2023年U-17W杯 準々決勝 ブラジル x アルゼンチン

投稿者: | 2023年11月24日

ブラジル 0-3 アルゼンチン

ARG:   28' ... #10 クラウディオ・エチェベリ(Echeverri)
ARG:   58' ... #10 クラウディオ・エチェベリ(Echeverri)
ARG:   71' ... #10 クラウディオ・エチェベリ(Echeverri)

ダイジェスト動画URL

https://www.youtube.com/watch?v=imugiLO0ggY

ブラジルU-17代表メンバー表

「背番号」欄の"〇"はフル出場。"△"はin、"▽"はout。"X"はベンチ外。
番号ポジション登録名名前所属得点、
カード、
交代等
〇1GK /
Goleiro
フィリピ・ガブリエウ
Phillipe Gabriel
Phillipe Gabriel Pires de Oliveiraヴァスコダガマ
Vasco da Gama
〇2右SB /
Lateral Direito
ペドロ・リマ
Pedro Lima
Pedro Henrique Cardoso de Limaエスポルチ
Sport
〇3CB /
Zagueiro
ヴィトル・ヘイス
Vitor Reis
Vitor de Oliveira Nunes dos Reisパウメイラス
Palmeiras
〇4CB /
Zagueiro
ダ・マタ
Da Mata
João Pedro do Nascimento da Mataグレミオ
Grêmio
▽16左SB /
Lateral Esquerdo
ジョアン・エンヒキ
João Henrique
João Henrique Mendes da Silvaフルミネンセ
Fluminense
↓84′
△6SB /
Lateral
ソウザ
Souza
João Victor de Souza Menezesサントス
Santos
↑84′
▽8MF /
Meio campista
ルーカス・カミーロ
Lucas Camilo
Lucas Camilo Azevedo da Silvaグレミオ
Grêmio
↓60′
△11FW /
Atacante
ロハン
Lorran
Lorran Lucas Pereira de Sousaフラメンゴ
Flamengo
↑60′
▽18MF /
Meio campista
シジネイ
Sidney
Sidney de Carvalho Duarteバイーア
Bahia
↓74′
△14CB /
Zagueiro
ジョアン・ソウザ
João Souza
João Victor de Souza Cunhaフラメンゴ
Flamengo
↑74′
〇10MF /
Meio campista
ドゥドゥ
Dudu
Eduardo Kogitzki Anastacioアトレチコ・パラナエンセ
Athletico Paranaense
〇20FW /
Atacante
エステヴォン
Estêvão
Estêvão Willian Almeida de Oliveira Gonçalvesパウメイラス
Palmeiras
Y52′
▽7FW /
Atacante
ハイアン
Rayan
Rayan Vitor Simplício Rochaヴァスコダガマ
Vasco da Gama
↓74′
△19FW /
Atacante
ルイージ
Luighi
Luighi Hanri Sousa Santosパウメイラス
Palmeiras
↑74′
▽9FW /
Atacante
カウワン・エリアス
Kauã Elias
Kauã Elias Nogueiraフルミネンセ
Fluminense
↓84′
△17FW /
Atacante
ヒケウミ・フィリピ
Riquelme Fillipi
Riquelme Fillipi Marinho de Souzaパウメイラス
Palmeiras
↑84′
12GK /
Goleiro
マテウス・コヘア
Matheus Corrêa
Matheus Corrêa Leite de Moraes Gonçalvesコリンチャンス
Corinthians
21GK /
Goleiro
ペドロ・コブラ
Pedro Cobra
Pedro Cobra Rodriguesアトレチコ・ミネイロ
Atlético Mineiro
13右SB /
Lateral Direito
ヴィトル・ガブリエウ
Vitor Gabriel
Vitor Gabriel Reis Guimaraesアトレチコ・ミネイロ
Atlético Mineiro
5MF /
Meio campista
ギリェルミ・バチスタ
Guilherme Batista
Guilherme Batista da Silva Américoサンパウロ
São Paulo
欠15MF /
Meio campista
マテウス・フェヘイラ
Matheus Ferreira
Matheus Ferreira Gomesヴァスコダガマ
Vasco da Gama
17MF /
Meio campista
ヒケウミ・フィリピ
Riquelme Fillipi
Riquelme Fillipi Marinho de Souzaパウメイラス
Palmeiras
監督: フェリピ・レアウ(Phelipe Leal)

