(ブラジル標準時間 2024年5月23日 午前2時1分 「GE」より)
ヴァスコ・ダ・ガマは、MFフィリピ・コウチーニョ(Philippe Coutinho, 1992)の獲得に向け、移籍形態(買取オプション付き期限付き移籍、買取義務付き期限付き移籍、または、クラブと選手の合意による契約解除)は未定ながら、所属先のアストン・ヴィラ/ENGと合意に近づいたと報道されている。
MFフィリピ・コウチーニョは、直近のプレー先アル・ドゥハイル/QATでのシーズンが2024年5月18日カップ戦準決勝での敗退をうけ終了。すでにヴァスコ・ダ・ガマが本拠を置くリオデジャネイロに入り、住まいを探しているとのこと。
<フィリピ・コウチーニョ (Philippe Coutinho)>
– 基礎情報 –
本名: Philippe Coutinho Correia (フィリピ・コウチーニョ・コヘイア)
生年月日: 1992年6月12日
身長172cm 体重64kg
ポジション: ミッドフィルダー
利き足: 右
– クラブ履歴 –
<ヴァスコ・ダ・ガマ>
ヴァスコ・ダ・ガマ育成出身。幼くして逸材として高い評価を受け、プロデビュー前の2008年6月22日にインテルナツィオナーレ/ITAへの移籍が内定する。この時の移籍金は380万ユーロ(現在の換算レートで約6億4500万円)。
2009年6月19日全国選手権2部第7節ドゥーキ・デ・カシアス戦にてスタメンに抜擢され17歳7日でのプロデビューを果たす。
2010年6月6日全国選手権第7節にてヴァスコ・ダ・ガマでの最後の試合を迎える。
ヴァスコ・ダ・ガマでは、デビューから最後の試合までの約一年間で、43試合5得点2アシストの成績を残す。
<インテルナツィオナーレ、 エスパニョル(期限付き移籍)>
2010年7月19日インテルナツィオナーレに正式に入団(18歳)。加入後間もなくトップチームに合流し、7月31日親善試合マンチェスターシティ/ENG戦に出場。8月27日UEFAスーペルコパ、レアルマドリード/ESP戦にて公式戦デビュー。その後は先発出場も増えレギュラーの座を獲得したかと思われたが、11月にトレーニング中のケガのため約二か月間戦列を離脱。復帰後は出場機会も限られ、2012年1月30日エスパニョル/ESPへの期限付き移籍が発表される。
エスパニョルではレギュラーとして獲得。約半年間のプレーながら16試合5得点の成績を収め、ラ・リーガでの新人賞を獲得。
2012/13シーズンを前にインテルナツィオナーレに帰還するが、多くの出場機会には恵まれることなく、2013年1月26日リヴァプール/ENGへの移籍が合意。この時の移籍金は約850万ポンド(約1300万ユーロ。現在の換算レートで約14億4000万円)。
インテルナツィオナーレでの成績は、50試合5得点1アシスト。
<リヴァプール>
2013年1月30日(20歳)、諸手続きを経て、リヴァプールとの契約が正式に締結される。2月11日プレミアリーグ第26節後半33分にクラブデビューを果たすと、第27節以降、5月19日最終節までの全試合にスタメン出場を果たし、13試合3得点5アシストの成績を残す。
2012/13年 : 13試合931分3得点5アシスト(すべてプレミアリーグでの成績)
2013/14年 : 37試合2606分5得点8アシスト(うち、プレミアリーグ33試合5得点7アシスト)
2014/15年 : 52試合4091分8得点6アシスト(うち、チャンピオンズリーグ5試合。プレミアリーグ35試合5得点5アシスト)
2015/16年 : 43試合3185分12得点7アシスト(うち、ヨーロッパリーグ13試合2得点2アシスト(チームは準優勝)。プレミアリーグ26試合8得点5アシスト)
2016/17年 : 36試合2533分14得点10アシスト(うち、プレミアリーグ31試合13得点7アシスト)
2017/18年 : 15試合1162分7得点6アシスト(うち、プレミアリーグ14試合7得点6アシスト)
2017年12月30日プレミアリーグ第21節レスターシティ戦、リヴァプールでの公式戦201試合目がリヴァプールでの最後の試合となる。
リヴァプールでの成績 : 201試合54得点44アシスト
<バルセロナ、 バイエルン・ミュンヘン(期限付き移籍)、 アストン・ヴィラ(期限付き移籍)>
2018年1月6日(25歳)、リヴァプールはフィリピ・コウチーニョのバルセロナ/ESPへの移籍を発表。間もなくバルセロナも同選手の獲得を発表。契約期間は5年半(2023/24年末まで)、契約解除金は4億ユーロ(現在の換算レートで約678億円)、移籍金は公表されていないものの、Wikipediaポルトガル語版では、固定1億3000万ユーロ+変動3300万ユーロの合計1億6300万ユーロ(現在の換算レートで約276億円)と推測されている。
バルセロナ日本語版公式HPには以下の記載がある。
”フィリペ・コウチーニョは、最高のクオリティと高いテクニックを有した選手であり、世界のサッカーシーンにおいて、最も才能あふれるミッドフィルダーとして期待されている。”
契約締結後に筋肉系のケガを負いクラブデビューは遅れたものの、2018年1月25日コパ・デル・レイ準々決勝エスパニョル戦2ndレグにて後半23分に交代出場を果たしクラブデビュー。その後は先発、交代出場を繰り返すが、3月に入り先発に定着。コパ・デル・レイ決勝戦では1得点1アシストを記録しチームの優勝に貢献。
