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全国選手権第7節 対戦組合せ
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/06/01 グレミオ(GRE) x RBブラガンチーノ(RBB) ・2024/06/01 ヴィトーリア(VIT) x アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) ・2024/06/01 フルミネンセ(FLU) x ジュヴェントゥージ(JUV) ・2024/06/0 1 クイアバ(CUI) x インテルナシオナウ(INT) ・2024/06/0 1 コリンチャンス(COR) x ボタフォゴ(BOT)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第7節(2/2)[06.01-02]
・2024/06/02 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x バイーア(BAH)・2024/06/02 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x フラメンゴ(FLA) ・2024/06/0 2 クリシウーマ(CRI) x パウメイラス(PAL) ・2024/06/0 2 サンパウロ(SAO) x クルゼイロ(CRU) ・2024/06/0 2 フォルタレーザ(FOR) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)
全国選手権第7節 試合概要
グレミオ(GRE) 0-2 RBブラガンチーノ(RBB)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=JAu8hIqq1MM
(RBB) : 3' #7 エリキ・ハミーレス(Eric Ramires, 2000)[#35 マテウス・フェルナンデス(Matheus Fernandes, 1998)] (RBB) : 60' #36 ルアン・カンジド(Luan Cândido, 2001)[PK]
今節前の順位
グレミオ は全国選手権2勝0分2敗勝点6の12位。(2試合未消化)
RBブラガンチーノ は全国選手権2勝3分1敗勝点9の8位。
得点シーン
(RBB) : 3' #7 エリキ・ハミーレス(Eric Ramires, 2000)[#35 マテウス・フェルナンデス(Matheus Fernandes, 1998)] RBブラガンチーノは、自陣でのFKから前線へロングフィード。FWチアゴ・ボルバス(Thiago Borbas, 2002)が左サイドゴールライン手前でボールを確保。PA左に上がるMFマテウス・フェルナンデスを経て、ゴール前にポジションを取るMFエリキ・ハミーレスにボールが渡ると、MFエリキ・ハミーレスはトラップで一歩ゴールから離れ振り向きざまのシュート。相手DFの守備の判断ミスもありボールはゴールネットを揺らしRBブラガンチーノが先制。[0-1] MFエリキ・ハミーレスは、2019U-20南米ユース選手権代表で4試合に出場(ブラジルU-20は5位)。ECバイーア育成出身で2018年9月5日全国選手権第23節にて18歳のプロデビュー。同年9月20日コパ・スウアメリカーナでのボタフォゴ戦にてプロ初ゴール。2019年8月にバーゼル/SUIへ期限付き移籍を果たすが、買取オプションが行使されずバイーアに帰還する。しかし、バイーアではポジションがなく、契約解除を経て、11月にRBブラガンチーノへ移籍。RBブラガンチーノではボールを支配するクラブ方針にフィットし、複数の監督のもと、常にポジションを勝ち取り、2023年末までの3年半で136試合11得点8アシストを記録し、チームの2021年コパ・スウアメリカーナ準優勝や、2023年終盤の優勝争いに貢献。2024年はこの試合を含め20試合1得点3アシスト。好調RBブラガンチーノを牽引している。
