ジョアン・ペドロ・シェルモンチ (João Pedro Chermont)

投稿者: | 2024年5月8日
最新更新日 : 2024/08/22
更新履歴 : 2024/05/08

ブラジル 若手 逸材 次世代 サントス サイドバック

ジョアン・ペドロ・シェルモンチ・クレーマ

João Pedro Chermont Crema

ポジション:右サイドバック/ラテラウ・ジレイト

利き足:右

2006年1月18日生まれ

<幼少期>

 「ジョタ・ペー・シェルモンチ(JP Chermont)」ことジョアン・ペドロ・シェルモンチは、ブラジル連邦共和国サンパウロ州内陸部のバウル市に生まれる。

<クラブ経歴>

≪育成時代

 地元バウル市に本拠を置くサンパウロ州2部リーグのECノロエスチにてキャリアをスタートさせると、2018年12歳の時にサントスFC下部組織に入団。
 サントスFCではU-13カテゴリーから着実に昇格を続け、2022年にU-17カテゴリーに昇格。
 U-17チーム昇格一年目の2017年は、サンパウロ州選手権序盤が過ぎた6月に試合に起用されるようになり、10月には準々決勝、準決勝に先発出場(チームは準決勝にて敗退)。同じく10月に決勝ラウンドが始まった全国選手権では準々決勝のH&Aの2試合に先発出場、準決勝は1試合に交代出場を果たした(チームは準決勝にて敗退)。
 2022年11月に開催されたチリ、パラグアイとの国際親善試合各2試合に向けたU-17代表に招集。この招集は世代別代表への初招集となった。試合は11月3日チリ戦に先発出場、11月8日パラグアイ戦は後半途中出場。
 U-17代表からチームに戻ると、2022年11月21日にサントスFCとプロ契約を取り交わした。
 2023年はU-17チーム所属ながら、1月開催のU-20全国大会カップ戦の登録選手に選ばれ、準決勝までのチーム8試合のうち5試合に途中交代出場。さらには、3月6日U-20全国選手権開幕節サンパウロ戦にて先発に抜擢された。
 2023年3月8日CBF(ブラジルサッカー連盟)より南米U-17選手権代表としての招集が発表。
 U-17代表から戻るとU-20カテゴリーの州選手権に出場。5月下旬にU-17州選手権、U-17全国選手権が開幕すると、主戦場をU-17チームに移し、絶対的なレギュラーとしてシーズンを終える。
 2024年は、1月開催のU-20全国大会カップ戦に参加。ベスト16までの全6試合に先発出場、1アシストを記録。

≪サントス

– 2024 –

 U-20全国大会カップ戦が終えるとトップチームに合流。
 2024年3月9日サンパウロ州選手権第12節インテル・デ・リメイラ戦にて後半24分にピッチに送り出され18歳のプロデビューを果たす。
 3月17日州選手権準々決勝ポルトゲーザ戦にて9分間の出場、3月27日準決勝RBブラガンチーノ戦にて4分間の出場。
 2024年3月31日サンパウロ州選手権決勝パウメイラス戦1stレグにてプロ4試合目にしてプロ初のスターティングイレブンに抜擢される。前年全国選手権覇者パウメイラスが相手の州選手権決勝の舞台でも怯むことなく、積極的な攻撃参加で攻撃陣をサポートし、守備では相手のスピードのあるFWに粘り強く対応。後半の中盤に差し掛かりパス精度が落ち、背後のスペースを取られ始め、後半38分にベンチに退いたものの、チームの1-0の勝利に貢献した。
 4月7日2ndレグはベンチスタートとなったが後半20分に交代出場。その直後にチームは2試合合計で1-2となるゴールを奪われ優勝を逃したものの、JPシェルモンチは決勝戦2試合で素質の片鱗をみせ、ファビオ・カリーリ(Fábio Carille)監督の信頼を一気に獲得した。
 2024年4月20日全国選手権2部開幕節パイサンドゥ戦、前半途中に腕を負傷したSBアデルランに代わり後半開始時に出場。
 4月27日第2節アヴァイー戦では先発に抜擢。後半13分、左サイドから中央を経たボールをペナルティエリア右隅で受けると、右足のシュートフェイントから中央に切れ込み左足を振り抜く。ディフェンダーに当たったボールはゴールに吸い込まれプロ初ゴールを記録。その後、後半33分に交代。まだ、試合体力や攻守の細かな点で課題が残っているが、プレー内容は試合に出場するごとに良化。
 5月19日第6節ブルスキ戦にて、前半22分のFWウェズレイ・パタチ(Weslley Patati, 2003)のプロ初ゴールのアシストに始まり、前半34分FWジウリアーノ(Giuliano, 1990)、後半36分アルフレッド・モレロス(Alfredo Morelos, 1996)のゴールをアシスト。1試合3アシストを記録する。
 SBアデルランのケガからの復帰と重なり、調子を落としたこともあり、7月の3試合にベンチスタートとなったが、2024年8月22日現在、スタメンの座に復帰し、稀に見る混戦となっている全国選手権2部で昇格争い、優勝争いに加わるチームの主軸の一人として活躍を続けている。

≪シーズン別クラブ出場記録≫

シーズン所属大会試合出場
時間
得点アシ
スト
2024年(18歳)サントス全国選手権2部19124313
州選手権514300
 合計24138613
イタリック斜体は、2024年8月22日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。

