【ブラジル全国選手権2024】第20節(2/2)[07/27-28]

投稿者: | 2024年7月26日

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全国選手権第20節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第20節(1/2)[07/27-28]
・2024/07/27 パウメイラス(PAL) x ヴィトーリア(VIT)
・2024/07/27 ジュヴェントゥージ(JUV) x クリシウーマ(CRI)
・2024/07/27 バイーア(BAH) x インテルナシオナウ(INT)
・2024/07/27 ボタフォゴ(BOT) x クルゼイロ(CRU)
・2024/07/27 フォルタレーザ(FOR) x サンパウロ(SAO)
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/07/28 RBブラガンチーノ(RBB) x フルミネンセ(FLU)
・2024/07/28 フラメンゴ(FLA) x アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)
・2024/07/28 グレミオ(GRE) x ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)
・2024/07/28 アトレチコ・ミネイロ(CAM) x 
コリンチャンス(COR)
・2024/07/28 クイアバ(CUI) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)

全国選手権第20節 試合概要

RBブラガンチーノ(RBB) 0-1 フルミネンセ(FLU)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=AJquWO4mW5o
(FLU) : 44' #19 カウワン・エリアス(Kauã Elias, 2006)[#10 ガンソ(PH Ganso, 1989)]

今節前の順位

RBブラガンチーノ(RBB)は全国選手権7勝4分6敗勝点25の9位。(2試合未消化)
フルミネンセ(FLU)は全国選手権3勝5分10敗勝点14の19位。(1試合未消化)

得点シーン

(FLU) : 44' #19 カウワン・エリアス(Kauã Elias, 2006)[#10 ガンソ(PH Ganso, 1989)]
左CKからのクリアボールをFWセルナ(Serna, 1997)が確保し、左サイドライン際のMFガンソへボールを送る。MFガンソがゴール前へボールを送ると、ニアサイドで誰にも合わずに流れたボールを、ファーサイドでFWカウワン・エリアスが押し込む。アウェイのフルミネンセが先制。[0-1]
   FWカウワン・エリアスは、7月11日第16節にて後半44分にプロ初ゴールの同点ゴールを奪ったのを皮切りに出場機会4試合で3得点。さらに今節は先発起用の期待に応える決勝点。このままスタメンの座を掴むことができるだろうか。2024年はこの試合を終えた時点で19試合3得点。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:51% 49% ⇒ 前後半:56% 44%
シュート(枠内): 前半:4‐6(0-3) ⇒ 前後半:12-7(4-3)
パス成功率: 前半:79% 81% ⇒ 前後半:82% 76%
Desarmes: 前半:17‐7 ⇒ 前後半:30-14
Faltas Cometidas: 前半:7‐5 ⇒ 前後半:12-13

   RBブラガンチーノは、前節順延で、7月24日にコパ・スウアメリカーナのプレーオフ2ndレグを戦い3-2の勝利。2試合合計4-3とし決勝ラウンドへ駒を進めた。
   全国選手権は、戦績が安定せず白星と黒星を繰り返し、前半戦は2試合未消化ながら期待を裏切る9位で折り返している。
   今節のスタメンは、出場停止のGKクレイトン(Cleiton, 1997)に代わりGKルカォン(Lucão, 2001)がゴールマウスを守る。コパスーラで負傷のSBジュニーニョ・カピシャバ(Juninho Capixaba, 1997)と、FWエドゥアルド・サーシャ(Eduardo Sasha, 1992)がベンチ外。中盤にFWヴィチーニョ(Vitinho, 1999)が入り、センターフォワードはFWチアゴ・ボルバス(Thiago Borbas, 2002)が務める。
   フルミネンセは、マノ・メネゼス(Mano Menezes)監督が就任して4試合目の前々節クイアバ戦で初勝利を収めると、前節はパウメイラスを相手に2連勝。新加入CBチアゴ・シウヴァ(Thiago Silva, 1984)が最終ラインを支え、同じく新加入のFWセルナ(Serna, 1997)が前節クラブデビューを果たし決勝ゴール、前々節は18歳のFWカウワン・エリアスの決勝ゴール。チーム状況は最悪期を脱した。
   今節のスタメンは、出場停止のCBチアゴ・サントス(Thiago Santos, 1989)に代わりCBアントニオ・カルロス(Antônio Carlos, 1993)がCBチアゴ・シウヴァの相方を務める。前節決勝ゴールのFWセルナと、最近の試合で途中出場から結果を残すFWカウワン・エリアス(Kauã Elias, 2006)がスタメンに抜擢。

