2024/06/26 新規投稿
ジョアン・ウェリントン・ガデーリャ・メロ・デ・オリヴェイラ・ナオイ
João Wellington Gadelha Melo de Oliveira Naoi
ポジション:ボランチ
利き足:右
2004年1月2日生まれ
<幼少期>
ブラジル連邦共和国北東部に位置するリオグランデドノルテ州ゴイアニーニャ(Goianinha)に生まれる。ゴイアニーニャは日本代表が2014W杯GR第2節ギリシャ戦を戦った州都ナタウから南へ約60kmの人口3万人弱の小さな町。
幼い頃からボールを蹴ることに夢中になり、稀有な才能をプレーで表現すると、多くのクラブから注目を浴びる。
<クラブ経歴>
≪育成時代≫
2017年(年初12歳)、ブラジル中部のミナスジェライス州ベロオリゾンテに本拠を置く名門クルゼイロ下部組織に入団。
2021年(年初16歳)、クルゼイロU-17チームで年間33試合のうち31試合に出場、中盤ながら10得点を記録。
12月には、クルゼイロと3年間のプロ契約を締結する。
2022年(年初17歳)、U-20チームに昇格。1月開催のU-20全国大会カップ戦では選手登録外となったが、5月~11月開催のU-20ミナスジェライス州選手権、6月に開幕したU-20全国選手権、9月末に開幕したU-20コパ・ド・ブラジルの3大会では、チーム計40試合のうち37試合に出場。U-20昇格一年目でレギュラーの座を掴む。
2023年(年初18歳)は1月開催のU-20全国大会カップ戦に出場。チームが敗退したベスト16まで5試合に出場し1得点。
大会敗退後は、ペツォラーノ(Pezzolano)監督率いるトップチームに招集され、州選手権の3試合にベンチ入り(出場機会なし)。
3月にU-20全国選手権が開幕すると、U-20州選手権、U-20コパ・ド・ブラジルとレギュラーメンバーの一人として出場。U-20州選手権とU-20コパ・ド・ブラジルの2大会で見事に優勝。2012年に始まったU-20コパ・ド・ブラジルでのクルゼイロ初戴冠に貢献した。
≪クルゼイロ≫
– 2023 –
2023年10月15日U-20コパ・ド・ブラジル決勝戦を勝利で飾ると、間もなくトップチームに招集され10月19日のホームゲームでベンチ入り。
2023年10月22日全国選手権第28節アウェイでのクラシコとなるアトレチコ・ミネイロ戦、左SBカイキ・ブルーノ(Kaiki Bruno, 2003)の負傷を受け、後半16分にピッチに送り出されプロデビューを果たす。クラシコでの0-0の局面、不慮のケガによる交代のためウォームアップを満足に行えず、従来プレーするポジションとは異なる左サイドバックとしての出場。さらには対面は元アルゼンチン代表で2018W杯ベスト16フランス戦にて、FWメッシ(Messi, 1987)、FWディ・マリア(Di María, 1988)との3トップの一角を務めたFWパボン(Pavón, 1996)。
しかし、試合後にゼ・ヒカルド(Zé Ricardo)監督が「ジャパの素質に寸分の疑いも持たずに起用したよ。体がほぐれるまでに4、5分かかったが、ファーストタッチは左サイドバックというポジションにもかかわらず相手陣ゴールライン手前だったね。ジャパは自分の力を存分に発揮したと思うよ。」と話すように、監督の期待に十分に応える活躍。チームは後半43分に決勝ゴール、ジャパはデビュー戦を勝利で飾った。
デビュー戦後は、チームが残留争いの渦中にあったこともあり、しばらく試合から遠ざかった。しかし、ゼ・ヒカルド監督が解任されパウロ・アウトゥオーリ(Paulo Autuori)SDが監督代行として現場の指揮を執ると、残留争いの最中にも関わらず、3試合連戦でジャパを後半15分前後に投入。シーズン最後の3試合では先発起用と連戦に起用する。ジャパが出場した試合でチームは2勝4分。チームが残留を果たすとともに、ジャパも経験と自信を勝ち取った。
シーズン終了後の2023年12月27日には契約を更改。契約期間は2027年末まで延長され、高額な契約解除金が設定された。
– 2024 –
2024年(年初18歳)トップチームに昇格。
参加資格のあるU-20全国大会カップ戦には選手登録が行われず、トップチームでトレーニングを積む。
