【ブラジル全国選手権2024】第13節(2/2)[06/29-07/01]

投稿者: | 2024年6月29日

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全国選手権第13節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第13節(1/2)[06/29-07/01]
・2024/06/29 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x ボタフォゴ(BOT)
・2024/06/29 クイアバ(CUI) x RBブラガンチーノ(RBB)
・2024/06/30 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)
・2024/06/30 グレミオ(GRE) x フルミネンセ(FLU)
・2024/06/30 サンパウロ(SAO) x バイーア(BAH)
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/06/30 フォルタレーザ(FOR) x ジュヴェントゥージ(JUV)
・2024/06/30 ヴィトーリア(VIT) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)
・2024/06/30 フラメンゴ(FLA) x クルゼイロ(CRU)
・2024/06/30 クリシウーマ(CRI) x インテルナシオナウ(INT)

・2024/07/01 パウメイラス(PAL) x コリンチャンス(COR)

全国選手権第13節 試合概要

フォルタレーザ(FOR) 2-1 ジュヴェントゥージ(JUV)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=Va7lZ8-QDOE
(FOR) : 21' #9 ルセロ(Lucero, 1991)[PK]
(FOR) : 45+3' #22 ピカチュー(Pikachu, 1992)[#10 ポチェチーノ(Pochettino, 1996)]
(JUV) : 74' #14 エヴェルトン(Ewerthon, 2000)[#2 ジョアン・ルーカス(João Lucas, 1998)]

今節前の順位

フォルタレーザは全国選手権4勝5分2敗勝点17の11位。(1試合未消化)
 コパ・アメリカ代表選手 :
  CBクスチェヴィッチ(Kuscevic, 1996, チリ代表)
  FWケルビン・アンドラーデ(Kervin Andrade, 2005, ベネズエラ代表)
ジュヴェントゥージは全国選手権4勝4分3敗勝点16の12位。(1試合未消化)
 コパ・アメリカ代表選手なし。

得点シーン

(FOR) : 21' #9 ルセロ(Lucero, 1991)[PK]
左サイドからPA内にドリブルで侵入したFWブレーノ・ロペスがDFと接触し転倒。主審は流すがVARが介入し、オンフィールドレビューの結果、フォルタレーザにPKが与えられる。これをFWルセロがゴール左に決める。フォルタレーザが先制。FWルセロは得点ランキングでトップに並ぶ全国選手権5点目のゴール。[1-0]
(FOR) : 45+3' #22 ピカチュー(Pikachu, 1992)[#10 ポチェチーノ(Pochettino, 1996)]
自陣左サイドから相手陣右サイドへのMFポチェチーノのロングスルーパス。ボールを受けたMFヤゴ・ピカチューが慌てず、縦にボールを運びGKの位置を確認したシュート。GKの脇を抜けたボールがゴールネットを揺らす。[2-0]
   MFピカチューは、アマゾン川河口のパラー州ベレンに本拠を置くパイサンドゥ(Paysandu)育成出身で、2012年1月州選手権にて18歳のプロデビューし、そのままレギュラーの座を獲得。4年間で全国選手権2部、3部において213試合62得点15アシストの成績を残す。2016年全国選手権2部ヴァスコ・ダ・ガマに移籍し、5年間で全国選手権1部、2部において248試合39得点。2021年フォルタレーザに加入。2022年後半の清水エスパルス/JPNへの期限付き移籍期間(12試合)を除く、2023年までの2年半で168試合42得点25アシスト。2023年には年間74試合もの試合に出場。2024年もこれまで40試合に出場(11得点4アシスト)している。前節での2アシストに続き、今節はゴールをマークし、2試合で3得点に絡む活躍。
(JUV) : 74' #14 エヴェルトン(Ewerthon, 2000)[#2 ジョアン・ルーカス(João Lucas, 1998)]
相手陣PA近辺でのボール回し。PA右外を背後に下がりながら右SBジョアン・ルーカスがゴール前にボールを送ると、ファーサイドでフリーとなっていらVOLエヴェルトンが頭を合わせる。ジュヴェントゥージの反撃開始。[2-1]
   VOLエヴェルトンは、エスポルチ育成出身で、2020年1月ペルナンブカーノ州選手権にて19歳のプロデビュー。デビュー年の19試合から年々出場数を増やしていき、2023年には全国選手権2部での27試合など、年間44試合に出場(2得点2アシスト)。2024年は期限付き移籍としてジュヴェントゥージに加入。相次ぐケガのため、クラブデビューは6月5日となった。今節は5試合目の出場ながら、右サイドバック、ボランチ、右サイドハーフと複数の異なるポジションでプレーするユーティリティ性が持ち味の一つ。前節では決勝ゴールのアシストを記録し、今節はゴールをマーク。全国選手権中盤を目前に、中位から上位進出を目論むチームにとって大きな新戦力が現われた。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:45% 55% ⇒ 前後半:41% 59%
シュート(枠内): 前半:12‐2(3-1) ⇒ 前後半:17-12(5-3)
パス成功率: 前半:77% 85% ⇒ 前後半:72% 85%
Desarmes: 前半:6‐0 ⇒ 前後半:12-5
Faltas Cometidas: 前半:9‐7 ⇒ 前後半:22-15

