【ブラジル全国選手権2024】第3節(2/2)

投稿者: | 2024年4月20日

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全国選手権第3節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第3節(1/2
・2024/04/20 フルミネンセ(FLU) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
・2024/04/20 グレミオ(GRE) x クイアバ(CUI)
・2024/04/20 RBブラガンチーノ(RBB) x コリンチャンス(COR)
・2024/04/20 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x クルゼイロ(CRU)
・2024/04/21 ヴィトーリア(VIT) x バイーア(BAH)
以下の4試合の概要はこの記事で。
・2024/04/21 パウメイラス(PAL) x フラメンゴ(FLA)
・2024/04/21 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x インテルナシオナウ(INT)
・2024/04/
21 ボタフォゴ(BOT) x ジュヴェントゥージ(JUV)
・2024/04/21 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) x サンパウロ(SAO)
以下の試合の順延。
・2024/xx/xx クリシウーマ(CRI) x フォルタレーザ(FOR)

全国選手権第3節 試合概要

パウメイラス(PAL) 0-0 フラメンゴ(FLA)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=765TpbZQ4Rk

今節前の順位

   パウメイラスは全国選手権1勝0分1敗勝点3の12位。
   フラメンゴは全国選手権2勝0分0敗勝点6の首位。

得点シーン

N/A

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:50% 50% ⇒ 前後半:47% 53%
シュート(枠内): 前半:8‐4(1-1) ⇒ 前後半:12-9(2-3)
パス成功率: 前半:80% 79% ⇒ 前後半:79% 78%

   パウメイラスはスリーバック。ケガで離脱しているVOLゼ・ハファエウ(Zé Rafael, 1993)を除き、現状のベストと思われるスターティングイレブン。
   フラメンゴは、「厳しい日程、連戦のため、多くの選手にケガのリスクが高まっているが、その中でもその危険度が高い」とメディカル部門からの通知があったと試合後にチチ(Tite)監督が話した、FWペドロ(Pedro, 1997)とMFデ・ラ・クルス(De La Cruz, 1997)がベンチスタート。VOLアラン(Allan, 1997)が前節に続き先発。全国選手権開幕前に加入、リオデジャネイロ州選手権で得点ランク2位の8得点をあげノヴァ・イグアスの準優勝に貢献した身長195㎝の長身FWカルリーニョス(Carlinhos, 1997)がスタメンに抜擢される。

   試合はお互いに二列目に入るボールに複数のマークがつき、縦へのパスコースを消すことで相手の攻撃の芽を摘む。序盤はパウメイラスがFWフラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)、FWエンドリッキ(Endrick, 2006)に素早くボールを送り縦に速い攻撃を狙うがフラメンゴ両CBがしっかりと抑え、サイドへボールを展開する局面もフラメンゴはボランチ、サイドバックが簡単にクロスを上げさせない。パウメイラスは得意のセットプレー、CKからチャンスを迎えるが、前半34分のCBムリーロ(Murilo, 1997)の高さのあるヘディングシュートは僅かにゴールポストの外へ流れる。
   一方のフラメンゴも、前半18分にハーフウェイライン付近でボールを拾ったFWブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1990)がカウンターを発動し、ペナルティアークに位置取るFWルイス・アラウージョ(Luiz Araújo, 1996)にボールを送りシュート。しかし、GKの正面を突いたボールは難なく枠の外に弾き出される。
   中盤のボールのマークが厳しくお互いにチャンスらしいチャンスを迎えることができないまま前半戦を終える。
   後半開始時にフラメンゴはFWカルリーニョスに代わりFWペドロを投入すると、FWペドロは前後にボールを引き出す動きでフラメンゴに推進力をもたらす。一方のパウメイラスは後半15分に高さのFWフラッコ・ロペスに代えスピードのFWホニ(Rony, 1995)を投入。同時にフラメンゴはケガ明け3試合目のVOLジェルソン(Gerson, 1997)をVOLアランに代える。その後も、パウメイラスは、中盤でボールを配給できるVOLガブリエウ・メニーノ(Gabriel Menino, 2000)を投入、続いてスピードのある前線の2選手を投入。フラメンゴも後半30分にMFデ・ラ・クルスを投入し、互いにゴールを奪いに行く。
   しかし、フラメンゴCBファブリシオ・ブルーノ(Fabrício Bruno, 1996)とCBレオ・ペレイラ(Léo Pereira, 1996)の両CBとVOLエリキ・プルガール(Erick Pulgar, 1994)、パウメイラスのCBムリーロ、CBグスタボ・ゴメス(Gustavo Gómez, 1993)、CBルアン(Luan, 1993)は最後まで集中力が途切れず、相手にシュートまで持ち込ませない。
   後半43分、パウメイラスはVOLガブリエウ・メニーノのFKをVOLアニバル・モレノ(Anibal Moreno, 1999)が頭に合わせゴールネットを揺らすが、これはオフサイド。
   攻守にバランスの取れた両チームの一戦は、この日は互いに守備面での集中力の高さが試合を通して維持され、0-0のままタイムアップを迎えた。

