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全国選手権第9節 対戦組合せ
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/06/15 RBブラガンチーノ(RBB) x ジュヴェントゥージ(JUV) ・2024/06/15 フルミネンセ(FLU) x アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) ・2024/06/16 ヴィトーリア(VIT) x インテルナシオナウ(INT) ・2024/06/16 コリンチャンス(COR) x サンパウロ(SAO) ・2024/06/16 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x フラメンゴ(FLA)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第9節(2/2)[06/15-17]
・2024/06/16 グレミオ(GRE) x ボタフォゴ(BOT) ・2024/06/16 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x クルゼイロ(CRU) ・2024/06/16 クイアバ(CUI) x フォルタレーザ(FOR) ・2024/06/16 クリシウーマ(CRI) x バイーア(BAH) ・2024/06/1 7 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x パウメイラス(PAL)
全国選手権第9節 試合概要
RBブラガンチーノ(RBB) 2-1 ジュヴェントゥージ(JUV)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=zPwwr5tBbNo
(RBB) : 2' #11 エリーニョ(Helinho, 2000)[#22 グスタヴィーニョ(Gustavinho, 2004) ] (JUV) : 25' #44 マンダカ(Mandaca, 2001)[] (RBB) : 82' #11 エリーニョ(Helinho, 2000)[]
今節前の順位
RBブラガンチーノ は全国選手権3勝3分2敗勝点12の9位。 コパ・アメリカ代表選手 : SBアンドレス・ウルタド(Andrés Hurtado, 2001, エクアドル代表)
ジュヴェントゥージ は全国選手権2勝4分1敗勝点10の12位。(1試合未消化) コパ・アメリカ代表選手なし。
得点シーン
(RBB) : 2' #11 エリーニョ(Helinho, 2000)[#22 グスタヴィーニョ(Gustavinho, 2004)] 相手陣PA右をFWエリーニョとMFグスタヴィーニョが交互に動きながらボールを交換する。FWエリーニョがDFの股下を抜きPA内に侵入。角度のない位置から軽く浮かしたボールがGKの頭上を越えゴールに吸い込まれる。[1-0] FWエリーニョは、2017U-17W杯代表で3試合に出場。サンパウロ育成出身で2018年11月全国選手権にて18歳のプロデビュー。ピッチに立った5分後にプロ初ゴールを決める。2019年に20試合に出場するが、2020年11月にRBブラガンチーノに期限付き移籍で加入すると、2021年は55試合8得点5アシストの成績を残し、チームのコパ・スウアメリカーナ準優勝にも貢献。同年末に買取オプションが行使され完全移籍を果たす。RBブラガンチーノが標榜する『相手陣内でボールを支配する攻撃的なサッカー』に高い適応を示し、左右のウィングとして定着。2023年は2度に渡るケガにより27試合の出場に止まったが、2023年末までにRBブラガンチーノで通算140試合21得点13アシスト。2024年はケガに悩まされることもなく、25試合4得点8アシストを記録している。
(JUV) : 25' #44 マンダカ(Mandaca, 2001)[] 自陣右サイドライン際をVOLルイス・オヤマ(Luís Oyama, 1997)がドリブルでDFをかわしながらボールを持ちあがる。中央のVOLマンダカを経て、ボールが左サイドに送られ、FWマルセリーニョ(Marcelinho, 2002)がPAに侵入しゴール前にクロス。DFがカットしようとするが叶わず、コースが変わったボールをVOLマンダカがゴールに押し込みジュヴェントゥージが同点。[1-1] VOLマンダカは、2019年1月パライバ州選手権にて全国選手権に参戦しないCSPから17歳のプロデビュー。2020年にコリンチャンスU-20へ移籍し主力として活躍。2021年5月サンパウロ州選手権にてトップチームデビューを果たすとその試合でクラブ初ゴールを記録する。2022年トップチームに昇格するが、全国選手権2部ロンドリーナへ期限付き移籍し、レギュラーとして全国選手権2部31試合に出場。翌2023年は全国選手権2部ジュヴェントゥージに期限付き移籍加入し、大ベテランMFネネー(Nenê, 1981)の控えながら34試合3得点1アシストを記録しチームの1部昇格に貢献。同年末にジュヴェントゥージと2年契約を結ぶ。2024年もこの試合をMFネネーの後継者候補として18試合(うち先発6試合)に出場。確かな足元の技術と広い視野、献身的なプレーは、初の全国選手権1部でも通用。22歳のタレントは伸びしろも大きく、さらなるキャリアアップを期待したい。
(RBB) : 82' #11 エリーニョ(Helinho, 2000)[] 相手陣右サイドで最終ラインを中心にパス交換。そこからCBペドロ・エンヒキが左サイドライン際に斜めにサイドチェンジのボールを送る。このボールを受けたFWヴィチーニョ(Vitinho, 1999)がゴール前にクロス。GKの手前でバウンドするボールをGKが両手で弾き返すが、そのボールはFWエリーニョの足元に流れ、FWエリーニョは難なくボールをゴールに押し込む。[2-1]
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:48% 52% ⇒ 前後半:43% 57% シュート(枠内): 前半:1‐8(1-3) ⇒ 前後半:5-14(3-6) パス成功率: 前半:77% 88% ⇒ 前後半:75% 89% Desarmes: 前半:8‐8 ⇒ 前後半:15-16 Faltas Cometidas: 前半:9‐9 ⇒ 前後半:12-12