バルセロナでの一年目のシーズンを、22試合1484分10得点6アシストの成績で終えた。
2018/19年も、チームの主力としてチャンピオンズリーグ(12試合3得点2アシスト)、ラ・リーガ(34試合5得点2アシスト)など、計53試合に出場する活躍。しかし、このシーズン前やシーズン中には、2018W杯など代表としても10数試合に出場し、シーズン終盤にはパフォーマンスが低下。放出論が吹き起こる。
2019/20年はバイエルン・ミュンヘン/GERへ期限付き移籍。加入後間もなくレギュラーに定着すると、ケガのためリーグ戦終盤の8試合に欠場するものの、リーグ戦、カップ戦の二冠に貢献。さらにはチャンピオンズリーグ優勝にも貢献。成績は38試合2145分11得点9アシスト。しかし、バイエルン・ミュンヘンは買取オプションを行使せずバルセロナへの帰還が決まる。
2020/21年はバルセロナに復帰しコンスタントに試合に出場したものの、2020年10月に左大腿二頭筋(ハムストリングス)にケガ、一か月後に復帰したものの、12月末に膝に手術を要するケガを負い、残りのシーズンを棒に振る。
2021年9月14日のチャンピオンズリーグにて復帰を果たすものの、パフォーマンスは上がらず、2022年1月7日にアストン・ヴィラへの期限付き移籍が発表された。
2022年1月15日プレミアリーグ第22節にてクラブデビューを果たすと、最終節まで主にスタメンとして出場、19試合5得点3アシストを記録。
2022年5月12日アストン・ヴィラが完全移籍でフィリピ・コウチーニョの獲得を発表。この時の移籍金は2000万ユーロ(現在の換算レートで約34億円)。
バルセロナでの成績は、106試合26得点13アシストに終えた。
<アストン・ヴィラ、 アル・ドゥハイル(期限付き移籍)>
2022/23年(30歳)は、アストン・ヴィラにてレギュラーとしてシーズンを迎えるが、期待に沿う成績が残せず、2023年2月、5月の二度に渡るケガもあり、22試合に出場し、得点は僅かに「1」。
2023/24年はレギュラーの座を失い、さらにはプレミアリーグ第2節に後半出場から試合中にケガを負いまたもや戦列を離脱する。
2023年9月8日アル・ドゥハイル/QATへの期限付き移籍が発表。2023年9月28日にクラブデビューを飾ると、チームのシーズン最終戦2024年5月18日カップ戦準決勝での敗退まで23試合1689分8得点3アシストを記録した。
– クラブ履歴 –
– 2006 –
U-14代表に選出されスペインにて開催された国際親善大会に優勝。
– 2007 –
2007年4月ブラジルにて開幕した南米U-15選手権に出場。2得点を記録しチームの優勝に貢献。
U-15代表に選出されスペインにて開催された国際親善大会に優勝。
– 2008 –
3月、U-15代表としてスペインにて開催された国際親善大会に優勝。
12月、U-15代表としてナイキ国際フレンドリー杯に出場しチームは優勝。
– 2009 –
2009年3月チリにて開幕した南米U-17選手権に出場。3得点を記録しチームの優勝に貢献。
10月イングランドにて開幕したU-17W杯の3試合に出場。チームはグループステージ敗退。
– 2010 –
2010年8月10日、18歳にしてマノ・メネゼス監督率いるフル代表に招集。
10月7日国際親善試合イラン戦にてスタメンに抜擢され代表デビューを飾る。
– 2011 –
2011年7月トルコにて開幕したU-20W杯に出場。決勝までの全7試合に先発出場を果たし3得点を記録。チームは決勝でポルトガルを延長戦の末3-2で破り優勝。
– 2014 –
国際親善試合4試合に出場。
– 2015 –
2015年6月チリにて開幕した2015コパ・アメリカの3試合に出場。チームは準々決勝敗退。
他、国際親善試合1試合に出場。
– 2016 –
国際親善試合1試合に出場、1アシスト。
2018W杯南米予選7試合に出場、2得点2アシスト。
2016年6月アメリカにて開幕した2016コパ・アメリカに出場。3試合3得点。チームはグループステージ敗退。
– 2017 –
国際親善試合3試合に出場、1アシスト。
2018W杯南米予選6試合に出場、2得点。
– 2018 –
国際親善試合8試合に出場、3得点1アシスト。
2018W杯に出場、5試合2得点2アシスト。チームは準々決勝敗退。
– 2019 –
国際親善試合10試合に出場、1得点。
2019コパ・アメリカに出場。チームの全6試合に先発出場を果たし2得点1アシストを記録。チームは優勝を飾る。
– 2020 –
2022W杯南米予選の2試合に出場。1得点。
– 2022 –
国際親善試合1試合に出場、1得点。
2022W杯南米予選に出場。4試合2得点を記録。
– 通算(フル代表) –
国際親善試合 : 32試合(うち先発24試合)7得点4アシスト
W杯南米予選 : 19試合(うち先発13試合)7得点2アシスト
コパ・アメリカ : 12試合(うち先発11試合)5得点1アシスト
W杯 : 5試合(うち先発5試合)2得点2アシスト
合計 : 68試合(うち先発53試合)21得点9アシスト