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全国選手権第12節 対戦組合せ
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/06/26 クルゼイロ(CRU) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)
・2024/06/26 ボタフォゴ(BOT) x RBブラガンチーノ(RBB)
・2024/06/26 コリンチャンス(COR) x クイアバ(CUI)
・2024/06/26 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) x グレミオ(GRE)
・2024/06/26 ジュヴェントゥージ(JUV) x フラメンゴ(FLA)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第12節(2/2)[06/26-27]
・2024/06/26 インテルナシオナウ(INT) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
・2024/06/26 バイーア(BAH) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
・2024/06/26 フォルタレーザ(FOR) x パウメイラス(PAL)
・2024/06/27 フルミネンセ(FLU) x ヴィトーリア(VIT)
・2024/06/27 サンパウロ(SAO) x クリシウーマ(CRI)
全国選手権第12節 試合概要
クルゼイロ(CRU) 2-0 アトレチコ・パラナエンセ(CAP)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=NAqZEW9goNc
(CRU) : 15' #30 ガブリエウ・ヴェロン(Gabriel Veron, 2002)[#10 マテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)]
(CRU) : 90+1' #22 ヴィチーニョ(Vitinho, 2004)[]
今節前の順位
クルゼイロは全国選手権5勝2分3敗勝点17の8位。(1試合未消化)
コパ・アメリカ代表選手 :
MFホセ・シフエンテス(José Cifuentes, 1999, エクアドル代表)
アトレチコ・パラナエンセは全国選手権5勝4分2敗勝点18の5位。
コパ・アメリカ代表選手 :
GKベント(Bento, 1999, ブラジル代表)
FWカノービオ(Canobbio, 1998, ウルグアイ代表)
得点シーン
(CRU) : 15' #30 ガブリエウ・ヴェロン(Gabriel Veron, 2002)[#10 マテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)]
センターサークル内から縦に入るボールに対し、FWマテウス・ペレイラが下がり、食いつくDFが空けたスペースに踵でボールを流すと、FWガブリエウ・ヴェロンが抜け出し、GKの位置をよく見てファーサイドへシュート。ボールはゴールネットを揺らし、クルゼイロが先制。[1-0]
FWガブリエウ・ヴェロンは、2試合連続ゴール。2024年4月14日のクラブデビュー以来途中交代出場を繰り返し、5月30日の試合からは7試合連続でスタメンに起用されているが、前節にクラブ初ゴールに続くゴールで、やっとチーム戦術にフィットしてきた感がある。この試合では、他にもタイミングのいい抜け出しや、惜しいシュートなども見られ、今後、ゴールの量産体制に入る可能性も。
(CRU) : 90+1' #22 ヴィチーニョ(Vitinho, 2004)[]
PAの左外からMFマテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)がゴール前にクロス。MFヴィチーニョのシュートは一度はGKに阻まれたものの、跳ね返りのボールをゴールに蹴り込み、クルゼイロが試合を決定づける追加点。[2-0]
MFヴィチーニョは、ポンチプレッタ育成出身で2022年10月全国選手権2部にて18歳のプロデビュー。2023年にクルゼイロU-20チームに移籍し、中盤ながら34試合で7得点を記録。2024年1月開催のU-20全国大会カップ戦準優勝後にトップチームへの昇格を果たす。5月12日にクラブデビューを果たすと、以降は多くの試合で交代出場を果たし、20分間前後のプレー。自身クルゼイロで9試合目となるこの試合で、嬉しいプロ初ゴールを記録した。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:50% 50% ⇒ 前後半:50% 50%
シュート(枠内): 前半:12‐3(5-0) ⇒ 前後半:22-13(7-3)
パス成功率: 前半:84% 83% ⇒ 前後半:85% 85%
Desarmes: 前半:11‐12 ⇒ 前後半:15-22
Faltas Cometidas: 前半:5‐1 ⇒ 前後半:8-6
クルゼイロは、公式戦最近の10試合は7勝1分2敗と好調。2敗はいずれも退場者を出し、その後に失点を許したもの。規律を高め、不用意なカードを回避したい。
今節のスタメンは、出場停止の左SBマルロン(Marlon, 1997)に代わり、左SBカイキ・ブルーノ(Kaiki Bruno, 2003)。ケガ明けのFWアルトゥール・ゴメス(Arthur Gomes, 1998)が6週間ぶりのスタメンに復帰。
フェルナンド・セアブラ(Fernando Seabra)監督のもと、ミネイロン競技場では今季4戦4勝。相性のいいスタジアムで勝点「3」を勝ち取りたい。
アトレチコ・パラナエンセは、3試合連続で後半アディショナルタイムにセットプレーから失点を喫し、3試合連続の引き分け。前節終了後にクーカ(Cuca)監督は辞任を申し入れ、翌日受理された。今節はジュカ・アントネロ(Juca Antonello)監督代行が指揮を執る。
