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全国選手権第36節 対戦組合せ
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2023】第36節(1/2)
・2023/11/28 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x コリンチャンス(COR)
・2023/11/29 サントス(SAN) x フルミネンセ(FLU)
・2023/11/29 フラメンゴ(FLA) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
・2023/11/29 バイーア(BAH) x サンパウロ(SAO)
・2023/11/29 クイアバ(CUI) x インテルナシオナウ(INT)
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2023/11/29 パウメイラス(PAL) x アメリカ・ミネイロ(AME)
・2023/11/29 コリチバ(CFC) x ボタフォゴ(BOT)
・2023/11/30 グレミオ(GRE) x ゴイアス(GOI)
・2023/11/30 クルゼイロ(CRU) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)
・2023/11/30 RBブラガンチーノ(RBB) x フォルタレーザ(FOR)
全国選手権第36節 試合概要
パウメイラス(PAL) 4-0 アメリカ・ミネイロ(AME)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=t4TgLgq6wjo
(PAL) : 2' #9 エンドリッキ(Endrick, 2006)[]
(PAL) : 40' #xx オウンゴール(Gol Contra)[]
(PAL) : 88' #18 フラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)[#22 ピケレス(Piquerez, 1998)]
(PAL) : 90+2' #18 フラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)[#30 ジャイウソン(Jailson, 1995)]
見どころ(試合前の順位)
パウメイラスは全国選手権18勝9分8敗勝点63の首位。
アメリカ・ミネイロは全国選手権4勝9分22敗勝点21の20位。
得点シーン
(PAL)前半2分 :
アタッキングサードの入口右サイドライン際からのFK。ゴール前に低く上げられたボールはクリアされるが、そのボールを拾ったFWエンドリッキが強烈な左足のシュート。3人のディフェンダーの間隙を縫ったボールはゴール右隅に決まる。(1-0)
(PAL)前半40分 :
ペナルティエリア左手前からのFK。MFハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)がGKと最終ラインの間に上げたボールは、CBムリーロ(Murilo, 1997)と競り合ったディフェンダーのオウンゴールを誘う。(2-0)
(PAL)後半43分 :
相手陣左サイドライン際をSBピケレスがVOLジャイウソンとのタベーラで抜け出すと、ゴール前にグラウンダーのクロス。FWフラッコ・ロペスが左足を合わせゴールネットを揺らす。(3-0)
(PAL)後半45+2分 :
MFハファエウ・ヴェイガが蹴る右CK。ファーサイドに上げられたボールをVOLジャイウソンが折り返し、FWフラッコ・ロペスがゴール正面でゴールに押し込む。(4-0)
試合概要、所感 etc.
ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:51% 49%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:24-3(12-1)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:83% 85%
首位パウメイラスと最下位アメリカ・ミネイロの試合はその順位が表す内容。
パウメイラスが前半2分のセットプレーの流れから先制。アメリカ・ミネイロも今季トライし続けた攻撃的なスタイルを貫こうとするが、パウメイラスは寄せの速い固い守備でアメリカ・ミネイロに攻撃の糸口を与えず、縦に速い攻撃でチャンスを掴んでいく。
前半40分には、再びセットプレーの流れから相手のオウンゴールを誘い、2-0のスコアで前半を終了。
