【ブラジル全国選手権2024】第1節(1/2)

投稿者: | 2024年4月15日

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全国選手権第1節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/04/13 インテルナシオナウ(INT) x バイーア(BAH)
・2024/04/13 クリシウーマ(CRI) x ジュヴェントゥージ(JUV)
・2024/04/13 フルミネンセ(FLU) x RBブラガンチーノ(RBB)
・2024/04/13 サンパウロ(SAO) x フォルタレーザ(FOR)
・2024/04/14 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x グレミオ(GRE)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第1節(2/2)
・2024/04/14 コリンチャンス(COR) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
・2024/04/14 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x クイアバ(CUI)
・2024/04/
14 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) x フラメンゴ(FLA)
・2024/04/14 クルゼイロ(CRU) x ボタフォゴ(BOT)

・2024/04/14 ヴィトーリア(VIT) x パウメイラス(PAL)

全国選手権第1節 試合概要

インテルナシオナウ(INT) 2-1 バイーア(BAH)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=XhLMQaCFgTE
(BAH) : 70' #11 ビエウ(Biel, 2001)[#6 ジアン・ルーカス(Jean Lucas, 1998)]
(INT) : 72' #21 ウェズレイ(Wesley, 1999)[]
(INT) : 83' #5 フェルナンド(Fernando, 1987)[#8 ブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1989)]

得点シーン

(BAH) : 70' #11 ビエウ(Biel, 2001)[#6 ジアン・ルーカス(Jean Lucas, 1998)]
バイーアが右サイドライン際からMFエヴェルトン・ヒベイロ(Éverton Ribeiro, 1989)→MFジアン・ルーカス→FWビエウへと細かくボールを繋ぎ、最後はFWビエウが切り返しからシュート。ボールはディフェンダーの足に当たりGKの逆をつく形となりゴールイン。
   FWビエウはチーム2年目のウィンガー。2023年は48試合11得点7アシストを記録しいずれの数値もキャリアハイ。ゴールに向かう姿勢が強く、個人で打開するスピードやシュート技術を持つ。しかし、周囲も良く見えておりアシストも多く計上、今季はすでに6つ目とアシストとなった。
   今季加入のMFエヴェルトン・ヒベイロは2022W杯代表、クルゼイロ、フラメンゴでリベルタドーレス2度や全国選手権4度、コパ・ド・ブラジルのタイトルを獲得。同じく今季加入のMFジアン・ルーカスはリヨン、モナコなどフランスでに約2年半プレーで91試合5得点4アシスト。
(INT) : 72' #21 ウェズレイ(Wesley, 1999)[]
相手陣半ば左サイドからのスローイン。ペナルティエリア角に送られたボールは誰にも触れずゴールに向かい流れたところをFWウェズレイが反応しゴールに流し込む。
   クルゼイロから今季加入したFWウェズレイはスピード豊かなサイドアタッカー。層の厚いポジションのため、これまで十分な出場機会に恵まれていなかったが、後半開始時にピッチに送られると、その期待に応えるゴール。今後出場時間を増やしていきたい。
(INT) : 83' #5 フェルナンド(Fernando, 1987)[#8 ブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1989)]
右CKのキッカーはVOLブルーノ・エンヒキ。ファーサイドに上げたボールにVOLフェルナンドがディフェンダーの背後から打点の高いヘディングでゴールネットを揺らす。
   CB,VOLフェルナンドは、FCポルト/PORにて6シーズン236試合6得点6アシスト、マンチェスターシティ/ENGにて3シーズン4得点3アシスト、ガラタサライ/TURにて2シーズン4得点4アシスト、セビージャ/ESPにて4.5シーズン167試合7得点10アシストを記録する欧州での経歴が長い選手。この試合では前半はセンターバックとして空中戦、足元のいずれでも強さを発揮、後半からはボランチにポジションを変え守備で安定感をもたらし、攻撃面では決勝ゴールの活躍をみせた。

