カイキ・ブルーノ (Kaiki Bruno)

投稿者: | 2022年12月23日
最新更新日 : 2024/02/03
更新履歴 : 2023/12/30, /06/16, 03/15

カイキ・ブルーノ・ダ・シウヴァ 若手 ブラジルサッカー クルゼイロ Kaiki Bruno da Silva
2003年生まれ サイドバック ラテラウ

カイキ・ブルーノ・ダ・シウヴァ

Kaiki Bruno da Silva

ポジション:左サイドバック/ラテラウ・エスケルド

利き足:左

2003年3月8日生まれ


<クラブ経歴>

≪育成時代≫

 ミナスジェライス州ベロオリゾンテ都市圏に位置するベチンに生まれる。
 7歳の時に地元のサッカースクールでサッカーを始める。
 10歳の時にサッカースクールの州大会でセンターフォワードとして15得点を記録すると、その大会でクルゼイロのスカウトの目に留まり、クルゼイロ配下のサッカースクールに勧誘を受ける。
 2014年、11歳でクルゼイロ配下のサッカースクールに入団(同時にフットサルもプレー)。そして、監督の勧めで左SBにコンバート。
 13歳になりクルゼイロの下部組織の入団テストに合格し入団。
 全国選手権で3度得点王となる往年の名選手ダダ・マラヴィーリャ (Dadá Maravilha)が主催する大会でダダ・マラヴィーリャに最大限の賛辞を浴びる。
 2018年(14-15歳)にはU-17チームでプレー。
 2019年にクルゼイロと契約期間5年のプロ契約を締結。FIFAの規定では初回のプロ契約では契約期間は3年以内とされているため、2022年7月から他クラブとの契約が可能となる。
 2020年(16-17歳)にはU-20チームでプレー。

≪クルゼイロ≫

– 2021 –

 2021年には、フェリペ・コンセイソン(Felipe Conceição)監督の要望でトップチームに昇格すると、4月1日の州選手権トンベンセ戦の後半32分に交代出場でピッチに立ち、プロデビューを飾る。
 その後は6月のコパ・ド・ブラジルの試合に2試合途中交代で出場。以降はU-20チームでプレー。

– 2022 –

 2022年は5月の全国選手権2部の2試合にベンチ入りするが主にU-20チームでプレー。
 2022年9月12日、内容に不備があり移籍金なしで他クラブへの移籍が可能となっていた契約を更新。
 9月に入りチームの1部昇格がほぼ確実になると再びトップチームに呼ばれ、9月17日第30節CRB戦の後半28分に交代出場。
 9月21日第31節ヴァスコダガマ戦ではプロ初のスターティングイレブンに抜擢。
 9月28日第32節ポンチプレッタ戦では途中交代で出場ながらプロ入り後初のアシストを記録。左サイドライン際でボールを受けるとドリブルで中に切れ込み、ゴール前に走りこむハファエウ・シウヴァ(Rafael Silva, 2014-2016年新潟アルビレックス、2017年浦和レッズ)へピンポイントのクロスを上げゴールをアシストした。
 全国選手権2部で6試合に出場すると再びU-20チームでプレーし、U-20州選手権で優勝を果たす。

– 2023 –

 シーズン前にトップチームへの昇格が決まる。
 U-20南米ユース選手権が閉幕しチームに戻ると、左サイドバックでそれまでレギュラーを務めていたウェスレイ・ガゾリーナが2月13日の試合中に手術を要するケガを膝に負う。
 翌2月18日州選手権第6節ヴィラノヴァMG戦に代役としてスタメン出場を果たすと、翌節以降もスタメンに起用され、州選手権はチームが敗退する準決勝までに5試合に出場。
 このままスタメンに定着するかと思われたが、3月初めにクルゼイロはSBマルロン(Marlon, 1997)を獲得。監督もペパ(Pepa)新監督が就任すると、SBマルロンがレギュラーの座を掴み、カイキは控えに回る。
 SBマルロンの壁は厚く、出場機会はなかなか訪れない。SBマルロンが出場停止となった7月8日第14節ヴァスコ・ダ・ガマ戦では先発出場を果たすが、やはり次節以降はベンチを温める試合が続く。
 ペパ監督からゼ・ヒカルド監督へと監督が代わり、10月19日第27節フラメンゴ戦で、左SHとして先発に起用されマルロンと縦に並ぶ形となり、一定の成果を見せ、次節アトレチコ・ミネイロ戦も同様の布陣で先発に起用される。しかし、この後ケガのため約20日間チームを離脱すると、再度の監督交代もあり、カイキの起用は試合終了間際の数分間の試合出場が2度あるのみ。
 トップチーム一年目の2023年は、14試合639分の記録を残し幕を下ろした。

– 2024 –

To be continued... 