(RBB) : 60' #36 ルアン・カンジド(Luan Cândido, 2001)[PK] RBブラガンチーノが左サイドライン際を細かいパス交換からFWモスケーラ(Mosquera, 2001)がサイドからPAに侵入。ゴール前にボールを上げようとするが、グレミオSBファビオの広げた腕にボールが当たり、主審はPKの判定を下す。これをCBルアン・カンジドがゴール右に決めRBブラガンチーノがリードを拡げる。[0-2] FWモスケーラは、2023年4月1日にRBブラガンチーノに加入。契約は2027年末まで。コロンビア代表として2023年12月の国際親善試合2試合に出場。2023年はケガのため4か月間チームを離脱したこともあり、RBブラガンチーノでは25試合2得点3アシストの成績。2024年も1か月の離脱があったが、先発、途中交代などで20試合に出場。1得点1アシストと記録上の成績は芳しくないが、監督からの信頼を勝ち得ている。 CBルアン・カンジドは、パウメイラス育成出身。ブラジルでのプロデビューを待たず、2020年にRBライプツィヒ/GERへ移籍を果たしたが結果を残せず、期限付き移籍を経てRBブラガンチーノへ完全移籍。プロデビューは2020年3月RBブラガンチーノでの州選手権にて19歳で飾る。2022年には左SBとしてレギュラーの座を勝ち取るが、2023年に相次ぐ足のケガで約半年間の離脱。2024年は戦術的にチームの中核となったSBジュニーニョ・カピシャバ(Juninho Capixaba, 1997)にポジションを譲り、センターバックとしてプレーする機会が増えている。英紙「ガーディアン」の特集記事『Nest Generation』2018年版に選出されている。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:41% 59% ⇒ 前後半:42% 58% シュート(枠内): 前半:3‐8(0-2) ⇒ 前後半:8-14(1-4) パス成功率: 前半:74% 84% ⇒ 前後半:78% 85% Desarmes: 前半:7‐19 ⇒ 前後半:13-26 Faltas Cometidas: 前半:12‐10 ⇒ 前後半:15-19
グレミオは、リオグランデドスル州を襲った長雨による大水害のため、スタジアム、トレーニングセンターが浸水の被害。5月31日にスタジアムの復旧作業が始まったが、ピッチ上や控室、観客席は、魚の死体や流木、泥などが堆積し、完全復旧の目途が立たない状況となっている。
チームは、コリンチャンスの提供を受け、サンパウロ州にて5月17日にトレーニングを再開。5月29日にパラナ州クリチバに本拠を置く全国選手権2部コリチバの本拠地コウトペレイラにてリベルタドーレスを戦い4-0の完勝。今節もコウトペレイラにて試合を開催する。
今節のスタメンは、中2日でリベルタドーレスを控え、完全ターンオーバーを実施。
一方のRBブラガンチーノは、全国選手権の2週間の順延期間にコパ・ド・ブラジル三回戦2ndレグとコパ・スウアメリカーナを消化。5月28日のコパ・スウアメリカーナは引き分けに終え、グループ2位でプレーオフへの進出が決まった。 今節のスタメンは、コパ・スウアメリカーナから守備陣を中心に6つのポジションを変更。
RBブラガンチーノは、立ち上がりにグレミオの一瞬の隙を突き、早くも前半3分に先制。
RBブラガンチーノは、前半27分にも相手陣左サイドライン際で得たFKからCBルーカス・ベラウドが足を合わせゴールネットを揺らす。しかし、こらは僅かにオフサイド。
一方のグレミオは、前半44分、左ショートコーナーからFWグスタヴォ・ヌーネス(Gustavo Nunes, 2005)がゴール前ファーサイドへクロス。FWガウヴォン(Galvão, 1992)が頭で折り返したボールに、右SBファビオ(Fábio, 1990)が頭を振り抜くが、ボールはクロスバーに跳ね返され、跳ね返りのボールを再びSBファビオが足を合わせるが、ボールはゴールポストの外へ流れる。
後半16分、グレミオはMFクリスタウド(Cristaldo, 1996)やFWソテウド(Soteldo, 1997)を投入、この2選手が好機を演出するものの、決定的なチャンスは生まれない。
RBブラガンチーノは守備を固めカウンターを目論み、後半29分のFWモスケーラのシュートはGK正面を突き、後半33分のFWヴィチーニョ(Vitinho, 1999)のシュートはクロスバーを直撃し嫌われる。
グレミオは最後まで相手ゴールをこじ開けることができず、RBブラガンチーノの2-0で試合は終了。RBブラガンチーノは、2024全国選手権にてアウェイでの初勝利を収めた。
ヴィトーリア(VIT) 0-2 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=tUP-Zc4v7mE
