【ブラジル全国選手権2024】第5節(2/2)

投稿者: | 2024年5月5日

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全国選手権第5節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第5節(1/2)
・2024/05/04 フルミネンセ(FLU) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
・2024/05/04 コリンチャンス(COR) x フォルタレーザ(FOR)
・2024/05/04 RBブラガンチーノ(RBB) x フラメンゴ(FLA)
・2024/05/05 ヴィトーリア(VIT) x サンパウロ(SAO)
・2024/05/05 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
以下の2試合の概要はこの記事で。
・2024/05/05 ボタフォゴ(BOT) x バイーア(BAH)
・2024/05/05 クイアバ(CUI) x パウメイラス(PAL)
以下の3試合は順延。
2024/xx/xx グレミオ(GRE) x クリシウーマ(CRI)
2024/xx/xx クルゼイロ(CRU) x インテルナシオナウ(INT)

2024/xx/xx ジュヴェントゥージ(JUV) x アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)

全国選手権第5節 試合概要

ボタフォゴ(BOT) 1-2 バイーア(BAH)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=nPtwmC9fBDA
(BAH) : 45+3' #9 エヴェラウド(Everaldo, 1991)[PK]
(BOT) : 63' #47 ジェフィーニョ(Jeffinho, 1999)[#17 マルロン・フレイタス(Marlon Freitas, 1995)]
(BAH) : 86' #21 ハファエウ・ハトン(Rafael Ratão, 1995)[#14 カルロス・デ・ペニャ(Carlos De Peña, 1992)]

