエラ代表MFソテウド(Soteldo, 1997)や、モナコ/FRAから7月に加入したMFジアン・ルーカス(Jean Lucas, 1998)を上手くサポート、自らもゴールライン際まで駆け上がるオーバーラップでチャンスを創出するなど、マルセロ・フェルナンデス監督代行の期待を十分に上回るであろうプレーを披露し続けていた。
しかし、11月12日第34節サンパウロ戦にて左足首に痛みを覚え後半10分にベンチに下がると、2週間後の第35節ボタフォゴ戦でも痛みは再発し後半28分に交代。
ボタフォゴ戦まで12試合連続出場(うち11試合に先発)したものの、左足首のケガのため残り試合を欠場。チームはケヴィソンを欠いた最後の3試合で3連敗を喫し、クラブ史上初の2部降格となった。
– 2024 –
2024年に入り、1月25日州選手権第2節で後半44分の交代出場。翌第3節(1月28日)パウメイラス戦にて先発出場を果たし88分間プレーした。
一試合挟んだ2月4日州選手権第5節にて後半開始時にピッチに立つが、その5分後、ボールをカットしに行った際に崩れるように転倒。しばらくはプレーに戻ろうとしたものの、叶わず、救護車でピッチ外に運び出され交代。試合後の検査で左膝前十字靭帯断裂と半月板損傷と診断された。
5月9日付のネット記事によると、2月中に行われた手術は成功裏に終えたようだが、5月時点で復帰時期は未定。早くとも全国選手権2部後半戦になると報道されており、その後のケヴィソンに関する記事は見当たらない。
≪シーズン別クラブ出場記録≫
シーズン | 所属 | 大会 | 試合 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2023年(19歳) | サントス | コパ・スウアメリカーナ | 1 | 90 | 0 | 0 |
全国選手権 | 17 | 972 | 0 | 0 | ||
合計 | 18 | 1062 | 0 | 0 | ||
2024年(20歳) | サントス | 州選手権 | 3 | 94 | 0 | 0 |
合計 | 3 | 94 | 0 | 0 |
イタリック斜体は、2024年8月9日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。
<代表経歴>
N/A
<プレースタイル、雑感 etc.>
利き足は左。 身長178㎝、体重64㎏。(サッカーサイト「oGol」2023年11月1日参照)
左サイドバック(ウィングバック)を主戦とするが、試合途中のポジションチェンジなどで左サイドの中盤や前線を務めることもある。
上記の身長・体重以上のものを感じさせる強靭なフィジカルを持ち、攻撃面では、豊富な運動量と持続力のあるスピードを生かしたオーバーラップをしばしば見せ、瞬間的で爆発的なスピードで一瞬にして相手守備ライン裏へ飛び出すプレーは迫力さえ感じさせる。
守備面でもスピードやフィジカルを生かし、対戦相手のサイド攻撃を阻止。2023年10月8日の全国選手権第26節パウメイラス戦では、パウメイラスの武器の一つである右SBマイキ(Mayke, 1992)によるクロスを簡単に上げさせず、チームの勝利に貢献した。 多くはない試合出場の中で、相手のカウンター時にゴール前まで戻りシュートを阻止する場面も何度か見られた。 育成カテゴリー時代もトップチームでの試合でも、ファールは少なく、イエローカードを貰うこともほとんどない。
サントスは2023年4月に過去3年レギュラーを務めたSBフェリピ・ジョナタン(Felipe Jonatan, 1998)が膝前十字靭帯断裂の大ケガで戦列離脱。 守備力を買われて全国選手権開幕前に期限付き移籍で加入したSBインセンシオ(Inocêncio, 1994)、攻守にバランスの取れたプレーで2022年のプロデビュー後、SBフェリピ・ジョナタンとポジションを争ったSBルーカス・ピーレス(Lucas Pires, 2001, 2023年7月に買取オプション付きでカディス/ESPへ期限付き移籍)、そしてケヴィソンと、タイプが異なる3選手でポジションを争うことになった。
その中で、全国選手権序盤は攻守にバランスの取れたSBルーカス・ピーレス、残留争いに巻き込まれるようになると守備に安定感のあるSBインセンシオ、そして、マルセロ・フェルナンデス監督代行が指揮を執り攻撃的なスタイルに舵を切り替えたことでSBケヴィソンに出場機会が回ってきた。
チーム方針や監督の採用する戦術、他の選手との相性や組合せ、そして個々の選手の特長が吟味され、試合に選手は起用される。2023年のサントスでのポジション争いはその傾向が如実に表れた。 その中でケヴィソンは現在、幸いにもマルセロ・フェルナンデス監督代行の下、トップチームでレギュラーとして試合経験を積んでいる。試合を通じて成長している姿は私のような素人目にも明らかだが、今後もこのチャンスを逃すことなく、大きな目標に向かって一日一日を真摯にサッカーに向き合ってもらいたい。そして、やがては人材難といわれるサイドバックというポジションにおいて大成してもらいたい。それに見合うだけの潜在能力や成長力は備わっていると信じて。
なお、2023年9月下旬にはサントスとの契約を更新。契約期限を2026年末まで延長、月俸アップに加え、7000万ユーロの契約違約金が設定された。