フォルタレーザ (Fortaleza)
正式名称:Fortaleza Esporte Clube
略称:FOR
創立:1918年
本拠:セアラー州 フォルタレーザ
《 主要タイトル & クラブ概略 》
タイトル | 優勝回数 | 優勝年 |
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N/A | N/A | N/A |
フォルタレーザは、ブラジル北東部セアラー州のフォルタレーザ市に1918年に創立された地元の名門クラブ。愛称は『レアォン(Leão、ライオンの意)』または『レアォン・ド・ピチ(Leão do Pici』。「Pici」とは本拠地スタジアムが位置する地区名で、その地区名の由来は第二次世界大戦でアメリカ軍が指揮所(英語で「Command Post」、ポルトガル語で「Posto de Comando (略してPC)」)を置いたことによる。「PC」が訛って「PiCi(ピチ)」となった。
全国選手権創成期の1960年代に2度の準優勝を果たしたが、1970年代になり1部リーグで下位に低迷するようになると、1980年代は1部リーグと2部リーグを行き来するようになる。1990年代には6シーズンを3部リーグで戦い、2010年に再び3部リーグに降格すると8シーズン停滞。2017年に3部リーグ準優勝を収め、2部リーグへの再昇格を果たすと、クラブ創設100周年を迎える2018年シーズンには、クラブとして史上初めて全国レベルのタイトル2部リーグ優勝を果たし、1部リーグに復帰する。
2019年には全国選手権で9位に躍進し、初めての国際大会となる翌年のコパ・スウアメリカーナ出場権を獲得。 2021年、コパ・ド・ブラジルで過去最高の準決勝に駒を進めると、全国選手権では4位に食い込みクラブ史上初のリベルタドーレス出場権を獲得。
近年の躍進の要因は何だったのか?
2015年、当時32歳のマルセロ・パス(Marcelo Paz)氏がフォルタレーザSCサッカー部門の責任者に就任。翌年にはクラブの副代表、そして2017年末にクラブ代表に就任。マルセロ氏は、経営陣にプロ意識を植え付け、現場と頻繁にコミュニケーションを取り、計画的に組織を運営。これらの施策はクラブ内の風通しを良くし、組織、経営の透明性が高まっていく。収支面ではクラブ規模に見合った選手構成を図り収支のバランスをはかる。そして、クラブ改革と並行してサポーターとクラブの”絆”を深めていく。
2部リーグを戦う2018年終盤、試合での微妙な判定が続き、チームは連敗を喫し首位陥落のピンチを迎えると、クラブや審判団に対するサポーターの批判の声が高まってくる。すると、クラブは映像や技術的な指摘を添え、審判の判定に関する「要望書」をブラジルサッカー連盟(CBF)に提出。クラブはこの「要望書」で現場を後押しし、共に戦う姿勢をみせると、サポーターに対しては、チームが優勝し、翌年の1部昇格を成し遂げるためにも、直接スタジアムに足を運んで選手たちを後押しするよう「要望」を発表する。 このようにサポーターへ直接的、間接的に働きかけを続けた結果、1試合当たりの観客動員数は、2018年は2部リーグ10位だったものが、2023年は1部リーグ5位にまで増加した。
クラブ運営の面では、2020年、コロナ感染症の拡大によりサッカーの試合が開催不能になると、クラブ経費の約50%を占める選手報酬の削減のため、経営幹部はクラブの状況を選手たちに説明し、選手報酬の25%の減額を実施(後に一部を除き支給)、また経営陣の給与も15%カットして、クラブ従業員の雇用を守る。
選手補強では、監督の要望に基づきながらも、契約が満了し移籍金がかからない選手を重点に獲得交渉。シーズン途中の7月の移籍ウィンドウでも、国外のシーズンが終えるタイミングを見計らい国外クラブ在籍の選手を中心に獲得。一方で、国内外で実績を残し、即戦力、加入後のリーダーシップが期待できる選手は、比較的大きな投資額でもピンポイントの獲得。移籍交渉では、早い段階でマルセロ氏が直接代理人と膝を交え、スピーディに交渉を成立させていく。 2022年に移籍加入した複数の選手が、フォルタレーザECの選手への待遇の良さや経営陣のプロフェッショナリズム、クラブの方向性について、メディアのインタビューで好意的な印象を話している。