   マノ・メネゼス監督就任後、守備が再構築されたフルミネンセだが、この試合でもRBブラガンチーノのスピード感のあるパス回しにかく乱されることなくしっかりと対応。攻撃に転じては、あまり人数や手数をかけずにシンプルにボールを前に送り、シュートでターンを終えていく。
   前半36分、PA外右からFWカウワン・エリアスがゴール前にクロス。FWセルナがワントラップでDFをかわし右足を一閃。しかし、ブラガンチーノGKルカォンが片手でシュートストップ。フルミネンセが好調のFW2選手が見せ場を作る。
   すると、前半44分、フルミネンセは、左サイドライン際からのクロスをFWカウワン・エリアスが押し込み先制。1-0とリードして前半を折り返す。
   後半開始時にRBブラガンチーノは、戦術は変えずに2つのポジションで選手交代。
   RBブラガンチーノは、後半2分にゴールライン際からのクロスが直接ゴールを襲い、後半5分にはゴールライン際まで押し込んだ後、PA入口へ戻したボールをMFエリキ・ハミーレス(Eric Ramires, 2000)がシュートに持ち込むがゴールポストを直撃する。
   その後もRBブラガンチーノは、フルミネンセの堅固な守備網を崩すため、ミドルシュートを狙い、ゴールライン際までボールを持ち運んでゴール前にクロスを送るなど、手を変え品を変え相手ゴールに迫るが、フルミネンセ守備網を崩すことができない。
   後半44分にも、自陣からのボールに左サイドを抜け出したFWヴィニシーニョ・ペレイラ(Vinicius Pereira, 2004)がシュートに持ち込むが、フルミネンセGKファビオ(Fábio, 1980)の指先をかすめたボールはゴールポストの外へ流れる。
   1点差のリードで迎えた後半を専守防衛に努めたフルミネンセが、RBブラガンチーノの反撃を最後までしのぎ、アウェイで1-0の勝利。
   フルミネンセは、3試合連続1-0のスコアで3連勝。順位は依然19位ながら、降格圏脱出までの勝点差は「1」にまで迫った。
   ホームのRBブラガンチーノは、10位に一つ順位を下げた。

フラメンゴ(FLA) 2-0 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=P-z0G6wsHCc
(FLA) : 19' #9 ペドロ(Pedro, 1997)[#14 デ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)]
(FLA) : 61' #14 デ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)[#6 アイルトン・ルーカス(Ayrton Lucas, 1997)]

今節前の順位

フラメンゴ(FLA)は全国選手権11勝4分3敗勝点37の2位。(1試合未消化)
アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)は全国選手権2勝6分11敗勝点12の20位。