後半の立ち上がりも前半同様の試合展開となるが、アメリカ・ミネイロも粘り強く守り試合は膠着状態へ。パウメイラスは、若手選手や試合から遠ざかる選手をピッチに送り込むとその交代選手が活躍。MFジョン・ジョン(Jhon Jhon, 2002)が個人技からプロ初ゴールを狙ったシュートがゴールポストに阻まれるなど、次々とアメリカ・ミネイロゴールに迫る。すると、後半終盤にFWフラッコ・ロペスが2得点。両得点にはVOLジャイウソンが絡み、最終的にはパウメイラスが4-0の快勝で試合を終えた。
パウメイラスは、この試合では先述の通り交代選手が活躍。
FWフラッコ・ロペスは、シーズン初めの起用機会をものにすることができず、全国選手権では途中交代での起用が続いているが、今節は9分間のプレーで2得点。これで全国選手権は20試合541分の出場で5得点となった。VOLジャイウソンも州選手権決勝1stレグでの致命的なミスなど、ノッティンガム・フォレスト/ENGへ移籍したVOLダニーロの穴を埋める期待を裏切っていたが、この試合では攻撃面で汚名を返上。
MFジョン・ジョン、VOLファビーニョ(Fabinho, 2002)も含め、この試合での交代出場選手は、固定化されつつあったパウメイラスの起用選手のなかで、来年に向けた新たなオプションとして期待ができる活躍をみせた。
パウメイラスは、9月21日全国選手権第24節グレミオ戦から10月19日第27節アトレチコ・ミネイロ戦まで約一か月、リベルタドーレス準決勝ボカ・ジュニオルス/ARGでの敗退も含め苦しい時期を送ったが、リベルタドーレス敗退後のスリーバックの採用や、エンドリッキの先発登用など戦術面で大きく舵を切り、以降は7勝1分1敗の成績で一気に首位に躍り出て、全国選手権連覇に迫っている。
残り2試合の対戦相手は、リベルタドーレス王者のフルミネンセ(H)と、前回の対戦では試合終了直前まで苦戦を強いられたクルゼイロ(A)。難敵が続くが自力で全国選手権二連覇を達成したい。
降格が決まっているアメリカ・ミネイロは、首位パウメイラスとの地力の差を見せつけられた内容で0-4の完敗。終盤での短い時間帯での連続失点では、今季しばしば見られた脆さが現われた。
この試合では、先発や途中交代で多くの若手選手を起用。シーズン終了後には、今季主力を務めた複数の選手の移籍も噂され、登録選手の半数近くが入れ替わるだろうが、今節首位パウメイラスとの試合経験を来季は2部で生かし、一年での1部復帰を期待したい。
今季残り2試合の対戦相手は、(H)バイーア、(A)ゴイアス。次節は厳しい残留争いに巻き込まれているバイーア戦。相手にかかわらず、ホーム最終戦は勝利で飾りたい。
コリチバ(CFC) 1-1 ボタフォゴ(BOT)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=bc9x4N3qY-M
(BOT) : 90+7' #9 チキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)[PK]
(CFC) : 90+9' #99 エドゥ(Edu, 1993)[#16 ナタナエウ(Natanael, 2002)]
見どころ(試合前の順位)
コリチバは全国選手権8勝5分22敗勝点29の19位。
ボタフォゴは全国選手権18勝8分9敗勝点62の3位。
得点シーン
(BOT)後半45+7分 :
自陣からFWルイス・エンヒキ(Luis Henrique, 2001)がドリブルでディフェンダーをかわしながら相手陣に攻めあがると最後は縦にペナルティエリア内へスルーパス。これを受けたFWカルロス・アウベルト(Carlos Alberto, 2002)が倒されPKを獲得。優勝争いの中、勝ち点3を賭けた緊張する場面でのPKをFWチキーニョ・ソアレスが右上隅に大胆に決め土壇場でボタフォゴがリード。(0-1)
(CFC)後半45+9分 :
失点直後のキックオフ、コリチバは最終ラインでボールを回し、ゴール前にロングフィード。ディフェンダーにクリアされたボールを拾い、左サイドライン際から右サイド奥へ大きくサイドチェンジ。このボールを受けたSBナタナエウはペナルティエリア手前のMFマルセリーノ・モレノ(Marcelino Moreno, 1994)にボールを下げると、MFマルセリーノ・モレノはディフェンダーのマークを引き付け、ディフェンダーが空けたスペースにボールを送る。そこにSBナタナエウが走り込みボールを受けると、最終ラインとGKの間を通すファーサイドへの低い弾道のクロス。フリーで駆け上がったFWエドゥが足を合わせゴールネットを揺らす。試合再開から約30秒、実質的に最後のプレーで意地を見せたコリチバが同点に追いつく。(1-1)
試合概要、所感 etc.
ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:46% 54%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:13-21(2-6)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:84% 82%
他試合の中継をテレビで見ていると、画面が切り替わり、ペナルティマークにボールが据えられたシーンが映し出された。画面左上の表示を見ると、得点は0-0、アディショナルタイムは5分で、時間は後半51分を回っている。
ボタフォゴFWチキーニョ・ソアレスが助走を始めると、シュートはゴール右上隅に突き刺さり、その瞬間、CBアドリエウソン(Adryelson, 1998)がチアゴ・ヌーネス(Tiago Nunes)監督と抱き合って喜ぶ姿に画面は切り替わり、画面ではアドリエウソンは涙さえこぼれているようにも見えた。
全国選手権前半を独走で折り返したものの、監督の引き抜きをきっかけに首位を陥落したボタフォゴが、今節は苦戦の末試合終了間際の勝ち越しゴールで、先に試合を終えたパウメイラスとの勝点差を1ポイントに保ったまま試合を終えた。と思いテレビを切った。
ところが、降格が決まっているコリチバが意地を見せ、試合再開からの30秒間で同点に追いついていたとは。。。
ボタフォゴは、天から地に突き落とされるような引き分け。これで4試合連続の引き分け、その前の4連敗を含め、9試合勝ち星から遠ざかる。そして、首位パウメイラスとの勝点差は3ポイントに拡がった。
残り2試合の対戦相手は、(H)クルゼイロ、(A)インテルナシオナウ。2試合に連勝し、パウメイラスの敗戦を報を待つのみ。
コリチバは、すでに降格が決まっており、モチベーションを維持するのが難しい試合。先発にプロデビューとなるGKペドロ・モリスコ(Pedro Morisco, 2004)を起用し、チームが一丸となって若きGKの門出を祝うことを目指す。
立ち上がりはボタフォゴに押し込まれるものの、次第にカウンターからチャンスを見出し、前半32分には相手の一発レッドで数的優位に立ち、試合の主導権を握っていく。
しかし、前半終了間際にコリチバからも一発退場。
数的有利のなくなったコリチバは、後半に入るとボタフォゴにスペースを有効に使われ一方的に押し込まれ、カウンターからも得点の糸口さえ掴めない。何とか引き分けで終えるかと思われた後半45+4分にPKを献上しリードを許す。
試合もここまでかと思われたが、試合再開後の30秒でFWエドゥのゴールで引き分けに持ち込んだ。
プロ初出場のGKペドロ・モリスコは、ボタフォゴに21本ものシュートを浴びるもPK以外はゴールを死守。若き守護神を助けるべく、ディフェンダー陣も身を挺してボタフォゴのシュートを防ぐ。
7月の加入後、これまでほとんど試合に出場することのなかった2021年全国選手権2部得点王のFWエドゥが10月18日以来の出場、8月20日以来のゴール。
残り2試合の対戦相手は、(A)RBブラガンチーノ、(H)コリンチャンス。来季を見据えた試合で一つでも多くの勝ち点を積み重ねたい。
グレミオ(GRE) 2-1 ゴイアス(GOI)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=WLC6lys-PRQ
(GOI) : 28' #40 モレリ(Morelli, 1997)[]
(GRE) : 50' #10 フェヘイラ(Ferreira, 1997)[#9 ルイス・スアレス(Luis Suárez, 1987)]
(GRE) : 56' #19 クリスタウド(Cristaldo, 1996)[]
見どころ(試合前の順位)
グレミオは全国選手権18勝5分12敗勝点59の5位。
ゴイアスは全国選手権8勝11分16敗勝点35の18位。
得点シーン
(GOI)前半28分 :
GKからグレミオがプレスに来るところをCBブルーノ・メロ(Bruno Melo, 1992)が前線へロングフィード。FWフリアン・パラシオス(Julián Palacios, 1999)が空中戦に競り勝ち前方へボールを落とすと、ディフェンダーのクリアミスもあり、VOLモレリが抜け出しGKと一対一。これを冷静にゴールに流し込みゴイアスが先制。(0-1)
(GRE)後半5分 :
相手陣左サイドライン際から送られたボールを、FWルイス・スアレスがペナルティエリア手前からワンタッチでペナルティエリア内左へボールをさばくと、そこに駆け込んだFWフェヘイラが胸トラップから切り返しでディフェンダーをかわしシュート。ボールはファーサイドのゴールポストを叩きゴールネットを揺らす。(1-1)
(GRE)後半11分 :
左サイドからペナルティエリア手前に送られたボールが宙に浮き、ディフェンダーが頭でボールをGKに送ろうとするが、そのボールが中途半端となりGKは前に出ることができない。落ちてくるボールをMFクリスタウドがダイレクトボレー。ボールはGKのニアサイドを抜けゴールネットを揺らす。(2-1)
試合概要、所感 etc.