RBブラガンチーノは、左SBジュニーニョ・カピシャバ(Juninho Capixaba, 1997)が出場停止。SBルアン・カンジド(Luan Cândido, 2001)が左サイドバックに戻り、CBペドロ・エンヒキ(Pedro Henrique, 1995)がCBエドゥアルド・サントス(Eduardo Santos, 1997)とコンビを組む。また、中盤には交代出場が続くMFグスタヴィーニョ(Gustavinho, 2004)が1か月ぶりのスタメンに抜擢される。
ジュヴェントゥージは、第3節こそボタフォゴを相手に5失点を喫したものの、スリーボランチでの固く組織的な守備をベースに他の試合は1失点以内に抑え、全国選手権は2勝4分1敗の成績で上位に食らいついている。 前節は最下位に沈むヴィトーリアを相手に試合の主導権を握り、先制したものの、勝ち切ることができなかった。今節はその試合からスタメンを複数変更。MFネネー(Nenê, 1981)は遠征に帯同せずVOLマンダカ(Mandaca, 2001)が攻撃の指揮を任され、FWジウベルト(Gilberto, 1989)が精神的な柱として抜擢。右サイドバックにはSBジョアン・ルーカス(João Lucas, 1998)が出場停止から復帰。
RBブラガンチーノが前半2分に先制。 しかし、前半12分、右SBジャジソン(Jadsom, 2001)が自陣右サイドで一対一を振り切られ、相手選手のユニフォームを掴みプレーを止める。このプレーに主審はイエローカードを提示したが、VARが介入し、主審は得点機会阻止と判定を改め一発退場。 試合の状況は一変する。
劣勢に立たされたRBブラガンチーノは守備面での連係が大きく狂い、前半16分、MFグスタヴィーニョに代えCBドウグラス・メンデス(Douglas Mendes, 2004)をピッチに送る。しかし、この交代は、最終ラインの人数を揃えたものに過ぎず、中盤でのスペースは広がり、相手陣にボールを運びボールを奪われては、ジュヴェントゥージの反撃に遭う展開が続く。
前半25分、ジュヴェントゥージは自陣からのVOLルイス・オヤマのドリブル突破を起点とした速攻でVOLマンダカがゴールを奪い同点。
前半アディショナルタイムには、VOLルイス・オヤマ(Luís Oyama, 1997)のGKが飛び出した隙を突いたロングシュートは僅かに枠を捉えず、その直後のFWマルセリーニョ(Marcelinho, 2002)がゴールエリアに抜け出し放った至近距離からのシュートはGKクレイトン(Cleiton, 1997)が身を挺しストップ。さらに1分後にVOLルイス・オヤマがPA手前正面からミドルシュートを狙うが、GKクレイトンが横に倒れながらCKに逃れる。
後半立ち上がりも前半に引き続き、ジュヴェントゥージが相次いで相手ゴールに迫るが、RBブラガンチーノはGKクレイトンを中心にゴールを守り抜く。後半10分を過ぎ、RBブラガンチーノは試合を均衡状態へと持ち込むと、後半20分に両チームは選手交代を通じて試合を動かしにかかる。
後半28分、RBブラガンチーノはピッチに立ったばかりのFWヴィチーニョ(Vitinho, 1999)がレッドカード。ところが、VARの介入により、判定は覆されノーファールの判定。 後半37分、FWヴィチーニョのクロスのこぼれ球をFWエリーニョが押し込み、数的不利のRBブラガンチーノが勝ち越し。
後半41分、ジュヴェントゥージは右サイドから攻め入り、MFペイショット(Peixoto, 1997)がマイナスのボールをゴール正面でシュートを見舞うもGKクレイトンが倒れ込みながら両手で弾き返す。
RBブラガンチーノは最後までジュヴェントゥージの猛攻を跳ね返し、試合は2-1のRBブラガンチーノの勝利でタイムアップ。
全国選手権では、第6節バイーア戦、第8節アトレチコ・ミネイロ戦と押し込んだ試合で得点を奪いきれず敗戦、もどかしい試合が続いていたが、今節は数的不利の状況を耐え、試合終盤に勝ち越し。上位争いに食い込むためにもホームで勝たなければならない状況だったが、粘り強い試合内容で貴重な勝点「3」を獲得した。
試合開始早々に先制したものの、前半10分過ぎの退場劇により、その後は自分たちのサッカーを貫こうとしたことも災いし、カウンターから何度もゴールを脅かされる。しかし、GKクレイトンが数々のビッグセーブでピンチを切り抜ける。
なかなか試合展開を変えることができなかったが、後半20分に投入したFWヴィチーニョとMFエリキ・ハミーレス(Eric Ramires, 2000)が中盤を落ち着かせ、後半37分にFWヴィチーニョのクロスからFWエリーニョのこの試合2点目のゴールで勝ち越しに成功した。
次戦はアウェイで難敵のパウメイラス。今節で見せた粘りを再現し、さらに上位に進出したい。
ジュヴェントゥージは、数的有利な状況を活かすことができず1-2の敗戦。
いつも通りの組織的な守備をベースに、効果的なカウンターと遅攻を織り交ぜ、後半序盤まで何度も好機を迎えたものの、RBブラガンチーノGKクレイトンの好守の前に逆転ゴールを奪えなかったことが最後に響いた。
2点目の失点シーンでは、味方が視線を遮ったのか、代表2試合の経歴を誇るGKガブリエウ(Gabriel, 1992)が、自身の手前でバウンドする難しいボールだったとはいえ、処理を誤り相手にボールをプレゼントする形で失点。守備機会が少ない中で、RBブラガンチーノGKクレイトンとは好対照な非常に悔やまれるプレーとなった。
上位争いに食い込むためにも勝点「3」が欲しかったが、それは叶わず勝点「10」の暫定12位で足踏み。 次戦はチーム状況が悪いヴァスコ・ダ・ガマとの対戦。その後にパウメイラス、フラメンゴと強豪との対戦が続くだけに、しっかりと勝ち切りたい。
フルミネンセ(FLU) 1-2 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=XAor3-HMe38
(FLU) : 41' #10 ガンソ(PH Ganso, 1989)[] (ACG) : 71' #11 ルイス・フェルナンド(Luiz Fernando, 1996)[] (ACG) : 90+5' #17 スレッタ(Zuleta, 2002)[]
今節前の順位
フルミネンセ は全国選手権1勝3分4敗勝点6の16位。 コパ・アメリカ代表選手 : FWジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997, コロンビア代表事前登録)
アトレチコ・ゴイアニエンセ は全国選手権1勝2分5敗勝点5の18位。 コパ・アメリカ代表選手なし。
得点シーン
