マテウス・フランサ(Matheus França)

投稿者: | 2022年12月26日
最新更新日 : 2024/08/07
更新履歴 : 2024/01/13, 2023/07/13, 03/16

マテウス・フランサ・デ・オリヴェイラ 若手 ブラジルサッカー フラメンゴ Matheus França de Oliveira
2003年生まれ メイア・オフェンシーヴォ 攻撃的ミッドフィルダー

マテウス・フランサ・デ・オリヴェイラ

Matheus França de Oliveira

ポジション:ミッドフィルダー/メイオ・カンピスタ

利き足:右

2004年4月1日生まれ


<幼少期>

 リオデジャネイロに生まれる。
 幼い頃は、プロサッカー選手と空軍への入隊を夢見る。
 サッカーは道端での草サッカーに興じていたが、多くの人にクラブチームでプレーするよう勧められ、リオデジャネイロ市北部のオラリアアスレチッククラブに入団。そして、空軍入隊の夢を脇に置くことにする。

<クラブ経歴>

≪育成時代≫

 オラリア入団当初はボランチでプレーをしていたが、後にウィングに転向。そして、ウィングでのプレーが認められ、2016年にフラメンゴ下部組織に入団。
 入団すると間もなく、プロサッカー選手が実現可能な夢だと感じ始める。すると、それ以降はサッカーに集中し、今まで以上に上達していく。そして、いつの間にか育成世代の有望株として認識されるようになる。

≪フラメンゴ≫

– 2020 –

 2020年には16歳でフラメンゴとプロ契約を締結。

– 2021 –

 2021年4月20日のリベルタドーレスグループラウンド開幕節アウェイでのベレス・サルスフィエルド/ARG戦にベンチ入りを果たす。
 その後はU-20チームを中心にU-17チームでもプレーすることになるが、再び11月23日に全国選手権でベンチ入り。12月6日の第37節サントス戦で後半33分にプロ初出場を果たすと、最終節(第38節)アトレチコ・ゴイアニエンセ戦にも再び後半33分に途中交代で出場。

– 2022 –

 2022年1月26日のリオデジャネイロ州選手権開幕節にプロ初のスターティングイレブンで起用されるとフルタイム出場。
 1月29日第2節もまたフルタイム出場。
 自身の3試合目の出場となる3月12日第11節バングー戦で後半26分に交代出場を果たすと、3分後の後半29分、PA外やや右からシュートを放つと相手ディフェンダーに当たったボールがゴールに吸い込まれプロ初得点を記録。
 4月17日全国選手権第2節サンパウロ戦、試合終了間際に相手GK/GOLと接触しケガを負う。当初は足首の捻挫かと思われたが、試合後の検査で腓骨骨折と判明、復帰まで3か月を要すると診断される。少しずつトップチームでの出場機会が増えていただけに本人にとって悔しい戦列離脱となる。しかし、この期間にヨーロッパのビッグクラブで活躍したダヴィ・ルイス(David Luiz, 2014W杯代表、チェルシー/イングランドやパリ・サン・ジェルマン/フランスなどでプレー)との交流を深めるなど、新たな学びの期間となる。
 ケガは予想よりも早く治癒し、6月25日のU-20の試合で復帰。
 7月16日、トップチームでの復帰戦となるリベルタドーレス決勝ラウンド1回戦(ラウンド16)ホームでのトリーマ/COL戦。
 後半27分に交代出場すると1分後の後半28分、中盤でボールを受けるとボールをさばきに下りてきたCFペドロ(Pedro, 1997)に一旦ボールを預け、ペドロが作ったスペースに走りこむ。するとペドロからふわりと浮かしたパスが送られ、そのボールをワンタッチでゴールに流し込む。フラメンゴの本拠地マラカナンでの初ゴールをマーク。
 6月に解任されたパウロ・ソウザ(Paulo Souza)監督のもとでは主に右サイドで起用されたが、後任のドリヴァウ・ジュニオール(Dorival Júnior)監督のもとでは”偽9番”として相手ゴールにより近く中央で比較的自由度の高い役割を担う。
 ケガ明け後はしばらく出場機会が少なくなるが、9月4日の全国選手権第25節で後半35分に途中交代で出場すると、翌11日の第26節には後半32分の途中交代出場ながらゴールを決める。9月28日の第28節ではスタメンに起用されるなど、第25節から第37節まで連続出場(うち5試合にスタメン出場)し、582分の出場時間で4得点をマーク。
 コパ・ド・ブラジル、リベルタドーレスの両大会の決勝にも出場機会はなかったもののベンチ入りを果たし、タイトル獲得の瞬間を味わう。

