クラブ別2023年振り返り:フルミネンセ (Fluminense)

投稿者: | 2024年1月4日
クラブ紹介 フルミネンセ Fluminense ブラジル サッカー 全国選手権 タイトル 順位推移 2022年 個人成績

フルミネンセ (Fluminense)

正式名称:Fluminense Football Club

略称:FLU

創立:1902年

本拠:リオデジャネイロ州 リオデジャネイロ

《 主要タイトル & クラブ概略 》

タイトル優勝回数優勝年
ブラジル全国選手権42012, 2010, 1984, 1970
コパ・ド・ブラジル12007
コパ・リベルタドーレス12023
   フルミネンセはリオデジャネイロの4大クラブの一つ。リオデジャネイロ州選手権は1967年以降、4大クラブが独占しており、フルミネンセの優勝回数は33回を数え、フラメンゴ37回に次ぐ(2023年末現在)。
   しかし、1997年に全国選手権1部から2部、1998年に2部から3部に降格。ポルトガル語版ウィキペディアでは、この頃の記述がなく、クラブ、サポーターにとっては禁忌のようだ。
   4大クラブの中でも最大のライバルはフラメンゴ。フラメンゴとのクラシコは、『フル‐フラ(Flu-Fla)』または『フラ‐フル(Fla-Flu)』と呼ばれる。
   愛称は一般に『フルー(Flu)』、『トリコロール(トリコロール・カリオカまたはトリコロール・ダス・ラランジェイラス)(Tricolor、Tricolor Carioca または Tricolor das Laranjeiras)』とも呼ばれる。サポーターはクラブ・チームのことを『ネンセ(Nense)』と呼ぶことが多い。
   フルミネンセ下部組織出身で同クラブからプロデビューを果たした著名な選手の一人として、2014年、2018年W杯代表SBマルセロ(Marcelo, 1988)が挙げられる。
   マルセロは、2005年フルミネンセでのデビュー後、2007年1月にレアルマドリード/ESPへ移籍し2022年6月までの約15年半をレアルマドリード一筋でプレーする。その後、オリンピアコス/GREを経て、2023年2月、フルミネンセに復帰。
   この条件にはわずかに該当しないが、2010年大会以降、4大会連続でW杯代表を務めるCBチアゴ・シウヴァ(Thiago Silva, 1984)は、11歳から19歳までフルミネンセ下部組織で過ごしたが、プロデビューは他クラブで飾っている。
   2022W杯代表では、FWペドロ(Pedro, 1997)がフルミネンセ下部組織出身で同クラブからプロデビューを果たしている。

《 直近3年成績(2021年-2023年) 》

大会2023年成績2022年成績2021年成績
ブラジル全国選手権7位3位7位
コパ・ド・ブラジルベスト16敗退準決勝敗退準々決勝敗退
コパ・リベルタドーレス優勝3rdラウンド敗退準々決勝敗退
コパ・スウアメリカーナグループラウンド敗退
リオデジャネイロ州選手権優勝優勝準優勝
クラブワールドカップ準優勝
各大会の概要は、当ブログ記事「主要大会と年間日程」を参照ください。

《 全国選手権 順位推移(2006年-2023年) 》

現行レギュレーション(20チームによるホーム&アウェイ方式2回戦総当たり)で開催された2006年以降の全国選手権順位推移。
フルミネンセ 全国選手権 ブラジルリーグ 年度別順位推移

《 2023年 》

<戦績>

大会試合勝利引分敗北得点失点得失差順位等
クラブワールドカップ210124-2準優勝
コパ・リベルタドーレス13832241212優勝
全国選手権3816814514747位
コパ・ド・ブラジル4211624ベスト16敗退
リオデジャネイロ州選手権15101432923優勝
   723713221157441