   フォルタレーザの前節パウメイラス戦は、FWルセロ(Lucero, 1991)の2得点と、SBブルーノ・シャペコ(Bruno Chapeco, 1991)の1得点。先制、中押し、ダメ押しの理想的な試合展開で3-0の完勝を収めた。
   今節のスタメンはいつものように、5つのポジションで変更。2得点のFWルセロと、2アシストのMFヤゴ・ピカチュー(Yago Pikachu, 1992)は、今節もスタメンに名前を連ねる。
   ジュヴェントゥージは、前節の首位フラメンゴとの対戦は先制点を許すものの、前半のうちに同点に追いつくと、後半は試合の主導権を握り、後半42分のゴールで逆転勝ち。試合を経るごとにチーム戦術の深化がうかがえる。
   今節のスタメンは、4つのポジションで変更。出場停止明けのGKガブリエウ(Gabriel, 1992)が復帰。大ベテランMFネネー(Nenê, 1981)はベンチスタート。

   フォルタレーザは、前節に続き不安定な立ち上がり。前半3分に最終ラインでのミスからボールを奪われシュートに持ち込まれる。
   しかし、フォルタレーザは徐々に落ち着きを取り戻し、組織的な守備からカウンターを狙う展開へ移行。相手にボールを持たせながら試合の主導権を握っていく。
   前半21分、PA内での微妙な判定からフォルタレーザがPKを獲得すると、FWルセロがゴールを決めフォルタレーザが先制。
   フォルタレーザは、先制後も守備に重点を置いた戦術を継続。前半29分、前半32分には右サイドからゴールに迫り、ジュヴェントゥージGKガブリエウ(Gabriel, 1992)を脅かす。前半39分には、自陣からのロングフィードに相手陣半ばでFWルセロがDFに競り勝ち、左へボールをはたき、FWブレーノ・ロペス(Breno Lopes, 1996)がGKの頭上を越す柔らかなシュート。ジュヴェントゥージCBダニーロ・ボーザ(Danilo Boza, 1998)がゴールに戻りながら頭で枠外にボールを弾きだす。
   前半45+3分、フォルタレーザは、自陣でのパスカットから、MFポチェチーノからのロングパス一発のカウンター。MFヤゴ・ピカチューが抜け出しゴールネットを揺らし、2-0のリードで前半を終える。
   後半開始時に、ジュヴェントゥージは2選手を交代するが、期待通りの効果は現れない。
   後半9分、フォルタレーザは右CKから右SBチンガ(Tinga, 1993)が外から内に絞り込み、DFの前に入り、フリーで強烈なヘディングシュート。ボールはクロスバーを直撃し、試合を決定づけるゴールは生まれない。
   ジュヴェントゥージがボールを握るものの攻めあぐね、フォルタレーザが少ないチャンスを相手ゴール前にボールを運ぶ展開が続く。
   後半29分、ジュヴェントゥージはVOLエヴェルトンが反撃ののろしとなるゴールをマーク。しかし、フォルタレーザは、安定した最終ラインはいじらず、前線や中盤の選手を中心に選手交代を進め、ボールの出どころへのマークを強める。
   フォルタレーザは、最後まで試合をコントロールしジュヴェントゥージの反撃を抑え、2-1の勝利。
   フォルタレーザはホームでの2連戦を2連勝で終え、勝点を「20」に伸ばし順位を8位に上げ、上位に争いに食い下がった。
   一方のジュヴェントゥージは、勝点「16」は変わらず、上位争いから一歩遅れを取る結果。これで、ホームでの4勝2分とは対照的に、アウェイでは2分4敗。今後2戦アウェイでの試合が続くが、ジンクスを破り勝ち点を積み重ね、上位グループから離されずついていきたい。

