【ブラジル全国選手権2024】第7節(2/2)[06/01-02]

投稿者: | 2024年6月1日

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全国選手権第7節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第7節(1/2)[06.01-02]
・2024/06/01 グレミオ(GRE) x RBブラガンチーノ(RBB)
・2024/06/01 ヴィトーリア(VIT) x アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)
・2024/06/01 フルミネンセ(FLU) x ジュヴェントゥージ(JUV)
・2024/06/01 クイアバ(CUI) x インテルナシオナウ(INT)

・2024/06/01 コリンチャンス(COR) x ボタフォゴ(BOT)
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/06/02 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x バイーア(BAH)
・2024/06/02 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x フラメンゴ(FLA)

・2024/06/02 クリシウーマ(CRI) x パウメイラス(PAL)
・2024/06/02 サンパウロ(SAO) x クルゼイロ(CRU)
・2024/06/02 フォルタレーザ(FOR) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)

全国選手権第7節 試合概要

アトレチコ・ミネイロ(CAM) 1-1 バイーア(BAH)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=RtFbWsPwg6w
(CAM) : 62' #7 フッキ(Hulk, 1986)[FK]
(BAH) : 70' #7 アデミール(Ademir, 1995)[#29 エストゥピニャン(Estupiñán, 1996)]

今節前の順位

   アトレチコ・ミネイロは全国選手権2勝3分0敗勝点の9位。(1試合未消化)
   バイーアは全国選手権4勝1分1敗勝点13の2位。

得点シーン

(CAM) : 62' #7 フッキ(Hulk, 1986)[FK]
FWフッキからの縦パスを受けたMFサラーチョ(Zaracho, 1998)が、前を向きPAに侵入しようとするが、DFに倒されFKを獲得。このFKをFWフッキが、壁に入った味方選手の空けたスペースを通す強烈なシュート。ボールはゴールネットに突き刺さりアトレチコ・ミネイロが先制。[1-0]
(BAH) : 70' #7 アデミール(Ademir, 1995)[#29 エストゥピニャン(Estupiñán, 1996)]
自陣PAから縦に4本のパスを繋ぎFWエストゥピニャンが抜け出し相手PA内に侵入。後方の空いたスペースにボールを戻すと、そこに走り込んだFWアデミールがPA右手前から左足を振り抜く。ボールはGKの指先を越えファーサイドのゴールネットを揺らすゴラッソ。バイーアが同点に追いつく。FWアデミールは古巣を相手に貴重な同点弾。[1-1]
   FWアデミールは、2015年にミナスジェライス州下位リーグにてプロデビュー。2018年ミナスジェライス州選手権での活躍を受け、全国選手権1部のアメリカ・ミネイロに加入すると、2020年に全国選手権2部28試合など年間50試合14得点3アシストを記録しチームの1部昇格に貢献。翌2021年には全国選手権1部31試合など年間44試合15得点5アシストの成績を残す。2022年アトレチコ・ミネイロに引き抜かれ全国選手権1部35試合など年間61試合8得点1アシスト。しかし、2023年は監督交代もあり出場機会を失う。2023年4月全国選手権開幕を前にバイーアへ移籍すると、33試合6得点1アシスト。特にホジェリオ・セニ監督就任後はスーパーサブのような形で投入される機会が多く、残留争いに巻き込まれたシーズン終盤のラスト4試合で3得点を記録。2024年もスーパーサブとして、この試合を含め、28試合(うち先発8試合)1000分弱のプレーで4得点4アシストを記録している。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:57% 43% ⇒ 前後半:62% 38%
シュート(枠内): 前半:6‐5(2-1) ⇒ 前後半:19-8(4-2)
パス成功率: 前半:88% 80% ⇒ 前後半:87% 76%
Desarmes: 前半:8‐5 ⇒ 前後半:12-9
Faltas Cometidas: 前半:6‐3 ⇒ 前後半:13-9

   アトレチコ・ミネイロは、全国選手権第6節が5月11日に予定されていたが順延され、5月4日第5節以来の試合。その間にリベルタドーレス3試合とコパ・ド・ブラジル1試合を戦い2勝2敗。結果は不満足な内容だが、リベルタドーレスはグループ首位で決勝ラウンドに進出、コパ・ド・ブラジルも2試合合計で上回りベスト16に駒を進めた。また、戦術や選手起用で様々な試みが行われ、今後に向けガブリエル・ミリット(Gabriel Milito)監督は手ごたえを掴んでいるのではないだろうか。
   今節のスタメンは、4-0で快勝を収めた直近のリベルタドーレスカラカス戦からFWを中心に4つのポジションで変更。カラカス戦で2得点1アシストの結果を残したMFペドリーニョ(Pedrinho, 1998)はベンチスタート。
   バイーアは、5月26日にコパ・ド・ノルデスチ準決勝を戦い、全国選手権2部CRBを相手に0-0の引き分け、PK戦の末、同大会を敗退。
   CRB戦でのスタメンとの変更点は、FWエヴェラウド(Everaldo, 1991)がFWハファエウ・ハトン(Rafael Ratão, 1995)に代わり入ったのみ。全国選手権に限っては第4節から3試合連続で同じ顔ぶれのスターティングイレブンが組まれた。

