【ブラジル全国選手権2024】第10節(1/2)[06/19-20]

投稿者: | 2024年6月19日

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全国選手権第10節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/06/19 ボタフォゴ(BOT) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)
・2024/06/19 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) x クリシウーマ(CRI)
・2024/06/19 サンパウロ(SAO) x クイアバ(CUI)
・2024/06/19 フォルタレーザ(FOR) x グレミオ(GRE)
・2024/06/19 ジュヴェントゥージ(JUV) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第10節(2/2)[06/19-20]
・2024/06/19 インテルナシオナウ(INT) x コリンチャンス(COR)
・2024/06/19 クルゼイロ(CRU) x フルミネンセ(FLU)
・2024/06/20 ヴィトーリア(VIT) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
・2024/06/20 フラメンゴ(FLA) x バイーア(BAH)

・2024/06/20 パウメイラス(PAL) x RBブラガンチーノ(RBB)

全国選手権第10節 試合概要

ボタフォゴ(BOT) 1-1 アトレチコ・パラナエンセ(CAP)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=LFGPjHDr5n4
(CAP) : 53' #9 マストリアーニ(Mastriani, 1993)[#28 クエージョ(Cuello, 2000)]
(BOT) : 90+8' #15 バストス(Bastos, 1991)[#77 ディエゴ・エルナンデス(Diego Hernández, 2000)]

今節前の順位

ボタフォゴは全国選手権6勝1分2敗勝点19の首位。
 コパ・アメリカ代表選手 :
  FWサバリーノ(Savarino, 1996, ベネズエラ代表)
アトレチコ・パラナエンセは全国選手権5勝2分2敗勝点17の4位。
 コパ・アメリカ代表選手 :
  GKベント(Bento, 1999, ブラジル代表)
  FWカノービオ(Canobbio, 1998, ウルグアイ代表)

得点シーン

(CAP) : 53' #9 マストリアーニ(Mastriani, 1993)[#28 クエージョ(Cuello, 2000)]
左SBエスキベル(Esquivel, 2001)がドリブルで相手陣に入り、左サイドライン際に開いたFWクエージョへ速いボールを送る。FWクエージョはボールを受けると、中央に切れ込みゴール前へクロス。FWマストリアーニはDFの執拗なマークを受けるが、落ちてくるボールに右足を合わせゴールネットを揺らす。[0-1]
   FWマストリアーニは、2023年に最下位に低迷したアメリカ・ミネイロで42試合21得点を記録。チームの降格もあり複数のクラブが獲得の意向を示す中アトレチコ・パラナエンセが獲得に成功した。2月にケガのため約3週間チームを離脱したものの、州選手権では9試合4得点4アシスト。全国選手権が開幕すると開幕節こそ交代出場から1得点を決めるが、戦術的な理由でベンチスタートが続いていた。しかし、最近は3試合連続でスタメンに起用され、その期待に応え3得点。この試合では左右に流れ中央にスペースを作る動きもみせていたが、このゴールは、ゴールエリア近辺で強さを発揮する特長を前面に出したセンターフォワードらしいゴールとなった。
(BOT) : 90+8' #15 バストス(Bastos, 1991)[#77 ディエゴ・エルナンデス(Diego Hernández, 2000)]
アディショナルタイムは8分。時計の針はすでに後半52分を過ぎている。ボタフォゴは左CKを獲得、GKジョン・ヴィクトル(John Victor, 1996)も相手PA内に上がる。MFディエゴ・エルナンデスが左足でボールを上げると、ゴールから逃げるボールにCBバストスがファーサイドで頭を合わせる。ボールは逆サイドのゴールネットに吸い込まれ、ボタフォゴが土壇場で同点。[1-1]
   CBバストスは、アンゴラ代表として54試合2得点の実績を誇る。2016/17から5シーズンの間ラツィオ/ITAでプレーし94試合9得点の成績を残す。ボタフォゴには2023年8月に加入。当初は出場機会に恵まれなかったが、2024年4月のアルトゥール・ジョルジ(Artur Jorge)監督の就任と共にレギュラーの座を獲得。前々節ではMFディエゴ・エルナンデスのCKから決勝ゴールをマーク。好調ボタフォゴの守備ラインを統率するだけでなく、セットプレーでの得点源としてもチームに大きく貢献している。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:61% 39% ⇒ 前後半:60% 40%
シュート(枠内): 前半:3‐7(0-2) ⇒ 前後半:9-14(2-7)
パス成功率: 前半:86% 81% ⇒ 前後半:86% 81%
Desarmes: 前半:5‐5 ⇒ 前後半:11-10
Faltas Cometidas: 前半:6‐7 ⇒ 前後半:13-14

