【ブラジル全国選手権2023】第36節(1/2)

投稿者: | 2023年11月28日

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全国選手権第36節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこの記事で。
・2023/11/28 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x コリンチャンス(COR)
・2023/11/29 サントス(SAN) x フルミネンセ(FLU)
・2023/11/29 フラメンゴ(FLA) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
・2023/11/29 バイーア(BAH) x サンパウロ(SAO)
・2023/11/29 クイアバ(CUI) x インテルナシオナウ(INT)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2023】第36節(2/2)
・2023/11/29 パウメイラス(PAL) x アメリカ・ミネイロ(AME)
・2023/11/29 コリチバ(CFC) x ボタフォゴ(BOT)
・2023/11/30 グレミオ(GRE) x ゴイアス(GOI)
・2023/11/30 クルゼイロ(CRU) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)
・2023/11/30 RBブラガンチーノ(RBB) x フォルタレーザ(FOR)

全国選手権第36節 試合概要

ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) 2-4 コリンチャンス(COR)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=WfT-E45VJaE
(VAS) : 4' #2 プーマ・ロドリゲス(Puma Rodríguez, 1997)[#6 ルーカス・ピトン(Lucas Piton, 2000)]
(COR) : 13' #11 ロメロ(Romero, 1992)[#20 ジウリアーノ(Giuliano, 1990)]
(VAS) : 25' #99 ベヘッチ(Vegetti, 1988)[#2 プーマ・ロドリゲス(Puma Rodríguez, 1997)]
(COR) : 45' #11 ロメロ(Romero, 1992)[#3 ルーカス・ヴェリッシモ(Lucas Veríssimo, Lucas Veríssimo)]
(COR) : 61' #44 ガブリエウ・モスカルド(Gabriel Moscardo, 2005)[#8 ヘナト・アウグスト(Renato Augusto, 1988)]
(COR) : 90+4' #17 ジオヴァーニ(Giovane, 2003)[#30 マテウス・アラウージョ(Matheus Araújo, 2002)]

見どころ(試合前の順位)

   ヴァスコ・ダ・ガマは全国選手権11勝9分15敗勝点42の16位。
   コリンチャンスは全国選手権10勝14分11敗勝点44の14位。

得点シーン

(VAS)前半4分 :
ペナルティエリア内で手前やや右でボールを奪ったMFディミトリ・パイェが左サイドライン際へボールをさばく。これを受けた左SBルーカス・ピトンがゴール前ファーサイドへクロス。外から内に絞った右SBプーマ・ロドリゲスがフリーで頭を合わせヴァスコ・ダ・ガマが先制。(1-0)
(COR)前半13分 :
ペナルティエリア内で縦のボールを受けたVOLジウリアーノが真横に浮き球を送ると、FWロメロ→VOLジウリアーノと頭でボールを繋ぎ、最後はFWロメロが頭でゴールに流し込み、コリンチャンスがこの試合初めての好機をゴールに結びつける。(1-1)
(VAS)前半25分 :
右サイドライン際をボールを受けたSBプーマ・ロドリゲスがやや浅めの位置から鋭いクロスをゴール前に上げると、ディフェンダーとの競り合いで前に入ったFWベヘッチが右足のボレー。ボールはゴールネットに突き刺さる。(2-1)
(COR)前半45分 :
SBファギネル(Fagner, 1989)が蹴る右CK。ペナルティエリア入口中央に蹴られたボールにCBルーカス・ヴェリッシモ(Lucas Veríssimo, 1995)が合わせると、ゴールに向かうボールにFWロメロが頭でコースを変えゴールネットを揺らす。(2-2)
(COR)後半16分 :
ペナルティエリア手前右寄りの位置でMFヘナト・アウグストからのパスを受けたVOLガブリエウ・モスカルドが思い切りよく右足を振り抜く。ボールは低い弾道でファーサイドのサイドネットに突き刺さる逆転弾。VOLガブリエウ・モスカルドはこれが嬉しいプロ初ゴール。(2-3)
(COR)後半45+4分 :
相手陣右サイドライン際でボールを受けたMFマテウス・アラウージョが縦に仕掛けゴールライン際からゴール前にマイナスのクロス。そこに駆け上がったFWジオヴァーニが足を合わせボールをゴールに突き刺す。ケガのため8月19日全国選手権第20節クルゼイロ戦以来の出場となったFWジオヴァーニはこれが嬉しいプロ初ゴール。(2-3)

