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2024/04/13 新規投稿
2024年4月13日にブラジル全国選手権が開幕。多くの州で州選手権が終わり、コパ・ド・ブラジルは二回戦、コパ・リベルタドーレス、コパ・スウアメリカーナも予選ラウンドが第2節まで終了しました。今季のこれまでの状況、昨年の実績、選手の移籍、さらには、6月開幕コパ・アメリカにより最大9試合に各国代表選手を欠くことなど踏まえ、戦力診断・予想を行いたいと思います。
今回は、リベルタドーレス出場圏の6位以内、さらには、優勝争いが見込める6チームを予想します。
関連記事 : 【ブラジル全国選手権2024】 大会概要(4月13日開幕)
関連記事 : 【ブラジル全国選手権2024】 クラブ別戦力診断&順位予想(中位8チーム )
関連記事 : 【ブラジル全国選手権2024】 クラブ別戦力診断&順位予想(下位6チーム)
1.パウメイラス
<直近の成績>
2023年:全国選手権優勝、サンパウロ州選手権優勝。 2024年:サンパウロ州選手権優勝、スーペルコパ・ド・ブラジル準優勝。
<評価>
現在のところ、2023年の主力・サブメンバーの退団はなし。FWエンドリッキ(Endrick, 2006)は恐らく6月2日が最後の試合となると思われるが、5月には長年レギュラーを務めてきたFWドゥドゥ(Dudo, 1992)が長期離脱からの復帰が見込まれており、また、今季途中加入のFWラザロ(Lázaro, 2002)は徐々にプレー時間を伸ばし州選手権決勝2ndレグでは左WGとして90分間出場するなど、エンドリッキの移籍は大きな痛手とはならないと思われる。
コパ・アメリカには、パラグアイ代表CBグスタボ・ゴメス(Gustavo Gómez, 1993)、ウルグアイ代表左SBピケレス(Piquerez, 1998)の招集が濃厚。新加入の左SBカイオ・パウリスタ(Caio Paulista, 1998)が現在のところチームにフィットしきれておらず、左SB ヴァンデルラン(Vanderlan, 2002)と切磋琢磨し、コパ・アメリカ開催期間でのピケレスの不在を埋めたい。CBについては、3月に続きCBムリーロ(Murilo, 1997)がブラジル代表に招集されると台所事情が苦しくなる。
アベウ・フェヘイラ(Abel Ferreira)監督の戦術がチームに浸透しており、チーム力は高いレベルで安定。2023年は、一時期低迷したものの、選手補強のない中、フォーメーションや選手起用法を変更、試行錯誤の上チームを見事に立て直し、全国選手権を制覇。
リベルタドーレス開幕節(4月3日)は、スタメンが完全ターンオーバーのため、立ち上がりは連係が噛み合わなかったものの、前半途中の戦術変更、後半の選手交代を通じて試合の主導権を握ることに成功。戦術変更に対する選手の理解力・対応力も高く、昨年よりも全体的にさらに一段高いレベルにチームが成長している印象を受けた。
2024年も全国選手権優勝候補の筆頭。リベルタドーレス、コパ・ド・ブラジルも戴冠の可能性があり、フラメンゴと二強を形成する。
2.フラメンゴ
<直近の成績>
2023年:全国選手権4位。コパ・ド・ブラジル準優勝。ヘコパ・スダメリカーナ準優勝。スーペルコパ・ド・ブラジル準優勝。州選手権準優勝 2024年:州選手権優勝
<評価>
2023年10月から指揮を執る2022W杯ブラジル代表監督のチチ(Tite)監督が続投。
2023年の主力・サブメンバーは、VOLチアゴ・マイア(Thiago Maia, 1997)が期限付きでインテルナシオナウに移籍したのみ。他は2022年は主力として活躍しながら2023年は序盤のケガのためポジションを失った右SBマテウジーニョ(Matheuzinho, 2000)の移籍が目立つ程度。