アトレチコ・パラナエンセ(CAP) 1-0 インテルナシオナウ(INT)

動画URL: 
(CAP) : 71' #14 カノービオ(Canobbio, 1998)[]

今節前の順位

   アトレチコ・パラナエンセは全国選手権1勝0分1敗勝点3の7位。
   インテルナシオナウは全国選手権2勝0分0敗勝点6の2位。

得点シーン

(CAP) : 71' #14 カノービオ(Canobbio, 1998)[]
後方のVOLフェルナンジーニョ(Fernandinho, 1985)からのボールを受けたFWカノービオは自身を追い抜くFWパブロ(Pablo, 1992)へボールを繋ごうとするがDFによりカットされる。そのボールを確保すると、DF2選手をかわし自らシュート。左足で放たれたシュートは外から巻き込みゴール左隅へ吸い込まれる。
   FWカノービオは2022W杯にウルグアイ代表として1試合出場。2026W杯南米予選では3試合1得点を記録中。2022年にアトレチコ・パラナエンセに加入し、2023年は54試合6得点9アシストを記録。2024年は直近5試合で4得点1アシストなど、この試合を含め、17試合5得点3アシスト。攻撃面のみならず豊富なスタミナを生かした守備面での貢献度も高い。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:38% 62% ⇒ 前後半:41% 59%
シュート(枠内): 前半:7‐7(1-1) ⇒ 前後半:11-19(3-4)
パス成功率: 前半:76% 85% ⇒ 前後半:78% 85%

   前節グレミオ戦はいいところなく0-2の敗戦を喫したアトレチコ・パラナエンセは、右サイドバックをSBマジソン(Madson, 1992)からSBレオ・ゴドイ(Léo Godoy, 1995)へ、センターフォワードをFWマストリアーニ(Mastriani, 1993)からFWパブロ(Pablo, 1992)へスタメンを変更。
   主力選手にケガ人が相次いでいるインテルナシオナウだが、前節パウメイラス戦は、守備に重点を置きスピードのあるスリートップがゴールを決め、1-0の勝利を収めた。この試合は右サイドバックに今季4試合目のSBウーゴ・マジョ(Hugo Mallo, 1991)、いずれも最近の試合でベンチや交代出場が続いていたCBホベルチ・ヘナン(Robert Renan, 2003)とVOLホームロ(Rômulo, 2000)を先発に起用。攻撃的なポジションは変更せず試合に臨む。