ボール保持率: 前半:44% 56% ⇒ 前後半:44% 56%
シュート(枠内): 前半:5‐3(2-2) ⇒ 前後半:13-12(8-6)
パス成功率: 前半:79% 80% ⇒ 前後半:78% 80%
直近2試合の連敗で優勝争いから一歩後退したグレミオだが、リベルタドーレス本戦出場権を獲得する4位以内を死守したい。一方のゴイアスは、負ければ降格が確定するものの、先に試合を終えた残留争いのライバルが悉く勝ち点を積み上げられず、勝てば何とか残留に望みを繋げることができる。
モチベーションも高くピッチに立った両チームだが、静かな立ち上がりを迎える。試合は膠着状態のまま時間を経過するが、前半28分、ゴイアスがシンプルにボールを縦に繋ぎ先制点。グレミオは前半35分に戦術的な選手交代を行うが状況は思うようには改善しない。前半37分にはゴイアスが再びカウンターから大きなチャンスを迎えるが、これは今季途中加入でグレミオで2試合目の出場となる第2GKカイーキ(Caíque, 1997)が身を挺して阻止。前半はゴイアスが得点、内容ともにグレミオを上回って前半を終える。
後半開始時にグレミオはさらに2選手を交代、陣形も4バックから3バックに移す。しかし、ゴイアスは後半1分にMFルイス・オヤマ(Luís Oyama, 1997)がシュートに持ち込むがグレミオGKカイーキが両手でCKに逃れ、そのCKからゴイアスFWヴィニシウス(Vinícius, 1993)が綺麗に頭を合わせるが、グレミオGKカイーキが片手でボールを掻き出しゴールを守り切る。
立ち上がりのピンチを凌ぐとグレミオが反撃。後半5分にFWルイス・スアレスのワンタッチパスがFWフェヘイラのゴールを生み出す。さらにその6分後の後半11分、相手のミスをついたMFクリスタウドのボレーで一気に逆転。
攻守が噛み合ってきたグレミオはFWルイス・スアレスを中心になおもゴイアスゴールに迫るが、ゴイアスGKタデウ(Tadeu, 1992)が再三の好守で追加点を許さない。しかし、ゴイアスはGKタデウの奮闘に攻撃陣は応えることができず、試合は2-1でグレミオの勝利。グレミオは4位まで勝点差1の5位をキープ。一方のゴイアスは降格が確定した。
グレミオの残り2試合の対戦相手は、(H)ヴァスコ・ダ・ガマ、(A)フルミネンセ。ヴァスコ・ダ・ガマは残留争いに巻き込まれており油断はできない。フルミネンセはリベルタドーレス王者。難敵が続くが、リベルタドーレス本戦に向け2連勝でシーズンを締めくくりたい。
ゴイアスは、4連敗で残り2試合を残し降格が確定。潤沢とは言えない選手層のなか、コパ・スウアメリカーナは決勝ラウンドへ進出、全国選手権の前半戦を独走したボタフォゴに今季初黒星をつけるなど、戦前の評価を覆す健闘を見せたが、最後は力尽きた形となった。
MFギリェルミ・マルケス(Guilherme Marques, 1991)の精度の高いキックを武器とした得点力の高いセットプレー、ボックストゥボックスでピッチを走り回るVOLモレリ(Morelli, 1997)、クラブ在籍最長記録を持つ守護神タデウなど、印象に残るプレーや選手も多かっただけに来年も1部で見たかった。
来季は選手も大幅に入れ替わり、一からのスタートになるだろうが、一年での1部復帰を期待したい。
残り2試合の対戦相手は、(A)フォルタレーザ、(H)アメリカ・ミネイロ。
クルゼイロ(CRU) 1-1 アトレチコ・パラナエンセ(CAP)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=mE58rqeOkMI
(CAP) : 65' #9 ヴィトル・ホッキ(Vitor Roque, 2005)[#26 エリキ(Erick, 1997)]
(CRU) : 84' #96 マテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)[#10 ニカォン(Nikão, 1992)]
見どころ(試合前の順位)
クルゼイロは全国選手権11勝11分13敗勝点44の13位。
アトレチコ・パラナエンセは全国選手権13勝13分9敗勝点52の8位。
得点シーン
(CAP)後半20分 :
右サイドをWBクエージョ(Cuello, 2000)がボールを持ち上がるが、クルゼイロの帰陣が早く、一旦後方へボールを戻す。アタッキングサード入口でVOLフェルナンジーニョがボールを受けると、ペナルティエリア内最終ラインの裏へ柔らかな浮き球のパス。VOLエリキが頭でゴール前にボールを落とすとFWヴィトル・ホッキが膝でボールをゴールに押し込む。(0-1)
(CRU)後半39分 :
左サイドからのクロスは誰にも合わず逆サイドへ流れるが、クルゼイロがそのボールを確保し、MFニカォンを経てペナルティエリア中央手前のMFマテウス・ペレイラにボールが渡る。MFマテウス・ペレイラは左足で外から巻き込むシュートでゴール左隅を狙うと、GKベントが飛びつくものの、ボールはGKベントの指先を越えゴールネットを揺らす。(1-1)
試合概要、所感 etc.