   ボタフォゴは、公式戦8試合負けなく6勝2分。うち、全国選手権は3勝1分で前節の勝利で遂に首位に立った。
   今節のスタメンには、出場停止明けのVOLダニーロ・バルボーザ(Danilo Barbosa, 1996)、前節6週間ぶりの復帰を遂げたMFエドゥアルド(Eduardo, 1989)がスタメンに復帰。ワントップにFWジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)が入り、前節同様に4-5-1(4-3-2-1)の中盤の厚い布陣が予想される。
   アトレチコ・パラナエンセ(CAP)の前節フラメンゴ戦は、勝てば首位に立つチャンスだったが、90+2分の先制点を、90+9分の実質的に最後のプレーとなるCKで追いつかれ無念の引き分け。今節は2試合連続で首位との対戦となる。
   今節のスタメンは、右SBマジソン(Madson, 1992)に代わり右SBレオ・ゴドイ(Léo Godoy, 1995)。VOLフェリピーニョ(Felipinho, 2001)に代わり、最近の試合で交代出場からチャンスを演出しているFWクエージョ(Cuello, 2000)がスタメンに起用される

   立ち上がりはボタフォゴが試合を支配。相手陣でのプレスが効果を発揮し、ルーズボールをことごとく拾い、ゴール前に押し込んでいく。しかし、ゴール前に人数を割くCAPの守備網を崩し、シュートに持ち込むことは出来ない。
   前半20分を過ぎると、CAPは、左サイドMFクエージョのスピードを生かしたカウンターを仕掛けるようになると、前半26分、VOLフェルナンジーニョ(Fernandinho, 1985)が前に出ているGKの位置を見てハーフライン付近からロングシュート。次第に全体的にポジションを上げていくと、ボールが入るタイミングを狙った前に出る守備に切り替え試合の流れを掴んでいく。
   ボールを前に運びたいボタフォゴに対し、ボール奪取から素早く前方にボールを送るCAPの構図が出来上がり、ボタフォゴがボールを握る時間で上回るものの、相手ゴールに迫る機会ではCAPがボタフォゴを上回る。
   後半8分、CAPが左サイドのMFクエージョを生かした速い攻めからFWマストリアーニのゴールで先制。
   後半12分には、CAPはGKレオ・リンキ(Léo Linck, 2001)の素早いリスタートのロングフィードにMFクエージョが抜け出しGKと一対一。しかし、ここはGKジョン・ヴィクトル(John Victor, 1996)が間合いを詰め身を挺してシュートブロック。
   後半13分にボタフォゴは個の力でチームに推進力を与えることができるMFルイス・エンヒキ(Luiz Henrique, 2001)を投入し打開を図るが、強引なドリブルはCAP守備網に掛かり、戦局を大きく変えるには至らない。
   その後、ボタフォゴも人数をかけた攻撃からシュートに持ち込む機会が増えていくが、それと同時にCAPが効果的なカウンターを発動する機会も増えていく。しかし、両チームGKが安定したプレーでシュートを阻止。試合は、後半アディショナルタイムに入り、このままCAPが逃げ切るかと思われた。
   ところが、後半45+8分、ボタフォゴはCKからCBバストスのヘディングシュートがゴールに決まり同点。直後にタイムアップの笛が吹かれ試合終了。
   上位対決は、1-1の引き分けに終えた。

   ボタフォゴは、前半20分まではいつもの迫力のある攻めで相手をゴール前に押し込んだものの、パスが流れる場面や、ボールを掻き出される場面が散見され、シュートに持ち込むことができず、ボールは持つものの次第に相手に試合をコントロールされるようになった。
   流れの中からは大きなチャンスを迎える機会はほとんどなく、試合終了間際のセットプレーで同点に持ち込み引き分け。試合後のインタビューでCBバストスは「ホームで勝点「2」を失ったのは悔しい。しかし、チーム全員のハードワークで引き分けに持ち込み勝ち点を積み上がげることができたのは大きい」と話した。
   この試合の結果、試合終了時点で首位をキープ。内容に劣った上位対決の難しい試合で得たこの勝点「1」は、バストスの言葉の通り、順位を維持するだけに止まらず、チームの熟成といった意味でも、大きな勝ち点となったかもしれない。

   アトレチコ・パラナエンセは、前節に続く首位との対戦で、前節に続き実質的に最後となるプレーで、いずれもコーナーキックから同点に追いつかれた。
   前半20分以降、守備をベースに試合の流れを掴み始めると、縦に素早くボールを送りシュートで終わる試合展開が続き、試合をコントロール。先制後も試合のスタイル、寄せの強度を維持し、ボタフォゴの特長を消していったが、最後の最後にゴールを奪われた。
   悔しい試合が2試合続いたが全国選手権はまだまだ続く。この2試合を教訓として残り28試合を戦いたい。

アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) 1-2 クリシウーマ(CRI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=iMKSdYwvSp8
(ACG) : 11' #6 ギリェルミ・ホマォン(Guilherme Romão, 1997)[#10 シャイロン(Shaylon, 1997)]
(CRI) : 60' #8 ネウトン(Newton, 2000)[]
(CRI) : 90+13' #14 トラウコ(Trauco, 1992)[FK]

今節前の順位

アトレチコ・ゴイアニエンセは全国選手権2勝2分5敗勝点8の13位。
 コパ・アメリカ代表選手なし。
クリシウーマは全国選手権1勝3分3敗勝点6の18位。(2試合未消化)
 コパ・アメリカ代表選手 :
  CBウィルカー・アンヘル(Wilker Ángel, 1993, ベネズエラ代表)