   試合はインテルナシオナウがやや優位に立ち試合を進め、左サイドに起用されたFWウェズレイ(Wesley, 1999)が相次いでアトレチコ・パラナエンセゴールに迫る。前半16分にはペナルティエリア手前やや右の位置からシュートを放つがボールはクロスバーを越える。さらに前半36分、自陣半ばでボールを受けドリブルを開始、約70m左サイドライン際でボールを運び、DF2選手をスピードで振り抜き、最後はゴールエリア手前からシュート。GKが動いた逆のニアサイドを狙ったがボールは枠を捉えない。
   前半45+1分にインテルナシオナウはCBヴィトン(Vitão, 2000)のアトレチコ・パラナエンセFWカノービオへのスライディングタックルがボールではなく足を蹴り、主審はレッドカードを提示。しかし、その後レッドカードを取り消しイエローカードに訂正する珍しい光景が見られる。
   後半開始時にアトレチコ・パラナエンセは二列目の2選手を入れ替え、ボールを握れるMFサペリ(Zapelli, 2002)を投入。すると、後半2分にアトレチコ・パラナエンセはMFサペリが危険なボールをゴール前に上げるなど、アトレチコ・パラナエンセが試合の流れを掴む。後半20分、前半終了間際のFWヴァンデルソン(Wanderson, 1994)の負傷により交代でピッチに立ったFWグスタヴォ・プラード(Gustavo Prado, 2005)が、アトレチコVOLフェルナンジーニョ(Fernandinho, 1985)の執拗なマークをはがしゴール前にスルーパス。FWボレー(Borré, 1995)が抜け出しGKベント(Bento, 1999)と一対一となると、シュートは一旦はGKベントが身を挺して弾き返すが、そのボールをFWボレーがダイレクトに無人のゴールへシュート。しかし、CBチアゴ・エレーノ(Thiago Heleno, 1998)が戻り、ゴールライン手前でクリア。
   後半26分、アトレチコ・パラナエンセがFWカノービオのゴラッソで均衡を破ると、インテルナシオナウはSBと中盤の2選手に代え、中盤とFWの2選手を投入。一方のアトレチコ・パラナエンセは疲れの見えるSBとFWの2選手を入れ替える。後半43分FWカノービオが2枚目のイエローカードを提示され退場。インテルナシオナウが猛攻を仕掛け、後半45分+6分には、右SBファブリシオ・ブストス(Fabricio Bustos, 1996)のクロスにFWボレーが頭を合わせるが、ボールはゴールポストを叩き跳ね返される。
   後半にチームを立て直し先制したアトレチコ・パラナエンセが、最後は数的不利に陥りながらも逃げ切り、1-0の勝利を収めた。

   アトレチコ・パラナエンセの先制点に至る流れで、FWパブロが、アシストを記録するVOLフェルナンジーニョの手前まで下がり、ワンタッチでボールを預け、体を反転させそのまま最終ライン裏へ抜け出す動き。FWカノービオが試みたスルーパスはDFにカットされFWパブロに通らなかったが、その動きでできた僅かな隙をつきFWカノービオのゴールが生まれた。派手さのないFWパブロが他のプレーヤーとの違いを示すプレーだった。

ボタフォゴ(BOT) 5-1 ジュヴェントゥージ(JUV)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=akVe0yJS0OY
(BOT) : 4' #11 ジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)[]
(BOT) : 9' #9 チキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)[PK]
(BOT) : 53' #5 ダニーロ・バルボーザ(Danilo Barbosa, 1996)[#11 ジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)]
(BOT) : 61' #10 サバリーノ(Savarino, 1996)[FK]
(BOT) : 80' #32ジェイコブ・モンテス (Jacob Montes, 1998)[#77 ディエゴ・エルナンデス(Diego Hernández, 2000)]
(JUV) : 85' #4 ダニーロ・ボザ(Danilo Boza, 1998)[#11 マルセリーニョ(Marcelinho, 2002)]