マルセロ氏は下部組織にも経営資源を振り分け、2022年には下部組織から昇格した選手が試合出場を果たすようになり、U-17チームは全国選手権、コパ・ド・ブラジルで共に準々決勝まで駒を進め、U-20チームも2021年から全国選手権1部に継続して参戦、例年 年初に開催される全国大会カップ戦では2023年に初めて決勝ラウンドに進出するなど、その成果が表れつつある。
2023年9月、クラブは組織形態をSAF(スポーツ(サッカー)専門株式)へ変更する決議を採択。SAFのCEOに就任したマルセロ氏はバイエルン・ミュンヘン/GERをモデルにした健全的なクラブを構築していくことを表明する。
《 直近3年成績(2021年-2023年) 》
大会 | 2023年成績 | 2022年成績 | 2021年成績 |
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ブラジル全国選手権 | 10位 | 8位 | 4位 |
コパ・ド・ブラジル | ベスト16敗退 | 準々決勝敗退 | 準決勝敗退 |
コパ・リベルタドーレス | 予備予選3回戦敗退 | ベスト16敗退 | ― |
コパ・スウアメリカーナ | 準優勝 | ― | ― |
セアラー州選手権 | 優勝 | 優勝 | 優勝 |
コパ・ド・ノルデスチ (北東部カップ戦) | 準決勝敗退 | 優勝 | 準決勝敗退 |
各大会の概要は、当ブログ記事「主要大会と年間日程」を参照ください。
《 全国選手権 順位推移(2006年-2023年) 》
現行レギュレーション(20チームによるホーム&アウェイ方式2回戦総当たり)で開催された2006年以降の全国選手権順位推移。
《 2023年 》
<戦績>
大会 | 試合 | 勝利 | 引分 | 敗北 | 得点 | 失点 | 得失差 | 順位等 |
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コパ・リベルタドーレス | 4 | 1 | 1 | 2 | 5 | 3 | 2 | 予備予選敗退 |
コパ・スウアメリカーナ | 13 | 9 | 3 | 1 | 28 | 10 | 18 | 準優勝 |
全国選手権 | 38 | 15 | 9 | 14 | 45 | 44 | 1 | 10位 |
コパ・ド・ブラジル | 4 | 3 | 0 | 1 | 9 | 4 | 5 | ベスト16敗退 |
セアラー州選手権 | 9 | 6 | 2 | 1 | 21 | 8 | 13 | 優勝 |
コパ・ド・ノルデスチ | 10 | 7 | 0 | 3 | 21 | 8 | 13 | 準決勝敗退 |
計 | 78 | 41 | 15 | 22 | 129 | 77 | 52 |
<全国選手権 年間順位推移>
<振り返り>
【シーズン前・補強】
2021年5月に監督に就任したボイボダ(Voyvoda)監督が続投。
シーズン前には、攻守に活躍したSBジュニーニョ・カピシャバ(Juninho Capixaba, 1997)が移籍したものの、主力クラスの退団は最小限に抑えられ、一方で、今季年間を通して活躍することになるGKジョアン・ヒカルド(João Ricardo)、SBブルーノ・パシェコ(Bruno Pacheco, 1991)、MFポチェチーノ(Pochettino, 1996)、FWルセロ(Lucero, 1991)などを獲得。州選手権開幕後にも年間を通して活躍するMFカレビ(Calebe, 2000)を獲得する。
【セアラー州選手権】
2023年1月14日、セアラー州選手権が開幕。セアラー州選手権は2022年に2部へ降格したセアラーSCと2強を構成する大会。予選ラウンドは、セアラーSCに敗れ4勝1敗で決勝ラウンドに進出。
決勝ラウンド一回戦(準決勝)の対戦相手は全国選手権4部フェホヴィアリオ。3月12日(A)は1-1で終えるが、3月19日(H)2ndレグは前半30分に相手から退場者が出たこともあり4-0の完勝を収め決勝に駒を進める。
決勝戦は、セアラーSCとの再戦。 4月1日(H)1stレグは、MFルーカス・サシャ(Lucas Sasha, 1990)とVOLカイオ・アレシャンドレ(Caio Alexandre, 1999)のゴールで2-1と先勝。 4月8日(A)2ndレグは、前半のうちに2点を奪われ2試合合計でリードを許すが、前半終了間際のFWルセロのPK、後半42分のMFカレビのゴールで再逆転。苦しみながらも5連覇を達成する。