得点シーン

(ACG) : 11' #6 ギリェルミ・ホマォン(Guilherme Romão, 1997)[#10 シャイロン(Shaylon, 1997)]
アタッキングサード入口右サイドでのスローイン。空中戦からこぼれた球をMFシャイロンが胸でトラップするがやや大きくなる。左サイドから絞り込んだSBギリェルミ・ホマォンがそのボールを奪うかのように強烈なシュート。ボールはゴールネット左に刺さりアトレチコ・ゴイアニエンセが先制。[1-0]
   SBギリェルミ・ホマォンは、コリンチャンス育成出身で、2019年1月に期限付き移籍先のオエスチ(Oeste)からサンパウロ州選手権にて19歳のプロデビュー。同年終盤にはレギュラーとして全国選手権2部を戦う。コリンチャンス復帰後は出場機会に恵まれないが、2021年に入団した全国選手権2部CRBでは3年間で149試合4得点6アシスト。2024年に1部昇格を果たしたアトレチコ・ゴイアニエンセに期限付き移籍で加入し、26歳にして初めての全国選手権1部の舞台に立つ。ACGではチーム31試合のうち28試合(すべて先発)試合に出場し、3得点5アシストを記録中。全国選手権は9試合で3度目の得点関与(1得点2アシスト)、アトレチコ・ゴイアニエンセの主力としてチームを
(CRI) : 60' #8 ネウトン(Newton, 2000)[]
PA近辺左サイドでゴールを細かく繋ぎ、ゴールライン手前からSBトラウコがゴール前に柔らかいボールを送る。ゴール前で混戦となるが、こぼれ球をVOLネウトンが押し込みクリシウーマが同点。[1-1]
   VOLネウトンは、2019年1月バイーア州選手権にてジャクイペンセ(Jacuipense)から18歳のプロデビュー。2022年に期限付き移籍でプレーしたボタフォゴに2024年に完全移籍を果たす。ボタフォゴでは州選手権9試合に出場するが、移籍ウィンドウが締まる直前の4月18日にクリシウーマへの期限付き移籍が決まる。加入後は多くの出場機会に恵まれなかったが、今節は前節に続く先発に抜擢され、クラブ初ゴール。このままレギュラーとして定着することはできるだろうか。
(CRI) : 90+13' #14 トラウコ(Trauco, 1992)[FK]
8分計上されたアディショナルタイムだが、時間は57分を超えている。ゴール正面やや左、ゴールから約20mの位置で獲得したFKを、SBトラウコが直接狙う。壁を超えたボールはファーサイドのサイドネットを揺らすゴラッソ。土壇場でクリシウーマが逆転に成功。[1-2]
   SBトラウコは、3度のコパ・アメリカなどペルー代表として75試合5アシスト。2026W杯南米予選や2024年3月国際親善試合に出場したものの、2024コパ・アメリカでは選外となった。ブラジルでは3年間フラメンゴでプレーし、2017年には53試合4得点3アシストを記録。クリシウーマには2024年にサンノゼ/USAから加入。全国選手権は4試合目の出場で2試合目の先発。ク試合終了間際のFKを直接決めるゴラッソ、しかも、決勝点でラブ初ゴールを飾った。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:50% 50% ⇒ 前後半:50% 50%
シュート(枠内): 前半:4‐8(1-2) ⇒ 前後半:11-17(1-6)
パス成功率: 前半:75% 82% ⇒ 前後半:79% 80%
Desarmes: 前半:7‐5 ⇒ 前後半:12-12
Faltas Cometidas: 前半:7‐2 ⇒ 前後半:10-10

   アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)は、前節フルミネンセ戦を終了間際のゴールで逆転勝ち。
   今節のスタメンは、出場停止のCBアドリアーノ・マルチンス(Adriano Martins, 1997)に代わりCBルイス・グスタヴォ(Luiz Gustavo, 2003)、出場停止明けの左SBギリェルミ・ホマォン(Guilherme Romão, 1997)がスタメン復帰。
   クリシウーマは、前節好調バイーアを相手に2点をリードしたものの、後半18分にGKグスタヴォ(Gustavo, 1993)が不用意な時間稼ぎで2枚目のイエローカードを提示され退場。代わりに入ったGKアリソン(Alisson, 1995)の奮闘も空しく同点に追い付かれた。
   今節のスタメンの変更点は、GK以外に、前節1ゴールの左SBマルセロ・エルメス(Marcelo Hermes, 1995)に代わり元ペルー代表SBトラウコ(Trauco, 1992)、MFマテウジーニョ(Matheusinho, 1998)に代わりMFマルキーニョス・ガブリエウ(Marquinhos Gabriel, 1990)。日程を考慮したスタメン変更と思われる。

