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全国選手権第18節 対戦組合せ
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/07/20 フラメンゴ(FLA) x クリシウーマ(CRI)
・2024/07/20 ボタフォゴ(BOT) x インテルナシオナウ(INT)
・2024/07/20 パウメイラス(PAL) xクルゼイロ(CRU)
・2024/07/21 グレミオ(GRE) x ヴィトーリア(VIT)
・2024/07/21 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第18節(2/2)[07/20-21]
・2024/07/21 バイーア(BAH) x コリンチャンス(COR)
・2024/07/21 RBブラガンチーノ(RBB) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)
・2024/07/21 フォルタレーザ(FOR) x アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)
・2024/07/21 ジュヴェントゥージ(JUV) x サンパウロ(SAO)
・2024/07/21 クイアバ(CUI) x フルミネンセ(FLU)
全国選手権第18節 試合概要
フラメンゴ(FLA) 2-1 クリシウーマ(CRI)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=NTbPQv8KmHc
(CRI) : 35' #3 ホドリゴ(Rodorigo, 1987)[]
(FLA) : 76' #9 ペドロ(Pedro, 1997)[#14 デ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)]
(FLA) : 89' #99 ガブリエウ・バルボーザ(Gabriel Barbosa, 1996)[PK]
今節前の順位
フラメンゴは全国選手権9勝4分3敗勝点31の3位。(1試合未消化)
クリシウーマは全国選手権4勝5分6敗勝点17の14位。(2試合未消化)
得点シーン
(CRI) : 35' #3 ホドリゴ(Rodorigo, 1987)[]
相手陣中央約10m入った位置からのFK。SBトラウコがゴール前右に上げたボールをFWアラーノが頭で中央に落とす。そこに後方から上がったCBホドリゴが右足のシュート。一旦はGKが弾き返したものの、CBホドリゴがダイレクトにこぼれ球を左足で蹴り込み、アウェイのクリシウーマが先制。[0-1]
CBホドリゴは、マットグロッソドスル州の片田舎出身で、州都カンポグランデに本拠を置くCENEでプロサッカー選手としてのキャリアをスタート。主に州単位の大会に出場する下位クラブを遍歴し、2015年パラナクルービにて28歳にして初めて全国選手権(2部)にてプレーし4試合に出場、2019年全国選手権2部フェホヴィアリオにて25試合に出場するが、いずれも契約は単年に終わり、多くのキャリアを下位リーグで過ごす。2021年5月に当時全国選手権3部のクリシウーマに加入すると、センターバックとしてスタメンに定着(この時34歳)しチームの2部昇格に貢献。2023年は全国選手権2部35試合に出場しチームの1部昇格に貢献。37歳にして自身初の全国選手権1部の舞台に立つシーズンでもチーム全38試合(全国選手権16試合)のうち35試合(同15試合)に出場。このゴールは、主軸としてクリシウーマの躍進に貢献している大ベテランの全国選手権初ゴール。
(FLA) : 76' #9 ペドロ(Pedro, 1997)[#14 デ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)]
自陣からのビルドアップ。VOLジェルソン(Gerson, 1997)から左サイドライン際のSBビーニャ(Viña, 1997)を経て、中央のMFデ・アラスカエッタへボールが渡ると、MFデ・アラスカエッタからのスルーパスをFWペドロがPA内右でダイレクトに合わせゴールネットを揺らす。[1-1]
FWペドロは、出場3試合連続ゴールで全国選手権単独トップの9ゴール。2024年は36試合27得点7アシスト。勢いは止まらない。
(FLA) : 89' #99 ガブリエウ・バルボーザ(Gabriel Barbosa, 1996)[PK]
フラメンゴがクリシウーマ陣PA近辺でボールを展開。その間にピッチ外(観客席?)からボールが投げ込まれる。そのままプレーが続くと、クリシウーマMFバヘット(Barreto, 1995)が続行するプレーを妨害するように、投げ込まれたボールを蹴る。主審はその行為を反紳士的行為としてファールを宣告し、フラメンゴにPKが与えられる。これをFWガブリエウ・バルボーザが決めフラメンゴが逆転。[2-1]
ボールが投げ込まれた時点で状況に関わらずプレーを止めるべきだと思われるが、試合を続行した主審の判断はいかがなものか?