ヴィトーリア(VIT) 0-1 アトレチコ・パラナエンセ(CAP)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=TDXy6gkfA3Q
(CAP) : 81' #20 ジュリマール(Julimar, 2001)[#4 カイキ・ホッシャ(Kaique Rocha, 2001)]

今節前の順位

ヴィトーリアは全国選手権3勝3分6敗勝点12の15位。
 コパ・アメリカ代表選手なし。
アトレチコ・パラナエンセは全国選手権5勝4分3敗勝点19の6位。
 コパ・アメリカ代表選手 :
  GKベント(Bento, 1999, ブラジル代表)
  FWカノービオ(Canobbio, 1998, ウルグアイ代表)

得点シーン

(CAP) : 81' #20 ジュリマール(Julimar, 2001)[#4 カイキ・ホッシャ(Kaique Rocha, 2001)]
相手陣10mほど入った位置からCBカイキ・ホッシャが前線へ柔らかいパス。FWパブロ(Pablo, 1992)がDFを背につぶれると、ボールは流れFWジュリマールの元へ。この好機を逃さず、FWジュリマールは、間合いを詰めるGKの脇を抜けるシュート。ボールは無人のゴールに吸い込まれ、アトレチコ・パラナエンセが待望の先制点。[0-1]
   FWジュリマールは、クリシウーマ育成出身で、2018年6月全国選手権2部にて17歳のプロデビュー。2020年アトレチコ・パラナエンセU-20チームへの期限付き移籍を経て、2021年に完全移籍。2023年全国選手権2部ミラソウへの期限付き移籍で19試合1アシストを記録すると、2024年アトレチコ・パラナエンセに復帰し、クーカ監督のもと、多くの出場機会を与えられ、これまで31試合3得点2アシストの記録を残している。この貴重な勝ち越しゴールは、2月3日以来のゴールだった。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:55% 45% ⇒ 前後半:55% 45%
シュート(枠内): 前半:4‐5(0-1) ⇒ 前後半:13-7(3-2)
パス成功率: 前半:83% 82% ⇒ 前後半:84% 84%
Desarmes: 前半:2‐8 ⇒ 前後半:6-14
Faltas Cometidas: 前半:5‐8 ⇒ 前後半:12-16

   ヴィトーリアは、前節フルミネンセとの降格圏同士の対戦で、後半45分に勝ち越しゴールを奪い1-0の勝利。降格圏から抜け出した。
   今節は前節のスタメンから1点の変更。出場停止明けの左SBルーカス・エステヴィス(Lucas Esteves, 2000)がスタメンに復帰。
   アトレチコ・パラナエンセは、後半アディショナルタイムでの失点が3試合続きクーカ監督が辞任。その後の初戦となった前節は0-2の敗戦となり、厳しい状況にある。
   今節は、攻撃的なポジションの4選手を入れ替え。センターフォワードにはFWパブロ(Pablo, 1992)が入る。

   ホームのヴィトーリアは、前節同様にコンパクトな陣形を保ち、狭めの選手間から細かいパスを繋ぎ相手陣へ迫る。しかし、やはり前節同様スピード感に欠け、得点機を生み出すことは出来ない。
   一方で、アトレチコ・パラナエンセは、ヴィトーリアの攻撃を絶つと、素早く相手陣サイドへボールを送り、チャンスを作り出す。前半23分、右サイドからのマイナスのクロスにMFサペリ(Zapelli, Zapelli)が中央正面からシュート。ボールはクロスバーを大きく越える。
   この時間あたりから、アトレチコ・パラナエンセがボールを支配し始めると、前半33分にFWジュリマールが約25mのミドルシュートを放つ。しかし、GKルーカス・アルカンジョ(Lucas Arcanjo, 1998)が倒れ込みながらセーブ。
   後半開始時に、両チームは2選手を交代。
   すると、ヴィトーリアはロングボールを効果的に使い、後半2分、後半4分と相次いで相手ゴールに迫り、後半5分のCKではCBヴァギネル・レオナルド(Wagner Leonardo, 1999)のヘディングシュートが枠を捉えるが、アトレチコGKレオ・リンキ(Léo Linck, 2001)の堅実なセーブにゴールは生まれない。
   その後も、ヴィトーリアが左右に広くピッチを使い、後半出場のFWジャンデルソン(Janderson, 1999)の高さも有効に使い、優位に試合を進める。
   ところが、後半36分、アトレチコ・パラナエンセは最終ラインCBカイキ・ホッシャからのパスに、PA手前でFWパブロが潰れ、FWジュリマールがフリーの態勢でボールをゴールに流し込み先制。
   アトレチコ・パラナエンセは、この虎の子の1点を最後まで守り抜き、ここ最近の悪夢を払拭。5試合ぶりの勝利を9試合ぶりの無失点試合で飾った。