   試合は、ホームのアトレチコ・ミネイロが相手陣でピッチを左右に広くボールを展開し、バイーアは自陣で強固な守備ブロックを構築しカウンターを狙う。
   前半15分、アトレチコ・ミネイロは相手陣に10mほど入った最終ラインCBブルーノ・フッキス(Bruno Fuchs, 1999)から縦に2本のパスを通し、最後はFWパウリーニョ(Paulinho, 2000)がシュートを見舞うが、ボールはバイーアGKマルコス・フェリピ(Marcos Felipe)の正面を突く。
   一方のバイーアは、前半24分、MFエヴェルトン・ヒベイロ(Éverton Ribeiro, 1989)がPA右ゴールライン際からゴール前にクロスボールを送り、FWタシアーノ(Thaciano, 1995)が足を合わせるが、ボールは僅かにゴールポストの外へ流れる。
   前半43分、アトレチコ・ミネイロは再びCBブルーノ・フッキスが起点となる縦パスからWパウリーニョがシュートに持ち込むが、今度はGKマルコス・フェリピが横に跳びボールをしっかりとキャッチ。
   後半11分、アトレチコ・ミネイロはPA左手前、ゴールまで約25mの位置でFKを獲得。FWフッキが直接狙ったシュートは僅かにゴールポストの左へ外れる。その5分後の後半16分、アトレチコ・ミネイロはPA左入口でFKを獲得すると、今度はFWフッキがしっかりとこのFKを仕留め、アトレチコ・ミネイロが先制。
   リードを奪われたバイーアは、後半25分、自陣PAからボールを運び、最後はFWアデミール(Ademir, 1995)のゴラッソで試合を振り出しに戻す。
   後半43分、途中出場のMFペドリーニョ(Pedrinho, 1998)が最終ライン裏を狙うFWバルガス(Eduardo Vargas, 1989)へスルーパス。FWバルガスは間合いを詰めるGKをかわすが、浅い角度から放ったシュートはゴール枠を僅かに捉えない。
   後半アディショナルに入り、バイーアPA内でDFが振り上げた腕にボールが当たるシーンが見られたが、主審、VAR共にこのプレーを流す。
   試合は1-1のタイムアップ。上位対決は勝点「1」を分け合う結果に終えた。

   アトレチコ・ミネイロはこの試合も、相手陣でボールを支配し、左右にピッチを広く使い、中央も縦パスを有効に使い、狭めの距離間で選手がパスを交換するサッカーを見せたが、この試合は最後の局面でゴールに嫌われた。
   途中出場のMFペドリーニョが絶妙なスルーパスを通し、リベルタドーレスカラカス戦に続く活躍。CBブルーノ・フッキスが攻撃の起点として機能。攻撃的な見て楽しいサッカーの伸びしろを感じさせた。
   一方で、最近の試合で左サイドで起用されているMFグスタヴォ・スカルパ(Gustavo Scarpa, 1994)だが、右サイドで中央に絞り込むプレーが強烈な印象を残しているだけに、再度右サイドでのプレーが見たい。また、FWパウリーニョ(Paulinho, 2000)は枠内シュートを2本記録したが、昨年の好調期の躍動感がやや欠いているようにも見える。何かきっかけが欲しいところ。

   バイーアは、強敵を相手にアウェイで貴重な勝点「1」を持ち帰ることに成功。全国選手権は開幕節で黒星を喫したものの、その後は4勝2分無敗。公式戦は6勝3分と9試合負けなしと記録を伸ばした。
   しかし、粒ぞろいのタレントを揃えながら、強豪を相手には自陣で守備ブロックを構築し、下位チームを相手にはボールを支配しながらもなかなか得点を奪えないサッカーは興醒めさせられる。結果を残しているので、現在の現実を直視した戦術は正しいのかも知れないが、サッカーファンとしてはダイナミズムのある試合が見たいというのが正直な気持ちだ。

ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) 1-6 フラメンゴ(FLA)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=mKPeEpUbzlA
(VAS) : 8' #99 ベヘッチ(Vegetti, 1988)[#27 ガウダメス(Galdames, 1996)]
(FLA) : 28' #11 エヴェルトン・セボリーニャ(Everton Cebolinha, 1996)[#14 デ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)]
(FLA) : 33' #9 ペドロ(Pedro, 1997)[#11 エヴェルトン・セボリーニャ(Everton Cebolinha, 1996)]
(FLA) : 43' #23 ダヴィ・ルイス(David Luiz, 1987)[エヴェルトン・セボリーニャ(Everton Cebolinha, 1996)]
(FLA) : 52' #14 デ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)[#9 ペドロ(Pedro, 1997)]
(FLA) : 73' #27 ブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1990)[#14 デ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)]
(FLA) : 89' #99 ガブリエウ・バルボーザ(Gabriel Barbosa, 1996)[#43 ウェズレイ・フランサ(Wesley França, 2003)