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:58% 42% ⇒ 前後半:59% 41%
シュート(枠内): 前半:6‐8(0-4) ⇒ 前後半:15-14(6-4)
パス成功率: 前半:87% 83% ⇒ 前後半:86% 79%
Desarmes: 前半:6‐6 ⇒ 前後半:9-17
Faltas Cometidas: 前半:8‐10 ⇒ 前後半:12-19
フラメンゴの前節は順延。前々節フォルタレーザ戦での敗戦で首位から陥落したものの、コパ・アメリカ代表5選手やケガ人が相次いだ6月13日第8節以降の9試合を5勝2分2敗で乗り切った。この期間にチームを支えたFWルイス・アラウージョ(Luiz Araújo, 1996)、MFロハン(Lorran, 2006)、VOLレオ・オルティス(Léo Ortiz, 1996)が代表選手とのポジション争いを繰り広げることとなり、チチ(Tite)監督にとっては嬉しい悩みとなりそうだ。
今節のスタメンは、コパ・アメリカ帰りの3選手、チリ代表VOLエリキ・プルガール(Erick Pulgar, 1994)、ウルグアイ代表MFデ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)、ウルグアイ代表VOLデ・ラ・クルス(De La Cruz, 1997)が中盤を構成する。
クリシウーマは、6月以降にボタフォゴやクルゼイロといった上位チームから白星を挙げたものの、直近の3試合は下位に低迷する相手に1分2敗と苦戦し、勝点を伸ばせずにいる。
今節は、FWアラーノ(Allano, 1995)をスタメンに抜擢し、左サイドバックにSBトラウコ(Trauco, 1992)が入る。これまで全国選手権で5得点1アシストのMFマテウジーニョ(Matheusinho, 1998)はトレーニング中の太もものケガのため遠征に帯同していない。
試合は予想に反してクリシウーマが積極な試合を展開。速い潰しでボールを支配し相手陣で試合を運ぶ。
前半15分を過ぎると、フラメンゴもプレスを剥がし相手陣へとボールを運ぶが、効果的に相手ゴールに迫ることは出来ない。
前半35分、クリシウーマが相手陣に入った位置で得たFK、ゴール前に上げられたボールをFWアラーノが落とし、CBホドリゴがシュート。一旦はGKに阻まれたものの、跳ね返りをゴールに突き刺しクリシウーマが先制。
前半45+2分、フラメンゴは左ショートコーナーからのクリアボールをCBファブリシオ・ブルーノ(Fabrício Bruno, 1996)が押し込みを図るが、ボールは惜しくもクロスバーを越える。
後半に入り、フラメンゴはボールを支配、クリシウーマを押し込んでいく。
後半15分、フラメンゴは相手陣深くのスローインからMFデ・アラスカエッタがドリブルでPAに侵入するが、ボールを奪われ転倒。プレーが途切れると、VARが介入し、MFデ・アラスカエッタが転倒したプレーでクリシウーマ側のファールが認められ、フラメンゴにPKが与えられる。しかし、FWペドロの蹴ったPKはコースが甘く、クリシウーマGKグスタヴォ(Gustavo, 1993)がブロック。フラメンゴは同点の絶好機を逸する。
後半19分、フラメンゴは右CKを獲得すると、MFデ・アラスカエッタのボールにVOLエリキ・プルガール(Erick Pulgar, 1994)がニアサイドでヘディングシュート。ボールはクロスバーを直撃、ボールは真下のゴールライン上に落ちDFがクリア。
2度の絶好機を逸したフラメンゴだったが、後半31分、自陣から左サイド、中央へと揺さぶりながらボールを運び、最後はFWペドロがゴールを奪い、試合を振り出しに戻す。
後半40分、フラメンゴが相手陣PA付近に攻め込む状況で、観客席からボールが投げ込まれ、クリシウーマVOLバレットがそのボールを蹴り、フラメンゴFWエヴェルトン・セボリーニャ(Everton Cebolinha, 1997)のドリブルを妨害。フラメンゴにPKが与えられる。これをFWガブリエウ・バルボーザが右隅に決め逆転。これが決勝点となり、フラメンゴが2-1の勝利を収めた。
観客席から投げ込まれたボールは、ただのモノとして扱われ、モノを利用しプレーを阻害した場合は、相手ボールでのドロップボールによるリスタートとなる。当件はPA内での阻害のため、PKの判定はルールに基づいた正しい判定とのこと。しかし、プレーへの関与が予想される地域へボールが投げ込まれた時点で主審はプレーを止めることができたはず。