試合経過、短評その他

   タレントが揃いながらも最近の試合で結果がでない両チームの一戦。直近の試合からインテルナシオナウはスタメンを半数以上入れ替え、バイーアは左SBとしての起用が続いたVOLヘゼンジ(Rezende, 1995)をボランチに戻し本職SBルシアーノ・ジュバ(Luciano Juba, 1999)を左SBに据える。
   激しいボールの奪い合いが続く試合は、前半25分にインテルナシオナウが左サイドSBヘネー(Renê, 1992)のクロスにFWルーカ(Lucca, 2003)が強烈なシュートを放つがバイーアGKマルコス・フェリピ(Marcos Felipe, 1996)がストップ。2分後の前半27分、バイーアはMFエヴェルトン・ヒベイロ(Éverton Ribeiro, 1989)がペナルティエリア手前から左足を振り抜くが、ボールは僅かにゴールポストの外へ。
   後半開始時にインテルナシオナウは一気に3選手を交代。両ボランチを下げ、VOLブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1989)と前半はCBを務めたフェルナンド(Fernando, 1987)を一列上げダブルボランチを構成、CBメルカド(Mercado, 1987)を最終ラインに入り、高さのFWルーカに代え速さのFWウェズレイ(Wesley, 1999)を投入する。
   試合は後半も白熱した展開が続くが、後半25分にバイーアFWビエウが均衡を破る。すると試合は一気に動き出し、2分後の後半27分にインテルナシオナウはバイーア守備陣の一瞬の隙を突き。Wウェズレイが同点ゴール。後半38分にはセットプレーからVOLフェルナンドが豪快なヘディングシュートで決勝点。
   2得点ともセットプレーからによるもので攻撃面での課題は解消されなかったものの、インテルナシオナウが逆転で開幕節を白星で飾った。一方のバイーアは、守備面での脆さがこの試合でも見られ痛い逆転負けを喫した。

クリシウーマ(CRI) 1-1 ジュヴェントゥージ(JUV)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=1xM0aoOmwYo
(CRI) : 36' #79 ヘナト・カイゼル(Renato Kayzer, 1996)[#22 マルセロ・エルメス(Marcelo Hermes, 1995)]
(JUV) : 69' #20 ジアン・カルロス(Jean Carlos, 1992)[#16 ジャジソン(Jádson, 1993)]

得点シーン

(CRI) : 36' #79 ヘナト・カイゼル(Renato Kayzer, 1996)[#22 マルセロ・エルメス(Marcelo Hermes, 1995)]
中央MFマルキーニョス・ガブリエウ(Marquinhos Gabriel, 1990)から左サイドを斜めにペナルティエリアに侵入を図る左SBマルセロ・エルメスにボールが送られると、左SBマルセロ・エルメスはゴール前に頭で折り返す。胸トラップでボールを受けたFWヘナト・カイゼルが体を反転させボレーシュート。ゴラッソ。
   FWヘナト・カイゼルは1996年生まれの28歳ながらこれまで16ものクラブでプレーした経歴を持つ。今季はフォルタレーザからの期限付き移籍でチーム21試合のうち20試合に出場し5得点1アシスト。しかし、この試合の終了後にフォルタレーザへの帰還が決まり、全国選手権開幕節でのゴラッソがクリシウーマでの最後の勇姿となった。
(JUV) : 69' #20 ジアン・カルロス(Jean Carlos, 1992)[#16 ジャジソン(Jádson, 1993)]
右サイドライン際ハーフウェイライン付近でVOLジャジソンが相手のパスを引っ掛け前方に蹴りだしたボールをMFジアン・カルロスが拾う。そのままドリブルでゴールに向かうとディフェンダー2人を振り抜き、ペナルティエリア手前からシュート。ボールはファーサイドのゴールポスト叩きインゴール。
   新加入のMFジアン・カルロスはこれまで全19試合に出場し2得点6アシストを記録していた。2016年サンパウロ在籍時以来の全国選手権1部の舞台で、全国選手権1部初ゴールをマーク。