今節前の順位

   ヴァスコ・ダ・ガマは全国選手権2勝0分4敗勝点6の13位。
   フラメンゴは全国選手権3勝2分1敗勝点11の3位。

得点シーン

(VAS) : 8' #99 ベヘッチ(Vegetti, 1988)[#27 ガウダメス(Galdames, 1996)]
相手陣右サイド深くからヴァスコ・ダ・ガマボールのスローイン。PA内に送られたボールをDF2選手が頭でクリア。クリアボールを頭でVOLガウダメスが前方に送ると、FWベヘッチが体を反転させた右足のボレーシュート。ボールはファーサイドのゴールネットを揺らすゴラッソ。アウェイのヴァスコ・ダ・ガマが早くも先制。[0-1]
   VOLガウダメスは、2021コパ・アメリカ、2022W杯南米予選など代表12試合の経歴を持つチリ国籍選手。2024年2月に年末までの契約でジェノア/ITAからヴァスコ・ダ・ガマに加入。加入後間もなく中盤の一角としてスタメンに定着し、監督交代後もその立ち位置は変わらない。攻守にバランスの取れた選手。18試合2得点4アシストを記録中。
(FLA) : 28' #11 エヴェルトン・セボリーニャ(Everton Cebolinha, 1996)[#14 デ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)]
PA内でのボールの争奪戦からこぼれたボールをMFデ・ラ・クルス(De La Cruz, 1997)が前方に送り、MFデ・アラスカエッタが落としたボールにFWエヴェルトン・セボリーニャが右足を振り抜く。シュートブロックに迫るDFもなく、ボールは一直線にゴールに吸い込まれフラメンゴが同点。[1-1]
(FLA) : 33' #9 ペドロ(Pedro, 1997)[#11 エヴェルトン・セボリーニャ(Everton Cebolinha, 1996)]
右ショートコーナーから、FWエヴェルトン・セボリーニャがドリブルでPA内に侵入し、ファーサイドへクロス。FWペドロが胸でボールをゴールに押し込みフラメンゴが追加点。[2-1]
(FLA) : 43' #23 ダヴィ・ルイス(David Luiz, 1987)[エヴェルトン・セボリーニャ(Everton Cebolinha, 1996)]
左CKのキッカーはFWエヴェルトン・セボリーニャ。ゴールからやや離れた位置へ高さのあるボールを送ると、CBダヴィ・ルイスが後方に下がりながら左足のボレーシュート。[3-1]
(FLA) : 52' #14 デ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)[#9 ペドロ(Pedro, 1997)]
ヴァスコ・ダ・ガマGKのロングフィードをフラメンゴDFが頭で弾き返すと、2本のパスで最終ライン裏にボールを送り、抜け出したMFデ・アラスカエッタがDFを押さえつけながら、GKの頭上を越すシュート。[4-1]
(FLA) : 73' #27 ブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1990)[#14 デ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)]
右サイドからMFデ・アラスカエッタがゴールに向かいドリブルで守備陣の間をすり抜ける。PA手前でDFを引き付け左へボールを送ると、フリーの態勢のFWブルーノ・エンヒキがワンタッチで右足の巻き込むシュート。ボールはファーサイドのゴールネットを揺らす。[5-1]
(FLA) : 89' #99 ガブリエウ・バルボーザ(Gabriel Barbosa, 1996)[#43 ウェズレイ・フランサ(Wesley França, 2003)]
右サイドを縦にMFデ・アラスカエッタからのボールを受けたFWルイス・アラウージョ(Luiz Araújo, 1996)が、自身を追い抜くSBウェズレイ・フランサへ踵でボールを繋ぐ。スピードに乗ったSBウェズレイ・フランサがゴールライン際から中央へボールを供給。FWガブリエウ・バルボーザ(Gabriel Barbosa, 1996)が左足を合わせる。[6-1]

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:35% 65% ⇒ 前後半:33% 67%
シュート(枠内): 前半:2‐12(2-9) ⇒ 前後半:2-28(2-18)
パス成功率: 前半:74% 91% ⇒ 前後半:72% 92%
Desarmes: 前半:6‐4 ⇒ 前後半:11-7
Faltas Cometidas: 前半:8‐4 ⇒ 前後半:18-6

   ヴァスコ・ダ・ガマは、5月21日コパ・ド・ブラジル三回戦フォルタレーザ戦2ndレグ以来の公式戦。その当日にアウヴァロ・パシェコ(Álvaro Pacheco)監督の就任が発表された。フォルタレーザ戦は後半44分に同点に追いつかれたものの、PK戦の末、ベスト16進出を決めており、その勢いに乗じて今節に臨む。
   今節はアウヴァロ・パシェコ監督の初采配試合。フォルタレーザ戦の4-3-3から3-5-2と布陣を変え、スタメンにはフォルタレーザ戦で交代出場からアシストを記録したSBプミッタ・ロドリゲス(Pumita Rodríguez, 1997)と、第4節以来の先発となるFWハイアン(Rayan, 2006)が抜擢される。
   フラメンゴは公式戦4連勝中、いずれも無失点で勝利を収めている。5月28日にはリベルタドーレスで3-0の勝利を収め決勝ラウンド進出を決めた。
   今節のスタメンはリベルタドーレスから最終ラインの2選手を変更。アウェイでのクラシコに臨む。

