親善試合(2024.06.12)  アメリカ x ブラジル

投稿者: | 2024年6月11日

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アメリカ(USA) 1-1 ブラジル(BRA)

ハイライト動画(ポルトガル語)

動画URL : https://www.youtube.com/watch?v=FqXZGob5vcY

得点経過

     BRA: 17' ... #10 ホドリゴ(Rodrygo, 2001, レアルマドリード/ESP)
USA: 26' ... #10 プリシッチ(Pulisic, 1998, ミラン/ITA)

ブラジル代表 メンバー表

「背番号」欄 : "〇"は先発フル出場。"△"はin、"▽"はout。"X"はベンチ外。
背番号ポジション名前所属生年月日得点等記録
1
GK /
Goleiro
アリソン・ベッケル
Alisson Becker
Alisson Ramses Becker
リヴァプール/ENG
Liverpool
1992/10/2
2
右SB /
Lateral Direito
ダニーロ
Danilo
Danilo Luiz da Silva
ユヴェントス/ITA
Juventus
1991/7/15
4
CB /
Zagueiro
マルキーニョス
Marquinhos
Marcos Aoás Corrêa
パリSG/FRA
Paris SG
1994/5/14
17
CB /
Zagueiro
ルーカス・ベラウド
Lucas Beraldo
Lucas Lopes Beraldo
パリSG/FRA
Paris SG
2003/11/24
6
左SB /
Lateral Esquerdo
ウェンデウ
Wendell
Wendell Nascimento Borges
FCポルト/POR
FC Porto
1993/7/20
5
MF /
Meio campista
ブルーノ・ギマランエス
Bruno Guimarães
Bruno Guimarães Rodriguez Moura
ニューキャッスル/ENG
Newcastle
1997/11/16↓65′
19
MF /
Meio campista
アンドレアス・ペレイラ
Andreas Pereira
Andreas Hugo Hoelgebaum Pereira
フルハム/ENG
Fulham
1999/6/11↑65′
15
MF /
Meio campista
ジョアン・ゴメス
João Gomes
João Victor Gomes da Silva
ウルヴァーハンプトン/ENG
Wolverhampton
2001/2/12Y14′
↓46′
18
MF /
Meio campista
ドウグラス・ルイス
Douglas Luiz
Douglas Luiz Soares de Paulo
アストン・ヴィラ/ENG
Aston Villa
1998/5/9↑46′
8
MF /
Meio campista
ルーカス・パケター
Lucas Paquetá
Lucas Tolentino Coelho de Lima
ウェストハム/ENG
West Ham
1997/8/27↓65′
9
FW /
Atacante
エンドリッキ
Endrick

Endrick Felipe Moreira de Sousa
パウメイラス
Palmeiras
2006/7/21↑65′
11
FW /
Atacante
ハフィーニャ
Raphinha
Raphael Dias Belloli
バルセロナ/ESP
Barcelona
1996/12/14A17′
↓65′
20
FW /
Atacante
サヴィーニョ
Savinho
Sávio Moreira de Oliveira
ジローナ/ESP
Girona
2004/4/10↑65′
10
FW /
Atacante
ホドリゴ
Rodrygo

Rodrygo Silva de Goes
レアル・マドリード/ESP
Real Madrid
2001/1/9G17′
↓83′
22
FW /
Atacante
ガブリエウ・マルチネリ
Gabriel Martinelli

Gabriel Teodoro Martinelli Silva
アーセナル/ENG
Arsenal
2001/6/18↑83′
7
FW /
Atacante
ヴィニシウス・ジュニオール
Vinícius Júnior
Vinícius José Paixão de Oliveira Júnior
レアル・マドリード/ESP
Real Madrid
2000/7/12
<控え選手>
12GK /
Goleiro
ベント
Bento
Bento Matheus Krepski
アトレチコ・パラナエンセ
Athlético Paranaense
1999/6/10
23GK /
Goleiro
ハファエウ
Rafael
Rafael Pires Monteiro
サンパウロ
São Paulo
1989/6/23
13右SB /
Lateral Direito
ヤン・コウト
Yan Couto
Yan Bueno Couto
ジローナ/ESP
Girona
2002/6/3
3CB /
Zagueiro
エデル・ミリトン
Éder Militão
Éder Gabriel Militão
レアル・マドリード/ESP
Real Madrid
1998/1/18
14CB /
Zagueiro
ガブリエウ・マガリャンエス
Gabriel Magalhães
Gabriel dos Santos Magalhães
アーセナル/ENG
Arsenal
1997/12/19
25CB /
Zagueiro
ブレーメル
Bremer
Gleison Bremer Silva Nascimento
ユヴェントス/ITA
Juventus
1997/3/18
16左SB /
Lateral Esquerdo
ギリェルミ・アラーナ
Guilherme Arana
Guilherme Antonio Arana Lopes
アトレチコ・ミネイロ
Atlético Mineiro
1997/4/14
24MF /
Meio campista
エデルソン
Éderson
Éderson José dos Santos Lourenço da Silva
アタランタ/ITA
Atalanta
1999/7/7
21FW /
Atacante
エヴァニウソン
Evanilson
Francisco Evanilson de Lima Barbosa
ポルト/POR
Porto
1999/10/6
26FW /
Atacante
ぺぺー
Pepê
Eduardo Gabriel Aquino Cossa
ポルト/POR
Porto
1997/7/24
監督: ドリヴァウ・ジュニオール(Dorival Júnior)

