ブラジル紙「GE」(ブラジル時間2024.06.08. 12:33)によると、ノッティンガム・フォレスト/ENGがコリンチャンス所属GKカルロス・ミゲウ選手の獲得に向けオファーを提示。
この情報を入手したジャーナリストによると、GKカルロス・ミゲウに関して、4月以降、イングランドやスペイン、イタリアの複数クラブが関心を示していたが、選手本人がプレミアリーグでのプレーを希望しており、最近になりプレミアリーグのノッティンガム・フォレストとウェストハムの両クラブが獲得に向け関心を強めていた。
ノッティンガム・フォレストは、2週間前から選手代理人、コリンチャンスと交渉を開始。契約解除金の400万ユーロ(約6億7600万円)は近日中に送金される見込みで、カルロス・ミゲウ獲得への障害は取り除かれる。
コリンチャンスはカルロス・ミゲウと2025年末の契約を結んでいるが、大幅な年俸アップや5年契約など好条件の契約更改を提示し引き留めに奔走。しかし、カルロス・ミゲウのプレミアリーグでプレーする夢は、経済的な好条件を上回っており、数日のうちにノッティンガム・フォレストへの移籍が発表される見込みは高い。
<カルロス・ミゲウ(Carlos Miguel)>
カルロス・ミゲウ・ドス・サントス・ペレイラ
Carlos Miguel dos Santos Pereira
ポジション:ゴールキーパー
利き足:左
1998年10月9日生まれ
身長204cm、体重96kg。
1970年代にゴールキーパーとしてボタフォゴでのプレー歴もある父のもとリオデジャネイロに生まれる。父はカルロス・ミゲウが7歳の時に銃撃に遭い他界。この経験はトラウマとしてカルロス・ミゲウの心に長く影を落とし、臨床心理士のサポートのもと、キャリアを進めることになる。
父の遺伝子を受け継いだカルロス・ミゲウは、ゴールキーパーとしてフラメンゴ下部組織でキャリアをスタートさせ、2016年(17歳)にインテルナシオナウU20に加入。
2019年にトップチームへの昇格を果たすが、出場機会は訪れず、2020年に全国選手権3部サンタ・クルスに一年間の期限付き移籍で所属するがプロデビューの機会は訪れず、2021年は全国選手権4部ボア・エスポルチに4月末までの期限付き移籍で所属する。
2021年3月12日ミナスジェライス州選手権第4節にて先発に抜擢され22歳でのプロデビューを飾ると、ボア・エスポルチが敗退するグループラウンドの最終節までの全9試合にスタメン出場を果たす。
4月にボア・エスポルチとの期限付き移籍が満了、インテルナシオナウに復帰するも戦力として見なされず同年8月11日に契約が満了する。
2021年8月27日コリンチャンスと2023年末までの契約を締結。当時のコリンチャンスには、2018年W杯代表、コリンチャンスでは2012年の加入以来絶対的な守護神として君臨するGKカシオ(Cássio, 1987)、育成時代からコリンチャンス一筋で2019年U-17W杯を全試合に出場したGKマテウス・ドネリ(Matheus Donelli, 2002)が在籍し、第3GKを争う立場としてコリンチャンスでのプレーが始まる。
2022年7月24日全国選手権第19節アトレチコ・ミネイロ戦にて、第2GKのマテウス・ドネリを抑え先発に抜擢され、コリンチャンスでのデビューを飾る。この試合でチームが勝利を収めると、以降は第2GKとして、残りのシーズンの全試合にベンチ入りし、他に1試合(チームは勝利)に出場を果たす。
2023年は第2GKとして定着するが、正GKカシオの壁は厚く、9試合(チームは7勝2分)の出場に止まる。
2024年4月、チーム成績の不振や自身のミスなどを理由に、正GKカシオがサポーターから厳しい批判と激しい誹謗中傷の対象となる。GKカシオは前年のサポーターによるプライベートでの襲撃や、延々と繰り返される本人や家族への誹謗中傷に精神的に追い詰められ、自らスタメンの座を明け渡す。カルロス・ミゲウにチャンスが訪れると、この機会を逃さず、好プレーを連発、ミスの少ないプレーを見せ、チームは9試合6勝1分2敗(2024年6月8日現在)の成績を残す。
その後、GKカシオは5月17日にコリンチャンスを退団。カルロス・ミゲウがコリンチャンスで正GKの座を掴むに至った。
<プレースタイル 特徴、所感etc.>
204㎝の長身からゴールマウスで両手を拡げる姿は見る者に凄まじい威圧感を与える。
空中戦に強く、パンチング、キャッチング、飛び出しの判断に躊躇はなく、判断ミスも少ない。
長身にもかかわらず、俊敏性が高く、至近距離からのシュートを止めるシーンをたびたび見せる。
2024年6月8日現在、2024年は12試合に出場しているが、出場試合での失点は「6」、チームは7勝2分3敗の成績を収めている(チーム全体では29試合13勝5分11敗失点「24」)。
この中にはカルロス・ミゲウのシュートストップがチームを救った試合が複数存在する。
ノッティンガム・フォレストは、2023年1月パウメイラス所属VOLダニーロ(Danilo, 2001)、同年8月コリンチャンス所属CBムリーロ(Murillo, 2002)に続くブラジル国籍選手の獲得。カルロス・ミゲウにとっては溶け込みやすい環境なのではないかと思われる。
2016年にインテルナシオナウ育成カテゴリーに入団したが、その時のトップチームの正GKはローマ/ITAへ移籍前のアリソン・ベッケル(Alisson Becker, 1992, 2018W杯、2022W杯など代表63試合。2023/24年はリヴァプール/ENG所属)。アリソン・ベッケルが辿った道のりをカルロス・ミゲウは継ぐことができるだろうか。