今節のスタメンは、足に異状を感じるFWクエージョ(Cuello, 2000)に代わり、FWジュリマール(Julimar, 2001)が5月1日以来のスタメン起用。
悪い流れを止めたいアトレチコ・パラナエンセは、5バックで試合に入り、中に入るボールに対し寄せを強める守備戦術をとる。前半10分を過ぎると、アトレチコ・パラナエンセはカウンターから相次いでセットプレーを獲得。劣勢のアトレチコ・パラナエンセが相手ゴールに迫る。しかし、前半15分、クルゼイロはリスタートによるビルドアップから、ハーフラインを越えて攻撃を一気に加速しFWガブリエウ・ヴェロンがゴール。ホームのクルゼイロが先制点を奪う。
先制後もクルゼイロは攻撃的な姿勢を変えず、同点に追いつきたいアトレチコ・パラナエンセの攻撃の芽を中盤のパスカットやボール奪取で悉く摘み取り、クルゼイロがシュートでターンを終える展開が続く。
前半終了間際に、アトレチコ・パラナエンセは相次いでセットプレーのチャンスを迎えるが、クルゼイロの対応がそれを上回り、シュートに持ち込むことができず、前半終了の笛が吹かれる。
後半に入り、アトレチコ・パラナエンセは、全体的にラインを上げるが、中盤でのボールロストはなくならない。後半8分、アトレチコ・パラナエンセは、クルゼイロのCKからのこぼれ球に対する処理ミスを突き、一気にカウンターを仕掛けるが、クルゼイロ左SBカイキ・ブルーノがPA入口でボールを掻き出しCKに逃れる。
後半15分を過ぎる頃になると、アトレチコ・パラナエンセは中盤でのボールロストも減り相手ゴールに迫る機会が増える。一方のクルゼイロもカウンター狙いへと姿勢を変え、後半21分にゴールネットを揺らすがオフサイド。
後半25分を過ぎ、アトレチコ・パラナエンセが攻勢を強め、クルゼイロは4-4もしくは4-5のスペースを閉じる守備に転換。
後半42分、アトレチコ・パラナエンセは右CKからCBカイキ・ホッシャ(Kaique Rocha, 2001)のヘディングシュートがGKアンデルソン(Anderson, 1998)を襲うが、GKアンデルソンが辛うじてCKに逃れる。続くCKでは、アトレチコ・パラナエンセがFWパブロなどが相次いでシュートに持ち込むが、GKアンデルソンを中心にクルゼイロはゴールを守り抜く。
後半45+1分、PAの左外からMFマテウス・ペレイラがゴール前にクロス。MFヴィチーニョが試合を決定づけるゴール。
試合は2-0のスコアでホームのクルゼイロが勝利を収めた。
クルゼイロが、後半終盤のセットプレーからのピンチを除き、試合の主導権を終始握り続けた。
MFマテウス・ペレイラが中盤を支配。マイボールを受けるとワンタッチ、ツータッチで、スルーパスや左右にボールを散らし攻撃のタクトを振るう。守備面では自陣からのクリアボールをほぼすべて納め、攻撃へと迅速に移行する。前半はFWガブリエウ・ヴェロンの先制点をアシスト、後半アディショナルタイムには、MFヴィチーニョのプロ初ゴールの起点となった。
SBカイキ・ブルーノも攻守に大活躍。前半からデュエルで相手を上回り、後半8分のアトレチコ・パラナエンセのカウンターではシュートに持ち込まれる前にボールを掻き出し、後半15分にはオーバーラップから、判定はオフサイドだったものの、FWがゴールネットを揺らす良質のクロスを供給。
全国選手権後半に向け、クルゼイロは、FWカイオ・ジョルジ(Kaio Jorge, 2002)、MFマテウス・エンヒキ(Matheus Henrique, 1997)、VOLワラシ・ソウザ(Walace Souza, 1995)の大型補強を実施。7月10日から試合出場が認められる。
チームとしてのベースが確実に底上げされているだけに、全国選手権の有力候補に浮上する可能性は高い。
アトレチコ・パラナエンセは、4試合連続で後半アディショナルタイムに失点を喫する厳しい状況が続く。
過去3戦とは状況が異なるとは言え、惜しいセットプレーからの攻撃が続いた直後の後半アディショナルタイムに、カウンターからダメ押しのゴールを奪われた。
攻撃面では、効果的に前にボールを運ぶことができず、セットプレーも、後半の終盤には惜しい場面も見られたが、多くはクルゼイロ守備陣に脅威を与えるには至らなかった。
精神的に追い詰められた状況でもあるが、精神的な柱となるベテランVOLフェルナンジーニョ(Fernandinho, 1985)が試合終了間際に2枚目のイエローカードを提示され、次節は出場停止。
苦しい状況は続くが、一試合でも早く現状を打開したい。
なお、この試合では、MFジョアン・クルス(João Cruz, 2006)が後半18分にピッチに送り出され18歳のプロデビューを飾った。
ボタフォゴ(BOT) 2-1 RBブラガンチーノ(RBB)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=6K8PBzdxcRY
(RBB) : 6' #8 ルーカス・エヴァンジェリスタ(Lucas Evangelista, 1995)[#11 エリーニョ(Helinho, 2000)]
(BOT) : 21' #33 エドゥアルド(Eduardo, 1989)[#9 チキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)]
(BOT) : 52' #33 エドゥアルド(Eduardo, 1989)[#9 チキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)]
今節前の順位
ボタフォゴは全国選手権6勝2分3敗勝点20の4位。
コパ・アメリカ代表選手 :
FWサバリーノ(Savarino, 1996, ベネズエラ代表)
RBブラガンチーノは全国選手権5勝3分3敗勝点18の6位。
コパ・アメリカ代表選手 :
SBアンドレス・ウルタド(Andrés Hurtado, 2001, エクアドル代表)
得点シーン