<全国選手権 年間順位推移>

フルミネンセ 全国選手権 ブラジルリーグ 2023年間順位推移

<振り返り>

【シーズン前・補強】

   2022年4月30日にフルミネンセ監督に就任し、ボール支配にこだわった独特のサッカーを標榜、2022年全国選手権を3位の成績で終えたフェルナンド・ジニース(Fernando Diniz)監督が2023年も引き続き指揮を執る。
   2022年終盤の中核選手は多くが残留する一方、フェルナンド・ジニース監督のサッカーへの適性が低いと判断された選手は、主に期限付き移籍で他クラブでプレー機会を模索する。
   その中には、移籍先でレギュラーまたは準レギュラーとして活躍する選手が以下の選手が含まれた。
   バイーアへ期限付き移籍のCBダヴィジ・ドゥアルチ(David Duarte, 1995)、GKマルコス・フェリピ(Marcos Felipe, 1996)、MFヤゴ・フェリピ(Yago Felipe, 1995)、完全移籍FWビエウ(Biel, 2001)。
   サンパウロへ期限付き移籍のFW, SBカイオ・パウリスタ(Caio Paulista, 1998)とMFミシェル・アラウーホ(Michel Araújo,1996)。
   アトレチコ・パラナエンセへの期限付き移籍のFWウィリアン・ビゴージ(Willian Bigode, 1986)。
   また、2022年終盤に頭角を現したFWマテウス・マルティンス(Matheus Martins, 2003)を移籍金900万ユーロ(選手保有権90%、固定+インセンティブ総額)でウディネーゼ/ITAに売却する。(ウディネーゼ加入後すぐにワトフォード/ENGへ期限付き移籍)
   一方で、左SBマルセロ、右SBグーガ(Guga, 1998)、MFリマ(Lima, 1996)、FWケーノ(Keno, 1989)を即戦力として獲得。VOLアレキサンデル(Alexsander, 2003)、SBカレガリ(Calegari, 2002)、MFジョヴァーニ(Giovanni, 2002)、MFアルトゥール(Arthur, 2005)など下部組織出身(所属)の若手選手を州選手権で起用し戦力化を期待する。

【リオデジャネイロ州選手権】

   2023年1月14日にリオデジャネイロ州選手権が開幕。
   開幕3試合を無失点で3連勝を収める幸先のいいスタートを切る。
   2023年初のクラシコ第5節ボタフォゴ戦はPKの失敗もあり0-1の敗戦。続く第6節ヴォウタ・ヘドンダ戦も0-1と、2試合連続無得点で2連敗を喫する。
   しかし、ジニース監督はこの連敗後にチームを修正。すると、続く4試合を複数得点無失点の4連勝。そして迎えた3月8日第11節フラメンゴ戦では、前半にリードを奪われるものの、後半8分のFWヘルマン・カーノ、後半40分のMFガブリエウ・ピラーニのゴールで逆転勝ちを収め5連勝。予選ラウンドを首位で決勝ラウンドに進出する。
   決勝ラウンド一回戦(準決勝)は予選ラウンドで苦杯をなめたヴォウタ・ヘドンダを相手に、1stレグは再び1-2で返り討ちに遭うものの、2ndレグは7-0の大量得点で圧勝。決勝に駒を進める。
   決勝フラメンゴ戦は4月1日1stレグを0-2で落としたものの、4月9日2ndレグは移籍加入後2試合目のSBマルセロのゴラッソを皮切りに前半34分にFWヘルマン・カーノのゴール。後半11分にはFWヘルマン・カーノのこの試合2点目のゴールと、後半20分、VOLアレキサンデルのゴールで4得点。フラメンゴの反撃は試合終了間際の1点に抑え、2試合合計で4-3の逆転勝利。
   リオデジャネイロ州選手権は2連覇で幕を下ろした。

【コパ・ド・ブラジル】

   リベルタドーレス出場のため、コパ・ド・ブラジルは三回戦からの出場。
   三回戦の対戦相手は全国選手権3部のパイサンドゥ。
   全国選手権、リベルタドーレスとの並行開催で週2試合の日程が続く中、4月12日(H)、4月25日(A)はいずれもベストメンバーで試合に臨み、いずれも3-0の勝利を収める。
   準々決勝はフラメンゴとのクラシコ。
   5月16日の1stレグは、4月1日から続く週2試合の連戦の14試合目の試合。起用される選手も固定化され各選手に疲労が蓄積していく中、後半7分に退場者を出したこともあり、フラメンゴにボールを支配される時間が多くなる。しかし、最後までゴールを死守し、何とか0-0の引き分けに終える。
   6月1日の2ndレグは、1stレグを含め4試合連続無得点とチーム状況が苦しい中で迎える。ところが、1stレグとは打って変わり、ボールを支配し相手陣内でのプレー時間が長くなる。しかし、効果的に相手ゴールに迫ることができない。すると、前半33分に失点。その後もボールは支配するもののゴールは遠く、一方でフラメンゴの鋭いカウンターに後半34分、38分と相次いでゴールを脅かされる。後半45+2分、ダメ押しのゴールを奪われ万事休す。
   コパ・ド・ブラジルは準々決勝で姿を消した。

