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全国選手権第13節 対戦組合せ
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/06/29 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x ボタフォゴ(BOT)
・2024/06/29 クイアバ(CUI) x RBブラガンチーノ(RBB)
・2024/06/30 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)
・2024/06/30 グレミオ(GRE) x フルミネンセ(FLU)
・2024/06/30 サンパウロ(SAO) x バイーア(BAH)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第13節(2/2)[06/29-07/01]
・2024/06/30 フォルタレーザ(FOR) x ジュヴェントゥージ(JUV)
・2024/06/30 ヴィトーリア(VIT) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)
・2024/06/30 フラメンゴ(FLA) x クルゼイロ(CRU)
・2024/06/30 クリシウーマ(CRI) x インテルナシオナウ(INT)
・2024/07/01 パウメイラス(PAL) x コリンチャンス(COR)
全国選手権第13節 試合概要
ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) 1-1 ボタフォゴ(BOT)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=B96GyJQX29s
(BOT) : 73' #15 バストス(Bastos, 1991)[#70 オスカル・ホメーロ(Óscar Romero, 1992)]
(VAS) : 84' #99 ベヘッチ(Vegetti, 1988)[#6 ルーカス・ピトン(Lucas Piton, 2000)]
今節前の順位
ヴァスコ・ダ・ガマは全国選手権3勝1分8敗勝点10の16位。
コパ・アメリカ代表選手なし。
ボタフォゴは全国選手権7勝2分3敗勝点23の3位。
コパ・アメリカ代表選手 :
FWサバリーノ(Savarino, 1996, ベネズエラ代表)
得点シーン
(BOT) : 73' #15 バストス(Bastos, 1991)[#70 オスカル・ホメーロ(Óscar Romero, 1992)]
右CKからMFオスカル・ホメーロが左足で高くボールを上げる。ゴール前でDFを押し込み態勢を崩させたCBバストスが、一歩引いてフリーの態勢で頭にボールを合わせゴール。ボタフォゴが先制。[0-1]
CBバストスは、アンゴラ代表として52試合2得点。ボタフォゴでは、アルトゥール・ジョルジ(Artur Jorge)監督就任後に最終ラインの軸として定着。セットプレーでの得点源としても貴重な存在、このゴールは全国選手権3点目のゴール。
(VAS) : 84' #99 ベヘッチ(Vegetti, 1988)[#6 ルーカス・ピトン(Lucas Piton, 2000)]
左サイドライン際から一つ内側のレーンでの混戦から、VOLスフォルツァ(Sforza, 2002)がサイドライン際へボールを送る。ボールを受けたSBルーカス・ピトンがフリーの態勢からゴール前にクロス。FWベヘッチが背面に下がりながらの難しいヘディングシュートを放つと、ボールはファーサイドのゴールポストをかすめゴールイン。ヴァスコ・ダ・ガマが同点に追いつく。
FWベヘッチは、2023年1月最終週~7月最終週に開催されたアルゼンチンリーグの得点王。2023年8月にヴァスコ・ダ・ガマに入団し、21試合10得点1アシストを記録してチームの残留に貢献。2024年も25試合13得点1アシストを記録中。全国選手権では5得点で得点ランクトップに並んだ。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:52% 48% ⇒ 前後半:54% 46%
シュート(枠内): 前半:1‐6(0-2) ⇒ 前後半:8-13(2-5)
パス成功率: 前半:86% 81% ⇒ 前後半:86% 79%
Desarmes: 前半:7‐11 ⇒ 前後半:15-12
Faltas Cometidas: 前半:9‐10 ⇒ 前後半:13-23
ヴァスコ・ダ・ガマは、4-1の快勝後に迎えた前節バイーア戦は、後半の早い時間帯に退場者を出し、終盤に勝ち越しゴールを許し1-2の敗戦。好調の波に乗り切れずにいる。