   試合は立ち上がりこそ、ヴァスコ・ダ・ガマが、FWハイアンのスピード、MFディミトリ・パイェ(Dimitri Payet, 1987)のアイディア、FWベヘッチの決定力を前面に押し出し、前半8分に先制点を奪ったが、前半半ばを過ぎる頃にはフラメンゴにボールを支配され、相手陣にボールを運ぶ機会さえ限られたものとなる。
   試合の主導権を完全に支配したフラメンゴは、寄せが甘くスペースを埋められないヴァスコ・ダ・ガマの守備網の間隙を縫って、相手陣でボールをまわし、ゴールへの糸口を探る。
   前半28分、フラメンゴはFWエヴェルトン・セボリーニャのゴールで試合を振り出しに戻すと、前半33分、前半43分にはFWエヴェルトン・セボリーニャがFWペドロ、CBダヴィ・ルイスのゴールを連続アシスト、フラメンゴが一気に逆転し突き放す。
   ヴァスコ・ダ・ガマは、前半45+3分、自陣でのパスが短くなり、スライディングでボールを確保しようとしたCBジョアン・ヴィクトル(João Victor, 1998)が、ボールに迫ったフラメンゴMFデ・ラ・クルスの脛をスパイク裏で削り一発退場。ヴァスコ・ダ・ガマは2点のビハインドの中、後半45分を10人で戦うことを余儀なくされる。
   後半に入ると、MFデ・アラスカエッタが後半6分にゴールを奪い、後半28分にはFWブルーノ・エンヒキのゴールをアシスト。後半44分には諸事情で試合から遠ざかっていたSBウェズレイとFWガブリエウ・バルボーザの両選手によるアシストとゴール。
   試合はアウェイのフラメンゴが6-1の大勝を収めた。

   ヴァスコ・ダ・ガマのアウヴァロ・パシェコ監督にとって苦い船出となった。
   ボールへの寄せが甘く相手を自由にすると、守備網は無秩序となり、ボールを追いかける場面が散見され、常に後手に回る守備。28本ものシュートを浴び、そのうち18本が枠を捉え、GKレオ・ジャルジン(Léo Jardim, 1995)は16回ものシュートストップを披露した。
   次戦は6月13日に得点力不足に悩むパウメイラスとの試合。10日間の猶予でどのように守備を立て直し、どのように攻撃へと繋げていくのか、アウヴァロ・パシェコ監督の手腕がいきなり試される事態となっている

   フラメンゴは、先制を許したものの、相手陣でテンポよくパス回し、有機的に選手がポジションを変え、ボールを失った際は素早く寄せる、最近の好調を支えるサッカーを継続。前半終了間際に相手から退場者が出たこともあり、6-1の大勝を収めた。
   FWエヴェルトン・セボリーニャが前半の3点すべてに絡み、MFデ・アラスカエッタは前後半合わせ1得点2アシスト。直接ゴールには絡まなかったものの、VOLジェルソンは前に向かう推進力を生み出した。
   フラメンゴはこれで公式戦5連勝。リベルタドーレスの決勝ラウンド進出に続き、全国選手権では同勝点ながら首位に躍り出た。
   しかし、6月3日に発表されたコパ・アメリカに向けたウルグアイ代表の事前登録メンバーとして、MFデ・アラスカエッタ、MFデ・ラ・クルス、左SBビーニャ(Viña, 1997)、右SBバレラ(Varela, 1993)の4選手が招集。さらにはVOLエリキ・プルガール(Erick Pulgar, 1994)もチリ代表として事前登録されており、次節以降、全国選手権は最長で第18節まで、これらの主力選手を欠く可能性が高い。

クリシウーマ(CRI) 1-2 パウメイラス(PAL)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=Ep0lGqWJMis
(PAL) : 67' #15 グスタボ・ゴメス(Gustavo Gómez, 1993)[PK]
(CRI) : 69' #17 マテウジーニョ(Matheusinho, 1998)[]
(PAL) : 90+2' #17 ラザロ(Lázaro, 2002)[#15 グスタボ・ゴメス(Gustavo Gómez, 1993)]

今節前の順位

   クリシウーマは全国選手権1勝2分0敗勝点5の14位。(3試合未消化)
   パウメイラスは全国選手権2勝2分2敗勝点8の9位。

得点シーン

(PAL) : 67' #15 グスタボ・ゴメス(Gustavo Gómez, 1993)[PK]
右サイドライン際からSBマルコス・ホッシャ(Marcos Rocha, 1988)がPA入口へクロス。DFがクリアするがその際に腕がボールに当たり主審はPKの判定。このPKをグスタボ・ゴメスが左隅に決めパウメイラスが苦しみながらも先制点を奪う。[0-1]
(CRI) : 69' #17 マテウジーニョ(Matheusinho, 1998)[]
右サイドライン際をボールを繋ぎ、ゴールライン際で右SBクラウジーニョ(Claudinho, 2000)が切り返しからDFをかわし、ボールを持ち換えゴール前にグラウンダーのクロス。パウメイラスDFがカットするが、ボールはゴールポストを叩き跳ね返る。そのこぼれ球をMFマテウジーニョが押し込みクリシウーマがすかさず同点に追いつく。[0-2]
   MFマテウジーニョは、2015U-17W杯代表として3試合に出場。アメリカ・ミネイロ育成出身で2016年3月19日ミナスジェライス州選手権にて18歳のプロデビュー。2021年2月から1年間の期限付き移籍によりイスラエルでプレー。2016年のデビューから2024年3月までレンタル期間を除きアメリカ・ミネイロ一筋でプレーし213試合23得点18アシストを記録したが、2024年全国選手権開幕を前にクリシウーマがオファー。アメリカ・ミネイロは契約を解除し、クリシウーマに完全移籍加入した。クリシウーマで5試合目の今節が初スタメンで、このゴールが2得点目のゴール。165cmと小柄ながら、スピード、俊敏性、相手の嫌がるプレーが特長。
(PAL) : 90+2' #17 ラザロ(Lázaro, 2002)[#15 グスタボ・ゴメス(Gustavo Gómez, 1993)]
左CKからMFルイス・ギリェルミがファーサイドへ長めのキック。ファーサイドでCBグスタボ・ゴメスが中に折り返すと、FWラザロが頭で押し込みパウメイラスが逆転。[1-2]
   MFルイス・ギリェルミは、FWエンドリッキなど将来が嘱望されるパウメイラス2006年生まれ世代の一人。2023年10月に発行された英紙「ガーディアン」の特集記事『Next Generation』で紹介されたブラジル国籍4選手の一人。6月3日のネット記事によると、ウェストハム/ENGが獲得に向けパウメイラスと交渉を進め、移籍金については固定部分2300万ユーロ、ボーナス部分700万ユーロの総額3000万ユーロ(約51億円)で落ち着き、ボーナスの内容や移籍時期、その他の詳細を交渉中とのこと。中東からはその金額を上回る移籍金を用意するクラブもあるとの噂があり、その去就が注目されている。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:% % ⇒ 前後半:39% 61%
シュート(枠内): 前半:‐(-) ⇒ 前後半:14-24(3-5)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:76% 81%
Desarmes: 前半:‐ ⇒ 前後半:13-17
Faltas Cometidas: 前半:‐ ⇒ 前後半:16-9

