【ブラジル全国選手権2024】第18節(2/2)[07/20-21]

投稿者: | 2024年7月20日

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全国選手権第18節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第18節(1/2)[07/20-21]
・2024/07/20 フラメンゴ(FLA) x クリシウーマ(CRI)
・2024/07/20 ボタフォゴ(BOT) x インテルナシオナウ(INT)
・2024/07/20 パウメイラス(PAL) x クルゼイロ(CRU)
・2024/07/21 グレミオ(GRE) x  ヴィトーリア(VIT)
・2024/07/21 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/07/21 バイーア(BAH) x コリンチャンス(COR)
・2024/07/21 RBブラガンチーノ(RBB) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)
・2024/07/21 フォルタレーザ(FOR) x アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)
・2024/07/21 ジュヴェントゥージ(JUV) x 
サンパウロ(SAO)
・2024/07/21 クイアバ(CUI) x フルミネンセ(FLU)

全国選手権第18節 試合概要

バイーア(BAH) 0-1 コリンチャンス(COR)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=KTTuS1hGndM
(COR) : 37' #11 アンヘル・ホメーロ(Ángel Romero, 1992)[#9 ユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)

今節前の順位

バイーアは全国選手権17勝9分3敗5勝点30の5位。
コリンチャンスは全国選手権3勝6分8敗勝点15の17位。

得点シーン

(COR) : 37' #11 アンヘル・ホメーロ(Ángel Romero, 1992)[#9 ユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)]
自陣PA手前でVOLアレックス・サンタナ(Alex Santana, 1995)がボール奪取。一気に前線左サイドののFWユーリ・アウベルトへボールを送る。FWユーリ・アウベルトは、中央を上がり左サイドに切れ込むMFロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)を囮に、右サイドのFWアンヘル・ホメーロへボールを送ると、FWアンヘル・ホメーロは切り返しでDFを外し、左足のシュート。GKの指先をかすめたボールはファーサイドのゴールネットを揺らし、アウェイのコリンチャンスが先制。[0-1]
   FWユーリ・アウベルトは、サントス育成出身で、2017年11月全国選手権にて16歳のプロデビュー。しかし、サントスではあまり多くの出場機会に恵まれず(3年間で25試合3得点1アシスト)、2020年8月インテルナシオナウへ移籍。インテルナシオナウでレギュラーの座を獲得すると、2021年には55試合19得点4アシストの成績を残す。2022年1月31日付でゼニト/RUSへ2500万ユーロにて移籍するが、2月のウクライナ侵攻を受け、2022年7月にコリンチャンスへ期限付き移籍加入、28試合11得点2アシストの成績を収める。2023年1月に完全移籍へ移行。3月25日国際親善試合モロッコ戦にて5分間の出場を果たし、21歳での代表デビュー。しかし、2023年はコリンチャンスは下位に低迷し、守備的なサッカーを展開し、63試合に出場するものの得点関与は15得点7アシストに止まる。2024年も全国選手権開幕以降チームは低迷し、自身も34試合14得点3アシスト、公式戦は9試合ゴールから遠ざかっている。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:55% 45% ⇒ 前後半:58% 42%
シュート(枠内): 前半:4‐4(0-1) ⇒ 前後半:17-5(6-2)
パス成功率: 前半:87% 81% ⇒ 前後半:87% 82%
Desarmes: 前半:5‐8 ⇒ 前後半:6-14
Faltas Cometidas: 前半:8‐6 ⇒ 前後半:12-18

   バイーアは、前節クイアバ戦に1-2の敗戦。下位のカウンターを攻撃の中心に据えたチームとの対戦で苦戦しているように思われる。今節はこれまで8戦7勝のホームゲーム。首位争いから脱落しないためにも連敗は避けたい。
   今節のスタメンは、コリンビア代表でコパ・アメリカ帰りのSBサンチアゴ・アリアス(Santiago Arias, 1992)が復帰。出場停止のCBガブリエウ・シャヴィエル(Gabriel Xavier, 2001)に代わり、ベテランCBヴィトル・クエスタ(Víctor Cuesta, 1988)。その他はいつもの顔ぶれが並ぶ。
   コリンチャンスは、前節クリシウーマ戦を2-1で制し、ラモン・ディアス(Ramón Díaz)監督の初陣を白星で飾った。
   今節は3-5-2に布陣を変更。新加入のCBアンドレ・ハマーリョ(André Ramalho, 1992)が3バックの中央に入る。ボランチは今季全国選手権初先発となるVOLヒアン(Ryan, 2003)と新加入のVOLアレックス・サンタナ(Alex Santana, 1995)が2ボランチを構成する。

