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全国選手権第1節 対戦組合せ
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第1節(1/2)
・2024/04/13 インテルナシオナウ(INT) x バイーア(BAH) ・2024/04/13 クリシウーマ(CRI) x ジュヴェントゥージ(JUV) ・2024/04/13 フルミネンセ(FLU) x RBブラガンチーノ(RBB) ・2024/04/13 サンパウロ(SAO) x フォルタレーザ(FOR) ・2024/04/14 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x グレミオ(GRE)
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/04/14 コリンチャンス(COR) x アトレチコ・ミネイロ(CAM) ・2024/04/14 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x クイアバ(CUI) ・2024/04/ 14 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) x フラメンゴ(FLA) ・2024/04/ 14 クルゼイロ(CRU ) x ボタフォゴ(BOT) ・2024/04/ 14 ヴィトーリア(VIT) x パウメイラス(PAL)
全国選手権第1節 試合概要
コリンチャンス(COR) 0-0 アトレチコ・ミネイロ(CAM)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=U-Fw2Op0n64
得点シーン
N/A
試合経過、短評その他
立ち上がりからインテンシティの高い試合は、前半2分のアトレチコ・ミネイロVOLバターリャ(Battaglia, 1991)のイエローカードに始まり、コリンチャンスに計7枚、アトレチコ・ミネイロには計6枚のイエローカードが提示された荒れた試合となる。前半45+4分にはVOLバターリャに2枚目のイエローカードが提示され退場処分。
試合は、守備ブロックを作って守るコリンチャンスと、前に出て中盤でボールを奪いに行くアトレチコ・ミネイロと異なる守備スタイル。 前半はアトレチコ・ミネイロが比較的高い位置で奪ったボールを素早く縦に送り度々チャンスを迎えるが、コリンチャンスの両CBとVOLハニエリ(Raniele, 1996)が粘り強く対応し、アトレチコ・ミネイロはシュートまで持ち込めても最後の精度が劣る。一方のコリンチャンスはシュートに持ち込むことさえできない。
前半の実質的に最後のプレーでアトレチコ・ミネイロVOLバターリャの退場で数的有利に立ったコリンチャンスだったが、左サイドでFWウェズレイ(Wesley, 2005)が奮闘するものの、アトレチコ・ミネイロの中盤の寄せの速さに苦しめられ、好調のツートップに効果的なボールを送ることができない。
後半30分を過ぎて、FWペドロ・ハウーウ(Pedro Raul, 1996)、高さのあるVOLパウリーニョ(Paulinho, 1988)を投入するが、アトレチコ・ミネイロは守備ラインが空中戦で奮闘。決定的なシーンに欠けた試合は両チームともゴールを奪うことができず0-0の引き分けに終えた。
アトレチコ・パラナエンセ(CAP) 4-0 クイアバ(CUI)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=AK-kiCtgPm0
(CAP) : 23' #92 パブロ(Pablo, 1992)[#20 ジュリマール(Julimar, 2001)] (CAP) : 37' #14 カノービオ(Canobbio, 1998)[#5 フェルナンジーニョ(Fernandinho, 1985)] (CAP) : 39' #29 レオ・ゴドイ(Léo Godoy, 1995)[#14 カノービオ(Canobbio, 1998)] (CAP) : 81' #9 マストリアーニ(Mastriani, 1993)[#10 サペリ(Zapelli, 2002)]
