【ブラジル全国選手権2024】第19節(1/2)[07/24-25]

投稿者: | 2024年7月23日

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全国選手権第19節 対戦組合せ


以下の3試合の概要はこの記事で。
・2024/07/24 クルゼイロ(CRU) x ジュヴェントゥージ(JUV)
・2024/07/24 サンパウロ(SAO) x ボタフォゴ(BOT)
・2024/07/24 ヴィトーリア(VIT) x フラメンゴ(FLA)
以下の3試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第19節(2/2)[07/24-25]
・2024/07/24 フルミネンセ(FLU) x パウメイラス(PAL)
・2024/07/24 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) x バイーア(BAH)
・2024/07/25 コリンチャンス(COR) x グレミオ(GRE)
以下の4試合は順延。
・2024/xx/xx インテルナシオナウ(INT) x フォルタレーザ(FOR)
・2024/xx/xx ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x クイアバ(CUI)
・2024/xx/xx アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)

・2024/xx/xx クリシウーマ(CRI) x RBブラガンチーノ(RBB)

全国選手権第19節 試合概要

クルゼイロ(CRU) 2-0 ジュヴェントゥージ(JUV)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=z7Mb4EVNGJ8
(CRU) : 45' #12 ウィリアン・フルタド(William Furtado, 1995)[PK]
(CRU) : 87' #19 ディネーノ(Dinenno, 1994)[PK]

今節前の順位

クルゼイロ(CRU)は全国選手権9勝2分6敗勝点29の7位。(1試合未消化)
ジュヴェントゥージ(JUV)は全国選手権5勝6分5敗勝点21の12位。(2試合未消化)

得点シーン

(CRU) : 45' #12 ウィリアン・フルタド(William Furtado, 1995)[PK]
MFマテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)が相手陣中央やや右サイドからゴール前ファーサイドへ柔らかいクロス。左SBカイキ・ブルーノ(Kaiki Bruno, 2003)が頭で折り返すが、DFが大きく上げた腕にボールが当たりPKを獲得。これをSBウィリアン・フルタドがゴール中央に決める。[1-0]
   SBウィリアン・フルタドは、2016リオ五輪代表で3試合に出場。クルゼイロにはケガによる1年以上のブランクの後、2023年に加入。ケガは完治しており、シーズン終盤にはレギュラーの座を獲得。2024年はこれまでチーム全37試合のうち、出場停止の1試合を除く36試合に出場。8得点9アシストと記録に残る攻撃面だけでなく守備面でもチームの好調に大きく貢献している。
(CRU) : 87' #19 ディネーノ(Dinenno, 1994)[PK]
相手陣高い位置でVOLワラシ・ソウザ(Walace Souza, 1995)がビルドアップのパスをインターセプト。素早く縦にボールを送り、FWディネーノが強烈なシュートを放つが、PA内でDFのブロックに遭う。VARが介入すると、ブロックした際にDFの腕が体から離れボールに当たっており、主審はクルゼイロのPKの判定。これをFWディネーノがゴール右上に決める。
   FWディネーノは、ラシン・クラブ/ARG育成出身で、2013年11月にアルゼンチンリーグにて19歳のプロデビュー。エクアドル、コロンビアで実績を残し、2019/20‐2023/24をプーマス/MEXでプレー。2024年1月クルゼイロに加入後は、州選手権12試合5得点と実力を発揮するが、同大会終了後にケガを負い3か月以上のチーム離脱を余儀なくされる。今節が復帰初戦となったが、その試合で自らのシュートが相手のファールを誘いPKを獲得。自身がこのPKを決め、復帰後初ゴールをマーク。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:60% 40% ⇒ 前後半:54% 46%
シュート(枠内): 前半:6‐2(3-0) ⇒ 前後半:13-7(6-2)
パス成功率: 前半:86% 73% ⇒ 前後半:85% 77%
Desarmes: 前半:5‐2 ⇒ 前後半:14-3
Faltas Cometidas: 前半:9‐6 ⇒ 前後半:14-12