(FLU) : 41' #10 ガンソ(PH Ganso, 1989)[] 相手陣中央高い位置でMFガンソがパスカット。そのまま前を向きアウトサイドに掛かるシュート。DFのうちを通り左へ流れるボールは、必死に伸ばすGKの指先を抜けゴールネットに吸い込まれる。[1-0]
(ACG) : 71' #11 ルイス・フェルナンド(Luiz Fernando, 1996)[] 左CKからMFシャイロン(Shaylon, 1997)が左足でゴール前にボールを送る。ニアサイドでクリアされたボールは、弧を描いてペナルティサークルへ。FWルイス・フェルナンドが下がりながら左足を振り抜くと、抑えの効いたボールは縦回転でゴールネットに突き刺さるゴラッソ。アトレチコ・ゴイアニエンセが試合を振り出しに戻す。[1-1] FWルイス・フェルナンドは、アトレチコ・ゴイアニエンセ育成出身で2015年にプロデビュー。2018年にボタフォゴへ移籍したが、2022年4月にアトレチコ・ゴイアニエンセに復帰。2023年はチーム最多の19得点をマークするが、州選手権での15試合10得点5アシストに対し、全国選手権2部では35試合9得点3アシストと上位の大会では得点力がやや見劣った。2024年は州選手権で16試合11得点3アシストの成績を残し、全国選手権では現時点で7試合2得点とまずまずの滑り出し。チームが補強を進めポジション争いが激しくなる中、自身の結果がチーム成績に繋がることを自覚し、今後もどん欲にゴールを狙ってほしい。
(ACG) : 90+5' #17 スレッタ(Zuleta, 2002)[] 後方からのボールに左サイドPA手前でFWスレッタがDFに競り勝ち前方にボールを落とす。FWマックスが角度のない位置から放ったシュートはフルミネンセGKファビオ(Fábio, 1980)がブロックするが、ゴール前中央に走り込んでいたがFWスレッタがこぼれ球をゴールネットに突き刺し逆転。[1-2] FWスレッタは、コロンビア2部リーグのイタグイ・レオーネス(Itagüí Leones)からの期限付き移籍で2024年に1月にアトレチコ・ゴイアニエンセに加入。1月28日ゴイアス州選手権第4節で先発に抜擢されクラブデビューを果たし、6試合連続で先発に起用されるが、続く7試合は途中交代出場、やがて出場機会を失った。6月5日全国選手権第5節で約3か月ぶりの試合で16分間の出場。この試合では後半45分に同点ゴールのFWルイス・フェルナンドに代わり最後の交代カードとしてピッチに送り出される。その期待に応えるかのように、実質的に最後のプレーで空中戦でボールを確保し、シュートのこぼれ球をゴールに突き刺す逆転ゴール。FWスレッタにとって忘れることのできない瞬間となったに違いない。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:60% 40% ⇒ 前後半:60% 40% シュート(枠内): 前半:3‐5(2-1) ⇒ 前後半:9-16(5-7) パス成功率: 前半:87% 84% ⇒ 前後半:86% 82% Desarmes: 前半:8‐9 ⇒ 前後半:9-18 Faltas Cometidas: 前半:3‐7 ⇒ 前後半:10-12
フルミネンセは、リベルタドーレスはグループ首位で決勝ラウンド進出を果たしたものの、全国選手権は下位に低迷。試合内容は明らかに前年を下回り、サポーターの不満も高まっている。 今節のスタメンは、代表で不在のFWジョン・アリアスに加え、VOLマルチネリ(Martinelli, 2001)が出場停止。VOLアレキサンデル(Alexsander, 2003)がボランチ、サイドバックでの起用が続いたFWマルキーニョス(Marquinhos, 2003)が右ウィングに入る。 観客席には移籍加入が決まったCBチアゴ・シウヴァ(Thiago Silva, 1984)が見える。
アトレチコ・ゴイアニエンセは、好内容の試合も不可解な判定が相次いた開幕節での黒星から3連敗。その後、立て直しを進めているものの、試合内容に結果が伴わず全国選手権は下位に低迷している。 前節は前半に退場者を出した相手を攻めあぐねたが、試合終了間際に同点に追いつき、最低限の勝点「1」を獲得。今節のスタメンは、前節からケガのCBアリックス・ヴィニシウス(Alix Vinicius, 1999)と出場停止の左SBホマォン(Romão, 1997)に代わり、CBペドロ・エンヒキ(Pedro Henrique, 1992)とFWを本職とする(Alejo Cruz, 2000)がそれぞれのポジションに入る。
前半5分、アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)は、フルミネンセ(FLU)のPA手前でのパスをカット。FWエミリアーノ・ロドリゲス(Emiliano Rodríguez, 2003)がゴール正面からシュートを放つがGKファビオ(Fábio, 1980)が身を挺して辛うじてクリア。 ACGが相手陣でFLUにプレスをかけ、パスミスを誘っては相手陣でボールを動かす時間が続く。
FLUは、前半31分、後方からのボールを相手陣に入ったところで受けたMFガンソ(PH Ganso, 1989)が前を向きスルーパス。PAに侵入したFWヘルマン・カーノ(Germán Cano, 1988)が角度のない位置からこの試合のチームのファーストシュートを放つが、ボールはクロスバーを越えていく。
この時間帯はVOLアレキサンデルがミドルシュートを狙うなど、FLUが相手陣での攻勢を強めていき、前半41分、相手のパスをカットしたMFガンソがそのまま前を向きゴラッソ。ホームのフルミネンセが先制。
前半は1-0のFLUのリードで終えるが、FLUの本拠地マラカナンスタジアムは、リードを奪ったことへの称賛の拍手と、ミスが多く不甲斐ない内容へのブーイングが入り混じる。
後半7分、FLUはACGのプレスを掻い潜り、左SBマルセロ(Marcelo, 1988)がドリブルで相手陣に入り、浅い位置からゴール前にクロス。FWヘルマン・カーノがドンピシャのタイミングで頭を合わせるが、GKホナウド(Ronaldo, 1996)が至近距離のシュートを両手で弾き返す。
後半14分、FLUはそれまでミスが少なく、安定したプレーで好機を演出、チームを支えていたSBマルセロが足を痛め交代。 その5分後にACGは攻撃的な2選手を投入し、攻撃への勢いを強める。
後半23分、FLUはFWヘルマン・カーノがGKが飛び出した無人のゴールにゴールライン際からのマイナスのボールを蹴り込もうとするが、バウンドが合わずボールはクロスバーを大きく越え、追加点の絶好機を逸する。