得点シーン
(CAP) : 23' #92 パブロ(Pablo, 1992)[#20 ジュリマール(Julimar, 2001)] 右CK。VOLフェルナンジーニョが高くを上げたボールをファーサイドでFWジュリマールがヘディングシュート。このシュートは勢いが弱かったものの、GKの目の前にFWパブロが現れゴールに押し込む。 FWパブロは、アトレチコ・パラナエンセ育成出身。2014年にはレアルマドリード/ESPのBチームであるカスティーリャでプレーするもレアルマドリード入団に至らなかった。フィゲイレンセ移籍後の2015年に一年間の期限付き移籍でセレッソ大阪/JPNでプレー。帰国後はアトレチコ・パラナエンセ、サンパウロを経て再度アトレチコ・パラナエンセでプレー。派手さはないが、オフザボールで前後左右にポジションを変え味方のスペースを作り、高さを生かしたポストプレーもできる万能型のセンターフォワード。事前に知っていたかのようにボールがこぼれるポジションに位置取るゴールの嗅覚はまさにストライカーのそれ。
(CAP) : 37' #14 カノービオ(Canobbio, 1998)[#5 フェルナンジーニョ(Fernandinho, 1985)] 相手陣ペナルティエリア内左のFWジュリマール→ペナルティエリア手前のFWパブロ→一列後ろのVOLフェルナンジーニョ→ペナルティエリア右手前FWクエージョ(Cuello, 2000)→ペナルティエリアに侵入するVOLフェルナンジーニョがゴールライン手前まであがり→マイナスのボールをダイレクトに合わせたFWカノービオ。綺麗に守備網を崩したゴラッソコレチーボ。 FWカノービオは、2022W杯代表などウルグアイ代表として11試合1得点1アシスト。アトレチコ・パラナエンセは3年目で108試合13得点12アシストを記録中。切れ味のあるスピードと豊かな持久力で攻撃面でなく守備面での貢献も高く、アトレチコ・パラナエンセでは替えの効かない選手となっている。
(CAP) : 39' #29 レオ・ゴドイ(Léo Godoy, 1995)[#14 カノービオ(Canobbio, 1998)] FWカノービオが前線から戻りハーフウェイライン付近で相手のパスをカット、そのまま約35mをドリブルでペナルティエリアに向かい、右SBレオ・ゴドイが外からFWカノービオの内に走るコースを変えると、FWカノービオからのパスを受け、グラウンダーのシュートを放つ。ボールはファーサイドのゴールネットを揺らしアトレチコ・パラナエンセの3点目。 右SBレオ・ゴドイは、2023年コパ・アルヘンティーナを制したエストゥディアンテスから2024年シーズン前に加入したアルゼンチン国籍選手。SBマジソン(Madson, 1992)とポジション争いを繰り広げているが、全国選手権開幕節で先発に抜擢され、嬉しいクラブ初ゴールを記録した。
(CAP) : 81' #9 マストリアーニ(Mastriani, 1993)[#10 サペリ(Zapelli, 2002)] 左サイドライン際ゴールラインから約15mの位置からのFK。MFサペリがゴール前に上げたボールに途中交代出場のFWマストリアーニがニアサイドで頭にボールを合わせるゴール。 FWマストリアーニは、2023年に最下位に低迷したアメリカ・ミネイロで42試合21得点を記録。チームの降格もあり複数のクラブが獲得の意向を示す中アトレチコ・パラナエンセが獲得に成功した。2月にケガのため約3週間チームを離脱したものの、復帰後は8試合で7得点3アシスト。直近は4試合連続の5ゴール、うち3試合はこの試合を含め後半途中からの出場ながら短い時間で結果を残している。
試合経過、短評その他
パラナ州選手権王者とマットグロッソ州選手権王者の対戦となった開幕節は、パラナ州選手権王者アトレチコ・パラナエンセに軍配が上がった。