得点シーン

(FLA) : 19' #9 ペドロ(Pedro, 1997)[#14 デ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)]
右ショートコーナーから一度後方に下げたボールをMFデ・アラスカエッタがPA入口左まで戻りボールを受けゴール前に低いクロス。DFラインを抜け出たFWペドロが足を合わせゴールネットを揺らす。[1-0]
   FWペドロは、全国選手権得点ランキング単独首位の10点目のゴール。全国選手権は開幕5試合を1得点とスタートで出遅れたものの、今節終了時点で19試合10得点5アシスト。今季は38試合28得点7アシストと絶好調。
(FLA) : 61' #14 デ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)[#6 アイルトン・ルーカス(Ayrton Lucas, 1997)]
相手陣でゆっくりとしたボール回し。VOLエリキ・プルガール(Erick Pulgar, 1994)がドリブルで縦に上がり、攻撃のギアを入れると、PA内に入ったSBアイルトン・ルーカスへ縦パス。SBアイルトン・ルーカスはDFラインを下げ中央へマイナスのパス。MFデ・アラスカエッタがダイレクトに足を振り抜きフラメンゴがリードを拡げる。[2-0]
   MFデ・アラスカエッタは、2024コパ・アメリカ、2022W杯などウルグアイ代表として50試合10得点6アシスト。2019年のフラメンゴ加入後は、272試合69得点88アシストの成績を残し、2度のリベルタドーレス、2度の全国選手権などのタイトルを獲得している。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:53% 47% ⇒ 前後半:51% 49%
シュート(枠内): 前半:9‐6(3-1) ⇒ 前後半:12-11(6-3)
パス成功率: 前半:85% 77% ⇒ 前後半:85% 83%
Desarmes: 前半:14‐9 ⇒ 前後半:24-22
Faltas Cometidas: 前半:4‐7 ⇒ 前後半:9-12

   フラメンゴは、1試合未消化の全国選手権前半戦を首位ボタフォゴとの勝点差「3」の2位で折り返し。コパ・アメリカ開催期間に5選手を各国代表として送り出し、ケガ人も相次いだ苦しい時期を乗り越えての結果だけに、後半戦に向け展望は明るい。
   今節のスタメンは、中2日で迎えるコパ・ド・ブラジルでのパウメイラス戦1stレグに向け、GKロッシ(Rossi, 1995)など主力選手の一部を温存。とは言え、メンツだけを見れば控え選手中心とは思えない豪華なスタメンで試合に入る。
   アトレチコ・ゴイアニエンセは、第10節終了後に、ゴイアス州選手権優勝、全国選手権も最高13位、第10節で16位に健闘していたジャイール・ヴェントゥーラ(Jair Ventura)監督を解任。その後の10試合を4分6敗と白星がなく全国選手権前半戦を最下位で終えた。
   前節バイーア戦は、実質的に最後のプレーで失点。アディショナルタイムを越えてからのプレーだったため、試合後に不満を爆発させた2選手など、計3選手が退場処分を受け、今節の選手起用にまで影響を及ぼすこととなった。
   今節は、中2日でコパ・ド・ブラジルでのヴァスコ・ダ・ガマ戦を控えていることもあり、5つのポジションで選手を変更し試合に入る。

   ホームのフラメンゴが立ち上がりから相手陣での細かいパス交換と、ボールロスト時の素早い寄せで試合を支配。アトレチコ・ゴイアニエンセの守備網を、左右の揺さぶり、ゴールライン際への飛び出しなどで次々と崩していく。
   前半19分、フラメンゴは右ショートコーナーから、一度相手陣中盤まで下げたボールをPA横まで持ち上がる。MFデ・アラスカエッタが上げたクロスをゴール前ニアサイドで得点王FWペドロが足を合わせ、フラメンゴが早くも先制。
   その後もフラメンゴは攻撃の手を緩めず、前半30分、縦の揺さぶりからシュート。そのプレーで得たCKからも大きなチャンスを迎えるが、ここはアトレチコ・ゴイアニエンセ守備陣が守り抜く。
   アトレチコ・ゴイアニエンセは、前半終了間際に相手をゴール前に押し込む人数をかけた攻撃。FWジャンデルソン(Janderson, 1999)が最終ラインを抜け出し、角度のない位置からシュートに持ち込むが、フラメンゴGKマテウス・クーニャ(Matheus Cunha, 2001)が足でボールを弾き返す。
   後半開始時にアトレチコ・ゴイアニエンセは、ボランチを下げ、攻撃的なMFシャイロン(Shaylon, 1997)を投入。すると、開始55秒、右サイドライン際を抜け出したMFハウジネイ(Rhaldney, 1998)のクロスにMFシャイロンがドンピシャのヘディングシュート。しかし、GKマテウス・クーニャがビッグセーブ、ゴールを許さない。
   その後も、アトレチコ・ゴイアニエンセは、相手陣でのボールの出どころへの厳しい寄せで試合の流れを掴むと、後半7分、PA外左で獲得したFKからVOLゴンサロ・フレイタス(Gonzalo Freitas, 1991)が頭を合わせるが、惜しくもボールはGKの正面。
   アトレチコ・ゴイアニエンセの寄せに苦しむフラメンゴだったが、後半16分、相手陣にボールを運びアトレチコ・ゴイアニエンセ守備陣を下げると、相手陣入口まで一旦ボールを戻し、VOLエリキ・プルガールのドリブルで攻撃のギアを上げ、最後はMFデ・アラスカエッタのゴールで貴重な追加点を奪う。
   その後、フラメンゴは試合をコントロール。アトレチコ・ゴイアニエンセの反撃を、中盤の素早い寄せでシュートまで持ち込ませず、試合はタイムアップ。
   フラメンゴは、前日敗れたボタフォゴを上回り首位に返り咲き。
   一方のアトレチコ・ゴイアニエンセは、引き分けを挟んで7連敗。19位までの勝点差は「5」、降格圏脱出までは「6」と勝点差が拡がった。