フラメンゴは、開幕節に続き、1試合に2度のPKを獲得する幸運に恵まれ勝利を収めた。
ボタフォゴ(BOT) 1-0 インテルナシオナウ(INT)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=S7Ybnx1uC3M
(BOT) : 38' #7 ルイス・エンヒキ(Luiz Henrique, 2001)[#66 クイアバーノ(Cuiabano, 2004)]
今節前の順位
ボタフォゴは全国選手権11勝3分3敗勝点36の首位。
インテルナシオナウは全国選手権5勝4分4敗勝点19の13位。(4試合未消化)
得点シーン
(BOT) : 38' #7 ルイス・エンヒキ(Luiz Henrique, 2001)[#66 クイアバーノ(Cuiabano, 2004)]
相手GKのロングフィードをDFが弾き返し、そのボールをFWイゴル・ジェズス(Igor Jesus, 2001)がポストで受け、左サイドライン際を駆け上がるSBクイアバーノの前方へ踵のパス。抜け出したSBクイアバーノがPAへグラウンダーのクロスを送ると、逆サイドから絞り込んだMFルイス・エンヒキが左足を振り抜きゴール。[1-0]
MFルイス・エンヒキは、フルミネンセ育成出身で、2020年8月全国選手権にて19歳のプロデビュー。レアルベティス/ESPへ800万ユーロにて移籍し、一年半の期間で64試合4得点10アシストの成績を残し、2024年2月に1600万ユーロにてボタフォゴに加入。主戦の右サイドで、スピードと力強いドリブルで多くのチャンスを演出。ボタフォゴ加入後28試合5得点3アシストを記録している。
FWイゴル・ジェズスは、コリチバ育成出身で、2019年1月パラナ州選手権にて17歳のプロデビュー。同年中盤以降に出場機会が増え31試合5得点2アシストを記録すると、翌年は25試合2得点1アシストの成績を残し、2020年10月にアル・アハリ・ドバイ/UAEへ200万ユーロで移籍。4年間で91試合46得点16アシストの成績を収め、契約満了後の2024年7月ボタフォゴに加入。前節6分間のプレーでクラブデビューを果たし、今節はスタメンに抜擢されていた。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:49% 51% ⇒ 前後半:47% 53%
シュート(枠内): 前半:10‐4(4-0) ⇒ 前後半:10-10(4-1)
パス成功率: 前半:77% 79% ⇒ 前後半:78% 80%
Desarmes: 前半:7‐3 ⇒ 前後半:16-15
Faltas Cometidas: 前半:8‐7 ⇒ 前後半:16-14
ボタフォゴの前節は、同勝点2位のパウメイラスとの直接対決だったが、1-0で制し、単独首位に立った。
今節は、左サイドバックに攻撃的なSBクイアバーノ(Cuiabano, 2004)、前線には新加入で前節にて6分間プレーしたFWイゴル・ジェズス(Igor Jesus, 2001)をスタメンに抜擢。
インテルナシオナウの前節第17節は順延。コパ・スウアメリカーナでのプレーオフ、アウェイでの試合は0-1の敗戦。これで公式戦は7試合連続未勝利となった。
今節は、ジュヴェントゥージを率いていたホージェル・マシャード(Roger Machado)監督が、インテルナシオナウでの初采配を振るう。
スタメンには、コパ・アメリカ帰りのFWボレー(Borré, 1995)が復帰。CBヴィトン(Vitão, 2000)がレアルベティス/ESPとの移籍交渉でベンチ外。右SBイゴル・ゴメス(Igor Gomes, 2001)、右ZGホベルチ・ヘナン(Robert Renan, 2003)が最終ラインに入る。MFアラン・パトリッキ(Alan Patrick, 1991)が新たに負傷者リストに加わり、12選手まで登録可能なベンチ登録は9選手に止まる。
立ち上がりはホームのボタフォゴが試合を支配。高い位置でのプレスが嵌り、10分間で4本のシュート、うち2本は枠を捉える。
前半10分を過ぎ、インテルナシオナウも反撃に出るが、最後に放たれるシュートは勢いがなく、またゴール枠を大きく外す。
前半20分、ボタフォゴはカウンターでFWジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)が抜け出すが、インテルナシオナウCBメルカド(Mercado, 1987)が必死に戻りシュートブロック。前半26分、ボタフォゴはCKからゴール前の混戦からのこぼれ球をSBクイアバーノが強烈なシュートに持ち込むが、ウルグアイ代表としてコパ・アメリカに出場したインテルナシオナウGKロチェ(Rochet, 1993)が片手でゴールを守り抜く。
