親善試合(2024.03.26)  スペイン x ブラジル

投稿者: | 2024年3月26日

スペイン (ESP) 3-3 ブラジル (BRA)

ハイライト動画(ポルトガル語)

動画URL : https://www.youtube.com/watch?v=8Cqj8pjgnTk

得点経過

ESP: 12' ... #16 ロドリ(Rodri, 1996, マンチェスターシティ/ENG)
ESP: 36' ... #10 ダニ・オルモ(Dani Olmo, 1998, RBライプツィヒ/GER)
     BRA: 39' ... #10 ホドリゴ(Rodrygo, 2001, レアルマドリード/ESP)
     BRA: 50' ... #21 エンドリッキ(Endrick, 2006, パウメイラス)
ESP: 85' ... #16 ロドリ(Rodri, 1996, マンチェスターシティ/ENG)
     BRA: 90+6' ... #8 ルーカス・パケター(Lucas Paquetá, 1997, ウェストハム/ENG)
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ブラジル代表 メンバー表

「背番号」欄 : "〇"は先発フル出場。"△"はin、"▽"はout。"X"はベンチ外。
背番号ポジション名前所属生年月日得点等記録
23GK /
Goleiro
レオ・ジャルジン
Léo Jardim
Leonardo César Jardim
ヴァスコ・ダ・ガマ
Vasco da Gama
1995/3/20
〇 1GK /
Goleiro
ベント
Bento
Bento Matheus Krepski
アトレチコ・パラナエンセ
Athlético Paranaense
1999/6/10
12GK /
Goleiro
ハファエウ
Rafael
Rafael Pires Monteiro
サンパウロ
São Paulo
1989/6/23
▽ 2右SB /
Lateral Direito
ダニーロ
Danilo
Danilo Luiz da Silva
ユヴェントス/ITA
Juventus
1991/7/15↓46′
△ 13右SB /
Lateral Direito
ヤン・コウト
Yan Couto
Yan Bueno Couto
ジローナ/ESP
Girona
2002/6/3↑46′
24左SB /
Lateral Esquerdo
アイルトン・ルーカス
Ayrton Lucas
Ayrton Lucas Dantas de Medeiros
フラメンゴ
Flamengo
1997/6/19
〇 6左SB /
Lateral Esquerdo
ウェンデウ
Wendell
Wendell Nascimento Borges
FCポルト/POR
FC Porto
1993/7/20
〇 25CB /
Zagueiro
ルーカス・ベラウド
Lucas Beraldo
Lucas Lopes Beraldo
パリSG/FRA
Paris SG
2003/11/24Y90+3′
4CB /
Zagueiro
ブレーメル
Bremer
Gleison Bremer Silva Nascimento
ユヴェントス/ITA
Juventus
1997/3/18
〇 14CB /
Zagueiro
ファブリシオ・ブルーノ
Fabrício Bruno
Fabrício Bruno Soares de Faria
フラメンゴ
Flamengo
1996/2/12Y50′
3CB /
Zagueiro
ムリーロ
Murilo
Murilo Cerqueira Paim
パウメイラス
Palmeiras
1997/3/27
△ 17MF /
Meio campista
アンドレ
André
André Trindade da Costa Neto
フルミネンセ
Fluminense
2001/7/16↑46′
△ 19MF /
Meio campista
アンドレアス・ペレイラ
Andreas Pereira
Andreas Hugo Hoelgebaum Pereira
フルハム/ENG
Fulham
1999/6/11↑46′
Y85′
▽ 5MF /
Meio campista
ブルーノ・ギマランエス
Bruno Guimarães
Bruno Guimarães Rodriguez Moura
ニューキャッスル/ENG
Newcastle
1997/11/16Y42′
↓46′
16MF /
Meio campista
ぺぺー
Pepê
Eduardo Gabriel Aquino Cossa
ポルト/POR
Porto
1997/7/24
△ 18MF /
Meio campista
ドウグラス・ルイス
Douglas Luiz
Douglas Luiz Soares de Paulo
アストン・ヴィラ/ENG
Aston Villa
1998/5/9↑71′
▽ 15MF /
Meio campista
ジョアン・ゴメス
João Gomes
João Victor Gomes da Silva
ウルヴァーハンプトン/ENG
Wolverhampton
2001/2/12↓46′
〇 8MF /
Meio campista
ルーカス・パケター
Lucas Paquetá
Lucas Tolentino Coelho de Lima
ウェストハム/ENG
West Ham
1997/8/27Y58′
G90+6′
26MF /
Meio campista
パブロ・マイア
Pablo Maia
Pablo Gonçalves Maia Fortunato
サンパウロ
São Paulo
2002/1/10
△ 21FW /
Atacante
エンドリッキ
Endrick