グレミオ(GRE) 1-0 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=-hotSzm6WgI
(GRE) : 57' #7 ソテウド(Soteldo, 1997)[#21 パボン(Pavón, 1996)]

今節前の順位

グレミオ(GRE)は全国選手権4勝3分10敗勝点15の17位。(2試合未消化)
ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS)は全国選手権7勝2分9敗勝点23の11位。(1試合未消化)

得点シーン

(GRE) : 57' #7 ソテウド(Soteldo, 1997)[#21 パボン(Pavón, 1996)]
自陣からのボールをハーフライン付近の空中でに競り勝ったMFクリスタウド(Cristaldo, 1996)が前方にボールを送り、FWパボンがDFの手前で拾い、左サイドを上がるFWソテウドの前方にボールを送る。PA内に侵入したFWソテウドは、DF2選手の間を抜く振りの短いシュート。ボールはファーサイドのゴールネットを揺らす。[1-0]

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:56% 44% ⇒ 前後半:54% 46%
シュート(枠内): 前半:10‐6(1-1) ⇒ 前後半:20-11(2-1)
パス成功率: 前半:67% 60% ⇒ 前後半:66% 59%
Desarmes: 前半:3‐8 ⇒ 前後半:11-17
Faltas Cometidas: 前半:6‐8 ⇒ 前後半:12-12

   今節はグレミオ主催試合だが、本拠地アレーナグレミオが水害による復旧が進まず、今節はサンタカタリーナ州シャペコ市シャペコエンセの本拠地アレーナコンダで開催される。
   グレミオの全国選手権前半戦は、ポルトアレグレの水害のため、本拠地アレーナグレミオが使用できないハンディキャップもあり、2試合未消化で降格圏の17位と低迷した。最近の数試合の内容は改善しているが、前節コリンチャンス戦は終了間際の失点で引き分け。勝ち切ることができなかった。
   今節は、中2日でコパ・ド・ブラジルが控えるが、全国選手権も勝ち点を積み上げたい状況で、戦術的な3選手の変更で試合に臨む。
   ヴァスコ・ダ・ガマの前節は順延のため、今節は一週間ぶりの試合。その一週間前の試合はアトレチコ・ミネイロを相手に0-2で敗れ、連勝は「4」でストップ。しかし、全国選手権前半戦は、序盤こそ降格圏に苦しんだものの、ハファエウ・パイヴァ監督就任後は、思い切った選手起用で5勝1分2敗の成績を収め、中位の11位まで順位を上げている。
   今節のスタメンは、FWフィリピ・コウチーニョ(Philippe Coutinho, 1992)とFWエメルソン・ロドリゲス(Emerson Rodríguez, 2000)に新加入2選手が、いずれも2試合目の出場で初スタメンに起用。他に変更点はない。