今節前の順位

   ボタフォゴは全国選手権1勝0分1敗勝点3の11位。
   ジュヴェントゥージは全国選手権1勝1分0敗勝点4の3位。

得点シーン

(BOT) : 4' #11 ジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)[]
右CKからFWサバリーノ(Savarino, 1996)が右足で上げたボールはゴールから離れていき、ペナルティマーク付近でVOLダニーロ・バルボーザ(Danilo Barbosa, 1996)がボレーシュート。ボールはゴール枠外に向かうがFWジュニオール・サントスが受け右足のアウトサイドでゴールに押し込む。一旦はオフサイドと判定されたがVARの検証後ゴールは認められる。
   FWジュニオール・サントスは、2017年にサンパウロ州最下層リーグで17試合5得点を記録し、2018年に全国選手権4部参入前、サンパウロ州選手権1部のイトゥアーノへ移籍。同年4月に全国選手権2部ポンチプレッタへ期限付きで移籍し38試合13得点5アシストの成績を残す。2019年は全国選手権1部フォルタレーザへ期限付き移籍加入すると、州選手権、地域州カップ戦(コパ・ド・ノルデスチ)で計19試合10得点、全国選手権では6試合無得点に終わったものの、7月には当時J2リーグの柏レイソルへ完全移籍。その後、横浜マリノスへ期限付き移籍、サンフレッチェ広島へ完全移籍を果たし、日本では約4年間で107試合28得点8アシストの成績を残した。2022年7月にボタフォゴへ期限付き移籍、2023年にはフォルタレーザへ完全移籍するが、全国選手権開幕を前にボタフォゴが完全移籍で獲得。2023年ボタフォゴではスリートップの一角に定着し、50試合7得点3アシスト。2024年はこの試合を含め21試合に出場、キャリアハイの14得点(うちリベルタドーレスで8得点)を記録している。
(BOT) : 9' #9 チキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)[PK]
ジュヴェントゥージのGKからのビルドアップでのパスミスをVOLダニーロ・バルボーザが奪いペナルティエリアに侵入。ジュヴェントゥージCBルーカス・フレイタス(Lucas Freitas, 2001)のスライディングタックルがVOLダニーロ・バルボーザの足を蹴る形となりボタフォゴにPKが与えられる。このPKをFWチキーニョ・ソアレスがゴール右隅に決める。
   FWチキーニョ・ソアレスは、2010年当時全国選手権2部のアメリカ-RNでプロデビューを果たすが目立った成績もなく、ブラジル北東部州の全国的には無名のクラブでのプレーが続く。2013年に在籍したCSPでパライバ州選手権17試合10得点の成績を収めると、同年終盤に当時全国選手権3部のトレゼに期限付き移籍、しかし、9試合無得点と結果を残せない。2015年1月末、当時ポルトガル1部ナシオナウで期限付き移籍でプレーする機会を得ると、2015/16シーズンに35試合14得点1アシストを記録し一躍注目を浴びる。2016/17シーズンを前にヴィトリアSC/PORへ完全移籍し半年間で22試合9得点2アシスト、さらには2017年1月末にFCポルトへ完全移籍を果たし、加入後間もなくレギュラーの座を掴み、チャンピオンズリーグにも先発で出場するなど、17試合12得点の成績を収める。その後2020/21シーズン開幕直後までFCポルトでプレーし、通算140試合64得点12アシスト。その後、中国、ギリシャを経て2022年にボタフォゴに加入。2023年は全国選手権序盤のチームの好調を牽引し、年間で54試合29得点7アシストとすべてでキャリアハイを更新。2024年も欠くべからざる選手として18試合6得点6アシストを記録中。
(BOT) : 53' #5 ダニーロ・バルボーザ(Danilo Barbosa, 1996)[#11 ジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)]
ボタフォゴが右サイドから速い攻撃。ゴールライン際から右SBダミアン・スアレス(Damián Suárez)がペナルティエリア内にマイナスのボールを送ると、ペナルティエリア内でパスを繋ぎ、最後はVOLダニーロ・バルボーザがFWジュニオール・サントスの速いクロスに足を合わせゴール。
   VOLダニーロ・バルボーザは、2022年にボタフォゴに加入。2023年はボランチの3番手として42試合4得点1アシスト。2024年もこれまではその立ち位置は変わらないが、全国選手権開幕節での交代出場後のゴールを決め、この試合では1~3点目のゴールに関与。この試合が4試合目の采配となったアルトゥール・ジョルジ監督のもと、レギュラーの座を掴みたい。
(BOT) : 61' #10 サバリーノ(Savarino, 1996)[FK]
ペナルティエリア手前5m、ゴールエリア左端から延長線上の位置で獲得したFK。FWサバリーノが直接狙ったシュートはゴール右隅クロスバーをかすめ、GKが一歩も動けないゴラッソ。
   FWサバリーノは、2度のコパ・アメリカなど39試合3得点の記録を残す現役のベネズエラ代表。2020年~2022年6月にアトレチコ・ミネイロでプレーし99試合21得点19アシスト。2024年シーズン前にボタフォゴに加入し、この試合を含め15試合4得点1アシストを記録中。
(BOT) : 80' #32ジェイコブ・モンテス (Jacob Montes, 1998)[#77 ディエゴ・エルナンデス(Diego Hernández, 2000)]
ボタフォゴが中盤右サイドでボールを細かく繋ぎ最後はゴールライン際に送る。MFディエゴ・エルナンデスが抜け出しゴールライン際にからマイナスのクロス。一人目には合わないものの、流れたボールをペナルティエリア入口左に駆け上がったMFジェイコブ・モンテスがファーサイドのサイドネットにボールを流し込む。
   MFジェイコブ・モンテスは、2023年CONCACAFネーションズリーグ5試合3得点などニカラグア代表として7試合3得点。アメリカMLSでプロデビューし、2022年にクリスタルパレス/ENGに加入。ジョン・テクスターオーナーが率いるクラブを複数経て、2022年8月にボタフォゴに完全移籍加入。2022年は3試合に出場、2023年は出場履歴なし。2024年は1月の州選手権での2試合先発出場以来、3試合目の出場。このゴールはボタフォゴで嬉しい初ゴールとなった。
(JUV) : 85' #4 ダニーロ・ボザ(Danilo Boza, 1998)[#11 マルセリーニョ(Marcelinho, 2002)]
FWマルセリーニョが蹴る右CK。ゴール前ファーサイドへ高く上げられたゴールから離れるボールにCBダニーロ・ボザがフリーで頭を合わせ逆サイドのサイドネットを揺らす。「意地のゴール」(Gol de honra / ゴウ・ジ・オンハ。直訳は「名誉のゴール」)。
   CBダニーロ・ボザは、2016年7月に当時全国選手権に参入していないサンパウロ州2部に所属するミラソウにて18歳のプロデビュー。2019年にSCブラガ/PORへの期限付き移籍のチャンスを得るが、試合出場は、U-23、Bチームでのものに止まった。帰国後はいずれも期限付き移籍により2020年アトレチコ・パラナエンセにて5試合、2021年サントスにて22試合に出場。2022年に全国選手権1部ジュヴェントゥージに完全移籍加入。2023年は全国選手権2部、コパ・ド・ブラジル、州選手権の全試合に出場し2得点1アシスト。出場時間は、1試合で後半14分に交代したものの、他の49試合はフル出場を果たし、4469分間を記録。イエローカードを一枚も記録していない。2024年は3月25日州選手権準決勝インテルナシオナウ戦2ndレグにて前半13分に負傷交代。決勝の2試合と全国選手権開幕節に欠場、イエローカードは州選手権で2枚貰っている。このゴールは全国選手権1部での自身初ゴール。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:55% 45% ⇒ 前後半:54% 46%
シュート(枠内): 前半:7‐6(2-0) ⇒ 前後半:12-12(5-1)
パス成功率: 前半:87% 85% ⇒ 前後半:90% 86%