ボール保持率: 前半:47% 53% ⇒ 前後半:54% 46%
シュート(枠内): 前半:11‐3(5-2) ⇒ 前後半:24-6(9-3)
パス成功率: 前半:84% 90% ⇒ 前後半:86% 84%
クルゼイロが試合を支配した試合。ゴレアーダ(Goleada, 一方のチームが4点以上取った大量得点試合の意)になっても不思議でない内容だったが試合は1-1で終えた。
クルゼイロは、二列目のMFマテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)が前後左右に比較的に自由に動いて攻撃を司る。MFマテウス・ペレイラが動くことで出来たスペースをMFジャパ(Japa, 2004)とMFイアン・ルーカス(Ian Luccas, 2003)が有効に使い攻撃に厚みをつける。ツートップが最終ラインを押し下げ、両SBが左右のバランスを取り機を見て攻撃に参加、有機的に攻撃が展開される。
前半8分、右サイドゴールライン手前から下げられたボールをSBウィリアン(William, 1995)がゴール前にクロス。FWアルトゥール・ゴメスが頭で叩きつけたボールはクロスバーに弾かれる。そのボールを再びFWアルトゥール・ゴメスが頭で押し込もうとするがGKベント(Bento, 1999)が倒れ込みながら両手で弾く。こぼれ球をVOLイアン・ルーカスがシュート、ブロックされたボールをFWアルトゥール・ゴメスがヒールで流しSBマルロン(Marlon, 1997)が低い弾道のシュート。ボールはGKベントの脇を抜けるが、CBチアゴ・エレーノ(Thiago Heleno, 1988)がゴールライン上でクリア。
前半9分にVOLマシャード(Machado, 1996)が直接狙ったFKは、GKの手前でバウンドする難しいボールだったがGKベントが倒れ込みながらCKに逃れる。前半18分、左SBマルロンがペナルティエリア内ゴールライン際までボールを持ち込みマイナスのクロス。これは誰にも合わず流れるが、MFジャパがペナルティエリア手前まで流れたボールを強烈なシュートに持ち込む。しかし、CBチアゴ・エレーノがゴール手前でブロック。前半23分のVOLマシャードのミドルシュートもGKベントがしっかりとキャッチ。前半33分には、右サイドライン際を上がるSBウィリアンが、ペナルティエリア内を4選手が並びゴール前に向かうが、その一列後ろを上がるVOLイアン・ルーカスへクロス。しかし、これもGKベントがキャッチ。
一方の前半の終盤に差し掛かるとアトレチコ・パラナエンセも反撃を開始。前半44分にFWウィリアン(Willian, 1986)が相手陣でボールを奪い、GKとの一対一となるが、間合いを詰めたGKハファエウ・カブラウ(Rafael Cabral, 1990)がFWウィリアンの至近距離からのシュートを片手で弾き返す。
後半3分、8分、12分、14分と相次いでクルゼイロがボールを繋ぎ、またはセットプレーからシュートに持ち込むが、いずれのシュートもボールは枠を捉えない。
すると、後半20分、アトレチコ・パラナエンセが僅かなチャンスを生かし、ケガから復帰後2戦目で後半開始時にピッチに立ったFWヴィトル・ホッキがゴール。
後半28分、クルゼイロはMFマテウス・ペレイラがペナルティエリアでシュートモーションに入ったところを足かけられ転倒。クルゼイロがPKを獲得。しかし、またもやアトレチコ・パラナエンセ守護神ベントが片手一本でゴール右隅に蹴られたボールを弾き返す。
後半39分、押し込みながらもゴールを奪えないクルゼイロだったが、MFマテウス・ペレイラがGKベントの牙城を崩す。
試合はこのままタイムアップ。クルゼイロが圧倒的に攻めた試合は1-1で幕を下ろした。
クルゼイロは、リズムのいいボール回しと厚みのある攻撃で面白みのある試合を展開。しかし、リーグ最少得点のチームはアトレチコ・パラナエンセのGKベントを中心とした鉄壁をなかなか崩すことができず1-1に終えた。
この試合の結果、降格の対象となるチームとの勝点差は4ポイントに広がった。