   降りしきる強い雨と傷んだ芝による不良コンディションでの難しい試合となる。
   両チームともにロングボールを有効に使う中、グレミオは、左サイドFWソテウド(Soteldo, 1997)、中央MFクリスタウド(Cristaldo, 1996)、右サイドFWパオン(Pavón, 1996)が豊富な運動量で相手陣深くまでボールを運ぶのに対し、ヴァスコ・ダ・ガマはFWベヘッチ(Vegetti, 1988)をターゲットとしたボールが多く、攻撃に厚みが生まれない。
   この試合最初に大きなチャンスを迎えたのはヴァスコ・ダ・ガマ。前半43分、左サイド浅めの位置からのクロスに、ファーサイドでFWベヘッチがDFの裏に抜けヘディングシュート。しかし、ボールはゴールポストを叩き弾き返される。
   一方のグレミオは、後半45+1分、相手陣PA内でFWソテウドが仕掛け、MFクリスタウドがマイナスのボールをシュート。さらにブロックされたボールを半身の体勢で再びMFクリスタウドがシュートに持ち込むが、惜しくもボールは枠外へ。
   後半に入りグレミオは、FWソテウドが後半3分に右サイドから、後半7分には左サイドから起点となり、相次いでシュートにまで持ち込むと、後半12分、自陣からのクリアボールを縦に素早く繋ぎ、FWパボンからのボールを左サイドで受けたFWソテウドがPAに侵入し自らシュート。これがゴールに吸い込まれグレミオが先制。
   後半25分を過ぎ、ヴァスコ・ダ・ガマが攻勢を強めていくが、PA内のピッチ状況は田んぼのようになり、足を取られる場面や、ボールがイレギュラーに転がる場面も見られ、決定的なチャンスは生まれない。
   ヴァスコ・ダ・ガマの終盤の猛攻をグレミオは最後までしのぎ、試合は1-0のままタイムアップ。
   グレミオは、17位と同勝点ながら得失点差で僅かに降格圏を抜け出す16位に浮上。
   ヴァスコ・ダ・ガマは、新加入選手が出場可能となった2試合で2連敗。今節はピッチコンディションの影響があったとはいえ、今後に向け連携に不安の残る試合となった。

アトレチコ・ミネイロ(CAM) 2-1 コリンチャンス(COR)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=n9aTCjmIzJM
(CAM) : 32' #7 フッキ(Hulk, 1986)[PK]
(COR) : 39' #9 ユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)[#10 ロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)]
(CAM) : 85' #7 フッキ(Hulk, 1986)[PK]

今節前の順位

アトレチコ・ミネイロ(CAM)は全国選手権6勝7分4敗勝点25の10位。
コリンチャンス(COR)は全国選手権4勝7分8敗勝点19の14位。

得点シーン

(CAM) : 32' #7 フッキ(Hulk, 1986)[PK]
PA手前左の位置でFKを獲得。これをFWフッキが直接ゴールを狙うが、壁に入った選手が振り上げた腕にボールが当たり、主審はPKの判定。このPKをFWフッキ自身が蹴り、強烈なボールがゴール右、GKの下を抜けゴールネットを揺らす。[1-0]
(COR) : 39' #9 ユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)[#10 ロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)]
相手陣右サイド深くまで攻め上がり、コーナーフラッグ付近からMFロドリゴ・ガーロがPAへクロス。ペナルティマーク付近でFWユーリ・アウベルトがやや後方に下がりヘディングシュート。柔らかい弧を描いたボールがゴール左隅に吸い込まれる。[1-1]
(CAM) : 85' #7 フッキ(Hulk, 1986)[PK]
相手陣に入った右サイドライン際からのスルーパスを受けたFWフッキがPA内右から逆サイドへ低いボールを送る。ファーサイドをFWパウリーニョが駆け上がるがDFのスライディングに遭い転倒。しかし、DFの足にボールは触れず、主審はPKの判定。このPKをFWフッキが一度目と同じ方向に蹴りゴールネットを揺らす。[2-1]

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:58% 42% ⇒ 前後半:61% 39%
シュート(枠内): 前半:4‐3(1-3) ⇒ 前後半:10-11(3-6)
パス成功率: 前半:90% 79% ⇒ 前後半:89% 73%
Desarmes: 前半:10‐8 ⇒ 前後半:16-14
Faltas Cometidas: 前半:8‐6 ⇒ 前後半:17-15

