【ブラジル全国選手権2023】第35節(1/2)

投稿者: | 2023年11月24日

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全国選手権第35節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこの記事で。
・2023/11/24 コリンチャンス(COR) x バイーア(BAH)
・2023/11/25 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
・2023/11/25 フルミネンセ(FLU) x コリチバ(CFC)
・2023/11/26 ボタフォゴ(BOT) x サントス(SAN)
・2023/11/26 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x グレミオ(GRE)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2023】第35節(2/2)
・2023/11/26 サンパウロ(SAO) x クイアバ(CUI)
・2023/11/26 インテルナシオナウ(INT) x RBブラガンチーノ(RBB)
・2023/11/26 フォルタレーザ(FOR) x パウメイラス(PAL)
・2023/11/26 アメリカ・ミネイロ(AME) x フラメンゴ(FLA)
・2023/11/27 ゴイアス(GOI) x クルゼイロ(CRU)

全国選手権第35節 試合概要

コリンチャンス(COR) 1-5 バイーア(BAH)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=k2Ep1eIJROs
(BAH) : 4' #5 ヘゼンジ(Rezende, 1995)[#46 ルシアーノ・ジュバ(Luciano Juba, 1999)]
(BAH) : 16' #8 カウリー(Cauly, 1995)[#16 タシアーノ(Thaciano, 1995)]
(BAH) : 29' #16 タシアーノ(Thaciano, 1995)[PK]
(COR) : 67' #8 ヘナト・アウグスト(Renato Augusto, 1988)[]
(BAH) : 75' #7 アデミール(Ademir, 1995)[#8 カウリー(Cauly, 1995)]
(BAH) : 85' #16 タシアーノ(Thaciano, 1995)[PK]

見どころ(試合前の順位)

   コリンチャンスは全国選手権10勝14分10敗勝点44の12位。
   バイーアは全国選手権10勝8分16敗勝点38の17位。

得点シーン

(BAH)前半4分 :
SBルシアーノ・ジュバがキッカーを務める左CB。左足でニアサイドに速く低い弾道の蹴られたボールにニアサイドでVOLヘゼンジがフリーの体勢で頭を合わせると、ボールはファーサイドのサイドネットを揺らす。バイーアはファーストシュートで先制点。(0-1)
   左SBルシアーノ・ジュバは、2023年8月末でエスポルチとの契約が満了することを見越し、バイーアが4年契約と月俸4倍という条件を提示し獲得。9月1日からの登録となった。今季はエスポルチで8か月で53試合20得点18アシストの活躍。バイーア加入後は交代出場が続いたが、今節が2度目の先発起用。その期待に応えCKのキッカーとしてVOLヘゼンジのゴールをアシスト。
(BAH)前半16分 :
アタッキングサード入口左サイドライン際でSBルシアーノ・ジュバがペナルティエリア手前にボールを送る。ディフェンダーの手前で僅かに足に当てFWタシアーノにボールを預けたMFカウリーが縦に抜け、FWタシアーノからの戻りのボールを受け、個人技でディフェンダーをかわし角度のない位置からシュート。これがファーサイドのサイドネットに突き刺さる。(0-2)
   MFカウリーは、バイーア州出身ながら11歳からドイツで暮らしドイツ下部リーグでプロデビュー、ブルガリアの強豪ルドゴレツ・ラズグラドを経て2023年2月上旬に230万ユーロ(約3億3千万円)の移籍金でバイーアに加入、ブラジル国内で初めてのプレーを迎える。卓越した足元の技術と戦術的な視野でバイーア攻撃陣の指揮を執る。
(BAH)前半29分 :
ペナルティエリア右からFWタシアーノの柔らかいクロスを受けたFWビエウだったが、ディフェンダーに囲まれ倒される。このプレーにVARが仲介し。オンフィールドレヴューの結果、バイーアにPKが与えられる。これをFWタシアーノが強烈なシュートでボールをゴール左に突き刺す。(0-3)
(COR)後半22分 :
MFジウリアーノ(Giuliano, 1990)が相手陣バイタルエリアでインターセプト。素早く縦にボールを送りFWユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)がディフェンダーと競る。弾き出されたボールがMFヘナト・アウグストが拾いそのままシュート。ボールはゴール左上隅に決まる。(1-3)
(BAH)後半30分 :
自陣でVOLアセベド(Acevedo, 1999)がインターセプト、素早くFWアデミールにボールを送りカウンターが始動。FWアデミールがドリブルで縦に突進。MFカウリーとのタベーラで抜け出し、GKとの一対一を制しボールをゴールに流し込む。(1-4)
   FWアデミールは、ミナスジェライス州選手権下位リーグのパトロシネンセから2015年2月にプロデビュー。2018年、アメリカ・ミネイロU-23に練習生のような形で加入すると、年終盤にはトップチームに昇格し全国選手権1部で14試合出場。25歳となる2020年には50試合14得点3アシストを記録しアメリカ・ミネイロの1部昇格に貢献。翌2021年は全国選手権1部でも44試合15得点5アシストを記録。2022年には引き抜かれる形でアトレチコ・ミネイロへ移籍、61試合8得点1アシストを記録する。2023年4月、250万USドル相当の移籍金でバイーアに加入。スピードと力強いドリブル、決定力が魅力。
(BAH)後半40分 :
右サイドから斜めに入るボールをFWアデミールが縦にボールを受けペナルティエリアに侵入、背後からディフェンダーに押し倒されPKを獲得。FWタシアーノがGKの逆をつくシュートでダメ押し。(1-5)