試合経過、短評その他

   昇格チーム同士の一戦は、大ベテランMFネネー(Nenê, 1981)をスタメンに起用したジュヴェントゥージがハーフウェイライン近辺での厳しいマークでクリシウーマの攻撃の芽を摘み取るとMFネネーにボールを集め好機を作り出す。しかし、先制点はクリシウーマ。自陣からSBクラウジーニョ(Claudinho, 2000)がFWエデル・シタジン(Éder Citadin, 1986)をターゲットにロングフィードを送ると、そこから5本のパスを繋ぎ最後はFWヘナト・カイゼルのゴラッソ。
   後半15秒のクリシウーマMFマテウス・ガブリエウ(Marquinhos Gabriel, 1990)のGKガブリエウ(Gabriel, 1992)を襲ったミドルシュートで始まった後半は、前半同様、ジュヴェントゥージが出足のいい守備で主導権を握る。すると、後半24分、ハーフウェイライン付近でのボール奪取からMFジアン・カルロスのコントロールされたシュートでジュヴェントゥージが同点に追いつく。
   その後は互いに相手ゴールに迫るが、両チームGKが好守でゴールを守り抜き、試合は1-1の引き分け、勝点「1」を分け合った。

   3月28日に入団が発表されたクリシウーマでのデビュー戦となったフランス リヨンに生まれ、イングランドでキャリアを積んだコンゴ民主共和国代表FWヤニク・ボラシエ(Yannick Bolasie, 1989)。試合後のピッチ上のインタビューではジュヴェントゥージのMFネネー(Nenê, 1981)がモナコ/FRA、パリサンジェルマン/FRAで計3年半プレーした経歴を生かしフランス語の通訳を務めた。

フルミネンセ(FLU) 2-2 RBブラガンチーノ(RBB)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=K6RWUQtqotc
(FLU) : 45+4' #45 リマ(Lima, 1996)[#10 パウロ・エンヒキ・ガンソ(PH Ganso, 1989)]
(RBB) : 47' #19 エドゥアルド・サーシャ(Eduardo Sasha, 1992)[#28 ヴィチーニョ(Vitinho, 1999)]
(RBB) : 52' #18 チアゴ・ボルバス(Thiago Borbas, 2002)[#28 ヴィチーニョ(Vitinho, 1999)]
(FLU) : 68' #45 リマ(Lima, 1996)[#10 パウロ・エンヒキ・ガンソ(PH Ganso, 1989)]

得点シーン

(FLU) : 45+4' #45 リマ(Lima, 1996)[#10 パウロ・エンヒキ・ガンソ(PH Ganso, 1989)]
左CKを得たフルミネンセは、MFガンソが左足でゴールから離れていくボールを蹴る。ニアサイドでDFの前に現れたMFリマが頭を合わせゴールネットを揺らす。
   MFリマは、グレミオ育成出身で2017年3月にグレミオから20歳でプロデビュー。2019年途中に加入したセアラーで3年半の間に160試合20得点14アシストの記録を残し2023年にフルミネンセに加入。2023年は66もの試合に出場し7得点5アシスト。守備面での貢献度も高い。この試合では2得点の活躍。
(RBB) : 47' #19 エドゥアルド・サーシャ(Eduardo Sasha, 1992)[#28 ヴィチーニョ(Vitinho, 1999)]
左サイドライン際ゴールラインから約20mの距離のFK。FWヴィチーニョがゴール前に上げたボールにニアサイドでFWエドゥアルド・サーシャが頭を合わせRBブラガンチーノが同点に追いつく。
   FWエドゥアルド・サーシャは2023年全国選手権開幕前に加入し41試合16得点6アシストを記録したチーム内得点王。2013年にゴイアスで45試合に出場して以降、インテルナシオナウ、サントス、アトレチコ・ミネイロで多くの監督のもと、常にレギュラー、もしくは準レギュラーとして活躍する戦術理解力の高い選手。今季もこのゴールで18試合7得点とチームの得点源となっている。
(RBB) : 52' #18 チアゴ・ボルバス(Thiago Borbas, 2002)[#28 ヴィチーニョ(Vitinho, 1999)]
1点目のFKと同様の地点からFWヴィチーニョがゴール前にクロス。FWチアゴ・ボルバスがディフェンダーの背後へポジションを移しヘディングシュート。後半開始時に投入された2選手の連係によるゴールでRBブラガンチーノが逆転。
   FWチアゴ・ボルバスは、2023年RBブラガンチーノ加入当初の途中交代による出場機会をものにしゴールを量産。一時期はスタメンの座を掴み、50試合13得点3アシストを記録。2023年6月にはウルグアイ代表として国際親善試合の2試合に出場を果たした。今季もチーム21試合中20試合に出場し4得点1アシスト。前年はレギュラーとなって以降少し失速したが、今季はコンスタントな活躍でチームの躍進とともに、自身の代表復帰を果たしたい。
   FWヴィチーニョはディナモ・キエフ/UKRからの期限付き移籍でプレー。競争の激しいウィングのポジションで今季は多くの試合に先発に起用されるが、チームの不振のためか、直近の試合とこの試合はベンチスタートとなっていた。しかし、後半開始時の出場となったこの試合ではセットプレーと流れの中から精度の高いクロスで2アシストを記録した。
(FLU) : 68' #45 リマ(Lima, 1996)[#10 パウロ・エンヒキ・ガンソ(PH Ganso, 1989)]
相手陣で相手を押し込むフルミネンセ。守備陣が下がったところを、MFリマがペナルティエリア手前でボールを受けると、寄せが甘いとみるや、思い切りよく右足を振り抜く。DFに当たったボールがゴールに吸い込まれフルミネンセが同点に追いつく。