(RBB) : 6' #8 ルーカス・エヴァンジェリスタ(Lucas Evangelista, 1995)[#11 エリーニョ(Helinho, 2000)]
低い位置まで下りてボールを受けるFWエリーニョと入れ替わるように縦に上がるMFルーカス・エヴァンジェリスタ。FWエリーニョはボールを受けるや、縦にスルーパス。最終ラインを抜け出たMFルーカス・エヴァンジェリスタが、GKとの一対一をGKの足元を抜くシュートで制し、RBブラガンチーノが早くも先制する。[0-1]
MFルーカス・エヴァンジェリスタは、2015U-20南米ユース選手権代表で6試合に出場。育成型クラブのデスポルチーヴォ出身で2012年5月サンパウロ州最下層リーグで17歳のプロデビュー。翌年サンパウロU-20に移籍し、2013年6月全国選手権にてクラブデビューを果たす。2014年8月ウディネーゼ/ITAへ移籍するが、出場機会に恵まれず、ギリシャやポルトガルでもプレー。2018年7月ナント/FRAに移籍するものの、19試合に出場するにとどまり、ヴィトーリアSC/PORを経て、2020年8月に期限付き移籍にてRBブラガンチーノに入団。RBブラガンチーノのボールも地域も支配するサッカーに適性を示し、主力の一人として、2021年コパ・スウアメリカーナ準優勝などクラブと共に成長している。
(BOT) : 21' #33 エドゥアルド(Eduardo, 1989)[#9 チキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)]
アタッキングサード入口右サイドライン際からの右SBダミアン・スアレス(Damián Suárez, 1988)のクロスはゴール前でクリアされるが、クリアボールが短くなったところをPA入口でMFチェチェー(Tchê Tchê, 1992)が空中戦に競り勝ちボールを落とす。FWチキーニョ・ソアレスがポストプレーでボールをはたき、MFエドゥアルドがボールを受けると、MFチェチェーが縦に上がり、MFエドゥアルドは僅かに出来たスペースからシュート。これがゴール右に突き刺さりボタフォゴが試合を振り出しに戻す。[1-1]
MFエドゥアルドは、育成型クラブのデスポルチーヴォ育成出身で、期限付き移籍先のイトゥアーノから2009年1月サンパウロ州選手権にて19歳のプロデビュー。同年5月にはフルミネンセへの期限付き移籍により全国選手権9試合1得点の成績も残す。2011年1月エストリウ・プライア(Estoril Praia)/PORへ期限付き移籍し瞬く間にレギュラーの座に就くと、2013/14年を前にポルト/PORへ完全移籍を果たす。その後、ニース/FRAや中東3クラブでプレーし、2022年7月ボタフォゴに入団し、ブラジルに11年半ぶりの復帰。当時のルイス・カストロ(Luís Castro)監督の中盤の欠かせないピースとして活躍。2024年はケガもあり、これまで22試合の出場に止まっているが、8得点3アシストを記録している。
(BOT) : 52' #33 エドゥアルド(Eduardo, 1989)[#9 チキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)]
右サイドライン際を相手陣内に入った位置から右SBダミアン・スアレスがPA手前にグラウンダーのパス。DFを背にMFエドゥアルドがボールをはたきVOLマルロン・フレイタス(Marlon Freitas, 1995)にボールを預け、自身はゴールラインと平行に逆サイドへ走る。FWチキーニョ・ソアレスにボールが繋がると、FWチキーニョ・ソアレスはワンタッチでMFエドゥアルドの目の前にボールを置く。左足から放たれたシュートはゆっくりと巻き込みゴール左に刺さるゴラッソ。ホームのボタフォゴが逆転。[2-1]
SBダミアン・スアレスは、2022W杯南米予選などウルグアイ代表として7試合2アシストの経歴。2007年U-20W杯(3試合)、U-20南米ユース選手権(9試合)代表。2008年にデフェンソール・エスポルティング(Defensor Sporting)/URUにてプロデビューを果たし、2010/11年を前にスポルティング・ヒホン(Sporting Gijón)/ESPへ移籍(20試合)。その後、エルチェ/ESP(102試合3得点1アシスト)、ヘタフェ/ESP(295試合4得点20アシスト)とスペインで12シーズンを過ごす。2024年2月ボタフォゴに加入。当初はSBマテオ・ポンテ(Mateo Ponte, 2003)と併用されていたが、現在ではレギュラーとして活躍。この試合では記録には残らないが、2得点の起点となった。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:54% 46% ⇒ 前後半:51% 49%
シュート(枠内): 前半:7‐2(3-2) ⇒ 前後半:12-10(5-5)
パス成功率: 前半:84% 78% ⇒ 前後半:81% 80%
Desarmes: 前半:7‐6 ⇒ 前後半:12-8
Faltas Cometidas: 前半:3‐4 ⇒ 前後半:13-13
ボタフォゴは、前節クリシウーマ戦で10試合ぶりの敗戦。しかし、前々節も内容で相手に上回られ、最後にセットプレーから何とか追いついた試合。一時の好調がやや足踏み状態となっている。
前節試合後に松葉杖をつきスタジアムを後にしたFWジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)が欠場。他に3選手が出場停止。ベテラン左SBマルサウ(Marçal, 1989)が4月14日以来の試合。4-3-2-1の陣形でワントップにFWチキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)が入る。
RBブラガンチーノは、上位につけるものの、強さと共に脆さを併せ持った試合が続き、一進一退の状況に陥っている。