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:61% 39% ⇒ 前後半:61% 39%
シュート(枠内): 前半:8‐7(1-5) ⇒ 前後半:12-11(2-7)
パス成功率: 前半:86% 75% ⇒ 前後半:87% 79%

   コリンチャンスは、SBファビオ・サントス(Fábio Santos, 1985)をCBに置くスリーバックで試合に入る。しかし、前半4分にセットプレーから失点。さらに前半16分に追加点を奪われ、前半22分に早くもファビオ・サントスに代えFWウェズレイ(Wesley, 2005)を投入し、システムをフォーバックに変更。
   しかし、その直後の前半24分にはサイドからのクロスを落としたボールをバイーアFWタシアーノに蹴り込まれゴールネットを揺らされるが、これはオフサイドの判定。その2分後にはペナルティエリア内でボールを受けたバイーアFWビエウ(Biel, 2001)を倒しPKを献上。
   後半22分にコリンチャンスは1点を返すが、後半29分に投入したMFマティアス・ローハス(Matías Rojas, 1995)の2度目のパスミスからカウンターを受け後半30分にダメ押し点。さらに後半40分にはCBジウ(Gil, 1987)がこの試合2度目のPK献上。
   試合開始時のシステムから選手交代まで一貫として采配が裏目に出ると、試合終了寸前にはサポーターが応援拒否から暴れ始める始末。
   この敗戦で、コリンチャンスは3試合を残し、降格圏までの勝点差は3ポイントに縮まった。
   次戦は、11月28日に全国選手権第36節、勝点差3で追われるヴァスコ・ダ・ガマとのアウェイでの対戦。その結果次第で、降格も視野に入ってくる。

   バイーアは、ボランチが本職のタシアーノを前線で起用する奇策。早い時間帯の先制点で試合の流れを掴むと、タシアーノが高い位置でのプレスに貢献、中盤の速い寄せでカウンターを狙う戦術がツボにはまり5-1の完勝。
   この勝利で暫定ながら降格圏を脱出。サンパウロ、アメリカ・ミネイロ、アトレチコ・ミネイロとの対戦する残り3節で1部残留を期す。
   次戦は11月29日に全国選手権第36節、ホームにサンパウロを迎える。

アトレチコ・パラナエンセ(CAP) 0-0 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=3HjFifPB3Rc

見どころ(試合前の順位)

   アトレチコ・パラナエンセは全国選手権13勝12分9敗勝点51の7位。
   ヴァスコ・ダ・ガマは全国選手権11勝8分15敗勝点41の15位。

得点シーン

N/A

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:50% 50% ⇒ 前後半:52% 48%
シュート(枠内): 前半:8‐3(1-1) ⇒ 前後半:18-8(4-2)
パス成功率: 前半:83% 84% ⇒ 前後半:83% 80%