(ACG) : 42' #9 ヴァギネル・ロヴィ(Vágner Love, 1984)[#6 ギリェルミ・ホマォン(Guilherme Romão, 1997)] (ACG) : 69' #8 バラーリャス(Baralhas, 1998)[#6 ギリェルミ・ホマォン(Guilherme Romão, 1997)]
今節前の順位
ヴィトーリア は全国選手権0勝1分4敗勝点1の18位。(1試合未消化)
アトレチコ・ゴイアニエンセ は全国選手権0勝1分4敗勝点1の19位。(1試合未消化)
得点シーン
(ACG) : 42' #9 ヴァギネル・ロヴィ(Vágner Love, 1984)[#6 ギリェルミ・ホマォン(Guilherme Romão, 1997)] 右CKを蹴るのはFWアレホ・クルス(Alejo Cruz, 2000)。左足で上げたボールにニアサイドで左SBギリェルミ・ホマォンが頭に合わせると、ファーサイドでFWヴァギネル・ロヴィが足で押し込みアトレチコ・ゴイアニエンセが先制。[0-1] FWヴァギネル・ロヴィは、2004、2007コパ・アメリカなど代表25試合9得点を記録する大ベテラン。2024年1月に1年契約でアトレチコ・ゴイアニエンセに加入。この試合を含め交代出場を中心に22試合に出場し7得点2アシストを記録。直近の5月22日コパ・ド・ブラジル三回戦2ndレグに続き先発に起用されるとチームは2連勝。豊かな経験と研ぎ澄まされた集中力で、降格圏内に苦しむチームを上位へ導きたい。
(ACG) : 69' #8 バラーリャス(Baralhas, 1998)[#6 ギリェルミ・ホマォン(Guilherme Romão, 1997)] PA左サイドからDFの寄せに苦しみながらもボールを繋ぐと、左SBギリェルミ・ホマォンが後方に下げたボールにVOLバラーリャスが思い切りよく右足を振り抜く。DFの陰となりボールを見失ったGKの反応が若干遅れ、ボールがゴールネットを揺らし、アトレチコ・ゴイアニエンセが貴重な追加点を奪う。[0-2] VOLバラーリャスは、イトゥアーノ育成出身で2017年4月サンパウロ州選手権にて18歳のプロデビューを飾る。期限付き移籍にて多くのクラブでプレー。2021年に全国選手権1部アトレチコ・ゴイアニエンセへ期限付き移籍で加入すると、レギュラーの座を掴み、2022年にいずれもキャリアハイとなる56試合6得点3アシストを記録。2023年にインテルナシオナウが引き抜く形で完全移籍。しかし、インテルナシオナウではポジション争いに加わるものの、ポジションを奪いきれず、全国選手権2部アトレチコ・ゴイアニエンセへ期限付き移籍。アトレチコでは18試合5得点3アシストと中盤を支配しチームの1部昇格に貢献。2024年も期限付き移籍としてアトレチコ・ゴイアニエンセでプレー、チーム全27試合のうち25試合に出場し4得点3アシスト。攻守にアトレチコ・ゴイアニエンセの中盤を支えている。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:50% 50% ⇒ 前後半:36% 64% シュート(枠内): 前半:8‐5(2-3) ⇒ 前後半:12-12(3-5) パス成功率: 前半:79% 82% ⇒ 前後半:77% 91% Desarmes: 前半:8‐9 ⇒ 前後半:15-14 Faltas Cometidas: 前半:5‐6 ⇒ 前後半:8-9
ヴィトーリアは、全国選手権が2週間順延された期間中の5月16日にチアゴ・カルピーニ(Thiago Carpini)監督の就任を発表。カルピーニ監督は2023年にジュヴェントゥージの1部昇格を実現。2024年にはサンパウロの監督に就任するものの、ケガ人が相次いだことなどもあり期待に沿うことができず、4月18日にサンパウロを解任されていた。この試合は5月22日コパ・ド・ブラジル三回戦2ndレグに続き2試合目の指揮。 また、チームキャプテンを務めた右SBゼカ(Zeca, 1994)が5月22日のコパ・ド・ブラジルを最後に契約を解除しクラブを去っている。
ヴィトーリアのスタメンは、コパ・ド・ブラジル三回戦2ndレグから3選手を変更。
アトレチコ・ゴイアニエンセは、5月22日コパ・ド・ブラジル三回戦2ndレグにて全国選手権2部ブルスキを相手に4-2の勝利。スタメンの変更は、出場停止の今季14得点を記録するFWルイス・フェルナンド(Luiz Fernando, 1996)に代わりFWアレホ・クルス(Alejo Cruz, 2000)が入るのみ。