【リベルタドーレス】

   2023年4月5日にリベルタドーレスの開幕節を迎える。フェルナンド・ジニース監督のサッカーが精度を高めていく中、アウェイでスポルティング・クリスタル/PERを相手に3-1の快勝。
   4月18日ホームでの第2節ザ・ストロンゲスト/BOL戦も1-0で勝利を収める。
   5月2日ホームに強敵リーベルプレート/ARGを迎えると、FWヘルマン・カーノのハットトリック、FWジョン・アリアスの2得点1アシストなど、リーベルプレートを圧倒。5-1の勝利を収め、3連勝でグループ首位に立つ。
   しかし、このリーベルプレート戦をピークに対戦相手の研究も進み、また、フルミネンセもボールを支配することに重点がおかれ過ぎるようになり、シュートを放つ意識が薄まっているような試合が続く。公式戦では5月16日コパ・ド・ブラジルのフラメンゴ戦を0-0の引き分け、5月20日全国選手権ボタフォゴ戦は65%以上のボール支配率を記録するもシュート数はわずか4本で0-1の敗戦。クラシコの連戦を無得点に終わる。
   この状況で迎えた5月25日リベルタドーレス第4節ザ・ストロンゲスト戦は控え中心のメンバーでGKファビオの再三の好守も実らず0-1の敗戦。6月7日第5節リーベルプレート戦も0-2の敗戦。
   6月27日グループラウンド最終節スポルティング・クリスタル戦を1-1の引き分けに終え、辛うじてグループ首位で決勝ラウンドに進出する。
   決勝ラウンド一回戦(ベスト16)の対戦相手はアルヘンティーノス・ジュニオルス/ARG。
   8月1日(A)1stレグは、前半14分に先制を喫し、後半13分に退場者を出す苦しい展開。ところが、ジュニオルスが交代選手枠を使い切った直後にGKが退場処分を受け、一気にフルミネンセに有利な状況が訪れる。しかし、後半42分のSBサムエウ・シャヴィエル(Samuel Xavier, 1990)の同点ゴールを奪うにとどまり1-1の引き分けで試合を終える。
   8月8日(H)2ndレグ、一進一退の攻防が続き両チーム無得点の状況が続くが、後半41分、交代出場FWジョン・ケネジーのアシストでSBサムエウ・シャヴィエルが1stレグに続く2戦連発の貴重な先制ゴール。後半45+7分にはFWジョン・ケネジーがダメ押しゴールを奪い、フルミネンセは準々決勝に駒を進めた。
   準々決勝の対戦相手はフラメンゴを下して駒を進めてきたオリンピア/PAR。
   8月24日(H)1stレグは、前半42分VOLアンドレ、後半13分FWヘルマン・カーノのゴール。18本のシュートを放ち、被シュートは4本に抑える完勝。
   8月31日(A)2ndレグは、前半24分のFWジョン・ケネジーのゴールで2試合合計で3-0と突き放すと、前半の内に1失点を喫するものの、後半35分、45+2分のFWヘルマン・カーノの連続ゴールで試合を決定づけ準決勝進出を決める。
   準決勝の対戦相手は7月の監督交代と積極的な補強で攻撃的なチームに生まれ変わったインテルナシオナウ。
   9月27日(H)1stレグは、前半10分にFWヘルマン・カーノのゴールで先制するものの、前半45分に退場者を出すと前半45+4分に失点。後半はインテルに試合の主導権を握られ、後半19分のゴールで試合をひっくり返される。しかし、後半23分にCKからCBニーノが頭に合わせたボールをFWヘルマン・カーノがコースを変えるゴール。同点に追いつき試合を終える。
   10月4日(A)2ndレグは、前半10分に早くも失点。ボールは支配するものの、インテルの高い位置での寄せに苦しみなかなか相手ゴール前にボールを運ぶことができない。むしろ、手数をかけない攻撃とボールを展開しゴール前に押し込む攻撃を使い分けるインテルに次々とシュートに持ち込まれる。アウェイの地でスタジアムの雰囲気が押せ押せとなる中、後半36分、交代出場のFWジョン・ケネジーがFWヘルマン・カーノのスルーパスに抜け出しGKロチェの脇を抜く起死回生の同点ゴール。後半43分、自陣ゴール前から10本のパスを繋ぎ最後はFWヘルマン・カーノがゴールネットを揺らす。
   一発勝負の決勝戦の対戦相手は、決勝ラウンドをすべて引き分けで決勝に駒を進めたボカ・ジュニオルス/ARG。
   両チームともに慎重に試合に入る。緊迫した展開が続くが、前半36分にFWケーノのゴールライン際からのマイナスのクロスにFWヘルマン・カーノが右足を振り抜き先制ゴール。ボカ・ジュニオルスが攻勢を強めるとフルミネンセはゴール前に押し込まれ、ペナルティエリア内に終始6人以上のフィールドプレーヤーが位置取る守備で対抗するが、後半27分にペルー代表SBアジビンクラにペナルティエリア手前からのゴラッソを決められ1-1の同点。延長戦にもつれ込んだ試合は延長前半9分、FWケーノがディフェンダーを背負い自らが作ったスペースにボールを落とすと、FWジョン・ケネジーが走り込み右足を豪快に振り抜く。ボールはゴールに突き刺さりフルミネンセが勝ち越し。このゴール後のゴールパフォーマンスでFWジョン・ケネジーは2枚目の警告を受け退場処分となるが、ボカ・ジュニオルスからも延長前半終了間際に退場処分。試合は2-1でタイムアップ。
   2023リベルタドーレスはは、フルミネンセのクラブ史上初の戴冠で幕を下ろした。