   クリシウーマは、全国選手権の順延に加え、対戦相手の他大会との兼ね合いから多くの試合が順延され、全国選手権は今節が4試合目。5月の公式戦はコパ・ド・ブラジルの1試合にとどまった。
   トレーニングを通じて戦術面や連係面では心配はないが、試合勘の欠如が気になる
   パウメイラスは、FWエンドリッキ(Endrick, 2006)とFWフラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)が累積警告のため出場停止。全国選手権開幕を前に獲得したMFホームロ(Rômulo, 2001)を初のスタメンに抜擢し、FWエステヴォン(Estêvão, 2007)とFWホニ(Rony, 1995)のツートップで試合に入る。

   立ち上がりはホームのクリシウーマが高い位置でのプレスから積極的な試合を展開。開始2分で2本のシュート。パウメイラスも直ちに反撃に転じ、前半3分にFWエステヴォンが相手ゴールライン際までボールを持ちあがりチャンスを演出する。
   前半27分、クリシウーマはMFマルキーニョス・ガブリエウ(Marquinhos Gabriel, 1990)が右サイドを抜け出しゴールライン際からマイナスのクロス。FWボラシエ(Bolasie, 1989)が体を反転させるボレーシュート。しかし、ボールは惜しくも枠を外れる。
   前半36分、ゴール正面PA手前でパウメイラスがFKを獲得。MFハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga)が直接狙うが、クリシウーマGK(Gustavo, 1993)が両手で弾き出す。
   前半は序盤を除き、パウメイラスが相手陣でボールを展開。しかし、クリシウーマは狙いどころで常に数的有利に立ち、囲い込む守備で対応、ボールを奪うと速攻と遅攻を使い分け反撃。前半40分を迎える頃には、流れの中やセットプレーからクリシウーマが相次いでパウメイラスゴールに迫る。
   後半開始時にパウメイラスはMFルイス・ギリェルミ(Luis Guilherme, 2006)とFWラザロ(Lázaro, 2002)を投入。MFルイス・ギリェルミは中央から右サイドにかけてマークをはがすドリブルを仕掛け、FWラザロはスピードで左サイドから危険な地域に顔を出すプレーで、少しずつ試合の流れを変えていく。
   後半18分、MFルイス・ギリェルミが右サイドをゴールライン際までボールを運び、ゴール前奥にクロス。左サイドから内に絞ったFWラザロがダイレクトに足を合わせるが、ボールはクロスバーに弾き返される。
   後半19分、クリシウーマDFのハンドによりパウメイラスにPKが与えられ、後半22分にCBグスタボ・ゴメスが決めパウメイラスが先制。
   しかし、その2分後の後半24分、クリシウーマが右サイドを崩しMFマテウジーニョのゴールですかさず同点に追いつく。
   その後は、パウメイラスが優位に試合を進めながらも、クリシウーマも攻守に適度な距離間でサポートが入る献身的なサッカーで、パウメイラスの攻撃を食い止め、機を見て反撃に出るなど、白熱した展開が続く。
   そのままタイムアップかと思われた後半45+2分、セットプレーから後半開始時に投入されたMFルイス・ギリェルミのCKから、キャプテンCBグスタボ・ゴメスの折り返しを、やはり後半開始時に投入されたFWラザロが頭で押し込み、パウメイラスが決勝点。
   選手層の厚さと戦術が浸透しているパウメイラスと、組織的で献身的なプレーを90分間続けたクリシウーマの素晴らしい試合は、地力に勝るパウメイラスが2-1で押し切った。

   クリシウーマは、全国選手権4試合目にして初黒星。しかし、全国選手権2連覇中のパウメイラスを相手に、選手層では劣りながらも組織的に意思統一されたチームは、特に前半は相手を上回るサッカーを展開した。
   中2日で試合を迎えたパウメイラスに対し、日程的な有利はあったものの、このサッカーを最終節まで継続し、残留を果たしてもらいたい。
   次戦は6月9日にホームにクイアバを迎える。