主な新加入選手は、ウルグアイ代表MFデ・ラ・クルス(De La Cruz, 1997)、同じくウルグアイ代表左SBヴィーニャ(Viña, 1997)、チチ監督が代表を指揮した頃に何度も代表に招集したCBレオ・オルティス(Léo Ortiz, 1996)、全国選手権開幕を前にリオデジャネイロ州選手権でFWペドロ(Pedro, 1997)に次ぐ8得点を記録した身長195㎝でセンターフォワード、ウィングとしてプレーするFWカルリーニョス(Carlinhos, 1997)。
チチ監督は2022W杯こそベスト8で涙を飲んだものの、南米予選は14勝3分無敗でアルゼンチンを凌ぎ一位通過した実績を誇る。また、ブラジル、ウルグアイ、チリの現役・元代表がひしめくリーグ随一の破壊力を有する選手層にあって、VOLイゴル・ジェズス(Igor Jesus, 2003)、MFヴィクトル・ウーゴ(Victor Hugo, 2004)、MFロハン(Lorran, 2006)といった下部組織出身・所属選手に多くの出場機会を与え、若手の育成も同時並行に行っている。
全国選手権開幕前の成績は、州選手権が15試合11勝4分無敗29得点1失点、リベルタドーレスが2試合1勝1分無敗3得点1失点、通算17試合12勝5分無敗の成績。驚くべきは失点がわずかに「2」、うち1失点は州選手権決勝1stレグと2ndレグに挟まれた控え選手中心による、海抜2650mのコロンビア ボゴタで行われたリベルタドーレスでのもの。チチ監督が得意とする、相手陣でボールを支配し素早いプレスバックでボールを奪い返す戦術が、チームに浸透している。
唯一の懸念材料はコパ・アメリカ開催期間。上記の新加入2選手に加え、ウルグアイ代表にMFデ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)と右SBバレラ(Varela, 1993)、チリ代表にVOLエリキ・プルガール(Erick Pulgar, 1994)、ブラジル代表にCBファブリシオ・ブルーノ(Fabrício Bruno, 1996)と左SBアイルトン・ルーカス(Ayrton Lucas, 1997)が、2023年以降に代表招集歴がありチームを離脱する可能性がある。
破壊力のある選手層とブラジル屈指の監督を有するフラメンゴは、パウメイラスとの二強を形成。コパ・アメリカ開催期間を凌げば全国選手権制覇の道が開け、リベルタドーレス、コパ・ド・ブラジルを含めた三冠も夢ではない。
3.アトレチコ・ミネイロ
<直近の成績>
2023年:全国選手権3位。州選手権優勝 2024年:州選手権優勝。
<評価>
2024年の監督人事は、2023年6月16日に監督に就任、全国選手権終盤には優勝争いに加わり、3位の成績でシーズンを終えたルイス・フェリピ・スコラーリ(Luis Felipe Scolari)監督が続投。しかし、クラブ首脳はスコラーリ監督のサポーターへの対応や、州選手権での試合内容に満足せず、3月20日ミナスジェライス州選手権決勝クルゼイロ戦を目前に監督を解任、同時にガブリエル・ミリット(Gabriel Milito)監督の就任を発表した。
主力・サブメンバーの退団は少なく、右サイドを中心に1.5列目の位置で多くのチャンスを生み出した元アルゼンチン代表FWパボン(Pavón, 1996)と、左サイドのスペシャリストMFヨハン(Hyoran, 1993)の2選手が退団。 即戦力の加入も限られ、目立つところでは、パウメイラスでの活躍後ノッティンガム・フォレスト/ENGへ移籍を果たしたものの、多くの出場機会に恵まれなかったMFグスタヴォ・スカルパ(Gustavo Scarpa, 1994)を逆輸入の形で獲得したのみ。面白いところでは、2023年コロンビアカップ戦優勝に貢献し、パリ五輪南米予選代表に選出されたFWブライアン・パラシオス(Brahian Palacios, 2002)が全国選手権を目前に加入している。
2023年から大きな変動のないチームは、2023全国選手権得点王のFWパウリーニョ(Paulinho, 2000)が4月に開催されたリベルタドーレスの2試合で3得点をたたき出し、調子を上げて全国選手権に突入。大ベテランFWフッキ(Hulk, 1986)もこれまで12試合7得点3アシストを記録し健在をアピール 。新戦力MFグスタヴォ・スカルパは不振が続いたが全国選手権開幕を目前にした州選手権決勝2ndレグとリベルタドーレス第2節で2試合連続ゴール。プロ2年目で今年19歳になるFWアリソン(Alisson, 2005)がポジション争いに加わっており、前年を凌ぐチーム力を維持している。