今節のスタメンには、MFガブリエウ・エストレラ(Guilherme Estrella, 2005)が3試合連続起用、MFジョタ・ぺー(JP, 2005)と中盤を構成。出場停止のFWデイヴィジ(David, 1995)に代わりSBルーカス・ピトン(Lucas Piton, 2000)が入り、左サイドバックにはSBヴィクトル・ルイス(Victor Luís, 1993)が入る。
ボタフォゴは、前節RBブラガンチーノ戦は、序盤の失点をケガのFWジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)の代役MFエドゥアルド(Eduardo, 1989)の2ゴールで逆転、3試合ぶりの勝利を収めた。
今節のスタメンは2点変更。左SBマルサウ(Marçal, 1989)に代わり左SBクイアバーノ(Cuiabano, 2003)、VOLダニーロ・バルボーザ(Danilo Barbosa, 1996)に代わりVOLグレゴリ(Gregore, 1994)が入る。
ヴァスコ・ダ・ガマは、前半8分にMFガブリエウ・エストレラ(Guilherme Estrella, 2005)がハムストリングスに痛みを覚え、MFディミトリ・パイェ(Dimitri Payet, 1987)との交代を余儀なくされる。
試合の立ち上がりは、ボタフォゴがボールを支配し、ヴァスコ・ダ・ガマが自陣に引いての守備から、FWベヘッチを起点としたカウンターを狙う展開。
ボタフォゴは、FWチキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)が厳しいマークに遭いボールが入らず、攻撃の糸口が見つからない。前半の終盤に入り、ミドルシュートから打開を図るが、シュートは枠を捉えず、ヴァスコ守備陣に綻びを作ることもできない。
一方のヴァスコ・ダ・ガマは、FWベヘッチが主導するカウンターは単発に終わり、MFパイェによる攻撃の組み立てもシュートにまでは至らない。
後半も立ち上がりは一進一退の攻防が続く。
後半13分にボタフォゴが先に動きFWジュニオール・サントスを投入。すると、FWジュニオール・サントスは鋭いドリブルから相次いでチャンスを演出、ヴァスコ・ダ・ガマは後半15分に中盤3選手を交代し、中盤での寄せの強度を高め、FWジュニオール・サントスの脅威を取り除く。後半25分、ボタフォゴはFWチキーニョ・ソアレスに代え、司令塔タイプのMFオスカル・ホメーロを投入。再びボタフォゴが試合の流れを取り戻す。
後半28分、MFオスカル・ホメーロのCKにCBバストスが頭を合わせボタフォゴが試合の均衡を破る。
後半32分、ヴァスコ・ダ・ガマは左サイドライン際からSBルーカス・ピトンがクロス。FWベヘッチが頭に合わせたボールにFWアジソンが押し込みを図るが僅かに届かない。後半35分、ボタフォゴは中盤の3選手を一気に交代し、中盤を厚くし、FWベヘッチへのボールの出どころへのマークを強める意図が感じられた。
ところが、後半38分、ヴァスコ・ダ・ガマの左サイドから中央に向かうパス交換にボタフォゴ守備陣の意識が中央に向くと、VOLスフォルツァが左サイドライン際へボールをはたく。ボタフォゴの寄せが遅れた隙に左SBルーカス・ピトンがクロス。そのボールをFWベヘッチが後ろに下がりながらヘディングシュート。これがゴール隅に決まりヴァスコ・ダ・ガマが同点に追いつく。
その後、ヴァスコ・ダ・ガマが勢いに乗じてボタフォゴゴールに迫るが、好機は訪れず、1-1のままタイムアップ。
両チーム勝点「1」を分け合った。
ヴァスコ・ダ・ガマは、終盤の同点ゴールで辛うじて勝点「1」を拾った。
攻撃面では、同点ゴールまで好機らしい好機を作り出すことができずにいたが、守備面では、FWチキーニョ・ソアレスを抑え、MFチェチェー(Tchê Tchê)、MFエドゥアルドに自由を与えず、クロスボールは次々と跳ね返し、流れの中からは最後まで危険なシーンは見られなかった。
失点シーンでは、VOLスフォルツァがCBバストスに体勢を崩されフリーの形でヘディングシュートを放たれ、GKレオ・ジャルジン(Léo Jardim, 1995)は十分に防ぐことのできるシュートでゴールを許してしまった。
ボタフォゴは、前節で解消できたかと思われたが、今節は前々節までの攻めながらも得点を奪えない試合を再現してしまった。FWチキーニョ・ソアレスは7出場試合に得点がなく、アシストもRBブラガンチーノでの2アシストのみ。フォワード陣による得点は4試合生まれていない。守備面でも、5試合連続で失点を喫しており、攻守に消化不良な試合が続いている。