【コパ・ド・ノルデスチ】
2023年1月21日に開幕節を迎えた北東部州のクラブで競われるコパ・ド・ノルデスチ。 予選ラウンドは、全国選手権1部チームとの対戦が1試合、2部チームと2試合、3部チームと2試合、4部チームと3試合の計8試合の対戦。6勝2敗で決勝ラウンドに進出する。
3月25日の決勝ラウンド一回戦(準々決勝)は、セアラー州選手権準決勝と同じくフェホヴィアリオとの対戦となったが、FWルセロの2得点など4-0と返り討ちをあわせ準決勝に進出。
3月29日準決勝は、セアラーSCと今季4回目の対戦。 ホームの試合ながら前半13分にPKから失点を喫すると前半を1-2で折り返し、後半早々に3点目を奪われると、後半9分に退場者を出し数的不利の展開に。後半19分に1点差に迫るが反撃もここまで。コパ・ド・ノルデスチは準決勝で後にした。
【リベルタドーレス】
2023年2月23日(A)、3月2日(H)に開催されたコパ・リベルタドーレス予備予選二回戦。セアラー州選手権、コパ・ド・ノルデスチに続き、3つ目の大会が開幕する。
前年ウルグアイリーグのレギュラーシーズンで3位の成績を残したデポルティボ・マルドナードとの対戦。 1stレグは0-0の引分けに終えるが、2ndレグは前半終了間際に先制点を奪い、終了間際の3連続得点で完勝。
予備予選三回戦の対戦相手は、2022年のリーグ戦前後期、カップ戦の3大会で、いずれも2位の成績を残したパラグアイの強豪セロ・ポルテーニョ。 3月9日(H)1stレグを0-1で落とすと、3月16日(A)2ndレグも試合をコントロールされ2点のリードを許すと、反撃も終了間際の1点に抑えられ、リベルタドーレスを敗退する。
【コパ・ド・ブラジル】
リベルタドーレス出場のため、三回戦からの出場となるコパ・ド・ブラジル。 三回戦の対戦相手は、二回戦でゴイアスから金星を挙げた全国選手権4部アーギア。4月11日(H)を控え選手中心のチームで6-1の大勝を収めると、4月26日(A)も控え選手中心で2-0でまとめベスト16に駒を進める。
ベスト16の対戦相手はパウメイラス。 5月17日(A)1stレグは、4月1日州選手権決勝1stレグの勝利以降、負けなしの8勝5分で試合に臨んだが、前半11分、18分と連続失点を喫すると、パウメイラスに試合をコントロールされ、試合終了間際にも追加点を奪われ0-3の敗戦。 5月31日(H)2ndレグは、多くの時間を相手陣でボールを展開するものの、守備を固めるパウメイラス守備網を攻略することができず、後半28分のFWルセロのゴールによる1得点を返すにとどまり、コパ・ド・ブラジルはベスト16で姿を消した。
【コパ・スウアメリカーナ】
リベルタドーレス予備予選三回戦での敗退を受け、グループラウンドから参戦するコパ・スウアメリカーナ。
2023年4月6日開幕節は4-0の完勝。 4月20日第2節、グループラウンドの最大のライバルと目されるサンロレンソ/ARGとのアウェイでの対戦は、後半45分のオウンゴール、後半45+2分のFWギリェルミ(Guilherme, 1995)のゴールで2-0の勝利を収める。 公式戦3連勝で迎えた5月24日(H)サンロレンソ戦、リードしては追いつかれる展開となるが、後半45+7分にMFヤゴ・ピカチュー(Yago Pikachu, 1992)がPKを決め、決勝ラウンド進出に向け貴重な勝ち点3を獲得。 第5節は控え選手中心の先発メンバーで0-1と試合を落とすが、第6節は2-1の勝利。予選ラウンドは5勝1敗の成績でグループ1位、決勝ラウンドに駒を進めた。
2023年8月1日、アウェイでの決勝ラウンド一回戦(ベスト16)リベルタ/PAR戦、直近の全国選手権で3連敗を喫して試合に臨む。試合は、前半20分、FWギリェルミがドリブルで左サイドをゴールライン際までボールを持ち上がり、マイナスのグラウンダーのクロス。これにVOLゼ・ウェリソン(Zé Welison, 1995)が足を振り抜き先制ゴール。このゴールを最後まで守り抜き1-0の勝利。 8月8日ホームでの2ndレグは前半44分に失点、2試合合計で同点に追いつかれる。しかし、試合終了間際の後半45+1分、7月初めに大きな期待を受け加入したものの、5試合連続無得点でサポーターの批判の対象になりつつあったFWマリーニョ(Marinho, 1990)が、ペナルティエリア手前右のFKを直接ファーサイドのサイドネットに突き刺すゴラッソ。チームを準々決勝に導く。