   クルゼイロは、前節パウメイラス戦を3連勝で迎えたが、0-2の敗戦。ミスが多く負けるべくして負けた一戦となってしまった。
   今節のスタメンは、出場停止のVOLアルバロ・バレアル(Álvaro Barreal, 2000)に代わり、加入後3試合目の出場となるVOLマテウス・エンヒキ(Matheus Henrique, 1997)が入る。FWカイオ・ジョルジ(Kaio Jorge, 2002)とFWラウタロ・ジアス(Lautaro Díaz, 1998)の新加入の2選手が2トップを構成する。
   ジュヴェントゥージは、ブラジリアでの主催試合を2引き分けに終え、ホーム戦の無敗記録を継続。今節は、これまで7試合2分5敗と苦手のアウェイ試合。コパ・スウアメリカーナ出場権獲得(12位以内)に向け、アウェイでもしっかりと勝点を積み上げたい。
   今節のスタメンは、CBホドリゴ・サン(Rodrigo Sam, 1995)とVOLジャジソン(Jádson, 1993)が出場停止のため、ケガ明けで3週間ぶりの試合となるCBゼ・マルコス(Zé Marcos, 1998)と、途中出場が続いたVOLルイス・オヤマ(Luís Oyama, 1997)が6月15日以来のスタメン復帰。前節前半15分に負傷退場のFWジウベルト(Gilberto, 1989)は大事に至らずスタメン出場。

   ホームのクルゼイロが立ち上がりから試合の主導権を握る。前半7分に相手陣右サイドでの細かいパス交換からVOLルーカス・ロメロ(Lucas Romero, 1994)がシュートに持ち込むが枠を捉えない。前半25分には相手陣中央を細かいパスで縦にボールを送り、VOLマテウス・エンヒキがPA入口からシュート。しかし、ジュヴェントゥージGKガブリエウ(Gabriel, 1992)がボールに跳びつき両手でCKに逃れる。
   前半38分、ジュヴェントゥージは、左SBジョアン・ルーカス(João Lucas, 1998)が負傷交代を余儀なくされ、SBガブリエウ・イノセンシオ(Gabriel Inocêncio, 1994)が入る。
   前半41分、クルゼイロがPKを獲得すると、SBウィリアン・フルタドが中央に決めホームのクルゼイロが先制する。
   後半2分、クルゼイロはハーフライン付近の争奪戦でボールを獲得すると、一気に縦に攻め上がり、最後はFWカイオ・ジョルジがシュート。しかし、ジュヴェントゥージGKガブリエウが片手でボールを掻き出しゴールを許さない。さらに後半13分にはPA近辺でボールを展開し、MFマテウス・ペレイラがビシクレッタでゴールを狙うが、ボールは僅かにゴールポストの外に流れる。
   後半17分、ジュヴェントゥージも人数をかけて相手陣深くでボールを回すが、ゴール前にボールを運ぶことができず、FWエリキ・ファリアス(Erick Farias, 1997)が約25mのミドルシュートを放つがボールはGKの正面。
   後半35分、クルゼイロは、相手陣でのショートカウンターからPKを獲得。これをFWディネーノが決め、クルゼイロがリードを2点差に拡げ、そのまま試合を締め、ホームで2-0の勝利を収めた。
   クルゼイロは、ホームでの連勝記録を「8」に伸ばし、他会場の結果を踏まえ5位に浮上。新加入の4選手を起用したが、いずれもチームにフィットし、試合の主導権を終始握り続けた。
   ジュヴェントゥージは、流れの中からの失点はなかったものの、ハンドにより2度のPKを相手に与え、2点目の失点は自陣でのパスミスが起点。組織的な守備は機能していただけに、ミスがゴールに結びついたのはもったいない。また、攻撃面ではゴール前のアイディアに欠ける場面が多く、アタッキングサードでの連係を高めたい。

サンパウロ(SAO) 2-2 ボタフォゴ(BOT)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=nWVphh2tHuQ
(SAO) : 6' #7 ルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)[PK]
(BOT) : 11' #9 チキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)[PK]
(BOT) : 22' #66 クイアバーノ(Cuiabano, 2003)[#9 チキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)]
(SAO) : 60' #47 フェヘイラ(Ferreira, 1997)[#7 ルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)]