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:43% 57% ⇒ 前後半:49% 51%
シュート(枠内): 前半:8‐5(3-2) ⇒ 前後半:20-14(9-6)
パス成功率: 前半:88% 93% ⇒ 前後半:85% 88%

   ヴァスコ・ダ・ガマが、立ち上がりからボールを支配。コリンチャンスが積極的にボールを奪いに来ない中、最終ラインで右へ左へボールを展開し攻撃の糸口を探る。すると、ほとんど相手にボールを触られることなく、前半4分に先制点。先制後は、自陣でブロックを構築し守りを固めるが、前半13分、コリンチャンスのこの試合初めてのチャンスをゴールに繋げられ同点に追い付かれる。
   ヴァスコ・ダ・ガマは同点に追い付かれると再びボールを支配。前半25分にコリンチャンスのマークをかわした右サイドからの攻撃でFWベヘッチがセンターフォワードらしい動きと高いシュート技術で再びリード。その後は高い位置でボールにプレッシャーをかけ、守備も安定したかと思われたが、前半45分にCKから失点。1失点目に続き空中戦でゴールを奪われた。
   後半は両チームとも守備面を修正されピッチに戻るが、後半16分、コリンチャンスがVOLガブリエウ・モスカルドのプロ初ゴールで逆転。ヴァスコ・ダ・ガマはコリンチャンスをゴール前に押し込み、セカンドボールを次々と回収してゴールを狙うが、左右両サイドからの攻撃、特に右サイドからの攻撃ではクロスを上げるまでに問題を抱え、クロスを上げても精度が低く、得点の匂いがしない展開が続く。
   後半アディショナルタイム、コリンチャンスがカウンターからFWジオヴァーニのプロ初ゴールで試合を決め、コリンチャンスが4-2で勝利を収めた。

   ヴァスコ・ダ・ガマは、前半半ばまではボールを支配し、スコアの面でも常にリードしてしたが、守備面でのポジショニングのミスから2失点。後半にリードを許すと、交代でピッチに立った選手のパフォーマンスが低く、ゴール前にコリンチャンス守備陣をくぎ付けにするものの、得点の匂いはなく、カウンターからダメ押し点を奪われ、重要な一戦を落とした。
   この結果、他チームが試合未消化の中、順位は降格圏まで1ポイント差の16位。
   残り2試合は、グレミオ、RBブラガンチーノと優勝争いを展開する2チームとの対戦となり、残留に向けた状況は一気に険しくなった。

   コリンチャンスは守備のマークが甘く、早くも前半4分に失点。前節バイーア戦の1-5の敗戦が頭によぎったが、前半13分に同点に追いつくと、その後は次第に守備面が改善し、前半25分にリードを許したものの、前半のうちに同点に追いつき前半を終了。
   ハーフタイムで守備面での修正を施すと、攻撃面でも動きがダイナミックになり、後半16分にプリメイロVOLガブリエウ・モスカルドがペナルティエリアまで上がり逆転ゴール。その後は押し込まれる展開が続くが相手の拙攻もありゴールを守り切ると、後半アディショナルタイムに途中交代出場の若い2選手によるカウンターでダメ押しゴールを奪い、残留争いから抜け出す貴重な勝利を収めた。
   この勝利で、残り2試合を残し、ヴァスコ・ダ・ガマとの勝点差が5ポイント、試合終了時点で今節未消化の17位バイーアとの勝点差が6ポイントとなり、残留争いではかなり有利な状況となった。
   残り2試合の対戦相手は、インテルナシオナウとコリチバ。いずれかの試合で引き分け以上で自力での残留が確定する。