すると、後半26分、ACGはCKからFWルイス・フェルナンドがゴラッソ。試合を振り出しに戻す。
試合はその後、FLUが前がかりとなり相手陣に攻め込むが、簡単にボールを失っては、ACGがカウンターを発動する展開。FLUはGKファビオの再三の好セーブでピンチを逃れ続けるが、後半45+5分、GKファビオの好守も虚しく、一度はブロックしたボールをACGのFWスレッタに蹴り込まれ、1-2と逆転を許しタイムアップ。
タイムアップ直後には、FLUのCBフィリピ・メロ(Felipe Melo, 1983)が勝利に喜ぶACGスタッフを背後から突き飛ばしたことをきっかけに、両軍に審判団を交え混乱となるが、茶番を見せられたFLUサポーターの多くはフラストレーションが頂点に達しマラカナンスタジアムを後にした。
フルミネンセは、VOLアンドレ(André, 2001)が4月25日以降チームを離脱、FWジョン・アリアスをコパ・アメリカのために欠き、この試合ではVOLマルチネリが出場停止。今季5得点に止まり、6試合ゴールのないFWヘルマン・カーノは、この試合も決定機を逃すなど精彩がなく、安定したプレーを見せていたSBマルセロはケガのため途中交代。フェルナンド・ジニース(Fernando diniz)監督は、前線に選手を投入するが、中盤が薄く効果的にボールを前に運ぶことができない。ボランチの位置に下がり攻撃の起点となったMFガンソは、相手のカウンター時には無力となり、ACGのカウンターは次々とGKファビオを襲う。
2023年中盤以降、リベルタドーレスタイトル獲得のため、経験の豊かな選手を中心に起用選手を固定化、リベルタドーレス終了後もその起用法は変わらず、また、ボールを支配することに重点を置かれた戦術は、ゴールへの意識が薄くなるなど、今期はその綻びが至る所に噴出しているが、その対策は後手に回っている。 CBチアゴ・シウヴァの加入は一部のサポーターにとっては朗報かも知れないが、一時しのぎにすぎず、抜本的な解決に結びつくことはないだろう。
特異なサッカーをチームに落とし込み、ブラジル代表監督に昇り詰め、2023年リベルタドーレスを制したフェルナンド・ジニース監督だが、代表での不振時と同様、現在のフルミネンセでもその問題点を直視することから逃げているようにも見える。
アトレチコ・ゴイアニエンセは、ようやく好内容の試合に結果が伴った。 この試合では、高い位置での素早いマークが効果を発揮。攻守に選手間の距離が適切に保たれ、攻守にサポートが厚く、フルミネンセを上回る好機を演出し、試合の内容も相手を大きく上回っていた。 サイドからの攻撃は、質のいいクロスボールが上げられていたように思われたが、中の選手とタイミングが微妙に合わず、ことごとくヘディングシュートはクロスバーを越えていったが、この点が修正できれば、今後は得点力を上げることも可能。
後半45分に投入されたFWスレッタは、最近の試合では出番がなかったが、最後のプレーでは空中戦でDFに競り勝ち、適切なポジショニングでこぼれ球を蹴り込み決勝ゴール。 ジャイール・ヴェントゥーラ(Jair Ventura)監督が作り上げたチームが、自らの好采配より、結果を残した。 この逆転勝利を自信に変え、今後はさらに上位を狙いたい。
ヴィトーリア(VIT) 2-1 インテルナシオナウ(INT)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=eXPM7Kjd47 U
(VIT) : 8' #29 ウィリアン・オリヴェイラ(Willian Oliveira, 1993)[#9 アレハンドロ(Alerrandro, 2000)] (INT) : 82' #21 ウェズレイ(Wesley, 1999)[#34 ガブリエウ・カルヴァーリョ(Gabriel Carvalho, 2007)] (VIT) : 90+12' #4 ヴァギネル・レオナルド(Wagner Leonardo, 1999)[PK]
今節前の順位
ヴィトーリア は全国選手権0勝3分5敗勝点3の20位。 コパ・アメリカ代表選手なし。
インテルナシオナウ は全国選手権3勝2分1敗勝点11の10位。(2試合未消化) コパ・アメリカ代表選手 : GKロチェ(Rochet, 1993, ウルグアイ代表事前登録) FWエネル・バレンシア(Enner Valencia, 1989, エクアドル代表) FWボレー(Borré, 1995, コロンビア代表事前登録)
得点シーン
(VIT) : 8' #29 ウィリアン・オリヴェイラ(Willian Oliveira, 1993)[#9 アレハンドロ(Alerrandro, 2000)] 相手陣左サイド深くまで左SBルーカス・エステヴェス(Lucas Esteves, 2000)がボールを追い前方へのパスをブロック。PA内にこぼれたボールをFWアレハンドロがDFとボールの間に体を入れ、倒れ込みながらPA入口中央へボールを戻す。VOLウィリアン・オリヴェイラが走り込みシュート。ボールはGKの脇を抜けゴールネットを揺らす。[1-0] FWウィリアン・オリヴェイラは、フルミネンセ育成出身で2013年5月全国選手権開幕節にて20歳のプロデビュー。2018年末までフルミネンセとの契約は続くが、期限付き移籍が多く、表舞台に立つことができず契約満了。しかし、2020年(26歳)にシャペコエンセに入団すると、全国選手権2部36試合に出場しチームの優勝に貢献。2022年は期限付き移籍でプレーするクルゼイロにて主力としてチームの全国選手権2部優勝に貢献。2023年はゴイアスに移籍し、全国選手権1部で31試合に出場し、30歳を迎えて初めて1部での実績を残す。2024年は再昇格1年目のヴィトーリアに入団し、これまで27試合4得点1アシストを記録中。4得点はキャリアハイ。高さのある守備的なボランチだが、歳を重ね、経験を積み重ね、プレー面でまだまだ成長を続けている。
(INT) : 82' #21 ウェズレイ(Wesley, 1999)[#34 ガブリエウ・カルヴァーリョ(Gabriel Carvalho, 2007)] ヴィトーリアがセットプレーから後方に戻し、再び前方に送ろうとしたボールをMFガブリエウ・カルヴァーリョがブロック。そのボールを自らが拾い、前方を向きスルーパス。FWウェズレイが抜け出し、間合いを詰めるGKをかわし、ボールを無人のゴールに流し込む。[1-1] FWウェズレイは、パウメイラス育成出身で、期限付き移籍先のヴィトーリアにて2019年6月に20歳のプロデビューを飾る。2021‐2022年の2年間で準主力として99試合8得点8アシストを記録。2023年は4年ぶりの1部再昇格を果たしたクルゼイロに保有権の50%に対して1600万ブラジルレアル(約5億円)の移籍金で移籍。しかし、シーズン終盤には出場機会も減少し、2024年には新天地としてインテルナシオナウに移籍する。インテルナシオナウでは、各ポジションに複数の主力クラスの選手を保有する方針のもと、ウィングとしてFWヴァンデルソン(Wanderson, 1994)と併用され、ここまで18試合5得点2アシストの成績を残している。