   下位を抜け出し中位から上位を目指したい両チームによる試合は、低調な立ち上がり。失点のリスクを恐れ、攻撃に人数を割かない展開となる。
   前半11分、ACGは相手陣入口でのスローインから先制。
   試合のテンポはACG先制後も上がらず、試合は均衡状態を保ったまま前半を終える。
   後半開始時、1点リードのACGが2選手を交替。しかし、ハーフタイムで攻撃面の修正を施したクリシウーマが攻勢に転じる。
   後半12分に、クリシウーマFWアルトゥール・カイーキ(Arthur Caíke, 1992)が左サイドからミドルシュートのゴラッソ。と思われたが、VARによる長い検証の結果、オフサイドの判定に帰する。
   しかし、その3分後の後半15分、左SBトラウコのクロスからの流れで、混戦の中、VOLネウトンがゴール。クリシウーマが同点に追いつく。
   クリシウーマは、後半23分にも左サイドを崩し、FWボラシエ(Bolasie, 1989)がシュート。クリシウーマGKアリソンは、このシュートを両手で弾き出し逆転のゴールを許さない。
   試合は終盤に差し掛かると、ACGも反撃に転じ、オープンな展開となる。
   試合はアディショナルタイムに突入。
   後半45+9分にアトレチコ・ゴイアニエンセGKホナウド(Ronaldo, 1996)がカウンターで抜け出すクリシウーマFWボラシエを倒し、得点機会阻止で一発退場。このプレーで得たFKをSBトラウコが直接ゴールに沈めるゴラッソ。
   その直後にタイムアップの笛が吹かれ、アウェイのクリシウーマが勝点「3」を勝ち取った。

   アトレチコ・ゴイアニエンセは、慎重に入った立ち上がりだったが、早い時間帯の先制点でより消極的な試合運びとなり、後半に同点に追いつかれた後は、攻勢に出るがクリシウーマのカウンターにしばしばピンチを招き、最後はカウンターをファールで止め、FKから逆転ゴールを許し敗戦となった。
   後半開始時にCBルイス・グスタヴォ(Luiz Gustavo, 2003)を下げVOLホニ(Roni, 1999)を投入したが、結果的にこの交代は効果を表さず、クリシウーマの反撃を許すこととなった。
   この結果、勝点は「10」に止まり、暫定順位は15位。次戦は3試合12得点と好調のクイアバ戦。今節は策に溺れた感のあるジャイール・ヴェントゥーラ(Jair Ventura)監督だが、どのようにチームを立て直してくるだろうか。

   クリシウーマは、ほぼ想定通りの試合運びか。前半の早い時間帯の失点は想定外だったろうが、その後は、アトレチコ・ゴイアニエンセが試合のテンポを上げてこなかったのが幸いした。
   前節で得点をあげた左SBマルセロ・エルメスをベンチに置き、左SBトラウコの先発起用には少し意表を突かれたが、そのSBトラウコが1点目の起点となり、試合終了間際での逆転のゴラッソ。クラウジオ・テンカチ(Cláudio Tencati)監督の采配が光った。
   この勝利は、4月27日第4節以来7試合ぶりの勝ち星。この結果、2試合未消化ながら勝点を「9」に伸ばし、順位は14位に浮上した。

サンパウロ(SAO) 0-1 クイアバ(CUI)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=JFl2fG71_Y0

今節前の順位

(CUI) : 82' #11 エリエウ(Eliel, 2003)[#21 ハイラン(Railan, 2000)]
サンパウロは全国選手権4勝3分2敗勝点15の6位。
 コパ・アメリカ代表選手 :
  GKハファエウ(Rafael, 1989, ブラジル代表)
  CBフェラレシ(Ferraresi, 1998, ベネズエラ代表)
  VOLボバディージャ(Bobadilla, 2001, パラグアイ代表)
  MFハメス・ロドリゲス(James Rodríguez, 1991, コロンビア代表)
クイアバは全国選手権2勝1分6敗勝点7の14位。
 コパ・アメリカ代表選手なし。

得点シーン

(CUI) : 82' #11 エリエウ(Eliel, 2003)[#21 ハイラン(Railan, 2000)]
自陣から大きく蹴りだされたボールにFWイシドロ・ピッタ(Isidro Pitta, 1999)がDFと並走しPA内で確保。中央入口に戻したボールはブロックに遭い、その後混戦となるが、こぼれ球をFWエリエウがゴールに蹴り込みゴールネットを揺らす。[0-1]
   FWエリエウは、ポンチプレッタ育成出身で2022年7月全国選手権2部にて19歳のプロデビュー。デビュー戦でプロ初ゴールを記録する。2023年は主力として全国選手権2部など47試合7得点2アシスト。2024年1月に4年契約でクイアバ入り。2024年はこれまで途中交代を中心に24試合に出場し5得点1アシスト。このゴールは3月27日以来、自身12試合ぶりの得点。全国選手権での初ゴール。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:58% 42% ⇒ 前後半:61% 39%
シュート(枠内): 前半:5‐7(2-2) ⇒ 前後半:13-10(4-3)
パス成功率: 前半:89% 82% ⇒ 前後半:89% 81%
Desarmes: 前半:4‐8 ⇒ 前後半:11-13
Faltas Cometidas: 前半:4‐7 ⇒ 前後半:5-16