今節前の順位

サンパウロ(SAO)は全国選手権9勝4分5敗勝点31の5位。
ボタフォゴ(BOT)は全国選手権12勝3分3敗勝点39の首位。

得点シーン

(SAO) : 6' #7 ルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)[PK]
相手陣でFWルシアーノ(Luciano, 1993)がボール奪取。縦に素早くボールを送り、FWフェヘイラ(Ferreira, 1997)がPA内左をドリブルで仕掛けると、相手DFに倒されPKを獲得。これをFWルーカス・モウラがゴール右に突き刺しサンパウロが先制。[1-0]
   FWルーカス・モウラは、2度のコパ・アメリカなど代表35試合4得点5アシスト。サンパウロ育成出身で、2013年1月にパリSG/FRAへ移籍し5年半で229試合46得点46アシスト。トッテナム/ENG移籍後5年半で219試合39得点26アシスト。2023年8月11年ぶりにサンパウロに復帰すると、試合の中で違いを作り出し、クラブ史上初のコパ・ド・ブラジル制覇に貢献。2024年はケガによる6週間の離脱期間があったものの、24試合9得点6アシスト。今節は、豊富な運動量と卓越した戦術眼、足元の技術でチームの2得点に絡む大活躍。
(BOT) : 11' #9 チキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)[PK]
左サイド深くからFWサバリーノ(Savarino, 1996)がクロス。ゴール前に上がったFWチキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)が頭を合わせるが、間合いを詰めたDFがブロック。しかし、VARにより、ブロックの際にDFが上げた腕にボールが当たっていることが確認されボタフォゴにPKが与えられる。これをFWチキーニョ・ソアレスがゴール左に決めボタフォゴが同点に追いつく。[1-1]
   FWチキーニョ・ソアレスは、2015年1月に海を渡り、ポルトガルでプレーする機会を得ると、2017年1月‐2020年9月にプレーしたFCポルト/PORにて計240試合64得点12アシストの成績を収め、2度のリーグ戦など4つのタイトルを獲得。2022年8月ボタフォゴに加入すると、ルイス・カストロ(Luis Castro)監督のもと、中核としてチームを牽引。2023年には54試合29得点7アシストの成績を残す。2024年はアルトゥール・ジョルジ(Artur Jorge)監督のもと、役割が変わったものの30試合8得点8アシスト。今節はチームの2得点に絡む活躍を見せた。
(BOT) : 22' #66 クイアバーノ(Cuiabano, 2003)[#9 チキーニョ・ソアレス(Tiquinho Soares, 1991)]
相手陣手前左サイドでSBクイアバーノがボール奪取。内、外とボールを散らし、左サイドからFWチキーニョ・ソアレスがPA手前へ真横にボールを送ると、後方から駆け上がったSBクイアバーノがトラップで縦にボールを置きDFライン裏へ抜け出し、左足を振り抜く。ボールはファーサイドのゴールネットを揺らす。[1-2]
   SBクイアバーノは、グレミオ育成出身で、2023年2月リオグランデドスル州選手権にて20歳のプロデビュー。左サイドバックとして世代別代表にしばしば招集も受けたが、グレミオではその攻撃的なプレースタイルをいかし中盤やウィングとして試合に出場する。2024年4月の移籍ウィンドウが締まる直前にボタフォゴへ移籍。ボタフォゴではアルトゥール・ジョルジ(Artur Jorge)監督のもと、攻撃的なサイドバックとしてポジションを争っている。シュート技術や判断力、守備面でのポジショニングに課題はあるが、伸びしろは大きい。
(SAO) : 60' #47 フェヘイラ(Ferreira, 1997)[#7 ルーカス・モウラ(Lucas Moura, 1992)]
FWカレリ(Calleri, 1993)が自陣に戻り、自陣ゴール前から流れたルーズボールをFWルーカス・モウラに預けると、FWルーカス・モウラは縦にボールを運び、ハーフライン手前から相手陣左サイド守備ライン裏へスルーパス。FWフェヘイラが受け、ドリブルでゴールに向かい、GKと一対一。シュートはGKに当たるが、ボールは無人のゴールに吸い込まれる。[2-2]
   FWフェヘイラは、グレミオ育成出身で、2021年には52試合14得点13アシストを記録するが、2022年、2023年は相次ぐケガに苦しむ。2024年サンパウロに加入すると、左ウィングのポジションを巡りレギュラー争いを繰り広げ、最近の7試合はスタメンを務め3得点1アシスト。2024年はこれまで35試合8得点2アシストの成績を残している。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:67% 33% ⇒ 前後半:64% 36%
シュート(枠内): 前半:7‐7(3-4) ⇒ 前後半:14-12(6-6)
パス成功率: 前半:90% 77% ⇒ 前後半:89% 82%
Desarmes: 前半:6‐9 ⇒ 前後半:16-24
Faltas Cometidas: 前半:5‐11 ⇒ 前後半:14-20