Endrick Felipe Moreira de Sousa
パウメイラス
Palmeiras
2006/7/21↑46′
G50′
Y78′
△ 22FW /
Atacante
ガレーノ
Galeno
Wenderson Rodrigues do Nascimento Galeno
ポルト/POR
Porto
1997/10/22↑84′
▽ 11FW /
Atacante
ハフィーニャ
Raphinha
Raphael Dias Belloli
バルセロナ/ESP
Barcelona
1996/12/14↓46′
9FW /
Atacante
ヒシャルリソン
Richarlison
Richarlison de Andrade
トッテナム/ENG
Tottenham
1997/5/10
▽ 10FW /
Atacante
ホドリゴ
Rodrygo

Rodrygo Silva de Goes
レアル・マドリード/ESP
Real Madrid
2001/1/9G40′
↓84′
20FW /
Atacante
サヴィーニョ
Savinho
Sávio Moreira de Oliveira
ジローナ/ESP
Girona
2004/4/10
▽ 7FW /
Atacante
ヴィニシウス・ジュニオール
Vinícius Júnior
Vinícius José Paixão de Oliveira Júnior
レアル・マドリード/ESP
Real Madrid
2000/7/12↓71′
監督: ドリヴァウ・ジュニオール(Dorival Júnior)

試合概要

試合開始前

   ドリヴァウ・ジュニオール監督率いる新生ブラジル代表は、23日の国際親善試合イングランド戦に1-0の白星。スタメンに初代表選手が5選手、2000年代生まれが4選手が顔を並べ、2006年生まれの17歳FWエンドリッキが代表初ゴール。文字通り「新生」ブラジル代表が素晴らしい船出を飾った。
   26日スペイン戦はイングランド戦と同じ顔ぶれがスターティングイレブンに並ぶ。4-3-3のFWホドリゴを偽9番にスピード豊かな両ウィングのサイドの押し込みから、MFパケター、VOLブルーノ・ギマランイスの攻撃参加でスペインゴールに迫りたい。守備面では、イングランド戦同様、両サイドバックは自重気味に、両ボランチが中盤のスペースを埋める展開になると思われる。
   イングランドとはスタイルが異なるスペインを相手にどのようなサッカーを展開するか、楽しみに観戦したい。