今節は、GKクレイトン(Cleiton, 1997)とFWエドゥアルド・サーシャ(Eduardo Sasha, 1992)が足元に不安があり欠場。これまで全国選手権の全11試合に出場してきたFWモスケラ(Mosquera, 2001)が出場停止。東京五輪代表GKルカォン(Lucão, 2001)、FWチアゴ・ボルバス(Thiago Borbas, 2002)、CBエドゥアルド・サントス(Eduardo Santos, 1997)が入り、4-3-3から4-4-2へのフォーメーション変更。
ホームのボタフォゴが立ち上がりから積極的な試合を展開。ボールを支配し、相手陣PA近辺に人数をかけた攻撃でRBブラガンチーノ守備陣に圧力をかける、しかし、前半6分、RBブラガンチーノがハーフライン手前からのカウンター、ゴール前に抜け出したMFルーカス・エヴァンジェリスタのゴールで先制。
リードを許したボタフォゴは、さらに相手への圧力を高め、前半21分にMFエドゥアルドのゴールで試合を振り出しに戻す。
前半43分、RBブラガンチーノはセンターサークル内のCBエドゥアルド・サントスがPA左へ柔らかなフィード、前に飛び出すGKの目の前でMFジュニーニョ・カピシャバ(Juninho Capixaba, 1997)がボールに触れると、こぼれたボールにFWチアゴ・ボルバスがシュートに持ち込む。しかし、その寸前に後方からCBバストス(Bastos, 1991)が足を伸ばし、ボールを搔き出しピンチを救う。
後半も前半に続き、ボタフォゴの攻勢で試合に入ると、後半7分に、MFエドゥアルドのこの試合2点目のゴールで逆転。直後の後半12分にRBブラガンチーノは3選手を交代し、反撃態勢に入る。
RBブラガンチーノは、中盤でのボール支配が高まり、試合を均衡状態へと持ち込むがシュートに持ち込むまでは至らない。
RBブラガンチーノは、後半35分を過ぎ、セットプレーからチャンスを迎えるようになると、セカンドボールを拾い、流れの中からも相手ゴールに迫っていく。後半43分、PA近辺でのボール回しから右SBナタン・メンデス(Nathan Mendes, 2002)がクロス、FWヴィチーニョ(Vitinho, 1999)がファーサイドで頭を合わせるが、ボタフォゴGKジョン・ヴィクトル(John Victor, 1996)が片手で掻き出すスーパーセーブ。
試合終了間際にもRBブラガンチーノが自陣から縦に速い攻撃でボタフォゴゴールに迫るが、シュートタイミングを失い、角度がない位置から放たれたシュートをGKジョン・ヴィクトルが冷静に身を挺して弾き返すと、試合はタイムアップ。
久しぶりに厚みのある攻撃が機能したボタフォゴが、粘るRBブラガンチーノの反撃を許さず、逆転勝ちを収めた。
ボタフォゴが、ここ2戦の消化不良な内容を払拭する攻撃的な試合をホームで取り戻し、3試合ぶりの勝利。
今季は負傷者の代役出場が多くなっているMFエドゥアルドだが、負傷退場のFWチキーニョ・ソアレスに代わりピッチに立った4月24日リベルタドーレスは、開幕2連敗後の勝たなければならない試合だったが、その試合で2ゴールをマークしチームの勝利に貢献。今節はチームが不満足な内容の試合が続く中、FWジュニオール・サントスの負傷を受け先発に起用され2得点、大事な局面で強さを発揮している。いずれの試合もプレースタイルが異なるフォワードの選手との交代となったが、フォワード勢に勝るとも劣らないゴールの嗅覚でピンチの窮地を救っている。
上位勢の敗戦もあり、この勝利により首位まで勝点差「1」の3位に再び浮上。
この試合の勢いを継続し、混戦の全国選手権を一気に抜け出したい。
RBブラガンチーノは、最近は勝ちと負けを交互に繰り返し、チーム状況は安定しない。
今節は、チームスタイルのお株を奪われボールを支配され自陣に押し込まれる展開だったが、自陣からの見事なカウンターで先制。前半終了間際には、最終ラインからのロングフィードから好機を演出。試合終盤の分厚い攻撃には迫力があり、カウンターも未然に防ぐなど、今後に向け、一皮むけるヒントがいくつかあったように思われた試合だった。
つまり、ボール支配に固執するだけでなく、ピッチを広く使い、時間帯によっては相手にボールをもたせるなど、試合をコントロールする術を手に入れれば、現在の閉塞感を一気に打開できるのではないだろうか(そんな単純なものではないのだろうが)。
コリンチャンス(COR) 1-1 クイアバ(CUI)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=nYgYC-XsHqE
(CUI) : 5' #4 マルロン(Marllon, 1992)[#33 アラン・エンペレウール(Alan Empereur, 1994)]
(COR) : 86' #21 マテウス・ビドゥ(Matheus Bidu, 1999)[]
今節前の順位
コリンチャンスは全国選手権1勝5分5敗勝点8の18位。
コパ・アメリカ代表選手 :
CBフェリックス・トーレス(Félix Torres, 1997, エクアドル代表)
FWアンヘル・ホメーロ(Ángel Romero, 1992, パラグアイ代表)
クイアバは全国選手権3勝2分6敗勝点10の14位。
コパ・アメリカ代表選手なし。
得点シーン
(CUI) : 5' #4 マルロン(Marllon, 1992)[#33 アラン・エンペレウール(Alan Empereur, 1994)]
FWクレイソン(Clayson, 1995)がキッカーを務める左CK。右足で上げられたボールは、CBマルロンの頭上を越え、CBアラン・エンペレウールの体に当たり跳ね返る。そのこぼれ球をCBマルロンが押し込みアウェイのクイアバが先制。[0-1]
CBマルロンは、フラメンゴ育成出身で、2012年1月リオデジャネイロ州選手権にて19歳のプロデビュー。しかし、ポジションに定着できず期限付き移籍を繰り返し契約満了を迎える。2016年に所属したアトレチコ・ゴイアニエンセではチーム最多の52試合4672分出場し、チームの全国選手権2部優勝に貢献。2018年にはポンチプレッタを経てコリンチャンスに移籍するが、出場機会に恵まれず、2021年に1部初昇格のクイアバに加入。加入後はレギュラーの座を維持し、2023年はチーム最多の54試合4815分の出場。2024年もフィールドプレーヤー最多の2739分の出場。クイアバの1部定着の礎となる活躍を繰り広げている。