   アトレチコ・ミネイロの全国選手権前半戦は、大方の予想を大きく下回る10位。開幕当初から勝ち切れない試合が続いたが、第8節(6月11日)~第15節(7月7日)までの一か月間は、コパ・アメリカ代表選手の離脱に、さらにはケガ人も相次ぎ、2勝2分4敗と大きく負け越し。2023年こけら落としの新本拠地MRVアレーナの芝コンディションも悪く、相次ぐケガ人は、ピッチの影響も大きいように思われる。
   前節第19節は順延となり今節は一週間ぶりの試合。スタメンには、出場停止明けのSBギリェルミ・アラーナ(Guilherme Arana, 1997)が復帰。他に変更はない。
   コリンチャンスの全国選手権前半戦は、ほとんどの期間を降格圏に低迷。ラモン・ディアス監督が就任し、2勝1分と立て直され、最終的には14位の成績で折り返した。
   前節グレミオ戦は2度のビハインドを追いつき2-2の引き分け。今節は、CBカカー(Cacá, 1999)が出場停止となり、3バックから4バックに布陣を変更し、2か月ケガで離脱していた右SBファギネル(Fagner, 1989)がスタメン復帰。出場停止明けのVOLアレックス・サンタナ(Alex Santana, 1995)がセグンドボランチに復帰。

   試合は両チームとも相手の出方をうかがうような静かな立ち上がり。次第にホームのアトレチコ・ミネイロが、ピッチ中央から両サイドを有効に使いながら、試合を支配し始める。
   しかし、最初に大きなチャンスを迎えたのはコリンチャンス。前半15分、自陣からのカウンターからFWユーリ・アウベルト(Yuri Alberto, 2001)が左サイドライン際をドリブルでボールを持ち上がり、MFロドリゴ・ガーロ(Rodrigo Garro, 1998)へボールを送り、MFロドリゴ・ガーロがゴール前にクロス。ゴール前にFWアンヘル・ホメーロ(Ángel Romero, 1992)が詰めるがボールをゴールに押し込むことができない。
   前半30分、アトレチコ・ミネイロはPA手前でFKを獲得すると、FWフッキ(Hulk, 1986)が直接ゴールを狙う。このシュートは壁に入った選手が振り上げた腕に当たり主審はPKの判定。これをFWフッキが決めアトレチコ・ミネイロが先制。
   リードされたコリンチャンスも、前半38分、右サイドをFWユーリ・アウベルトが抜け出しPAに侵入するが、間合いを詰めたGKマテウス・メンデス(Matheus Mendes, 1999)がシュートブロック。しかし、このプレーで獲得した右スローインから、MFロドリゴ・ガーロがゴール前に上げたボールにFWユーリ・アウベルトが頭を合わせコリンチャンスが試合を振り出しに戻す。
   後半7分、コリンチャンスは左サイドをFWユーリ・アウベルトがドリブルで抜け出し強烈なシュート。GKマテウス・メンデスが片手で弾き返し、そのこぼれ球にMFロドリゴ・ガーロが頭で押し込もうとするが、GKマテウス・メンデスが再び片手でボールを押し返し、ゴールを守り抜く。
   その後、両チームともバランスを重視しながら攻撃的な選手をピッチに送り込むものの、互いに決定的なシーンは訪れない。試合は均衡状態に持ち込まれるが、後半30分を過ぎる頃になると、ホームのアトレチコ・ミネイロが相手を押し込んでいくようになる。
   後半36分、アトレチコ・ミネイロは左CKに後方から駆け上がったVOLアラン・フランコ(Alan Franco, 1998)が強烈なヘディングシュート。しかし、コリンチャンスGKウーゴ・ソウザ(Hugo Souza, 1999)が瞬時に両手で反応すると、腕に弾かれたボールはクロスバーを叩き跳ね返される。
   なおも攻勢を仕掛けるアトレチコ・ミネイロは、後半39分、右サイドからのクロスボールにファーサイドをゴール前に上がるFWパウリーニョ(Paulinho, 2000)がDFに倒されPKを獲得。このPKをFWフッキが冷静に決めアトレチコ・ミネイロが勝ち越し。
   その後、アトレチコ・ミネイロはコリンチャンスに反撃を許さず、2-1のままタイムアップ。
   アトレチコ・ミネイロは1引分けを挟み3連勝。2試合の未消化試合を残し、リベルタドーレス出場圏の6位まで勝点差「4」の9位に浮上。上位争いに加わりつつある。
   コリンチャンスは、ラモン・ディアス監督就任後の初黒星。降格圏までの勝点差が「1」に迫る15位に順位を落とした。