(VIT) : 90+12' #4 ヴァギネル・レオナルド(Wagner Leonardo, 1999)[PK] 右CKからゴール前に上げられたボールはニアサイドで混戦となりVOLウィリアン・オリヴェイラが倒れる。プレーが止まりVARが介入。オンフィールドレビューの結果、主審はヴィトーリアへPKの判定。これをCBヴァギネル・レオナルドがゴール中央に決め土壇場でヴィトーリアが勝ち越し。[2-1] CBヴァギネル・レオナルドは、サントス育成出身で2019年3月のコパ・ド・ブラジルにて19歳のプロデビュー。サントスでは出場機会に恵まれず、2021年までに40試合の出場にとどまり、2022年は期限付き移籍で2クラブでプレーするが、2023年1月にサントスとの契約を解除しポルチモネンセ/PORへの移籍を果たす。しかし、1試合に出場するのみで全国選手権2部開幕前の2023年4月にヴィトーリアへ期限付き移籍。ヴィトーリアでは加入後間もなくレギュラーの座を掴み、7月には買取オプションが行使され2年契約の完全移籍。2024年もチームリーダーの一人としてチームを牽引している。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:40% 60% ⇒ 前後半:42% 58% シュート(枠内): 前半:4‐3(1-1) ⇒ 前後半:10-13(4-5) パス成功率: 前半:82% 86% ⇒ 前後半:80% 85% Desarmes: 前半:7‐7 ⇒ 前後半:22-15 Faltas Cometidas: 前半:4‐6 ⇒ 前後半:6-15
ヴィトーリアは、3月31日バイーア州選手権決勝戦1stレグ以来、2か月半11試合勝ち星から遠ざかっている。しかし、最近2試合は2引き分けと最悪期は脱却した。全国選手権は混戦となっており一勝で状況は大きく変わるだけに、今節では全国選手権での初白星を収めたい。
今節のスタメンは、前節から一点変更。VOLカイオ・ヴィニシウス(Caio Vinícius, 1999)に代え、第3節以来の先発となるVOLレオ・ナウジ(Léo Naldi, 2001)を抜擢。
インテルナシオナウは、洪水被災から再開後の5試合を3勝1分1敗5得点1失点、最近の4試合は無失点で乗り切っている。 今節のスタメンは、0-0の引き分けに終えた前節サンパウロ戦から、7つのポジションで変更。順延された試合の代替開催や、コパ・スウアメリカーナ、コパ・ド・ブラジルの開催のため、週2試合の日程が長く続くことを考慮して、選手の疲労が蓄積されない選手起用がなされている。
ホームのヴィトーリアは、立ち上がりから相手のボールの出どころへの寄せを厳しくし、前にでる守備で相手陣に押し込む。その流れの中から、早くも前半8分に先制点を奪う。 勢いは止まらず、前半19分に相手陣左サイドでのボール奪取から右サイドへボールを展開。クロスボールからゴールネットを揺らすが、VARによりオフサイドが検出されゴールは取り消される。前半23分にも同様の展開からヴィトーリアがゴールを脅かすが、ゴールは枠を捉えない。
インテルナシオナウは、ヴィトーリアの高い位置でのプレス、速い帰陣による守備ブロックを攻略できず、チャンスらしいチャンスを迎えることなく前半を終える。
インテルナシオナウは、後半開始時に一気に3選手を交替し、同時にフォーメーションも変更。この策は功を奏し、相手陣でのプレー時間が増えていく。 一方のヴィトーリアは、押し込まれながらも固い守備からカウンターを狙い、後半14分、ゴールライン際からのクロスボールにゴールエリア手前からFWオズヴァウド(Oswaldo, 1987)がボレーシュート。しかし、インテルナシオナウGKファブリシオ(Fabrício, 1986)が至近距離のシュートをストップし、インテルに移りかけた流れを相手に渡さない。
一進一退の攻防が続く中、後半37分、インテルナシオナウはこの試合でプロデビューを果たした16歳のMFガブリエウ・カルヴァーリョ(Gabriel Carvalho, 2007)が、ヴィトーリアがセットプレーから後方に戻したボールの処理ミスを誘い、こぼれ球を拾うやスルーパスを通し、FWウェズレイの同点ゴールをアシスト。
このゴールを機に試合はオープンな展開となるが、両チームゴールを奪えないまま時間が経過。アディショナルタイムもほぼ消化された後半45+6分、ヴィトーリアはCKからゴール前の混戦でVOLウィリアン・オリヴェイラが倒されPKを獲得。これをCBヴァギネル・レオナルドが決めると、間もなく試合はタイムアップ。
ヴィトーリアは全国選手権9試合目にして初勝利を収めた。
ヴィトーリアは、これまでもコンパクトで組織的な守備をベースに、ボールを繋ぎながら相手陣に攻めあがるサッカーを展開していたものの、我慢比べに負ける形で僅かな隙を突かれ勝利を逃してきた。この試合も後半終盤の失点で同点に追い付かれ、またもや勝利が手から零れ落ちたかと思われたが、最後まで勝利への執念は衰えず、実質的に最後のプレーでPKを獲得し勝ち越し。勝点「3」を手に入れた。
この勝利を自信に変え、今まで通りのサッカーを継続し磨き上げていけば、混戦となっている全国選手権で十分に中位は狙える。今後、アトレチコ・ミネイロ、RBブラガンチーノと難敵との対戦が続くが、少しでも勝点を積み上げたい。
インテルナシオナウは、自分たちのサッカーを相手にされ、前半はほとんどいい所がなかった。後半に入り、選手交代とフォーメーション変更を施し試合内容を均衡させ、一時は同点に追いついたものの、最後は勝利への執念に劣り、ヴィトーリアの全国選手権初勝利を献上した。
一方で、プロデビューを飾ったMFガブリエウ・カルヴァーリョがアシストを記録。CBが本職のホベルチ・ヘナン(Robert Renan, 2003)は左サイドバックでのプレーが板につき、MFグスタヴォ・プラード(Gustavo Prado, 2005)を前節に続き後半半ばにピッチに送り出すなど、選手層の強化は着実に進んでいる。シーズン終盤にはこれらの芽は花を開くはず。クラブには短期的な成績で監督を更迭せず、クーデ監督のサポートを切望する。