アトレチコ・パラナエンセはクーカ監督の就任以来負けなしの7連勝、直近のコパ・スウアメリカーナを6-0の大勝で全国選手権開幕節に挑んだが、この試合も最終ラインが高い位置を保ち、コンパクトな中盤でスペースを消し、素早いマークでボールを奪うと、ピッチを左右に広く使い、前後にもボールを有機的に動かす展開で、前半に3得点を奪い試合を決める。
後半も前線のプレスは勢いを弱めたものの、前半に続き中盤では相手のスペースを消し、試合を通した被シュート数は僅かに「2」。満足のいく内容で開幕白星を収めた。
一方のクイアバは、2月のアントニオ・オリヴェイラ監督の辞任以降、監督未定のまま全国選手権に突入。州選手権に優勝を収め、無敗で全国選手権開幕を迎えたルイス・フェルナンド・ユーベウ(Luiz Fernando Iubel)監督代行の手腕も素晴らしいが、試合レベルが格段に上がる全国選手権では経験のある監督を一日も早く迎えたい。
アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) 1-2 フラメンゴ(FLA)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=ihA0TB5D-fU
(FLA) : 45+6' #14 デ・ラ・クルス(De La Cruz, 1997)[] (ACG) : 63' #11 ルイス・フェルナンド(Luiz Fernando, 1996)[#2 マギーニョ(Maguinho, 1992)] (FLA) : 90+13' #9 ペドロ(Pedro, 1997)[PK]
得点シーン
(FLA) : 45+6' #14 デ・ラ・クルス(De La Cruz, 1997)[] FWペドロ(Pedro, 1997)が自陣からのフィードに抜け出し、対峙するCBアリックス・ヴィニシウス(Alix Vinicius, 1999)がボールを掻き出そうとしたものの空振りとなり、その足がFWペドロの足を蹴りFWペドロが転倒。危険なプレーでもなく、FWペドロが抜け出したわけでもないため得点機会阻止にも該当しないと思われるこのプレーに主審がレッドカードを提示。このプレーで得たゴールまで正面約23mのFKをMFデ・ラ・クルスが直接ゴールに決めフラメンゴが先制。 MFデ・ラ・クルスは、今季前に加入した2022W杯など26試合5得点を記録するウルグアイ代表。2026W杯南米予選も6試合3得点3アシストを記録中であり、代表、クラブいずれでも中盤で違いを作るプレーや絶妙なポジショニングが印象に深い。このゴールがフラメンゴで13試合目にして初ゴールとなったが、チームにはすでに溶け込んでおり、ケガなどの緊急事態がない限り今季の活躍はほぼ約束されている。
(ACG) : 63' #11 ルイス・フェルナンド(Luiz Fernando, 1996)[#2 マギーニョ(Maguinho, 1992)] 一人少ないアトレチコ・ゴイアニエンセが右サイドライン際から右SBマギーニョが2人のDFの間を通しゴール前にクロス。FWルイス・フェルナンドがフラメンゴSBアイルトン・ルーカスの空中戦に競り勝ち頭でボールをゴールネットに突き刺す。 FWルイス・フェルナンドは、アトレチコ・ゴイアニエンセ育成出身で同クラブから2015年2月州選手権にて18歳のプロデビュー。その後、ボタフォゴにて2018-19年の2年間で107試合10得点を記録するが、期限付き移籍先のグレミオを含め、次第に出場機会を失っていく。2022年全国選手権前にアトレチコ・ゴイアニエンセに復帰すると、2023年はチーム内得点王の19得点(8アシスト)を記録。この開幕ゴールはセンターフォワード顔負けの迫力あるヘディングシュート。選手層に不安のあるチームを前線で牽引していきたい。
(FLA) : 90+13' #9 ペドロ(Pedro, 1997)[PK] ペナルティエリア内でフラメンゴFWブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1990)とアトレチコ・ゴイアニエンセSBマギーニョが空中戦。マギーニョが振り上げた腕がブルーノ・エンヒキの顔に当たり転倒するが主審は試合を続行。プレーが途切れるとVARが介入しペナルティの有無が検証される。翌日公表されたVARと主審の通信記録でVARがボールに接する前にマギーニョの肘がブルーノ・エンヒキの顔面を痛打したと主張。二度に渡り主審は「故意ではなく腕を振り回しているわけでもないのでペナルティに該当しない」と主張するが、VARの繰り返しの主張を受け入れ、ペナルティの判定を下し、マギーニョにレッドカードが提示される。PKを獲得したフラメンゴはFWペドロがこれを決める。