今節前の順位

   ボタフォゴは全国選手権3勝0分1敗勝点9の首位。
   バイーアは全国選手権2勝1分1敗勝点7の5位。

得点シーン

(BAH) : 45+3' #9 エヴェラウド(Everaldo, 1991)[PK]
相手陣左サイドライン際のFK。ゴール前に上げられたボールはディフェンダーがクリア。こぼれ球をペナルティエリア内右で右SBサンチ・アリアス(Santiago Arias, 1992)が胸トラップから折り返しの低いクロス。このボールがディフェンダーが振り上げた肘に当たりVARが検証。その結果、ハンドの判定が下されバイーアにPKが与えられる。このPKをFWエヴェラウドがゴール右に決めバイーアが先制。[0-1]
   FWエヴェラウドは、2020‐22年に鹿島アントラーズ/JPNに在籍。バイーアへは2023年シーズン前に加入し、キャリアハイの60試合20得点を記録(アシストは5)。2024年はゼロトップの布陣を頻繁に選択するチームにあって、コンスタントに先発で出場することはなかったが、交代出場が続いた全国選手権第3節でゴールを奪うと翌節以降公式戦3試合連続のスタメン。その期待に応えるかのように、全国選手権は3試合連続得点を記録している。
   SBサンチ・アリアスは、コロンビア代表として2014、2018W杯など56試合7アシスト。2026W杯南米予選、2024年3月の親善試合にも出場し、コパ・アメリカでの招集の可能性も。また、PSV/HOLにて5シーズン172試合10得点8アシスト、アトレティコ・マドリード/ESPにて2シーズン5試合1得点3アシストなど、欧州での実績も残している。バイーアには2024年1月28日に2年契約で加入。州選手権やコパ・ド・ノルデスチでの出番は限られていたものの、全国選手権が開幕しこの試合を含め全5試合450分の出場を記録している。
(BOT) : 63' #47 ジェフィーニョ(Jeffinho, 1999)[#17 マルロン・フレイタス(Marlon Freitas, 1995)]
ペナルティエリア手前からMFオスカル・ホメーロ(Óscar Romero, 1992)がペナルティエリア内右へ浮き球のパス。そこに抜け出したFWサバリーノ(Savarino, 1996)が角度のない位置からシュート。しかし、ここはGKマルコス・フェリピ(Marcos Felipe, 1996)がストップ。さらにディフェンダーがクリアするが、そのボールは短く、ペナルティエリア手前からVOLマルロン・フレイタス(Marlon Freitas, 1995)がワントラップからシュート。ボールはあらぬ方向に向かうが、そこにFWジェフィーニョが位置し、トラップからシュートに持ち込むと、ボールはGKの脇を抜けゴールネットを揺らす。[1-1]
   FWジェフィーニョは、2022年にリオデジャネイロ州選手権での活躍が評価され、ヘゼンデから期限付き移籍でボタフォゴに加入。加入当初はほとんど出番はなかったが、次第に出場機会を得るようになると、その機会を逃さず、シーズン後半にはレギュラーの座を掴む。2022年シーズンが終わりボタフォゴが完全移籍で獲得。その直後にオーナーを同じくするリヨン/FRAへの移籍が決まった。この決定にサポーターは、「ボタフォゴはリヨンの2軍じゃねーよ」とオーナーを非難。しかし、リヨンはFWジェフィーニョを始め、2024年1月に加入したGKルーカス・ペリ(Lucas Perri, 1997)やCBアドリエウソン(Adryelson, 1998)のボタフォゴから送り込まれる選手をほとんど起用することなく、FWジェフィーニョは2024年初めに期限付き移籍でボタフォゴに復帰。復帰後は2月頭から約2か月間チームを離脱するものの、3月31日に復帰を果たすと、リベルタドーレス、全国選手権と連続してスタメンで試合に出場。公式戦2試合連続アシストに続き、今節はゴールを決め3試合連続の得点関与。
(BAH) : 86' #21 ハファエウ・ハトン(Rafael Ratão, 1995)[#14 カルロス・デ・ペニャ(Carlos De Peña, 1992)]
自陣でのボール回しから、MFカルロス・デ・ペニャが中央に真横にドリブルでコースを取ると、縦に鋭いグラウンダーのボールを送る。FWハファエウ・ハトンが斜めに走り最終ラインの裏を取ると、GKとの一対一をかわし、無人のゴールにボールを流し込む。[1-2]
   FWハファエウ・ハトンは、2013年7月コパ・ド・ブラジルにて当時全国選手権1部のポンチプレッタから17歳のプロデビューを果たし、全国選手権など17試合2得点の成績を収める。しかし、ポンチプレッタでは定着することができず、2015年9月アルビレックス新潟にて天皇杯15分間の出場など、長い期間を期限付き移籍先のクラブで僅かな出場機会しか得られないサッカー人生を歩む。2018年7月ウクライナリーグ1部FCゾリャへ移籍が決まると、2019年初めにスロバキアリーグ1部スロヴァン・ブラチスラヴァへ期限付き移籍。翌シーズンには完全移籍を果たし、同クラブ計3シーズンで86試合30得点1アシスト。2021年9月にフランスリーグ2部トゥールーズに加入し、レギュラーとして2年足らずの期間で62試合19得点6アシスト。2023年7月にバイーアに加入し、10年ぶりの全国選手権1部の舞台に立つと、序盤は先発として、次第にベンチスタートが増えていくものの、チームの1部残留に貢献。2024年も途中交代出場が続くが、この試合終了時点で15試合520分の出場時間で6得点を記録。このゴールの動き出しは鋭く、パサーとの相性が合えばゴールを量産する実力を備えていることを証明。17歳でプロデビューを果たした逸材候補は、苦しい年月を乗り越え、再び輝きを取り戻しつつある。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:44% 56% ⇒ 前後半:53% 47%
シュート(枠内): 前半:8‐6(1-3) ⇒ 前後半:15-8(6-4)
パス成功率: 前半:87% 87% ⇒ 前後半:86% 84%

   バイーアは、共に1-0の勝利を収めた前節グレミオ戦、週中のコパ・ド・ブラジルでのクリシウーマ戦と同じ顔ぶれのスターティングイレブン。
   ボタフォゴは、コパ・ド・ブラジルで半数のメンバーを入れ替えたものの、今節は一週間前のフラメンゴ戦とほぼ同じスタメン。コパ・ド・ブラジルで負傷退場のMFエドゥアルド(Eduardo, 1989)に代わりFWジェフィーニョがスタメンを務める。