コリンチャンス(COR) 2-2 サンパウロ(SAO)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=utvsUmuKbck
(SAO) : 4' #7 ルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)[#9 カレリ(Calleri, 1993)] (COR) : 30' #77 イゴル・コロナド(Igor Coronado, 1992)[#46 ウーゴ(Hugo, 1997)] (SAO) : 41' #xx オウンゴール(Gol Contra)[] (COR) : 45+2' #19 グスタヴォ・モスキート(Gustavo Mosquito, 1997)[#9 ユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001) ]
今節前の順位
コリンチャンス は全国選手権1勝3分4敗勝点6の15位。 コパ・アメリカ代表選手 : CBフェリックス・トーレス(Félix Torres, 1997, エクアドル代表) FWアンヘル・ホメーロ(Ángel Romero, 1992, パラグアイ代表事前登録)
サンパウロ は全国選手権4勝2分2敗勝点14の5位。 コパ・アメリカ代表選手 : GKハファエウ(Rafael, 1989, ブラジル代表) CBフェラレシ(Ferraresi, 1998, ベネズエラ代表事前登録) VOLボバディージャ(Bobadilla, 2001, パラグアイ代表事前登録) MFハメス・ロドリゲス(James Rodríguez, 1991, コロンビア代表事前登録)
得点シーン
(SAO) : 4' #7 ルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)[#9 カレリ(Calleri, 1993)] 自陣CBからのビルドアップのボールをVOLを経て受けたFWルーカス・モウラが、縦にボールをFWカレリに預け、PA入口で戻りのボールを受ける。GKの位置を確認し放ったシュートは、ゴールサイドネットを揺らし、サンパウロが敵地でのクラシコで早くも先制。[0-1] FWルーカス・モウラは、2011、2016コパ・アメリカ、2013コンフェデレーションズ杯などブラジル代表として35試合4得点5アシスト。サンパウロ育成出身で2010年8月全国選手権にて17歳のプロデビュー。その後、レギュラーとして2012年7月までの3年間で128試合33得点26アシストの成績を残し、2012年8月に4000万ユーロでパリSG/FRAへ移籍。パリSGでは5年半で229試合46得点46アシスト。2018年1月トッテナム/ENGへ推定2800万ユーロ相当で移籍し、2023年7月までに219試合39得点26アシスト。2023年8月11年ぶりにサンパウロへの復帰を果たす。サンパウロ復帰後はチームリーダーの役割を担い、クラブ史上初のコパ・ド・ブラジルを制覇。2024年はケガに悩まされながらも、これまで14試合6得点4アシスト、最近の5試合は4得点とチームの好調を支えている。
(COR) : 30' #77 イゴル・コロナド(Igor Coronado, 1992)[#46 ウーゴ(Hugo, 1997)] 左サイドライン際浅めの位置でFWウェズレイ(Wesley, 2005)がドリブルで抜け出しを図るが、3人のDFに囲まれ後方にボールを戻す。その間に高い位置を取ったSBウーゴへCBカエタノ(Caetano, 1999)がボールを送り、ボールはPA手前でフリーのMFイゴル・コロナドの元へ。前を向いたMFイゴル・コロナドは右足を振り抜き、ボールはファーサイドに吸い込まれる。ゴラッソ。コリンチャンスが同点に追いつく。[1-1] MFイゴル・コロナドは、MK Dons/ENGの育成出身。マルタ、イタリアセリエB、UAE、サウジアラビアを遍歴し、2024年2月、2年契約でコリンチャンスに加入、母国ブラジルでの初のプレーとなる。ブラジルでは無名で加入時はクラブへの批判もあったが、試合をこなすごとに体調を上げていき、現在は中盤のゴールに近い位置で存在感を発揮しつつある。
(SAO) : 41' #xx オウンゴール(Gol Contra)[] ハーフライン付近右サイドライン際を右SBイゴル・ヴィニシウス(Igor Vinícius, 1997)がVOLアリソン(Alisson, 1993)、FWカレリとタベーラを繰り返し、ゴールライン際までボールを持ち上がる。ゴール前に鋭いクロスを送ると、相手DFのオウンゴールを誘い、サンパウロが勝ち越す。[1-2]
(COR) : 45+2' #19 グスタヴォ・モスキート(Gustavo Mosquito, 1997)[#9 ユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)] MFイゴル・コロナドが蹴る左CK。FWユーリ・アウベルトの頭をかすめたボールはファーサイドに流れる。CBカカー(Cacá, 1999)が踵で折り返したボールは弾き返されるが、そのボールのクリアが遅れたところをFWユーリ・アウベルトが掻き出し、こぼれたボールにFWグスタヴォ・モスキートが体を反転させるシュート。ボールはゴールファーサイドに決まり、再度コリンチャンスが同点に持ち込む。[2-2] FWグスタヴォ・モスキートは、コリチバ育成出身でコリンチャンス移籍後の2019年1月サンパウロ州選手権にて21歳のプロデビューを飾る。2021‐22年は準主力としてそれぞれ50試合以上に出場するが、2022年10月に膝前十字靭帯断裂を発症。2023年8月に復帰を果たすと、11月に150試合出場を達成。目立つ機会は少ないが、スピード豊かで相手の急所を突くポジショニングでチームの好機を演出するウィンガー。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:50% 50% ⇒ 前後半:43% 57% シュート(枠内): 前半:8‐6(5-3) ⇒ 前後半:14-12(8-8) パス成功率: 前半:83% 84% ⇒ 前後半:85% 87% Desarmes: 前半:17‐9 ⇒ 前後半:25-19 Faltas Cometidas: 前半:5‐3 ⇒ 前後半:15-10