   パウメイラスは、前半は相手守備を崩せそうで崩せない内容だったが、後半開始時の交代やその後の交代策で局面を打開し、最後は地力の違いを発揮し勝点「3」を勝ち取った。
   今後は、パラグアイ代表CBグスタボ・ゴメス、ウルグアイ代表左SBピケレス(Piquerez, 1998)、コロンビア代表VOLヒシャルジ・ヒオス(Richard Rios, 2000)がそれぞれコパ・アメリカに向け事前登録されており、全国選手権は最長第18節まで欠場する可能性がある。
   同期間中には2006年生まれ世代のCBヴィトル・ヘイス(Vitor Reis, 2006)のデビューが見込まれ期待は大きいが、今節、中盤に先発起用されたMFホームロ、途中出場を果たした左SBカイオ・パウリスタ(Caio Paulista, 1998)が試合に入り切れずにいたのが気がかり。

サンパウロ(SAO) 2-0 クルゼイロ(CRU)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=ALnqDRT_I-0
(SAO) : 5' #7 ルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)[#28 アラン・フランコ(Alan Franco, 1996)]
(SAO) : 48' #9 カレリ(Calleri, 1993)[#6 ウェリントン(Welington, 2001)]

今節前の順位

   サンパウロは全国選手権3勝1分2敗勝点10の5位。
   クルゼイロは全国選手権3勝1分1敗勝点10の6位。(1試合未消化)

得点シーン

(SAO) : 5' #7 ルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)[#28 アラン・フランコ(Alan Franco, 1996)]
CBアラン・フランコの縦パスを受けたFWルーカス・モウラが前を向きドリブルで縦に進む。PA手前で中央へ針路を変え右足を振り抜くと、ボールはGKの脇を抜けゴールネットを揺らす。[1-0]
   FWルーカス・モウラは、2011年、2016年コパ・アメリカなど代表として35試合4得点5アシスト。サンパウロ育成出身で2010年8月全国選手権にて17歳のプロデビュー。2012年8月にパリSG/FRAへ移籍し通算229試合46得点46アシスト。2018年1月にトッテナム/ENGへ移籍し通算219試合39得点26アシスト。2023年8月にサンパウロに復帰し、クラブ史上初のコパ・ド・ブラジル獲得に貢献。2024年はケガによる2度に渡る離脱もあり、この試合を終えた時点で12試合の出場。しかしながら、5得点4アシストを記録しており、このゴールは公式戦3試合連続ゴールとなった。
   CBアラン・フランコは、インデペンディエンテ/ARG育成出身で2017年に20歳でプロデビューを飾ったアルゼンチン国籍選手。アルゼンチン代表として2018年の国際親善試合グアテマラ戦に出場。アトランタ・ユナイテッド/USAを経て、2023年サンパウロに加入。サンパウロでは、長くセンターバックの3番手に甘んじていたが、スベルディア(Zubeldía)監督就任後にレギュラーの座を獲得。CBアルボレーダ(Arboleda, 1991)とのコンビでビルドアップを担い、監督就任後の8勝2分の好調を最終ラインから支えている。
(SAO) : 48' #9 カレリ(Calleri, 1993)[#6 ウェリントン(Welington, 2001)]
CBジエゴ・コスタ(Diego Costa, 1999)からのボールを左サイドライン際で受けたSBウェリントンが、縦にFWフアン・サントス(Juan Santos, 2002)にボールを預け、自身はそのまま前方に駆け上がる。ゴールライン際で戻りのボールを受けると、ゴール前にクロス。ニアサイドにFWカレリが飛び込みゴールネットを揺らす。[2-0]
   SBウェリントンは、サンパウロ育成出身で2020年3月サンパウロ州選手権にて19歳のプロデビュー。世代別では何度も代表に呼ばれているが、主要国際大会での出場はなく、U-23代表として2023年9月国際親善試合モロッコU-23代表との試合に招集されたが、試合は終了間際に出場するのみで、2024パリ五輪南米予選には選外となった。サンパウロでは2022年に51試合出場したものの、2023年は攻撃的なSBカイオ・パウリスタ(Caio Paulista, 1998)の控えに甘んじた。2024年はこれまでチーム全29試合のうち23試合に出場し、レギュラーの座を奪還。このアシストのような積極的な攻撃参加の回数を増やしたい。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:50% 50% ⇒ 前後半:56% 44%
シュート(枠内): 前半:4‐6(2-1) ⇒ 前後半:11-8(4-3)
パス成功率: 前半:87% 88% ⇒ 前後半:90% 87%
Desarmes: 前半:7‐7 ⇒ 前後半:18-12
Faltas Cometidas: 前半:9‐7 ⇒ 前後半:18-11