   ボールを支配し相手ゴールに迫るサッカーを指向する両チームは、いずれも中盤のマークも厳しく、ボタフォゴは個人技を挟んだ縦に速い展開、バイーアはサイドを変えながら両サイドが起点となり、それぞれが相手ゴールに迫る。
   前半は陣地やボール保持率ではバイーアが優位に展開するも、チャンスを迎える頻度はボタフォゴが上回る。
   前半38分、相手陣を左右にボールを展開するバイーアが、右サイド深くからゴール前にクロス。ゴール前でディフェンダーの背後から前に現れたFWエヴェラウドが頭を合わせるが、ボタフォゴGKジョン・ヴィクトル(John Victor, 1996)が空中でゴールライン上のボールを片手で掻き出すスーパーセーブ。
   前半44分、再びバイーアがボタフォゴゴール前に迫ると、PKを獲得し、先制して前半を終える。
   後半に入ると試合の様相は大きく変わる。
   バイーアは、自陣深くに4-5-1、4-6の布陣を敷き、45分間守り抜く姿勢を見せる。さらには、後半13分にボールキープ力のあるMFエヴェルトン・ヒベイロとFWエヴェラウドをベンチに下げ、VOLヘゼンジ(Rezende, 1995)とスピードのあるFWアデミール(Ademir, 1995)を投入し、堅守とカウンターの姿勢を明確にする。
   試合は、バイーアがカウンターのチャンスを迎えることなく、バイーア陣半面を使った展開が続き、後半18分にFWジェフィーニョのゴールでボタフォゴが同点に追いつく。
   その後もボタフォゴが押せ押せムードの中、複数の好機を迎えるがゴールを奪いきれずにいると、両チーム選手交代を通じて試合はやや膠着した状態に陥る。
   後半41分、バイーアが一気にアクセルを踏み込んだような、MFカルロス・デ・ペニャの自陣からのスルーパスと、FWハファエウ・ハトンの抜け出しで、あっという間のゴール。
   結局このゴールが決勝点となり、アウェイのバイーアが2-1の勝利。ボタフォゴは首位陥落、バイーアは首位と同勝点の2位に浮上した。

   ボタフォゴは、組織的な要素と、FWジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)やMFルイス・エンヒキ(Luiz Henrique, 2001)などの個人の打開力が混ざり合ったサッカーで、攻守にバイーアを上回ったように感じられたが、押せ押せムードの中得点を奪えず、一瞬の隙を突かれた形の決勝ゴールでホームで勝点を失った。
   後半開始時の出場の左SBクイアバーノ(Cuiabano, 2003)はチームに推進力を与えたものの後半23分の好機は決めてもらいたかった。また、監督交代後に元パラグアイ代表ガチット・フェルナンデス(Gatito Fernández, 1988)に代わりゴールマウスを守るGKジョン・ヴィクトル(John Victor、1996)は、勝ち越しゴールの場面は、結果論になるが、スルーパスに対して思い切って前に出る選択肢があったのではないかと思われた。戦術的に今後もあのような場面は訪れる可能性は高く、GKコーチの指導の元、次の機会では成長した姿を期待したい。
   連勝は5でストップ。連勝開始時の2試合に連続して試合終了間際に失点を喫する集中力に欠ける時間帯が見られたが、この試合でも相手を相手陣に押し込む中、一瞬の隙を突かれる形で失点を喫した。
   FWチキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)、FWマテウス・ナシメント(Matheus Nascimento, 2004)をケガで欠き、タイプは異なるものの、その穴を埋めていたMFエドゥアルド(Eduardo, 1989)もまた、週中のコパ・ド・ブラジルでの試合中のケガで離脱する苦しい台所事情の中、この試合では改めてアルトゥール・ジョルジ(Artur Jorge)監督の手腕の高さが窺い知れた。あとは90分間集中力を継続する精神的な厳しさをチームに指導してもらいたい。

   バイーアは、前半と後半で180度異なる試合を見せた。前半はチームが目指すボール支配と、ピッチを横に広く使い、縦の抜け出しも有効に使った攻撃を見せたが、1点リードした後半は立ち上がりから自陣に引きこもり、自らが標榜するサッカーとは180度異なるサッカーを展開する予想外の采配。しかも、後半13分の選手交代にはさらに驚かされた。
   同点に追いつかれた後、2度目、3度目の交代枠で投入したMFカルロス・デ・ペニャとFWハファエウ・ハトンのコンビによる勝ち越しゴールが生まれたのは交代枠を上手く使った采配の妙なのかもしれないが、理解を大きく越えるホジェリオ・セニ監督の采配に驚きは隠せない。
   2023年のシティフットボールグループへの参入による資金力を背景に、2024年は積極的な補強で国内屈指の選手層を誇るに至ったが、その選手層に胡坐をかき、理想のサッカーをたやすく放棄するような采配では、たとえ上位を争うことができてもブラジルサッカー界への寄与は少ないだろう。

クイアバ(CUI) 0-2 パウメイラス(PAL)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=GiEa03sDsLo
(PAL) : 45+1' #17 ラザロ(Lázaro, 2002)#31 ルイス・ギリェルミ(Luis Guilherme, 2006)
(PAL) : 71' #41 エステヴォン(Estêvão, 2007)[PK]