クイアバ(CUI) 1-1 RBブラガンチーノ(RBB)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=cEkKIcRXXb0
(CUI) : 33' #22 デリキ・ラセルダ(Derik Lacerda, 1999)[#21 ハイラン(Railan, 2000)]
(RBB) : 42' #11 エリーニョ(Helinho, 2000)[#7 エリキ・ハミーレス(Eric Ramires, 2000)]
今節前の順位
クイアバは全国選手権3勝3分6敗勝点12の14位。
コパ・アメリカ代表選手なし。
RBブラガンチーノは全国選手権5勝3分4敗勝点18の8位。
コパ・アメリカ代表選手 :
SBアンドレス・ウルタド(Andrés Hurtado, 2001, エクアドル代表)
得点シーン
(CUI) : 33' #22 デリキ・ラセルダ(Derik Lacerda, 1999)[#21 ハイラン(Railan, 2000)]
ハーフライン付近での最終ラインのパス交換から右サイドへボールを展開。右SBマテウス・アレシャンドレ(Matheus Alexandre, 1999)からのボールをFWハイラン(Railan, 2000)がPA右手前で受けると、PA入口中央へ送る。FWデリキ・ラセルダがダイレクトに右足を合わせゴールネットを揺らす。[1-0]
FWデリキ・ラセルダは、ブラジル国内でのプロデビューを待たず、アカデミカOAF/PORからポルトガル2部にて2019年9月に19歳のプロデビュー。ポルトガル1部モレイレンセ/POR、スペイン2部ポンフェラディーナを経て、2023年7月クイアバに加入。途中出場を中心に多くの試合に出場し最終節にクラブ初ゴールを記録。2024年は左WGのポジションを争いながら、先発、交代出場で出場を重ね、これまで29試合3得点3アシストを記録。このゴールは今季全国選手権での初ゴール。
SBハイランは、バイーア州に本拠を置くジャクイペンセ(Jacuipense)育成出身で、2020年8月全国選手権3部にて20歳のプロデビュー。2022年全国選手権2部ヴィラ・ノヴァ、2023年全国選手権2部ヴィトーリアにて期限付き移籍でプレー。2024年1月クイアバへ4年契約で加入する。2024年は右サイドバックで先発、途中出場、ベンチを繰り返してきたが、今節、右WGとして起用されると、いきなりアシストを記録。右SBマテウス・アレシャンドレ、VOLフィリピ・アウグストとの連携も良く、新たなオプションとしての可能性が感じられた。
(RBB) : 42' #11 エリーニョ(Helinho, 2000)[#7 エリキ・ハミーレス(Eric Ramires, 2000)]
中央相手陣に入った位置から、MFエリキ・ハミーレスが縦にボールを入れ、パス&ゴーで前方に走りタベーラを狙う、ボールを受けたFWエリーニョは、MFエリキ・ハミーレスを囮に無助走のシュート。ボールはゴール隅に決まり、RBブラガンチーノが試合を振り出しに戻す。[1-1]
FWエリーニョは目下絶好調。最近の公式戦5試合4得点1アシスト、公式戦10試合7得点2アシストを記録中。左右のウィングをこなし、シュートだけでなく、周りを使うこともでき、現在はそのプレー選択も冴えている。2024年はこれまで29試合7得点9アシストで、チーム内最多得点関与。2017U-17W杯代表に選出された早熟性が熟成しつつある。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:37% 63% ⇒ 前後半:38% 62%
シュート(枠内): 前半:3‐7(2-4) ⇒ 前後半:6-13(3-5)
パス成功率: 前半:72% 85% ⇒ 前後半:73% 85%
Desarmes: 前半:3‐5 ⇒ 前後半:12-18
Faltas Cometidas: 前半:7‐6 ⇒ 前後半:13-16
クイアバは4試合負けなし。前節は開始6分に先制するが、PKなどの好機を逸し、終盤に追いつかれ引き分け。2試合計1得点と一時の勢いがやや足踏み状態となっている。
今節のスタメンには、両ウィングにFWデリキ・ラセルダ(Derik Lacerda, 1999)と、サイドバックを本職とするハイラン(Railan, 2000)を配置し、前線に新味を加える。
RBブラガンチーノは、2-1のスコアの白星と黒星を5試合交互に繰り返している。前節は序盤にリードを奪うが、前半のうちに同点、後半早々に逆転され敗戦。試合ごと、または時間帯ごとのムラが大きく、成績が安定しない。
今節のスタメンは、前節から5つのポジションで変更。前節後半から出場したMFリンコン(Lincoln, 1998)が5月21日以来の先発出場。FWタリソン(Talisson, 2002)は2試合連続途中出場が続いたが今節は先発に抜擢。コンスタントに出場機会を得るためにも結果を残したい。