   ボタフォゴは前節のスタメン4-3-3から中盤の3選手を変更。VOLダニーロ・バルボーザ(Danilo Barbosa, 1996)、VOLマルロン・フレイタス(Marlon Freitas, 1995)、MFサバリーノ(Savarino, 1996)が入る。前半25分に負傷退場のFWマテウス・ナシメント(Matheus Nascimento, 2004)は左足ハムストリングのケガで復帰まで4か月の見込み。
   ジュヴェントゥージは、前節負傷退場のCBゼ・マルコス(Zé Marcos, 1998)が大事を取って欠場。VOLジャジソン(Jádson, 1993)は出場停止。代わってCBルーカス・フレイタス(Lucas Freitas, 2001)とMFマンダカ(Mandaca, 2001)が先発に起用される。

   立ち上がり前半4分にCKからボタフォゴが先制すると、前半9分にPKで追加点。ジュヴェントゥージも前半15分にカウンターから右サイドライン際MFジアン・カルロス(Jean Carlos, 1992)のクロスにFWエリキ・ファリアス(Erick Farias, 1997)が足を合わせゴールネットを揺らすが、MFジアン・カルロスのボールを受けた位置がオフサイド、ゴールは認められない。
   前半38分、ジュヴェントゥージはCBルーカス・ファリアスが2枚目の警告を受け退場。2点のビハインドを追う中、ジュヴェントゥージは数的不利に陥る。
   後半開始時にボタフォゴはこれまで出場機会の多くない2選手を投入、後半17分、27分には相次いでケガ明けや4月加入選手などをピッチに送り出し試合の緊張感を保つと、後半8分に途中出場の右SBダミアン・スアレス(Damián Suárez)が起点となり、後半35分にはいずれも途中出場のMFディエゴ・エルナンデス(Diego Hernández, 2000)のアシストでMFジェイコブ・モンテス (Jacob Montes, 1998)がゴール。後半16分にはFWサバリーノがFKを直接決める。
   後半40分にジュヴェントゥージはCKからダニーロ・ボザ(Danilo Boza, 1998)のゴールで1点を返すが、試合は5-1の大差でホームのボタフォゴが勝利を収めた。

