【ブラジル全国選手権2024】第6節(2/2)

投稿者: | 2024年5月11日

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全国選手権第6節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第6節(1/2)
・2024/05/11 フラメンゴ(FLA) x コリンチャンス(COR)
・2024/05/12 パウメイラス(PAL) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)
・2024/05/12 フォルタレーザ(FOR) x ボタフォゴ(BOT)
・2024/05/12 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) x クルゼイロ(CRU)
・2024/05/12 バイーア(BAH) x RBブラガンチーノ(RBB)
以下の2試合の概要はこの記事で。
・2024/05/12 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x ヴィトーリア(VIT)
・2024/05/1
3 サンパウロ(SAO) x フルミネンセ(FLU)
以下の3試合は順延。 
・2024/xx/xx インテルナシオナウ(INT) x ジュヴェントゥージ(JUV)
2024/xx/xx アトレチコ・ミネイロ(CAM) x グレミオ(GRE)

2024/xx/xx クリシウーマ(CRI) x クイアバ(CUI)

全国選手権第6節 試合概要

ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) 2-1 ヴィトーリア(VIT)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=X6gxUeddARs
(VAS) : 50' #4 マイコン(Maicon, 1988)[#10 ディミトリ・パイェ(Dimitri Payet, 1987)]
(VAS) : 56' #99 ベヘッチ(Vegetti, 1988)[#10 ディミトリ・パイェ(Dimitri Payet, 1987)]
(VIT) : 89' #7 ユーリ・カスチーリョ(Iury Castilho, 1995)[]

今節前の順位

   ヴァスコ・ダ・ガマは全国選手権1勝0分4敗勝点3の17位。
   ヴィトーリアは全国選手権0勝1分3敗勝点1の18位。

得点シーン

(VAS) : 50' #4 マイコン(Maicon, 1988)[#10 ディミトリ・パイェ(Dimitri Payet, 1987)]
左CKのキッカーはMFディミトリ・パイェ。右足でゴール前に上げたボールをCBマイコンがパチンと禿頭を合わせると、ボールはゴールファーサイドのゴールネットに吸い込まれる。[1-0]
   CBマイコンは、クルゼイロ育成出身で2007年5月のミナスジェライス州選手権にて18歳のプロデビュー。2008年7月にナシオナル/PORに期限付き移籍を果たすとポルトガルリーグ28試合など計39試合に出場。翌シーズンにはポルト/PORが220万ユーロで獲得し6シーズン半の期間プレーする。2016年にサンパウロへ575万ユーロで移籍。2018年にはガラタサライ/TURへ800万ユーロでの移籍。その後中東でもプレーし、クルゼイロ、サントスを経て、2023年7月に残留争いに苦しむヴァスコ・ダ・ガマに加入。2024年は州選手権ではほとんど出番はなかったが、全国選手権が開幕すると連戦に出場。空中戦に強く、強靭な身体と豊かな経験を生かした駆け引きで相手FWを自由にさせないプレーで、円熟味を感じさせる。
(VAS) : 56' #99 ベヘッチ(Vegetti, 1988)[#10 ディミトリ・パイェ(Dimitri Payet, 1987)]
相手守備ブロックの周りでボールを展開。左サイドライン際から中央へ進みながらMFディミトリ・パイェが柔らかいクロスをゴール前に送る。FWベヘッチがCBの間を抜け出し、GKの手前で足を投げ出しボールをゴールに押し込む。攻撃陣を牽引するベテラン2選手による共演。[2-0]
   FWベヘッチは2023年上半期に開催されるアルゼンチンリーグで得点王を獲得し、7月にヴァスコ・ダ・ガマに加入。残留争いに苦しむチームを21試合10得点1アシストの成績を残し残留に導く。2024年もこの試合を含め18試合9得点1アシスト。執拗なマークを受けながらもワンタッチでゴールを奪うポジションニングと集中力はさすがの一言。
   MFディミトリ・パイェはフランス代表として2016年準優勝のユーロなど38試合8得点8アシストを誇る。ヴァスコ・ダ・ガマには2023年8月に加入、17試合に出場しヴァスコ・ダ・ガマの残留に貢献。2024年は州選手権後のケガによる離脱など順調さに欠いていたが、この試合では2アシストを記録し復活を遂げる。彼の復調が今後のチーム成績を左右するかもしれない。
(VIT) : 89' #7 ユーリ・カスチーリョ(Iury Castilho, 1995)[]
相手陣でボールを奪いショートカウンター。FWゼ・ウーゴ(Zé Hugo, 1999)のシュートはヴァスコGKレオ・ジャルジン(Léo Jardim, 1995)に阻止されるが、こぼれ球にFWユーリ・カスチーリョが詰めボールをゴールに蹴り込む。[1-2]
   FWユーリ・カスチーリョは、アヴァイー育成出身で2014年4月サンタカタリーナ州選手権にて18歳のプロデビュー。2017/18年に期限付き移籍でプレーしたゾリャ/UKRでの30試合11得点の活躍が評価されアル・ナスル/UAEへ完全移籍。その後ポルチモネンセ/PORへ移籍し、2020年にはレノファ山口/JPNでプレーし31試合9得点3アシストの成績を残す。2023年7月にヴィトーリアに完全移籍で加入し15試合3得点でチームの2部優勝に貢献。2024年はベンチスタートの試合も多いが、この試合を終えた時点で16試合5得点を記録している。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:57% 43% ⇒ 前後半:56% 44%
シュート(枠内): 前半:6‐4(1-0) ⇒ 前後半:17-13(7-5)
パス成功率: 前半:90% 84% ⇒ 前後半:88% 82%
Desarmes: 前半:‐ ⇒ 前後半:23-13
Faltas Cometidas: 前半:‐ ⇒ 前後半:12-12