試合経過、短評その他
ゴイアス州選手権王者とリオデジャネイロ州選手権王者の対戦となった全国選手権開幕節。昇格したばかりのアトレチコ・ゴイアニエンセが、南米各国の元・現役代表がひしめき、今季無敗のフラメンゴを相手にどれだけ通用するかが注目された。
試合は、個々のレベルで圧倒的に上回る フラメンゴがボールを支配するものの、組織的に整備されたアトレチコ・ゴイアニエンセがチャレンジ&カバーでフラメンゴの攻撃を凌ぐ。しかし、アトレチコは前半終了間際に微妙な判定により退場者を出し、そのプレーで与えたFKを直接決められ0-1で前半を折り返す。
後半も同様の展開となるが、アトレチコもサイドからのスピードのある攻撃に活路を見出し、後半18分にFWルイス・フェルナンドのゴールで同点。さらに後半25分、フラメンゴGKがリスタートする際にアトレチコの選手がGKの前を横切ると、その選手をフラメンゴDFが背後から突き倒し、アトレチコ・ゴイアニエンセにPKが与えられる。アトレチコは逆転のチャンスを迎えたが、MFシャイロン(Shaylon, 1997)が蹴ったボールはゴールポストに嫌われる。
残りの時間は、組織的なサッカーが綻ばないアトレチコ・ゴイアニエンセが数的不利をものともせずフラメンゴの攻撃を跳ね返し続けるが、実質的に最後のプレーで再び微妙な判定によりフラメンゴにペナルティを与えられ万事休す。
アトレチコ・ゴイアニエンセは、圧倒的な戦力差のある強豪フラメンゴを相手に、戦前の予想通りボールを支配されたものの、組織的なプレーを最後まで維持し、流れの中からの失点はなかった。不運な判定によるPKや退場が重なり、勝点を獲得することは出来なかったが、今後に向け明るい展望が開けた一戦となった。
クルゼイロ(CRU ) 3-2 ボタフォゴ(BOT)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=UBzdxaf2DVc
(BOT) : 5' #9 チキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)[#11 ジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)] (CRU) : 20' #16 ルーカス・シウヴァ(Lucas Silva, 1993)[#11 アルトゥール・ゴメス(Arthur Gomes, 1998)] (CRU) : 65' #8 ハファ・シウヴァ(Rafa Silva, 1992)[] (BOT) : 83' #5 ダニーロ・バルボーザ(Danilo Barbosa, 1996)[#16 ウーゴ(Hugo, 2001)] (CRU) : 90+1' #19 ハファエウ・エリアス(Rafael Elias, 1999)[#12 ウィリアン(William, 1995)]
得点シーン
(BOT) : 5' #9 チキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)[#11 ジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)] 右サイドライン際をドリブルで抜け出したFWジュニオール・サントスがそのままゴールライン際からペナルティエリアに侵入。DFの股下を通すパスでゴール前でフリーのFWチキーニョ・ソアレスにボールを送ると、FWチキーニョ・ソアレスは冷静にボールをゴールに流し込む。 FWチキーニョ・ソアレスは、2023年全国選手権で中盤までボタフォゴを牽引し自らも得点ランキングを独走した。しかし、監督交代やケガによる約3週間の離脱などが相次ぎ、自身のパフォーマンスが低下するとチームも勢いを失った。