コパ・アメリカ開催期間は、エクアドル代表MFアラン・フランコ(Alan Franco, 1998)、チリ代表FWバルガス(Vargas, 1989)、ウルグアイ代表CBマウリシオ・レーモス(Mauricio Lemos, 1995)、ブラジル代表ギリェルミ・アラーナ(Guilherme Arana, 1997)に離脱の可能性があるが、現状でも使い分けが行われており、戦力ダウンは軽微。
ブラジルでの指揮は初めてとなるガブリエル・ミリット監督だが、その攻撃的で理にかなった戦術はアトレチコ・ミネイロの選手層とマッチしており、全国選手権のタイトルを争う有望な候補となりそうだ。
4.アトレチコ・パラナエンセ
<直近の成績>
2023年:全国選手権8位 2024年:州選手権優勝
<評価>
2024年シーズンに向けた監督としてフアン・カルロス・オゾーリオ(Juan Carlos Osorio)氏を迎えるが、パラナ州選手権準々決勝1stレグでの敗戦後に電撃解任。オゾーリオ監督は6勝4分1敗の成績を残しクラブを去った。間もなくクーカ(Cuca)氏の監督就任が発表。州選手権準々決勝2ndレグ以降、準決勝、決勝のホーム&アウェイの全5試合に全勝。パラナ州選手権は優勝を収めた。
戦力面では、2023年の主力・サブメンバーの退団は、2023年チーム内得点王(21得点)のFWヴィトル・ホッキ(Vitor Roque, 2005)がバルセロナ/ESPへ移籍。高さがありセットプレーのキッカーを担ったMFヴィトル・ブエノ(Vitor Bueno, 1994)がセレッソ大阪/JPNへ。高さがあり前線でクロスのターゲットになったFWホームロ(Rômulo, 2002)がシーズン開幕後にギョズテペ/TURへの期限付き移籍となっている。
新加入戦の中では、2023年に下位に低迷したアメリカ・ミネイロで42試合21得点を記録したFWマストリアーニ(Mastriani, 1993)がシーズン開幕後の加入で13試合13得点4アシスト、直近の3試合は2試合が後半途中出場ながら4得点と、全国選手権開幕に向けコンディション、チーム内の連係ともに調子が上げている。他には期限付き移籍帰りのFWジュリマール(Julimar, 2001)が多くの出場時間が与えられ、2022年に21歳でパラグアイ代表として3試合に出場したMFマテオ・ガマラ(Mateo Gamarra, 2000)が中盤のポジション争いに食い込んでいる。
3月の国際親善試合で一躍注目を集めたGKベント(Bento, 1999)がゴールを守り、2023年終盤に出場機会を得たCBカイキ・ホッシャ(Kaique Rocha, 2001)がポジションに定着。大ベテランVOLフェルナンジーニョ(Fernandinho, 1985)は健在で、MFサペリ(Zapelli, 2002)、MFクリスチアン(Christian, 2000)が攻撃陣の指揮を執る。サイドアタッカーにはスピードがあり、クロスの精度、守備への貢献度が高いウルグアイ代表カノービオ(Canobbio, 1998)、FWクエージョ(Cuello, 2000)。センターフォワードにはベテランの域に差し掛かる二年連続州選手権得点王に輝いたFWパブロ(Pablo, 1992)が控えるなど、各ポジションに主軸・サブメンバーの力量差は少なく、分厚い選手層を誇っている。
昨年のパウロ・トゥーハ監督の突然の解任やその後の長期の監督不在、今季シーズン序盤の突然の監督交代など、クラブは監督人事で不安定な状況が続いてきた。3月初めにリベルタドーレスや3度の全国選手権などのタイトルを持つ経験豊かなクーカ監督を招聘。クラブがクーカ監督に現場を任せることができれば、全国選手権では高い確率で上位争いに食い込んでくるに違いない。
5.インテルナシオナウ
<直近の成績>
2023年:全国選手権9位 2024年:‐
<評価>