準々決勝の対戦相手は全国選手権で最下位争いに低迷するアメリカ・ミネイロ。 2023年8月24日(A)の一戦は、アメリカ・ミネイロが控え選手を交えた先発メンバーで試合に挑むと、フォルタレーザは前半にFWギリェルミの2得点、MFポチェチーノの1得点を奪い3-1で先勝。 8月31日(H)2ndレグは、アメリカ・ミネイロが若手選手を織り交ぜる中、前半22分FWギリェルミ、後半21分FWマリーニョのゴールで2-1で試合を終え、準決勝に駒を進める。
準決勝の対戦相手はコリンチャンス。 2023年9月26日(A)は守備的な試合。前半22分にVOLゼ・ウェリソンのゴールで先制するが、前半40分に追いつかれる。しかし、1-1の引分けはプラン通りの結果か。 10月3日(H)2ndレグは、後半4分にペナルティエリア内での混戦からMFヤゴ・ピカチューがボールをゴールに蹴り込み先制。後半10分、左サイドライン際からの左SBブルーノ・パシェコのクロスをゴール前右で右SBチンガがスタンディングのヘディングシュート。後半開始10分で立て続けに2ゴールを奪うと、その後は試合をコントロールし2-0の勝利。クラブ史上初の国際大会優勝を懸けた決勝戦への進出を決めた、
2023年10月28日、中立地ウルグアイ東方共和国マルドナードで開催される一発勝負の決勝戦。 対戦相手はLDUキト/EQU。
快晴のもとキックオフの笛が吹かれると、フォルタレーザが立ち上がりから、右サイドFWマリーニョのスピードをいかし優位に試合を展開する。前半を0-0で折り返すが、後半3分、MFポチェチーノが右サイドライン際をゴールライン際までボールを持ち上がり、ゴール前に上げた速いクロスにFWルセロが足を合わせGKのニアサイドを抜く待望の先取点。 しかし、先制から8分後の後半11分、LDUキトFWアルスガライのゴラッソで同点に追い付かれる。以降は中盤の攻防が激しくなり、一進一退の攻防が続く。フォルタレーザは後半21分にMFヤゴ・ピカチューが流れから、後半23分にセットプレーからSBブルーノ・パシェコがシュートに持ち込むが、LDUキトGKの好セーブにゴールを奪うことができない。
試合は1-1のまま延長戦にもつれ込むが、それでも決着がつかず、優勝の行方はPK戦に持ち込まれる。 延長戦半ばに降り始めた雨が激しさを増す中、フォルタレーザはGKジョアン・ヒカルドがLDUキト1人目のPKをストップ。しかし、フォルタレーザも3人目が止められる。GKジョアン・ヒカルドは5人目のPKを止めるが、フォルタレーザは5人目、6人目がシュートストップに遭い、PK戦は4-5の敗戦。
初の国際大会タイトル獲得は叶わぬ夢と消えた。
【全国選手権】
2023年4月15日全国選手権開幕節ホームでのインテルナシオナウ戦は1-1の引分け。しかし、第2節コリチバ戦は3-0、第3節フルミネンセ戦4-2と連勝。フルミネンセはリオデジャネイロ州選手権優勝、公式戦7連勝中の難しい相手だったが、FWモイゼス(Moisés, 1996)の2ゴールなどで4-2と撃破。開幕ダッシュに成功するかと思われた。
しかし、5月8日第4節コリンチャンス戦で組織的な守備が綻び後半43分の失点で引分けに終えると、続く2試合では守備は立て直されるものの、攻撃が停滞し0-0の引分け。続く第7節はここまで全国選手権未勝利のアメリカ・ミネイロを相手に前半開始2分に失点し、苦しい展開に持ち込まれると、一度は同点に追いつくものの1-2の敗戦。勝ち点が思うように伸びない。
6月初めには、全国選手権のみならず2つのカップ戦でもサイドを起点とし攻撃陣を牽引していたFWモイゼスが、約375万ユーロ(約6億円弱)の移籍金を残しクルス・アスル/MEXへ移籍。一方で、6月20日にフラメンゴとの契約が満了に迫っていたサイドアタッカーFWマリーニョ(Marinho, 1990)を40万USD(約5700万円)で獲得。しかし、FWマリーニョは好プレーを見せるものの、僅かに他の選手との連係があわず、なかなかゴールに関与することができない。
結局、全国選手権の前半19試合は7勝5分7敗。11位の成績で前半戦を折り返す。