好機を何度も迎えながらゴールを奪えずにいたボタフォゴだが、前半38分、左SBクイアバーノのクロスからMFルイス・エンヒキがゴールを陥れ、待望の先制点。
前半40分を過ぎ、インテルナシオナウもセットプレーから複数のチャンスを迎えるが、シュートはいずれも大きく枠を越え、同点に追いつくことができない。
後半に入り、インテルナシオナウは中盤を修正し、中盤でのボール争奪戦で互角に立ち回るが、そこから迎えたチャンスではシュートに精度を欠き、チャンスを生かすことができない。
後半37分、インテルナシオナウはカウンターで抜け出したMFヨハン(Hyoran, 1993)が、PAを飛び出すGKの頭上を越すロビングのシュートを放つが枠を捉えず、後半45+5分、セットプレーによるゴール前の混戦からMFグスタヴォ・プラード(Gustavo Prado, 2005)がシュートに持ち込むが、ボタフォゴGKジョン・ヴィクトル(John Victor, 1996)が片手でストップ。
ボタフォゴは、前半の勢いがすっかり影を潜めた後半だったが、インテルナシオナウの拙攻に助けられ、1-0のスコアで逃げ切り首位をキープ。
インテルナシオナウは、後半に入り中盤で相手を上回ったものの、ゴール前のアイディアやシュートの精度に欠け、ホージェル・マシャード監督の初陣を勝利で飾ることができなかった。
パウメイラス(PAL) 2-0 クルゼイロ(CRU)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=gsA4AGfJ7C0
(PAL) : 36' #42 フラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)[#8 ゼ・ハファエウ(Zé Rafael, 1993)]
(PAL) : 90+2' #25 ガブリエウ・メニーノ(Gabriel Menino, 2000)[]
今節前の順位
パウメイラスは全国選手権10勝3分4敗勝点の33位。
クルゼイロは全国選手権9勝2分5敗勝点19の6位。(1試合未消化)
得点シーン
(PAL) : 36' #42 フラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)[#8 ゼ・ハファエウ(Zé Rafael, 1993)]
ハーフライン上で相手の縦パスをVOLゼ・ハファエウがインターセプト。ドリブルを挟み縦にボールを送ると、フラッコ・ロペスが最終ラインの手前で受けシュート。DFの足元を抜けたボールがゴールネットを揺らす。[1-0]
FWフラッコ・ロペスは、最近の5試合で3得点など、全国選手権は16試合5得点1アシスト、年間38試合16得点5アシスト。試合数は前年の40試合に迫り、得点とアシストはすでにキャリアハイを更新している。
VOLゼ・ハファエウは、コリチバ育成出身で、2012年4月パラナ州選手権にて18歳のプロデビュー。2016年期限付き移籍先の全国選手権2部ロンドリーナにて42試合8得点6アシストの成績を収めると、2017年バイーアへ移籍し2年間で128試合18得点9アシスト。パウメイラスに2019年に加入すると、一年目に38試合7得点5アシストの成績を残し、2020年10月のアベウ・フェヘイラ監督就任後はスタメンに定着。2023年までの5年間で271試合25得点21アシスト。2024年は4月に一か月間離脱したが、これまで27試合4アシスト。中盤の様々な役割を務めることができる万能型のボランチ。
(PAL) : 90+2' #25 ガブリエウ・メニーノ(Gabriel Menino, 2000)[]
相手陣中央でVOLガブリエウ・メニーノがボール奪取。左サイドのSBカイオ・パウリスタにボールを預け、自らは斜めにPA左へポジションを移す。SBカイオ・パウリスタの戻りのパスを踵でもう一度SBカイオに返そうとするが、DFがカット。しかし、そのボールがこぼれると、ダイレクトに右足を振る。ボールはファーサイドのゴールネットを揺らす。[2-0]