試合概要

試合前

2023南米U-17選手権の決勝ラウンド最終節で両チームは対戦。
この時はブラジルがFWヒケウミ・フィリピ、MFドゥドゥのゴールで2点をリード。アルゼンチンがCBフアン・ヒメーネス(Juan Giménez)、FWクラウディオ・”ディアブリット(小悪魔)”・エチェベリ(Claudio "Diablito" Echeverri)のゴールで同点に追いつくも、ブラジルはCBダ・マタの決勝ゴールで勝ち越し、3-2でブラジルが勝利を収めた。
関連記事: 2023南米U-17選手権 決勝ラウンド第5節 ブラジル x アルゼンチン
アルゼンチンは、前回の対戦でゴールを記録した2選手が今大会も出場、FWエチェベリは4試合で2得点1アシストしている。また、4試合連続ゴールで5得点を記録し、現在得点王のFWアグスティン・ルーベルト(Agustín Ruberto)にも警戒が必要になるだろう。
ブラジルは、攻撃を重視したメンバーで失点のリスクをある程度負ってはいるが、守備が不安定で最終ラインのミスも多く、今大会はこれまで4試合で5失点。一方で、試合を重ねるごと連携が深まり、FWエステヴォンを中心とした攻撃のバリエーションも増えてきている。
ブラジルのスターティングイレブンは、累積警告で出場停止のVOLマテウス・フェヘイラに代わりVOLルーカス・カミ―ロが復帰。ベスト16エクアドル戦から変更はこの一点のみ。
試合前の豪雨のため、試合開始が30分順延される。

前半

前半7分、ブラジルFWエステヴォンがペナルティエリアの外から右足のファーストシュート。しかし、少し力み過ぎボールは枠を大きく越える。
前半15分、ブラジルは相手陣右サイドライン際からのFK。クロスボールはクリアされるが、セカンドボールをブラジルが拾い、MFドゥドゥからのボールを受けたFWハイアンが強烈なシュート。しかし、ボールは僅かにゴールポスト左に外れる。
前半16分、アルゼンチンがFWイアン・スビアブレ(Ian Subiabre)が抜け出す。ブラジルGKガブリエウが飛び出すがボールに触れることができない。FWスビアブレがゴールライン際からゴール前にボールを送るが、混戦からボールはゴールラインを割る。
前半23分、アルゼンチンが分厚い攻撃で次々とシュートに持ち込むが、ブラジル守備陣もシュートコースを塞ぎ次々とブロック。最後はFWエチェベリのシュートが枠を外れる。
前半26分、ブラジルは自陣からのカウンター。左サイドを抜け出したFWエステヴォンが間合いを詰めるGKの脇を抜けるシュートを放つがボールはファーサイドのポストに流れる。FWハイアンが詰めるが間に合わずゴールラインを割る。
(ゴール)前半28分、自陣からFWエチェベリがピッチ中央をドリブルで持ち上がる。ペナルティエリア手前から右足を振り抜くと、ディフェンダーの足に当たったボールがゴールに吸い込まれアルゼンチンが先制。
前半38分、ブラジルFWエステヴォンが相手陣右サイドをドリブルで仕掛ける。ペナルティエリアに向かいボールを運び、FWハイアンにボールを送るが、FWハイアンのシュートはGK正面をつく。
前半は1-0のアルゼンチンリードで終了。ブラジルは失点を喫したものの、身を挺したシュートブロックや中盤でのインターセプトなど、心配された守備面で奮闘。攻撃面ではFWエステヴォンが比較的自由に動き、左SBジョアン・エンヒキの突破など、多くのチャンスを作り出すが、最後の局面でアイディアに欠きゴールを奪えていない。後半はゴールライン際への持ち上がりなど、相手ゴール近辺での縦の揺さぶりを交え、アルゼンチン守備網を崩したい