【全国選手権】

   2023年4月15日全国選手権開幕節、アウェイでのアメリカ・ミネイロ戦。攻撃的なスタイルを標榜する両チームは立ち上がりから互いにチャンスを迎えるが、決め切ることができず後半に突入。フルミネンセが後半7分に前年の全国選手権得点王FWヘルマン・カーノのゴールで先制すると、期限付き移籍から復帰したばかりのFWジョン・ケネジーがチーム2点目、州選手権終了後に期限付き移籍でヴォウタ・ヘドンダから獲得した長身FWレレー(Lelê, 1997)のゴールで、最終的には3-0の完勝を収める。
   全国選手権、コパ・ド・ブラジル、リベルタドーレスの公式戦5試合を5試合連続無失点で5連勝を果たすが、中2日でリベルタドーレス最初の山場リーベルプレート戦を控えた4月29日第3節フォルタレーザ戦では、控え選手を中心とした先発陣で臨み4失点の大量失点で2-4で敗戦を喫する。
   翌節以降は主力選手が戻り2勝1分。
   5月20日第7節、今季全国選手権初のクラシコ、首位を走るボタフォゴとの一戦を迎える。州選手権での結果を踏まえ、戦前の予想ではフルミネンセ優位が大勢を占めたが、試合は65%以上のボール支配率を誇ったものの、ボタフォゴにチームの特長を消され、シュートを僅か4本の抑えられ0-1の敗戦を喫する。
   この試合を機に、フルミネンセのサッカーは優位性を失うようになる。
   さらには、フェルナンド・ジニース監督のサッカーに適性を見せ、SB、MFとしての起用を経てVOLに定着したアレキサンデルが5月10日第5節の試合を最後にケガで離脱。昨年来最終ラインを支えてきたCBマノエウ(Manoel, 1990)は6月11日第10節を最後に離脱。期限付き移籍加入後チームにフィットし日増しに重要性を増していたMFガブリエウ・ピラーニ(Gabriel Pirani, 2002)がレンタル元のサントスがDCユナイテッド/USAへの期限付き移籍をまとめ7月9日第14節を最後に退団するなど、主要選手の離脱も重なり、チーム成績は安定しない。
   全国選手権は前半戦19試合を、9勝4分6敗、首位ボタフォゴとの勝点差は16ポイントの6位で折り返す。
   この時点ですでに重点をリベルタドーレスに置き、リベルタドーレスの直前の全国選手権の試合では控え選手を中心としたメンバーで試合に臨む。リベルタドーレス優勝後は、3勝2分とリベルタドーレス王者の名に恥じない成績を残すが、第37節、最終節ではクラブW杯を見据え、控え選手を中心としたメンバーで試合に臨み2連敗。最終的に全国選手権後半戦は7勝4分8敗、通算16勝8分14敗の7位で全国選手権の幕を下ろした。
   選手権前半 :   9勝 4分 6敗、得点25失点19
   選手権後半 :   7勝 4分 8敗、得点26失点28
   選手権合計 :  16勝 8分14敗、得点51失点47
   選手権ホーム  :  13勝 4分 2敗、得点33失点18
   選手権アウェイ :   3勝 4分12敗、得点18失点29
   得点数51  :  リーグ6位タイ
   失点数47  :  リーグ9位(の多さ)