2024年の監督は、2023年7月から指揮を執るアルゼンチン国籍エドゥアルド・クーデ(Eduardo Coudet)監督が続投。昨年のリベルタドーレスでは、準決勝でフルミネンセに敗退したものの、アグレッシブな面白い試合を展開。ところが、全国選手権では勝ち切れないもどかしい試合が続き、好不調の波の高さが目を引いた。
チームは2023年半ばにシーズン序盤と終盤でスタメンが大きく入れ替わる大型補強を実施。2024年に向けても積極的な補強は継続し、2023年3月にフル代表に招集されたCBホベルチ・ヘナン(Robert Renan, 2003)、元アルゼンチン代表(9試合3得点)FWアラリオ(Alario, 1992)、コロンビア代表FWボレー(Borré, 1995)、パリ五輪南米予選に出場したVOLブルーノ・ゴメス(Bruno Gomes)、リオ五輪金メダリストで直近のフラメンゴでも多くの監督のもとレギュラーとして数多くのタイトル獲得に貢献したVOLチアゴ・マイア(Thiago Maia, 1997)など、即戦力選手が加入した。
一方で退団した選手は、多くが2023年半ばの補強で出場機会を大きく失った選手。主力選手ではアメリカ代表VOLジョニー・カルドーゾ(Johnny Cardoso, 2001)が移籍したものの、移籍の可能性が高かったパリ五輪南米予選出場MFマウリシオ(Maurício, 2001)は残留した。
リーグ有数の選手層で迎えたリオグランデドスル州選手権は、全国選手権でライバルとなる グレミオ、ジュヴェントゥージからの勝利を含む7連勝など、予選ラウンドを 9勝1分1敗の成績で首位通過したものの、決勝ラウンド準決勝ジュヴェントゥージ戦では1stレグ:0-0、2ndレグ:1-1に終え、PK戦の末、敗退。2試合ともボール支配率、シュート数や決定的なチャンスの数で相手を上回ったが、決定力に欠け、2試合で僅か1得点にとどまった。
その後、4月に入りコパ・スウアメリカーナのグループラウンド2試合が開催。初戦は2023アルゼンチンリーグ13位、今季13節終了時点でグループ14チーム中11位に低迷するベルグラードを相手に0-0の引き分け。第2節は2023ボリビアリーグ6位、今季は4グループに分かれたグループラウンドを突破することができなかったレアル・トマジャポとの対戦で再び0-0の引き分け。
エドゥアルド・クーデ監督は2023年前半はアトレチコ・ミネイロの指揮を執り州選手権優勝。得点力が高く、先制後には守りを固め、鋭いカウンターでゴールを仕留める、試合運びを含めた「強さ」を感じさせるチームを構築(後に自ら辞任)。2023年インテルナシオナウ監督就任後も相手陣に押し込む時間帯の多いチームを作り上げ、リベルタドーレス準決勝では決勝進出まであと一歩のところまで迫り、攻撃的なチームを構築する手腕は高いものを持っている。一方で、2023年インテルナシオナウでの全国選手権の不甲斐ない成績が表すように試合ごとにムラが大きい面があり、試合中に流れを変える戦術変更や選手交代といった采配面での引き出しは少ないように思われる。
コパ・アメリカ開催期間は、ウルグアイ代表ロチェ(Rochet, 1993)、チリ代表VOLアランギス(Aránguiz, 1989)、エクアドル代表FWエネル・バレンシア(Enner Valencia, 1989)、コロンビア代表FWボレーといった顔ぶれが、チームを離脱する可能性があり、厚い選手層を誇るとはいえ戦力ダウンは否めない。
格下と思われるチームから4試合で1得点しか奪えない嫌な流れで2024年全国選手権開幕を迎えるが、クラブ首脳やサポーターの雑音を遮断し、2023年リベルタドーレスでのチームのような攻守にバランスの取れた「強さ」を感じさせるチームをエドゥアルド・クーデ監督が構築し安定させることができるかが上位進出の鍵となる。個々の選手のポテンシャルは高いだけに戦術が噛み合えば優勝争いを演じても不思議ではない。
6.コリンチャンス
<直近の成績>
2023年:全国選手権13位 2024年:‐
<評価>