後半戦に入ると、FWマリーニョも次第にチームにフィット。FWマリーニョが下げたラインが空けたスペースを使いFWルセロがゴールを量産するなど、第20~26節を5勝1分1敗の好成績を収め。順位も来季リベルタドーレス出場権を獲得する6位まで浮上。
しかし、第27節ヴァスコ・ダ・ガマ戦を0-1で落とすと、コパ・スウアメリカーナ決勝戦の直前の試合、10月21日バイーア戦を控え選手中心のメンバーで臨み0-2の結果で2連敗。
10月28日コパ・スウアメリカーナ決勝戦はPK戦の末敗退し準優勝に終えると、そのダメージは大きく、その後の全国選手権7試合は3分4敗の成績で順位も13位まで転落する。
最終3試合は3連勝で締めくくったものの、全国選手権は15勝9敗14敗、リベルタドーレス出場権を逃す10位でのフィニッシュとなった。
選手権前半 : 7勝 5分 7敗、得点21失点19 選手権後半 : 8勝 4分 7敗、得点24失点25 選手権合計 : 15勝 9分14敗、得点45失点44
選手権ホーム : 9勝 6分 4敗、得点28失点20 選手権アウェイ : 6勝 3分10敗、得点17失点24
得点数45 : リーグ12位 失点数44 : リーグ11位(の多さ)
【主力選手・7月補強】
年間50試合以上に出場した選手は13選手。全国選手権も構成は異なるが13選手が25試合以上または1400分以上(その他の選手は21試合以下かつ1200分未満)の出場を果たす。
これを構成するのは、昨シーズン来最終ラインを支え続けるCBエマヌエル・ブリテス(Emanuel Brítez, 1993)、CBチチー(Titi, 1988)、SBチンガ(Tinga, 1993)。今季は替えの効かない選手へと成長したVOLカイオ・アレシャンドレ(Caio Alexandre, 1999)。ベテランの域に入りつつも、先発、途中交代から68試合17得点7アシストを記録したFWチアゴ・ガリャルド(Caio Alexandre, 1989, 2017年アルビレックス新潟)。先述の2023シーズン開幕前後に加入した5選手もポジション争いから抜け出し。ポジションに定着した
7月移籍ウィンドウでは、FWマリーニョのほか、将来性を見込んでアルゼンチン国籍選手FWマチューカ(Machuca, 2000)を選手保有権の50%に対し250万USD(約3億7500万円)の4年半の契約、スペイン下位リーグからアルゼンチン国籍のSBエスコバル(Escobar, 1997)を1年半の契約で獲得したが、後者の2選手は加入当初の出場機会を十分に活かすことができず、終盤は控えに回る試合がおおくなった。
【代表・世代別代表】
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<チーム内個人成績・記録>
* 参照元:サッカーサイト「Ogol」
記録 | 選手 | 公 式 戦 計 | 全 国 選 手 権 | ブ ラ ジ ル 杯 | 州 選 手 権 | リ ベ ル タ ド ー レ ス | ス ウ ア メ リ カ ー ナ | コ パ ・ ノ ル デ ス チ |
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最多試合出場 | ヤゴ・ピカチュー Yago Pikachu MF, 1992 | 74 | 37 | 4 | 9 | 2 | 13 | 9 |
(2位) | ポチェチーノ Pochettino MF, 1996 | 69 | 35 | 4 | 7 | 4 | 13 | 6 |
(3位) | チアゴ・ガリャルド Thiago Galhardo FW, 1989 | 68 | 33 | 2 | 9 | 4 | 11 | 9 |
最多出場時間 | チチー Titi CB, 1988 | 5716 | 2850 | 180 | 540 | 360 | 1177 | 609 |
(2位) | カイオ・アレシャンドレ Caio Alexandre VOL, 1999 | 5247 | 2638 | 90 | 733 | 360 | 955 | 471 |
(3位) | エマヌエル・ブリテス Emanuel Brítez CB, 1993 | 4906 | 2762 | 180 | 388 | 90 | 1050 | 436 |