ハーフライン付近でのボールの出どころへの激しい寄せで試合の主導権を握りたいクイアバと、ボールを支配し相手陣で試合を進めたいRBブラガンチーノ。試合は序盤からインテンシティの高い白熱した展開となる、
個人技術や、連係でのプレーなど好プレーが多く、ミスの少ない試合は、前半33分、好連係でチャンスを創出したクイアバが、FWデリキ・ラセルダの抑えを効かせたボレーシュートで先制する。
一方のRBブラガンチーノも、前半42分、中央→左→中央と大きくボールを動かし、最後は中央縦の連係からFWエリーニョがPA手前から振りの小さいシュートで同点に追いつく。
後半に入っても試合の密度は薄まらず、互いに持ち味を発揮。さらに、両チーム監督が、交互に選手交代のカードを切り、勝ち越しゴールへの執念を見せる。
後半45分、クイアバは右CKを獲得すると、VOLフェルナンド・ソブラウ(Fernando Sobral, 1994)が蹴ったボールがGKの頭上を越え、サイドネットを揺らすかと思われたその瞬間、ゴールライン上で、RBブラガンチーノSBジャジソン(Jadsom, 2001)がクリア。
後半45+2分、クイアバは相手陣中央のFKから、FWルシアーノ・ヒメネス(Luciano Giménez, 2000)がゴールネットを揺らす。しかし、判定はオフサイド。
終盤に差し掛かりホームのクイアバが攻勢を仕掛けたが、ゴールを奪うことができず、試合は1-1のままタイムアップ。
両チーム勝点「1」を分け合った。
アトレチコ・ミネイロ(CAM) 1-1 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=RiIjt9S-pps
(ACG) : 11' #11 ルイス・フェルナンド(Luiz Fernando, 1996)[#5 ルーカス・カウ(Lucas Kal, 1996)]
(CAM) : 23' #10 パウリーニョ(Paulinho, 2000)[]
今節前の順位
アトレチコ・ミネイロは全国選手権4勝5分2敗勝点17の10位。(1試合未消化)
コパ・アメリカ代表選手 :
SBギリェルミ・アラーナ(Guilherme Arana, 1997, ブラジル代表)
MFアラン・フランコ(Alan Franco, 1998, エクアドル代表)
FWバルガス(Vargas, 1989, チリ代表)
アトレチコ・ゴイアニエンセは全国選手権2勝4分6敗勝点10の17位。
コパ・アメリカ代表選手なし。
得点シーン
(ACG) : 11' #11 ルイス・フェルナンド(Luiz Fernando, 1996)[#5 ルーカス・カウ(Lucas Kal, 1996)]
相手陣に入った位置からVOLルーカス・カウが縦にボールを送る。ペナルティサークル内にFWルイス・フェルナンドが抜け出し、絶妙のトラップでボールを収めると、間合いを詰めるGKの頭上を越す柔らかなロビングのシュート。ボールはゴールに吸い込まれる。[0-1]
FWルイス・フェルナンドは、2023年のチーム内得点王。2024年はこれまで31試合16得点4アシストと、全国選手権2部から1部へと舞台が代わったにもかかわらず、前年を上回るペースでゴールを量産している。
VOLルーカス・カウは、サンパウロ育成出身で、期限付き移籍先のグアラニーから2018年1月サンパウロ州選手権にて21歳のプロデビュー。2020/21年は期限付き移籍先のナシオナウ/PORにて25試合に出場するが買取オプションは行使されなかった。2024年2月下旬、ナシオナウでのプレー期間に前後した約4年間をプレーしたアメリカ・ミネイロからアトレチコ・ゴイアニエンセに完全移籍。チーム戦術に慣れるまで時間を要したが、5月に入りボランチのポジションに定着。10試合連続先発出場を果たしている。2024年はこれまで17試合に出場。このプレーがアトレチコ・ゴイアニエンセでの初得点関与となるアシストとなった。
(CAM) : 23' #10 パウリーニョ(Paulinho, 2000)[]
PA右手前からMFパラシオス(Palacios, 2002)がシュート。ブロックされたボールがMFパラシオスの足元に戻る。アトレチコ・ゴイアニエンセVOLルーカス・カウがボールを掻き出すが、そのボールは最終ライン裏のFWパウリーニョに流れ、FWパウリーニョはこの好機を逃さずシュート。ボールはゴールファーサイドに吸い込まれアトレチコ・ミネイロが試合を振り出しに戻す。[1-1]