試合経過、短評その他

   ボールを支配するスタイルの両チームによる対戦は、ホームのフルミネンセがより多くの時間でボールを支配し、ミドルシュートやクロスから積極的にシュートを放つ。一方のRBブラガンチーノはカウンターから相手ゴールに迫る。しかし、両チームともGKの好守やゴールポストに嫌われる場面が多く得点は生まれない。
   前半終了間際にフルミネンセがセットプレーから先制。すると、RBブラガンチーノは後半開始時に一気に4選手を交代し、試合の主導権を握ると、後半3分にセットプレーから同点。さらにその5分後には逆転ゴールを奪う。後半15分にフルミネンセはFWジョン・ケネジー(John Kennedy, 2002)を投入し試合の主導権を奪い返す。フルミネンセはボールを相手陣で展開し守備陣を押し込むと、後半23分にMFリマのこの試合2点目のゴールで同点。
   同点に追いついた後もフルミネンセが攻勢を仕掛けるが、勝ち越しゴールは生まれず試合は2-2のままタイムアップ。両チーム勝点「1」を分け合った。

サンパウロ(SAO) 1-2 フォルタレーザ(FOR)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=bVYqtqJKehI
(FOR) : 66' #9 ルセロ(Lucero, 1991)[#7 ポチェチーノ(Pochettino, 1996)]
(FOR) : 80' #39 マチューカ(Machuca, 2000)[#28 ペドロ・アウグスト(Pedro Augusto, 1997)]
(SAO) : 84' #17 アンドレ・シウヴァ(André Silva, 1997)[#33 エリキ(Erick, 1997)]

得点シーン

(FOR) : 66' #9 ルセロ(Lucero, 1991)[#7 ポチェチーノ(Pochettino, 1996)]
右サイドライン際アタッキングサード入口からのMFポチェチーノのクロスを、FWルセロがペナルティエリア内で胸トラップで受けそのまま体を反転させ右足を振り抜くボレーシュート。ボールはファーサイドのゴールネットを揺らすゴラッソ。
   FWルセロは2023年にチリの強豪コロコロから加入したアルゼンチン国籍選手。2023年に63試合24得点7アシストの記録を残すと、今季もこの試合を含め直近3試合で4得点など、20試合9得点2アシストの活躍。
(FOR) : 80' #39 マチューカ(Machuca, 2000)[#28 ペドロ・アウグスト(Pedro Augusto, 1997)]
   サンパウロのクロスをカットしたVOLペドロ・アウグストが素早く前線にボールを送りカウンターが発動。ボールを受けたFWマチューカがドリブルで持ち込みそのままシュート。グラウンダーのシュートはファーサイドのゴールポストを叩きゴールイン。フォルタレーザに貴重な追加点。
   FWマチューカは、2023年7月にウニオン/ARGから加入したスピードとパワーを兼ね備えたアルゼンチン国籍選手。2023年は途中交代出場が多かったが、今季は左ウィング、ツートップの一角として先発出場も増加。後半24分に同様のカウンターでシュートを枠外へ外したが、2度目のチャンスはきっちりと仕留めた。
(SAO) : 84' #17 アンドレ・シウヴァ(André Silva, 1997)[#33 エリキ(Erick, 1997)]
右サイドからのボールをペナルティエリア手前で受けたFWアンドレ・シウヴァが、背後からのディフェンダーをかわし前を向くと左足を一閃。ボールはゴールネットに突き刺さる。サンパウロが起死回生のゴールで1-2の一点差に迫る。
   FWアンドレ・シウヴァは、センターFWカレリのバックアップとして3月5日にヴィトリアSC/PORから加入。直近のリベルタドーレス第2節コブレサル戦でのゴールに続く2試合連続ゴール。不振のチームにあって、新たなオプションとなりえる活躍を見せている。