今季もFWチキーニョ・ソアレスのパフォーマンスがチーム成績に直結する可能性は高い。今後も高いパフォーマンスを維持したい。 FWジュニオール・サントスは、Jリーグの柏レイソル、横浜マリノス、サンフレッチェ広島でのプレー歴がある。2023年はボタフォゴで強力なスリートップの一角を形成し、キャリアハイの50試合出場を果たし7得点3アシストを記録。今季は予備予選から出場するリベルタドーレスでこれまで6試合8得点など19試合13試合2アシストを記録中。ドリブルを得意とし個人で局面を打開する力を持つ。
(CRU) : 20' #16 ルーカス・シウヴァ(Lucas Silva, 1993)[#11 アルトゥール・ゴメス(Arthur Gomes, 1998)] 右サイドライン際を駆け上がるSBウィリアン(William, 1995)がゴール前ファーサイドへクロス。事前の動きで中央からファーサイドに開いたFWアルトゥール・ゴメス(Arthur Gomes, 1998)がスタンディングのヘディングシュート。DFのブロックに遭うが、跳ね返りのボールを後方に戻すと、そこにVOLルーカス・シウヴァ(Lucas Silva, 1993)が走り込み左を振り抜き、パラグアイ代表GKガチット・フェルナンデス(Gatito Fernández, 1988)を抜く豪快がゴール。 VOLルーカス・シウヴァは、クルゼイロ育成出身で2012年にプロデビュー。2014年にレギュラーの座を掴むと、2015年初めにレアルマドリード/ESPへ1300万ユーロで移籍。9試合に出場し、2015/16シーズンはマルセイユ/FRAへ期限付きで移籍し32試合に出場。2017年にクルゼイロに期限付き移籍で加入すると、グレミオを経て2023年7月にクルゼイロに2度目の復帰。2023年8月にポジションに定着しチームの残留争いからの抜け出しに貢献。2024年もセグンドボランチのレギュラー、キャプテンとして、厳しいマークや攻守のボールのつなぎ役を担っている。
(CRU) : 65' #8 ハファ・シウヴァ(Rafa Silva, 1992)[] 左サイドライン際の浅めの位置からSBマルロン(Marlon, 1997)がペナルティエリアにボールを送ると、MFマテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)が個人技でシュートに持ち込む。DFのブロックに阻まれたこぼれ球をFWハファ・シウヴァがゴールに蹴り込みクルゼイロが勝ち越し。 FWハファ・シウヴァは、アルビレックス新潟/JPNで3年62試合26得点、浦和レッズ/JPNで1年42試合21得点2アシストを記録する経歴を持つ。中国リーグを経て、2022年にクルゼイロに加入。2023年は韓国でプレーし、2024年はクルゼイロに復帰。2024年はこれまですべてと途中出場で4試合51分の出場に止まっていたが、全国選手権開幕節で先発に抜擢され、その期待に応える勝ち越しゴール。ゴールの直後にベンチに下がったが、今後もゴールに絡むプレーで先発に定着したい。
(BOT) : 83' #5 ダニーロ・バルボーザ(Danilo Barbosa, 1996)[#16 ウーゴ(Hugo, 2001)] 数的不利のボタフォゴが右CKを獲得すると、SBウーゴが左足でボールを上げると、VOLダニーロ・バルボーザがスタンディングながら打点の高いヘディングでボールを叩きつけゴールネットを揺らす。ボタフォゴが同点に追いつく。 VOLダニーロ・バルボーザは、ヴァスコ・ダ・ガマ育成出身で多くの世代別代表の国際大会に出場し、2014年2月の州選手権にて17歳のプロデビューを飾る。2014/15シーズンを前にブラガ/PORへ450万ユーロで移籍。期限付き移籍でバレンシア/ESP、ベンフィカ/PORなどプレーし、2017/18シーズンをブラガでレギュラーとして活躍すると、シーズン後にニース/FRAへ1000万ユーロで移籍。しかし、ニースでは50試合の出場に止まり、パウメイラスへの期限付き移籍を経て、2022年8月にボタフォゴに加入するが、3番手のボランチとして途中交代での出場が続く。2024年も立場は変わっていないが、このゴールを機に先発の機会を増やしていきたい。