2023年全国選手権得点王のFWパウリーニョは、2024年の初ゴールが自身8試合目の3月9日州選手権準決勝と出遅れたものの、その後は全国選手権、リベルタドーレスでコンスタントにゴールを量産している。これまで29試合12得点4アシスト。このゴールは全国選手権得点ランキングでトップに並ぶ5得点目のゴール。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:61% 39% ⇒ 前後半:63% 37%
シュート(枠内): 前半:6‐7(4-4) ⇒ 前後半:16-11(7-6)
パス成功率: 前半:88% 71% ⇒ 前後半:88% 68%
Desarmes: 前半:9‐4 ⇒ 前後半:17-15
Faltas Cometidas: 前半:3‐4 ⇒ 前後半:10-11
アトレチコ・ミネイロ(CAM)は、代表選手に加え、ケガ人も相次ぎ、最近の5試合は1勝2分2敗と苦戦が続いている。
今節は、2選手が出場停止、7選手がケガ、3選手が代表。12選手の登録が可能なベンチ入りメンバーは6選手、うちGKが2選手、フィールドプレーヤーが4選手と厳しい状況。
今節のスタメンは、前節ゴールを決めたFWカドゥ(Cadu, 2004)、CBホームロ(Rômulo, 2004)の両選手に加え、VOLパウロ・ヴィトル(Paulo Vitor, 2004)も2試合連続の抜擢。台所事情が厳しい中でチャンスを得た若手選手の躍動に期待が集まる。
アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)は、前節グレミオ戦では先制しながらも後半38分に同点に追いつかれ勝点「2」を失った。
クラブは6月20日にジャイール・ヴェントゥーラ(Jair Ventura)監督を突然解任したが、監督人事は固まらず、今節もアンデルソン・レアウ(Anderson Leal)監督代行が指揮を執る。
今節のスタメンは、ケガ明けで5試合ぶりの試合となるCBアリックス・ヴィニシウス(Alix Vinicius, 1999)が復帰。前節先制ゴールのCBルイス・フェリピ(Luiz Felipe, 1993)はベンチスタート。前節負傷退場のVOLハウジネイ(Rhaldney, 1998)に加えVOLバラーリャス(Baralhas, 1998)もケガのためにベンチ外。VOLホニ(Roni, 1999)とFWアレホ・クルス(Alejo Cruz, 2000)が代わりを務める。
ホームのCAMが消極的な姿勢で試合に入ると、ACGが相手陣でボールを回す。すると、早くも前半11分、ACGがFWルイス・フェルナンドのゴールで先制。前半16分にもACGはCKからの低く鋭いボールをSBギリェルミ・ホマォン(Guilherme Romão, 1997)がニアサイドでコースを変えるが、CAM GKマテウス・メンデス(Matheus Mendes, 1999)が阻止。
この好守に鼓舞されたCAM攻撃陣は、前半18分MFパラシオス、後半20分FWフッキが、相次いでACG GKホナウド(Ronaldo, 1996)を襲うシュート。前半23分、FWパウリーニョのシュートが遂にGKホナウドの牙城を崩し、CAMが試合を振り出しに戻す。
CAMは、前半28分、FWフッキの強烈なシュートがクロスバーを叩くと、一方のACGも、前半34分、右サイドからクロスにMFシャイロン(Shaylon, 1997)がシュート。ボールはGKの脇を抜けるが、その背後でCBイゴル・ハベーロ(Igor Rabello, 1995)がゴールライン上のスーパークリア。
前半43分には、CAM FWフッキが直接狙ったFKを、ACG GKホナウドが倒れ込みながら両手で弾き出す。
両チームとも攻守に集中力の高い好プレーが相次ぎ、手に汗を握る展開で前半が終了。
後半立ち上がるは、CAMが高い位置でのプレスから、ボールを奪うとFWフッキにボールを集め、相手ゴールに迫る。
しかし、後半15分を過ぎ、次第にCAMの運動量が減っていき試合はテンポを落としていく。CAMは有効な交代策がなく、ACGは最終盤まで交代カードを残す。
後半40分をまわり、ACGは攻撃的な選手を一気に投入し、ゴールを奪いに行く。一方のCAMも直後に選手交代を行い、疲労の著しい選手を下げる。ACGが攻勢を強めるが、CAMは最後まで守り切り、試合は1-1のまま終了。
アトレチコ・ミネイロは、満身創痍の中、勝点「1」を獲得。
アトレチコ・ゴイアニエンセも勝点「1」を積み上げるに止まり、降格圏を脱け出すことは出来ずに試合を終えた。
グレミオ(GRE) 1-0 フルミネンセ(FLU)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=rknBzmLkmgQ
(GRE) : 61' #39 グスタヴォ・ヌーネス(Gustavo Nunes, 2005)[#18 ジョアン・ペドロ(João Pedro, 1996)]
今節前の順位