フラメンゴ(FLA) 2-1 クルゼイロ(CRU)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=n74ynIxaxNQ
(FLA) : 17' #9 ペドロ(Pedro, 1997)[#8 ジェルソン(Gerson, 1997)]
(CRU) : 38' #10 マテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)[#12 ウィリアン・フルタド(William Furtado, 1995)]
(FLA) : 65' #15 ファブリシオ・ブルーノ(Fabrício Bruno, 1996)[#7 ルイス・アラウージョ(Luiz Araújo, 1996)]

今節前の順位

フラメンゴは全国選手権7勝3分2敗勝点24の首位。
 コパ・アメリカ代表選手 :
  VOLエリキ・プルガール(Erick Pulgar, 1994, チリ代表)
  SBバレラ(Varela, 1993, ウルグアイ代表)
  SBビーニャ(Viña, 1997, ウルグアイ代表)
  MFデ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994, ウルグアイ代表)
  MFデ・ラ・クルス(De La Cruz, 1997, ウルグアイ代表)
クルゼイロは全国選手権6勝2分3敗勝点20の5位。(1試合未消化)
 コパ・アメリカ代表選手 :
  MFホセ・シフエンテス(José Cifuentes, 1999, エクアドル代表)

得点シーン

(FLA) : 17' #9 ペドロ(Pedro, 1997)[#8 ジェルソン(Gerson, 1997)]
ハーフライン手前でCBファブリシオ・ブルーノ(Fabrício Bruno, 1996)が相手ボールを搔き出すと、VOLジェルソンがドリブルで左前方に斜めに上がる。PA手前で右前方にボールを送ると、FWペドロがフリーの態勢でワンタッチで右足を振り抜き、ゴールファーサイドにボールを沈める。[1-0]
   FWペドロは、このゴールで全国選手権得点ランキング単独トップの6得点。アシスト数でも最多の4アシストを記録している。2024年はこれで32試合24得点6アシスト(うち全国選手権は13試合6得点4アシスト)。
(CRU) : 38' #10 マテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)[#12 ウィリアン・フルタド(William Furtado, 1995)]
自陣からのカウンター。右サイドをVOLルーカス・シウヴァ(Lucas Silva, 1993)がドリブルで上がりDFに倒されるが、SBウィリアン・フルタドがボールを拾いPAに向かう。ドリブル途中でボールを掻き出されるが、こぼれ球をMFマテウス・ペレイラが狙いを定めたシュートでゴール左隅に沈め、クルゼイロが試合を振り出しに戻す。[1-1]
   この得点者、アシストの組み合わせは第8節クイアバ戦に続き2度目。FWマテウス・ペレイラは、これで今季29試合7得点10アシスト(うち全国選手権は11試合4得点2アシスト)。SBウィリアン・フルタドは、31試合3得点8アシスト(うち全国選手権は12試合2得点4アシスト)。この2選手の活躍は、クルゼイロの好調の要因の一つ。
(FLA) : 65' #15 ファブリシオ・ブルーノ(Fabrício Bruno, 1996)[#7 ルイス・アラウージョ(Luiz Araújo, 1996)]
相手陣PAすぐ左からのFK。FWルイス・アラウージョが蹴るボールに、CBファブリシオ・ブルーノがDFを振りほどき、中央へ切れ込みながらヘディングシュート。ボールはゴールネットを揺らす。[2-1]
   CBファブリシオ・ブルーノは、2024年3月の国際親善試合に向けたブラジル代表に選出され、イングランド戦(1-0)、スペイン戦(3-3)にフル出場を果たし、一躍欧州クラブの注目を浴びる。2024年5月ウェストハムのオファーにクラブ間で合意に至るものの、ファブリシオ自身がフラメンゴでプレーを続けることを選択した。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:50% 50% ⇒ 前後半:50% 50%
シュート(枠内): 前半:3‐7(1-3) ⇒ 前後半:7-15(3-5)
パス成功率: 前半:84% 87% ⇒ 前後半:80% 85%
Desarmes: 前半:11‐9 ⇒ 前後半:24-13
Faltas Cometidas: 前半:2‐6 ⇒ 前後半:5-17