   両チームとも中盤の素早い寄せで相手の攻撃の芽を摘み取り膠着した状態で試合は始まる。
   最初の大きなチャンスは、前半9分、ヴァスコ・ダ・ガマのカウンター。中央から左サイドへドリブルで突破したFWガブリエウ・ペッキ(Gabriel Pec, 2001)がゴール前にクロス。FWベヘッチ(Vegetti, 1988)が飛び込み頭を合わせるがボールは枠を越える。
   アトレチコ・パラナエンセも、その2分後、敵陣深くでMFクリスチャン(Christian, 2000)がボール奪取、ペナルティエリア内でパスを受けたFWウィリアン(Willian, 1986)がシュートに持ち込むが、ヴァスコ・ダ・ガマGKレオ・ジャルジン(Léo Jardim, 1995)が片手でボールを弾きだす。
   その後は、アトレチコ・パラナエンセは、攻勢に試合を進め、VOLフェルナンジーニョ(Fernandinho, 1985)を起点に左右を広く使った攻撃で多くのチャンスを生み出す。しかし、ヴァスコ・ダ・ガマもGKレオ・ジャルジンを中心のゴールを許さない。
   後半5分、ヴァスコ・ダ・ガマはGKレオ・ジャルジンからのボールにFWベヘッチ、MFマルロン・ゴメス(Marlon Gomes, 2003)と頭で繋ぎ、FWガブリエウ・ペッキが左サイドをゴール前に抜け出すが、シュートはGKベント(Bento, 1999)が片手でCKに逃れる。
   ヴァスコ・ダ・ガマがこの好機を逃すと再びアトレチコ・パラナエンセが試合の主導権を握り、ヴァスコ・ダ・ガマ陣に押し込む展開が続く。
   アトレチコ・パラナエンセは後半19分にFWヴィトル・ホッキ(Vitor Roque, 2005)を投入。FWヴィトル・ホッキはこれが9月21日第24節インテルナシオナウ戦以来2か月ぶりのピッチ。FWヴィトル・ホッキも攻撃に絡むが、好機は訪れない。
   両チームともに好機は作り出すものの、最後は両チームGKの活躍などもあり、試合はスコアレスの引き分けでタイムアップを迎えた。

   アトレチコ・パラナエンセは来季のリベルタドーレス出場圏内の6位チームとの勝点差が7ポイント。3試合を残すものの、状況は厳しくなった。
   残り3節は、順にクルゼイロ、サントス、クイアバとの対戦。今節ヴァスコ(引分)、前節バイーア(引分)と残留争いに巻き込まれたチームとの対戦が続き、意外とキャスティングボードを握っている。

   一方のヴァスコ・ダ・ガマは、残留争いの最中、アウェイでの上位との試合で守備に重点を置いた布陣を敷き、最低限の結果を残せたと言えるが、やはり勝ち点3が欲しかった。
   この引き分けで、月曜日のゴイアスvsクルゼイロを前に15位。残り3節は、コリンチャンス、グレミオ。RBブラガンチーノとの対戦。ラスト2節の対戦相手は優勝争いに絡むチーム。次節コリンチャンス戦はホームでの試合でもあり勝ち点3を確保したい。

フルミネンセ(FLU) 2-1 コリチバ(CFC)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=-A2T98U2_T4
(FLU) : 45+1' #14 ヘルマン・カーノ(Germán Cano, 1988)[#21 ジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)]
(FLU) : 63' #9 ジョン・ケネジー(John Kennedy, 2002)[#21 ジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)]
(CFC) : 90' #11 ヘセ・ロドリゲス(Jesé Rodríguez, 1993)[#6 ブルーノ・ゴメス(Bruno Gomes, 2001)]

見どころ(試合前の順位)

   フルミネンセは全国選手権14勝8分12敗勝点50の8位。
   コリチバは全国選手権8勝5分21敗勝点29の19位。

得点シーン

(FLU)前半45+1分 :
ペナルティエリア手前やや右でボールを受けたFWヘルマン・カーノは、そのまま外に流れながらも2度のシュートフェイントを挟み右足を振り抜く。ボールはファーサイドのサイドネットを揺らすゴラッソ。(1-0)
(FLU)後半18分 :
右サイドからFWジョン・アリアスがペナルティエリア手前を真横にボールを送ると、FWヘルマン・カーノがスルー、背後のがFWジョン・ケネジーがボールを受けると、切り返しでディフェンダーをかわしシュート。ボールはゴール左上に突き刺さる。(2-0)
(CFC)後半45分 :
VOLブルーノ・ゴメスが左サイドでボールを受けペナルティエリアに侵入。ペナルティエリア入口のFWヘセ・ロドリゲスにボールを戻すと、FWヘセ・ロドリゲスは右へ流れながらシュート。ディフェンダーに当たったボールがゴールに吸い込まれコリチバが1点を返す(2-1)
   FWヘセ・ロドリゲスは、レアルマドリード/下部組織出身で2011年12月のコパ・デル・レイで18歳のプロデビューを果たしたスペイン国籍選手。レアルマドリードでは2015/16シーズンまで94試合18得点15アシストを記録。その後、パリSG/FRAなど多くのチームを渡り歩き、2023年9月、サンプドリア/ITAとの契約を更新せず、自由登録選手としてコリチバに2025年末までの契約で加入。9月21日のクラブデビュー以来6試合目の出場でクラブ初ゴール。来季はポジションを確保し、チームの核として1部復帰に貢献したい。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:60% 40% ⇒ 前後半:61% 39%
シュート(枠内): 前半:7‐6(2-1) ⇒ 前後半:19-16(7-3)
パス成功率: 前半:91% 80% ⇒ 前後半:91% 81%