グレミオは全国選手権2勝1分7敗勝点7の19位。(2試合未消化)
コパ・アメリカ代表選手 :
VOLビジャサンチ(Villasanti, 1997, パラグアイ代表)
FWソテウド(Soteldo, 1997, ベネズエラ代表)
フルミネンセは全国選手権1勝3分8敗勝点6の20位。
コパ・アメリカ代表選手 :
FWジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997, コロンビア代表)
得点シーン
(GRE) : 61' #39 グスタヴォ・ヌーネス(Gustavo Nunes, 2005)[#18 ジョアン・ペドロ(João Pedro, 1996)]
相手陣PA右外でSBジョアン・ペドロがDFと一対一。打開できずにサイドライン際のFWパボンにボールを預け、ゴールラインに向かい縦に上がる。FWパボンはワンタッチでSBジョアン・ペドロにボールを戻すと、SBジョアン・ペドロはゴール正面にマイナスのパス。ダイレクトにFWグスタヴォ・ヌーネスが足を振り抜きボールをゴール上部ネットに突き刺す。[1-0]
FWグスタヴォ・ヌーネスは、欧州からも注目を集めるサイドアタッカー。2024年2月10日リオグランデドスル州選手権にてプロデビューを飾ると、デビュー戦でプロ初アシスト。自身3試合目でプロ初ゴール。その後も州選手権、リベルタドーレス、全国選手権の多くに出場し、これまで26試合4得点3アシスト。全国選手権は第9節以来2点目のゴール。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:53% 47% ⇒ 前後半:49% 51%
シュート(枠内): 前半:11‐1(5-1) ⇒ 前後半:16-7(9-2)
パス成功率: 前半:84% 84% ⇒ 前後半:80% 87%
Desarmes: 前半:5‐5 ⇒ 前後半:9-12
Faltas Cometidas: 前半:7‐8 ⇒ 前後半:13-14
2023年全国選手権2位のグレミオと、2023年リベルタドーレス王者フルミネンセの対戦は、19位と20位の裏天王山。
今節はグレミオの主催試合だが、リオグランデドスル州ポルトアレグレを襲った水害によりアレーナグレミオが被災したため、試合は同州カシアス・ド・スウ市センテナリオ・スタジアムにて開催される。
グレミオは前節、後半37分のSBヘイナウド(Reinaldo, 1989)の豪快なシュートで引き分けに持ち込み、連敗は「6」でストップ。このゴールは、それまでの閉塞感を一蹴するような豪快さがあったが、今節にその勢いを持ち込むことができるだろうか。
今節のスタメンは、両CBが出場停止とケガのため入れ替え。中盤にVOLエデニウソン(Edenílson, 1989)が入り、前線はFWパボン(Pavón, 1996)とFWグスタヴォ・ヌーネス(Gustavo Nunes)の2トップ。センターフォワード不在で、二列目から追い抜く形で好機を演出したい。
フルミネンセは、VOLアンドレ(André, 2001)のケガによる離脱をきっかけに、固定化された選手起用やマンネリ化した戦術の問題点が噴出し、全国選手権は最下位に低迷。コパ・アメリカによるFWジョン・アリアスの欠場がダメ押しとなり、前々節フラメンゴ戦での敗戦後に、クラブはフェルナンド・ジニース監督を解任した。
前節は、降格圏内チーム同士の対戦となったが、優位に立った時間は短く、後半45分の失点でまた一つ黒星を積み重ねた。
今節のスタメンは、MFガンソ(PH Ganso, 1989)がケガのため欠場。CBマルロン(Marlon, 1995)が入り、5バックに布陣を変更。守備を固め、失点を防ぎたい意図が見て取れる。
前半は、グレミオがボールを支配。ピッチを左右に広く使い、ゴールライン際までゴールを運びフルミネンセを陣内深くまで押し込むターンが多くみられる。しかし、前半7分の左SBヘイナウドのシュート、前半9分のVOLエデニウソンのシュートは、いずれもフルミネンセGKファビオ(Fábio, 1980)の正面。前半24分、前半26分のFWパボンのシュートは枠を捉えない。
一方のフルミネンセは、押し込まれる時間が続き、効果的なカウンターに持ち込むことさえもできない。前半38分、相手陣PA手前で獲得したFKを、MFテランス(Terans, 1994)が直接う狙うがグレミオGKマルチェシン(Marchesín, 1988)に阻まれ、こぼれ球にVOLチアゴ・サントス(Thiago Santos, 1989)が反応するも、シュート寸前にボールを搔き出される。フルミネンセの前半のシュート数はこの1本に終える。
前半アディショナルタイムに、グレミオはPA内で左右にクロスを上げる猛攻。最後はFWパボンがPA入口から右足を振り抜くが、GKファビオが横に跳び両手でCKに逃れ、フルミネンセゴールをこじ開けるには至らない。