ニコラス・ラルカモン(Nicolás Larcamón)新監督のもと、1月24日ミナスジェライス州選手権開幕節は本来のポジションであるボランチとして先発に起用されるが、後半15分過ぎにベンチに下がると、第2節以降はベンチスタートが続く。そして、2月末に右足のくるぶしにケガを負い戦列を離脱。ケガはくるぶしから太ももへと相次ぎ、3か月後の5月30日になり、ようやくベンチ入り。
6月13日全国選手権第8節クイアバ戦の後半5分に実戦に復帰。セグンドボランチとして試合に入ると、前線へのボールの配球など前後のつなぎ役を務める。チームが勝ち越した2分後の後半24分には、ベンチに下がったVOLルーカス・シウヴァ(Lucas Silva, 1993)に代わりプリメイロボランチに入り、最終ラインの手前でフィルター役としてチームの勝利に貢献。
以降は、途中交代出場が3試合続き、コンディションを上げている。
≪シーズン別クラブ出場記録≫
シーズン | 所属 | 大会 | 試合 | 出場 時間 | 得点 | アシ スト |
---|---|---|---|---|---|---|
2023年(19歳) | クルゼイロ | 全国選手権 | 7 | 363 | 0 | 0 |
合計 | 7 | 363 | 0 | 0 | ||
2024年(20歳) | クルゼイロ | 全国選手権 | 4 | 73 | 0 | 0 |
コパ・ド・ブラジル | 1 | 1 | 0 | 0 | ||
州選手権 | 4 | 167 | 0 | 0 | ||
合計 | 9 | 241 | 0 | 0 |
イタリック斜体は、2024年6月26日現在の記録。
※ シーズン欄の年齢は、12月31日時点の年齢です。
<代表(世代別含む)経歴>
N/A
<プレースタイル、エピソード、雑感 etc.>
利き足は左。
身長186㎝、体重不明。(参照元サッカーサイト「transfermarkt」、2024年6月26日閲覧)
本職はボランチ。
恵まれた体格を活かしたデュエルに強さを発揮。当たりの強さだけでなく、相手の懐に入るボール奪取も得意とする。
味方との適度な距離感を取るポジショニングは、自陣では最終ラインが跳ね返したボールを確保、また、マークに付く味方をサポートし数的有利な状況を作り出す。相手陣に入った位置では、前後のつなぎ役としてチームの前に向かう推進力を生み、自身もサポートに走り攻撃の厚みを作り出していく。
そして、相手陣PA近辺では、セカンドボールの回収や、前線を追い越すランニングでディフェンダーを揺さぶり、時には自らがシュートに持ち込んでいく。
プロデビュー戦では左サイドバックとして起用され、直近の試合ではセグンドボランチとしてピッチに立ち、終盤にプリメイロボランチへポジション変更。2023年終盤で連戦に起用された際には、ゴール前に顔を出しチームの得点に絡むプレーが何度も見られた。
トップチームでは、パウロ・ペツォラーノ監督、ゼ・ヒカルド監督、パウロ・アウトゥオーリ監督代行、ニコラス・ラルカモン監督、そして、現在のフェルナンド・セアブラ監督のもとでプレーしてきたが、いずれの監督にも、さまざまなポジションをこなし、多くの異なる役割を務めることができる頭の良さ、ボールの有無にかかわらず的確なポジショニング、動き出しの良さを評価されてきている。
2024年6月現在クルゼイロの指揮を執るフェルナンド・セアブラ監督は、2023年にジャパを擁するU-20チームを指揮し、U-20州選手権とU-20コパ・ド・ブラジルの二冠を制した監督。ジャパの特性を誰よりも理解している。
フェルナンド・セアブラ監督は、U-20監督時は攻撃的なチーム作りを行い、トップチームでも監督就任直後は、攻撃的なチーム作りを進めた。しかし、不用意な失点から勝ち点を落とす試合がたびたびあり、最近では守備面の改善を進めている。ところが一方で、守備を重視するあまり攻撃面で以前の迫力がなくなるジレンマに陥っている。
ジャパは、2024年シーズン序盤はケガのため、暫く戦列を離れたが、6月13日に復帰を果たして以降は、途中出場を続けコンディションを上げてきている。ジャパのポリヴァレント性がフェルナンド・セアブラ監督のジレンマを解消するキーとなるように思われる。
選手登録名の「ジャパ(Japa)」は、日本人、または、日系人を指す通称、呼称。本名の最後につく「ナオイ」が「直井」姓で父方に日本人の血を持つのかもしれない。インターネットを調べてみたが、この件についての情報は見つからなかった。