   中盤でワンタッチ、ツータッチのテンポのいいパス交換で相手陣に攻め入るバイーア、一方のコリンチャンスは高い位置でボールを奪う場所を絞り、カウンターからバイーアゴールを目指す。
   前半7分、バイーアは相手陣に入った位置でボールを奪うと、素早く縦にボールを運び、PA手前で左から右へ細かくボールを繋ぎ、内に戻されたボールにFWタシアーノ(Thaciano, 1995)がシュート。しかし、ボールは僅かにゴールポストの外に流れる。
   一方のコリンチャンスは、前半20分、カウンターから抜け出したFWユーリ・アウベルトがシュートに持ち込もうとするが、バイーアCBヴィトル・クエスタが後方から戻り、ボールを掻き出しピンチを未然に防ぐ。
   バイーアが、優勢に試合を運びながらも、コリンチャンスもカウンターからチャンスをうかがう展開が続く。
   前半37分、コリンチャンスは、自陣PA手前でVOLアレックス・サンタナが相手ボールを奪うと、前線左サイドのFWユーリ・アウベルトへボールを送り、FWユーリ・アウベルトは逆サイドのFWアンヘル・ホメーロへピンポイントのパス。FWアンヘル・ホメーロがDFをかわし先制ゴールを奪う。
   後半6分、バイーアはPA左角からFWタシアーノがゴールエリア右角へボールを送り、MFエヴェルトン・ヒベイロ(Éverton Ribeiro, 1988)が足を合わせるが、新加入2試合目のコリンチャンスGKウーゴ・ソウザ(Hugo Souza, 1999)が片手でシュートストップ。
   その後もバイーアが人数をかけた攻撃でコリンチャンスゴールに迫るが、最終ラインを中心としたコリンチャンス守備陣が決定的なシュートに持ち込ませない。
   バイーアの後半24分のFKは僅かにクロスバーを越え、後半35分のPA入口からのシュートはボールに勢いがなくGKウーゴ・ソウザが両手でしっかりとキャッチ。後半36分のシュートもDFがコースを切り、GKウーゴ・ソウザの正面をつく。
   後半40分が近づくと、試合はオープンな展開となり、コリンチャンスもカウンターからしばしば相手ゴールを襲うが、シュートまでの過程でミスを犯し、試合を決定づけることができない。
   後半45+1分、バイーアは右サイドからのクロスをFWタシアーノが叩きつけ、MFカルロス・デ・ペナ(Carlos De Pena, 1992)がさらに足を合わせるが、ボールはクロスバーを叩き越えていく。
   後半45+6分には、バイーアはFKから右サイドへボールを送り、ゴールライン沿いにPAに侵入した選手がGKウーゴ・ソウザをゴールマウスから引き出す。マイナスのボールがゴール正面に戻され、シュートに持ち込むが、DFが体を挺してブロック。その1分後にも、PA内での猛攻から最後はFWタシアーノがヘディングシュートに持ち込むが、GKウーゴ・ソウザが倒れ込みながら両手でボールを抱きかかえるようにセーブ。
   バイーアの猛攻を最後までしのいだコリンチャンスが、前半37分のゴールを守り抜き、2022年11月以来の全国選手権での連勝。併せて、ラモン・ディアス新監督も就任後2連勝。そして、第9節以来続いた降格圏から脱出。
   一方のバイーアは、得意のホームで下位チームを相手にまさかの連敗。新加入の左SBヤゴ・ボルトゥーシ(Iago Borduchi, 1997)を連戦で起用し、今後に向け目途はたったものの、これまで固定したメンバーで厳しい日程を戦い抜き、見えない疲労が蓄積されている可能性も考えられる。

RBブラガンチーノ(RBB) 1-0 アトレチコ・パラナエンセ(CAP)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=1-ImVSeh9dg
(RBB) : 8' #23 ハウーウ(Raul, 1996)[]