   ボタフォゴは3試合ぶりにスタメンのVOLダニーロ・バルボーザが開始10分間の2得点に絡みチーム3点目を奪う活躍。MFサバリーノも3点目に絡み4点目は芸術的なFKを直接決めるなど、前節から入れ替えた中盤の選手が活躍。後半出場の選手もそれぞれが与えられた役目を果たし猛アピール。試合の序盤の連続得点と、前半38分の相手の退場など、試合が有利に進んだこともあるが、就任直後の2連敗から2連勝としたアルトゥール・ジョルジ監督の手腕を今後注目したい。
   一方のジュヴェントゥージは早い段階でゲームプランが崩壊。アシストを記録したFWマルセリーニョ(Marcelinho, 2002)やCBアビネル(Abner, 2004)、FWフアン(Ruan, 2005)といった若手選手に実戦経験を与え、全国選手権開幕を前に加入したVOLチアギーニョ(Thiaguinho, 1997)を試せたことを明るい材料としたい。

アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) 0-3 サンパウロ(SAO)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=VNiCayPTLgY
(SAO) : 14' #9 カレリ(Calleri, 1993)[#17 アンドレ・シウヴァ(André Silva, 1997)]
(SAO) : 52' #10 ルシアーノ(Luciano, 1993)[PK]
(SAO) : 76' #47 フェヘイラ(Ferreira, 1997)[#11 ホドリゴ・ネストール(Rodrigo Nestor, 2000)]

今節前の順位

   アトレチコ・ゴイアニエンセは全国選手権0勝0分2敗勝点0の19位。
   サンパウロは全国選手権0勝0分2敗勝点0の18位。

得点シーン

(SAO) : 14' #9 カレリ(Calleri, 1993)[#17 アンドレ・シウヴァ(André Silva, 1997)]
相手陣深い位置右サイドライン際からFWアンドレ・シウヴァがゴール前にボールを送ると、FWカレリはマークするDFを腕で遠ざけスペースを作り出し、難しい態勢でボールを頭に合わせ先制ゴール。これぞセンターフォワードというゴール。
   FWカレリは、2015年ボカ・ジュニオルス/ARGで素質が開花し59試合23得点1アシストを記録。2016年アルゼンチン代表としてリオオリンピックに出場。2016年サンパウロ、2016/17ウェストハム/ENG、2017/18ラス・パルマス/ESPなどで安定した成績を残し、2021年8月末にサンパウロに再加入。2022年は67試合に出場しチーム内得点王の27得点。2023年はコパ・ド・ブラジル制覇後にケガの治療のためチームを離脱したものの44試合に出場し、チーム2位の14得点を記録した。2024年はこの試合を含め15試合5得点2アシスト。頼れるセンターフォワードとしてサポーターからの支持も熱い。
(SAO) : 52' #10 ルシアーノ(Luciano, 1993)[PK]
相手陣FKでのペナルティエリア内のポジションの取り合いで、アトレチコ・ゴイアニエンセCBルイス・フェリピ(Luiz Felipe, 1993)の肘がサンパウロFWルシアーノ(Luciano, 1993)の後頭部を強打。VARによる検証の結果、CBルイス・フェリピが退場処分となり、サンパウロにPKが与えられる。これをFWルシアーノ自ら蹴ると、GKがボールを腕に当てたもののボールはゴールイン。
   FWルシアーノは、2020年全国選手権開幕を前にサンパウロに加入。2023年シーズン終了までに201試合67得点21アシストを記録。2023年は15得点でチーム内得点王となったが、コパ・ド・ブラジル決勝戦はいずれもベンチスタートとなり悔しい思いをした。2024年はこの試合を含め19試合5得点。2月4日スーペルコパ・ド・ブラジルではスタメンを務め、レギュラーの座を奪還。5年連続の二けた得点を狙う。
(SAO) : 76' #47 フェヘイラ(Ferreira, 1997)[#11 ホドリゴ・ネストール(Rodrigo Nestor, 2000)]
左サイドライン際でボール受けたFWフェヘイラが、ドリブルでペナルティエリアに侵入し、そのままDFをかわして右足のシュート。これがファーサイドのゴールネットを揺らす。
   FWフェヘイラは、グレミオ育成出身で期限付き移籍を繰り返し、2020年に途中交代出場を中心に41試合4得点1アシストを記録すると、2021年にはレギュラーの座を掴み52試合14得点13アシスト。しかし、その後は2年間で7度にも及ぶケガに悩まされる。2023年後半に入りコンスタントに試合に出るようになると40試合7得点6アシスト。2024年シーズン前に心機一転を図るかのように長年過ごしたグレミオを離れサンパウロに加入。ケガのために2度、計5週間ほどチームを離脱しているものの、最近の出場7試合で5得点をマーク。ケガさえなければ今後も活躍が期待できる。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:42% 58% ⇒ 前後半:37% 63%
シュート(枠内): 前半:7‐9(0-3) ⇒ 前後半:9-20(0-8)
パス成功率: 前半:78% 82% ⇒ 前後半:78% 89%