   フラメンゴは、コパ・アメリカ代表や相次ぐケガのため、多くの選手を欠くが、MFロハン(Lorran, 2006)やFWルイス・アラウージョ(Luiz Araújo, 1996)などが穴を埋める以上の活躍。しかし、前節ジュヴェントゥージ戦は後半には試合の主導権を握られ逆転負けを喫し、連続無敗記録は9試合で小休止となった。
   今節のスタメンは、3選手を入れ替え試合に臨む。
   クルゼイロは、前々節の1-4の大敗のダメージを引きずらず、前節は2-0の快勝。FWガブリエウ・ヴェロン(Gabriel Veron, 2002)の2試合連続ゴール、MFヴィチーニョ(Vitinho, 2004)のプロ初ゴールなど、勢いを感じる勝利だった。
   今節は、出場停止のCBゼ・イヴァウド(Zé Ivaldo, 1997)に代わりCBネリス(Neris, 1992)が5月7日以来の試合。最近の出場試合で2回のレッドカードを貰っている左SBマルロン(Marlon, 1997)はベンチスタート。左SBカイキ・ブルーノ(Kaiki Bruno, 2003)が2試合連続でスタメンを務める。

   フラメンゴは、前半12分、相手陣でMFロハンがドリブルでDFをかわし前進、FWペドロ(Pedro, 1997)へボールを送ると、FWペドロは足裏でボールを流し、FWルイス・アラウージョがシュート。ボールは大きくクロスバーを越えるが、最近の好調を支える3選手が絡み相手ゴールに迫る。
   すると、前半16分、相手陣高い位置でのCBファブリシオ・ブルーノ(Fabrício Bruno, 1996)のボール奪取から、VOLジェルソン(Gerson, 1997)、FWペドロと縦に速くボールを繋ぎ、フラメンゴが先制する。
   両チームともに最終ラインを高い位置に敷き、ハーフライン近辺を軸とした地域での一進一退が続く。
   前半37分、クルゼイロが最終ラインから素早く縦にボールを繋いでいくと、相手陣ではフラメンゴDFに何度か引っかかりながらも辛うじてPA手前にボールを運び、最後はFWマテウス・ペレイラがコースを狙ったシュート。クルゼイロが前半のうちに試合を振り出しに戻す。
   後半開始時にフラメンゴはCBレオ・オルティス(Léo Ortiz, 1996)を投入。すると、中盤でのボール争奪戦で相手を上回るようになり、クルゼイロを相手陣に押し込む時間帯が増えていく。
   後半20分、FWルイス・アラウージョのFKにCBファブリシオ・ブルーノが合わせフラメンゴが勝ち越し。
   クルゼイロは、選手交代を通じて、中盤、前線の厚みを加えボールを支配していくが、フラメンゴも幾分守備ラインが下がったもの、中盤をコンパクトに保ち、ボールの出どころへの寄せを怠らず、良質のボールを前線に送らせない。
   フラメンゴは、最後までクルゼイロの反撃を許さず、2-1の勝利。首位の座を守り抜いた。

クリシウーマ(CRI) 1-1 インテルナシオナウ(INT)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=gfQ8QZNn8nA
(INT) : 40' #8 ブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1989)[#48 ルーカ(Lucca, 2003)]
(CRI) : 79' #27 クラウジーニョ(Claudinho, 2000)[#45 アルトゥール・カイーキ(Arthur Caíke, 1992)]

今節前の順位

クリシウーマは全国選手権3勝3分4敗勝点12の13位。(2試合未消化)
 コパ・アメリカ代表選手 :
  CBウィルカー・アンヘル(Wilker Ángel, 1993, ベネズエラ代表)
インテルナシオナウは全国選手権5勝2分3敗勝点17の9位。(2試合未消化)
 コパ・アメリカ代表選手 :
  GKロチェ(Rochet, 1993, ウルグアイ代表)
  FWエネル・バレンシア(Enner Valencia, 1989, エクアドル代表)
  FWボレー(Borré, 1995, コロンビア代表)