(COR) : 86' #21 マテウス・ビドゥ(Matheus Bidu, 1999)[]
相手陣深く右サイドからFWグスタヴォ・モスキート(Gustavo Mosquito, 1997)が一対一の状況から縦に仕掛けゴール前にクロスボールを送る。ニアサイドでFWペドロ・ハウーウ(Pedro Raul, 1996)がボールを収め振り向きざまにシュート。ブロックされたボールは逆サイドへ流れるが、ピッチに送り出されたばかりの左SBマテウス・ビドゥが走り込みダイレクトにシュート。ボールはゴールネットに突き刺さる。コリンチャンスが土壇場に同点。[1-1]
SBマテウス・ビドゥは、グアラニー育成出身で、2019年9月全国選手権2部にて20歳のプロデビュー。翌2020年、2021年と主力として活躍し、2022年は期限付き移籍にてクルゼイロでプレー。2023年にコリンチャンスに加入し、ファビオ・サントス(Fábio Santos, 1985)に2番手SBとして38試合1得点1アシストを記録。2024年はケガによる出遅れや、アントニオ・オリヴェイラ(António Oliveira)監督のサッカーに適応できず、これが5試合目の出場となったが、チームの窮地を救う土壇場での同点ゴール。これを機にポジションを奪回したい。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:57% 43% ⇒ 前後半:59% 41%
シュート(枠内): 前半:9‐7(2-2) ⇒ 前後半:21-12(5-4)
パス成功率: 前半:85% 78% ⇒ 前後半:83% 75%
Desarmes: 前半:10‐15 ⇒ 前後半:24-22
Faltas Cometidas: 前半:5‐4 ⇒ 前後半:8-13
コリンチャンスは、全国選手権を7試合未勝利。前節は後半アディショナルタイムのゴールで引き分けに終え、勝点「1」を積み上げたものの、降格圏の18位に低迷している。
今節は、出場停止明けのFWユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)が先発に復帰。
クイアバは、全国選手権開幕6試合で無得点だったものの、続く5試合は5得点が2試合など12ゴールで3勝1分1敗。その5試合は計4失点。直近の3試合は無失点と、プチ(Petit)監督のチームの立て直しが効果を発揮している。
今節は、好調な攻撃陣を牽引してきた一人、MFマックス(Max, 2001)が左ふくらはぎのケガのため欠場。一方で、堅守を支える一人、左SBハモン(Ramon, 2001)が出場停止明けでスタメンに復帰。
キックオフ直後から、アウェイのクイアバが最近の好調を象徴する高い位置でのプレスが機能。すると、早くも前半4分にCKから元コリンチャンス所属CBマルロンのゴールで先制する。
試合は中盤でのボール争奪戦が激しくなり、両チームともボール奪取後の縦に速い攻撃が中心となり、攻守が目まぐるしく変わる。一進一退の攻防が続く中、コリンチャンスは、早くも前半35分に選手交代。CBカエタノ(Caetano, 1999)を下げFWペドロ・ハウーウ(Pedro Raul, 1996)を投入し、攻撃陣の人数を増やす。
ところが、前半44分、クイアバがカウンターからゴールネットを揺らす。しかし、判定は僅かにオフサイド。
後半5分、クイアバCFイシドロ・ピッタ(Isidro Pitta, 1999)がカウンターからPA深くに侵入。マークに付いたCBカカー(Cacá , 1999)の手がFWピッタの顔を殴る形となり、オンフィールドレビューの末、主審はクイアバにPKの判定を下す。しかし、このPKはFWピッタが真正面に蹴ったボールをGKマテウス・ドネリ(Matheus Donelli, 2002)が足を残し弾き返す。
GKマテウス・ドネリは、後半34分にも、クイアバが左サイドを崩し、マイナスのパスからフリーになったVOLルーカス・フェルナンデス(Lucasu Fernandes, 1997)のシュートをストップ。
後半38分、コリンチャンスは最後の2枚の交代カードを切ると、ここで投入された左SBマテウス・ビドゥのこの試合でのファーストタッチが豪快な同点ゴール。
試合はこのままタイムアップ。1-1のスコアで両チーム勝点「1」を分け合う結果に終えた。
コリンチャンスは、2試合連続で試合終盤のゴールで試合を引き分けに持ち込んだ。しかし、いずれも内容的には相手を上回られており、あまり良化が見られない。
中盤にボールを握れるMFロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)とMFイゴル・コロナド(Igor Coronado, 1992)を並べるが、両選手ともにゴール前に飛び出す機会はほとんどなく、相手守備陣にとってはFWユーリ・アウベルトやFWペドロ・ハウーウの高さのある選手のマークがしやすい状況。
サイドをゴールライン際にボールを持ち上がり攻める形が多いわけでもなく、この2選手の共用、ポジショニングには、個人的に常に疑問が付きまとっている。
間もなく3分の1を終える全国選手権での得点数は試合数を下回る9得点。良化が見られないこの布陣にいつまで固執するのだろうか。
クイアバは、相次ぐ好機を逃し、終盤に同点に追い付かれる悔しい試合。
最近の好調を支える戦術のベースが固まり、そのベースに沿った試合展開でアウェイで優位に試合を進めたのは好材料だが、もう一段上の順位を狙うには、最後の精度を高める必要がある。
一方で、守備面は、今節も1失点に抑えており、守備から攻撃への移行もスムーズにいく場面が増えてきている。今後の補強と、連係の深化で、さらに上の順位への躍進を期待したい。
アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) 1-1 グレミオ(GRE)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=VlKKJ-ZIshQ