未だに全国選手権で勝ち星のない両チームは、立ち上がりからインテンシティの高い試合を展開。ホームのヴィトーリアがやや有利に展開するものの、白熱した試合が繰り広げられる。しかし、前半39分、ヴィトーリア左SBペー・カー(PK, 1994)がスパイク裏で相手選手のハムストリングを蹴り一発退場。すると、その3分後の前半42分、アトレチコ・ゴイアニエンセがセットプレーから先制点を奪う。
数的有利に立つアトレチコ・ゴイアニエンセが後半は試合を支配。攻撃に人数をかけず、個人での打開を中心に相手ゴールに迫り、カウンターのリスクを減らした試合を展開。後半24分、PA近辺でボールを繋ぎ、VOLバラーリャスがミドルシュートを決め貴重な追加点を奪う。後半38分、ヴィトーリアはVOLドゥドゥ(Dudu, 1999)が2枚目のイエローカードを提示され退場。
試合は2-0でアトレチコ・ゴイアニエンセが逃げ切り全国選手権初勝利。一方のヴィトーリアはホームでの降格圏内同士の対戦に敗れ状況はさらに厳しさを増した。
ヴィトーリアは、バイーア州選手権を優勝に導いたレオ・コンデ(Léo Condé)監督を解任し、現状の最善の選択と思えるチアゴ・カルピーニ監督を招聘したが、2人の退場者を出し、負けられない一戦に敗戦。 次節は6月11日ジュヴェントゥージとの対戦となり昇格チームとの対戦が続く。10日間の猶予でチームを立て直すことができるか。チアゴ・カルピーニ監督の手腕が早くも試される。
アトレチコ・ゴイアニエンセは、コパ・ド・ブラジル三回戦2ndレグに続き公式戦2連勝。全国選手権は開幕戦の不可解な判定による退場やPKなどの不運などもあり、これまで白星に恵まれなかったものの、上位チームを相手に、4敗のうち3試合を1点差と大きくは崩れていなかった。この試合では対戦相手から2人の退場者が出る幸運もあったが、この勢いに乗り、勝点を積み上げていきたい。
フルミネンセ(FLU) 1-1 ジュヴェントゥージ(JUV)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=fOb9oUGI-J0
(FLU) : 42' #12 マルセロ(Marcelo, 1988)[PK] (JUV) : 67' #16 ジャジソン(Jádson, 1993)[]
今節前の順位
フルミネンセ は全国選手権1勝2分3敗勝点5の17位。
ジュヴェントゥージ は全国選手権1勝2分1敗勝点5の15位。(2試合未消化)
得点シーン
(FLU) : 42' #12 マルセロ(Marcelo, 1988)[PK] 相手陣PA左の地域でボールの奪い合い。互いにボールを確保できない中、PA内にこぼれたボールへの争奪戦でVOLマルチネリ(Martinelli, 2001)が相手DFの足に掛かり転倒、主審はPKの判定を下す。このPKをSBマルセロが決めフルミネンセが先制。[1-0] VOLマルチネリは、フルミネンセ育成出身で2020年11月30日全国選手権第23節RBブラガンチーノ戦にて先発に抜擢され、19歳のプロデビューを果たす。育成時代は攻撃的なポジションを務めたものの、トップチームではボランチとしてボックストゥボックスを中心にプレーする機会が増える。2021年に55試合出場を果たすと2022年、2023年と3年連続で50試合以上に出場。2023年終了時点で174試合8得点13アシストを記録。2024年は、センターバックとしてプレーする機会も多く、守備の要の一人として存在感を発揮している。
(JUV) : 67' #16 ジャジソン(Jádson, 1993)[] ジュヴェントゥージが高い位置でプレス。フルミネンセがGKファビオにボールを戻すが、GKファビオのパスがPA内でVOLジャジソンにカットされ、そのままゴールに押し込まれる。 VOLジャジソンは、2013U-20南米ユース選手権代表。2011年4月23日ボタフォゴからリオデジャネイロ州選手権にて17歳のプロデビューを飾る。2013年8月ウディネーゼ/ITAへ移籍するが、出場数は1試合に止まり、アトレチコ・パラナエンセやサンタ・クルスへの期限付き移籍を経て2016年6月に契約が満了。2018年にはフルミネンセでキャリアハイの59試合に出場するが、単年契約は更新されず、2019年にクルゼイロに加入。