VOLガブリエウ・メニーノは、2020年9月にフル代表招集(出場機会なし)、2020東京五輪金メダリスト(3試合15分)、2019年U-20南米ユース選手権(6試合355分)。パウメイラス育成出身で、2020年1月サンパウロ州選手権にて19歳のプロデビュー。パウメイラスでは2023年までに195試合16得点16アシスト。2024年はこれまで34試合2得点。セグンドボランチを主戦としながらも、中盤全般、サイドバックもこなすポリバレント性の高い選手。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:52% 48% ⇒ 前後半:46% 54%
シュート(枠内): 前半:6‐1(2-1) ⇒ 前後半:13-7(5-2)
パス成功率: 前半:76% 77% ⇒ 前後半:72% 80%
Desarmes: 前半:5‐2 ⇒ 前後半:8-7
Faltas Cometidas: 前半:6‐10 ⇒ 前後半:16-17
パウメイラスは、前節ボタフォゴとの首位攻防戦で0-1の敗戦。しかし、それ以上に痛いのは、主力2選手の離脱。FWエステヴォン(Estêvão, 2007)が右足首を痛め数試合の欠場が見込まれ、左SBピケレス(Piquerez, 1998)が手術を要するケガを負い、場合によっては今季は絶望となる。
今節のスタメンは、左サイドバックにSBヴァンデルラン(Vanderlan, 2002)、4-4-2の布陣で左サイドハーフに新加入のMFフェリピ・アンデルソン(Felipe Anderson, 1993)が入る。
クルゼイロは現在3連勝中。前節はRBブラガンチーノを相手にボールを支配し、内容も相手を大きく上回り2-1の勝利を収めた。
今節のスタメンは、前節のスタメンから変更はない。
前半2分、パウメイラスは、左サイドライン際のMFフェリピ・アンデルソンから、一列内でパスを受けたSBヴァンデルランがオーバーラップ。ゴール前に鋭く送ったクロスにFWフラッコ・ロペスがフリーで足を合わせるが、ボールは枠を捉えず、絶好機を逸する。
前半12分、クルゼイロは左CKから、CBゼ・イバウド(Zé Ivaldo, 1997)が高さのあるヘディングシュート。しかし、パウメイラスGKウェヴェルトン(Weverton, 1987)が倒れ込みながらも冷静にボールを弾き返す。
前節と同じメンバーのクルゼイロだが、前節とは異なり判断ミスや連係ミスを繰り返し、パウメイラスが試合を支配。
パウメイラスも最近好調のFWエステヴォンを欠き、ゴール前でのアイディア不足が感じられたが、前半36分、VOLゼ・ハファエウのパスカットから素早く前方にボールを運び、FWフラッコ・ロペスがDFの足元を抜くシュートでパウメイラスが先制する。
前半45+2分、クルゼイロは自陣でVOLルーカス・シウヴァ(Lucas Silva, 1993)のボール奪取からカウンター。一気に右サイドを攻め上がると、逆サイドへ一度ボールを振り、最後は中央に戻しVOLルーカス・シウヴァがゴール。しかし、VARの検証により、ボール奪取時のVOLルーカス・シウヴァのファールが判定されゴールは取り消される。
後半開始時に、クルゼイロは新加入のMFマテウス・エンヒキ(Matheus Henrique, 1997)とFWカイオ・ジョルジ(Kaio Jorge, 2002)を投入。
しかし、すぐには前半の流れを変えることは出来ず、パウメイラスが後半1分にMFフェリピ・アンデルソン、後半6分にFWフラッコ・ロペスが相次いでゴールに迫る。
一方のクルゼイロも、交代選手が機能し始め、後半8分にピッチ中央でライン間でボールを受けたSBカイキ・ブルーノ(Kaiki Bruno, 2003)のシュートは僅かに枠を外れ、後半15分、自陣からの柔らかいフィードに抜け出したFWアルトゥール・ゴメス(Arthur Gomes, 1998)がシュートに持ち込むが、間合いを詰めたGKウェヴェルトンがブロック。
試合は、両チーム選手交代を繰り返し、均衡状態に陥る。
後半アディショナルタイムに突入すると、後半45+2分にVOLガブリエウ・メニーノが自身のインターセプトから左SBカイオ・パウリスタとのパス交換でPA内に侵入し、クルゼイロにとどめを刺すゴール。
パウメイラスが、ホームで2-0のスコアでクルゼイロを下し、首位ボタフォゴを追随。
クルゼイロは、苦手のアウェイ試合で最近にはないミスの多い試合を展開し、連勝は「3」でストップした。
グレミオ(GRE) 2-0 ヴィトーリア(VIT)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=33hkSSCh8_4
(GRE) : 63' #7 ソテウド(Soteldo, 1997)[]