今節前の順位

RBブラガンチーノは全国選手権6勝4分6敗勝点22の10位。(1試合未消化)
アトレチコ・パラナエンセは全国選手権7勝4分5敗勝点25の8位。(1試合未消化)

得点シーン

(RBB) : 8' #23 ハウーウ(Raul, 1996)[]
自陣から縦に速い展開。左サイドをFWチアゴ・ボルバスが抜け出し、PA横からゴール前にクロス。DFにクリアされたボールをPA入口でVOLハウーウがボレーシュート。DFに当たりコースを変えたボールがゴールネットを揺らし、ホームのRBブラガンチーノが先制。[1-0]
   MFハウーウは、セアラー育成出身で、2015年7月コパ・ド・ブラジルにて19歳のプロデビュー。2017年に47試合1得点アシストの成績を収めるが、2018年には出場機会を失い、2018年6月にヴァスコ・ダ・ガマへ移籍。2020年8月にRBブラガンチーノに加入すると、準主力として、これまで4年間で通算113試合3得点7アシスト。2024年はこれまで21試合1得点1アシスト。RBブラガンチーノとの契約は2024年末まで。このゴールを機に出場機会を増やし、来年の契約を勝ち取りたい。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:48% 52% ⇒ 前後半:40% 60%
シュート(枠内): 前半:6‐3(3-3) ⇒ 前後半:10-17(3-6)
パス成功率: 前半:81% 78% ⇒ 前後半:77% 84%
Desarmes: 前半:7‐10 ⇒ 前後半:10-17
Faltas Cometidas: 前半:5‐6 ⇒ 前後半:6-14

   RBブラガンチーノの前節は順延。7月17日にコパ・スウアメリカーナプレーオフ1stレグをアウェイで行い、1-1の引き分けに終えた。全国選手権は2連敗中、計算通りに勝点を積み上げることができず、中位に争いに甘んじている。
   今節のスタメンは、プレーオフで負傷交代のFWエドゥアルド・サーシャ(Eduardo Sasha, 1992)がベンチ外、代わってFWチアゴ・ボルバス(Thiago Borbas, 2002)がセンターフォワードを務める。中盤にはVOLハウーウ(Raul, 1996)がMFエリキ・ハミーレス(Eric Ramires, 2000)に代わり起用される。
   アトレチコ・パラナエンセも前節は順延。7月18日にコパ・スウアメリカーナプレーオフ1stレグがアウェイで行われ1-1の引き分けに終えた。全国選手権は勝ち負けを繰り返し、上位陣からやや遅れを取りつつある。
   今節のスタメンは、出場停止のCBチアゴ・エレーノ(Thiago Heleno, 1988)とVOLフェルナンジーニョ(Fernandinho, 1985)に代わり、CBガマラ(Gamarra, 2000)とVOLガブリエウ(Gabriel, 1992)が入る。また、ウルグアイ代表でコパ・アメリカ帰りのFWカノービオ(Canobbio, 1998)が3トップの一角を務め、最近の4試合で3得点の好調FWディ・ジョリオ(Di Yorio, 1996)がセンターフォワードを務める。

   ホームのRBブラガンチーノが立ち上がりから圧力をかけ、試合を有利に展開。前半2分に早くもPA内から枠を捉えるこの試合のファーストシュートを放つと、前半8分にMFハウーウのゴールで先制点を奪う。
   早い時間帯の先制点にRBブラガンチーノが試合のテンポを緩めると、アトレチコ・パラナエンセも次第にボールを繋げるようになり、左サイドのFWカノービオとMFサペリ(Zapelli, 2002)を中心に反撃に転じる。前半31分、左サイドのFWカノービオからPA内でボールを受けたMFサペリが前を向きシュート。しかし、ボールはGKの正面。後半33分には、左サイド深くからFWカノービオがMFサペリとのタベーラでゴールライン際をゴールに向かいシュート。しかし、これもRBブラガンチーノGKクレイトン(Cleiton, 1997)のブロックに遭い得点は生まれない。
   前半45+6分、アトレチコ・パラナエンセが自陣から相手最終ライン裏にボールを送ると、RBブラガンチーノGKクレイトン(Cleiton, 1997)がPAを出てクリアに行くが、アトレチコ・パラナエンセVOLエリキ(Erick, 1997)を倒し一発レッド。
   1点リードのRBブラガンチーノは、後半45分間を数的不利の状況での試合を余儀なくされる。
   後半開始時にアトレチコ・パラナエンセは、サイドバックとボランチを下げ、攻撃的中盤とフォワードを投入。
   一方のRBブラガンチーノは、ゴール前を3選手が塞ぎ、残るフィールドプレーヤーがブロックを構築。
   アトレチコ・パラナエンセは、後半3分にショートコーナーからシュート、後半18分にはPA前後を左から右へボールを散らしシュートに持ち込むが、いずれも交代出場のRBブラガンチーノGKルカォン(Lucão, 2001)が安定したセーブ。
   その後もアトレチコ・パラナエンセは、相手陣PA近辺を左右にボールを散らし猛攻を仕掛けるが、RBブラガンチーノはGKルカォンを中心に体を張ったプレーでゴールを守る。後半45+3分のアトレチコ・パラナエンセのシュートもGKルカォンの正面を突きゴールをこじ開けることができない。
   試合は、そのまま1-0のスコアでタイムアップ。
   後半の45分間を専守防衛に徹したRBブラガンチーノが、連敗を「2」で止め、8位アトレチコ・パラナエンセと同勝点の9位に浮上。
   アトレチコ・パラナエンセは、後半の猛攻を仕掛けるが、得点機を迎えることができず2連敗。上位争いから一歩も二歩も交代する痛い敗戦となった。