サントス(SAN) 0-3 フルミネンセ(FLU)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=73y4d9xjCtc
(FLU) : 10' #8 マルチネリ(Martinelli, 2001)[#21 ジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)]
(FLU) : 36' #21 ジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)[#16 ジオゴ・バルボーザ(Diogo Barbosa, 1992)]
(FLU) : 59' #14 ヘルマン・カーノ(Germán Cano, 1988)[#8 マルチネリ(Martinelli, 2001)

見どころ(試合前の順位)

   サントスは全国選手権11勝10分14敗勝点43の15位。
   フルミネンセは全国選手権15勝8分12敗勝点53の7位。

得点シーン

(FLU)前半10分 :
ハーフライン前後右サイドライン際で数的有利を作りパス交換。FWジョン・アリアスが前を向きドリブルで縦に仕掛け攻撃が加速する。ペナルティエリア手前で一列内のVOLマルチネリにボールを送ると、VOLマルチネリは左へ流れながら左足のシュート。グラウンダーのボールはゴール左隅に決まる。(0-1)
(FLU)前半36分 :
相手陣中央でVOLアンドレ(André, 2001)がボールを受けると、ドリブルで前進しディフェンダーを引き寄せる。そのスペースに走り込むSB ジオゴ・バルボーザへスルーパスが通ると、ゴール前にクロス。FWジョン・アリアスが綺麗に頭を合わせゴールネットを揺らす。(0-2)
(FLU)後半14分 :
ペナルティエリア入口左からMFガンソ(Ganso, 1989)がゴール前にクロス。ゴールエリア手前のFWジョン・アリアスのトラップは大きくなりゴールエリア左へ流れるが、それをVOLマルチネリがワンタッチで右に振り、後方から走り込んだFWヘルマン・カーノがゴールネットに沈める。(0-3)

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:29% 71% ⇒ 前後半:35% 65%
シュート(枠内): 前半:3‐6(1-5) ⇒ 前後半:26-9(8-6)
パス成功率: 前半:81% 94% ⇒ 前後半:83% 90%

   サントスはフルミネンセにボールを支配され、2点を奪われ、いいところなく前半を終える。
   ハーフタイムでの修正を経て迎えた後半は、高い位置でボールを奪い、2分にFWマキシ・シルベラ(Maxi Silvera, 1997)、12分FWメンドーサ(Mendoza, 1992)と相次いでフルミネンセゴールに迫るが、フルミネンセGKファビオ(Fábio, 1980)がいずれも阻止。
   後半24分のFWマルコス・レオナルド(Marcos, Leonardo, 2003)のシュートは再びGKファビオが立ちはだかり、後半39分にはFWフルチ(Furch, 1989)がGKファビオの牙城を崩したかと思われたが、ゴールライン上でCBニノ(Nino, 1997)が決死のクリア。後半44分のFWフルチのシュートはクロスバーに嫌われ、最後までゴールを奪うことができず0-3の敗戦。
   国際Aマッチデーによる小休止明けの2試合は1分1敗。リーダーシップがあり攻守にチームを率いていたベネズエラ代表VOLトマス・リンコン(Tomás Rincón, 1988)のW杯南米予選でのケガによる欠場が小休止明けのサントスの試合に影響を及ぼしている。
   この結果、サントスは残留争いから抜け出すことができず、今節他チームの結果次第で降格圏に転落する可能性も出てきた。
   残り2節の対戦相手は、(A)アトレチコ・パラナエンセ、(H)フォルタレーザ。難敵が続くがいずれもリベルタドーレス出場権争いから脱落しており、試合への意気込みで相手を上回ることができる。しっかりと結果を残し、クラブ史上初の降格の屈辱を回避したい。