試合経過、短評その他

   サンパウロのスタメンは、直近のリベルタドーレス第2節コブレサル/CHL戦からMFハメス・ロドリゲス(James Rodríguez, 1991)に代わりMFガロッポ(Galoppo, 1999)への変更のみ。コブレサル戦で機能していなかったシステムがどう変わるか注目された。
   この試合では、右サイドを起点とする時間帯と左サイドを起点とする時間帯を織り交ぜ、相手を押し込む展開。サンパウロの1stシュートは前半20分過ぎだったが、その後15分間で次々とフォルタレーザゴールに迫る。しかし、フォルタレーザGKジョアン・ヒカルド(João Ricardo)が再三のシュートストップでゴールを許さない。
   得点こそ奪えないものの、サンパウロが試合を支配して前半が終了。
   後半13分、フォルタレーザはプレーが空回り気味だったFWマリーニョ(Marinho, 1990)、試合に入れていなかったMFヤゴ・ピカチュー(Yago Pikachu, 1992)に代え、FWモイゼス(Moisés, 1996)とFWマチューカ(Machuca, 2000)を投入。すると、それまで相手の速い寄せに苦しんでいたMFポチェチーノ(Pochettino, 1996)に時間が生まれ攻撃を作り始める。
   フォルタレーザがボールを握る時間が増えてくると、サンパウロは両WBを下げFW2枚を投入し攻撃の圧力を強める。しかし、その直後にフォルタレーザがFWルセロのゴラッソで先制。サンパウロはさらに攻撃的な選手を投入するが、前がかりになったところをカウンターを決められる。直後にFWアンドレ・シウヴァの個人技で1点差に詰め寄るが、選手交代を通じて守備に厚みをつけるフォルタレーザ守備陣を崩すことができずタイムアップ。
   選手交代が機能したフォルタレーザと機能しなかったサンパウロ。試合後スタジアムはサンパウロサポーターのブーイングに包まれた。

ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) 2-1 グレミオ(GRE)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=7P-68bIm8nQ
(VAS) : 24' #7 デイヴィジ(David, 1995)[]
(VAS) : 37' #85 マテウス・カルヴァーリョ(Mateus Carvalho, 2002)[#31 ホッシ(Rossi, 1993)]
(GRE) : 68' #53 グスタヴォ・マルチンス(Gustavo Martins, 2002)[#54 クイアバーノ(Cuiabano, 2003)