≪シーズン別クラブ出場記録≫

シーズン所属大会試合出場
時間
得点アシ
スト
2021年(18歳)クルゼイロコパ・ド・ブラジル24000
州選手権11300
 合計35300
2022年(19歳)クルゼイロ全国選手権2部625101
 合計625101
2023年(20歳)クルゼイロ全国選手権82250
コパ・ド・ブラジル11600
州選手権539800
 合計1463900
2024年(21歳)クルゼイロ全国選手権
コパ・ド・ブラジル
州選手権
 合計
イタリック斜体は、2024年2月3日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。

<代表経歴>

 2021年2月12日にU-18代表の合宿に招集。
 2022年11月に行われた親善試合では、17日の試合では途中交代で出場、20日の試合ではスタメンで出場し途中交代でベンチに退く。
 2022年12月8日に発表された、2023年1月19日に開幕するU-20南米ユース選手権代表、22名のメンバーに選出される。
2023年U-20南米ユース選手権
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-20代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日対戦
相手
試合
結果
出場
時間
得点アシ
スト
2023/01/19予選R第1節ペルー3 – 0
2023/01/23予選R第3節アルゼンチン3 – 1600
2023/01/25予選R第4節コロンビア1 – 19000
2023/01/27予選R第5節パラグアイ2 – 19000
2023/01/31決勝R第1節エクアドル3 – 1
2023/02/03決勝R第2節ベネズエラ3 – 0300
2023/02/06決勝R第3節パラグアイ2 – 0
2023/02/09決勝R第4節コロンビア0 – 0
2023/02/12決勝R第5節ウルグアイ2 – 0902
19 – 419802
 予選Rコロンビア戦、パラグアイ戦にスタメン出場。
 予選Rアルゼンチン戦、ベネズエラ戦、優勝を賭けたウルグアイ戦に途中出場を果たす。
 スタメン出場を果たした2戦では、チーム全体に相手の中盤での早いチェックになかなか攻撃の形が作れなかったが、オーバーラップから相手GKの好守で得点に繋がらなかったがヘナン・ヴィアーナへの正確なクロスを供給するなど持ち味も見せる。しかし、一方でカウンターから裏を狙われる場面も見られた。
 優勝を賭けたウルグアイ戦。0-0で迎えた後半36分に投入される。
 後半39分、ペナルティエリアの左外でボールを受けると、足元の細かい個人技で相手ディフェンダーをかわし、ゴール前にクロスボールを上げる。これをアンドレイ・サントスが頭であわせ待望の先取点。
 後半45+2分、ゴール前からのクリアボールをペドロ・エンヒキが相手にプレッシャーをかけボールを引っ掛ける。そのボールを拾った相手選手の背後からボールを奪取。すかさず前方のペドロ・エンヒキにボールを送り、ペドロ・エンヒキが優勝を決定づけるゴールをマーク。
 カイキ・ブルーノは、優勝を賭けた試合で2アシストを記録。大仕事を成し遂げた。

2023年U-20W杯

 2023年4月28日発表の2023U-20W杯代表に招集。
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-20代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日対戦
相手
試合
結果
出場
時間
得点アシ
スト
2023/05/21グループR第1節イタリア2 – 38600
2023/05/24グループR第2節ドミニカ共和国6 – 09000
2023/05/25グループR第3節ナイジェリア2 – 06700
2023/05/31決勝R1回戦チュニジア4 – 14500
2023/06/01決勝R準々決勝イスラエル2 – 3
 合計16 – 728800

2024年パリ五輪南米予選

 2023年12月30日、RBブラガンチーノ所属左SBルアン・カンジド(Luan Cândido, 2001)がチーム事情により招集を辞退したため、する2024年パリ五輪南米予選(開催国ベネズエラ、2024年1月20日~2月11日)代表に追加招集を受けた。
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-23代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日対戦
相手
試合
結果
出場
時間
得点アシ
スト
2024/01/20予選第1節対戦なし
2024/01/23予選第2節ボリビア1 – 09000
2024/01/26予選第3節コロンビア2 – 07600
2024/01/29予選第4節エクアドル2 – 1
2024/02/01予選第5節ベネズエラ1 – 3
2024/02/05決勝第1節パラグアイ
2024/02/08決勝第2節ベネズエラ
2024/02/11決勝第3節アルゼンチン
 合計16600
 予選第3節コロンビア戦の試合中に右足太ももに筋肉系のケガを発症し途中交代。試合後の診断の結果、大会期間内での復帰が見込めず2月1日にチームからの離脱が発表された。

<エピソード、雑感 etc.>

 2023年U-20世代の左SB/LAEは、2019年U-15南米ユース選手権優勝メンバーのギリェルミ・ビロ(Guilherme Biro, コリンチャンス)、ゼ・ウェリントン(Zé Welinton, フラメンゴ)がその後代表に招集されず、パトリッキ(Patryck, サンパウロ)、クイアバーノ(Cuiabano, グレミオ)、そして、カイキ・ブルーノなどが新たに招集される核となる選手が見当たらないポジション。その中でカイキ・ブルーノは2023U-20南米ユース選手権代表の座を掴んだ。
 2023年はクラブ内の競争も激しく、2019年U-20南米ユース選手権代表のマルキーニョス・シプリアーノ(Marquinhos Cipriano, 1999, 3月9日退団)、2016年リオ五輪で3試合に出場しヴォルフスブルク/ドイツでプレーしたウィリアン・フルタード(William Furtado, 1995)、FCシオン/スイスでレギュラー、ユヴェントス/イタリアでの出場経験もあるウェズレイ・ガゾリーナ(Wesley Gasolina, 2000)など若いながら実績や経験のある選手とのポジション争いが待ち受けている。
 監督のパウロ・ペツォラーノ(Paulo Pezzolano)氏のサッカーは、4-3-3または3-4-3でハイライン、中盤をコンパクトに保ち、サイドバック、ウィングバックに高い位置でのプレーを要求する。
 ピッチを広く使った攻撃力とシュートまで持ち込ませない守備力で全国選手権2部を圧倒的なパフォーマンスで制覇したクルゼイロ。出場時間は限られたもののその一員として戦ったカイキ・ブルーノ。南米ユース選手権での出場経験をどのように活かし、クラブ内の厳しい競争を勝ち抜き、どのようなプレーを全国選手権で見せてくれるのか、楽しみは大きい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です