今節前の順位

   クイアバは全国選手権0勝0分3敗勝点0の20位。
   パウメイラスは全国選手権1勝2分1敗勝点5の12位。

得点シーン

(PAL) : 45+1' #17 ラザロ(Lázaro, 2002)[#31 ルイス・ギリェルミ(Luis Guilherme, 2006)]
ハーフライン付近での最終ラインのボール回しから、右SBマルコス・ホッシャ(Marcos Rocha, 1988)を経て、ペナルティエリア右のMFルイス・ギリェルミにボールが渡る。後方に下がりながら左足でゴール前にボールを送ると、ディフェンダーの間に落ちるボールをFWラザロが頭に合わせパウメイラスが先制点を奪う。[0-1]
   FWラザロは、フラメンゴ育成出身で2020年9月の全国選手権にて18歳のプロデビュー。2019U-17W杯では準決勝、決勝でチームの逆転を呼び込む2ゴールをいずれも途中出場から決めている。2023年1月にアルメリア/ESPへ700万ユーロでの移籍を果たし、1年間2シーズンに跨ぎ36試合6得点の成績。パウメイラスの強い要請で2024年2月にパウメイラスへの期限付き移籍。パウメイラス加入後は先発、途中出場を繰り返しており、このゴールは4月24日リベルタドーレス以来の2点目のゴール。
(PAL) : 71' #41 エステヴォン(Estêvão, 2007)[PK]
右サイドライン際をFWエステヴォンがドリブルで駆け上がる。サイドライン際でディフェンダーに体を当てられるも弾き返し、ペナルティエリア右で次のディフェンダーをかわしペナルティエリアに侵入すると、3人目のディフェンダーに足を掛けられ転倒。PKを獲得。このPKをFWエステヴォン自らがゴール左上隅に突き刺す。[0-2]
   FWエステヴォンは、パウメイラス育成出身で2023年12月6日全国選手権最終節にて16歳でのプロデビュー。2024年1月開幕の州選手権ではすべて途中交代による5試合の出場に止まるが、4月11日リベルタドーレス第2節リーベルプール・モンテビデオ戦でプロ初スタメンに抜擢されると、後半20分に左サイドからのクロスに右サイドから絞り込みヘディングシュートでプロ初ゴール。今節のゴールは直近のコパ・ド・ブラジルでのゴールに続き自身3得点目のゴール。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:45% 55% ⇒ 前後半:50% 50%
シュート(枠内): 前半:3‐6(0-3) ⇒ 前後半:8-14(1-6)
パス成功率: 前半:83% 83% ⇒ 前後半:84% 83%

   クイアバは、5月1日にプチ(Petit)監督の就任を発表。フランス出身でポルトガルとの二重国籍。現役時代にはポルトガル代表のボランチとして2002&2006W杯、2004&2008ユーロに出場。指導者としてはボアヴィスタなどを率いたがタイトルには縁がない。今回のクイアバでの監督就任は自身初のポルトガル国外での采配となる。
   そのクイアバは、0-3で敗れた一週間前のアトレチコ・ミネイロ戦、コパ・ド・ブラジルでのゴイアス戦での3-4-3から3-5-2へ布陣を変更。中盤を厚くしボールの出どころへのマークを厳しくする狙いか。
   パウメイラスは、得点力に欠け、全国選手権前節まで4試合1得点。今節のスタメンは一週間前のサンパウロ戦から、ケガで欠場のMFハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)に代わりMFルイス・ギリェルミ(Luiz Guilherme, 2006)が入る。コパ・ド・ブラジルでゴールを決めたFWホニ(Rony, 1995)とFWエステヴォン(Estêvão, 2007)は明暗が分かれ、FWホニは先発に復帰、FWエステヴォンはベンチスタート。