(GRE) : 90+6' #6 ヘイナウド(Reinaldo, 1989)[PK]
今節前の順位
グレミオは全国選手権3勝2分10敗勝点11の18位。(2試合未消化)
ヴィトーリアは全国選手権4勝3分10敗勝点15の16位。
得点シーン
(GRE) : 63' #7 ソテウド(Soteldo, 1997)[]
VOLエデニウソン(Edenílson, 1989)が個人技で左サイドライン際を抜け出しPAへクロス。クリアされたボールをMFナタン(Nathan, 1996)が拾い今度は右へ展開。FWパボン(Pavón, 1996)がPAファーサイドボールを送ると、FWソテウドが受け、中央へ切れ込みながら複数のDFをかわしシュート。ボールはGKのニアサイドを抜けゴールネットを揺らす。[1-0]
FWソテウドは、2024コパ・アメリカなどベネズエラ代表として43試合4得点。2019年1月‐2021年4月、2022年8月‐2023年12月はサントスでプレーする。グレミオには2024年1月に加入。2月から2か月間ケガのために離脱、コパ・アメリカ出場のため全国選手権9試合に欠場したものの、2024年はこの試合を終えた時点で20試合3得点3アシストを記録している。
(GRE) : 90+6' #6 ヘイナウド(Reinaldo, 1989)[PK]
ハーフライン上でFWマチアス・アレッツォ(Matías Arezo, 2002)が後方からのボールを受け、左に開くFWグスタヴォ・ヌーネス(Gustavo Nunes, 2005)へボールを送る。FWグスタヴォ・ヌーネスは縦に進み、やや内へ切れ込み、PA入口へスルーパス。縦に入ったFWマチアス・アレッソが反転しボールを受け抜け出すかと思われたところを倒されPK。このPKをSBヘイナウドがゴール左隅に決める。[2-0]
FWマチアス・アレッツォは、ウルグアイ代表として3試合1得点。リーベルプレート・モンテビデオ/URU育成出身で、2019年7月に16歳でプロデビュー。同クラブにて2021年1月までに91試合37得点1アシストの成績を残す。2021年1月31日にグラナダ/ESPへ移籍するが1年間で17試合1得点に止まる。2022年2月にペニャロル/URUへ期限付き移籍加入し40試合21得点1アシスト。2023年末のグラナダ復帰後は構想外となり、2024年7月にグレミオに300万ユーロにて完全移籍。クラブデビュー戦で技術力の高さを見せた。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:58% 42% ⇒ 前後半:56% 44%
シュート(枠内): 前半:10‐2(4-0) ⇒ 前後半:14-4(7-0)
パス成功率: 前半:83% 70% ⇒ 前後半:80% 71%
Desarmes: 前半:6‐8 ⇒ 前後半:16-13
Faltas Cometidas: 前半:4‐8 ⇒ 前後半:11-19
今節はグレミオの主催試合だが、リオグランデドスル州ポルトアレグレを襲った水害により、本拠地アレーナグレミオが被災し、同州カシアス・ド・スウ市センテナリオ競技場にて試合を開催。アレーナグレミオは復旧間近との情報もある。
グレミオは、前節サンパウロ戦にて0-1の敗戦。前半は全くいい所がなかったが、後半は得点こそ生まれなかったものの、相手を大きく上回る内容で、今後への明るい兆しが見られた。
今節のスタメンは、出場停止明けのCBカネマン(Kannemann, 1991)が復帰。前節後半開始時に交代出場で試合の流れを変えたVOLカルバージョ(Carballo, 1996)とMFナタン(Nathan, 1996)の両選手がスタメンに名を連ねる。前節の後半に採用したゼロトップの布陣を継続する。
ヴィトーリアは、監督解任ブーストが一段落し2連敗。最近5試合は1勝4敗と再び残留争いに巻き込まれている。
前節は好調フォルタレーザに1-3の完敗。
今節のスタメンは、前節体調不良で欠場のMFマテウジーニョ(Matheuzinho, 1997)が復帰。最終ラインを中心に3つのポジションで変更が行われている。
センテナリオ競技場は、全国選手権3部カシアスとグレミオが利用しており、厳しい日程も相まり、芝はゴールエリアを中心にかなり傷んでいる。
試合は傷んだ芝による影響で、両チームともにパス回しを中心にミスが多い立ち上がり。しかし、芝のコンディションに慣れ始めたグレミオは、高い位置でのプレスでヴィトーリアのミスを誘い、前半10分を過ぎ、試合を優位に進め始める。