フォルタレーザ(FOR) 3-1 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=gZ8Jznpsx6g
(FOR) : 23' #7 ポチェチーノ(Pochettino, 1996)[#35 エルクレス(Hércules, 2000)]
(ACG) : 45' #2 ホニ(Roni, 1999)[#6 ギリェルミ・ホマォン(Guilherme Romão, 1997)]
(FOR) : 62' #xx オウンゴール(Gol Contra)[]
(FOR) : 74' #79 ヘナト・カイゼル(Renato Kayzer, 1996)[#21 モイゼス(Moisés, 1996)]

今節前の順位

フォルタレーザは全国選手権8勝5分3敗勝点29の7位。(1試合未消化)
アトレチコ・ゴイアニエンセは全国選手権2勝5分10敗勝点11の19位。

得点シーン

(FOR) : 23' #7 ポチェチーノ(Pochettino, 1996)[#35 エルクレス(Hércules, 2000)]
VOLエルクレスが、執拗なマークを振りほどき、相手陣中央からPA右へボールを持ち上がりゴール前にクロス。ニアサイドでMFポチェチーノが潜り込んで頭を合わせると、ボールはファーサイドのゴールポスト内側に流れ込む。ホームのフォルタレーザが先制。[1-0]
   MFエルクレスは、セアラー州選手権下位リーグのチラデンチス-CE(Tiradentes-CE)から州選手権2部にて18歳のプロデビュー。その後アトレチコ・セアレンセを経て、2022年1月フォルタレーザに加入し48試合7得点1アシスト。2023年もレギュラーとしてシーズンを迎えるが7月に左膝前十字靭帯断裂のケガを負い残りのシーズンを棒に振る。2024年3月下旬に復帰を果たすと、再びレギュラーの座を獲得。2024年は29試合4得点3アシストを記録している。
(ACG) : 45' #2 ホニ(Roni, 1999)[#6 ギリェルミ・ホマォン(Guilherme Romão, 1997)]
相手陣入口左サイドから、前、後ろ、前のワンタッチのパス交換で、左SBギリェルミ・ホマォンが左歳ライン際を抜け出す。PA左深い位置からのクロスは、FWジャン・ウルタド(Jan Hurtado, 2000)の頭を越えるが、中央に絞った右SBホニがダイレクトに足を振り抜きゴールネットを揺らす。アトレチコ・ゴイアニエンセが試合を振り出しに戻す。[1-1]
   右SBホニは、コリンチャンス育成出身で、2020年9月全国選手権にて21歳のプロデビュー。2021年以降は年間30試合前後の試合出場を繰り返し、2024年にアトレチコ・ゴイアニエンセに期限付き移籍加入、今節終了時点で24試合2得点。コリンチャンスとの契約は2024年末まで。ボランチを本職としながらも、サイドバックでの出場などポリバレント性を生かして、来年以降の契約に繋げたい。
(FOR) : 62' #xx オウンゴール(Gol Contra)[]
アタッキングサード入口右サイドライン際からMFヤゴ・ピカチュー(Yago Pikachu, 1992)がゴール前にクロス。これをアトレチコ・ゴイアニエンセDFのクリアミス、オウンゴールを誘い、フォルタレーザが思わぬ形で勝ち越し。[2-1]
(FOR) : 74' #79 ヘナト・カイゼル(Renato Kayzer, 1996)[#21 モイゼス(Moisés, 1996)]
FWモイゼスがハーフライン上で自陣からのボールを受けると、すかさず前方にボールを送る。それに反応したFWヘナト・カイゼルが抜け出しGKと一対一。ドリブルでGKをかわすと、ボールを無人のゴールに流し込み、フォルタレーザがダメ押し。[3-1]
   FWヘナト・カイゼルは、ヴァスコ・ダ・ガマ育成出身で、2015年9月全国選手権にて19歳のプロデビュー。しかし、ヴァスコ・ダ・ガマでは出場機会に恵まれず、期限付き移籍を繰り返し、2018年4月にクルゼイロに移籍。しかし、新天地でも出場機会に恵まれず、期限付き移籍を繰り返す。2020年7月アトレチコ・パラナエンセに移籍すると、スタメンに定着し半年間で29試合8得点3アシスト。2021年にはキャリアハイの53試合12得点3アシストの成績を収め、チームのコパ・スウアメリカーナ優勝、コパ・ド・ブラジル準優勝に大きく貢献する。2022年にフォルタレーザに移籍するも、再び期限付き移籍を繰り返す。2024年期限付き移籍先のクリシウーマで20試合5得点の成績を残すと、フォルタレーザは期限付き移籍契約を解除し、全国選手権第2節を前にフォルタレーザに復帰。しかし、ポジションに定着できず、途中交代での出場が続き、このゴールが今季フォルタレーザでの初ゴール。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:63% 37% ⇒ 前後半:56% 44%
シュート(枠内): 前半:7‐3(1-1) ⇒ 前後半:12-9(3-2)
パス成功率: 前半:85% 73% ⇒ 前後半:84% 80%
Desarmes: 前半:6‐4 ⇒ 前後半:13-9
Faltas Cometidas: 前半:7‐6 ⇒ 前後半:12-11