前半

   前半立ち上がりは、スペインが相手陣でボールを展開。前線は5選手が横に大きく広がりサイドからの攻撃に逆サイドの選手が絞り込む。ボールがブラジルに渡っても相手陣でボールに仕掛け、スペースを埋めてブラジルのミスを誘う。
   (ゴール!)前半12分、スペインはFWヤマルがペナルティエリア内で倒れスペインにPKが与えられる。これをMFロドリが中央に蹴り込みスペインが先制。
   ブラジルは押し込まれた際に、両ボランチが最終ラインの手前0~2mの位置に下がり過ぎ、スペインはペナルティエリア手前で容易にボール回す時間が続いていたが、修正できずにPKを与える。
   前半17分、ブラジルはFWホドリゴが左サイドを上がりマークに付かれながらペナルティエリアに侵入。FWヴィニシウス・ジュニオールがボールを受けシュートを放つがGK正面。ブラジルはこの試合初めて相手陣で好機を迎える。
   前半21分、スペインは右サイドにボールを送ると、ブラジルSBウェンデウが足を滑らせ転倒。FWヤマルが縦にボールを運び中央へ送るがそこから放たれたシュートは枠を大きく越える。
   前半22分、ブラジルはFWヴィニシウス・ジュニオールが囲まれ苦し紛れにボールを自陣に戻すが、これをスペインの選手が奪う。ブラジルはペナルティエリア直前でファールで止めスペインにFK。FKは直接ゴールを狙うが味方に当たりオフサイド。
   前半27分、スペインはFWヤマルがサイドライン際からディフェンダー2人をかわしペナルティエリアにドリブルで侵入。しかし、僅かな所でシュートに持ち込めない。
   前半30分、ブラジルはスペインのサイド際へのパスをSBウェンデウがカットし、縦にFWヴィニシウス・ジュニオールにボールを送りカウンター。しかし、ブラジルはFWホドリゴが追走するのみで、ペナルティエリア手前でFWヴィニシウス・ジュニオールは囲まれボールを失う。
   (ゴール!)前半36分、スペインはMFダニ・オルモがペナルティエリアに入った位置で最終ラインに並び、縦に送られたボールを上手く呼び込みCBルーカス・ベラウド、カバーリングに入ったVOLブルーノ・ギマランイスをかわしシュート。これがゴールネットを揺らす。ゴラッソ。
   (ゴール!)前半39分、ブラジルは、FWホドリゴがスペインGKのパスをカットし、そのままGKの頭を越すふわりと浮かしたシュート。これがゴールに吸い込まれる。
   前半41分、スペインはペナルティエリア手前かMFロドリが強烈なシュート。GKベントがストップ。
   スペインが速いパス回しと、サイドを有効に使った攻撃、守備面では素早い寄せでブラジルに自由を与えず優位に試合を展開。1点目のPKはテレビを見る限りブラジルディフェンダーはスペイン選手に接触していないように見えたが、この試合はVARがなく、PKの判定は覆らず。2点目はMFダニ・オルモのゴラッソ。
   ブラジルは、少ないカウンターのチャンスをFWホドリゴとFWヴィニシウス・ジュニオールが牽引するが、なかなかチャンスを迎えることができない。しかし、FWホドリゴが相手のミスを突き1点を返す。
   スペインは、相手にボールが渡っても、最終ラインが下がらず、中盤がボール保持者へ素早く寄せることで、ライン裏への効果的なパスを送らせない。抜け出された際もボランチを含めた帰陣が早く、ブラジルにチャンスらしいチャンスを作らせない。
   ブラジルは、FWホドリゴのゴールを前にFWエンドリッキがアップを始める。後半の早い時間帯での投入が見込まれる。