– 2023 –

 2023年1月12日に繰り上げ開催されたシーズン最初の試合、州選手権第5節アウダックス・ヒオ戦にスタメン出場。スターティングイレブンの平均年齢が19歳に満たないこの試合ではチームをけん引。後半11分に、ペナルティエリアの外からミドルシュート決めシーズン初得点を記録。
 2023年1月28日スーペルコパ・ド・ブラジルは終了間際の出場、ヘコパ・スウアメリカーナはベンチ入りのみで出場機会はなかったものの、州選手権決勝戦フルミネンセ戦では1stレグに先発起用、2ndレグは後半開始時の出場するなど、重要な試合での出場機会が与えられるようになる。
 4月5日リベルタドーレス開幕節アウカス/EQU戦では3か月ぶりのゴール。
 4月16日全国選手権開幕節もスタメン出場を飾る。
 しかし、全国選手権開幕後のホルヘ・サンパオリ監督の就任を機に出場機会は減少。先発、途中交代出場、出場機会なしが交互に繰り返される。6月5日全国選手権第9節を最後に先発起用はなくなり、6月8日リベルタドーレス、7月8日全国選手権第14節は試合終了間際の僅かな出場に止まる。
 2023年8月5日、クリスタルパレス/ENGへの移籍がフラメンゴから発表される。移籍金額は固定2000万ユーロ+インセンティブ500万ユーロの総額2500万ユーロ(当時約39億円)。クリスタルパレスのオーナーであるジョン・テクスター氏が、2022年のボタフォゴの経営権取得後間もないころからマテウス・フランサのプレーに興味を示しており、クリスタルパレスへの移籍が現実となった。

≪クリスタルパレス≫

– 2023/24 –

 2023年8月にクリスタルパレスへの加入が発表されたものの、ケガのためデビューは遅れる。
 2023年10月21日プレミアリーグ第9節ニューキャッスル戦、後半25分にピッチに立ちクラブデビューを果たす。しかし、以降はBチームでの出場が中心となる。
 2024年1月4日FAカップ三回戦エヴァートン戦で初スタメンを飾ると、その後はリーグ戦でも途中出場ながら試合出場時間を積み重ねていく。
 2月12日第24節チェルシー戦にてプレミアリーグでの初スタメン起用。
 2月24日第26節バーンリー戦にて後半21分の出場から後半31分に初アシストを記録。PA手前左でボールを受け、縦にPAに侵入し、ゴールエリア入口の高さから中央へグラウンダーのクロス。ファーサイドでFWジョーダン・アジュー(Jordan Ayew)が足を合わせるアシスト。
 次第に出場時間を積み重ね、ゴールに関与するなど、チームにフィットし始めていたが、3月一週目に足の付け根に痛みを覚え検査を受けると、手術を要するとの診断を受け、チームを離脱。
 2023/24年内の復帰は叶わず、クリスタルパレスでの一年目の成績は、12試合322分1アシストに終えた。

– 2023/24 –

 ケガは順調に回復しているようだが、2024年8月7日現在、プレシーズンマッチへのベンチ入りはない。

≪シーズン別クラブ出場記録≫

シーズン所属大会試合出場
時間
得点アシ
スト
2021年(17歳)フラメンゴ全国選手権22400
 合計22400
2022年(18歳)フラメンゴリベルタドーレス22810
全国選手権1767040
コパ・ド・ブラジル1200
州選手権319910
 合計2389960
2023年(19歳)フラメンゴクラブW杯1100
リベルタドーレス39610
全国選手権936911
スーペルコパ・ド・ブラジル1100
コパ・ド・ブラジル24600
州選手権1252310
 合計28103631
2023/24年(20歳)クリスタルパレス/ENGプレミアリーグ1022501
FAカップ29700
 合計1232201
2024/25年(21歳)クリスタルパレス/ENG
 合計
イタリック斜体は、2024年8月7日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。