2021年7月にジュヴェントゥージに加入するとレギュラーの座を獲得し、2022年の2部降格、2023年1部再昇格を主力として経験。2024年もこの試合を含めチーム全23試合のうち22試合(すべて先発)出場。戦力的に他チームから見劣しするジュヴェントゥージだが、残留に向けてVOLジャジソンの活躍が鍵を握る。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:58% 42% ⇒ 前後半:58% 42% シュート(枠内): 前半:7‐7(3-2) ⇒ 前後半:15-12(4-3) パス成功率: 前半:92% 87% ⇒ 前後半:91% 83% Desarmes: 前半:1‐12 ⇒ 前後半:7-18 Faltas Cometidas: 前半:5‐5 ⇒ 前後半:13-17
フルミネンセは、全国選手権が順延された2週間の間にリベルタドーレス2試合、コパ・ド・ブラジル1試合を行い3連勝。今節の3日前に開催されたリベルタドーレスはで、すでに決勝ラウンド進出を決めていたが、3-2と接戦を制しグループ首位でグループラウンドを終えた。 今節のスタメンは、リベルタドーレスから3選手を変更。必勝を期して試合に臨む。
ジュヴェントゥージは、長雨による大水害に遭ったリオグランデドスル州のカシアス・ド・スル市に本拠を置く。移動、遠征の困難もあり、他州での活動も検討されたが、スタジアムやトレーニングセンターは被害を免れたため、カシアス・ド・スル市での活動継続が決定された。
今節は、1-1の引き分けに終えた4月28日第4節アトレチコ・パラナエンセ戦以来一か月ぶりの試合。累積警告による出場停止のVOLカイキ・ゴンサウヴェス(Caíque Gonçalves, 1995)に代わり、全国選手権開幕を前に加入したVOLチアギーニョ(Thiaguinho, 1997)が初先発。他のポジションに変更はないが、試合勘の欠如が懸念される。
立ち上がりから相次いでジュヴェントゥージがフルミネンセゴールに迫る。前半7分、MFネネー(Nenê, 1981)がドリブルでボールを持ちあがり、PA手前からコースを狙ったシュート。GKファビオの指先をかすめたボールはゴールポストに弾き返される。
このプレーに目を覚ましたのか、フルミネンセは得意の細かいボール回しで試合の主導権を握り始める。すると、前半42分、フルミネンセは相手陣左サイドで執拗にボールを繋ぎPKを獲得。これをSBマルセロが決めフルミネンセがリードして前半を終える。
後半は、フルミネンセがリスクを犯さず、ピッチを広く使いボールを繋いで試合をコントロールする。しかし、後半20分、GKファビオが痛恨のパスミス、PA内で相手にボールをカットされゴールを許す。
同点に追いついたジュヴェントゥージは、相次いで攻撃的なポジションに選手を投入し、前がかりとなるフルミネンセに対し、運動量の多い高い位置でプレスを仕掛けチャンスをうかがう。しかし、後半31分に投入されたFWウェリキ・ポポー(Werik Popó, 2001)が8分間で2枚のイエローカードを提示され退場。
数的不利に陥ったジュヴェントゥージは戦術を守備的なものに変更。フルミネンセは数的有利に立ったもののジュヴェントゥージの守備陣を脅かすことができず、試合はタイムアップ。 ジュヴェントゥージはアウェイでの試合にて退場者を出しながらも勝点「1」を獲得。フルミネンセは勝点「1」を積み上げ暫定的に降格圏を脱したものの消化不良の試合内容でマラカナンを後にした。
フルミネンセは、守護神ファビオが第6節サンパウロ戦に続き失点に繋がるパスミス。セーブ面では今節でも素晴らしいプレーを再三見せたが、足元でのミスが散見されるようになりつつある。控えには2019‐21年にフォルタレーザでレギュラーを務めたGKフェリピ・アウヴェス(Felipe Alves, 1988)が控えるが、フェルナンド・ジニース(Fernando Diniz)監督はどのような決断を下すだろうか。
フルミネンセ監督就任までは若手選手の発掘や育成に定評のあったフェルナンド・ジニース監督だが、2023年からは起用選手の高齢化、固定化が顕著となり、その弊害が顕著になりつつある。しかし、2023年リベルタドーレス制覇、2024年リベルタドーレス決勝ラウンド進出を盾に、その采配が正当化されているようにも見える。