後半

   後半1分、ブラジルは、自陣からのロングカウンター。FWヴィニシウス・ジュニオールが抜け出し、ペナルティエリア内からシュートに持ち込むがブロック。こぼれ球にMFパケターが左足を振り抜くがボールは枠を左の外れる。
   後半3分、スペインは、右サイドからの攻撃から最後はペナルティエリア手前からVOLロドリがミドルシュート。GKベントがCKに逃れる。
   (ゴール!)後半5分、ブラジル左CK。MFアンドレアス・ペレイラが蹴ったボールは中央でクリアされるが、そのボールをFWエンドリッキがダイレクトに左足を振り抜きゴール。
   後半7分、ブラジルは、右サイドをFWホドリゴがドリブルで抜け出しそのままペナルティエリアに侵入。シュートはブロックされるが、ブラジルがこぼれ球を拾い、2度3度とシュートに持ち込むが、いずれもディフェンダーがブロック。
   前半と打って変わり、ブラジルがピッチを広く使いスペインのプレスを掻い潜り相次いで相手ゴールに迫る。途中交代のMFアンドレアス・ペレイラが効いている。
   後半13分、スペインは、バイタルエリアからMFダニ・オルモがシュート。しかし、GKベントがしっかりとキャッチ。
   この時間帯はスペインがボールをキープ。ブラジルも適度な距離間を保ったディフェンスを敷くが、スペインはペナルティエリア手前からのシュートでプレーを終える展開が続く。
   後半21分、ブラジルは、CBルーカス・ベラウドが自陣でMFモラッタからボールを奪い、そのままボールを持ちあがりシュート。しかし、ボールは枠を越える。
   後半25分、スペインは、ペナルティエリア手前を左右にボールを展開。シュートに勢いはないものの、この攻撃もまたシュートで終える。
   後半26分、ブラジルは、FWヴィニシウス・ジュニオールに代えVOLドウグラス・ルイスを投入。中盤のスペースを埋める交代と思わっる。
   後半29分、スペインは、右サイドゴールライン手前から二つのパスで再びペナルティエリア入口からシュート。GKベントが好セーブ。
   (ゴール!)後半40分、スペインは、SBカルバハルがペナルティエリア内で倒れスペインにPKが与えられる。テレビで見る限り、SBカルバハルがCBルーカス・ベラウドを蹴りそのまま倒れたように見えるのだが。このPKをMFロドリがゴール左へ突き刺しスペインがリード。
   後半45+1分、スペインは、ペナルティエリア手前でブラジルのパスミスを奪いシュートに持ち込むが、ボールはサイドネット外側に
   後半45+4分、ブラジルは、左サイドをVOLドウグラス・ルイスから右サイド守備ライン裏に抜け出すMFパケターへ柔らかいボールが渡る。しかし、GKが間合いを詰めMFパケターのシュートを体にあてCKへ。
   (ゴール!)後半90+5分、ブラジルは、ペナルティエリア右からSBヤン・コウトがゴール前にクロス。ゴール正面でFWガレーノがディフェンダーと絡み合い倒れPKがブラジルに与えられる。これをMFパケターがゴール左に決める。
   試合は、試合再開直後にタイムアップの笛。3-3の引き分けに終えた。

所感

   ブラジル代表は、前半に一時は2点のリードを許したものの、後半開始時の選手交代、およびハーフタイムでの修正で後半開始間もなく同点に追いつく。攻守ともに前半に比べ選手間の距離が適度に保たれ、スペインのサイド攻撃には同数のマークがつきピンチを招く場面は減少。しかし、ペナルティエリア手前のスペースから相次いでシュートを許すなど、いくつかの課題が残った。
   イングランド戦に続き、この試合でもMFアンドレアス・ペレイラとFWエンドリッキが試合の流れを変える活躍。FWエンドリッキは相手選手との接触により腰を痛め途中からは消えたが、試合終了間際に投入されたFWガレーノが、左サイドをペナルティエリアに侵入するクラブでのプレーを再現し好機を演出すると、実質的に最後のプレーで右サイドからのクロスに対しゴール前に絞り込みPKを獲得。
   GKベントは、3失点とは言え2失点はPKによるもの。スペインの10本の枠内シュートをMFダニ・オルモのゴラッソの1失点に抑える安定したプレー。セットプレーからの飛び出しやパンチング、足元でのプレーなど、イングランド戦に続きミスらしいミスのないプレーを披露した。
   ブラジルを応援する視点で見て不運なPKで2失点を喫したが、最後のプレーで同点に追いついた選手たちのメンタリティを称えたい。
   また、ドリヴァウ・ジュニオール監督は、この試合の後半にチームを立て直しただけでなく、今回の親善試合での僅かな期間で自らの戦術をチームに浸透させた確かな手腕を発揮した。
   近年ブラジル代表はヨーロッパ勢から勝利を収めることができていなかったが、今回の親善試合では、イングランド、スペインといった強豪を相手に1勝1分の成績を収め、新生ブラジル代表は満足のいく船出を飾った。
   6月に開幕するコパ・アメリカ、9月に再開する2026W杯南米予選での好成績を期待したい。

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