ミカエウ(Mycael)

投稿者: | 2023年1月3日
最新更新日 : 2024/02/16
更新履歴 : 2024/01/10, 2023/11/29, 06/16, 03/10

ミカエウ・ポンテス・モレイラ 若手 ブラジルサッカー アトレチコ・パラナエンセ Mycael Pontes Moreira

ミカエウ・ポンテス・モレイラ

Mycael Pontes Moreira

ポジション:ゴールキーパー/ゴレイロ

利き足:左

2004年3月12日生まれ


<幼少期>

 ブラジル国ロンドニア州、アマゾン川最大の支流のひとつであるマデイラ川の東岸に位置しボリビアと国境を接する州都ポルトヴェーリョに生まれる。
 2009年の5歳の時にボールを蹴り始め、9歳の時にアヴァイー・ロンドニアのサッカースクールに入団。その後、R1・エスポルチ・ロンドニア、ロンドニエンセとスクールを変えサッカーを続ける。
 12歳の時にアトレチコ・パラナエンセ下部組織の入団テストを受ける機会を得ると、ポルトヴェーリョから約3000㎞離れたサンタカタリーナ州クリチバまで行きテストを受ける。このテストでアトレチコのモニタリングの対象となり、ポルトヴェーリョを離れクリチバに暮らし始める。

<クラブ経歴>

≪アトレチコ・パラナエンセ≫

 2018年、14歳でアトレチコ・パラナエンセの下部組織に入団。
 2020年にプロ契約が可能となる16歳を迎えるとアトレチコ・パラナエンセとプロ契約を締結。
 2022年3月15日、契約更改を行い、契約期間が2027年3月までに更新される。
 2022年は、U-20チームでプレーするが、8月にルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督によりトップチームに招集。
 2022年8月27日、全国選手権第24節セアラー戦にプロ入り初のベンチ入りを果たす。
その後、9月28日第27節クイアバ戦、10月25日第34節パウメイラス戦においてもベンチ入りを果たす。
 2023年3月4日、州選手権決勝トーナメント準々決勝1stレグのサンジョゼエンセ戦にベンチ入り。トップチームでのベンチ入りの機会も増えてくるが、正GKベント(Bento, 1999)、ベント欠場時にはベントにも引けを取らないセーブを見せる第2GKレオ・リンキ(Léo Linck, 2001)を前に、第3GKでは試合に出場することは叶わない。クラブではU-20カテゴリーの数試合に出場するにとどまり、2023年11月29日現在、トップチームでのデビューは訪れていない。

<代表経歴>

≪2019年 世代別代表≫

 2019年7月、U-15世代別代表に選出され、23日と26日に行われたパラグアイ代表との国際親善試合にスターティングイレブンで出場。
 2019年8月28日、30日に行われたチリ代表とのU-15国際親善、2019年9月に開催されたボリビア代表、ペルー代表、ウルグアイ代表とのU-15国際親善大会に出場。そのすべての試合でフル出場を果たす。

≪2019年 U-15南米ユース選手権代表≫

 2019年11月23日に開幕したU-15南米ユース選手権のグループラウンドでは、決勝ラウンドを決めて臨んだ最終節コロンビア戦以外の4試合でフル出場。出場した4試合では僅か1失点を許すのみ。
 決勝ラウンド初戦の準決勝パラグアイ戦では零封。
 決勝アルゼンチン戦では1失点を許すが、PK戦ではシュートストップを見せブラジル代表の大会優勝を手繰り寄せる。

≪2019年-2022年 世代別代表≫

 2020年はコロナ感染症拡大の影響で国際親善試合や国際大会の開催がなかったが、2021年9月に行われたU-17パラグアイ代表との親善試合2試合に出場。
 2021年11月に開催されたアメリカ代表、メキシコ代表、コロンビア代表とのU-18レヴェレーションズ杯では全3試合に出場。
 2022年に入り、6月に開催されたパラグアイ代表、エクアドル代表、ウルグアイ代表とのU-20国際親善大会では、3試合すべてにスタメン出場。3戦目は途中交代したものの、1戦目、2戦目はフル出場。
 9月に開催されたアルゼンチン代表、ウズベキスタン代表、ウルグアイ代表とのU-20国際親善大会では、3試合すべてにフル出場を果たす。
 翌年1月に開催予定のU-20南米ユース選手権に向けた最後の親善試合となる11月のチリ代表との2試合では、招集されるが試合出場することはなくベンチを温めた。
 2022年12月8日に発表された2023年U-20南米ユース選手権の代表メンバーに選出。2019年U-15南米ユース選手権に引き続き世代別代表の正守護神としてブラジル代表のゴールを守る。