   サンパウロは、全国選手権が順延された期間にリベルタドーレス2試合とコパ・ド・ブラジル1試合を消化。リベルタドーレスは1勝1分、グループ首位を賭けた一戦で2-0の勝利を収め、グループ首位で決勝ラウンド進出を決めた。
   スタメンは直近のリベルタドーレスから2つのポジションで変更。SBイゴル・ヴィニシウス(Igor Vinícius, 1997)とFWルシアーノ(Luciano, 1993)が共に出場停止のため、SBジョアン・モレイラ(João Moreira, 2004)とFWフアン・サントス(Juan Santos, 2002)に代わる。
   クルゼイロは、全国選手権が順延された期間に、コパ・スウアメリカーナの2試合を行い連勝、逆転でグループ首位に立ち決勝ラウンドへ進出。また、公式戦は5連勝、うち直近の4試合は無失点に抑えており、好調を継続して今節に臨む。
   今節は直近のコパ・スウアメリカーナと同じスタメンで試合に入る。

   試合は開始5分にサンパウロFWルーカス・モウラが個人技でクルゼイロゴールを陥れ、早くも1-0と先制。
   リードを許したクルゼイロは、前半23分にFWガブリエウ・ヴェロン(Gabriel Veron, 2002)がコースを狙ったシュートを放つが僅かにゴール枠を捉えず、前半26分にはFWマテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)がPA入口から浮き球に対し左足で強烈なボレーを見舞うが、コパ・アメリカ2024に参戦するGKハファエウ(Rafael, 1989)が立ちはだかる。
   前半37分、クルゼイロ左SBマルロン(Marlon, 1997)がコントロールを失ったボールを奪い返しに行ったところ、スパイク裏で相手の足首を蹴り上げ一発退場。クルゼイロは1点のリードを許した状況で数的不利に陥る。
   後半3分、サンパウロは左SBウェリントンが左サイドを崩し、ゴールライン際からのクロスでFWカレリのゴールをアシスト。サンパウロがリードを拡げる。
   数的不利のクルゼイロは、2点差のビハインドを跳ね返すべく、高い運動量でゴールを狙うが、サンパウロは老獪なプレーで試合のテンポを落とし、クルゼイロの反撃をいなしていく。
   サンパウロが縦に速い攻撃でたびたびシュートに持ち込むのに対し、クルゼイロはいい形でシュートに持ち込むことができない。
   試合は2-0のままタイムアップ。連勝中で臨んだ好調の両チームによる試合は、ホームのサンパウロに軍配が上がった。

   サンパウロはこの勝利で4位に浮上。スベルディア(Zubeldía)監督就任後、8勝2分の成績を収めている。
   この試合では、右SBジョアン・モレイラが前半終了間際に筋肉系のケガを負い、急遽、CBフェラレシ(Ferraresi, 1998)を右SBに投入。ハーフタイムにCBアルボレーダ(Arboleda, 1991)の違和感を訴え、後半開始時にはCBジエゴ・コスタ(Diego Costa, 1999)に交代するアクシデントが続いたものの、同時にベテランVOLルイス・グスタヴォ(Luiz Gustavo, 1987)を投入し、守備面での混乱を避ける好采配を見せた。
   これで3試合連続2-0のスコアでの勝利。無失点は4試合継続。攻守に噛み合ったサンパウロの勢いはとどまるところを知らない。

   クルゼイロは連勝が5でストップ。連続無失点試合も4で止まった。
   攻撃面で定評のあるフェルナンド・セアブラ(Fernando Seabra)監督だが、ここ数試合は守備面の構築に成功し、守→攻へスムーズに移行する面白いサッカーを展開していたが、この試合は立ち上がりの失点と、前半終了間際の退場劇によりゲームプランが崩れ、完敗と言える内容で敗れた。
   FIFA国際Aマッチデーによる中断明け後は、下位に低迷するクラブとの3連戦、その後に上位との連戦が待ち構えている。守備面を立て直し、下位クラブから勝点を取りこぼさず、上位陣を叩いて、上位争いに食い込んでいきたい。

フォルタレーザ(FOR) 1-0 アトレチコ・パラナエンセ(CAP)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=A_L8BvfSIP0
(FOR) : 45' #13 クスチェヴィッチ(Kuscevic, 1996)[#39 マチューカ(Machuca, 2000)]

今節前の順位

   フォルタレーザは全国選手権1勝4分0敗勝点7の11位。(1試合未消化)
   アトレチコ・パラナエンセは全国選手権4勝1分1敗勝点13の首位。

得点シーン

(FOR) : 45' #13 クスチェヴィッチ(Kuscevic, 1996)[#39 マチューカ(Machuca, 2000)]
左CKのキッカーはFWマチューカ。右足でやや高めに上げられたボールに対し、アトレチコ・パラナエンセGKベント(Bento, 1999)が飛び出すが、その手前でフォルタレーザCBクスチェヴィッチが頭を合わせ、ファーサイドに流れたボールはゴールに吸い込まれる。ホームのフォルタレーザが先制。[1-0]
   FWクスチェヴィッチは、2022W杯南米予選などチリ代表として7試合の経歴を持つ。直近の代表選出は2023年9月。2014年9月に18歳で400万ユーロの買取オプション付き期限付き移籍でレアルマドリード/ESP下部組織に加入するが、このチャンスを掴むことは出来ずオプションは行使されなかった。2020年11月パウメイラスに加入。しかし、レギュラーの座を掴むことができず、2年半の間に45試合2アシストの成績に止まり、2022年2月にコリチバへ移籍。コリチバではレギュラーの座を獲得するがチームは2部に降格、クラブの経済的な負担もあり2024年はフォルタレーザへ期限付き移籍でプレー。フォルタレーザでは約一か月の離脱期間があったものの、ボイボダ監督のCBにおけるファーストチョイスとなっている。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:54% 46% ⇒ 前後半:51% 49%
シュート(枠内): 前半:5‐3(2-0) ⇒ 前後半:11-12(4-2)
パス成功率: 前半:87% 83% ⇒ 前後半:80% 81%
Desarmes: 前半:8‐8 ⇒ 前後半:14-10
Faltas Cometidas: 前半:8‐8 ⇒ 前後半:12-17