後半開始時にフルミネンセはFWルクミ(Lucumí, 2004)を投入。すると、1分も経たずファーストシュートを放つ。さらに、MFガブリエウ・ピーレス(Gabriel Pires, 1993)がミドルシュートを狙い、前半とは異なる姿勢を見せる。
しかし、後半10分を過ぎる頃になると再びグレミオがボールをキープ。両サイドを広く使ったパス回しを再び展開。すると、後半16分、右SBジョアン・ペドロがFWパボンとのタベーラでゴールライン際へ抜け出し、マイナスのボールを受けたFWグスタヴォ・ヌーネスがゴールネットを揺らす。遂にグレミオが均衡を破る。
後半25分、フルミネンセはMFガンソ、FWジョン・ケネジー(John Kennedy, 2002)を投入し、同点ゴールを奪いに行くが、試合の流れを引き戻すことは出来ず、試合はグレミオがコントロール。フルミネンセは、後半42分にFWルクミがこの試合2枚目のイエローカードをもらい万事休す。
降格圏に低迷する両チームの対戦はグレミオに軍配が上がり、グレミオは暫定ながら1つ順位を上げ18位(ただし、2試合未消化)。一方のフルミネンセは、前節に続き、降格圏のライバルに勝点「3」を与え、最下位に甘んじている。
サンパウロ(SAO) 3-1 バイーア(BAH)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=XMsNfpbvveo
(SAO) : 30' #9 カレリ(Calleri, 1993)[#2 イゴル・ヴィニシウス(Igor Vinícius, 1997)]
(SAO) : 32' #47 フェヘイラ(Ferreira, 1997)[#10 ルシアーノ(Luciano, 1993)]
(BAH) : 49' #2 ジウベルト(Gilberto, 1993)[]
(SAO) : 65' #10 ルシアーノ(Luciano, 1993)[#47 フェヘイラ(Ferreira, 1997)]
今節前の順位
サンパウロは全国選手権5勝3分4敗勝点18の7位。
コパ・アメリカ代表選手 :
GKハファエウ(Rafael, 1989, ブラジル代表)
CBフェラレシ(Ferraresi, 1998, ベネズエラ代表)
VOLボバディージャ(Bobadilla, 2001, パラグアイ代表)
MFハメス・ロドリゲス(James Rodríguez, 1991, コロンビア代表)
バイーアは全国選手権7勝3分2敗勝点24の2位。
コパ・アメリカ代表選手 :
SBサンチアゴ・アリアス(Santiago Arias, 1992, コロンビア代表)
得点シーン
(SAO) : 30' #9 カレリ(Calleri, 1993)[#2 イゴル・ヴィニシウス(Igor Vinícius, 1997)]
相手陣中央から右サイドへボールを展開。オーバーラップする右SBイゴル・ヴィニシウスの前方にボールが送られると、右SBイゴル・ヴィニシウスはゴールライン際にボールを運びマイナスのクロス。FWカレリが右足を振り抜くとゴールはゴールネットに突き刺さる。[1-0]
FWカレリは、2021年8月にサンパウロに加入。2022年は27得点でチーム内得点王、2023年はクラブ史上初のコパ・ド・ブラジル戴冠後に手術のため、一足早くチームを離脱したものの、チーム内2位の14得点を記録。2024年はこれまで27試合9得点3アシスト、このゴールは6試合ぶりのゴールとなった。
(SAO) : 32' #47 フェヘイラ(Ferreira, 1997)[#10 ルシアーノ(Luciano, 1993)]
相手陣中央高い位置でボールを奪うと、FWルシアーノが最終ライン裏へ浮き球のパス。CBと入れ替わるように抜け出したFWフェヘイラが難しい態勢からGKの脇を抜くシュート。オフサイドフラッグが上げられるが、VARの検証の結果、FWフェヘイラの位置はオンサイド。サンパウロが突き放す。[2-0]
FWフェヘイラは、長年プレーしたグレミオを離れ、2024年サンパウロへ移籍。移籍後11試合目で初ゴールを記録すると、全国選手権序盤の2試合連続ゴールなど、7試合5得点を記録するが、コンスタントに出場機会は訪れない。しかし、最近は6試合連続出場、直近の2試合は先発に起用され、アピールする機会を貰っている。このゴールは4月21日以来のゴール、これを機にポジションに定着したい。
(BAH) : 49' #2 ジウベルト(Gilberto, 1993)[]