(ACG) : 72' #4 ルイス・フェリピ(Luiz Felipe, 1993)[]
(GRE) : 82' #6 ヘイナウド(Reinaldo, 1989)[#10 クリスタウド(Cristaldo, 1996)]
今節前の順位
アトレチコ・ゴイアニエンセは全国選手権2勝3分6敗勝点9の16位。
コパ・アメリカ代表選手なし。
グレミオは全国選手権2勝0分7敗勝点6の19位。(2試合未消化)
コパ・アメリカ代表選手 :
VOLビジャサンチ(Villasanti, 1997, パラグアイ代表)
FWソテウド(Soteldo, 1997, ベネズエラ代表)
得点シーン
(ACG) : 72' #4 ルイス・フェリピ(Luiz Felipe, 1993)[]
ゴール正面約30mのFK。MFシャイロン(Shaylon, 1997)がゴールエリア右へ柔らかく上げたボールに、FWエミリアーノ・ロドリゲス(Emiliano Rodríguez, 2003)がオフサイドぎりぎりで抜け出し、ゴール前にボールを送る。グレミオDFがクリアし損ねたボールをファーサイドでCBルイス・フェリピが胸で押し込み、アトレチコ・ゴイアニエンセが待望の先制点。[1-0]
CBルイス・フェリピは、2012年5月当時全国選手権3部のカシアスからリオグランデドスル州選手権にて19歳のプロデビュー。2016年2月に移籍したサントスにて、同年中盤にレギュラーの座に就いたものの、2017年には膝前十字靭帯断裂により8試合の出場に止まると、2018年以降は控えにまわり、年間30試合前後の試合数に止まる。2023年7月にアトレチコ・ゴイアニエンセへ期限付き移籍。出場停止の1試合を除くシーズン残り全試合にフル出場を果たし、チームの1部昇格に貢献。2024年はセンターバックの3番手争いに止まっているが、コンスタントに試合に出て、これまでの経験をチームに還元したい。
(GRE) : 82' #6 ヘイナウド(Reinaldo, 1989)[#10 クリスタウド(Cristaldo, 1996)]
左CKから、PA左角でSBヘイナウドをボールを受けると、思い切りよく足を振り抜く。DFをかすめたボールは微妙にコースを変え、GKの脇を抜けゴールネットに突き刺さる。グレミオが土壇場で同点。[1-1]
SBヘイナウドは、2010年1月サンパウロ州選手権3部にてペナポレンセ(Penapolense)から20歳のプロデビュー。期限付き移籍により全国選手権2部パウリスタ、全国選手権1部エスポルチを経て、2013年6月サンパウロに加入。翌2014年にサンパウロへ完全移籍を果たす。2016年、2017年に期限付き移籍先で実績を残すと、2018年から2022年まで不動のレギュラーとして左SBに君臨する。2024年はケガもあり3か月離脱したが、5月末に復帰。攻撃的でクロス精度の高いサイドバック。このゴールを、自身、そしてチームの復活ののろしとなるゴールにしたい。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:49% 51% ⇒ 前後半:46% 54%
シュート(枠内): 前半:10‐5(2-1) ⇒ 前後半:15-10(5-4)
パス成功率: 前半:81% 82% ⇒ 前後半:82% 82%
Desarmes: 前半:10‐3 ⇒ 前後半:17-6
Faltas Cometidas: 前半:8‐8 ⇒ 前後半:13-11
アトレチコ・ゴイアニエンセは、ジャイール・ヴェントゥーラ(Jair Ventura)監督解任後の監督人事が進まず、この試合もアンデルソン・ゴメス(Anderson Gomes)監督代行が指揮を執る。
今節は、センターバックの主戦アリックス・ヴィニシウス(Alix Vinicius, 1999)と、前節負傷退場のCBペドロ・エンヒキ(Pedro Henrique, 1992)のケガが癒えず、前節後半45分を無難にプレーしたCBルイス・フェリピ(Luiz Felipe, 1993)がCBアドリアーノ・マルチンス(Adriano Martins, 1997)とコンビを組む。
グレミオは、全国選手権6連敗。順位は19位と低迷。ヘナト・ポルタルーピ監督の弱気な発言など、チームは最悪期を迎えている。
前節、伝統の『グレナウ』で0-1の敗戦。ボールを持つものの、効果的に攻め入ることができず、セットプレーから失点を喫した。
今節は、出場停止明けのCBカネマン(Kannemann, 1991)とVOLペペー(Pepê, 1998)が復帰。FWガウヴォン(João Pedro Galvão, 1992)が2試合ぶりの先発復帰。
立ち上がりはアトレチコ・ゴイアニエンセが固い守備から速い攻撃で相次いで好機を迎える。前半3分VOLバラーリャス(Baralhas, 1998)、前半10分MFシャイロン(Shaylon, 1997)が惜しいシュート。中盤の選手が前線を追い抜く厚みのあるカウンターでグレミオゴールを襲う。
前半20分、アトレチコ・ゴイアニエンセは、守備の要VOLハウジネイ(Rhaldney, 1998)が負傷退場となるアクシデントに襲われる。しかし、組織的な守備は綻びを見せず、やがてはボールを支配し相手陣で試合を展開する時間も増えていく。
たまらず、グレミオは、早くも前半32分に前線の両翼を交代。FWグスタヴォ・ヌーネス(Gustavo Nunes, 2005)とFWナタン・フェルナンデス(Nathan Fernandes, 2005)をピッチに送り出す。
しかし、試合の流れを変えることは出来ず、アトレチコ・ゴイアニエンセが速攻、遅攻を入り交え、グレミオゴールにたびたび迫り前半を終了する。
後半15分を過ぎ、グレミオのシュートも枠に飛ぶようになり、試合は一進一退の攻防となる。
しかし、後半27分、アトレチコ・ゴイアニエンセがFKからCBルイス・フェリピのゴールで先制。その後は試合立ち上がりの、固い守備から速い攻撃へとスタイルに立ち戻る。