   ヴァスコ・ダ・ガマは、公式戦最近の5試合が1分4敗の成績。3試合連続無得点と得点力不足に苦しんでいる。今節のスタメンは、0-1で敗れた前節と同じフォーメーション。右SBのCBが本職のジョアン・ヴィトル(João Victor, 1998)が入り、出場停止のVOLウーゴ・モウラ(Hugo Moura, 1998)に代わり、ベンチスタートが続いたVOLスフォルサ(Sforza, 2002)。ケガと体調不良が続いたMFディミトリ・パイェが万全の体調で中盤に復帰する。
   全国選手権1分4敗といまだ勝ち星がないヴィトーリアは、1-3で敗れた前節サンパウロ戦から6選手を変更。布陣も3バックから4バックへと変更し試合に入る。

   ホームのヴァスコがボールを保持し、ヴィトーリアを押し込む展開で試合が始まる。前半10分、ヴァスコは右サイドを起点に攻撃を始めると、逆サイドに流れたボールにMFディミトリ・パイェがシュート。ヴィトーリアGKルーカス・アルカンジョ(Lucas Arcanjo, 1998)が横跳びに両手でボールを弾き返す。
   しかし、次第にヴィトーリアが守備を修正。最終ラインが少し上がり、ヴァスコのボールの出どころに中盤が寄せを速めると、試合は一転してヴィトーリアが試合の流れを掴み始める。しかし、ヴィトーリアも連係に欠き、パスが乱れるなど、効果的にヴァスコゴールに迫ることができない。前半38分、長身FWジャンデルソン(Janderson, 1999)が右サイドライン際から巧みなドリブルでDF2選手をかわしPAに侵入。DFを引き寄せPA中央入口にボールを送るが、MFマテウジーニョ(Matheuzinho, 1997)がダイレクトに放ったシュートは大きく枠を越えていく。
   後半に入りヴァスコ・ダ・ガマはMFディミトリ・パイェが左サイドに開き気味にプレー。ヴァスコは後半4分にCKを獲得すると、MFディミトリ・パイェが上げたボールにCBマイコンが頭を合わせヴァスコ・ダ・ガマが先制。さらに後半11分にMFディミトリ・パイェがゴール前に駆け上がるFWベヘッチへピンポイントのクロス。一気にヴィトーリアを突き放す。
   ヴァスコはさらに前半25分、ゴール正面のFKをVOLスフォルサが直接狙うがボールはクロスバーに嫌われる。
   ヴァスコの攻勢に後手に回り続けたヴィトーリアだったが、次第にボールを支配し相手陣で試合を展開。後半28分にはゴール前でボールを左右に揺さぶり、最後はFWユーリ・カスチーリョが至近距離でシュートを放つがクロスバーを叩きゴールは生まれない。
   試合はボールを握るヴィトーリアとカウンターを狙うヴァスコの構図となりオープンな展開へ。ヴィトーリアが押し気味に試合を展開すると、後半44分、FWユーリ・カスチーリョがゴールを決め1点差。しかし、後半45+2分、CBカムタンガ(Camutanga, 1993)がボールのないところでの軽率なプレーで一発退場処分を受けヴィトーリアの押せ押せムードに水を差す。その後試合は荒れた展開となるが、そのままタイムアップ。
   ヴァスコ・ダ・ガマが2-0で勝利を収め連敗から脱出するとともに降格圏からも脱出。一方のヴィトーリアは全国選手権5試合を終えいまだに白星がない。