得点シーン

(VAS) : 24' #7 デイヴィジ(David, 1995)[]
右サイド深い位置からFWホッシがクロス。グレミオGKがパンチングで弾き、DFがクリアしようとしたボールが真上に上がる。それをFWデイヴィジが右足のボレーシュート。DFを掠めたボールがファーサイドのゴールネットを揺らしヴァスコ・ダ・ガマが先制。
   FWデイヴィジは、今季インテルナシオナウから期限付き移籍加入したサイドアタッカー。ヴィトーリア育成出身で2015年5月に全国選手権2部第4節にて19歳のプロデビュー。その後、クルゼイロ、フォルタレーザで各2年間レギュラーとして活躍。インテルナシオナウに移籍後は途中出場の機会が増え、2023年サンパウロでもレギュラーに定着できず、今季に至る。チャンスメーカーとしてもストライカーとしても水準以上の力量があるだけに、好不調の波を減らし、コンスタントに試合に出場したい。
(VAS) : 37' #85 マテウス・カルヴァーリョ(Mateus Carvalho, 2002)[#31 ホッシ(Rossi, 1993)]
右CKからFWホッシのゴールから離れていく高さのあるボールに、VOLマテウス・カルヴァーリョが後方に下がりながら右足のボレーシュート。ゴールサイドネットを揺らすゴラッソ。
   VOLマテウス・カルヴァーリョはボックストゥボックスをプレーエリアとするボランチ。2023年4月にナウチコからの期限付き移籍でヴァスコに加入。2024年3月10日の試合での前半終了間際の退場を機に出場機会を失っていたが、全国選手権開幕節で先発に抜擢された。2024年4月に契約は満了するが、現在のところ、完全移籍も期限付き移籍契約延長の報道もなく、動向が気になる。
   FWロッシはチーム2得点に絡む活躍。2023年は監督交代後の数試合でゴールに絡む活躍をしながらも次第に出場機会を失い、契約の延長も危ぶまれた。今季はこの試合でのプレーをコンスタントにみせ、レギュラー定着を図りたい。
(GRE) : 68' #53 グスタヴォ・マルチンス(Gustavo Martins, 2002)[#54 クイアバーノ(Cuiabano, 2003)]
左ショートコーナーからSBクイアバーノがゴール前に低い弾道のクロス。ワンバウンドしたボールに後方から現れたCBグスタヴォ・マルチンスが足を合わせグレミオが反撃ののろしを上げる。
   CBグスタヴォ・マルチンスはヴァスコ育成を経てグレミオ育成に加入、2023年1月の州選手権で20歳のプロデビューを飾り、同年は23試合に出場。今季はセンターバックのポジション争いに一歩後れを取っていたが、この試合では前半16分のCBカネマン(Kannemann, 1991)の負傷交代を受けピッチに立った。2023年パンアメリカン競技大会(U-23)金メダリスト。

試合経過、短評その他

   リオデジャネイロ州選手権を準決勝敗退に終えたヴァスコ・ダ・ガマ、州選手権で優勝を収めたもののリベルタドーレスでは2試合無得点で連敗を喫したグレミオ。両チームとも直近の試合から先発メンバーを大きく変更する。
   ヴァスコは先発変更が効果を発揮、立ち上がりからグレミオをゴール前に押し込む。前半16分、グレミオCBカネマン(Kannemann, 1991)が負傷交代するアクシデントもあり、ヴァスコが右サイドのFWロッシを起点としたプレーからFWデイヴィジ、FWマテウス・カルヴァーリョの2本のゴラッソ。グレミオに一本のシュートも打たせず2-0のリードで前半を終える。
   後半始めにチャンスを迎えたのはグレミオ。後半2分に右SBジョアン・ペドロ(João Pedro, 1996)がペナルティエリアに侵入し角度のない位置からシュートに持ち込むがこれは僅かにゴール枠を外れる。後半4分にはヴァスコが再び右サイドからFWロッシをクロスを上げFWベヘッチ(Vegetti, 1988)が頭を合わせるが、グレミオGKマルチェシン(Marchesín, 1988)が決死のセーブでCKに逃れる。
   後半13分にグレミオはFWグスタヴォ・ヌーネス(Gustavo Nunes, 2005)、FWナタン・フェルナンデス(Nathan Fernandes, 2005)の10代のFWを投入。すると、ヴァスコ守備ラインの間隔が拡がり、グレミオがうことでのスペースを有効に使い試合の流れを掴み、後半23分にショートコーナーからのゴールで1点差に詰め寄る。
   ヴァスコ・ダ・ガマもFWハイアン(Rayan, 2006)、MFジョタ・ぺー(JP, 2005)の若い戦力を相次いで投入。失点前後にCBジョアン・ヴィクトル(João Victor, 1998)、CBロベルト・ローハス(Robert Rojas, 1996)を投入し守備ブロックを強化すると、グレミオに向いた試合の流れを食い止め、2-1のリードのまま試合を締めた。

この試合では、VARの介入の理由、主審の判定とその根拠を、主審がマイクを使い観客に説明する新しい試みが行われた。ペナルティや退場の判定の理由が明確となり、メディアなどではこの試みはポジティブに受け入れられている。

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