   フルミネンセは、リベルタドーレス優勝により来季リベルタドーレス出場権を獲得しており、残り試合は12月中旬に開催されるクラブW杯に向けた調整に充てる。
   試合前半は細かいパス回しで試合を支配。2本のきれいなシュートで2点をリードする理想的な展開。しかし、後半は、高い位置でボールを失いカウンターで次々とピンチを招き、相手に押し込まれてはゴール前に人数をかけるものの枠を捉えるシュートを何度も浴びる。GKファビオの活躍で事なきを得たが、カウンターへの対応やゴール前でのマークが引き続き課題として残った。
   一方の攻撃面は26本のシュートを記録。チームの不振時はボールを保持することに意識が行きすぎ、シュートに持ち込む機会が極端に少なかったが、最近の試合ではシュートで終えるプレーも多く、結果も伴ってきている。
   残り2節は、(A)パウメイラス、(H)グレミオとの対戦。いずれも優勝争いを繰り広げているが、リベルタドーレス王者としての意地を見せたい。グレミオ戦の一週間後の12月18日にはクラブW杯の初戦を迎える。

フラメンゴ(FLA) 0-3 アトレチコ・ミネイロ(CAM)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=f0UdnDKaOyE
(CAM) : 8' #10 パウリーニョ(Paulinho, 2000)[#7 フッキ(Hulk, 1986)]
(CAM) : 47' #8 エデニウソン(Edenílson, 1989)[#10 パウリーニョ(Paulinho, 2000)]
(CAM) : 82' #44 フーベンス(Rubens, 2001)[#9 パボン(Pavón, 1996)]

見どころ(試合前の順位)

   フラメンゴは全国選手権18勝9分8敗勝点63の2位。
   アトレチコ・ミネイロは全国選手権17勝9分9敗勝点60の3位。

得点シーン

(CAM)前半8分 :
相手陣手前左サイドまでボールを持ち上がったCBジェメルソン(Jemerson, 1992)を起点に、FWパウリーニョ、MFイゴル・ゴメス(Igor Gomes, 1999)とボールを繋ぐ。MFイゴル・ゴメスがペナルティサークル手前に位置するFWフッキへボールを送ると、FWフッキはワンタッチで相手右SBの裏のスペースへ浮き球のパス。そのスペースに抜け出したFWパウリーニョがファーサイドのサイドネットにボールを流し込む。(0-1)
(CAM)後半2分 :
自陣ペナルティエリアからのカウンター。MFイゴル・ゴメスの大きく蹴りだしたボールは、FWパウリーニョを経て最終ラインの裏へ抜け出しを図るVOLエデニウソンへ。VOLエデニウソンはGKとの一対一を制し、GKの逆を突くシュートでゴールネットを揺らす。(0-2)
(CAM)後半37分 :
高い位置を保つ相手最終ラインの裏を狙うFWパボンにボールが繋がる。FWパボンは縦にドリブルでボールを持ち上がると、ペナルティエリア右手前からゴール前ファーサイドにボールを送る。逆サイドからMFフーベンスが走り込み試合を決定づける3点目のゴール。(0-3)

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:47% 53% ⇒ 前後半:55% 45%
シュート(枠内): 前半:8‐6(2-3) ⇒ 前後半:19-10(4-5)
パス成功率: 前半:85% 89% ⇒ 前後半:86% 84%

   同勝点、同勝利数の2位で今節を迎えたフラメンゴ。勝ち点3差で3位に迫る好調アトレチコ・ミネイロとの対戦だったが試合開始早々に失点。アトレチコの鋭いカウンターを警戒しつつアトレチコゴールに迫るが、アトレチコGKエヴェルソン(Éverson, 1990)のビッグセーブもありゴールを奪うことができない。
   後半早々、アトレチコはカウンターが決まり追加点。2点を追うフラメンゴは、ボールを支配し相手陣で試合を進めるが、アトレチコは自陣で堅固なブロックを構築し、フラメンゴに決定的な場面を作らせない。後半37分には再びカウンターから試合を決定づける3点目。
   試合はアトレチコ・ミネイロが理想的な展開で3-0の完勝。順位の上でもフラメンゴを上回った。