クイアバ(CUI) 1-2 アトレチコ・パラナエンセ(CAP)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=hABPgJF2Z3g
(CAP) : 11' #20 ジュリマール(Julimar, 2001)[#28 クエージョ(Cuello, 2000)]
(CAP) : 90+3' #7 ディ・ジョリオ(Di Yorio, 1996)[#26 エリキ(Erick, 1997)]
(CUI) : 90+7' #16 デイヴェルソン(Deyverson, 1991)[#88 フェルナンド・ソブラウ(Fernando Sobral, 1994)]

今節前の順位

クイアバ(CUI)は全国選手権4勝5分8敗勝点17の16位。(2試合未消化)
アトレチコ・パラナエンセ(CAP)は全国選手権7勝4分6敗勝点25の8位。(2試合未消化)

得点シーン

(CAP) : 11' #20 ジュリマール(Julimar, 2001)[#28 クエージョ(Cuello, 2000)]
右サイドライン際でDFと対峙したFWクエージョが、MFサペリ(Zapelli, 2002)とのタベーラでゴールライン際へ抜け出し、マイナスのクロス。FWジュリマールが、ゴール前に詰めるFWディ・ジョリオ(Di Yorio, 1996)のスペースに入りダイレクトにシュート。ボールはGKの指先を抜けゴールネットを揺らす。[0-1]
   FWジュリマールは、2020年にクリシウーマからアトレチコ・パラナエンセ加入。2023年後半に全国選手権2部ミラソウへ期限付き移籍し19試合に出場。2024年にアトレチコ・パラナエンセに復帰すると、クーカ監督のもと、多くの出場機会を得て、監督交代後もコンスタントに試合に出場。2024年はこれまで39試合6得点2アシスト。試合出場数、得点数は、既にキャリアハイを更新。
(CAP) : 90+3' #7 ディ・ジョリオ(Di Yorio, 1996)[#26 エリキ(Erick, 1997)]
右サイドライン際からのゴール前に向けられたボールにニアサイドでMFエリキが詰めるが空振り。しかし、DFに当たったボールがこぼれると、MFエリキは間合いを詰めるGKをかわし、ゴール前にボールを流す。FWディ・ジョリオが無人のゴールにボールを流し込み、アトレチコ・パラナエンセが貴重な追加点。[0-2]
   FWディ・ジョリオは、2024年2月にパチューカ/MEXからアトレチコ・パラナエンセに加入。ケガの影響もあり出場機会は限られていたが、7月7日全国選手権第15節にて後半30分からの出場で決勝ゴールを奪うと、続く2試合でもゴールを記録し、最近の7試合で4得点。自らの足で結果を残し出場機会を増やしている。2024年はこれまで21試合8得点。
(CUI) : 90+7' #16 デイヴェルソン(Deyverson, 1991)[#88 フェルナンド・ソブラウ(Fernando Sobral, 1994)]
PA右からのMFフェルナンド・ソブラウの低いボールに、FWデイヴェルソンがDFの前に現れ、ワンタッチでDFをかわし、さらには間合いを詰めるGKもかわしシュート。ゴールポストを叩いたボールは、クリアに戻ったDFに当たりゴールに吸い込まれる。[1-2]
   FWデイヴェルソンは、規律違反や、契約満了後の移籍を公言するなど、4月から3か月間試合から遠ざかる。復帰後5試合で2得点目のゴールとなったが、チームは1勝1分3敗。違いを作り出すプレーも多いが、チームへの貢献度は今のところ高くはない。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:43% 57% ⇒ 前後半:47% 53%
シュート(枠内): 前半:12‐5(4-1) ⇒ 前後半:21-10(6-4)
パス成功率: 前半:80% 88% ⇒ 前後半:78% 83%
Desarmes: 前半:3‐6 ⇒ 前後半:13-14
Faltas Cometidas: 前半:5‐3 ⇒ 前後半:8-12