   サンパウロは、スベルディア監督就任後は公式戦無敗。しかし、最近の全国選手権2試合は引き分けに終えている。前節コリンチャンス戦は後半33分の相手の退場に乗じることができず2-2に終えた。
   今節のスタメンは、前節から中盤を入れ替える。VOLミシェル・アラウーホ(Michel Araújo, 1996)がセグンドボランチに起用され、司令塔役はFWルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)に代わりMFガロッポ(Galoppo, 1999)が務め、前節交代出場で10週間ぶりの復帰を果たしたFWウェリントン・ハット(Wellington Rato, 1992)がスタメンに復帰。
   クイアバは、プチ(Petit)監督就任後の成績が5勝2分2敗、全国選手権では2勝1分2敗の成績を残している。全国選手権は開幕5試合を無得点で5連敗を喫したが、最近の3試合は2勝1敗、この2勝はいずれも5得点を決め、得点力不足は解消された。
   前節5-0の勝利を収めたフォルタレーザ戦でのスタメンからの変更点は一点のみ。出場停止明けのCBマルロン(Marllon, 1992)がスタメンに復帰。

   立ち上がりはホームのサンパウロがボールを支配して試合を進めるものの、ゴール前の守備を固めるクイアバ守備網を崩すことが出来ない。
   前半20分、これまで守勢にまわっていたクイアバが、この試合両チーム合わせ最初の大きなチャンスを演出する。サンパウロ最終ラインから二列目に送られたボールをクイアバMFマックス(Max, 2001)が受け手の前に現れダイレクトにミドルシュート。惜しくもボールはクロスバーを直撃し弾き返される。
   その後もクイアバは、ハーフラインを挟んだ地域を中心に寄せを強め、相手のミスを誘っては相手ゴールに迫る。前半40分を過ぎると、クイアバがボール奪取からショートカウンターを繰り返し発動するようになるが、サンパウロも最終ラインが最後まで集中力を切らせず、GKジャンデルソン(Jandrei, 1993)が安定したプレーでピンチを防いでいく。
   前半は、サンパウロがボールを支配するものの、チャンスの数ではクイアバがサンパウロを上回る。
   サンパウロはハーフタイムに修正を図り後半を迎えたが、試合内容に大きな変化は見られず、後半16分に一気に3選手を交代。すると、ボールロストは減り、再びサンパウロがボールを支配。しかし、効果的にボールをゴール前に運ぶことができず、サイドからのクロスはクイアバDF陣に跳ね返され、バイタルエリアからのミドルシュートで打開を図るも枠を捉えない。
   後半37分、クイアバは自陣PA手前でのパスカットから一気に前線へボールを送り、VOLエリエウのゴールで先制。
   サンパウロは、残り時間もボールを支配し相手ゴールを目指すが、途中出場のFWルーカス・モウラをもってしても最後まで攻撃にスピード感をもたらすことができず試合はタイムアップ。
   アウェイのクイアバが1-0の勝利を収めた。

   サンパウロは、過酷な日程を考え、FWルーカス・モウラやMFホドリゴ・ネストールなど、最近の試合で中心となっている選手を温存して試合に入ったものの、最近の試合で攻撃面でスピード感をチームにもたらしていたFWルーカス・モウラの不在がそのままこの試合のテンポの悪さに繋がった。
   司令塔となるはずだったMFガロッポは厳しいマークに前を向いてプレーできず、MFミシェル・アラウーホは横や後ろへのパスも多く、ボールを前に運ぶ力強さが見られなかった。GKジャンドレイや最終ラインからのボールがカットされる場面が散見され、何度か大きなピンチを招くなど、クイアバの速い出足に最後まで対応できなかった。
   就任後間もなくは、様々な選手を起用、多くのフォーメーションを試し、成功を収めていたスベルディア監督だが、最近の試合ではほぼ固定した選手起用、フォーメーションで試合を進め、結果が出ていない。戦術的にやや手詰まり感もあり、思い切った采配でこの閉塞感を払拭したい。

   クイアバは、スピード豊かな3トップがサンパウロのビルドアップを混乱に陥れ、中盤以下が積極的に前に出る守備でボールを奪い、そこからスピーディーな攻撃を展開。その継続が後半36分の決勝ゴールを呼び込み、1-0の勝利をもぎとった。
   守備面の再構築が着実に進み2試合連続無失点。良い守備から良い攻撃に移行する良いサッカーが構築されつつあり、今後、全国選手権で台風の目となれるだろうか。
   好調を牽引する3トップやそれを支える中盤の選手の連戦の疲れが懸念されるが、選手起用の面でのプチ監督の手腕にも期待したい。

フォルタレーザ(FOR) 1-0 グレミオ(GRE)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=xT9h3d4ajCw
(FOR) : 42' #9 ルセロ(Lucero, 1991)[PK]