残り2試合の対戦相手は、(A)ボタフォゴ、(H)パウメイラス。いずれも優勝争いを繰り広げる強敵。しかし、前回の対戦では、当時首位を独走していたボタフォゴとは内容を大きく上回った引き分け。パウメイラスとも対戦でも最後のプレーまで0-0と苦しめた。今節の内容を継続させ、地力で残留を決めたい。
なお、クルゼイロは、今季プロデビューを果たした2004年生まれのMFジャパが自身5試合目の試合で初先発に抜擢。期限付き移籍中で4試合連続の先発起用となった2003年生まれのVOLイアン・ルーカス、前節プロ初ゴールを決め今節も惜しいシーンを作り出した2005年生まれのFWホベルチ(Robert)など、将来に向けた明るい材料が続々と活躍の場を広げている。
アトレチコ・パラナエンセは、GKベントを中心とした守備陣の奮闘で辛くも引き分け。勝ち星は10月25日以来7試合遠ざかっている。
ヴィトル・ホッキが9月21日第24節インテルナシオナウ戦でのケガから復帰2試合目で復帰後初ゴールを決めたが、それ以外に選手起用、戦術的に目新しいものはなく、チームは停滞している。
今季残り2試合の対戦相手は、(H)サントス、(A)クイアバ。次節サントス戦は今季ホーム最終戦。FWヴィトル・ホッキにとってもホームでの最終戦となる見込みが高いだけに、FWヴィトル・ホッキのゴール、そしてチームの勝利で、サポーターと共にヴィトル・ホッキを送り出したい。
RBブラガンチーノ(RBB) 1-2 フォルタレーザ(FOR)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=8GJhLL6sgts
(FOR) : 14' #22 ヤゴ・ピカチュー(Yago Pikachu, 1992)[#27 カレビ(Calebe, 2000)]
(FOR) : 23' #27 カレビ(Calebe, 2000)[#91 チアゴ・ガリャルド(Thiago Galhardo, 1989)]
(RBB) : 45+3' #19 エドゥアルド・サーシャ(Eduardo Sasha, 1992)[#7 エリキ・ハミーレス(Eric Ramires, 2000)]
見どころ(試合前の順位)
RBブラガンチーノは全国選手権16勝11分8敗勝点59の6位。
フォルタレーザは全国選手権12勝9分14敗勝点45の12位。
得点シーン
(FOR)前半14分 :
センターサークル内でRBブラガンチーノのパスミスを見逃さずMFカレビが掻っ攫うと、そのままドリブルで持ち上がり、ペナルティエリア手前左から右へボールを送る。これをフリーで受けたMFヤゴ・ピカチューがGKの位置を確認に右足を一閃。ニアサイドのゴールポストを叩いたボールはファーサイドのゴールネットを揺らす。(0-1)
(FOR)前半23分 :
相手陣左サイドでボールを奪うと、ボールは中央MFカレビに送られる。MFカレビはトラップで縦に大きくボールを置くとそのままGKと一対一に。追いすがるディフェンダーを振りほどき、放たれたシュートはGKの脇を抜けゴールネットを揺らす。(0-2)
MFカレビは、サンパウロ、アトレチコ・ミネイロの下部組織出身。2020年11月にアトレチコ・ミネイロから20歳でのプロデビューを果たす。選手層の厚いアトレチコ・ミネイロの中、2021年、22年と続けて30試合弱の試合出場にとどまるが、2023年2月にフォルタレーザが、その素質や将来性を評価し、選手保有権の50%について600万レアル(約1億8000万円)の移籍金、2026年末までの契約で獲得。これはクラブの史上最高額に並ぶ契約となった。今季はポジション争いを繰り広げながらもフォルタレーザで53試合(うち先発29試合)6得点8アシストを記録。特に今節を含めた最近の3試合で2得点3アシスト。今節2点目に繋げたトラップやシュート技術はその移籍金を補って余りあるものを感じさせた。
(RBB)前半45+3分 :
相手陣左サイドライン際からFWモスケーラ(Mosquera, 2001)がドリブルでペナルティエリアに侵入。その間に、右サイドから左へポジションを移し、FWモスケーラに寄せに行くディフェンダーの背後のスペースに入り込んだVOLエリキ・ハミーレスが、FWモスケーラからのパスをダイレクトにシュート。FWエドゥアルド・サーシャに当たりコースを変えたボールがゴールに吸い込まれる。(1-2)
試合概要、所感 etc.