前半26分、グレミオは右サイドを起点に細かくパスを繋ぎ、ゴールエリア手前からVOLカルバージョがシュート。ヴィトーリアGKルーカス・アルカンジョ(Lucas Arcanjo, 1998)がこの至近距離のシュートをCKに逃れる。
前半39分、グレミオは今度は左サイドから、FWソテウドがドリブルで抜け出し、ゴールライン際からゴール前にマイナス気味のクロス。中央でMFエデニウソン(Edenílson, 1989)が飛び込み頭を合わせるが、ボールは僅かにゴールポストをかすめゴールラインを割る。
前半45分、ヴィトーリアは、カウンターからFWジャンデルソン(Janderson, 1999)がPA手前からシュート。この試合のチーム初シュートは枠を大きく越えていく。
後半開始時に、ヴィトーリアはVOLヒカルド・ヒーレル(Ricardo Ryller, 1994)とFWラウワン(Lawan, 2005)の新加入の2選手を投入。すると、相手陣ゴール前に相次いでボールを運べるようになる。しかし、グレミオも次第に対応、後半10分過ぎには再びボールを支配し、試合の主導権を取り戻す。
後半17分、グレミオは、左サイドを起点とした分厚い攻撃。右、左とボールを散らし、最後はPA内でFWソテウドが高い個人技を駆使し、DFを相次いでかわしゴール。優位に試合を進めてきたグレミオが待望の先取点を奪う。
失点直後にヴィトーリアもグレミオゴールに襲い掛かるが、ゴール前の混戦でファールを犯し、チャンスを広げることができない。
その後、両チーム選手交代を繰り返し、試合は均衡状態へと陥る。
アディショナルタイムに突入すると、グレミオはクラブデビュー戦となるFWマチアス・アレッツォがFWグスタヴォ・ヌーネスとのコンビでPKを獲得。そのPKをSBヘイナウドが落ち着いて決め試合はタイムアップ。
試合を終始優位に運んだグレミオが2連勝。
一方のヴィトーリアは3連敗。他会場の試合の結果、17位の降格圏に順位を下げた。
アトレチコ・ミネイロ(CAM) 2-0 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=v4OrDeyByJc
(CAM) : 27' #7 フッキ(Hulk, 1986)[#6 グスタヴォ・スカルパ(Gustavo Scarpa, 1994)]
(CAM) : 39' #7 フッキ(Hulk, 1986)[]
今節前の順位
アトレチコ・ミネイロは全国選手権5勝7分4敗勝点22の11位。(1試合未消化)
ヴァスコ・ダ・ガマは全国選手権7勝2分8敗勝点23の9位。
得点シーン
(CAM) : 27' #7 フッキ(Hulk, 1986)[#6 グスタヴォ・スカルパ(Gustavo Scarpa, 1994)]
PA手前左サイドからFWパウリーニョ(Paulinho, 2000)がPA内右サイドへボールを送る。MFグスタヴォ・スカルパがボールを受けゴール前にクロス。ファーサイドでFWフッキが頭で押し込み、アトレチコ・ミネイロが先制。[1-0]
(CAM) : 39' #7 フッキ(Hulk, 1986)[]
ヴァスコ・ダ・ガマの相手陣浅い位置でのスローイン。これを受けたMFプラシェデス(Praxedes, 2002)が自陣へボールを戻すが、誰にも合わず、アトレチコ・ミネイロFWフッキがインターセプト。FWフッキはそのままドリブルでゴールに向かい、DFとGKを弾き飛ばし、ボールを無人のゴールに蹴り込む。FWフッキのFWフッキたるゴール。アトレチコ・ミネイロがリードを拡げる。[2-0]
FWフッキは、アトレチコ・ミネイロ在籍4年目で、通算203試合108得点39アシスト。2024年はこれまで30試合13得点7アシストながら、得点および得点関与数は前3年のペースを下回り、衰えが気になったが、このゴールはフィジカルの衰えを感じさせないゴール。アトレチコ・ミネイロとの契約は40歳を迎える2026年末までだが、それまではチームの主軸としてブレることはないだろう。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:62% 38% ⇒ 前後半:50% 50%
シュート(枠内): 前半:6‐0(3-0) ⇒ 前後半:12-8(3-1)
パス成功率: 前半:90% 79% ⇒ 前後半:88% 83%
Desarmes: 前半:10‐5 ⇒ 前後半:21-17
Faltas Cometidas: 前半:5‐2 ⇒ 前後半:13-6