   ヴァスコ・ダ・ガマが、ベテラン勢(MFディミトリ・パイェ、FWベヘッチ、CBマイコン)が全得点に絡む活躍を見せ連敗から脱出。まだ試合の中ではムラが大きく、不安定な戦いぶりだったが、何とか勝点「3」を獲得することに成功した。ポルトガル国籍アルバロ・パシェコ(Álvaro Pacheco)氏との契約も目前に近づいているとの報道もあり、新監督の就任でチームのベースを固め、長いシーズンを戦いたい。

   ヴィトーリアは、中盤の運動量の多い守備や、ボールを繋ぐ意識がチーム全体に浸透しているが、全国選手権1部では厳しい戦いが強いられている。
   レオ・コンデ(Léo Condé)監督は、堅守速攻をベースにしながらも、試合ごとに様々オプションや新加入選手を試しチームの再構築を模索。中盤のMFマテウジーニョは毎試合のように相手の急所をつき好機を演出し、この試合では新加入のFWジャンデルソンが個人技で局面を打開するようなプレーを見せ、加入2年目のFWユーリ・カスチーリョが30分間の出場で1得点とクロスバーを叩くシュートを見舞うなど、攻撃面での成長もうかがえる。あとは、2試合連続の退場者など不用意なカードを減らし、規律を高めたい。
   次戦は全国選手権未勝利のアトレチコ・ゴイアニエンセとの対戦。早くも今季のターニングポイントとなる可能性もある。降格圏を脱出し、チームの基盤を固めるためにも、勝点「3」を必ず勝ち取りたい。
   試合翌々日の5月14日、レオ・コンデ監督の解任が発表された。レオ・コンデ監督は、組織的なサッカーをチームに植え付け、2023年に全国選手権2部優勝。2024年バイーア州選手権では圧倒的な戦力差のあるECバイーアを下し優勝を果たした。しかし、全国選手権では結果を残せず、アトレチコ・ゴイアニエンセとの一戦を前に解任となった。個人的にはもう少し手腕を見たかった。

サンパウロ(SAO) 2-1 フルミネンセ(FLU)

動画URL: 
(FLU) : 29' #xx オウンゴール(Gol Contra)[]
(SAO) : 32' #21 ボバディージャ(Bobadilla, 2001)[#31 フアン・サントス(Juan Santos, 2002)]
(SAO) : 84' # アルボレーダ(Arboleda, 1991)[]