   フォルタレーザは、全国選手権直近の8試合を6勝1分1敗で足元は3連勝中。勝点「29」で上位陣に肉薄してきた。
   今節は、CBチチ(Titi, 1988)とCBブリテス(Brítez, 1992)の両CBが揃って出場停止、CBクスチェヴィッチ(Kuscevic, 1996)とCBカルドナ(Cardona, 1995)が最終ラインに入る。さらに、左サイドバックはSBフェリピ・ジョナタン(Felipe Jonatan, 1998)に代わりSBブルーノ・パシェコ(Bruno Pacheco, 1991)と、最終ラインが大きく変わる。中盤、前線に変更点はない。
   アトレチコ・ゴイアニエンセは、ジャイール・ヴェントゥーラ監督解任後の7試合に勝ち星がなく、ヴァギネル・マンチーニ監督の就任後2試合は2連敗。
   今節のスタメンは、攻撃の要MFシャイロン(Shaylon, 1997)がベンチスタート。ボランチが本職のWBホニ(Roni, 1999)が右ウィングバックに入る3バックを採用。固い守備をベースにアウェイで勝点を奪いたい。

   ホームの好調フォルタレーザが、試合開始直後から試合を支配。右サイドのSBチンガ(Tinga, 1993)とVOLエルクレス(Hércules, 2000)を中心に相手ゴールに迫る。
   前半23分に、VOLエルクレスがボールを持ち上がり、ゴール前に上げた低いクロスにMFポチェチーノが頭を合わせ、フォルタレーザが早くも先制。
   前半37分には、フォルタレーザは右CKからのクリアボールをVOLエルクレスがPA手前からドライブの効いたシュート。クロスバーを叩き跳ね返ったボールをFWルセロ(Lucero, 1991)がゴールに蹴り込むが、FWルセロのポジションがオフサイド。
   なかなか攻撃を展開できないアトレチコ・ゴイアニエンセだったが、前半終了間際に、左サイドを抜け出した左SBギリェルミ・ホマォンのクロスを右SBホニが蹴り込み試合を振り出しに戻す。
   しかし、その2分後の前半アディショナルタイムに、アトレチコ・ゴイアニエンセFWジャン・ウルタドが一発退場。アトレチコ・ゴイアニエンセは数的不利の状況で後半を迎える。
   後半は、前半の多くの時間帯の主導権を握ったフォルタレーザが数的有利もあり、相手をゴール前に押し込む。しかし、後半10分にCBクスチェヴィッチがこの試合2枚目のイエローカードを提示され退場。数的有利は消滅する。
   同数になったとは言え、フォルタレーザが試合の主導権を握り続けると、後半17分、オウンゴールを誘発し勝ち越し。
   リードを奪うと、組織的な守備網を構築し、カウンターを狙う戦術へと転換。
   後半29分、高い位置を取る相手最終ライン裏に抜け出したFWヘナト・カイゼルがダメ押しのゴールを奪い、フォルタレーザがリードを拡げると、アトレチコ・ゴイアニエンセの反撃を許さず、3-1のスコアでタイムアップ。