   フラメンゴは、優勝争いの正念場となる一戦だったが、あえなく敗戦。多くのタイトルを逃し続けた2023年を象徴するかのような試合となってしまった。
   残り2試合の対戦相手は、(H)クイアバ、(A)サンパウロ。自力優勝の目は絶たれたものの、まだ優勝の可能性は残されている。ホーム最終戦のクイアバ戦、コパ・ド・ブラジル決勝戦で苦杯を舐めたサンパウロ戦はいずれも白星で終え、他試合の結果に一縷の望みを託したい。

   アトレチコ・ミネイロは2引分けを挟み6連勝。攻撃面では、核となるFWフッキ、FWパウリーニョに他の選手が絡み、監督交代後長らく課題となっていたカウンターの精度が格段に増し、チームは完成の域に近づいてきた。
   残り2試合の対戦相手は、(H)サンパウロ、(C)バイーア。現在の勢いで連勝を飾り、リベルタドーレス出場権の獲得し、首位パウメイラスにプレッシャーをかけたい。

バイーア(BAH) 0-1 サンパウロ(SAO)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=ztcMyvESLt8
(SAO) : 90+7' #38 カイオ・パウリスタ(Caio Paulista, 1998)[]

見どころ(試合前の順位)

   バイーアは全国選手権11勝8分16敗勝点41の17位。
   サンパウロは全国選手権12勝11分12敗勝点47の10位。

得点シーン

(SAO)後半45+7分 :
右CKからのクリアボールをペナルティエリア手前右でSBカイオ・パウリスタが空中戦に競り勝ちボールを確保。寄せるディフェンダーをかわし、さらに、ボールを左へ切り返し左足を振り抜くと、ボールはゴール左隅に突き刺さる終了間際の決勝点。(0-1)

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:34% 66%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:15-14(3-5)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:79% 89%

   ボールを支配し相手陣で試合を行いたいサンパウロに対し、粘り強く守り、鋭いカウンターからゴールを奪いたいバイーア。
   サンパウロは前半7分に左サイドを起点に守備を崩しMF(Michel Araújo, 1996)がシュートに持ち込むがバイーアGKマルコス・フェリピ(Marcos Felipe, 1996)が好セーブ。一方のバイーアも前半アディショナルタイムに注文通りのカウンターからMFカウリー(Cauly, 1995)が間合いを詰めるGKの頭上を越すシュート。しかし、僅かにボールはゴール右に外れる。
   後半27分にはサンパウロが猛攻を仕掛けるが、バイーアはGKマルコス・フェリピを中心に守り切る。バイーアも後半39分にFKを直接狙い、後半41分にFWアデミール(Ademir, 1995)が個人技をいかしシュートに持ち込むがシュートは枠を捉えない。
   このまま試合を終えるかと思われた後半45+7分、実質的に最後のプレーでサンパウロSBカイオ・パウリスタがバイーアゴールをこじ開ける。

   バイーアは痛い敗戦。前日に残留争いのライバルのヴァスコ・ダ・ガマが敗戦。一時間前にキックオフされたサントスもリードを許す展開で、勝てば降格圏を脱出という状況。少なくとも勝ち点1を積み上げたかったが、最後のプレーでの失点で勝ち点さえも逃してしまった。
   残り2試合の対戦相手は、(A)アメリカ・ミネイロ、(H)アトレチコ・ミネイロ。いずれの試合も残留に向け死力を尽くすしかない。

   サンパウロは、第36節にして今季全国選手権のアウェイゲームでの初勝利。監督交代以降は、多くの選手を起用し、チーム内が活性化されたが、全国選手権ではその効果はあまり発揮できなかった。
   残り2試合の対戦相手は、(A)アトレチコ・ミネイロ、(H)フラメンゴ。いずれも優勝争い、リベルタドーレス出場権争いを繰り広げているが、サンパウロはコパ・ド・ブラジル王者として不甲斐ない試合は出来ない。