今節前の順位

フォルタレーザは全国選手権2勝4分2敗勝点10の12位。(1試合未消化)
 コパ・アメリカ代表選手 :
  CBクスチェヴィッチ(Kuscevic, 1996, チリ代表)
  FWケルビン・アンドラーデ(Kervin Andrade, 2005, ベネズエラ代表)
グレミオは全国選手権2勝0分5敗勝点6の17位。(2試合未消化)
 コパ・アメリカ代表選手 :
  VOLビジャサンチ(Villasanti, 1997, パラグアイ代表)
  FWソテウド(Soteldo, 1997, ベネズエラ代表)

得点シーン

(FOR) : 42' #9 ルセロ(Lucero, 1991)[PK]
相手陣のセットプレーからゴール前に上げたボールはクリアされるが、そのボールを拾ったMFポチェチーノ(Pochettino, 1996)が右サイドへボールを展開。そこからゴール前にクロスボールが送られると、SBチンガ(Tinga, )がビシクレッタ。頭でブロックにいったグレミオDFに当たりボールは枠を外す。しかし、VARが介入。オンフィールドレビューの結果、グレミオDFのハンドの判定が下されフォルタレーザにPKが与えられる。このPKをFWルセロがゴール右に決めホームのフォルタレーザが先制。[1-0]
   FWルセロは、2023年にフォルタレーザに入団したアルゼンチン国籍選手。2016年にマレーシアにて21試合22得点の成績を収め、クラブ・ティフアナ/MEXに移籍し、2021年期限付き移籍先のベレス・サルスフィエルド/ARGにて62試合18得点9アシストと30歳にして素質が開花。2022年コロコロ/CHIにて39試合24得点6アシストを記録し、2023年にフォルタレーザに入団。すると、63試合24得点7アシストを記録し、チームのコパ・スウアメリカーナ準優勝に貢献。2024年もこれまで36試合16得点4アシスト。現在の調子を維持できれば得点のキャリアハイが見込め、それがフォルタレーザ念願の主要大会優勝へと繋がるはず。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:54% 46% ⇒ 前後半:53% 47%
シュート(枠内): 前半:4‐5(2-2) ⇒ 前後半:13-8(4-2)
パス成功率: 前半:87% 84% ⇒ 前後半:88% 84%
Desarmes: 前半:7‐0 ⇒ 前後半:19-7
Faltas Cometidas: 前半:5‐3 ⇒ 前後半:16-6

   フォルタレーザは前節クイアバ戦は0-5の大敗。公式戦は3試合連続無得点で3連敗となった。
   今節のスタメンの変更は、フォルタレーザにしては少なめの4選手の変更。
   グレミオは、前節フラメンゴ戦は1-2の敗戦。内容は圧倒されたが最後に意地のゴールを奪った。その意地を今節に繋げたい。
   今節は、GKマルチェシン(Marchesín, 1988)が3試合ぶりのスタメン復帰。出場停止のCBカネマン(Kannemann, 1991)、FWガウジーノ(Galdino, 1997)に代わり、CBグスタヴォ・マルチンス(Gustavo Martins, 2002)、FWグスタヴォ・ヌーネス(Gustavo Nunes, 2005)が起用される。

   雨が降りしきる中、前半戦はアウェイのグレミオが両サイドを有効に使い、特に左サイドのFWグスタヴォ・ヌーネスと左SBヘイナウド(Reinaldo, 1989)が循環し、フォルタレーザゴールに相次いで迫る。しかし、簡単にはシュートに持ち込めない。
   一方のフォルタレーザは、グレミオの厚い中盤に引っかかり、ボールを効果的に前に運ぶことができない。
   前半35分、フォルタレーザのチーム初シュートがPA内で相手のハンドを誘いPKを獲得。これをFWルセロが確実に決め先制。
   前半44分、ルーズボールの争奪戦で両チーム選手がスライディングでボールにアプローチすると、グレミオVOLペペー(Pepê, 1998)が相手選手の脛をスパイク裏で削る形となり、この試合2枚目のイエローカードが提示され退場。グレミオは後半45分を残し数的不利の状況に陥る。
   前半アディショナルタイムには、フォルタレーザは自陣左サイドライン際でボールを受けたFWブレーノ・ロペス(Breno Lopes, 1996)が大きく前に蹴りだすドリブルでカウンターを発動。最後は後方から駆け込んだMFポチェチーノがシュートを放つが、グレミオGKマルチェシンが両手でボールを弾き返す。
   後半は、立ち上がりからフォルタレーザが試合の主導権を握り、後半5分にMFエマヌエル・マルチネス(Emmanuel Martínez, 1994)が強烈なヘディングシュートを放つがクロスバーに嫌われる。後半21分にはカウンターで抜け出したFWブレーノ・ロペス、後半34分、37分と相次いでFWルセロが好機を迎えるが、グレミオGKマルチェシンの好守もありゴールは生まれない。
   後半45+3分、グレミオFWナタン・フェルナンデス(Nathan Fernandes, 2005)のドリブルで発動されたカウンターから、CBホドリゴ・エリー(Rodrigo Ely, 1993)がシュート。ゴールポストを叩いたボールにFWナタン・フェルナンデスが詰めるが、ボールを芯に充てることができずボールはクロスバーを力なく越えていく。
   試合は、フォルタレーザが一人少ないグレミオの反撃を許さず、1-0の勝利。連敗を止めることに成功した。