今節前の順位

   サンパウロは全国選手権2勝1分2敗勝点7の8位。
   フルミネンセは全国選手権1勝2分2敗勝点5の16位。

得点シーン

(FLU) : 29' #xx オウンゴール(Gol Contra)[]
FWカウワン・エリアス(Kauã Elias, 2006)がVOLアレキサンデル(Alexsander, 2003)との縦のパス交換から前を向くとゴールに向かいドリブルでボールを運び、DFを引き寄せ左サイドを並走するFWケーノ(Keno, 1989)にボールを送る。FWケーノが放ったシュートはGKハファエウ(Rafael, 1989)に跳ね返されるが、そのボールがディフェンダーに当たりゴールに流れ込む。[0-1]
   FWケーノは、2013年に当時全国選手権に参入していないボタフォゴ-BAからバイーア州選手権にて23歳のプロデビューを飾った遅咲きの選手。同2013年全国選手権3部アーギア、2014年全国選手権2部サンタ・クルス、2015年メキシコ1部アトラスを経て、2015年7月に全国選手権1部ポンチプレッタに加入。着実にキャリアアップする。2017年パウメイラスにて53試合11得点6アシスト。2018/19シーズン前には850万ユーロの移籍金でエジプトのピラミッズFCへ移籍。2020年7月にアトレチコ・ミネイロに加入すると約3年間で125試合25得点18アシスト、2021年は全国選手権とコパ・ド・ブラジルのタイトルを獲得。2023年にフルミネンセに加入すると、主力の一角として53試合5得点13アシストを記録し、リベルタドーレスのタイトルを獲得。ブラジリアンドリームを体現している。
(SAO) : 32' #21 ボバディージャ(Bobadilla, 2001)[#31 フアン・サントス(Juan Santos, 2002)]
フルミネンセGKファビオ(Fábio, 1980)がPAを出てボールを処理するが、ボール扱いを誤り、FWフアン・サントス(Juan Santos, 2002)がボールを奪取。FWフアン・サントスはゴールへのコースをGKファビオに塞がれ、中央へボールを送ると、VOLボバディージャが後方から走り込みシュート。ボールはゴールネットを揺らす。[1-1]
   VOLボバディージャは、パラグアイの名門セロ・ポルテーニョ育成出身で2021年5月リベルタドーレスでのアトレチコ・ミネイロ戦にて19歳のプロデビュー。2023年に48試合11得点1アシストの記録を収め、2024年シーズン前にサンパウロへ移籍。サンパウロ州選手権中盤に5試合連続(うち先発3試合)で出場機会を得るが、ポジションを奪えず、ベンチを温める試合が続く。4月下旬にスベルディア監督が就任すると、再び連続して起用されている。中盤での執拗なマークとバランスを見た積極的な攻撃参加が特長。このゴールを機にポジションに定着したい。
(SAO) : 84' # アルボレーダ(Arboleda, 1991)[]
FWエリキ(Erick, 1997)が蹴る右CK。低い弾道のボールは複数の選手に当たりCBアルボレーダの足元にこぼれる。この好機をCBアルボレーダは逃すことなくボールをゴールネットに押し込む。サンパウロが逆転。[2-1]
   CBアルボレーダは2021コパ・アメリカなどエクアドル代表として39試合2得点3アシスト。2022W杯は最後まで代表の座を争ったが惜しくも落選。しかし、2026W杯南米予選3試合、直近の代表戦では90分間のフル出場を果たしている。サンパウロには2017年7月に加入。2023年には、後にパリSG/FRAへ移籍し、2024コパ・アメリカ代表に選出されるCBルーカス・ベラウド(Lucas Beraldo, 2003)とのコンビでクラブ史上初のコパ・ド・ブラジル制覇に多大な貢献を果たした。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:48% 52% ⇒ 前後半:48% 52%
シュート(枠内): 前半:10‐4(5-2) ⇒ 前後半:15-7(8-2)
パス成功率: 前半:88% 83% ⇒ 前後半:87% 83%
Desarmes: 前半:6‐6 ⇒ 前後半:16-12
Faltas Cometidas: 前半:9‐6 ⇒ 前後半:15-12

   サンパウロは、週中のリベルタドーレスでFWカレリ(Calleri, 1993)がケガを負い戦列を離脱。今節はMFミシェル・アラウーホ(Michel Araújo, 1996)が累積警告による出場停止、MFホドリゴ・ネストール(Rodrigo Nestor, 2000)が中盤に入る。前線はFWルシアーノ(Luciano, 1993)、FWアンドレ・シウヴァ(André Silva, 1997)、FWフアン・サントス(Juan Santos, 2002)がスリートップを形成する。
   フルミネンセは、週中のリベルタドーレスに照準を絞り、CBフェリピ・メロ(Felipe Melo, 1983)、SBマルセロ(Marcelo, 1988)、MFガンソ(PH Ganso, 1989)、FWヘルマン・カーノ(Germán Cano, 1988)がベンチスタート。CBアントニオ・カルロス(Antônio Carlos, 1993)、SBジオゴ・バルボーザ(Diogo Barbosa, 1992)、VOLアレキサンデル(Alexsander, 2003)、FWカウワン・エリアス(Kauã Elias, 2006)が穴を埋める。