   フォルタレーザは4連勝。1試合未勝利ながら勝点を「32」に伸ばし、リベルタドーレス出場圏の4位に浮上。
   一方のアトレチコ・パラナエンセは、9試合未勝利の5連敗。他会場の結果、最下位に転落した。

ジュヴェントゥージ(JUV) 0-0 サンパウロ(SAO)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=kznoHE9ldIQ

今節前の順位

ジュヴェントゥージは全国選手権5勝5分5敗勝点20の12位。(2試合未消化)
サンパウロは全国選手権9勝3分5敗勝点22の10位。(1試合未消化)

得点シーン

N/A

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:33% 67% ⇒ 前後半:41% 59%
シュート(枠内): 前半:5‐8(0-1) ⇒ 前後半:9-10(0-1)
パス成功率: 前半:78% 90% ⇒ 前後半:78% 88%
Desarmes: 前半:6‐4 ⇒ 前後半:13-14
Faltas Cometidas: 前半:7‐6 ⇒ 前後半:13-18

   ジュヴェントゥージは、前節アトレチコ・ミネイロ戦を引き分けに終えたが、その後にホージェル・マシャード監督がインテルナシオナウに引き抜かれる形で辞任。しかし、ジャイール・ヴェントゥーラ監督を直ちに招き入れ、今節は早速ジャイール・ヴェントゥーラ監督が指揮を執る。
   今節のスタメンは、右CBルーカス・フレイタス(Lucas Freitas, 2001)を抜擢。ワントップに出場停止明けのFWジウベルト(Gilberto, 1989)が入り、前節スタメンでアシストを記録したFWガブリエウ・タリアリ(Gabriel Taliari, 1997)はベンチスタート。
   サンパウロは、前節グレミオ戦は前半と後半で別チームのような試合を展開。前半10分のゴールの後はことごとく好機を逸し、後半は押し込まれる時間が続いたが、何とか凌ぎ勝点「3」を勝ち取った。
   今節は、左SBウェリントン(Welington, 2001)と右SBイゴル・ヴィニシウス(Igor Vinícius, 1997)の両サイドバックが同時に出場停止。左SBパトリッキ(Patryck, 2003)とSBハフィーニャ(Rafinha, 1985)がスタメンに入る。大ベテランのSBハフィーニャはケガから復帰後の7月11日の試合で10分間のプレー、3月17日州選手権以来のスタメンとなる。また、FWカレリ(Calleri, 1993)が体調不良によりベンチ外となりセンターフォワードはFWアンドレ・シウヴァ(André Silva, 1997)が務める。また、スベルディア監督のもと、同監督の戦術の中核をなした前節負傷退場のVOLアリソン(Alisson, 1993)がベンチ外、今季絶望の可能性があるとのこと。