最多得点 | ルセロ Lucero FW, 1991 | 24 | 9 | 1 | 3 | 2 | 3 | 6 |
(2位) | チアゴ・ガリャルド Thiago Galhardo FW, 1989 | 17 | 5 | 2 | 3 | 1 | 2 | 4 |
(3位) | ヤゴ・ピカチュー Yago Pikachu MF, 1992 | 13 | 7 | 1 | 1 | 0 | 3 | 1 |
最多アシスト | ポチェチーノ Pochettino MF, 1996 | 10 | 3 | 0 | 0 | 2 | 3 | 2 |
(2位) | カレビ Calebe MF, 2000 | 9 | 5 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1 |
(3位) | ヤゴ・ピカチュー Yago Pikachu MF, 1992 | 8 | 1 | 1 | 1 | 0 | 3 | 2 |
最多デュエル勝利 | ブルーノ・パシェコ Bruno Pacheco SB, 1991 | – | 170 | – | – | – | ||
(2位) | チンガ Tinga SB, 1993 | – | 165 | – | – | – | ||
(3位) | エマヌエル・ブリテス Emanuel Brítez CB, 1993 | – | 14 | – | – | – | ||
最多キーパス | ポチェチーノ Pochettino MF, 1996 | – | 40 | – | – | – | ||
(2位タイ) | チンガ Tinga SB, 1993 | – | 25 | – | – | – | ||
(2位タイ) | カレビ Calebe MF, 2000 | – | 25 | – | – | – | ||
最多CBI | エマヌエル・ブリテス Emanuel Brítez CB, 1993 | – | 140 | – | – | – | ||
(2位) | チチー Titi CB, 1988 | – | 137 | – | – | – | ||
(3位) | チンガ Tinga SB, 1993 | – | 127 | – | – | – |
※ デュエル勝利 : 一対一でのイーブンボールの奪い合いでボールを獲得すること キーパス : パスの受け手がシュートを打てた時にカウントされる指標 CBI : クリア、ブロック、インターセプト
《 2024年にむけて 》
<監督> ボイボダ監督との現行の契約は2024年末まで。他クラブからのオファーの噂もあるが、2024年もフォルタレーザで指揮を執るだろう。
<退団> インデペンディエンテ/ARGから期限付き移籍のFW氏ルビオ・ロメロ(Silvio Romero, 1988)は、一年半の在籍で99試合23得点6アシストの成績を残したが、契約は更新されず退団。 今季急成長を遂げたVOLカイオ・アレシャンドレはパウメイラスからの身元調査を受けるが、移籍の可能性は低い模様。
<加入・契約更新> パラグアイの強豪リベルタからCBアレクサンデル・バルボサ(Alexander Barboza, 1995)の獲得を12月22日に発表。 今季最多試合出場のMFヤゴ・ピカチュー、今季は多くの時間をケガのために棒に振ったFWペドロ・ホッシャ(Pedro Rocha, 1994)の契約が更新。 2023年6月にクルス・アスル/MEXへ移籍したFWモイゼスは、現地で期待通りの成績を残すことができず、2024年シーズンの復帰は口頭で合意済みとのこと。
<以上から> 2024年の選手構成は2023年と大きな変動はなし。 新加入CBアレクサンデル・バルボサが、強力な現レギュラー陣に食い込めるかどうか。2023年にレギュラーの座を奪われた形のCBベネヴェヌット(Benevenuto, 1996)の巻き返しにも期待したい。
ボランチはレギュラー陣は盤石なものの控えの層が薄く補強したいところ。SBには2023年途中加入のSBエスコバルがレギュラー争いに加わり、選手層は厚くなるはず。
主力選手の平均年齢はリーグの中でも高く、MFカレビ(Calebe, 2000)、FWマチューカ(Machuca, 2000)に続く選手を、外部からの補強、または内部昇格で獲得したいところ。