【クラブW杯】

   クラブW杯はシードを受け、2023年12月18日の準決勝アル・アハリ/EGY戦からの出場。
   アル・アハリ戦は今季後半の試合を象徴するように、ボール支配は高いものの、ボールロストからカウンターなど、シュートに持ち込まれる回数は相手に上回られ、GKファビオが再三の好守でゴールを守る展開。後半23分にSBマルセロがペナルティエリア内で倒されPKを獲得。これをFWジョン・アリアスが決め先制。後半45分にはFWジョン・ケネジーが試合を決定づけるゴールをマークし2-0の勝利。
   12月22日決勝マンチェスターシティ/ENG戦は、早くも開始40秒で失点。この得点で無理に攻める必要がなくなったシティを相手に、フルミネンセは中盤の素早い寄せでのボール奪取からのカウンターを狙い、いつものように自陣深くでも短い距離のパスを繋ぎゴールを前に運ぼうとするものの、いつものようには相手陣にまでボールを運ぶことは出来ない。
   前半のうちに追加点を喫すると、後半27分、43分にゴールを奪われ0-4の完敗。フェルナンド・ジニース監督はマンチェスターシティを相手に自分たちのサッカーを貫いたことに、ある程度満足したようだったが、ブラジル国内でも通用しなくなりつつあるサッカーはマンチェスターシティには全く通じず、クラブW杯は準優勝で閉幕した。

【主力選手】

   GKファビオ(Fábio, 1980)、SBサムエウ・シャヴィエル(Samuel Xavier, 1990)、CBニノ(Nino, 1997)、CBフェリピ・メロ(Felipe Melo, 1983)、SBマルセロ(Marcelo, 1988)、VOLアンドレー(André, 2001)、VOLマルチネリ(Martinelli, 2001)、MFジョン・アリアス(John Arias, 1997)、MFガンソ(Ganso, 1989)、FWケーノ(Keno, 1989)、FWヘルマン・カーノ(Germán Cano, 1988)がマンチェスターシティ戦のスターティングイレブン。
   他チームと比べて1980年代生まれの比率が高く、2000年代生まれの比率が低い構成。イングランドのメディアから引退選手のチームと揶揄されたがまさにその通り。

【代表・世代別代表】

<フル代表>
 〇VOLアンドレ(André, 2001) … 3月 親善試合モロッコ戦(出場機会なし)、 6月 国際親善試合2試合(セネガル戦後半29分交代出場で代表デビュー)、 2026W杯南米予選(3試合(うち2試合先発)出場)
 〇CBニーノ(Nino, 1997) … 6月 国際親善試合2試合(辞退)、 2026W杯南米予選(1試合出場)
 〇FWジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)コロンビア代表 … 3月6月 親善試合4試合1アシスト、 2026W杯南米予選(4試合(うち2試合先発)出場1アシスト)
<U-23代表>
 〇VOLアレキサンデル(Alexsander, 2003) … 9月 国際親善試合2試合、 11月 U-23代表合宿、 2024年1月開幕 パリ五輪南米予選
 〇FWジョン・ケネジー(John Kennedy) … 11月 U-23代表合宿、 2024年1月開幕 パリ五輪南米予選
<U-20代表>
 〇VOLアレキサンデル(Alexsander, 2003) … 1月開幕 U-20南米ユース選手権
<U-17代表>
 〇SBジョアン・エンヒキ(João Henrique, 2006) … 3月開幕 南米U-17選手権(離脱)、 11月開幕 U-17W杯
 〇カウワン・エリアス(Kauã Elias, 2006) …  3月開幕 南米U-17選手権、 11月開幕 U-17W杯
 〇マテウス・ヘイス(Matheus Reis, 2007) …  3月開幕 南米U-17選手権