試合概要

試合開始前

   コパ・アメリカ開幕に向けた最後の国際親善試合。右SBダニーロがキャプテンを務め、GKアリソン・ベッケル、CBマルキーニョスの代表での経験が豊かな3選手がスタメンに名を連ねた。本線でもこの3選手が主軸として起用されると思われる。
   前戦メキシコ戦で結果を残したFWエンドリッキ、FWガブリエウ・マルチネリ、MFアンドレアス・ペレイラは、この試合でも交代出場が期待されるが、他のメンバーも含め、交代選手がこのメンバーに入り、どのようにフィットするかも注目点の一つ。

前半

   ブラジルの布陣は守備時は4-2-3-1。ビルドアップ時は、SBの片翼がCBに高さを合わせ、その一列前にボランチが交互に下りる。CBマルキーニョス、SBダニーロ、両ボランチから縦にボールを入れるが、チャンスには繋がらない。
   前半4分、アメリカは一連の攻撃で初めてブラジル陣PAに近づくと、VOLムザー(Musah, 2002)がPA手前から強烈なシュート。ボールはクロスバーを直撃し、跳ね返ったボールがGKアリソンの背に当たるが、ボールはゴールポストに跳ね返りDFがクリア。
   前半7分、ブラジルは一連の攻撃で初めてアメリカ陣PA近辺でボールを繋ぐと、FWホドリゴがこの試合チームの初シュート。ボールはGKの正面を突く。
   前半11分、アメリカはPA手前から強烈なシュート。ボールは枠を捉えるがGKアリソンがしっかりとキャッチ。ブラジルはバイタルエリアのマークが甘い。
   前半16分、FWヴィニシウス・ジュニオールが個人技で左サイドライン際を抜け出す。PAに侵入しシュートに持ち込むが、GKが間合いを詰め足でシュートストップ。
   (ゴール!)前半17分、ブラジルは、アメリカGKのフィードをVOLブルーノ・ギマランエスがカット。ボールを拾ったFWハフィーニャが左サイドPA内へボールを送ると、これを受けたFWホドリゴがGKの脇を通るシュートでゴールネットを揺らす。[0-1]
   前半21分、自陣からのVOLブルーノ・ギマランエスのスルーパスにFWホドリゴが抜け出しGKと一対一。しかし、間合いを詰めるGKにシュートタイミングを失う。
   (ゴール!)前半26分、アメリカはゴール正面PA手前でFKを獲得。FWプリシッチ(Pulisic, 1998)が蹴ったグラウンダーのシュートはゴール左隅に決まりアメリカが同点に追いつく。[1-1]
   前半31分に給水による中断。中断が明けると暑さのためか試合のテンポは一気に落ち着いたものとなる。
   メキシコと異なりアメリカは自陣でコンパクトな3ラインの守備。ブラジルは最終ラインを起点に攻撃を組み立てようとするが、パスミスを重ね、そのボールを拾われピンチを招く場面が散見される。
   1-1のスコアで前半が終了。
<前半スタッツ> アメリカ-ブラジル
   シュート数(枠内) : 6-8(5-4)
   ボール保持率 : 42%‐58%
   ファール数 : 6-5
   ボール奪取 : 4-5
   ブラジルは、相手陣でボールを展開する局面では、FWホドリゴとFWヴィニシウス・ジュニオールが互いに左サイドから中央へ絞る動きを見せるが、アメリカのマークの受け渡しが良く、大きなチャンスを作り出すことができない。2人の動きにより出来たスペースやゴールライン際へのSBウェンデウの上りを有効に使いたい。