間もなく長年に渡りブラジル代表の中核を担ったCBチアゴ・シウヴァ(Thiago Silva, 1984)の加入発表が迫っているが、CBフェリピ・メロ(Felipe Melo, 1983)との2010年W杯代表コンビで、リベルタドーレスを照準にシーズンを送るのだろうか。手遅れになる前に手を打たなければ、厳しい将来が待ち受けている。
ジュヴェントゥージは、一か月ぶりの試合ながら攻守に組織された試合を展開し、退場者を出しながらもアウェイで勝点「1」を持ち帰ることに成功。大ベテランMFネネーが攻撃の指揮を執り、守備面では経験に裏打ちされた危険なパスコースを塞ぐポジショニングで少ない運動量をカバーした。
試合後のインタビューでは同点ゴールを決めたVOLジャジソンが涙ながらにこの一か月を振り返っていた。少ない予算の中、選手層では他チームに劣るものの、今節のようにホージェル・マシャード(Roger Machado)監督のもとチームが一丸となり戦う姿を今後も見せてもらいたい。そして、サッカーを通じて被災したリオグランデドスル州を励ましてもらいたい。
クイアバ(CUI) 0-1 インテルナシオナウ(INT)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=RteMixrzJjA
(INT) : 69' #2 ウーゴ・マジョ(Hugo Mallo, 1991)[#4 ホベルチ・ヘナン(Robert Renan, 2003)]
今節前の順位
クイアバ は全国選手権0勝0分4敗勝点0の20位。(2試合未消化)
インテルナシオナウ は全国選手権2勝1分1敗勝点7の10位。(2試合未消化)
得点シーン
(INT) : 69' #2 ウーゴ・マジョ(Hugo Mallo, 1991)[#4 ホベルチ・ヘナン(Robert Renan, 2003)] 相手陣左サイドライン際でVOLチアゴ・マイア(Thiago Maia, 1997)のボールを受けたSBホベルチ・ヘナンが、フリーの態勢でゴール前にクロス。胸でボールを落としたSBウーゴ・マジョが左足でボールをゴールに蹴り込みインテルナシオナウが先制。[0-1] SBウーゴ・マジョは、2010U-19ユーロコパ、2011U-20W杯にスペイン代表として出場。育成時代からセルタ・デ・ビゴ一筋でプレーしていたが、2023年8月に一年契約でインテルナシオナウに移籍加入。2023年は9試合1得点、2024年もこの試合を含め6試合1得点と、あまり出場機会に恵まれていない。 SBホベルチ・ヘナンは、2023U-20南米ユース選手権、U-20W杯に主力として出場。2023年3月にはフル代表に招集を受ける。2023年2月にコリンチャンスからFWユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)との人的補償の形でゼニト/RUSに加入するが、一年間で17試合の出場に止まり、2024年1月に期限付き移籍でインテルナシオナウに加入。育成時代はフォワードとしてプレーし、その足元の技術を武器にセンターバックではビルドアップを得意とし2023U-20南米ユース選手権でのブラジルU-20代表の優勝に貢献。インテルナシオナウではエドゥアルド・クーデ(Eduardo Coudet)監督のもと、この2試合はサイドバックとして先発を務めている。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:40% 60% ⇒ 前後半:40% 60% シュート(枠内): 前半:5‐3(2-0) ⇒ 前後半:8-9(3-3) パス成功率: 前半:80% 88% ⇒ 前後半:78% 88% Desarmes: 前半:7‐3 ⇒ 前後半:12-9 Faltas Cometidas: 前半:4‐9 ⇒ 前後半:12-22
クイアバは、全国選手権が順延された2週間の間にプチ(Petit)監督が就任。コパ・ヴェルジ準決勝2ndレグ、コパ・ド・ブラジル三回戦2ndレグは試合に勝ちながらもPK戦にて敗退。しかし、コパ・スウアメリカーナの2試合を含め、3勝1分の成績を収め、調子を上げて全国選手権に臨む。
スタメンは、1-0で勝利を収めた5月29日コパ・スウアメリカーナから最終ラインの3選手など計4選手を変更。
インテルナシオナウは、リオグランデドスル州を襲った長雨による大水害のため、ポルトアレグレ市内のスタジアム、トレーニングセンターが浸水の被害。5月15日に市内高台にある大学にてトレーニングを再開したが、16日、サンパウロ州イトゥ市にて当面の活動を行うことを決定した。