   暑さの中行われた試合は、パウメイラスは、前半3分、前半6分にFWエンドリッキが、前半14分にSBピケレスがそれぞれシュートに持ち込むが、GKの正面や枠を越え、ゴールは生まれない。その後は、パウメイラスがボール保持時とボールを持たれる時間帯のメリハリをつけた対応で試合をコントロール。しかし、ボールを保持する局面でのミスが多く、効果的にクイアバゴールに迫ることができない。
   一方のクイアバも、ボールは保持する時間帯もあるものの、中盤に入るボールに寄せる守備に苦しみ、シュートに持ち込むことができない。
   ミスも散見される試合は、盛り上げに欠け、このまま前半を終了するかと思われたが、前半45+1分にMFルイス・ギリェルミのクロスにFWラザロが頭を合わせ、パウメイラスが先制して前半を折り返す。
   後半に入ると、パウメイラスは相手にボールを持たせつつも試合をコントロール。後半11分にはクイアバのCKから、FWエンドリッキが自陣ペナルティエリアからドリブルで50m以上を持ち上がる。左にはMFルイス・ギリェルミ、右にはFWエステヴォンが追走。FWエンドリッキは左のMFルイス・ギリェルミへボールを送り、ダイレクトに戻されたボールを受けシュート。GKと一対一に持ち込んだが、シュートはGKに防がれ追加点は生まれない。
   しかし、後半26分、FWエステヴォンが右サイドライン際からペナルティエリアに侵入し倒されPKを獲得。これをFWエステヴォン自身が決め、パウメイラスが待望の追加点。
   パウメイラスは、その後のクイアバの反撃も抑え込み、アウェイで2-0の勝利。全国選手権2勝目を挙げた。

   クイアバは、全国選手権4試合目にして未だ無得点。この試合に限らず、ラインを下げ過ぎずに比較的高い位置でボールに寄せるものの、連動性に欠ける場面が散見され、守→攻への移行をスムーズに行う場面が少ない。また、高さのあるFWデリキ・ラセルダ(Derik Lacerda, 1999)をターゲットとして起用、前節まではサイドにスピードのある選手を起用し、今節はFWイシドロ・ピタ(Isidro Pitta, 1999)がFWデリキ・ラセルダの近くでプレーするが、いずれも十分に機能しているとは言い難い。
   前節終了後にプチ監督の就任を発表。この試合はピッチサイドに立たず観客席からの観戦となったようが、試合をどのように見ただろうか。初采配は週中のコパ・スウアメリカーナの見込み。全国選手権は第6節は、コパ・ヴェルジ開催のため、順延が決まっており、次の試合は5月19日インテルナシオナウ戦と時間的な余裕は残されている。どのようにチームを作ってくるか、インテルナシオナウ戦を楽しみにしたい。

   パウメイラスは、チーム作りに苦しむクイアバを相手に2-0の完勝。パウメイラスも得点力不足に悩まされているが、守備は安定し、この試合では2002年生まれのFWラザロと2007年生まれのFWエステヴォンによる2得点。2006年生まれのMFルイス・ギリェルミがアシストを記録し、若い選手がチームを牽引している。
   MFハファエウ・ヴェイガをケガで欠いたものの、ケガで一か月戦列を離れたVOLゼ・ハファエウ(Zé Rafael, 1993)が8分間の戦列復帰。若手の成長とケガ人の復帰でこの勝利を今後の長いシーズンのターニングポイントとしたい。

グレミオ(GRE) <順延> クリシウーマ(CRI)

   グレミオが本拠を置くリオグランデドスル州の広い地域を襲った長雨による河川の氾濫により、本拠地ポルトアレグレを中心に州内各地で浸水の被害が多発。本拠地アレーナ・グレミオも浸水する被害に遭い、試合は順延となった。

今節前の順位

   グレミオは全国選手権2勝0分2敗勝点6の9位。
   クリシウーマは全国選手権1勝2分0敗勝点5の10位。

クルゼイロ(CRU) <順延> インテルナシオナウ(INT)

   インテルナシオナウが本拠を置くリオグランデドスル州の広い地域を襲った長雨による河川の氾濫により、本拠地ポルトアレグレを中心に州内各地で浸水の被害が多発。トレーニングの環境になく、空港が閉鎖されたためチームの遠征の手段がなく、試合は順延となった。

今節前の順位

   クルゼイロは全国選手権2勝1分1敗勝点7の7位。
   インテルナシオナウは全国選手権2勝1分1敗勝点7の6位。

ジュヴェントゥージ(JUV) <順延> アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)

   ジュヴェントゥージが本拠を置くリオグランデドスル州の広い地域を襲った長雨による河川の氾濫により、本拠地カシアス・ド・スウなど州内各地で浸水の被害が多発。トレーニングの環境になく、空港が閉鎖されたためアウェイチームの遠征の手段がなく、試合は順延となった。

今節前の順位

   ジュヴェントゥージは全国選手権1勝2分1敗勝点5の13位。
   アトレチコ・ゴイアニエンセは全国選手権0勝1分3敗勝点1の19位。

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