クイアバ(CUI) 0-2 インテルナシオナウ(INT)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=VbPrpTbk1gg
(INT) : 52' #13 エネル・バレンシア(Enner Velencia, 1989)[#11 ヴァンデルソン(Wanderson, 1994)]
(INT) : 89' #18 ペドロ・エンヒキ(Pedro Henrique, 1990)[#27 マウリシオ(Maurício, 2001)

見どころ(試合前の順位)

   クイアバは全国選手権13勝9分13敗勝点48の9位。
   インテルナシオナウは全国選手権12勝10分13敗勝点46の11位。

得点シーン

(INT)後半7分 :
相手陣に入ったところの右サイドライン際から、FWヴァンデルソンがペナルティエリア手前中央へボールを送る。FWエネル・バレンシアが抜け出し胸でトラップ、間合いを詰めるGKの頭上を越えるシュートでボールをゴールに流し込む。(0-1)
(INT)後半44分 :
相手陣中央のSBヘネー(Renê, 1992)を軸にMFマウリシオが前後のタベーラでペナルティエリア内左に抜け出すとゴール前、GKと守備ラインの間にクロス。FWペドロ・エンヒキがスライディングで足を合わせゴールネットを揺らす。(0-2)

試合概要、所感 etc.

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:45% 55%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:8-12(1-3)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:85% 90%

   立ち上がりはホームのクイアバが高い位置でマーク。インテルナシオナウのミスを誘ってはゴールに迫る。前半20分、クイアバは右サイドからのクロスにFWクレイソン(Clayson, 1995)が頭を合わせるが僅かに枠を外れ、前半29分のVOLハニエリ(Raniele, 1996)のゴール右隅へのグラウンダーのミドルシュートはインテルGKロチェ(Rochet, 1993)が辛うじて弾き出しディフェンダーがクリア。
   前半は中盤での攻防が激しくなり、決定的なシーンは両チームにほとんど訪れない。
   後半7分、インテルは中盤からのパス一本でFWエネル・バレンシアが抜け出し先制。その後試合は膠着状態を迎えるが、後半35分を過ぎると、前がかりになるクイアバに対し、インテルナシオナウは人数をかけない効果的なカウンターを繰り出す。後半41分、後半44分、いずれもFWペドロ・エンヒキが頭でシュートに持ち込むが、ボールは、前者は枠外、後者はクロスバーに弾かれる。後半44分、FWペドロ・エンヒキはMFマウリシオのグラウンダーのクロスを足で押し込み、3度目の正直でゴールを奪うと試合はタイムアップ。

   クイアバは5試合ぶりの敗戦。下位陣が敗れたこともあり、来季の1部残留が確定。14位までに与えられるコパ・スウアメリカーナ出場権も勝点差5ポイントのリード。同時に過去最高位(2021年の15位)も上回り着地する見込みが高くなった。
   残り2試合の対戦相手は、(A)フラメンゴ、(H)アトレチコ・パラナエンセ、勝ち点を積み上げ自力で過去最高位、コパ・スウアメリカーナ出場権を確保したい。

   インテルナシオナウは、クイアバにお株を奪われる高い位置でのプレスで試合のリズムを作れず苦戦。しかし、シーズン途中の補強でリベルタドーレスでは準決勝に進んだ国際色豊かな豪華な顔触れは、慌てることなく、後半立ち上がりに先制点を奪うと、試合巧者ぶりを発揮し終盤の追加点で勝利。
   この勝利で残留が確定、来季のリベルタドーレス出場の望みは絶たれているが、コパ・スウアメリカーナは対象チームとの勝点差が6ポイントに拡がりほぼ確定。前年2位で高い期待を寄せられ迎えた今季だったが、煮え切らない内容、成績で閉幕を迎えつつある。
   残り2試合の対戦相手は、(A)コリンチャンス、(H)ボタフォゴ。不甲斐ないシーズンだったが、前節から続く連勝で締めくくりたい。

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