   サンパウロの前節は、ジュヴェントゥージを相手に0-0の引き分け。VOLアリソン(Alisson, 1993)の欠場により、ビルドアップや守→攻の移行でスムーズさを欠いた。
   今節は、左SBウェリントン(Welington, 2001)と右SBイゴル・ヴィニシウス(Igor Vinícius, 1997)の両サイドバックが出場停止明けでスタメンに復帰。ボランチは前節に続きVOLボバディージャ(Bobadilla, 2001)とVOLルイス・グスタヴォ(Luiz Gustavo, 1987)の2ボランチ。FWカレリ(Calleri, 1993)はベンチスタート。
   ボタフォゴは、1引分けを挟み6連勝中。最近の3試合はいずれも1-0の勝利を収め、4試合連続無失点を記録中。相手陣でのコンパクトな陣形の寄せと、自陣ゴール前の中を閉ざした守備網が機能している。
   前々節負傷退場のMFエドゥアルド(Eduardo, 1989)が今季絶望の診断が下り、前節負傷のFWジュニオール・サントス(Júnior Santos, 1994)も今節欠場。パリ五輪出場のため、新加入のアルゼンチンU-23代表MFチアゴ・アルマダ(Thiago Almada, 2001)と、オーバーエイジ枠のパラグアイU-23代表GKガチット・フェルナンデス(Gatito Fernández, 1988)がチームを離脱中。

   試合は早くも前半6分に動く。サンパウロが相手陣でボールを奪うと、ドリブルを仕掛けるFWフェヘイラがPA内で倒されPKを獲得。これをFWルーカス・モウラが決め先制。
   一方のボタフォゴも速やかに反撃。相手陣深く左サイドへボールを運び、FWサバリーノのクロスにFWチキーニョ・ソアレスがヘディングシュート。これが相手のハンドを誘い、PKを獲得すると、FWチキーニョ・ソアレスが冷静に決め、試合を振り出しに戻す。
   ボタフォゴの勢いは衰えず、前半22分に、SBクイアバーノがハーフライン上でボール奪取。そのままゴール前に駆け上がると、左サイドを経由したボールを受け、縦に最終ラインを抜け出しDFをかわして左を振り抜くゴール。先制を許したボタフォゴが前半半ばで試合を逆転。
   リードしたボタフォゴは、相手にボールを持たせ、カウンターを狙う。
   一方のサンパウロは、ボールを握るものの、効果的にゴール前にボールを送ることができず、ボールを失っては、ボタフォゴMFルイス・エンヒキ(Luiz Henrique, 2001)のスピードのあるカウンターに度々ゴールを脅かされる。
   後半12分、サンパウロはFWカレリ(Calleri, 1993)を投入。すると、その3分後に、FWカレリのプレーを起点にカウンターからFWフェヘイラが同点ゴール。
   その後も、FWカレリがフリーランニングで前後に動き、相手陣でスペースを作り出すと、両サイドバックがそのスペースを有効に使い、シンプルにボールを送ることで試合の流れを掴む。後半18分には、左SBウェリントンがPAに侵入しシュート。後半25分には、右SBイゴル・ヴィニシウスのゴール前へのパスにFWルシアーノが反応。DFの寄せにボールを掻き出されるが、ゴール前正面にこぼれたボールにフリーの態勢のFWフェヘイラがシュート。しかし、ボールは枠を捉えない。
   一方のボタフォゴも、後半33分にMFルイス・エンヒキがPA内で縦の仕掛けから一歩下がりシュート。GKが弾いたボールにSBクイアバーノがシュートに持ち込むが、惜しくもボールはGK正面。
   上位を争う2チームの対戦は、時間帯により両チームが持ち味を発揮。互いに一度奪われた試合の流れを奪い返し合う、見ごたえのある試合。後半はサンパウロがやや優勢に試合を運んだものの、試合は2-2の引き分けに終えた。