<チーム内個人成績・記録>

* 参照元:サッカーサイト「Ogol」

記録選手
























最多試合出場ファビオ
Fábio
GK, 1980
6735413132
(2位)リマ
Lima
MF, 1996
6635414112
(3位)アンドレ
André
VOL, 2001
6231412132
最多出場時間ファビオ
Fábio
GK, 1980
6025315036011351200180
(2位)アンドレ
André
VOL, 2001
531826493609911138180
(3位)ヘルマン・カーノ
Germán Cano
FW, 1988
5207247433111351087180
最多得点タイヘルマン・カーノ
Germán Cano
FW, 1988
4010116130
(2位タイ)ジョン・ケネジー
John Kennedy
FW, 2002
1261401
(2位タイ)ジョン・アリアス
Jhon Arias
FW,1997
1270221
最多アシストジョン・アリアス
Jhon Arias
FW,1997
1770221
(2位)ケーノ
Keno
FW, 1989
1340450
(3位)ガンソ
Ganso
MF, 1989
1070210
最多デュエル勝利ジョン・アリアス
Jhon Arias
FW,1997
210
(2位)リマ
Lima
MF, 1996
162
(3位)アンドレ
André
VOL, 2001
146
最多キーパスジョン・アリアス
Jhon Arias
FW,1997
56
(2位)マルセロ
Marcelo
SB, 1988
37
(3位)ガンソ
Ganso
MF, 1989
32
最多CBIニーノ
Nino
CB, 1997
106
(2位)アンドレ
André
VOL, 2001
59
(3位)ダヴィジ・ブラス
David Braz
CB, 1987
58
※
デュエル勝利 : 一対一でのイーブンボールの奪い合いでボールを獲得すること
キーパス : パスの受け手がシュートを打てた時にカウントされる指標
CBI : クリア、ブロック、インターセプト

《 2024年にむけて 》

<監督>

   クラブ史上初のリベルタドーレスのタイトルをもたらしたフェルナンド・ジニース監督との契約は、11月8日に更改し、2025年末まで延長。

<退団>

   VOLアンドレーとCBニノの代表コンビは欧州からのオファーが見込まれ退団はほぼ確実。
   コロンビア代表FWジョン・アリアスも日増しに欧州からの注目が高まっており、オファーが届く可能性も高い。
   期限付き移籍で他クラブでプレーした選手には買取オプションが行使されるケースや期限延長を行う選手もいるが、2023年に主力としてプレーした選手の平均年齢も高く、他クラブから引き抜かれるケースもあまり想定できないので、上記の3選手を除き、退団する選手は最低限に抑制されるのではないかと思われる。

<加入・契約更新>

   オーランドシティからU-17までフルミネンセに在籍したCBアントニオ・カルロス(Antônio Carlos, 1993)を完全移籍で獲得。
   全国選手権開幕直前に期限付き移籍で加入した189cmの長身FWレレーは買取オプションが行使される見込み。
   3月に期限付きでLAギャラクシー/USAへ移籍したSBカレガリ(Calegari, 2002)は9月に右膝前十字靭帯断裂を負い返却。復帰は7月になる見込み。
   コリンチャンスとの契約が更改されなかったMFヘナト・アウグスト(Renato Augusto, 1988)の加入はほぼ確実。
   2022年7月にレアルベティス/ESPへ売却したFWルイス・エンヒキ(Luiz Henrique)は直近の出場機会が減少しており、期限付き移籍での復帰を画策しているとの報道もある。

<2024年注目点>

   フェルナンド・ジニース監督のサッカーは、嵌れば観ていて非常に面白いが、リスク管理が難しく、ボールを繋ぐことに重点が置かれ過ぎてゴールを奪う意識が低くなり、選手が固定化されていくなど、シーズン中に実際に見られた弊害も非常に多い。現在の戦術を継続すると思われるが、どのように弊害を解消していくのか注目したい。
   また、VOLマルチネリ、FWジョン・ケネジー、VOLアレキサンデル以外に若手選手に目立った活躍がなく、選手層の底上げのためにも、GKファビオに代わる選手や、若手選手へ出場機会を与えるとともに、若手選手の奮起を期待することになるだろう。

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