   ホームのフルミネンセが、相手陣でボールを支配する展開。積極的にシュートに持ち込むがゴールは枠を捉えない。
   コリチバは、押し込まれながらもカウンターを虎視眈々と狙う。前半17分、カウンターから獲得した右CK、ファーサイドへ蹴られたボールをペナルティエリア入口に落とすと、MFセバスチャン・ゴメス(Sebastián Gómez, 1996)がボレーシュート、しかし、フルミネンセGKファビオ(Fábio, 1980)がビッグセーブ。
   コリチバは、前半27にもカウンターから左サイドを攻め上がり中央へクロス。駆け上がるFWジエゴ・オリヴェイラ(Diogo Oliveira, 1996)がボールを空いたスペースに軽く戻すと、そのスペースに駆け込んだMFセバスチャン・ゴメスがシュート。しかし、これはゴール右に僅かに外れる。
   フルミネンセも前半35分にFWジョン・ケネジー(John Kennedy)、前半44分にFWイザッキ(Isaac, 2004)がシュートに持ち込むが、前者は枠を捉えず、後者はコリチバGKルアン・ポリ(Luan Polli, 1993)の好守に阻まれる。
   このまま前半を終えるかと思われた前半45+1分、FWヘルマン・カーノが均衡を破るゴラッソ。フルミネンセが1-0とリードを奪い前半を終える。
   後半もフルミネンセが相次いでチャンスを迎える。後半4分、左サイドをドリブルでゴール前にボールを持ち込んだFWジョン・アリアスがシュート、後半11分には左FKからゴール前に上げられたボールにFWジョン・アリアスが頭を合わせるが、いずれのシュートもゴールポストに嫌われる。
   しかし、後半18分、FWジョン・ケネジーが貴重な追加点。
   コリチバも相手陣でのプレスから、後半32分、後半40分と相次いで高い位置でボールを奪いシュートに持ち込むが、ゴールを奪うに至らない。後半44分に1点を返すものの反撃はここまで。
   フルミネンセがホームで2-1の勝利。コリチバは2部降格が確定した。

ボタフォゴ(BOT) 1-1 サントス(SAN)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=fojrgNpZrtg
(BOT) : 11' #5 ダニーロ・バルボーザ(Danilo Barbosa, 1996)[#33 エドゥアルド(Eduardo, 1989)]
(SAN) : 90' #24 メシアス(Messias, 1994)[#10 ソテウド(Soteldo, 1997)]

見どころ(試合前の順位)

   ボタフォゴは全国選手権18勝7分9敗勝点61の2位。
   サントスは全国選手権11勝9分14敗勝点42の14位。

得点シーン

(BOT)前半11分 :
左CKからMFエドゥアルドがゴール前に上げたボールに、CBダニーロ・バルボーザがマークの上から打点の高いヘディングシュート。ボタフォゴが先制。(1-0)
   CBダニーロ・バルボーザは、前節ではボランチとして途中交代から同点ゴール。今節はスリーバックの右CBとして出場し先制点を決めた。ケガ人や出場停止が相次ぐ中、ユーティリティ性の高さを発揮している。守備だけでなくセットプレーからの得点力にも期待がかかる。
(SAN)後半45分 :
相手陣やや左の位置からのFK。MFソテウドは縦にグラウンダーのパスを入れ、自身はそのまま左サイドへ上がり戻りのボールを受ける。そして、ドリブルでゴールライン際へ仕掛けゴール前にクロス。外から切れ込んだCBメシアスがディフェンダーの頭上から高さのあるヘディングシュート。土壇場でサントスが同点に追いつく。(1-1)
   CBメシアスは、アメリカ・ミネイロ下部組織出身で2015年11月全国選手権2部最終節のボタフォゴ戦で21歳のプロデビュー。アメリカ・ミネイロでポジションを獲得し、2017年は全国選手権2部、2018年は全国選手権1部で実績を残す。2018年シーズン終了後にヒオ・アーヴィ/PORに期限付きで移籍するが多くの出場機会に恵まれず、2020年にアメリカ・ミネイロに復帰。2021‐22年はセアラーでプレーし2年間で95試合に出場。その実績を受け2023年シーズン前にサントスに加入した。高さと屈強な体躯をいかした空中戦を得意とするセンターバック。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:52% 48% ⇒ 前後半:47% 53%
シュート(枠内): 前半:9‐3(2-1) ⇒ 前後半:18-6(5-4)
パス成功率: 前半:86% 84% ⇒ 前後半:83% 85%