   今節はジュヴェントゥージ主催試合だが、ブラジリアのマネ・ガヒンシャ競技場にて開催。ジュヴェントゥージは前節に続いてマネ・ガヒンシャでの試合となる。
   サンパウロが、試合開始直後から、FWルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)を中心に右サイドを起点とした攻撃を畳み掛ける。
   前半7分に、タベーラで抜け出たFWルーカス・モウラからボールを受けたFWアンドレ・シウヴァがシュートに持ち込み、前半10分にはFWルーカス・モウラからの対角線上のパスを起点にFWルシアーノがシュートに持ち込むが、いずれもゴールは生まれない。
   ジュヴェントゥージは、押し込まれた展開が続く中、前半10分にFWジウベルトが相手選手との接触でプレーを続行することができず、FWガブリエウ・タリアリと交代するアクシデントが発生する。
   前半30分、サンパウロは相手陣でのFKからクリアボールをFWルシアーノが約30mのロングシュート。ボールはゴールポストの角に当たり跳ね返され、前半34分には自陣での相手セットプレーからのカウンター。最後はFWアンドレ・シウヴァがゴールを狙うが、ボールは枠を捉えない。
   一方のホームのジュヴェントゥージは、前半39分、左サイドからのクロスにゴール前でVOLジャジソン(Jádson, 1993)が頭を合わせる。しかし、ボールは枠を捉えない。
   後半もサンパウロが試合を優位に運び、後半12分、FWルーカス・モウラが右サイドをドリブルでPAに侵入し、逆サイドPA入口でフリーのFWフェヘイラ(Ferreira, 1997)へボールを送る。しかし、FWフェヘイラはシュートタイミングを失い、強引にシュートに持ち込むがDFのブロックに遭い好機を逸す。
   時間が経つにつれ、ジュヴェントゥージも攻撃に傾き始めると、後半28分、相手陣でFWガブリエウ・タリアリがボールを奪取。素早く縦に送られたボールを受けたFWエリキ・ファリアス(Erick Farias, 1997)がPA手前から思い切りのいいシュート。サンパウロGKの判断ミスがあり、ボールはゴールネットを揺らす。しかし、VARの検証の結果、一連のプレーの起点で、FWガブリエウ・タリアリのハンドが検出されノーゴール。
   その後、ジュヴェントゥージが高い位置でのマークからボールを奪い、相次いで相手ゴールに迫ると、後半43分、FWエリキ・ファリアスがドリブルで相手陣に抜け出し、FWガブリエウ・タリアリへ縦にスルーパス。FWガブリエウ・タリアリの強烈なシュートはクロスバーを直撃し、真下に落ち、跳ね返ったボールをDFがクリア。ボールの一部がゴールライン上に掛かっており、ゴールは認められない。
   後半アディショナルタイムにかけてもジュヴェントゥージがサンパウロ陣深くに攻め込むが、サンパウロ守備陣がしのぎ切りタイムアップ。
   序盤から飛ばしたサンパウロと、後半30分まで守備に専念し、以降は攻撃に転じたジュヴェントゥージの一戦は、両チーム勝ち点「1」を分け合う結果に終えた。
   サンパウロは、勝利を収めた上位3チームに後れを取る引き分け。さらには、フォルタレーザに交わされ、4位に転落。
   ジュヴェントゥージは、突然の監督交代があったものの、前監督のもと構築された組織的な守備がジャイール・ヴェントゥーラ新監督のもとでも機能し、ホームゲーム無敗を継続。2試合未消化ながら、勝点「21」でコパ・スウアメリカーナ出場圏内の12位をキープした。

クイアバ(CUI) 0-1 フルミネンセ(FLU)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=n3UDoiBBW9E
(FLU) : 73' #19 カウワン・エリアス(Kauã Elias, 2006)[#21 ジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)]

今節前の順位

クイアバは全国選手権4勝5分7敗勝点17の15位。(1試合未消化)
フルミネンセは全国選手権1勝5分10敗勝点8の20位。(1試合未消化)

得点シーン

(FLU) : 73' #19 カウワン・エリアス(Kauã Elias, 2006)[#21 ジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)]
右サイドライン際をFWジョン・アリアスがSBサムエウ・シャヴィエル(Samuel Xavier, 1990)とのタベーラで縦に抜け出し、PA内にグラウンダーのクロス。FWヘルマン・カーノがスルーしDFを引き付けると、FWカウワン・エリアスがインサイドキックのシュート。GKは一歩も動けずボールはニアサイドのゴールネットを揺らす。
   FWカウワン・エリアスは、2023年南米U-17選手権(7試合5得点1アシスト)および2023U-17W杯(5試合4得点1アシスト)の代表。フルミネンセ育成出身で、2023年5月リベルタドーレスにて17歳のプロデビュー。2024年は途中交代出場が中心ながらも多くの出場機会を得て、全国選手権は3試合連続の起用。このゴールは前節でのプロ初ゴールに続く、2試合連続のゴール。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:50% 50% ⇒ 前後半:48% 52%
シュート(枠内): 前半:8‐4(3-2) ⇒ 前後半:15-8(5-4)
パス成功率: 前半:88% 91% ⇒ 前後半:85% 88%
Desarmes: 前半:7‐5 ⇒ 前後半:16-12
Faltas Cometidas: 前半:11‐4 ⇒ 前後半:19-6