   開幕2連敗のアトレチコ・ゴイアニエンセは、出場停止明けのCBアリックス・ヴィニシウス(Alix Vinicius, 1999)がスタメンに復帰。全国選手権初出場となるVOLホニ(Roni, 1999)を先発に抜擢。
   サンパウロは、成績不振を理由に前節終了翌日の4月18日にチアゴ・カルピーニ(Thiago Carpini)監督を解任、4月20日にアルゼンチン国籍ルイス・スベルディア(Luis Zubeldía)氏の監督就任を発表。今節はミウトン・クルス(Milton Cruz)アシスタントコーチが監督代行として指揮を執る。
   今節のスタメンは、スリーバックを継続するもののCBフェラレシ(Ferraresi, 1998)に代えCBアラン・フランコ(Alan Franco, 1996)、途中交代出場で好調さをアピールするFWアンドレ・シウヴァ(André Silva, 1997)をスタメンに抜擢。

   アウェイのサンパウロが立ち上がりから優位に試合を進めると、前半14分に今節スタメンに抜擢されたFWアンドレ・シウヴァのクロスをFWカレリが頭を合わせ早くも先制点を奪う。
   サンパウロは先制後もボールを支配。アトレチコ・ゴイアニエンセも中盤でのマークを強めるが効果的にボールを奪うことができない。アトレチコはマイボールのターンを迎えてもサンパウロの中盤の寄せに苦しみ、ペナルティエリアの外から放つシュートはいずれも枠を捉えず前半を終える。
   後半開始後間もなく、アトレチコ・ゴイアニエンセはペナルティエリア内での肘打ちによりCBルイス・フェリピ(Luiz Felipe, 1993)が退場、さらにはPKを献上し、2点差にリードを拡げられる。後半18分には後半開始時に交代出場のVOLガブリエウ・バーホス(Gabriel Barros, 2001)がこの試合2枚目のイエローカードで退場。
   アトレチコ・ゴイアニエンセは9人での試合を強いられると、後半31分に3点目を喫し万事休す。アウェイのサンパウロが3-0の完勝を収めた。

   アトレチコ・ゴイアニエンセは、開幕節は微妙な判定による不運なものだったとはいえ、開幕節に続く2枚のレッドカードをもらい、自らの首を絞める形で全国選手権開幕3連敗。戦力的に他チームに劣るため守備面を強化したいが、2試合ともセンターバックの選手が退場処分となり、翌節の先発にも影響を及ぼしている。
   サンパウロは全国選手権3試合目にして初勝利。ミウトン・クルス監督が従来のチームをベースにしつつも勝利を収め、いい形でルイス・スベルディア新監督にチームを引き継いだ。

クリシウーマ(CRI) x フォルタレーザ(FOR)

今節前の順位

   クリシウーマは全国選手権0勝2分0敗勝点2の13位。
   フォルタレーザは全国選手権1勝1分0敗勝点4の6位。

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