2023年終盤に就任したマノ・メネゼス(Mano Menezes)監督が州選手権での成績不振を理由に解任。後任にクイアバを率いていたアントニオ・オリヴェイラ(António Oliveira)監督を招聘する。
2023年にルシェンブルゴ(Luxemburgo)監督が下部組織所属・出身の若手選手を多く起用。登録選手数が膨らみ、また、ベテランの域に達する選手も多く、2024年シーズンを前に選手構成のリバランスが図られる。
主な退団選手は、これまでチームの屋台骨を支え、2023年も主力として活躍したMFヘナト・アウグスト(Renato Augusto, 1988)、SBファビオ・サントス(Fábio Santos, 1985)、MFジウリアーノ(Giuliano, 1990)、CBジウ(Gil, 1987)といったベテラン勢。右SB、右CBとしての3500分超の出場時間を記録したCBブルーノ・メンデス(Bruno Méndez, 1999)、2023年半ばに獲得し退団したMFヘナト・アウグストの後釜として活躍が期待されたパラグアイ代表MFマチアス・ローハス(Matías Rojas, 1995)の両選手はクラブの体制に不満を示しクラブを去った。
主な新加入選手は、昨年来手薄となっているセンターバックにエクアドル代表CBフェリックス・トーレス(Félix Torres, 1997)、サントス、フラメンゴでの実績がある196㎝の長身CBグスタヴォ・エンヒキ(Gustavo Henrique, 1993)が加入。VOLハニエリ(Raniele, 1996)、左SBウーゴ(Hugo, 1997)、MFロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)がベテラン勢退団の穴を埋め、センターフォワードに2022年全国選手権得点ランキング2位、ベストイレブンに輝いたFWペドロ・ハウーウ(Pedro Raul, 1996)を獲得。
1月開幕の州選手権では、開幕戦白星の後、5連敗を喫し、アントニオ・オリヴェイラ氏へ監督が交代。クイアバ時代のスリーバックを採用、監督の戦術を知るVOLハニエリが中盤の底で指揮を執り、ピッチを横に広く使った戦術で攻撃陣を活性化。左右両サイドにはスピード豊かで決定力もあるFWホメーロ(Romero, 1992)とFWウェズレイ(Wesley, 2005)が主軸をなし、2023年は守備的な戦術のためゴールから遠ざかっていたFWユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)が監督交代後の8試合で7得点1アシストと復活。チームが軌道に乗ると、フォーバック、FWユーリ・アウベルトのワントップ、FWペドロ・ハウーウとのツートップなど様々な戦術を実戦で試す。
監督交代後は、州選手権、コパ・ド・ブラジルの両大会で5勝2分1敗。州選手権はグループラウンドで敗退したものの、右肩上がりの勢いで三週間の小休止を迎える。小休止後のコパ・スウアメリカーナ開幕節は、アウェイの地で試合を支配しながらも1-1の引き分けに終え周囲を落胆させたが、第2節ではシュートに至る過程を修正すると、FWホメーロが2得点、FWユーリ・アウベルト、途中出場のFWペドロ・ハウーウが各1得点を記録。全国選手権開幕直前の試合を取るべき選手が得点を取る理想的な試合で終えた。
クラブは的確な補強と緩やかな世代交代を実施。GKカシオ(Cássio, 1987)、右SBファギネル(Fagner, 1989)、VOLパウリーニョ(Paulinho, 1988)のベテラン勢が安定感をもたらし、実力の裏打ちされた既存選手と新加入選手の入り混じった中堅選手、1月のU-20全国大会カップ戦で準優勝を収めた下部組織からは2023年に引き続き将来性豊かな人材が輩出されており、チーム力は確実に向上している。ポルトガル国籍のアントニオ・オリヴェイラ監督はブラジルでの経歴も長く、戦力の整ったチームでどれだけの結果を残せるのかが注目のポイント。 2023年の守備的な戦術から攻撃的な戦術へと舵を切り、攻撃的な選手のポテンシャルが開花したチームはその伸びしろも大きく、2024年のダークホースに押したい。