そのインテルナシオナウは、5月28日にパウメイラスの準本拠地アレーナ・バルエリにてコパ・スウアメリカーナを開催。一か月振りの試合は1-2の敗戦に終えた。
今節のスタメンは、コパ・スウアメリカーナから中盤の2選手とSBを変更。CBが本職のホベルチ・ヘナン(Robert Renan, 2003)がサイドバックとして右から左に移動し連戦にスタメン出場を果たす。
試合は中盤でのボールの争奪戦が厳しくなるものの、ホームのクイアバが序盤を優位に試合を進める。左右のウィングがゴールライン際までボールを持ちあがり、ゴール前へのクロスやマイナスのボールでチャンスを演出。しかし、前半12分のシュートは枠を越え、前半20分、前半32分のシュートはGKの正面を突きゴールを奪うことができない。
前半30分を過ぎる頃にはインテルナシオナウも相手ゴールに迫るようになるが、決定機は訪れない。
後半8分、インテルナシオナウは左サイドをFWウェズレイ(Wesley, 1999)がドリブルでPAに侵入し、ゴールライン際からクロス。ゴール前で混戦となるが、クイアバDFが辛うじてクリア。後半12分にはFWウェズレイがPA手前からシュート。ボールは僅かにゴールを捉えない。後半18分にはインテルナシオナウは右サイドを起点とした攻撃からVOLブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1989)がシュート。GKヴァウテル(Walter, 1987)が弾いたボールはゴールポストを叩き嫌われる。
後半24分、左サイドライン際からの左SBホベルチ・ヘナンのクロスを受けた右SBウーゴ・マジョが決勝ゴール。 その後、インテルナシオナウは相次ぐ選手交代で時間を有効に使い、守備を固め、危なげなく1-0で試合を締めた。
クイアバは、全国選手権5戦5敗、無得点を継続し、厳しい状況が続く。
インテルナシオナウは2試合未消化の時点で勝点「10」の7位。大水害に被災した本拠地ベイラーヒオ復旧の見込みは立っておらず、厳しい環境でシーズンを送ることが余儀なくされているが、リーグトップクラスの選手層の厚さで上位争いを繰り広げ。ポルトアレグレやリオグランデドスル州で被災したサポーターを勇気づける戦いを今後も続けたい。
コリンチャンス(COR) 0-1 ボタフォゴ(BOT)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=4akpf3PL_qo
(BOT) : 59' #11 ジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)[#66 クイアバーノ(Cuiabano, 2003) ]
今節前の順位
コリンチャンス は全国選手権1勝2分3敗勝点5の16位。
ボタフォゴ は全国選手権3勝1分2敗勝点10の4位。
得点シーン
(BOT) : 59' #11 ジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)[#66 クイアバーノ(Cuiabano, 2003)] FWサバリーノ(Savarino, 1996)がハーフライン手前まで下がり、VOLマルロン・フレイタス(Marlon Freitas, 1995)からボールを受けると、前を向き左サイドライン際を上がる左SBクイアバーノへボールを送る。SBクイアバーノはワンタッチで斜めにゴール前にグラウンダーのクロス。FWジュニオール・サントスがワンタッチでボールをゴールに流し込みボタフォゴが先制。[0-1] FWジュニオール・サントスは、柏レイソル/JPN、横浜マリノス/JPN、サンフレッチェ広島/JPNでのプレー歴あり。2022年にサンフレッチェ広島からの期限付き移籍でボタフォゴに加入し15試合1得点2アシスト。2023年はフォルタレーザに完全移籍を果たすが、チームスタイルにフィットせず、全国選手権開幕を前にボタフォゴへ移籍。すると、全国選手権37試合など50試合7試合3アシストと大車輪の活躍。2024年もリベルタドーレス10試合9得点など、この試合を終えて31試合17得点4アシスト。強引にドリブル突破を狙うプレースタイルは、好き嫌いが分かれるが、ボタフォゴではゴールという結果を残している。 SBクイアバーノは、グレミオ育成出身で育成世代では度々世代別代表に招集を受けた攻撃的なサイドバック。2023年2月18日リオグランデドスル州選手権にて20歳のプロデビュー。