   フォルタレーザは、前半は数少ない好機をものにし先制点。一方、後半はカウンターを中心に追加点のチャンスをいくつも迎えたが、退場で一人少ないグレミオから追加点を奪うことができなかった。
   とは言え、ひとまず連敗はストップ。4試合ぶりの得点も生まれた。
   この内容の薄い1勝だけではまだまだ満足できないが、気持ちの切り替えにはなるはず。アトレチコ・ミネイロ、パウメイラスと強敵との対戦が続くが、組織的な守備を取り戻して少しでも多くの勝ち点を積み上げたい。

   グレミオは、前半は縦に速い速攻や、相手PA近辺でのテンポのいいパス交換からチャンスを作り出してはいたが、少し不運なPKと、少し不運な退場があり、1点のビハインドを挽回することができず3連敗。全国選手権は2試合未消化とは言え降格圏の18位に順位を下げた。
   しかし、失点はPKによるもののみ。後半は数的不利で相手がカウンターを狙うのを承知のうえで、攻撃陣は同点、逆転を目指し、守備陣はGKマルチェシンを中心に無失点に抑える大健闘。内容的に完敗となった前節から試合内容は大幅に改善された。
   次節はグレミオ主催ながらコリチバの本拠地コウトペレイラで開催される今季2回目のクラシコ「グレナウ」。100年以上の歴史を持ち、442回目の対戦となる「グレナウ」の州外での対戦は史上2度目の出来事(前回は2011年1月30日、リベルタドーレス開催の都合上、ウルグアイのリベラで開催された)。
   2024年2月25日、前回の対戦ではインテルナシオナウに3-2の撃ち合いで敗れたが、次節はその時の雪辱は果たしたい。

ジュヴェントゥージ(JUV) 2-0 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=SAhS0NYw3JU
(JUV) : 52' #21 ルーカス・バルボーザ(Lucas Barbosa, 2001)[]
(JUV) : 90+8' #20 ジアン・カルロス(Jean Carlos, 1992)[FK]

今節前の順位

ジュヴェントゥージは全国選手権2勝4分2敗勝点11の11位。(1試合未消化)
 コパ・アメリカ代表選手なし。
ヴァスコ・ダ・ガマは全国選手権2勝1分6敗勝点7の15位。
 コパ・アメリカ代表選手なし。

得点シーン

(JUV) : 52' #21 ルーカス・バルボーザ(Lucas Barbosa, 2001)[]
センターサークルから左サイドに送られたボールを受けたFWマルセリーニョ(Marcelinho, 2002)がPA手前左から思い切りよくミドルシュート。DFにブロックされたボールをPA手前約10mの位置で拾ったFWルーカス・バルボーザがミドルシュート。低い弾道でゴール右にボールが突き刺さるゴラッソ。ホームのジュヴェントゥージが先制。[1-0]
   FWルーカス・バルボーザは、サントスからの期限付き移籍でプレー。2022年にはサントスにて41試合4得点4アシストの成績を収めるが、2023年は22試合3得点の成績を残し7月にコリチバへ期限付き移籍。今季は新天地で既に26試合に出場しキャリアハイの8得点、3アシストを記録中。194cmの長身ながらスピードもあり、ホージェル・マシャード監督のもと、素質を開花しつつある。
(JUV) : 90+8' #20 ジアン・カルロス(Jean Carlos, 1992)[FK]
自陣PAを少し出た位置GKガからのFKをブリエウ(Gabriel, 1991)が前線へロングフィード。FWタリアリ(Taliari, 1997)がDFの背後から抜け出す。ヴァスコSBヴィトル・ルイス(Victor Luís)がPA手前でFWタリアリを後方から押し倒し一発退場。ジュヴェントゥージはFKを獲得。MFジアン・カルロスが左足で軽く蹴ったシュートはクロスバーを直撃し跳ね返りのボールがGKの背中に当たりゴールイン。[2-0]
   MFジアン・カルロスは、パウメイラス育成出身で、期限付き移籍先でのプロデビュー後は下位リーグでのプレーが続く。今季を迎えるまで全国選手権1部でのプレーは、2016年に期限付き移籍でプレーしたサンパウロにて3試合66分に出場したのみ。2020‐22年に在籍した全国選手権2部ナウチコにてプロサッカー人生で初めてレギュラーの座を掴むと3年間計140試合34得点25アシスト。2023年は全国選手権2部セアラーで53試合7得点5アシスト。2024年シーズンを前にジュヴェントゥージに加入すると、4月17日全国選手権第2節までチームの全試合に出場し、全国選手権での開幕2戦連続ゴールなど、4得点7アシストを記録した。しかし、翌第3節の試合中のケガのため戦列を離脱し、この試合が約2か月ぶりの試合となった。遅咲きのMFジアン・カルロスだが、ジュヴェントゥージの上位躍進には彼の活躍が不可欠だ。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:58% 42% ⇒ 前後半:54% 46%
シュート(枠内): 前半:5‐1(3-0) ⇒ 前後半:12-5(4-2)
パス成功率: 前半:85% 78% ⇒ 前後半:84% 77%
Desarmes: 前半:5‐5 ⇒ 前後半:11-11
Faltas Cometidas: 前半:2‐11 ⇒ 前後半:14-18

