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全国選手権第21節 対戦組合せ
以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第21節(1/2)[08/03-05]
・2024/08/03 ヴィトーリア(VIT) x クイアバ(CUI)
・2024/08/03 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x RBブラガンチーノ(RBB)
・2024/08/03 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG) x ボタフォゴ(BOT)
・2024/08/03 クリシウーマ(CRI) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
・2024/08/03 サンパウロ(SAO) x フラメンゴ(FLA)
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/08/04 フルミネンセ(FLU) x バイーア(BAH)
・2024/08/04 コリンチャンス(COR) x ジュヴェントゥージ(JUV)
・2024/08/04 アトレチコ・パラナエンセ(CAP) x グレミオ(GRE)
・2024/08/04 インテルナシオナウ(INT) x パウメイラス(PAL)
・2024/08/05 クルゼイロ(CRU) x フォルタレーザ(FOR)
全国選手権第21節 試合概要
フルミネンセ(FLU) 1-0 バイーア(BAH)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=5j9JQtCL0Ic
(FLU) : 45' #19 カウワン・エリアス(Kauã Elias, 2006)[#2 サムエウ・シャヴィエル(Samuel Xavier, 1990)]
今節前の順位
フルミネンセ(FLU)は全国選手権4勝5分10敗勝点17の19位。(1試合未消化)
バイーア(BAH)は全国選手権9勝5分6敗勝点32の6位。
得点シーン
(FLU) : 45' #19 カウワン・エリアス(Kauã Elias, 2006)[#2 サムエウ・シャヴィエル(Samuel Xavier, 1990)]
右サイドライン際をFWジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)がDFをかわしボールを持ち上がり、MFガンソ(PH Ganso, 1989)とのタベーラでPAに侵入、自身の背後を縦に上がるSBサムエウ・シャヴィエルへボールを繋ぐ。SBサムエウ・シャヴィエルは最終ラインの裏に抜け出したところで中央へクロス。左SBジエゴ・バルボーザ(Diego Barbosa, 1992)が相手ラインを下げた背後のスペースでFWカウワン・エリアスが頭を合わせゴールネットを揺らす。[1-0]
FWカウワン・エリアスは、7月4日から指揮を執るマノ・メネゼス監督のもと、7月7日全国選手権第15節で30分間のプレー機会を与えられると、翌第16節も後半15分過ぎにピッチに送り出され後半44分に同点ゴールをマーク。さらに第18節にも再び途中出場から決勝ゴールを決める。7月28日第20節で先発に抜擢されると前半44分に決勝ゴール。コパ・ド・ブラジルではゴールは生まれなかったものの、公式戦3試合連続スタメン出場の今節では再び決勝ゴール。7月7日以降は7試合4得点。同期間のチーム7得点のうち4得点、同点ゴールが1つに決勝ゴールが3つと勝負強さを披露している。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:48% 52% ⇒ 前後半:49% 51%
シュート(枠内): 前半:4‐6(2-3) ⇒ 前後半:12-12(6-3)
パス成功率: 前半:86% 90% ⇒ 前後半:86% 89%
Desarmes: 前半:5‐8 ⇒ 前後半:14-15
Faltas Cometidas: 前半:8‐2 ⇒ 前後半:12-10
フルミネンセは、CBチアゴ・シウヴァ(Thiago Silva, 1984)加入後の全国選手権3試合を3連勝。しかし、CBチアゴ・シウヴァを温存したコパ・ド・ブラジルではジュヴェントゥージを相手に2-3の敗戦。守備面の再構築は未だ発展途上の段階にある。
今節のスタメンは、ジュヴェントゥージ戦から5つのポジションで変更。CBチアゴ・シウヴァとFWジョン・アリアス(Jhon Arias, 1997)、MFガンソ(PH Ganso, 1989)、VOLアンドレ(André, 2001)が復帰。FWカウワン・エリアス(Kauã Elias, 2006)とFWセルナ(Serna, 1997)が引き続きスタメンを務め、FWジョン・アリアスとの3トップを構成する。