   クイアバの前節は順延。7月18日にコパ・スウアメリカーナプレーオフ1stレグがアウェイで開催され1-1の引き分けに終えた。全国選手権は5試合勝ち星から遠ざかっていたが前々節バイーア戦で2-1の勝利を収め、中位争いに食い下がった。
   今節は直近の試合から6選手を変更。前々節から1選手を変更。厳しい日程での2大会の並行開催のため、プチ(Petit)監督が選手起用に苦心している様子がうかがわれる。
   フルミネンセの前節は順延。今節は中9日での試合となり、日程的なアドバンテージを享受する。
   全国選手権は未だ1勝で最下位に低迷する。
   今節は、新加入でブラジル代表として113試合の実績を残すCBチアゴ・シウヴァ(Thiago Silva, 1984)がスタメンに入り、SBチアゴ・サントス(Thiago Santos, 1989)とコンビを組む。コロンビア代表としてコパ・アメリカ帰りのFWジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)がスタメン復帰。出場停止明けのFWヘルマン・カーノ(Germán Cano, 1988)がセンターフォワードを務める、

   早くも前半3分にフルミネンセが好機を迎える。FWマルキーニョス(Marquinhos, 2003)が左サイドからゴール前にクロス。中央FWヘルマン・カーノに合わず流れたボールをファーサイドでMFガンソ(PH Ganso, 1989)がシュートに持ち込むが、ボールは勢いがなくGKの正面をつきゴールを奪えない。
   すると以降は、クイアバが、高く上げた最終ラインによりコンパクトに保たれた中盤が機能し、高い位置で相手のボールの出どころにプレッシャーをかけ、次々と攻撃の芽を摘み取り、試合を支配していく。
   前半17分、クイアバは自陣からのボールにFWイシドロ・ピッタ(Isidro Pitta, 1999)が抜け出し、PAに侵入するが、CBチアゴ・シウヴァが対応。FWイシドロ・ピッタはDFをかわしシュートに持ち込むが、GKファビオ(Fábio, 1980)がシュートストップ。
   前半45+2分、フルミネンセは左サイドから相手陣に入り、VOLアンドレ(André, 2001)が大きくサイドチェンジ。右サイドライン際でボールを受けたMFガンソが、一列内のレーンを最終ラインのギャップに駆け上がるSBサムエウ・シャヴィエル(Samuel Xavier, 1990)へ絶妙のスルーパス。しかし、SBサムエウ・シャヴィエルのシュートは当たりが悪く枠を捉えない。
   クイアバが、主導権を握ったものの、決定的なシーンは両チーム一度ずつ迎えた好機を得点に結びつけることができず、前半を0-0で折り返す。
   後半も、クイアバが高い位置でのマークからフルミネンセの攻撃を摘み取る展開が続くが、次第にフルミネンセは前半は消えていたFWジョン・アリアスが攻撃に絡み始め、フルミネンセが相手陣に押し込み始める。
   フルミネンセは、セットプレーから相次いでチャンスを迎えると、後半28分、右サイドライン際をFWジョン・アリアスが抜け出し、PA内にクロス。FWカウワン・エリアスがゴールを陥れフルミネンセが先制する。
   残り時間をフルミネンセはゴール前を閉じた守備を構築し、ボールを奪っては前線に素早くボールを送り時間を消費。クイアバに決定的なシーンを許さず、アウェイで今季全国選手権初勝利。
   フルミネンセは今季2勝目、得失点差でアトレチコ・ゴイアニエンセを上回り、第9節以来続いた最下位を脱出した。
   一方のクイアバは、コンパクトに保った高い位置での守備が機能するものの、シュートに持ち込む過程やシュートに精度を欠き、連勝ならず、16位に転落。次節は順延、コパ・スウアメリカーナプレーオフ2ndレグとなるが、気持ちを切り替え決勝ラウンドに駒を進めたい。

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