ヴィトーリア(VIT) 1-2 フラメンゴ(FLA)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=vd5Jlh4e1TQ
(FLA) : 39' #14 デ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)[#8 ジェルソン(Gerson, 1997)]
(VIT) : 75' #37 エヴェラウド(Everaldo, 1994)[#17 ゼ・ウーゴ(Zé Hugo, 1999)]
(FLA) : 90' #22 カルリーニョス(Carlinhos, 1997)[#99 ガブリエウ・バルボーザ(Gabriel Barbosa, 1996)]

今節前の順位

ヴィトーリア(VIT)は全国選手権4勝3分11敗勝点15の17位。
フラメンゴ(FLA)は全国選手権10勝4分3敗勝点34の3位。(1試合未消化)

得点シーン

(FLA) : 39' #14 デ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)[#8 ジェルソン(Gerson, 1997)]
ハーフライン上でボールを受けたVOLジェルソンが、相手の寄せをかわしながら縦にボールを運び、左サイドへボールを送る。ボールを受けたMFデ・アラスカエッタがPAに侵入し、内へ切れ込みシュート。ボールは相手GKの脇を抜け、ゴールライン上でクリアに下がったDFに当たりゴールイン。[1-0]
   MFデ・アラスカエッタは、2度のW杯や4度のコパ・アメリカなど、ウルグアイ代表として50試合10得点6アシスト。ブラジルでは、2015‐2018年にクルゼイロでプレーし186試合49得点23アシスト。フラメンゴには2019年に1500万ユーロ相当の移籍金で加入し、通算271試合68得点87アシストを記録、2度のリベルタドーレス、2度の全国選手権、コパ・ド・ブラジルなどのタイトル獲得に貢献している。
(VIT) : 75' #37 エヴェラウド(Everaldo, 1994)[#17 ゼ・ウーゴ(Zé Hugo, 1999)]
相手CKから、GKルーカス・アルカンジョ(Lucas Arcanjo, 1998)のビッグセーブによりピンチを逃れると、右サイドライン際でヴィトーリアがボールを確保。ボールを受けに下がったMFマテウジーニョ(Matheusinho, 1997)がボールを受けると、一気に相手陣にロングフィード。相手陣を抜け出たFWゼ・ウーゴがゴール前ファーサイドへボールを送ると、FWエヴェラウドがワントラップからDFの股を抜き、ゴールニアサイドへボールを突き刺す。
   FWエヴェラウドは、2013年12月ペルナンブカーノ州選手権にてアメリカ-PEから19歳のプロデビュー。全国選手権下位リーグや州リーグの複数クラブを転々とするが、2017年7月に加入した全国選手権2部サン・ベントでの活躍を評価され、2018年7月に期限付き移籍でフルミネンセに入団。フルミネンセでの主力級の活躍により、2019年5月にコリンチャンスへ完全移籍を果たす。しかし、コリンチャンスでの試合出場は限られ、2021年エスポルチ、2022‐23年はアメリカ・ミネイロへ期限付き移籍。アメリカ・ミネイロでは2年間で84試合9得点8アシストを記録。ヴィトーリアには2024年1月に2年契約で加入。ケガのため5か月間チームを離脱していたが、7月7日第15節で復帰し、このゴールが今季初ゴール。2024年は9試合1得点1アシスト。
(FLA) : 90' #22 カルリーニョス(Carlinhos, 1997)[#99 ガブリエウ・バルボーザ(Gabriel Barbosa, 1996)]
自陣中央で相手パスが流れたところを、VOLジェルソン(Gerson, 1997)が拾い縦にボールを送る。FWガブリエウ・バルボーザが大きく広がる相手陣にボールを流し込むと、FWカルリーニョスがスピードでDFを上回り、ライン裏を抜け出し、GKの脇を抜くシュート。ボールはゴールに吸い込まれ、フラメンゴが試合終了間際の貴重な勝ち越しゴールを奪う。[1-2]
   FWカルリーニョスは、コリンチャンス育成出身で、2017コピーニャの得点王。しかし、トップチームでは出場機会に恵まれず、期限付き移籍で多くのクラブを遍歴する。2020年の契約満了後も下位リーグを転々とするが、2024年に加入したノヴァ・イグアスにて13試合8得点の活躍、チームはりオデジャネイロ州選手権で準優勝を収め、自身は全国選手権開幕前にセンターフォワードの2番手としてフラメンゴに加入する。しかし、好調FWペドロの控えとして出場機会に恵まれず、フラメンゴ加入後は僅かに8試合215分の出場に止まっている。このゴールは7月3日第14節アトレチコ・ミネイロ戦以来の2点目のゴール。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:41% 59% ⇒ 前後半:43% 57%
シュート(枠内): 前半:3‐3(1-1) ⇒ 前後半:9-9(4-4)
パス成功率: 前半:81% 89% ⇒ 前後半:82% 86%
Desarmes: 前半:11‐10 ⇒ 前後半:15-18
Faltas Cometidas: 前半:3‐4 ⇒ 前後半:8-14