<代表経歴>

≪2018年 世代別代表≫

 2018年9月27日に行われたチリとのU-15親善試合にスタメン出場。

≪2019年 U-15南米ユース選手権代表≫

 2019年11月に開幕したU-15南米ユース選手権2019の代表メンバーに選出。
 第2節ヴェネズエラ戦、第3節ボリビア戦には途中交代で出場。
 第5節コロンビア戦にスターティングイレブンで出場。
 準決勝ウルグアイ戦に途中交代で出場。
 決勝アルゼンチン戦に途中交代で出場。

≪2020年-2023年 世代別代表≫

 2020年11月のU-17代表合宿に招集。しかし、その後はしばらく招集外となる。
 2022年11月のチリとの親善試合2試合に出場。約2年ぶりの世代別代表試合出場。
 2022年12月8日に発表された2023年1月19日開幕のU-20南米ユース選手権代表22名のメンバーに選出される。
 しかし、本大会はチーム事情により辞退。

<エピソード、プレースタイル>

 足元の技術の高さはもちろんのこと、182cmの高さを活かした空中戦も得意とする。また、競り合いで倒されることもまれな強靭な身体を持つ。そして、なによりも戦術理解度が高く、攻撃的なポジションはサイド、中央に関係なく対応し、また、他の選手を使うプレーも他の選手に使われるプレーも高いレベルでこなす器用さがある。
 ドリヴァウ・ジュニオール監督はマテウス・フランサについて「非常にレベルが高い選手だね。数字がそれを物語っているがそれは氷山の一角に過ぎないよ。たしか、まだ18歳だよね?彼が急速に成長していく過程を目のあたりにして非常に満足しているよ。」と話す。

<国外移籍>

 2022年1月に更新された現行の契約には1億ユーロの違約金が設定されている。
 2022年7月にバイエル・レバークーゼン/ドイツがフラメンゴに獲得の意志を表明したが金額面で合意に至らなかった。
 その後も、クリスタルパレスのオーナーでありボタフォゴのオーナーでもあるアメリカ人実業家のジョン・テクスター氏がボタフォゴとフラメンゴの試合を観戦し、マテウス・フランサに惚れ込みクリスタルパレスでの獲得を検討しているという。
 フラメンゴの下部組織出身者からは近年だけでも、ヴィニシウス・ジュニオール(Vinícius Júnior)、ルーカス・パケター(Lucas Paquetá)、ヘイニエル(Reinier)が高額な移籍金でヨーロッパのビッグクラブに移籍を果たしている。
 マテウス・フランサが彼らに憧れ目標にしたように、次は自分が下部組織でプレーする選手たちの憧れの的になり目標となることを夢見ていると話している。
 ブラジル時間2022年12月24日の報道によると、ニューキャッスル/ENGがマテウス・フランサ獲得に向け前向きに検討しているという。
 金額は公表されていないが、ニューキャッスルはマテウス・フランサと同じ2004年生まれのボランチ、アンドレイ・サントス(Andrey Santos)の獲得争いでチェルシーに敗れただけに、フラメンゴが納得する条件を提示する可能性は高まっている。
 マテウス・フランサは、2023年1月19日にコロンビアで開幕するU-20南米ユース選手権のブラジル代表として大会に臨むが、大会期間中にも大きなニュースが飛び込んでくる可能性は高い。

 2023年7月13日の報道によると、チェルシー/ENG、クリスタルパレス/ENGが選手代理人に対して獲得オファー。フラメンゴは2500万ユーロの移籍金を最低条件として見込んでいるが、両クラブの提示条件はこれを満たすものとみられており、当移籍ウィンドウでの移籍が実現する可能性は高い。

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