コリンチャンスの前節は、前半に退場者を出したものの、2-2の引き分けに終え、勝点「1」を獲得した。 今節のスタメンは、出場停止のCBグスタヴォ・エンヒキ(Gustavo Henrique, 1993)とMFロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)に代え、CBカエタノ(Caetano, 1999)とVOLガブリエウ・モスカルド(Gabriel Moacardo, 2005)を起用。VOLガブリエウ・モスカルドは前節での今季初出場に続き、今節は初先発。しかし、6月末で期限付き移籍契約は満了し、パリSGに返却される。
サンパウロは、スベルディア監督就任以降、公式戦無敗。全国選手権も5位まで順位をあげている。しかし、前節は決定力に欠け0-0の引き分けに終えた。 今節のスタメンは、CBアルボレーダ(Arboleda, 1991)がケガから復帰、他のポジションに変更はない。
インテンシティの高い立ち上がり。両チームともボールを落ち着かせることができず、攻守が目まぐるしく入れ替わる。 その中で、サンパウロが次第に優位に立つと、前半4分に早くも先制。前節でも多くのチャンスを演出したFWルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)とFWカレリ(Calleri, 1993)のコンビが均衡を破る。
前半11分にも、FWルーカス・モウラは自陣PA手前からドリブルで一気に相手陣にボールを持ち上がり、相手陣PA手前からミドルシュート。この試合でもスピードとキレでサンパウロの攻撃を牽引する。 前半12分、サンパウロは左サイドからのクロスボールのクリアボールをFWルシアーノ(Luciano, 1993)がボレーシュート。縦回転の落ちるボールは、コリンチャンスGKカルロス・ミゲウ(Carlos Miguel, 1998)が辛うじてCKに逃れる。
コリンチャンスは、サンパウロの速い寄せに苦しみ攻撃の形を作れないが、前半31分、MFイゴル・コロナドのゴラッソで同点に追いつく。
その後はしばらく、コリンチャンスがサンパウロゴールに迫る場面が続くが、前半41分、サンパウロは右SBイゴル・ヴィニシウスが自陣からパス交換を重ね一気にゴールライン際に駆け上がり、相手のオウンゴールを誘発。再びサンパウロがリード。
前半45+3分、コリンチャンスはCKのチャンスから、FWグスタヴォ・モスキートのゴラッソ。 2-2の同点で試合は前半を折り返す。
後半は6分のサンパウロFWカレリのミドルシュートで明け、後半10分にコリンチャンスFWユーリ・アウベルトがGKを脅かすミドルシュートで応戦するが、試合のテンポは次第に落ち着いていく。 後半24分、サンパウロは攻撃的な2選手を投入し、試合のテンポを高めようとするが、均衡した状況は変わらない。 後半33分、すでに1枚イエローカードを提示されていたコリンチャンスCBカエタノが、カウンターで抜け出しを図る相手選手の体を引っ張り2枚目のイエローカード。軽率なプレーで退場となる。
このプレーでサンパウロが攻勢にまわると、後半34分、右SBイゴル・ヴィニシウスがゴールライン際からゴール正面にクロス。MFミシェル・アラウーホ(Michel Araújo, 1996)がボレーシュートを放つと、SBマテウス・フランサ(Matheus França, 2000)が身を挺しブロック。その跳ね返りのボールをMFミシェル・アラウーホが押し込もうとするが、今度はGKカルロス・ミゲウが体を投げ出しながら右手一本でゴールライン上でボールを弾き返す。
数的有利に立つサンパウロはさらに攻勢を強めるが、コリンチャンスも4-4の堅固な2ラインで対応し、試合は2-2のままタイムアップ。両チーム勝点「1」を分け合う結果に終えた。
コリンチャンスは、CBフェリックス・トーレスを代表で欠く中、前節でのCBグスタヴォ・エンヒキに続き、今節はCBカエタノが退場処分。いずれも軽率なプレーでイエローカードを重ねた。今節はさらにGKカルロス・ミゲウが通算3枚目のイエローカードを提示され次節は出場停止。守備面の選手起用で厳しい状況が続く。
攻撃面では、相手の守備網を崩すような場面はほとんどなく、ゴラッソ2本でなんとか同点に持ち込んだ。右SBマテウス・フランサとFWユーリ・アウベルトが攻守に貢献し、MFイゴル・コロナドは高いセンスを披露した。一方で、交代出場のFWペドロ・ハウーウ(Pedro Raul, 1996)は周囲と連係が合わず、チームに推進力を与えることが出来なかった。
サンパウロは、前節に続き、FWルーカス・モウラが攻撃面を牽引し、自らゴールをマークするなど数多くのチャンスを演出。後半は疲れのためか、やや運動量が落ちたが、終盤の猛攻でも多くの場面に絡み存在感を発揮した。
右SBイゴル・ヴィニシウスやFWカレリがゴールに絡み、各選手平均以上のパフォーマンスを発揮したように映ったが、結果は2-2の引き分け。前節も同様の内容で0-0の引き分けており、もどかしい試合が続いている。
FWウェリントン・ハット(Wellington Rato, 1992)の2か月半ぶりの出場など、ケガ人も次第に復帰し、状況は改善しているだけに、スベルディア監督の手腕で現在の停滞感を払拭してもらいたい。
アトレチコ・パラナエンセ(CAP) 1-1 フラメンゴ(FLA)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=XZbEJcYC13k
(CAP) : 90+2' #5 フェルナンジーニョ(Fernandinho, 1985)[PK] (FLA) : 90+9' #52 エヴェルトン・アラウージョ(Evertton Araújo, 2003)[#7 ルイス・アラウージョ(Luiz Araújo, 1996)]
今節前の順位
アトレチコ・パラナエンセ は全国選手権5勝1分2敗勝点16の4位。 コパ・アメリカ代表選手 : GKベント(Bento, 1999, ブラジル代表) FWカノービオ(Canobbio, 1998, ウルグアイ代表事前登録)
フラメンゴ は全国選手権5勝2分1敗勝点17の首位。 コパ・アメリカ代表選手 : VOLエリキ・プルガール(Erick Pulgar, 1994, チリ代表事前登録) SBバレラ(Varela, 1993, ウルグアイ代表事前登録) SBビーニャ(Viña, 1997, ウルグアイ代表事前登録) MFデ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994, ウルグアイ代表事前登録) MFデ・ラ・クルス(De La Cruz, 1997, ウルグアイ代表事前登録)
得点シーン