   首位奪還を目指すボタフォゴがと、1部残留を目指すアウェイのサントスとの一戦。
   ボタフォゴはサイドバックにケガ人と出場停止が重なり、今節はスリーバックを採用。本来のポジションとは異なるダニーロ・バルボーザ、チェチェーを、それぞれをCB、右WBに起用し、急場をしのぎたい。
   サントスも、攻守の要VOLトマス・リンコン(Tomás Rincón, 1988)がベネズエラ代表として出場したW杯南米予選第5節エクアドル戦のケガで欠場。
   両チームとも、ベストとは言えない状況で試合に臨む。
   サントスはアウェイゲームで守りを固め僅かなチャンスを得点に繋げようと目論むが、前半11分に早くもボタフォゴが先制点を奪う。先制後もボタフォゴは攻撃の手を緩めず、サントスゴールを脅かすがゴールには至らない。前半も終盤にさしかかるとボタフォゴは自陣高めの位置で固く閉じた守備ブロックを形成し、カウンターから追加点を狙う作戦に転換。サントスはボールを握るようになるが、攻撃の糸口を掴むことができない。
   後半も前半終盤同様に、ボタフォゴは中を閉じた守備からカウンターを狙う。後半16分、相手陣中央のFK、FWジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)が直接狙ったシュートはディフェンダーに当たりコースが変わる。そのこぼれ球を拾ったMFエドゥアルドがシュート。サントスGKジョアン・パウロ(João Paulo, 1995)が身を挺してブロックすると、ペナルティエリア入口へ流れたボールにFWジュニオール・サントスがダイビングヘッド。しかし、ゴールライン上でCBメシアスがクリア。
   少しオープンな展開となる中、ボタフォゴがより多くのチャンスを迎えるがゴールを決め切ることができない。すると、後半44分、サントスがセットプレーから、後半16分のピンチをゴールライン上のクリアで救ったCBメシアスのゴールで同点。メシアス(救世主の意)の好守に渡る活躍でサントスがアウェイの地で勝ち点1を獲得。一方のボタフォゴは首位を奪還することが叶わなかった・

   ボタフォゴは、3試合連続の引き分け、8試合勝ち星から遠ざかる。選手権前半戦19試合を15勝2分2敗で2位に勝点差13をつけ首位を独走していたものの、後半戦に入り3勝6分8敗と急ブレーキ。昨年からチームを作り上げてきたルイス・カストロ監督が中東から引き抜かれると、しばらくはその財産で勝ち点を積み上げてきたものの、8月以降は攻守に歯車が噛み合わず、遂に3位まで転落。
   しかし、いまだ首位との勝点差は1ポイント。残り3試合で再逆転を期す。
   その3試合の対戦相手は、降格が決定したコリチバ、残留争い中のクルゼイロ、優勝争いにも残留争いにも加わらず試合ごとに波の激しいインテルナシオナウ。比較的恵まれた対戦相手ではあるが、優勝に向けては何よりも自信を取り戻すことが最優先となる。

   サントスは、アウェイの地で試合終了間際の同点劇で勝ち点1を勝ち取った。
   今節ゴイアスvsクルゼイロ戦が未消化の時点で、順位は14位。いまだ残留争いからは抜け出せていないが、今節の勝ち点1が大きな価値を帯びる可能性もある。
   残り3節の対戦相手は、フルミネンセ、アトレチコ・パラナエンセ、フォルタレーザ。いずれも残留争いにもリベルタドーレス出場圏争いにも加わっていないチームとの対戦。難敵揃いだが、目標に欠けるだけに気持ちの面で相手を上回ることができる。
   最近の7試合は、勝ち切れない試合が続くものの、黒星はなく(3勝4分)、この勢いで1部残留を果たしたい。

アトレチコ・ミネイロ(CAM) 3-0 グレミオ(GRE)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=Qn4-61V-y40
(CAM) : 25' #13 ギリェルミ・アラーナ(Guilherme Arana, 1997)[]
(CAM) : 50' #15 サラーチョ(Zaracho, 1998)[#7 フッキ(Hulk, 1986)]
(CAM) : 58' #7 フッキ(Hulk, 1986)[]