   試合の立ち上がりは、サンパウロは、自陣で無理に前へボールを繋ごうとせず、相手がプレスに来れば後方にボールを下げ、前方に大きくボールを蹴りだす。フルミネンセは蹴り込まれたボールを確保するが、サンパウロの出足の速いマークにパスミスやボールロストを繰り返し、ボールを落ち着かせることができない。
   サンパウロは、右サイドを攻撃の起点とし、中央や左サイドへボールを送り相次いでフルミネンセゴールに迫るが、シュートミスを繰り返し、フルミネンセGKファビオの好守にも阻まれ、ゴールを奪うことができない。
   前半19分、フルミネンセGKファビオ(Fábio, 1980)がパスミス。サンパウロMFホドリゴ・ネストールがペナルティサークル内でボールをカットし、フリーの態勢でシュートを放つがGKファビオは片手でボールを弾き返す。そのこぼれ球にFWフアン・サントスが詰め、頭で押し込もうとするが、GKファビオがしっかりとキャッチ。サンパウロは絶好のチャンスをふいにする。
   前半29分、フルミネンセはゴールキックから縦に速い攻撃で相手のオウンゴールを誘う。劣勢を強いられてきたフルミネンセがサンパウロの僅かな隙をつき先制点を奪う。
   しかし、その3分後の前半32分、サンパウロはフルミネンセGKファビオのミスに乗じ同点。
   サンパウロはそれまでの右サイドを起点とした攻撃から、FWから転向したフルミネンセSBマルキーニョスがサイドバックを務める左サイドに起点を移す。それまで自重気味だったSBパトリッキ(Patryck, 2003)が積極的にPA付近まで攻め上がり、ゴール前に惜しいクロスを次々を送る。
   前半アディショナルタイムにフルミネンセのフェルナンド・ジニース監督が退場処分。
   試合はサンパウロが優勢に進めたまま前半を折り返す。
   後半開始時にフルミネンセは2選手を交代。フルミネンセはサンパウロのプレスをかわし、相手陣にボールを運び、シュートに持ち込むシーンが増えていく。しかし、前半同様、自陣、特にPA近辺でのボールロストはなくならず、試合の流れを掴むことができない。
   ミスが多発するフルミネンセと決定力に欠けるサンパウロの試合はややオープンな展開となり時間だけが経過する。
   後半39分、サンパウロは相手PA手前でボールを奪い獲得したCKからCBアルボレーダがゴールを奪いサンパウロが逆転。
   後半45分、フルミネンセSBマルセロがPA入口からミドルシュート。GKハファエウは一歩も動けなかったが、ボールはゴールポストを直撃し跳ね返される。
   最後はサンパウロがゴール前を固め、フルミネンセの猛攻をしのぎタイムアップ。サンパウロがホームで2-1の逆転勝ちを収めた。

   サンパウロは、スベルディア監督就任後の6試合を5勝1分。ケガ人が続出する中、試合に起用される選手がその期待に応えている。この試合では、出場停止のMFミシェル・アラウーホに代わり出場したケガ明けのMFホドリゴ・ネストールが左サイドの攻撃を牽引。守備面でも一対一でボールを奪い取るプレーが複数回見られた。左SBパトリッキは守備面では対面のスピードのあるFWジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)に自由なプレーを許さず、攻撃面では精度の高いクロスを何本もゴール前に送った。
   全国選手権は1引き分けを挟み3連勝を収め順位は5位に浮上。前年コパ・ド・ブラジルを制したメンバーの多くがケガで離脱している中、チームは選手層に厚みを帯びている。今後、主力選手が復帰してくることを考えると、サンパウロへの期待度が高まっていく。

   フルミネンセは、チーム全体に低調なパフォーマンス。ベテランGKファビオが珍しく単純なミスを連発、フィールドプレーヤーも自陣でボールロストを繰り返すなど、いつもは見られない光景が数多く見られた。
   前半アディショナルタイムには、フェルナンド・ジニース監督が相手選手に暴言を吐き捨て退場処分。今期は辛うじてリベルタドーレスでは1勝3分の成績でグループ首位を保っているものの、州選手権は準決勝敗退、全国選手権はこの敗戦で降格圏内の17位に低迷しており、明らかにチーム力は下降している。今節の試合内容も低調でフラストレーションが溜まる内容ではあったが、指揮官としてあまりにも軽率な行動。ピッチ外の者による試合への干渉と判断されれば厳しい処罰が課せられる可能性もある。

インテルナシオナウ(INT) x ジュヴェントゥージ(JUV)

リオグランデドスル州ポルトアレグレを襲った甚大な水害により順延

今節前の順位

   インテルナシオナウは全国選手権2勝1分1敗勝点7の9位。
   ジュヴェントゥージは全国選手権1勝2分1敗勝点5の15位。

アトレチコ・ミネイロ(CAM) x グレミオ(GRE)

リオグランデドスル州ポルトアレグレを襲った甚大な水害によりグレミオが臨戦過程になく試合は順延

今節前の順位

   アトレチコ・ミネイロは全国選手権2勝3分0敗勝点9の4位。
   グレミオは全国選手権2勝0分2敗勝点6の11位。

クリシウーマ(CRI) x クイアバ(CUI)

クイアバのコパ・ヴェルジ準決勝2ndレグが優先され、全国選手権第6節は順延。

今節前の順位

   クリシウーマは全国選手権1勝2分0敗勝点5の13位。
   クイアバは全国選手権0勝0分4敗勝点0の20位。

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