(CAP) : 90+2' #5 フェルナンジーニョ(Fernandinho, 1985)[PK] FWジュリマール(Julimar, 2001)が右サイドからドリブルを仕掛けPAに侵入。右足のトゥーキックでゴールを狙うと、DFが不用意に上げた腕にボールが当たり、オンフィールドレビューの結果、PKが判定される。このPKからVOLフェルナンジーニョが蹴った強烈なボールは、クロスバーを叩きゴールラインを割りインゴール。アトレチコ・パラナエンセが待望の先制点。[1-0] VOLフェルナンジーニョは、2018W杯など代表で53試合2得点2アシスト。シャクタルドネツク/UKRにて8シーズン284試合53得点3アシスト、マンチェスターシティ/ENGにて9シーズン383試合26得点29アシストの成績を残している。2022年7月に2005年以来のアトレチコ・パラナエンセへの復帰を果たすと、豊かな経験と深い戦術眼、穴を埋めるポジショニング、針を通すような鋭いパスなどのプレー面だけなく、ピッチ外でもチームに好影響を及ぼしている。来年には40歳を迎えるが、まだまだクラブに欠くことはできない。
(FLA) : 90+9' #52 エヴェルトン・アラウージョ(Evertton Araújo, 2003)[#7 ルイス・アラウージョ(Luiz Araújo, 1996)] 左CKからFWルイス・アラウージョが左足でゴール前に送ったボールに、ゴール正面、ゴールライン手前でDFの前に出たVOLエヴェルトン・アラウージョが頭を合わせゴールネットを揺らす。終了間際の同点ゴール。[1-1] FWエヴェルトン・アラウージョは、複数の名門クラブの育成部門を経て加入したヴォウタ・ヘドンダ(Volta Redonda)にて、2021年8年リオデジャネイロ州下位クラブによるカップ戦に出場し18歳のプロデビュー。2022年にフラメンゴU-20に期限付き移籍加入すると、2023年1月リオデジャネイロ州選手権にてトップチームデビューを果たし、2023年末に完全移籍。2024年は1月、4月に各2試合に出場。6月も前節での7分間の出場に続き、今節も後半38分の起用。僅かな出場時間で貴重な同点ゴールを決めた。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:47% 53% ⇒ 前後半:48% 52% シュート(枠内): 前半:4‐3(2-1) ⇒ 前後半:13-8(3-6) パス成功率: 前半:82% 82% ⇒ 前後半:82% 80% Desarmes: 前半:8‐6 ⇒ 前後半:9-8 Faltas Cometidas: 前半:3‐8 ⇒ 前後半:11-10
アトレチコ・パラナエンセ(CAP)は、 勝点差「1」で首位フラメンゴを追う。前節はアウェイで3-1の勝利を収め、3連敗で連敗を食い止めた。中盤の構成はスリーボランチに変更され、VOLフェリピーニョ(Felipinho, 2001)が2試合ぶりに先発に復帰。
首位を走るフラメンゴは、前節に2選手が負傷退場。ケガで離脱する主力選手は5選手を数え、代表5選手に加え、主力級10選手を欠く厳しい戦いを余儀なくされる。 今節の先発には、前節に続き、MFロハン(Lorran, 2006)が入り、CBが本職のレオ・オルティス(Léo Ortiz, 1996)をボランチ起用。前節2ゴールのFWルイス・アラウージョ(Luiz Araújo, 1996)が先発に抜擢される。
互いに高い位置で相手のボールの出どころへ素早く寄せ、相手のミスを誘うが、いずれも簡単にはボールを失わず、CAPは右サイドMFニカォン(Nikão, 1992)、FLAは右サイドMFロハンを軸とした攻撃へと移行していく。しかし、ゴール前でのアイディアに欠け、シュートに持ち込む場面は僅かなものに終える。
後半開始時に両チーム選手交代を実施。CAPは守備的なVOLフェリピーニョからスピードのあるFWクエージョ(Cuello, 2000)、FLAはスピードのあるFWブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1990)から中盤でボールを握れるMFヴィクトル・ウーゴ(Victor Hugo, 2004)と対照的な交代策を打つ。
すると、試合は動き始め、後半1分、FLAはFWルイス・アラウージョが右サイドからコースを狙ったシュート。一方のCAPは、後半11分、VOLエリキ(Erick, 1997)からのライナー性のパスをPA内に侵入した右SBマジソン(Madson, 1992)が絶妙のトラップでボールをコントロールしシュートに持ち込む。
後半22分、FLAはCBダヴィ・ルイス(David Luiz, 1987)がPA内に侵入しゴールライン際から低い弾道のクロス。GKレオ・リンキ(Léo Linck, 2001)がブロックしたボールにFWルイス・アラウージョが詰め、FWガブリエウ・バルボーザ(Gabriel Barbosa, 1996)がゴールに押し込むがFWガブリエウ・バルボーザはオフサイドの位置。ゴールは認められない。
両チームが互いに相手ゴールに攻め込みシュートに持ち込む展開が続くと、後半45+2分、5分近くにも及ぶ長いVARの検証を経て、CAPはPKを獲得。VOLフェルナンジーニョがこのPKを決めCAPが均衡を破る。
しかし、後半45+9分、FLAは左CKを獲得すると、FWルイス・アラウージョが上げたボールに、VOLエヴェルトン・アラウージョ(Evertton Araújo, 2003)が頭を合わせ同点。2024年に入りプロデビューを飾ったVOLエヴェルトン・アラウージョのプロ初ゴールがFLAに勝点「1」をもたらした。
首位を争う一戦は、前半はインテンシティが高いにも関わらず、ミスの少ない試合展開。後半はCAPクーカ監督、FLAチチ監督が選手交代や戦術変更の策を打ち、互いに相手ゴールに迫る場面も増え、攻守にしのぎを削る好ゲーム。後半アディショナルに両チームが1ゴールずつマークし、白熱した試合は1-1の引き分けに終えた。
アトレチコ・パラナエンセは、後半アディショナルタイムに入ってからの先制ゴールで首位の座が見えたが、実質的に最後のプレーで同点に追い付かれ、勝点「2」を失った形に。
一方のフラメンゴは、欠場選手が多い中、ポジションに固定されない柔軟な選手起用や、若手選手の躍進もあり、貴重な勝点「1」を勝ち取った。
アトレチコ・パラナエンセの次戦の対戦相手は、今節の結果、首位に浮上したボタフォゴとの対戦。2試合続けて首位チームとの対戦となるが、次戦こそ勝点「3」を獲得したい。
フラメンゴは、次戦は勝点で並ぶバイーアとの一戦。欠場選手は多いがピンチをチャンスに変え、MFロハンやVOLエヴェルトン・アラウージョに続く若手選手の活躍に期待したい。