得点シーン

(INT) : 40' #8 ブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1989)[#48 ルーカ(Lucca, 2003)]
相手陣右サイドライン際でVOLブルーノ・エンヒキとVOLチアゴ・マイア(Thiago Maia, 1997)が相手を挟み込みボールを奪い、VOLブルーノ・エンヒキが縦にボールを送る。ゴールライン際でボールを受けたFWルーカがマイナスのパス。走り込んだVOLブルーノ・エンヒキが右足を振り、ボールをゴールに突き刺す。[0-1]
   FWルーカは、セアラーの育成部門で長らく過ごし、インテル育成への移籍後の2023年1月リオグランデドスル州選手権にて19歳のプロデビュー。2023年はチームが不振だった頃のリベルタドーレスグループラウンドにて、後半出場からチームの敗戦を救うアシストを2試合連続で記録したプレーが印象に残っている。大型補強の影響もあり、2023年は年間を通して途中交代による出場が続き、2024年も満足できるほどの出場機会はないが、少ない時間で結果を残し、少しずつ出場時間を増やしていきたい。
(CRI) : 79' #27 クラウジーニョ(Claudinho, 2000)[#45 アルトゥール・カイーキ(Arthur Caíke, 1992)]
相手陣でボールを展開。左サイドをFWボラシエ(Bolasie, 1989)が縦に仕掛け、PA横から低い弾道のクロス。ゴール前正面でFWアルトゥール・カイーキがすらしたボールを逆サイドゴールエリア手前でフリーの態勢で待ち構えたSBクラウジーニョがゴールに押し込み、クリシウーマが試合を振り出しに戻す。[1-1]
   右SGクラウジーニョは、クリシウーマ育成出身で、2021年1月サンタカタリーナ州選手権にて20歳のプロデビュー。チームと共に、全国選手権を3部、2部、1部と戦いの舞台を変え、チームの主力へと成長している。2023年は49試合4得点3アシストと3項目すべてでキャリアハイ。2024年はこれまで32試合4得点4アシスト(うち全国選手権は11試合1得点1アシスト)を記録しており、2年連続のキャリアハイがほぼ確実。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:42% 58% ⇒ 前後半:46% 54%
シュート(枠内): 前半:5‐6(2-3) ⇒ 前後半:15-12(6-4)
パス成功率: 前半:80% 87% ⇒ 前後半:80% 82%
Desarmes: 前半:8‐4 ⇒ 前後半:17-11
Faltas Cometidas: 前半:6‐7 ⇒ 前後半:10-14

   クリシウーマは、2連勝で臨んだ前節は、立ち上がり1分の失点で試合に乗り損ね、終始試合を支配され1-2で敗れた。
   今節のスタメンは、5-3-2のフォーメーションが予想され、2トップに2試合連続得点中で4試合3得点と好調のFWアルトゥール・カイーキ(Arthur Caíke, 1992)が入り、相方には3月10日州選手権以来の先発となるFWアラーノ(Allano, 1995)。出場停止明けのCBトビアス・フィゲイレード(Tobias Figueiredo)が復帰。
   インテルナシオナウは前節アトレチコ・ミネイロ戦では最後のプレーで失点し1-2の敗戦。
   今節のスタメンは、前節から3つのポジションを変更。右サイドバックに守備的なSBイゴル・ゴメス(Igor Gomes, 2001)が入り、センターフォワードに高さのあるFWルーカ(Lucca, 2003)が入る。

   立ち上がりは、アウェイのインテルナシオナウがボールを支配。クリシウーマ守備網の周りをボールを回し攻撃の糸口を探る。クリシウーマは、中に入るボールに対し厳しく寄せ、インテルナシオナウに攻撃の形を作らせない。
   前半15分に前後して、クリシウーマは、カウンターから相手陣深くに攻め入り、セットプレーを交えながら相次いでゴールに迫るが、シュートに力強さがなく、この時間帯を過ぎると再びインテルナシオナウが試合の流れを取り戻す。
   前半40分、インテルナシオナウは相手陣でボールの出どころに狙いを定めボール奪取。縦に速く攻めあがり、FWルーカのゴールライン際からのマイナスのボールをVOLブルーノ・エンヒキがダイレクトにゴールに沈め、インテルナシオナウが均衡を破る。
   後半開始直後、クリシウーマはFKからチャンスを迎えるが、インテルGKファブリシオ(Fabrício, 1986)が好セーブ。折り返しにインテルがクリシウーマゴールに迫り、VOLブルーノ・エンヒキがシュートに持ち込むが、ボールは枠を捉えない。
   試合は、次第にクリシウーマがボールを握り、インテル守備陣が自陣で構えてクリシウーマの攻撃を受ける構図となる。しかし、クリシウーマに有効な手段は見当たらず、インテル守備陣の周りでボール回しを繰り返し、シュートに持ち込むことさえできない。
   後半21分、クリシウーマはFWボラシエ(Bolasie, 1989)とFWエデル・シタジン(Éder Citadin, 1986)を投入。すると、両者ともに僅かな時間にシュートまで持ち込み、それまでの閉塞感を打ち破る。
   次第にクリシウーマは、FWボラシエとSBマルセロ・エルメス(Marcelo Hermes, 1995)を中心に中央のMFマテウジーニョ(Matheusinho, 1998)が絡み左サイドから仕掛ける場面が増えていき、後半34分、左サイドからのボールにPA内に上がった右SBクラウジーニョ(Claudinho, 2000)のゴールで遂にクリシウーマが同点。
   その後試合は一進一退の攻防となるが、両チームに大きなチャンスは訪れずタイムアップ。前後半で、試合の主導権が移り変わった試合は、1-1の引き分けに終えた。