MFエヴェルトン・ヒベイロ(Éverton Ribeiro, 1989)がPA内左に侵入。シュートコースを消され、ボールをPA内で右に繋ぐ。ボールを受けたFWエヴェラウド(Everaldo, 1991)がシュート。GKジャンドレイ(Jandrei, 1993)が倒れ込みながらシュートを弾き返すが、そのボールがバイーアSBジウベルトの元に流れ、SBジウベルトがダイレクトにゴールに蹴り込む。[2-1]
SBジウベルトは、2011年4月ボタフォゴからリオデジャネイロ州選手権にて19歳のプロデビュー。2015年7月フィオレンティーナ/ITAへ移籍するも、イタリアでは期限付き移籍先を含め、1年間で21試合の出場に止まる。その後、期限付き移籍でヴァスコ・ダ・ガマ、フルミネンセでプレー。2020年8月ベンフィカ/PORに入団すると3年間で106試合8得点7アシストの記録を残す。2023年7月バイーアに3年契約で移籍。2024年は20試合1得点2アシストでこのゴールが今季初ゴール。コパ・アメリカに出場するコロンビア代表SBサンチアゴ・アリアスに代わりスタメンを務めているが、これを機にレギュラーの座を奪いたい。
(SAO) : 65' #10 ルシアーノ(Luciano, 1993)[#47 フェヘイラ(Ferreira, 1997)]
GKジャンドレイのロングフィード。これを受けたFWルーカス・モウラが左サイドへボールを流す。FWフェヘイラがドリブルでPA内に侵入、さらに、DFの間をドリブルで割って入り、3人目を抜きに掛かる。内に切り返すがそのボールがやや大きくなったところをFWルシアーノがシュート。ボールはGKのニアサイドを抜きゴールネットを揺らす。[3-1]
FWルシアーノは、2023年はチーム内得点王となったが、コパ・ド・ブラジル決勝戦ではH&Aともに先発を外れる悔しい思いをしている。2024年はその悔しさをバネにレギュラーの座を奪還。この試合を含め、32試合11得点1アシスト(全国選手権11試合5得点1アシスト)を記録中。2020年のサンパウロ加入以来、5年連続の二桁得点を達成している(計233試合78得点22アシスト)。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:41% 59% ⇒ 前後半:44% 56%
シュート(枠内): 前半:7‐3(3-0) ⇒ 前後半:10-14(4-6)
パス成功率: 前半:86% 92% ⇒ 前後半:86% 91%
Desarmes: 前半:4‐5 ⇒ 前後半:18-12
Faltas Cometidas: 前半:8‐5 ⇒ 前後半:15-9
サンパウロの前節は、最近の閉塞感を一掃する試合内容。しばらくトップ下でのプレーが続いたFWルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)を右サイドへ移し、中央トップ下にFWルシアーノ(Luciano, 1993)を起用する布陣が機能した。
今節のスタメンは前節と同じ顔ぶれ。
バイーアは、前節の勝利で同勝点の2位に浮上。そつのない戦いぶりで安定した戦いを続けている。
今節もいつもと同じ顔ぶれのスターティングイレブン。他チームがケガ人に苦しむ中、バイーアはメディカル部門を含めたクラブ一丸となった取り組みが安定した戦いのベースとなっている。
サンパウロが、高い位置でのプレスを仕掛け、試合の主導権を握る。たびたびシュートに持ち込むが、枠を捉えない。一方のバイーアは、相手のプレスを掻い潜っては、手数を少なくシュートに持ち込むが、こちらもシュートは枠を捉えない。
インテンシティが高い白熱した試合は、前半30分、右SBイゴル・ヴィニシウスのオーバーラップからFWカレリのゴールでサンパウロが先制。バイーアは、SBイゴル・ヴィニシウスのオーバーラップに対応できず、フリーでクロスを上げられてしまう。
さらに、その直後にも、バイーアは最終ラインの統率が崩れ、CBと入れ替わる形でサンパウロFWフェヘイラにライン裏に抜け出され、2点目のゴールを許す。
後半開始直後からバイーアは猛攻を仕掛けると、右SBジウベルトのゴールで1点差に迫る。そして、その後も攻撃の手綱を緩めず、サンパウロゴールに迫り続ける。
しかし、後半20分、サンパウロは左サイドをFWフェヘイラが個人技で切り裂き、FWルシアーノのゴールで再びリードを2点差に拡げる。
バイーアのホジェリオ・セニ監督は、いつもの選手交代を実施し、スピードのある選手を相次いで投入していくが、2点差を追いかける状況で気持ちが先立つあまり、ボールを確保し、効果的にボールを前に運ぶことができない。
サンパウロのスベルディア監督は、選手交代で時間を消費し、中盤から前線の疲労の見える選手を優先的に置き換え、あわせて守備も固めていく。
終盤にかけてもサンパウロの中盤のボールの出どころへの寄せの勢いは衰えず、バイーアに好機を与えず、サンパウロはそのまま試合を締めくくる。サンパウロがホームで3-1の会心の勝利を収めた。