≪2023年U-20南米ユース選手権≫

下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-20代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日対戦
相手
試合
結果
出場
時間
得点アシ
スト
2023/01/19予選R第1節ペルー3 – 09000
2023/01/23予選R第3節アルゼンチン3 – 19000
2023/01/25予選R第4節コロンビア1 – 19000
2023/01/27予選R第5節パラグアイ2 – 1
2023/01/31決勝R第1節エクアドル3 – 19000
2023/02/03決勝R第2節ベネズエラ3 – 09000
2023/02/06決勝R第3節パラグアイ2 – 09000
2023/02/09決勝R第4節コロンビア0 – 0
2023/02/12決勝R第5節ウルグアイ2 – 09000
19 – 463000
予選R第1節ペルー戦
 開幕節の緊張感からか、立ち上がりからチーム全体として落ち着きがなく最終ラインや中盤でのミスが続く。ミカエウもバックパスにプレッシャーをうけながら出したパスをカットされピンチを招く。
予選R第3節アルゼンチン戦
 前半24分、ペナルティエリア内左を抜け出してきた選手への反応が少し遅れ、セービングに行くも相手の切り返しにボールではなく相手選手の足を引っかけ倒してしまう。イエローカードを提示されPKを献上。PKでは左に飛ぶがボールはゴール正面に蹴られる。これを右足で蹴りだしPK阻止。自分で招いたピンチをスーパーセーブで凌ぐことに成功する。
 ゴールライン際でプレスに遭うホベルチからボールを受けたが、クリア時にプレッシャーを受け相手にボールを渡す場面があった。失点には結びつかなかったが2試合連続でパスミスを犯すことになった。
 ハイボールの判断や処理、相手シュートのキャッチング、パンチングもミスなく対応。後半45分にFKから失点するが、これはミカエウにとってノーチャンスのゴールだった。
予選R第4節コロンビア戦
 前半の1失点はミカエウにはノーチャンスのゴラッソ。味方にパスを通す場面と大きく蹴りだす場面のメリハリをつけ、足元のミスはなし。被シュートは少なく、クロスも無難に対応。
決勝R第1節エクアドル戦
 前半12分の相手FK。ゴール左隅へ蹴られたボールはワンバウンドする難しいシュートを両手で確実に弾き出す。
 続くCKでは、ドンピシャのタイミングで頭に合わされるが、素晴らしい反応でゴールを防ぐ。
 後半2分には、一対一のピンチを果敢に飛び出しシュートブロック。
 後半20分にも、ペナルティエリア内の強烈なシュートを右に飛び、両手で弾いたボールはサイドバーに跳ね返されゴールを許さない。
 後半31分、ゴールライン際からのマイナスのクロスをドンピシャのタイミングで合わされるが、体勢を崩しながら両手で弾き返す。このボールは守備陣がクリアできずゴールに押し込まれる。
 足元のミスもなく、クロスボールも適切に対応し、これまでで一番の出来をみせる。
決勝R第2節ベネズエラ戦
 前半15分、クロスボールが流れゴールに向かうも確実に弾き出す。
 前半39分の相手ヘディングシュートはゴール右隅枠を捉えるが、両手で掻き出す。
 ハイボールを処理する機会が複数訪れたが、キャッチング、パンチングの判断を的確に行い処理。
決勝R第3節パラグアイ戦
 前半37分、ペナルティエリア内で相手が上げようとしたクロスボールはブラジルディフェンダーに当たりコースが変わりゴールに向かうが、素早くこれに反応し手で弾く。相手選手が詰めに来るところを瞬時にボールをゴールライン外に弾き出し難を逃れる。
 後半4分、クロスボールをダイレクトに叩きつけるボレーで放たれたシュートを枠外に弾き出す。
決勝R第5節ウルグアイ戦
 前半からゴールに迫られるが、守備陣との連携がよく、危険なシュートは打たれない。
 後半19分、ペナルティエリアすぐ外の位置からの強烈なシュートを横っ飛びし両手で弾き出す。
 その後もカウンターでピンチが訪れるが、守備陣が素早く戻って対応し、シュートまで持ち込ませない。
大会7試合に出場、守備陣や中盤の選手の守備への貢献もあり、失点は僅かに3。
大会開幕当初は、足元のミスや飛び出しの遅れが見られたが、試合を重ねるごとに改善していく。
ハイボールの処理は的確で、一対一のシュートストップも見せる。
躊躇のない適切な判断力と、申し分の反射神経で、最後の砦としてゴールを守りきる。

≪2023年フル代表≫

 2023年3月25日開催の親善試合モロッコ戦に向けたハモン・メネゼス監督代行率いるフル代表に招集。試合出場機会なし。

≪2023年U-20W杯≫

 2023年4月28日発表の2023U-20W杯代表に招集。
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-20代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日対戦
相手
試合
結果
出場
時間
得点アシ
スト
2023/05/21グループR第1節イタリア2 – 39000
2023/05/24グループR第2節ドミニカ共和国6 – 09000
2023/05/25グループR第3節ナイジェリア2 – 09000
2023/05/31決勝R1回戦チュニジア4 – 1
2023/06/01決勝R準々決勝イスラエル2 – 3
 合計16 – 727000