ところが、後半37分、経験豊かなグレミオSBヘイナウドが、少し強引とも思える強烈なシュートをゴールネットに突き刺し、グレミオが同点。
試合は1-1のスコアでタイムアップ。下位に低迷する両チームは勝点「1」を積み上げるだけに終えた。
アトレチコ・ゴイアニエンセは、ホームで終始主導権を握り続けたものの、最後の10分間をしのぎ切ることができず、勝点「2」を失った。
久しぶりのスタメンに起用されたCBルイス・フェリピが最終ラインを統率。VOLハウジネイの負傷退場というアクシデントにも守備組織は綻びず、グレミオの攻撃の芽を摘み取っていく。
一方の攻撃面でも、中盤の選手が前線の選手を追い抜くランニングで、高い位置に敷くグレミオ最終ラインを突破。両サイドバックも機を見てオーバーラップを仕掛け攻撃に厚みを作り出した。
しかし、今節はグレミオGKマルチェシン(Marchesín, 1988)の好守の前に流れの中からはゴールを奪えなかった。課題は最後の精度のみ。
現在は下位に低迷しているとはいえ、前年全国選手権2位、今季リオグランデドスル州選手権優勝のグレミオを相手に、試合内容で大きく上回り、何度も好機を演出した事実は残った。これを自信の一つとして積み上げ、中盤戦に差し掛かる全国選手権では、中位争いに加わっていきたい。
グレミオは、相手陣でのパス回しに迫力がなく、ボールロスト後の寄せがわずかに後れ、高く保つ最終ライン裏を狙われる形から、ズルズルと全体的にラインが下がっていき、それゆえ中盤にスペースができ、さらに寄せが遅れるとなるマイナスのスパイラル。
攻守にVOLビジャサンチ(Villasanti, 1997)の不在が悪循環を生み出している。VOLペペー(Pepê, 1998)、VOLドゥ・ケイロス(Du Queiroz, 2000)、VOLエデニウソン(Edenílson, 1989)が代わりを務めるが、違いを作り出せずにいる。
SBヘイナウドの強引で豪快なシュートが敗戦から救った。ベテランに差し掛かった選手の吹っ切れたかのようなプレーが勝点「1」をもたらした。
結果が出ていないチーム状況では、細部にこだわることも必要だが、時には吹っ切れたプレーが流れを変えることもある。
この一撃を機に、チームの雰囲気が一変することを期待したい。
ジュヴェントゥージ(JUV) 2-1 フラメンゴ(FLA)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=qE8ZZiFJVcA
(FLA) : 19' #9 ペドロ(Pedro, 1997)[#7 ルイス・アラウージョ(Luiz Araújo, 1996)]
(JUV) : 26' #21 ルーカス・バルボーザ(Lucas Barbosa, 2001)[#10 ネネー(Nenê, 1981)]
(JUV) : 87' #44 マンダカ(Mandaca, 2001)[#14 エヴェルトン(Ewerthon, 2000)]
今節前の順位
ジュヴェントゥージは全国選手権3勝4分3敗勝点13の12位。(1試合未消化)
コパ・アメリカ代表選手なし。
フラメンゴは全国選手権7勝3分1敗勝点24の首位。
コパ・アメリカ代表選手 :
VOLエリキ・プルガール(Erick Pulgar, 1994, チリ代表)
SBバレラ(Varela, 1993, ウルグアイ代表)
SBビーニャ(Viña, 1997, ウルグアイ代表)
MFデ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994, ウルグアイ代表)
MFデ・ラ・クルス(De La Cruz, 1997, ウルグアイ代表)
得点シーン
(FLA) : 19' #9 ペドロ(Pedro, 1997)[#7 ルイス・アラウージョ(Luiz Araújo, 1996)]
PA手前右サイドを、FWペドロが加わり、ボールを細かく左右に繋ぎ、PA外右サイドにボールが送られる。FWルイス・アラウージョがサイドからPAに侵入しゴール前にボールを上げると、ポジションを変えていたFWペドロが胸でボールを押し込む。アウェイのフラメンゴが先制。[0-1]
(JUV) : 26' #21 ルーカス・バルボーザ(Lucas Barbosa, 2001)[#10 ネネー(Nenê, 1981)]
相手陣右サイド深い位置でのFK。MFネネーが上げたボールに、フリーとなったFWルーカス・バルボーザが頭を合わせ、ホームのジュヴェントゥージが試合を振り出しに戻す。[1-1]
FWルーカス・バルボーザは、サントスからの期限付き移籍でジュヴェントゥージでプレー。サントスでは、高さ(194cm)、スピード、左足利きという特長を生かせないままサイドでの出場が多く、交代出場が主だった2022年の41試合4得点4アシストが年間での最高成績だったが、2024年はジュヴェントゥージで前線での自由度が上がり、スタメンに定着し、周囲との連係も高まったこともあり、これまで27試合9得点3アシストの成績を残している。全国選手権は直近5試合で3得点の計4得点。チームは試合を経るごとに成長を続けており、FWルーカス・バルボーザのゴールも量産が期待できる。
(JUV) : 87' #44 マンダカ(Mandaca, 2001)[#14 エヴェルトン(Ewerthon, 2000)]
右CKのキッカーはMFジアン・カルロス。左足でゴール近くに低い弾道で送ったボールに、ニアサイドで右SBエヴェルトンが頭でフリック。ファーサイドに流れたボールに、MFマンダカが飛び込み、ゴールに押し込む。ホームのジュヴェントゥージが逆転。[2-1]
MFマンダカは、大ベテランMFネネー(Nenê, 1981)の控えに近い位置づけだが、MFネネー不在により先発に抜擢された6月15日第9節での全国選手権初ゴールに続き、このゴールは2点目のゴール。シーズン中盤にはMFネネーをベンチに置いて先発に名前を連ねる試合も訪れるに違いない。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:54% 46% ⇒ 前後半:52% 48%