後半

   後半開始時にブラジルは1選手を交代。
   立ち上がりは、ブラジルが相手陣で試合を展開。左サイドライン際にFWヴィニシウス・ジュニオール、右サイドライン際にFWハフィーニャがポジションを取り、FWホドリゴが中央を前後に動く。
   後半5分、左サイドでFWヴィニシウス・ジュニオールがボールを受けると、中央へ絞り、1レーン内側を追い抜くSBウェンデウへスルーパス。SBウェンデウがシュートに持ち込むが、ボールはサイドネットの外側に刺さる。
   後半14分、ブラジルは相手陣で左右にボールを散らし攻撃の糸口を探る。最後はPA手前からSBウェンデウがシュート。しかし、ボールは枠を捉えない。
   この時間帯はブラジルが相手陣でボールを支配し、アメリカ守備陣が耐える時間帯が続く。
   後半20分、ブラジルは3選手を交代。アメリカはインテルナシオナウ育成出身のVOLジョニー・カルドーゾ(Johnny Cardoso, 2001)をピッチに送り出す。
   後半22分、ブラジルは後方からのボールに右サイドをFWエンドリッキが抜け出し、そのままPAに侵入しシュート。GKがファンブルしたところをFWヴィニシウス・ジュニオールが詰めるが、GKがボールをしっかりと確保。
   後半23分、アメリカは右サイドを縦に速い攻撃。右サイドから中央に絞った選手にPA内で右サイドライン際からのパスが渡ると、DFが寄せるところを、さらに左へボールをはたき、フリーの態勢のFWプリシッチがグラウンダーのシュート。GKアリソンが片手で弾き返すブ。
   後半31分、給水のため一時中断。
   中断明けは再びブラジルが相手陣に攻め込むが決定的なシーンは生まれない。
   後半37分、アメリカはGKのキャッチングから素早い前線へのフィードでロングカウンターを発動。しかし、抜け出した選手からVOLドウグラス・ルイスがボールを掻き出しスローインに逃れる。
   後半38分、ブラジルは1選手を交代。
   このスローインでアメリカはゴールライン際にボールを送り、ゴール前にマイナスのパス。MFアーロンソン(Aaronson, 2000)が駆け上がりシュート放つが、GKアリソンが身を挺しゴールを守り切る。
   この時間帯から互いにシュートに持ち込むオープンな展開となる。
   アディショナルタイムに入り、ブラジルはFK、CKと相次いでセットプレーを獲得するが、最後までアメリカゴールを割ることができず、試合はタイムアップ。1-1の引き分けで試合を終えた。
<試合スタッツ> アメリカ-ブラジル
   シュート数(枠内) : 11-24(5-12)  
   ボール保持率 : 42%‐58%
   ファール数 : 14-13
   ボール奪取 : 8-11

所感

   コパ・アメリカ開幕を前にメキシコ、アメリカと守備のスタイルが異なる2チームと対戦。メキシコ戦では速く鋭い寄せに攻撃の形を作れず、アメリカ戦では引いた守備に苦しみ、それぞれで課題が洗い出された。
   このアメリカ戦では、前半と後半で戦術を変え、相手GKの好守の前にゴールこそ奪えなかったものの、後半は多くの時間で試合を支配。カウンターから2度の決定的なピンチをGKアリソンの好守に救われたが、守備面でも前後半で大きな改善が見られた。
   個人的には、後半立ち上がりのような、両サイドがサイドライン際に張りつき、ピッチを左右に広く使い、センターフォワードとウィングの間を二列目やボランチ、サイドバックの選手が縦に上がる戦術が理想。この試合のようにMFパケターの調子が上がらなければ、FWホドリゴが攻撃を組み立てる役目に担うのも面白い。
   交代選手では、FWエンドリッキが枠内のシュートを複数放ち、FWガブリエウ・マルチネリ、FWサヴィーニョは左右のウィングとしてスピードとドリブルの長所を発揮。ただし、FWサヴィーニョにはゴールライン際に持ち上がるプレーを増やしてもらいたい。そうすればチームのシュートチャンスもさらに増えるのではないかと思う。
   CBルーカス・ベラウドがCBマルキーニョスの相棒を務めたが、後半には落ちなおしたものの、前半はパスミスや相手FWへの寄せが甘くなるなど、合格点に届かない内容だった。
   VOLジョアン・ゴメスは前半にイエローカードを貰い前半で交代。失点に繋がったファールは、リプレーを見ると、VOLジョアン・ゴメスが先にボールに触り、アメリカ選手がVOLジョアン・ゴメスを蹴る形で倒れたもの。試合は不満足な内容だったが、その悔しさは本戦で取り戻してもらいたい。
   番外編だが、アメリカ代表VOLジョニー・カルドーゾが後半20分に交代出場。出場時間は多くなかったものの、ビルドアップを担う場面や、自陣でのボール奪取から苦しい態勢でカウンターの起点となるパスを前線に送るなど、成長した姿を見せていた。

   コパ・アメリカは、初戦コスタリカ戦が ブラジル標準時間6月24日(月)22:00キックオフ (日本時間6月25日午前10時キックオフ)。

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