バイーアは、公式戦5試合に勝ち星から遠ざかっている。コパ・ド・ブラジルではアウェイでボタフォゴと1-1の引き分け。タイトル獲得に向け、コパ・ド・ブラジルに重きが置かれており、中2日で開催されるホームでの2ndレグに向け今節は主力選手の温存が予想される。
今節のスタメンは、ボタフォゴ戦から5つのポジションで変更。ケガ明けのCBカヌー(Kanu, 1997)が2週間ぶりの試合。新加入FWルシアーノ・ロドリゲス(Luciano Rodríguez, 2003)が前節のクラブデビューに続きクラブ初スタメン。両サイドバックは右SBジウベルト(Gilberto, 1993)と左SBヤゴ・ボルドゥーチ(Iago Borduchi, 1997)が起用される。
前半6分、バイーアは自陣からのビルドアップから、右サイドをCBガブリエウ・シャヴィエル(Gabriel Xavier, 2001)が縦にボールを入れると、相手のパスカットのボールがゴールに向かっていたMFエヴェルトン・ヒベイロ(Éverton Ribeiro, 1989)に運よく当たり、MFエヴェルトン・ヒベイロがそのまま最終ライン裏に抜け出す。PA内でゴール正面のFWルシアーノ・ロドリゲスにボールが送られるが、フルミネンセGKファビオ(Fábio, 1980)がタイミングよく飛び出し、FWルシアーノ・ロドリゲスのシュートをブロック。バイーアは絶好の先制機を逸する。
一方のフルミネンセは、前半14分、自陣からの速攻で左SBジエゴ・バルボーザ(Diogo Barbosa, 1992)が左サイドをドリブルでボールを持ち上がり、右サイドPA手前へサイドチェンジ。ボールを受けたFWカウワン・エリアスがDFをかわし右足を振り抜きゴールネットを揺らすが、VARの検証の末、FWカウワン・エリアスのオフサイドが認められゴールは認められない。
バイーアはテンポのいいボール回しでボールを支配するが、攻撃にスピード感がなく、フルミネンセに守備ブロックを構築する時間を与え、決定機を迎えることができない。
前半42分、フルミネンセは自陣右サイドからのカウンターからサイドチェンジのボールを受けた左SBジエゴ・バルボーザがゴール正面のFWセルナへボール送るが、フリーの体勢のFWセルナがシュートミス。芯を外れたシュートは勢いがなくGKの正面をつく。
しかし、前半45分、右サイドライン際のFWジョン・アリアスのドリブルから、PA内でボールを受けたSBサムエウ・シャヴィエルがクロス。後方から駆け上がったFWカウワン・エリアスがドンピシャのタイミングで頭を合わせフルミネンセが先制する。
後半2分からフルミネンセが左サイドライン際を起点としたサイドチェンジから相次いでシュートに持ち込むが、バイーアGKマルコス・フェリピ(Marcos Felipe, 1996)が至近距離の強烈なシュートを顔面でブロックするなど、ゴールを守り抜く。
バイーアは後半立ち上がりのピンチをしのぐと、後半7分、MFエヴェルトン・ヒベイロがゴール正面からミドルシュート。フルミネンセGKファビオが辛うじて逃れたCKからは、ゴール正面でFWルシアーノ・ロドリゲスがフリーでヘディングシュートを叩きつけるが、ボールは惜しくもゴールポストの外へ流れる。
後半17分、後半31分とバイーアは、中盤と前線の選手を交替し、陣形も今季継続的に採用しているゼロトップに近い形に変更するが、フルミネンセCBチアゴ・シウヴァが統率する守備網を崩すことができない。フルミネンセは後半26分以降、漸次、中盤から前線の選手を入れ替え、ボールの出どころへのマークを強めると同時に時間を消費する。
フルミネンセは最後までバイーアの反撃を許さず、1-0のまま試合は終了。
フルミネンセは、全国選手権では4試合連続の1-0のスコアによる4連勝。そのいずれも新加入のCBチアゴ・シウヴァが守備ラインを統率。3試合を18歳FWカウワン・エリアスが決勝ゴール。前節から順位を2つ上げ、17位にまで浮上した。
一方のバイーアは全国選手権を2引き分けを挟み3連敗。一時は首位に肉薄したものの、この敗戦でリベルタドーレス出場権をかけた上位争いから一歩後退し中位争いに巻き込まれつつある。
コリンチャンス(COR) 1-1 ジュヴェントゥージ(JUV)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=He1MNo-o8ek
(JUV) : 4' #28 アラン・フーシェウ(Alan Ruschel, 1989)[#16 ジャジソン(Jádson, 1993)]