   フォルタレーザは、全国選手権が順延された期間に3大会4試合を戦い、コパ・ド・ブラジルはPK戦の末敗退したものの、コパ・スウアメリカーナは1勝1分でグループ首位で決勝ラウンド進出、コパ・ド・ノルデスチは決勝進出を決めた。
   公式戦は2連勝中で直近のコパ・スウアメリカーナは2-1の勝利。今節のスタメンはコパ・スウアメリカーナからGKジョアン・ヒカルド(João Ricardo, 1988)とCBクスチェヴィッチ(Kuscevic, 1996)を除く、9つのポジションで変更。今後過酷さを増していく日程に向け、チーム全体の底上げが図られている。
   アトレチコ・パラナエンセは、5月12日全国選手権第6節パウメイラス戦での2-0の勝利以降、コパ・スウアメリカーナの2試合で連敗を喫し、グループ首位から陥落、プレーオフに駒を進めることになった。
   直近のコパ・スウアメリカーナから先発は5つのポジションで変更。3月の代表親善試合イングランド戦とスペイン戦で好守を見せたGKベント(Bento, 1999)は、コパ・アメリカに向けこの試合を最後に代表へ招集。間もなく開く欧州移籍ウィンドウで注目を浴びており、この試合がアトレチコ・パラナエンセでの最後の試合となる可能性が高い。

   前半は、フォルタレーザがボールを支配する時間が多く、アトレチコ・パラナエンセが自陣でコンパクトな陣形で待ち構える構図。フォルタレーザはパス回しにスピード感を欠き、アトレチコ・パラナエンセの守備網を崩せず、アトレチコ・パラナエンセはボールを奪うと、スピードのあるFWカノービオ(Canobbio, 1998)へ素早くボールを送り相手ゴールを目指す。
   盛り上がりに欠ける試合は、前半終了間際のセットプレーからフォルタレーザが先制し、前半が終了。
   後半開始時にアトレチコ・パラナエンセは2選手を交代、後半3分、出場したばかりのFWジュリマール(Julimar, 2001)がシュートに持ち込み攻撃的な姿勢を鮮明にする。一方のフォルタレーザは、後半17分の選手交代で1点のリードを守り抜く態勢を強めると、試合は均衡状態に陥り、アトレチコ・パラナエンセは選手交代を通じて局面の打開を図るが、フォルタレーザは組織的な守備でフォルタレーザの勢いを削いでいく。
   後半31分、アトレチコ・パラナエンセはセットプレーからPA入口からMFエリキ(Erick, 1997)がシュート。死角から現れたボールにフォルタレーザGKジョアン・ヒカルドが俊敏に反応し、片手でボールを弾き返す。
   後半40分に差し掛かると、前がかりとなるアトレチコ・パラナエンセに対しフォルタレーザは効果的なカウンターを相次いで発動。後半40分、FWモイゼス(Moisés, 1996)がPA内左からフリーの態勢でシュートに持ち込むがGKベントがシュートストップ。後半43分、FWモイゼスが相手陣に抜け出し、GKベントと一対一を迎える。しかし、GKをかわしたもののシュートに持ち込むことができずチャンスを逸する。後半45+5分、またもやFWモイゼスが相手陣を抜け出しGKベントと一対一を迎えるが、放ったシュートは惜しくもゴール枠を捉えない。
   試合終了間際のチャンスをことごとく逃したフォルタレーザだったが、1-0のまま試合を締め、ホームで勝点「3」を獲得した。

   フォルタレーザはこの勝利で公式戦3連勝。全国選手権はこれまで1勝4分と引き分けが多かったが、今節は勝ち切ることに成功した。
   今後は、中2日、中3日でコパ・ド・ノルデスチの決勝戦H&Aを戦い、その後中3日で全国選手権が再開。厳しい日程が続くが、各ポジションに実力の均衡する選手が複数揃い、ボイボダ監督の選手起用や戦術採用など手腕が発揮されるのを待つばかり。
   再三の決定機を逃したFWモイゼスは、試合後のピッチ上のインタビューを断り憔悴した様子で控室に下がった。これまでのチームへの貢献度は大きく、フィニッシュに失敗したものの3度もの好機を演出したことは事実。今節は運がなかったものと気持ちを切り替えて、まだまだ続く長いシーズンを戦い抜いてもらいたい。

   アトレチコ・パラナエンセは、公式戦3連敗で全国選手権首位を陥落したものの、今節はこれまで控えにまわる機会の多かった選手を多く起用し、今後に向けた戦力の底上げを期待する采配が打たれたように感じられた。
   この試合を最後にGKベントが移籍する公算が大きいが、2番手GKレオ・リンキ(Léo Linck, 2001)はすでにGKベント不在時に素質の高さを発揮しており、さらには将来を嘱望されるGKミカエウ(Mycael, 2004)も控えており、不安点はほとんどない。

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