見どころ(試合前の順位)

   アトレチコ・ミネイロは全国選手権16勝9分9敗勝点57の6位。
   グレミオは全国選手権18勝5分11敗勝点59の4位。

得点シーン

(CAM)前半25分 :
MFサラーチョが右サイドライン際を抜け出しゴール前にクロス。グレミオCBカネマン(Kannemann, 1991)が下がりながらクリア。高く上がり左サイドに流れたボールをSBギリェルミ・アラーナが左足を思い切りよく振り抜くダイレクトボレー。縦回転のボールはGKの頭上を越えゴールネットに突き刺さるゴラッソ。(1-0)
(CAM)後半5分 :
MFイゴル・ゴメス(Igor Gomes, 1999)から右サイドペナルティエリア手前のFWフッキにボールが送られると、中央に切れ込みながら最終ライン裏への短いスルーパス。そこにMFサラーチョが縦に表れ、GKの足元を抜くシュート。(2-0)
(CAM)後半13分 :
自陣から右サイドライン際でボールを縦に運び、アタッキングサードに入った位置からFWパウリーニョがペナルティエリアに向かい、エリア寸前で左後方に向かう。そして、左サイドから斜めに上がるFWフッキへ最終ライン裏へのスルーパス。FWフッキがシュートを放つと、ボールはファーサイドのサイドネットに突き刺さる。

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:51% 49% ⇒ 前後半:46% 54%
シュート(枠内): 前半:10‐6(3-1) ⇒ 前後半:16-19(6-6)
パス成功率: 前半:82% 83% ⇒ 前後半:83% 87%

   リベルタドーレス出場権、さらには優勝にも手が届く順位に位置する2チームによる対戦。
   試合はホームのアトレチコ・ミネイロが、グレミオのボールの出どころへプレッシャーをかけ、高い位置でボールを奪い相次いでグレミオゴールに迫る。
   前半25分、ボール奪取からの速い攻撃からSBギリェルミ・アラーナのゴラッソでアトレチコ・ミネイロが先制。先制点を奪うとアトレチコ・ミネイロはやや引いた守備からカウンターを狙い始める。
   アトレチコのプレスに思うようにボールを前に運べなかったグレミオだが、アトレチコの守備が引き気味になると、カウンターに警戒しながらもボールを前に運びチャンスを作り出す。前半45分のCKでは、相手クリアボールがゴールに向かい流れるが、ボールはゴールポストに当たりコースを変える。
   アトレチコが1-0とリードし前半を終える。
   後半に入るとアトレチコ・ミネイロのカウンターが相次いでさく裂。後半5分、13分、ペナルティエリア手前右でタメを作った選手が縦(斜め)に切り込む選手に向かい短いスルーパス。同じようなプレーでアトレチコが2点を加点し、3-0とリードを拡げる。
   グレミオは相次いで前線に選手を投入する一方、アトレチコは中盤選手の交代、FWからMFへの交代など中盤を厚くし、防戦を図る。グレミオはFWルイス・スアレス()を中心にテンポよくパスを繋いでゴールに迫るが、結局、最後までゴールを奪うことができずタイムアップ。
   ホームのアトレチコ・ミネイロが3-0の完勝を収め、アトレチコ・ミネイロは首位まで勝点差3の4位まで順位を上げ、一歩のグレミオは首位との勝点差が4ポイントに広がる5位に転落した。

   アトレチコ・ミネイロは、最近の7試合を5勝2分とし4位に浮上。
   残り3節の対戦相手は、順にフラメンゴ、サンパウロ、バイーア。次戦は勝ち点3差で首位と同勝点のフラメンゴとの直接対決、勝てば優勝の目が拡がり、負ければ優勝争いから脱落することになる大事な一戦。主要選手の出場停止もなくベストのメンバーでフラメンゴに挑む。
   グレミオは痛い敗戦。3試合を残し首位との勝点差が4に広がった。
   今後は、ゴイアス、ヴァスコ・ダ・ガマ、フルミネンセとの対戦。ゴイアスとヴァスコ・ダ・ガマは残留争いに苦しむチーム。フルミネンセはクラブW杯に向けた調整試合となる見込みだけに、今節は少なくとも勝ち点1を勝ち取りたかった。しかし、結果を変えることはできない。残り3試合を3連勝で終え、有終の美を飾りたい。

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