同年は攻撃的なスタイルから中盤やウィングとして出場機会を得た。2024年はグレミオでSBとしての序列が下がり、全国選手権開幕後、移籍ウィンドウが締まる直前にボタフォゴへ完全移籍を果たす。ボタフォゴではSBマルサウ(Marçal, 1989)、SBウーゴ(Hugo, 2001)とポジション争いを繰り広げ、出場機会2試合連続アシストを記録した。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:55% 45% シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:14-8(6-2) パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:82% 80% Desarmes: 前半:‐ ⇒ 前後半:19-17 Faltas Cometidas: 前半:‐ ⇒ 前後半:7-16
コリンチャンスは、全国選手権の2週間の順延期間に、コパ・スウアメリカーナ2試合、コパ・ド・ブラジル1試合を戦い、3試合で9得点1失点。直近のコパ・スウアメリカーナでは上位対決で3-0の快勝を収め逆転でグループ首位に立ち決勝ラウンド進出を決めた。 今節はその試合からケガの右SBファギネル(Fagner, 1989)に代わりSBマテウス・フランサ(Matheus França, 2000)が入った変更のみ。3連勝の勢いに乗り、下位に低迷する全国選手権で勝点を積み上げたい。
ボタフォゴは、全国選手権の2週間の順延期間に、すべてアウェイでの試合を2勝1分。直近のリベルタドーレスではグループ首位を相手にゴールを奪うことができず引き分けに終わり、2位での決勝ラウンド進出となった。 今節のスタメンはリベルタドーレスから6選手を変更。4月に就任したアルトゥール・ジョルジ(Artur Jorge)監督だが、ベースが固まった今、様々な組み合わせを試し、チーム戦術の浸透を促しているようにも見える。
試合はインテンシティが高く、目まぐるしく攻守が入れ替わる展開。互いにボールを失った際の寄せが速く、ボールを落ち着かせることができず、縦に素早くボールを送る。しかし、PAに近づいてからのアイディアとクオリティに欠け、決定的なシーンを迎えることができない。
ボタフォゴは前半22分、右サイドライン際からFWルイス・エンヒキ(Luiz Henrique, 2001)がゴール正面にクロス。後方からVOLマルロン・フレイタス(Marlon Freitas, 1995)がDFの間へ駆け上がりフリーの態勢で頭を合わせるがボールはゴール枠を捉えない。 一方のコリンチャンスも前半30分を過ぎシュートに持ち込むシーンが増えるが、シュートはいずれも勢いに欠き、ボタフォゴGKジョン・ヴィクトル(John Victor, 1996)を脅かすことができない。
後半に入ると、ボタフォゴがボールを支配し相手陣で試合を展開。後半10分、PA内でFWサバリーノが柔らかく送られたクロスをダイレクトにボレー。これはGKの正面を突くが、後半14分、左サイドライン際からSBクイアバーノのクロスにFWジュニオール・サントスが足を合わせボタフォゴが均衡を破る。
リードを許したコリンチャンスは、ピッチを左右に広く使い、攻勢を強めるが、ボタフォゴは自陣で堅固な守備ブロックを構築し、コリンチャンスの攻撃を跳ね返す。コリンチャンスはボランチやセンターバックが攻撃に参加し、サイドからの攻撃だけでなくミドルシュートを狙うなど、攻撃のバリエーションを拡げるが、シュート精度に欠く。
試合は1-0のままボタフォゴが逃げ切り、コリンチャンスの本拠地アレーナ・キミカで初勝利を収めた。
この試合では、パラグアイ代表の双子の兄弟、コリンチャンス所属FWアンヘル・ホメーロ(Ángel Romero, 1992)とボタフォゴ所属MFオスカル・ホメーロ(Óscar Romero, 1992)がピッチ上で対戦。FWアンヘル・ホメーロはリードを許した局面でピッチに立ち、同点に追いつくべく奮闘するが、連係が合わないシーンも見られ空回り気味。MFオスカル・ホメーロはリードした後にピッチに送り出され、確かなボールキープ力で試合を落ち着かせ、ゴールには結びつかなかったものの広い視野で決定的なパスを2本通した。
ボタフォゴは勝点を「13」に伸ばし暫定首位。 一方のコリンチャンスは、降格圏の17位に順位を下げた。