   クリシウーマは、フォワードの2選手の他、MFフェリピ・マテウス(Fellipe Mateus, 1991)など、スタメンクラスの選手を控えに温存し、後半の勝負所でピッチに送り込む采配が半ば的中。後半途中の選手交代以降は、試合の主導権を握り、同点に追いついた。しかしながら、勝ち越すまでは至らず、勝点「1」を積み上げるに終えた。
   FWアルトゥール・カイーキはこの試合でもアシストを記録、前節で積極的に攻め上がった右SBクラウジーニョが今節は貴重な同点ゴール。前節出番のなかったMFマテウジーニョは攻守にピッチを走り回り、終盤は攻撃の指揮を振るった。
   途中出場のFWボラシエはピッチに立つと、シュートやドリブルだけでなく、周りを使ったパスやクロスなど一気に試合の流れを変える活躍。コンゴ民主共和国元代表が役者の違いを見せた。

   インテルナシオナウは、以前のような高い位置で次々とボールを奪い、セカンドボールをことごとく回収し、畳み掛けるような攻撃が最近の試合では見られない。相手陣でのパス回しではパスを簡単に守備網に引っ掛け、次々と選手を追い越すような動きもなく、退屈な戦いぶりを繰り返している。
   コパ・アメリカ代表と移籍が決まったMFマウリシオ(Maurício, 2001)の4選手が欠いただけで、ここまでチームが変わるのだろうか。前年終盤に見せた攻撃的な戦術が今や遠い昔のことのように思われる。

パウメイラス(PAL) 2-0 コリンチャンス(COR)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=Kmw6C-4XtNE
(PAL) : 53' #35 ファビーニョ(Fabinho, 2002)[#23 ハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)]
(PAL) : 57' #44 ヴィトル・ヘイス(Vitor Reis, 2006)[#23 ハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)]

今節前の順位

パウメイラスは全国選手権7勝2分3敗勝点23の4位。
 コパ・アメリカ代表選手 :
  CBグスタボ・ゴメス(Gustavo Gómez, 1993, パラグアイ代表)
  VOLヒシャルジ・ヒオス(Richard Rios, 2000, コロンビア代表)
  FWエンドリッキ(Endrick, 2006, ブラジル代表)
コリンチャンスは全国選手権1勝6分5敗勝点9の18位。
 コパ・アメリカ代表選手 :
  CBフェリックス・トーレス(Félix Torres, 1997, エクアドル代表)
  FWアンヘル・ホメーロ(Ángel Romero, 1992, パラグアイ代表)

得点シーン

(PAL) : 53' #35 ファビーニョ(Fabinho, 2002)[#23 ハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)]
PA手前ゴール正面のFK。ボールの後ろに左足のMFハファエウ・ヴェイガと右足のMFガブリエウ・メニーノ(Gabriel Menino, 2000)が並ぶ。MFハファエウ・ヴェイガが蹴ったボールは、壁に入ったVOLファビーニョがしゃがんだ頭上を抜けゴールネットに刺さる。
   VOLファビーニョは、パウメイラス育成出身で、2021年3月サンパウロ州選手権にて18歳のプロデビュー。トップチームに昇格した2023年には途中交代出場が中心ながら40試合(うち先発6試合)に出場。2024年もポジション争いは厳しく、ボランチの5番手に甘んじており、13試合(うち先発4試合)にとどまっている。しかし、全国選手権第8節以降の6試合のうち5試合に出場。今節を含む2試合で先発に起用されている。このゴールは、意図しないゴールだったが、記念すべきプロ初ゴール。次は自らの足でゴールを奪いたい。
(PAL) : 57' #44 ヴィトル・ヘイス(Vitor Reis, 2006)[#23 ハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)]
MFハファエウ・ヴェイガが蹴る右CK。ゴール前に送られたボールに、CBヴィトル・ヘイスが後方へ下がりながら頭を合わせる。これがゴールネットを揺らし、パウメイラスが追加点。
   CBヴィトル・ヘイスは、パウメイラス育成出身で、2024年6月26日全国選手権第12節フォルタレーザ戦の後半29分にピッチに送りだされ18歳のプロデビュー。今節は自身2戦目でスタメンに抜擢されるとプロ初ゴールをマーク。世代別代表では、2023年南米U-17選手権をキャプテンとして制覇。2023年U-17W杯でもキャプテンを務めた。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:51% 49% ⇒ 前後半:47% 53%
シュート(枠内): 前半:12‐5(5-2) ⇒ 前後半:18-12(10-3)
パス成功率: 前半:82% 72% ⇒ 前後半:80% 78%
Desarmes: 前半:9‐6 ⇒ 前後半:13-10
Faltas Cometidas: 前半:13‐5 ⇒ 前後半:19-10