   ジュヴェントゥージは、前節RBブラガンチーノ戦は1-2の敗戦。前半12分に相手から退場者が出て、ボールを支配したものの、ゴールは遠く、後半35分過ぎに失点を喫した。
   今節のスタメンは、前節のものから4選手が変更。最終ラインの2選手とMFネネー(Nenê, 1981)のフッキは戦術的理由、過密日程を考慮したものと思われる。
   ヴァスコ・ダ・ガマは、アウヴァロ・パシェコ(Álvaro Pacheco)監督が就任し3試合を終えた。1-6、0-2、0-0と未勝利ながら、結果、内容共に良化はしている。今節も守備を優先し、ロースコアの試合を繰り広げたい。
   今節のスタメンは、攻撃の核FWベヘッチ(Vegetti, 1988)が出場停止。前節終盤にFWベヘッチに代わり出場し、3月12日以来の先発となるFWクレイトン・シウヴァ(Clayton Silva, 1999)がセンターフォワードに入る。その他に変更はない。

   ホームのジュヴェントゥージが立ち上がりからボールを支配し、多くの時間を相手陣でボールを展開する。しかし、前節RBブラガンチーノ戦に続き、ゴール前でのアイディアに欠き、決定的なシーンを演出することができない。
   低調な展開が続くが、前半40分を過ぎ、ヴァスコ・ダ・ガマが人数をかけた攻撃に打って出る。右サイドからFWホッシ(Rossi, 1993)がクロス。ジュヴェントゥージVOLジャジソン(Jádson, 1993)がカットしたボールはあわやオウンゴール。GKガブリエウ(Gabriel, 1992)が辛うじてCKに逃れる。
   後半45+2分、ジュヴェントゥージは右サイド深くにボールを運び、PA左入口へマイナスのパス。FWルーカス・バルボーザが柔らかいボールをゴール前に上げ、そこにMFネネーが飛び込むが、ヘディングシュートはクロスバーを越える。
   後半開始時にヴァスコ・ダ・ガマは2選手を交代。
   後半3分、交代したばかりのFWハイアン(Rayan, 2006)が右サイドゴールライン際からクロスを上げるが、FWクレイトン・シウヴァのヘディングシュートはクロスバーを越える。
   後半7分、ジュヴェントゥージはFWルーカス・バルボーザが豪快なミドルシュートを決めジュヴェントゥージが先制。
   後半20分、FWハイアンが、右サイドからクロスを上げ、ニアサイドでコースが変わったボールにファーサイドでFWセルジーニョ(Serginho, 1995)が飛び込むが、当たりが浅くゴール枠を捉えない。
   後半43分、ヴァスコ・ダ・ガマは左CKからの流れでVOLスフォルサ(Sforza, 2002)がミドルシュート。GKが弾き返したボールをCBレオ(Léo, 1996)が押し込むが判定はオフサイド。
   ヴァスコ・ダ・ガマの攻勢をしのぐと、ジュヴェントゥージは試合終了間際にGKのロングフィードから相手陣PA手前でFKを獲得。これをMFジアン・カルロスが直接決め、その直後にタイムアップ。
   低迷する両チームの試合は低調な展開が続いたが、ゴラッソを2本決めたホームのジュヴェントゥージが2-0の勝利を収めた。

   ジュヴェントゥージは、この勝利で勝点を「13」に伸ばし11位に浮上。しかし、前節のRBブラガンチーノ戦に続き、ボールを支配した局面で効果的な攻撃を展開できず、ミドルシュートと直接FKの2度のゴラッソで辛うじて勝ち星をものにした。
   戦力的に上位に劣るジュヴェントゥージが守備的になるのは致し方ないが、不振が続くチームとの対戦では、確実に勝ち点を奪うためにも攻撃面での連係を高めたい。
   守備的な戦術を得意とするホージェル・マシャード(Roger Machado)監督だが、自身がもう一段上のレベルに上がるためにも、相手の守備を崩すような攻撃陣を構築したい。

   ヴァスコ・ダ・ガマは、この試合も無得点の敗戦。前半は守備に専念し、後半に選手交代を通じて、攻撃に軸を移すのは、戦前の戦略通りの展開だったのかもしれないが、攻撃に軸足を移した直後の失点でプランが狂った。
   センターフォワードに入ったFWクレイトン・シウヴァは健闘したものの、FWベヘッチとの比較では、ボールの引き出しや、ポストプレーの力強さといった多くの面で見劣りした。次節はFWベヘッチが復帰。FWベヘッチを軸に、後半に良質のクロスを供給したFWハイアンなどを絡めアウヴァロ・パシェコ監督初勝利を勝ち取りたい。
(追記)
   試合翌日の6月20日、ヴァスコ・ダ・ガマはアウヴァロ・パシェコ監督の解任を発表した。

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