シュート(枠内): 前半:7‐4(5-2) ⇒ 前後半:15-8(9-5)
パス成功率: 前半:88% 85% ⇒ 前後半:86% 84%
Desarmes: 前半:11‐8 ⇒ 前後半:16-11
Faltas Cometidas: 前半:5‐8 ⇒ 前後半:8-10
ジュヴェントゥージは、1試合未消化ながら勝点「13」の12位と昇格組の中で最上位。前節はパウメイラスを相手に一度は同点に追いついたものの、地力の差で突き放され1-3のスコアで敗れた。
今節は、GKガブリエウ(Gabriel, 1992)とCBゼ・マルコス(Zé Marcos, 1998)の主力2選手を出場停止で欠く。一方、これまで全国選手権3得点と好調のFWルーカス・バルボーザ(Lucas Barbosa, 2001)が出場停止明けで先発に復帰。
フラメンゴは、コパ・アメリカ代表やケガ人が相次ぐ中、MFロハン(Lorran, 2006)やFWルイス・アラウージョ(Luiz Araújo, 1996)、VOLレオ・オルティス(Léo Ortiz, 1996)など、この期間に抜擢された選手が期待を大いに上回る活躍。公式戦は1引き分けを挟む8連勝。最近の3試合は、後半30分以降の得点で、勝利もしくは引き分けに持ち込む勝負強さも発揮している。
今節は、FWエヴェルトン・セボリーニャ(Everton Cebolinha, 1997)とFWブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique ,1990)のウィンガー2選手がケガのため欠場。これまでのような積極的な選手起用で、新しいスターが現れるだろうか。
昇格初年度で、現在中位から上位を目指す順位に位置するジュヴェントゥージが、ホームに首位フラメンゴを迎え、今後の試金石となりえる一戦。
立ち上がりは、フラメンゴが高い位置でプレス。ボールを奪ってはチャンスを作り出していく。しかし、ジュヴェントゥージも、個人技や、細かいパス交換でプレスをかわし始め、試合は一進一退の攻防となる。
前半19分、FWペドロの組み立てから参加しフィニッシュに終えたゴールで、フラメンゴが先制。
しかし、その8分後の前半27分、相手陣深くで獲得したFKから、FWルーカス・バルボーザの高さを生かしたゴールでジュヴェントゥージが同点。
前半33分、ジュヴェントゥスはFKからCBダニーロ・ボーザ(Danilo Boza, 1998)がヘディングシュート、前半45+1分、フラメンゴは左サイドからのクロスにMFロハン(Lorran, 2006)が頭を合わせるが、フラメンゴGKロッシ(Rossi, 1995)、ジュヴェントゥージGKマテウス・クラウス(Mateus Claus, 1994)が、いずれも両手で掻き出しゴールを守り切る。
後半4分、ジュヴェントゥージはピッチを左右に広く使った攻撃から、FWエリキ・ファリアス(Erick Farias, 1997)がクロスボールに飛び込むが、またもやGKロッシが立ちはだかる。
フラメンゴは、後半23分、PA内でのFWペドロの個人技を起点に、FWルイス・アラウージョがシュートに持ち込むが、GKマテウス・クラウスが身を挺したセーブ。
互いに相手ゴールに迫り、互いにGK中心とした守備陣が体を張って守り抜く、手に汗を握る展開が繰り広げられる。
さらに、後半31分、後半40分と、フラメンゴGKロッシは、ジュヴェントゥージの決定的なシュートをスーパーセーブで阻み続ける。
しかし、後半41分、ジュヴェントゥージはCKから、ニアサイドのフリックにファーサイドでMFマンダカが飛び込み、GKロッシの牙城を崩す。
後半44分には、フラメンゴSBアイルトン・ルーカス(Ayrton Lucas, 1997)のシュートをジュヴェントゥージGKマテウス・クラウスが安定したプレーでCKに逃れると、そのCKからは、DFに当たりコースが変わった難しいシュートをGKマテウス・クラウスが両手で弾き出す。
白熱した一戦は、ホームサポーターの歓喜の声援の中、タイムアップの笛が吹かれた
ジュヴェントゥージは、これまでのチーム作りが正しい方向に向かっていることを証明した試合だった。
首位フラメンゴを相手に、ボール支配率、シュート数、枠内シュート数、いずれも上回り、フラメンゴのGKがロッシでなければ、もっとゴールを奪えていたかもしれない内容。長短をパスを使い分け、サイドチェンジを多用し、流れの中からもセットプレーからも多くのチャンスを作り出した。
プレー面でも精神面でもチームの中心となっているMFネネー(Nenê, 1981)が要所要所でチームを牽引。しかし、後半15分にピッチを去った後も、チームは攻撃の勢いを増し、最後には逆転のゴールを奪った。
ホージェル・マシャード監督は、将来を期待されながらも、名門チームでは結果を残せないシーズンが続いたが、今季は指導者として初めて指揮を執ったジュヴェントゥージに10年ぶりに戻り、見事な仕事を遂行している。ポルトガル国籍やアルゼンチン国籍の監督が過半数のクラブの指揮を執る全国選手権だが、まずはジュヴェントゥージで結果を残し、人材不足が叫ばれるブラジル国籍監督として、新たな歩みを進めてもらいたい。
フラメンゴは、コパ・アメリカ等でチームを離脱する選手が多い中、最近の試合でも結果を残していたものの、今節はジュヴェントゥージの勢いに飲み込まれ、全国選手権連続無敗記録は「7」で止まった。
コパ・アメリカ開催期間にチャンスをものにしたMFロハンとFWルイス・アラウージョは、立ち上がりこそゴールに絡んだものの、連戦の疲労のためか、徐々にパフォーマンスが低下。今節新たにチャンスを与えられた選手は、FWカルリーニョス(Carlinhos, 1997)、VOLエヴェルトン・アラウージョ(Evertton Araújo, 2003)は最後の反撃に絡んだものの、他の3選手は好ましい成果を残せなかった。
今節は敗れたものの、依然として首位をキープ。まだまだ選手のやりくりに頭を悩ませる試合は続くが、チチ監督の手腕で、この苦しい時期を切り抜けたい。