イゴル・フェリスベルト (Igor Felisberto)

投稿者: | 2024年3月10日
投稿日:2024/03/10

イゴル・フェリスベルト イゴル・テイシェイラ 若手 逸材 サンパウロ 右サイドバック Igor Teixeira Felisberto

イゴル・テイシェイラ・フェリスベルト

Igor Teixeira Felisberto

ポジション:右サイドバック/ラテラウ・ジレイト

利き足:右

2007年3月7日生まれ

<幼少期>

 ブラジル連邦共和国の南部に位置するサンタカタリーナ州、州都フロリアノポリスから海岸沿いに約170㎞南に離れた人口約6万の小さな町イサラに生まれる。

<クラブ経歴>

 サッカー人生は、多くのブラジル選手同様フットサルで始まる。しかし、多くのブラジル選手と異なるのはポジションがゴールキーパーだったこと。9歳までフットサルチームでゴールキーパーを務めていた。

≪育成時代

 10歳の時、隣町クリシウーマに拠点を置くクリシウーマECの下部組織でフットサルから次第にグランドのサッカーへ移行を進める。
 だが、サンパウロFCのスカウトの目に留まったのは、FUBEというフットサルチームでサンタカタリーナ州大会にてフィールドプレーヤーとして一人で5得点を決めた試合でのことだった。
 サンパウロFCのスカウトにセレクションを受けるように勧められ、2018年、10歳の時に補欠合格のような形でセレクションに合格。観察期間という位置づけでサンパウロFC下部組織でトレーニングに参加。11歳から13歳にかけては、クリシウーマECに所属し、トレーニングや試合に出場しながら、所定の期間をサンパウロFCでプレーする生活を送った。
 14歳になりサンパウロFCの寄宿舎に入ることが可能になる年齢に達すると、正式にサンパウロFCの下部組織に入団。加入後は常に自身の年齢よりも上位のカテゴリーでプレーする。
 2022年は15歳でU-17チームに昇格すると、2023年には年間を通じてレギュラーとして試合に出場。チームはU-17全国選手権、U-17サンパウロ州選手権の両大会で準優勝を飾る。
 2023年には、U-17カテゴリーの公式戦が終了した11月下旬にU-20チームに合流。U-20サンパウロ州選手権準決勝フェホヴィアリア戦のホーム&アウェイの2試合、決勝パウメイラス戦のホーム&アウェイの2試合の計4試合にスタメン出場。U-20サンパウロ州選手権もまた準優勝を飾った。
 2024年に入り、1月開催のU-20全国大会カップ戦に出場。チーム最年少での選手登録となったが、チームがベスト16で敗退するまでの6試合のうち、グループラウンドでの一試合を除く5試合にスタメン出場。この大会では1得点を記録した。

≪サンパウロ

– 2024 –

 U-20カップ戦敗退後の2024年1月22日、チアゴ・カルピーニ(Thiago Carpini)監督のもと、トップチームのサンパウロ州選手権への選手登録が行われた。
 右サイドバックは、代表で4試合出場歴を持ちバイエルン・ミュンヘンで活躍した大ベテランSBハフィーニャ(Rafinha, 1985)、2019年のサンパウロFC加入後150以上の試合に出場し7得点18アシストを記録しているSBイゴール・ヴィニシウス(Igor Vinícius, 1997)、ポルトガル世代別代表SBジョアン・モレイラ(João Moreira, 2004)の3選手が州選手権に登録。いずれの選手もケガがちなため、イゴルは4人目の右サイドバックとしての登録となった。
 2024年1月24日州選手権第2節で初のベンチ入り。2024年3月10日現在で計4試合にベンチ入りを果たしているものの、未だプロデビューの機会は訪れていない。

≪シーズン別クラブ出場記録≫

シーズン所属大会試合出場
時間
得点アシ
スト
2024年(17歳)サンパウロ出場歴なし
イタリック斜体は、2024年3月10日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。

<代表(世代別含む)経歴>

N/A

<プレースタイル、雑感 etc.>

 利き足は右。
 身長175㎝、体重66kg。(「カナウ・イサラ(Canal Içara)」2023年3月15日投稿記事より)
 守備面では、先を読んだプレーやポジショニングを得意としており、マークに付く相手選手にボールが送られた局面において、前に出るか、リトリートで対応するかの判断に迷いがなく、前に出る場合は多くのインターセプトに成功、リトリートの場合は一対一で絶妙の間合いを取って、相手の攻撃スピードを緩め、中や縦へのパスを切っていく。空中戦ではボールの落下点を素早く感知し味方にボールを繋ぎ、ゴールライン上で相手のゴールを阻止する場面もたびたび見せる。
 攻撃面では自身のインターセプトからその流れでドリブルで持ち上がることが多く、特に高い位置でボールを奪った際はドリブル、相手最終ライン裏を狙った縦のパス、ワンツーなどで好機を作り出していく。また、相手ゴールライン際まで駆け上がり、ゴール前へのクロスやマイナスのボールで決定的なシーンを創出することもしばしば。ただし、自らがゴールを狙う場面は少ない。

 憧れの選手は2人。一人は、ポルトガル代表で2023/24シーズンをバルセロナ/ESPでプレーするSBジョアン・カンセロ(João Cancelo, 1994)。そして、もう一人は、ブラジル代表として4試合の出場歴があり、現在はイゴルと同じくサンパウロFCでプレーするSBハフィーニャ(Rafinha, 1985)。
 いずれも攻撃的なサイドバックとして名を馳せ、縦の推進力やクロスボールの精度が観客を魅了する選手。現在のイゴル自身のプレースタイルに近い選手だ。
 SBハフィーニャは、シャルケ04で5シーズン、バイエルン・ミュンヘンで8シーズンの計13シーズンをドイツブンデスリーガで攻撃的なサイドバックとしてプレー、ドイツではリーグ制覇を7度経験している。しかし、2022年のサンパウロFC加入後は、往年の攻撃的なスタイルだけでなく、センターバックと並び実質的にスリーバックの右の位置に入り、チームの攻守のバランスを取ることも多く、ボールの落ち着かせどころとしても機能。一方で、ビルドアップからの攻撃の起点として攻撃のギアを一気に上げる精度の高いサイドチェンジや、縦や中央への鋭いパス、さらにはそこから自らが攻撃に参加するなど、経験に裏打ちされた熟練した幅広いプレーを披露している。
 現時点でイゴルには、俯瞰的にピッチを眺め、ピッチを横に広く使ったサイドチェンジや、チームに静→動のメリハリを与えるようなプレーはほとんど見られない。しかし、ハフィーニャは2023年末に一年間の契約更新。この契約更新によって、イゴルはハフィーニャのプレーをベンチから間近に観察し、ハフィーニャと共にトレーニングを行い、ハフィーニャのプレーを吸収する機会を得た。
 サンパウロ州選手権で登録選手枠の一つを削り、右サイドバックの4番手としてイゴルが選手登録されたのは、クラブや監督、コーチといった首脳陣からハフィーニャのプレーを吸収することを期待されてのことなのかもしれない。
 22歳の年齢差のある大ベテランSBハフィーニャからトレーニングや試合を通してどれだけ多くのことを吸収することができるか。その成否がイゴルの今後のサッカー人生に大きな影響を与えることになるのは間違いないだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です