   ヴィトーリアは目下3連敗中。前節降格圏に低迷するグレミオに0-2で敗戦し、降格圏の17位に転落した。
   今節のスタメンは、出場停止のFWジャンデルソン(Janderson, 1999)に代わり、ケガによる欠場が危惧されたFWオズヴァウド(Osvaldo, 1987)が入る。
   フラメンゴは、前節はクリシウーマに2-1の勝利。全国選手権でリーグ最多のPK獲得数を誇るフラメンゴが、PKで勝ち越し点を奪い勝利した。
   今節は、SBウェズレイ・フランサ(Wesley França, 2003)とVOLエリキ・プルガール(Erick Pulgar, 1994)がケガのため欠場。スタメンには、コパ・アメリカでのウルグアイ代表の4選手、右SBバレラ(Varela, 1993)、左SBビーニャ(Viña, 1997)、MFデ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)、VOLデ・ラ・クルス(De La Cruz, 1997)が揃い踏み。

   試合は、ホームのヴィトーリアが細かいパス交換で相手陣に攻め入ろうとするが、フラメンゴは高い位置で速いプレスを仕掛けヴィトーリアのパス交換を分断する。しかし、ヴィトーリアは攻撃時のコンパクトな陣形により速やかに守備隊形を構築し、フラメンゴにカウンターを許さない。
   一進一退の攻防が続き、両チームとも明確な好機を生み出すことができず時間が経過する。
   前半39分、フラメンゴは中央VOLジェルソンからのパスを左サイドで受けたウルグアイ代表MFデ・アラスカエッタがPAに侵入しDFを外しゴール。フラメンゴが、この試合初めて迎えた絶好機を逃さず先制する。
   後半6分、フラメンゴは右CKを獲得すると、CBファブリシオ・ブルーノ(Fabrício Bruno, 1996)がゴールネットを揺らす。しかし、VARによる検証で、MFデ・アラスカエッタのCKが、足を滑らせ二度蹴りとなっており、ゴールは無効の判定。
   一方、同点に追いつきたいヴィトーリアは、後半22分、ゴールライン際に抜け出した左SBルーカス・エステヴィス(Lucas Esteves, 1999)のマイナスのボールにVOLウィリアン・オリヴェイラ(Willian Oliveira, 1993)がダイレクトに足を合わせるがボールは枠を越えていく。
   後半29分、フラメンゴ右CKからヴィトーリアがボールを確保すると、自陣半ばから攻撃のスピードを一気に加速させ、FWエヴェラウドのゴールで試合を振り出しに戻す。
   後半33分、フラメンゴは相手陣高い位置でボールを奪いショートカウンター、FWガブリエウ・バルボーザがGKをかわすがDFの戻りにボールを奪われ好機を逸す。後半41分には、左サイドからのサイドチェンジのボールを受けたFWルイス・アラウージョ(Luiz Araújo, 1996)がシュートに持ち込むがボールは枠を捉えない。
   後半45分、フラメンゴは自陣でのパスカットから縦に速くボールを送り、スピードでDFを振り切ったFWカルリーニョスが決勝ゴール。
   ヴィトーリアはこの敗戦で4連敗。
   一方のフラメンゴは、1試合未消化ながらパウメイラスを上回り、首位ボタフォゴとは勝点差「3」の2位に浮上した。

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