   パウメイラスは、前節フォルタレーザ戦では両サイドでサイドバックの選手を縦に並べる実験的な布陣。しかし結果は伴わず0-3の敗戦。
   今節のスタメンは、前節負傷交代のCBムリーロ(Murilo, 1997)がベンチ外。前節プロデビューを飾ったCBヴィトル・ヘイス(Vitor Reis, 2006)がプロ2試合目にして先発出場。出場停止のVOLアニバル・モレノ(Anibal Moreno, 1999)とFWホニ(Rony, 1995)に代わり、VOLファビーニョ(Fabinho, 2002)とFWフラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)が入る。
   コリンチャンスは、全国選手権は僅かに1勝で降格圏内の18位。最近の2試合を終盤のゴールで引き分けに持ち込み何とか勝点「1」を積み上げているが、試合内容は一向に上向かない。
   今節のスタメンは、前節から2選手を入れ替え。フォーメーションは4-4-2から4-3-3への変更が見込まれる。
   今節の結果次第で、アントニオ・オリヴェイラ(António Oliveira)監督の解任の可能性が一気に高まる。

   パウメイラスが、相手陣での積極的なプレスから試合の流れを掴む。前半12分、相手陣PA内でボールを奪うが、MFガブリエウ・メニーノのシュートはGKの正面を突く。
   一方のコリンチャンスは、前半16分、FWウェズレイ(Wesley, 2005)がスピードのあるドリブルでボールを相手陣深くに持ち運び、角度のない位置からシュートに持ち込むが、GKウェヴェルトン(Weverton, 1987)がニアサイドを塞ぎCKに逃れる。
   その後、コリンチャンスはパウメイラスのプレスを掻い潜るようになり、試合は均衡状態に陥る。
   後半8分、パウメイラスがPA手前中央やや右の位置でFKを獲得。MFハファエウ・ヴェイガが蹴ったボールが壁に入ったVOLファビーニョの頭をかすめゴール。パウメイラスが先制。VOLファビーニョは思わぬ形でのプロ初ゴールをマーク。
   後半12分、パウメイラスは右CKから、6月26日にプロデビューを果たし、今節が自身2試合目でプロ初スタメンに抜擢されたCBヴィトル・ヘイスのプロ初ゴール。一気にコリンチャンスを突き放す。
   後半18分に、パウメイラスMFハファエウ・ヴェイガがFWエステヴォン(Estêvão, 2007)に絡むコリンチャンスMFロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)を突き飛ばし一発退場。
   この退場劇を受け、後半22分、後半27分、後半33分と相次いで選手交代を実施し、攻撃的な選手を投入。一方のパウメイラスは、後半35分を過ぎ、右SBマイキ(Mayke, 1992)のほか、左SBヴァンデルラン(Vanderlan, 2002)、右SBガルシア(Garcia, 2002)を相次いで投入。CBナヴェス(Naves, 2002)とCBヴィトル・ヘイスの若い両CBコンビも、鋭い出足と的確なカバーリングでコリンチャンスを反撃をシャットアウト。
   試合は2-0でパウメイラスの勝利。
   コリンチャンスは、翌日、アントニオ・オリヴェイラ監督を解任した。

   パウメイラスは、15人の出場選手のうち、8選手が育成出身選手。2000年生まれのVOLガブリエウ・メニーノを筆頭に、2002年生まれが5選手、2006年生まれ、2007年生まれが各1選手と、FWエンドリッキ(Endrick, 2006)、MFルイス・ギリェルミ(Luis Guilherme, 2006)の移籍退団後も、育成カテゴリーからは次々と選手が輩出されている。

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