   クイアバの前節は順延。7月25日にコパ・スウアメリカーナプレーオフを戦い1-2の敗戦、2試合合計で2-3となり同大会を敗退した。全国選手権は、開幕5連敗を喫したものの、プチ(Petit)監督就任後に立て直され、前半戦は2試合未消化の状況で残留圏の16位。とは言え、足元の7試合は1勝4分2敗と勝点を伸ばせていない。
   今節は中2日での試合。しかし、スタメンは1点の変更のみ。高さのあるFWデリキ・ラセルダ(Derik Lacerda, 1999)に代わり、スピードのFWジョナタン・カフー(Jonathan Cafú, 1991)が右サイドハーフに入る。FWデイヴェルソン(Deyverson, 1991)とFWイシドロ・ピッタ(Isidro Pitta, 1999)の2トップで試合に入る。
   アトレチコ・パラナエンセも、前節は順延となり、7月25日にコパ・スウアメリカーナプレーオフを戦い2-1の勝利。2試合合計で3-2とし、決勝ラウンドへ駒を進めた。全国選手権は、第9‐11節に3試合連続で後半アディショナルタイムに同点弾を浴び、クーカ(Cuca)監督が辞任。第16節終了後に33歳ウルグアイ国籍のマルティン・バリーニ(Martín Varini)監督を招聘し、チームの立て直しを図っている。
   今節は中2日での試合。スタメンは、攻撃的なポジションを中心に4選手を変更。18歳MFジョアン・クルス(João Cruz, 2006)を初スタメンに抜擢する。

   立ち上がりはホームのクイアバが、高い位置でのプレスから試合の主導権を握り、多くの時間を相手陣でプレーする。
   しかし、先制点はアトレチコ・パラナエンセ。前半11分、アトレチコはボールを繋ぎながらも縦に速い攻撃、右サイドからのクロスにFWジュリマールがゴールを陥れ先制する。
   その後もクイアバが相手陣で試合を進めるが、アトレチコ・パラナエンセは、GKレオ・リンキ(Léo Linck, 2001)がシュートやクロスを何度も弾き返し、クイアバにゴールを許さない。
   後半4分、アトレチコ・パラナエンセはカウンターからFWカノービオ(Canobbio, 1998)がシュートに持ち込むが、ジュヴェントゥージGKヴァウテル(Walter, 1987)が倒れ込みながらボールをキャッチ。両GKが試合を締める。
   後半28分、相手陣で守備ブロックの外をボールを回すクイアバは、MFフェルナンド・ソブラウ(Fernando Sobral, 1994)がドリブルを仕掛け、PA内のFWデイヴェルソンへ鋭いパス。FWデイヴェルソンが踵で後方へ戻したボールに、FWアンドレ・ルイス(André Luís, 1997)が右足を振り抜きゴールを奪うが、VARによりFWデイヴェルソンの位置がオフサイドと判定されゴールは認められない。
   後半45+4分、劣勢を強いられたアトレチコ・パラナエンセが、注文通りの展開でカウンターからチャンスを迎えると、FWディ・ジョリオが試合を決定づける追加点。
   その4分後に、クイアバは綺麗なボール繋ぎからFWデイヴェルソンのゴールで1点を返すが反撃もここまで。
   アウェイのアトレチコ・パラナエンセが2-1の勝利。
   アトレチコ・パラナエンセは、2試合未消化ながら、リベルタドーレス出場圏(6位)まで勝点差「4」に迫った。
   一方のクイアバは公式戦3連敗。順位を2つ落とし、降格圏の18位に転落した。

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