ボール保持率: 前半:71% 29% ⇒ 前後半:67% 33%
シュート(枠内): 前半:6‐3(3-3) , ⇒ 前後半:14-6(6-4)
パス成功率: 前半:85% 55% ⇒ 前後半:82% 60%
RBブラガンチーノは、首位目前に迫った11月5日第32節の勝利以来、1引分けを挟んで4連敗。
今節はいつものようにボールを支配しながらも、以前とは異なりパスミスや自陣でのボールロストからピンチを迎え、前半だけで2失点。
前半の内に1点を返したものの、なかなか同点に追いつけないRBブラガンチーノは、後半29分にピッチ外でVOLエリキ・ハミーレスが相手選手の足を踏みつけ、その4分後にはFWアレハンドロ(Alerrandro, 2000)が相手ゴールライン際でボールとの間に体を入れる相手選手を故意に蹴る行為で、相次いでレッドカードを提示される。
9人になりながらも勝ち点を目指すRBブラガンチーノは、後半45+2分に左サイドライン際を細かいパスで繋ぎ、MFマテウス・ゴンサウヴェス(Matheus Gonçalves, 2005)が逆サイドのペナルティエリアへロングパス。これをCBレアルペ(Realpe, 2001)が受け右足を振り抜くが、GKジョアン・ヒカルド(João Ricardo, 1988)が倒れ込みながら、両手でCKに逃れる。
RBブラガンチーノの反攻も空しく、試合は2-1でフォルタレーザが勝利を収めた。
RBブラガンチーノは若手主体の育成型のチーム。過去に主力選手として優勝争いや優勝経験があるのはFWエドゥアルド・サーシャ(Eduardo Sasha, 1992)くらい。その経験不足が仇となり、以前にはなかったパスミスや、守備面でのカバーリングが甘くなり、攻撃面では拙攻が続くなど、最近の5試合で勝ち点を伸ばすことができず6位まで順位を落とした。
しかし、この経験はクラブや監督、各選手の財産となるはず。
就任一年目で、州選手権は決勝ラウンド一回戦の敗退、2つのカップ戦も期待にそぐわない早期の敗退など紆余曲折はあったものの、若いチームを優勝争いに加わるまでチームを作り上げたペドロ・カイシーニャ(Pedro Caixinha)監督が2024年も指揮を執るようならば、さらに高みへとクラブは前進することができるだろう。
今季残り2試合の対戦相手は、(H)コリチバ、(A)ヴァスコ・ダ・ガマ。一つでも勝ち点を積み重ね、優勝争いに加わったシーズンを締めくくりたい。
フォルタレーザは、準優勝に終えたコパ・スウアメリカーナ決勝戦を含め、10試合勝ち星から遠ざかったが、今節は10月8日以来の勝利。コパ・スウアメリカーナ閉幕後は、目標を失い、モチベーションを維持するにも苦労したように見えるが、何とか長いトンネルを抜け出した。
残り2試合の対戦相手は、(H)ゴイアス。(A)サントス。次節はホーム最終戦。10月8日以来のホームの勝ち星で、一年間支えてもらったサポーターに笑顔を送りたい。