2023年U-23親善試合

 2023年8月18日に発表された、9月7日、12日に開催が予定されたモロッコU-23代表との親善試合に向けたU-23代表に招集。この親善試合は、2023年10月のパンアメリカン競技大会、2024年1月20日~2月11日に開催される2024パリ五輪予選をターゲットにしたもの。
 親善試合は、9月8日にモロッコ中部を襲ったM6.8の地震のため、第2戦が中止。9月7日に開催された第1戦は、2001年生まれフラメンゴGKマテウス・クーニャ(Matheus Cunha, 2001)の控えとなり、試合への出場機会は訪れなかった。。

2023年パンアメリカン競技大会(U-23)≫

 2023年9月22日発表の2023パンアメリカン競技大会U-23代表に招集。
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-23代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日対戦
相手
試合
結果
出場
時間
得点アシ
スト
2023/10/23予選第1節アメリカ合衆国1 – 09000
2023/10/26予選第2節コロンビア2 – 09000
2023/10/29予選第3節ホンデュラス3 – 0
2023/11/01準決勝メキシコ1 – 09000
2023/11/04決勝チリ1 – 1
PK: 4-2
12000
 合計8 – 139000
大会は5試合のうち4試合に先発出場。5試合で1失点の守備陣を最後方から支える。
決勝チリ戦では、チリ2人目のPKを片手で阻止。3-2で迎えたブラジル5人目のキッカーとしてPKに挑むと、左足から繰り出したシュートはゴール左隅に決まり、この瞬間にブラジルの優勝が決定。

2023年11月U-23代表合宿

 2023年11月7日に発表された、2024年1月20日~2月11日に開催される2024パリ五輪予選をターゲットにしたU-23代表合宿招集メンバー、23選手(GKは3選手)の一人として選出。この大会は年齢上の参加資格から2001年生まれが主体となるが、2004年生まれながら招集された。

2024年パリ五輪南米予選

 2023年12月21日にCBFより発表された2024パリ五輪南米予選(2024年1月20日~2月11日)U-23代表選手、23選手(GKは3選手)の一人として選出された。
下表「節」欄のリンクは、当ブログの記事にリンクしています。記事内には、当該試合の出場&控えメンバー(ブラジルU-23代表のみ)、試合経過、得点シーン中心の動画、所感を掲載しています。
試合日対戦
相手
試合
結果
出場
時間
得点アシ
スト
2024/01/20予選第1節対戦なし
2024/01/23予選第2節ボリビア1 – 09000
2024/01/26予選第3節コロンビア2 – 09000
2024/01/29予選第4節エクアドル2 – 19000
2024/02/01予選第5節ベネズエラ1 – 3
2024/02/05決勝第1節パラグアイ0 – 19000
2024/02/08決勝第2節ベネズエラ2 – 19000
2024/02/11決勝第3節アルゼンチン0 – 19000
 合計8 – 754000
2001年生まれの選手が最年長となる今大会も正GKとして出場。
ミスらしいミスは見られず、セットプレーからの空中戦では適切にキャッチやパンチングを使い分け、難しいシュートストップも見せた。

<エピソード、プレースタイル etc.>

 192㎝の長身ながら、俊敏性が高く、足元の技術も高い。左足からの正確なキックも披露する。
 判断が早く適切で、プレーに躊躇がない。
 2022年末現在で18歳ながら、U-20世代別代表には常に招集され、U-15カテゴリーからほぼすべての試合で絶対的な守護神として起用されている。

<アトレチコ・パラナエンセ下部組織出身GK>

 近年、アトレチコ・パラナエンセの下部組織からは多くのゴールキーパーが輩出されている。
 2021年に開催された東京五輪2020においてオーバーエイジ枠で全試合フル出場を果たし金メダルを獲得したサントス(Santos, 1990, 現フラメンゴ)。
 FCバルセロナ/ESPでテア・シュテーゲン(ter Stegen)の控えとして3シーズンで21試合に出場、フィオレンティーナ/ITAやヴァレンシア/ESPでは正GKを務めたネット(Neto, 1989, 現2023年現在AFCボーンマス/ENG)。
 サントス移籍後にアトレチコ・パラナエンセのゴールマウスを守り、2022年10月の全国選手権の試合にFCバルセロナがスカウトを派遣したと伝えられているベント(Bento, 1999, イタリア国籍保有)
 そして、2019年U-15南米ユース選手権で優勝を果たし、同世代の絶対的守護神を務めるミカエウ。2023年U-20南米ユース選手権でどのような結果の残し、今後どのような将来が待ち受けているのか、興味が尽きない。

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