(CRU) : 90+1' #19 ハファエウ・エリアス(Rafael Elias, 1999)[#12 ウィリアン(William, 1995)] ホームで数的有利のクルゼイロが猛攻を仕掛け、左サイドライン際からゴール前にクロスボールを送るが、ボタフォゴDFが弾き返す。セカンドボールをFWアルバロ・バレアル(Álvaro Barreal, 2000)が頭でペナルティエリア右隅にボールを落とすと、右SBウィリアンがワントラップからゴール前にグラウンダーのボールを送る。そこに走り込んだFWハファエウ・エリアスがワンタッチでGKの股下を抜きクルゼイロが勝ち越し。 FWハファエウ・エリアスは、パウメイラス育成出身で2018年3月の州選手権にて18歳のプロデビューを飾ったパワー型のストライカー。パウメイラスではあまり多くの出場機会に恵まれず、期限付き移籍を繰り返す。2023年7月に期限付き移籍先の中東でプレーしていたが、パウメイラスと両者合意の契約解除を経てクルゼイロに加入。クルゼイロでも主に途中交代での出場が続くが、2024年に入り出場機会は増加。このゴールで10試合3得点となった。
試合経過、短評その他
この試合が2試合目の采配となるクルゼイロのフェルナンド・セアブラ(Fernando Seabra)監督は、ケガのFWジネーノ(Dinenno, 1994)に代わり初先発となるFWハファ・シウヴァ(Rafa Silva, 1992)をスタメンに抜擢。 一方のボタフォゴも、アルトゥール・ジョルジ(Artur Jorge)監督はこの試合が2試合目の采配。直近の0-1で敗れたコパ・スウアメリカーナでのLDUキト戦から4つのポジションで選手を変更する。
試合は早くも前半5分にボタフォゴのゴールで動くが、リードを許したクルゼイロは両サイドバックが高い位置を保つ攻撃的な布陣でボタフォゴ守備陣に次々と襲い掛かる。前半20分、右SBウィリアン(William, 1995)のクロスを起点にクルゼイロが同点に追いつくと、前半28分に再び右SBウィリアンのクロスをFWハファ・シウヴァが押し込む。しかし、これはVARの検証の結果、FWハファ・シウヴァのハンドが認められノーゴール。前半38分には右SBウィリアンが自らミドルシュートを放つがボールは僅かに枠を越える。
後半立ち上がりもボタフォゴがクルゼイロゴールに迫り、後半3分のボタフォゴのシュートは今季初出場のGKアンデルソン(Anderson, 1998)が好守でゴールを防ぎ、後半5分には相手のバックパスをカットしたボタフォゴFWジェフィーニョ(Jeffinho, 1999)が飛び出すGKをかわしシュートに持ち込むがボールは枠を捉えない。 すると、試合の流れは再びクルゼイロの元へ。後半20分、左サイドを起点した攻撃でクルゼイロが勝ち越す。後半27分には途中出場のボタフォゴCBアレキサンデル・バルボサ(Alexander Barboza, 1995)が一発退場。試合はこのままクルゼイロが逃げ切るかと思われた。 しかし、ボタフォゴは後半38分にCKから同点。 ホームでの開幕戦で勝点「3」が欲しいクルゼイロは、左SBマルロン(Marlon, 1997)のクロスの流れから、右SBウィリアンがゴール前にボールを送りFWハファエウ・エリアスが勝ち越しゴール。
クルゼイロのフェルナンド・セアブラ監督は、攻撃的な試合を展開し、采配2戦目で初勝利。 一方、ボタフォゴのアルトゥール・ジョルジ監督は2連敗。4月1日まで前チームの指揮を執っており、僅かなトレーニングと試合で十分に選手の特性を掴めておらず、対戦相手の分析も不十分だと思われるが、この試合はクルゼイロに両サイドバックに多くのスペースを与え過ぎた。退場者も出した苦しい試合だったが一度は引き分けに持ち込んだだけに、勝点「1」を持ち帰りたかった。
ヴィトーリア(VIT) 0-1 パウメイラス(PAL)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=uUmmsV1gn6Q