<代表(世代別含む)経歴>

– 2022 –

 2022年11月開催のチリ、パラグアイとの国際親善試合各2試合に向けたU-17代表に招集。世代別代表への初招集。
 この親善試合は翌2023年3月30日開幕2023南米U-17選手権に向けた選抜の意味合いを兼ねており、11月3日チリ戦に先発出場、11月8日パラグアイ戦は後半途中出場を果たした。

– 2023 –

 【南米U-17選手権】 

 2023年3月8日CBFより発表された3月30日開幕の南米U-17選手権代表23選手の一人として選出。
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-17代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日対戦
相手
試合
結果
出場
時間
得点アシ
スト
2023/03/30予選R第1節エクアドル2 – 29000
2023/04/01予選R第2節チリ3 – 02100
2023/04/03予選R第3節コロンビア3 – 1
2023/04/07予選R第5節ウルグアイ3 – 09000
2023/04/11決勝R第1節ベネズエラ2 – 1
2023/04/14決勝R第2節パラグアイ3 – 28400
2023/04/17決勝R第3節エクアドル2 – 25800
2023/04/20決勝R第4節チリ3 – 09000
2023/04/23決勝R第5節アルゼンチン3 – 2900
合計24 – 1044200
 2023南米U-17選手権では、開幕節にて先発出場。以降は、SBヴィトル・ガブリエウ・ヘイス(Vitor Gabriel Reis)と出場時間を分け合い、最終的に7試合(うち先発5試合)442分の出場記録を残した。
 開幕節エクアドル戦ではハーフライン付近からFWカウワン・エリアス(Kauã Elias)が抜け出しGKと一対一となるスルーパスを送った。一方で、後半42分の1失点目ではマークについた相手に振り切られ中央にボールを運ばれ、後半45+1分の2失点目ではスピードに振り切られた相手にゴールを奪われた。
 以降の試合は、攻撃的なプレーでは積極的に高い位置にポジションを取るがボールを触る場面はほとんどなかったが、守備面ではポジショニングやボランチ、センターバックとの連係が修正され、明らかにピンチや失点につながるようなプレーはなくなった。

 【親善試合、その他】 

 2023南米U-17選手権以降は、6月、8月、9月、11月開幕U-17W杯と4度の世代別代表招集があったが、いずれにも呼ばれることはなかった。

– 2024 –

 2024年8月17日、CBFよりU-20代表合宿招集メンバーが発表され、代表23選手の一人として招集を受けた。この代表合宿は。2025年1月にペルーにて開催が予定されているU-20南米ユース選手権に照準とした2度目の合宿。合宿期間は9月2日~10日、5日と8日にメキシコU-20代表との国際親善試合が予定されている。
   関連記事 : [2024.08.17発表]<ブラジルU-20代表招集

<プレースタイル、雑感 etc.>

 利き足は右。
 身長181㎝、体重79kg。(サッカーサイト「oGol」2024年5月3日参照)
 攻撃的な右サイドバック。
 技術面はもちろんのこと、試合の流れを読む戦術的なセンスも、彼を抜擢するファビオ・カリーリ(Fábio Carille)監督から評価されている。

 サントスでは、2024年シーズン開始時の右サイドバックの序列は、①前年までRBブラガンチーノで主力を担っていたSBアデルラン(Aderlan, 1990)、②2022年のレギュラーながら2023年を大ケガのため棒に振った左右のサイドバックを兼用するSBフェリピ・ジョナタン(Felipe Jonatan, 1998)、③左サイドバックが本職ながら右のサイドバックも兼用するSBハイネル(Hayner, 1995)、④JPシェルモンチと考えられていた。
 州選手権グループラウンドが終盤に差し掛かった3月初めにSBアデルランがケガにより戦列を離脱。この時点でまだプロデビューを果たしていなかったJPシェルモンチは戦力と見なされておらす、クラブは右サイドバックを専門にする選手の補強に乗り出した。
 一方で、ファビオ・カリーリ監督はJPシェルモンチにプロデビューの機会を与え、トレーニングでは、2016年コパ・アメリカなど代表11試合の経歴を持つベテランCBジウ(Gil, 1987)が、守備でのポジショニングや一対一での対応など細かい点まで指導。さらには、守備の構築に定評のあるファビオ・カリーリ監督自身が直接JPシェルモンチに声をかけた。
 育成時代は攻撃的なサイドバックとして世代別代表にまで上り詰めたJPシェルモンチだったが、これらの守備面での指導に深い興味を示し、トレーニングを重ねるごとに、学んだプレーを次々と吸収。そして、与えられた出場機会で学んだプレーを披露すると、次第にプレー時間が増え、州選手権決勝1stレグの舞台でプロ初スタメンに抜擢されるにまで至った。
 サントスは、州選手権決勝後に補強方針を転換。二番手SBフェリピ・ジョナタンを1部フォルタレーザのオファーを受け入れ期限付き移籍で放出。JPシェルモンチは、ファビオ・カリーリ監督の構想にしっかりと組み込まれた。

 2024年5月現在、サントスは、2025年9月に満了を迎えるJPシェルモンチとの現行契約の更改を打診。中長期的な視野でJPシェルモンチの育成に力を入れ、いずれは欧州クラブへの移籍を想定している。
 2024/25年を迎えた欧州移籍ウィンドウには、スペイン、イングランド、スペインの複数のクラブから身元照会があるようだが、サントスは少なくとも2024年シーズン終了まではJPシェルモンチの移籍を容認しない方針を決定している。

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