アトレチコ・ミネイロは、前節ジュヴェントゥージ戦では75%近いボール支配率を記録したが、相手の堅固な守備網を崩すことができず、1-1の引き分けに終えた。
今節は、3バック(3-5-2)を採用。加入したばかりのVOLファウスト・ベラ(Fausto Vera, 2000)をボランチに抜擢。出場停止明けのCBバターリャ(Battaglia, 1991)がスタメンに復帰する一方で、左SBギリェルミ・アラーナ(Guikherme Arana, 1997)が出場停止。2トップはFWフッキ(Hulk, 1986)とFWパウリーニョ(Paulinho, 2000)のコンビ。
ヴァスコ・ダ・ガマは4連勝中で、その期間の失点は僅か「1」。一時は降格圏に苦しんだが、守備が立て直され、さらには守→攻の移行が整備され、9位まで浮上してきた。
今節のスタメンは、1-0の勝利を収めた前節アトレチコ・ゴイアニエンセ戦のものから変更はない。
試合はホームのアトレチコ・ミネイロがボールを支配、立ち上がりから相手陣で試合を展開する。しかし、ヴァスコ・ダ・ガマの守備網に隙はなく、ゴールに迫るボールはことごとくカットされ、相手ゴールに迫ることができない。
前半25分、アトレチコ・ミネイロが左CKを獲得。MFグスタヴォ・スカルパが左足で上げたボールを、新加入FWベルナルジ(Bernard, 1992)がニアサイドで右足を合わせゴールにボールを押し込むが、MFグスタヴォ・スカルパの上げたボールがゴールラインを割っており、ゴールは認められない。
しかし、続く前半27分、アトレチコ・ミネイロが相手陣PA近辺でボールを展開、左右に散らし、最後はFWフッキがヘディングシュートでゴールを奪い、アトレチコ・ミネイロが先制。
前半36分、これまで相手の高い位置での寄せに攻撃の糸口を見つけ出せずにいたヴァスコ・ダ・ガマだったが、VOLウーゴ・モウラ(Hugo Moura, 1998)が自陣で相手のマークをかわし相手陣に侵入し、最終ライン裏右へスルーパス。右SBパウロ・エンヒキ(Paulo Henrique, 1996)が抜け出し、ゴール前にボールを送るが、FWベヘッチ(Vegetti, 1988)には合わない。
前半39分、アトレチコ・ミネイロは相手のパスミスを突き、ボールをカットしたFWフッキがこの試合2点目のゴール。
前半は、アトレチコ・ミネイロが2-0とリード。ヴァスコ・ダ・ガマに一本のシュートも許さず、試合を折り返す。
ハーフタイムで修正が施されると、後半1分、ヴァスコは相手陣PA手前でFKを獲得。SBルーカス・ピトン(Lucas Piton, 2000)が蹴ったボールは誰にも合わずゴールに向かうが、アトレチコGKマテウス・メンデス(Matheus Mendes, 1999)が辛うじてCKに逃れる。続くCKからは、クリアボールを新加入のMFエメルソン・ロドリゲス(Emerson Rodríguez, 2000)がシュートに持ち込むが、ボールは枠を捉えない。
その後もヴァスコ・ダ・ガマは、後半9分にSBパウロ・エンヒキ、後半17分にMFエメルソン・ロドリゲスがシュートに持ち込むが、ボールは僅かにゴール枠を捉えない。
一方のアトレチコ・ミネイロは後半19分、自陣からのボールに抜け出したFWベルナルジがゴール正面PA入口にボールを送りMFグスタヴォ・スカルパがシュート。ボールは惜しくもゴールポストに阻まれる。
ヴァスコ・ダ・ガマは、後半22分にMFフィリピ・コウチーニョ(Philippe Coutinho, 1992)、後半33分にFWアレックス・テイシェイラ(Alex Teixeira, 1990)の新加入選手を相次いで投入し、相手ゴールに迫るが、最後のシュート精度に欠ける場面が続く。
後半40分に迫ると、アトレチコ・ミネイロは、新加入のCBリヤンコ(Lyanco, 1997)など守備的な選手を相次いで投入し、2-0のまま試合を締めた。
アトレチコ・ミネイロは、前半は高い位置でのプレスが機能し被シュート数ゼロのほぼ完ぺきな試合内容。後半も押し込まれる時間帯はあったものの、枠内シュートは1本に抑えた。後半の追加点の好機を決めきれなかったことが次節以降の課題と言えるが、久しぶりに開幕当初の強いアトレチコ・ミネイロのサッカーが見られた。
ヴァスコ・ダ・ガマは、前節完勝のスタメンで試合に入ったが、中盤を制され、前半は試合にならず。後半に入り、新加入MFエメルソン・ロドリゲスがチームを牽引したものの、全体的にシュート精度に欠け無得点に終えた。新加入で大きな期待を背負ったMFフィリピ・コウチーニョだったが、ブランクが長く今イチのプレーに終えた。