後半

後半1分、ブラジルは相手陣右サイドラインを3選手が細かくパスを繋ぎSBペドロ・リマが抜け出しゴール前にクロスを送るが、ボールは精度を欠きFWハイアンに合わない。
後半4分、アルゼンチンは右CK。クリアボールを拾い再三シュートに持ち込むが、ブラジル守備陣は体を張ってシュートを防ぐ。
(ゴール)後半13分、アルゼンチンはアタッキングサードに入口右サイドでタメを作り、縦に入るFWエチェベリへ鋭いパス。このボールを受けたFWエチェベリはディフェンダーをかわし角度のない位置からシュート。ボールはファーサイドのサイドネットに突き刺さりアルゼンチンがリードを拡げる。
後半17分、アルゼンチンは左CKを獲得。ゴール前に上げられたボールはブラジル守備陣がクリアするがセカンドボールをアルゼンチンが拾いシュートに持ち込むがブラジルはCKに逃れる。続くCKもアルゼンチンがセカンドボールを拾い相次いでシュート。守備陣が身を挺してゴールを守り切る。
(ゴール)後半26分、アルゼンチンは自陣ゴール前からのカウンター。ピッチ中央をFWエチェベリが間合いを詰めるGKをかわし、無人のゴールにボールを流し込みハットトリックを達成。アルゼンチンが3-0とリードを拡げる。
後半33分、相手陣右サイドからブラジルFWエステヴォンのFK。FWルイージが頭を合わせるがボールに勢いがなくGKがしっかりとキャッチ。
後半37分、アルゼンチンは右サイドを個人技とパス交換でブラジルゴールに迫る。右SBゴロシット(Gorosito)がゴール前ファーサイドにボールを送り、そこにFWルーベルトが詰めるが僅かに届かない。
後半44分、ブラジルFWエステヴォンが右サイドからゴール前ファーサイドへクロスボールを供給。FWルイージの頭を越えたボールにFWヒケウミが足を合わせるがボールはゴール枠を越える。
7分間のアディショナルタイムを終えタイムアップ。試合はアルゼンチンがFWエチェベリのハットトリックで3-0の勝利。ブラジルは準々決勝で姿を消すことになった。

所感

ブラジルは、1度目の選手交代が2失点目の直後。2度目が3失点目の直後と、選手交代で後手に回り、戦局を打開できずに敗退。
失点を喫したものの前半が悪くなかっただけに、選手交代のタイミングが難しかったと思われるが、結果的にベンチの采配が試合に影響を及ぼすことができなかった。
攻撃面では、FWカウワン・エリアスがサイドに流れることが多く、アルゼンチン守備陣にとっては、FWカウワン・エリアスがゴール前にポジションを取らないことで、サイドを破られクロスボールをあげられても、さほど脅威を感じなかったのではないだろうか。また、ゴール前では選手が手薄、横に並ぶことも多く、効果的にセカンドボールを拾うことができず、厚みを持った攻撃を仕掛けることができなかった。
緩急をつけた攻撃で、相手ゴール前で前後に厚みを持ち、個人技でゴールライン際までボールを持ち上がり、セカンドボールを拾うアルゼンチン攻撃陣と、アタッキングサード入口近辺のサイドからクロスボールをあげるものの、セカンドボールを拾えず、攻撃が単発に終えるブラジル攻撃陣の対比が、観戦していて非常に残念に思えた。
南米U-17選手権では選手の個人能力を前面に出し薄い連係の中でも優勝を飾ることができたが、半年が過ぎ、戦術的な稚拙さもありアルゼンチンに0-3の完敗を喫した。
ブラジル全国選手権では半数以上のチームで外国籍監督が指揮を執っており、特に上位チームはその傾向が著しい。ブラジルサッカー連盟(CBF)はパンデミック前に選手養成プロジェクトを立ち上げ、各クラブも選手育成に大きな投資を行っているが、現在のブラジルには指導者、戦略家の養成が不可欠なように強く感じられた。
ヨーロッパやブラジルのトップリーグで指揮を執るアルゼンチン国籍監督は少なからずいるものの、ブラジル国籍監督はほぼ見られない。
数日前に開催されたW杯南米予選に続き、国を代表する舞台でライバルのアルゼンチンに連敗を喫した事実をCBFは重く受け止め、指導者、戦略家の養成に資源を注いでもらいたい。

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