(PAL) : 20' #27 ヒシャルジ・ヒオス(Richard Rios, 2000)[#10 ホニ(Rony, 1995)]
得点シーン
(PAL) : 20' #27 ヒシャルジ・ヒオス(Richard Rios, 2000)[#10 ホニ(Rony, 1995)] 自陣からの鋭い縦パスをヴィトーリアの2ラインの間で受けたMFハファエウ・ヴェイガがペナルティエリアへボールを送る。FWエンドリッキ(Endrick, 2006)が頭でボールを落とすが、ボールは受けたFWホニ(Rony, 1995)はDFに囲まれシュートを打てない。ボールをペナルティエリア入口に戻すとVOLヒシャルジ・ヒオスがシュート。DFの足に当たったボールはゴールに吸い込まれる。 VOLヒシャルジ・ヒオスは、フラメンゴ育成出身のコロンビア国籍選手。2023年全国選手権開幕を前にグアラニから加入すると、全国選手権、リベルタドーレス、コパ・ド・ブラジルのほぼ全試合に出場。2024年もチーム20試合のうち18試合に出場するタフさを持つ。戦術眼に優れ、周りの選手のポジショニングに合わせた積極的な攻撃参加や、危険な地域、パスコースを埋めるポジショニング、高いボール奪取力を武器に欠くべからざる選手として重宝されている。
試合経過、短評その他
バイーア州選手権王者とサンパウロ州選手権王者の対戦。 ヴィトーリアは直近の試合のスタメンから左SBを変更。パウメイラス育成出身のSBルーカス・エステヴィス(Lucas Esteves, 2000)を抜擢。 一方のパウメイラスは6つのポジションを変更。FWエステヴォン(Estêvão, 2007)は2試合連続でスタメンを務め、FWエンドリッキ(Endrick, 2006)、FWホニ(Rony, 1995)とスリートップの一角を構成する。
試合開始からパウメイラスは前後左右に速いパスを繋ぐサッカーで試合を支配。相手にボールが渡った際も素早いボール保持者への寄せでヴィトーリアの攻撃の芽を摘んでいく。 しかし、この試合最初にチャンスを迎えたのはヴィトーリア。前半18分、ヴィトーリアは左SBルーカス・エステヴィスがドリブルを仕掛けペナルティエリアに侵入すると、ゴール前に駆け上がるFWアレハンドロ(Alerrandro, 2000)へボールを送る。しかし、FKウェヴェルトン(Weverton, 1987)が間合いを詰め強いシュートを打たせない。すると、前半20分、パウメイラスが自陣からの素早い攻撃からVOLヒシャルジ・ヒオス(Richard Rios, 2000)のゴールで先制する。
パウメイラスは先制後に試合のテンポを落とすものの、守備では要所を締め危険な位置からはシュートを打たせず、攻撃時はスプリントと速いパス回しで相手ゴールに迫る。ヴィトーリアもMFマテウジーニョ(Matheuzinho, 1997)が軸となり前線にボールを送るがパウメイラスDF陣のマークは厳しく大きなチャンスは訪れない。 前半終了間際にMFマテウジーニョが柔らかいボールを最終ライン裏に送ると、左SBルーカス・エステヴィスが抜け出しゴール前にマイナスのクロス。FWオズヴァウド(Osvaldo, 1987)が足を合わせるが、GKウェヴェルトンが再び身を挺したセーブでゴールを守り抜く。
後半に入りパウメイラスは次々と若手選手を投入。出場機会を生かしたい選手は自らの役割を理解し、個々の役割を遂行、固い守備から速い攻撃でヴィトーリアゴールに迫るが、ヴィトーリア最終ラインの集中力は高くゴールは生まれない。一方のヴィトーリアも少ないチャンスをゴールに繋げたいがカウンターは不発。相手陣にボールを運んでもパウメイラスの速い帰陣から固く閉ざす守備網を崩すことはできない。 一試合を通じたボール保持率、シュート数、枠内シュートなどのスタッツはほぼ互角にもかかわらず、パウメイラスが後半はすっかり試合をコントールし、隙のない試合運びで開幕白星を飾った。
敗れたヴィトーリアだが、組織的に整備された守備陣は固く、今後に目途がたつ試合内容。攻撃面ではもう一押しが欲しいが、全国選手権開幕を前に加入した選手も少なからずおり、連係を深め得点力を高めたい。