(COR) : 48' #16 ペドロ・エンヒキ(Pedro Henrique, 1990)[#23 ファギネル(Fagner, 1989)]
今節前の順位
コリンチャンス(COR)は全国選手権4勝7分9敗勝点19の15位。
ジュヴェントゥージ(JUV)は全国選手権5勝6分7敗勝点21の13位。(2試合未消化)
得点シーン
(JUV) : 4' #28 アラン・フーシェウ(Alan Ruschel, 1989)[#16 ジャジソン(Jádson, 1993)]
相手陣右サイドを細かくパスを繋ぎ、VOLジャジソンがMFジアン・カルロス(Jean Carlos, 1992)とのタベーラでPAに侵入するとゴール前に低く鋭いクロス。逆サイドから絞り込んだSBアラン・フーシェウがファーサイドに流れたボールを足に合わせ、アウェイのジュヴェントゥージが早くも先制。[0-1]
SBアラン・フーシェウは、2008年10月にジュヴェントゥージから全国選手権2部にて19歳のプロデビュー。その後、アトレチコ・パラナエンセやインテルナシオナウなどへ移籍するが、ポジションに定着することができず、数多くのクラブを遍歴。2020年全国選手権2部シャペコエンセにてキャリアハイを大きく更新する43試合2アシストを記録。しかし、シャペコエンセとの契約は満了。2023年当時全国選手権2部のジュヴェントゥージへ復帰を果たすと、41試合3得点2アシストの成績を残し、チームの1部昇格に貢献。2024年はここまでレギュラーとして30試合1得点1アシスト。遅咲きのベテランが昇格1年目のジュヴェントゥージの左サイドを支えている。
(COR) : 48' #16 ペドロ・エンヒキ(Pedro Henrique, 1990)[#23 ファギネル(Fagner, 1989)]
右サイドライン際高い位置でのパス交換から、SBファギネルが中央へ切れ込み、PA内へボールを送る。ニアサイドでFWペドロ・エンヒキが頭を合わせたボールはゴールファーサイドに吸い込まれコリンチャンスが試合を振り出しに戻す。[1-1]
FWペドロ・エンヒキは、2011年全国選手権3部カシアスにて24試合3得点の成績を残し、21歳の2012年1月にチューリッヒ/SUIへ移籍。その後、フランス、ギリシャ、アゼルバイジャン、カザキスタン、トルコでプレーし、2022年4月にインテルナシオナウに加入。同年は36試合8得点3アシストの成績を収め、チームの全国選手権2位躍進に貢献。2023年も50試合12得点4アシストの成績を残すが、年中盤の大補強の煽りを受け出場機会を失っていく。2024年2月中旬にコリンチャンスへ2年契約で移籍。ケガのため約2か月間チームを離脱したこともあり、2024年はこれまで17試合の出場。このゴールはコリンチャンスでの初ゴールとなった。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:58% 42% ⇒ 前後半:62% 38%
シュート(枠内): 前半:14‐5(3-3) ⇒ 前後半:35-6(11-3)
パス成功率: 前半:82% 81% ⇒ 前後半:85% 70%
Desarmes: 前半:9‐6 ⇒ 前後半:18-10
Faltas Cometidas: 前半:9‐6 ⇒ 前後半:16-14
コリンチャンスは、ラモン・ディアス監督就任後に2連勝を飾り降格圏を抜け出したが、最近の公式戦3試合は勝ち星がない。コパ・ド・ブラジルではグレミオを相手にホームでの1stレグを0-0に終えた。
今節のスタメンは、グレミオ戦から4つのポジションで変更。右SBファギネル(Fagner, 1989)、MFイゴル・コロナド(Igor Coronado, )、FWウェズレイ(Wesley, 2005)、FWジオヴァーニ(Giovane, 2003)がスタメンに名を連ねた。なお、FWジオヴァーニは今季初スタメン。
ジュヴェントゥージは、コパ・ド・ブラジルにてフルミネンセを相手にアウェイで3-2の勝利。ジャイール・ヴェントゥーラ監督は就任4試合目にして初白星を飾った。全国選手権は4試合勝ち星がなく、降格圏との勝点差が気になる状況に陥っている。
今節のスタメンは、フルミネンセ戦から3つのポジションで変更。ケガ明けのCBダニーロ・ボザ(Danilo Boza, 1998)が約一か月間ぶりの試合。左SBアラン・フーシェウ(Alan Ruschel, 1989)はケガが癒え4試合ぶりの試合。VOLチアギーニョ(Thiaguinho)が今季5試合目にして2試合目の先発に抜擢。新加入のFWカヒージョ(Carrillo, 1996)がコパ・ド・ブラジルに続きセンターフォワードを務める。
前半4分に早くもジュヴェントゥージが先制。ハーフライン付近中央で相手の鋭い出足をかわしアタッキングサード入口右サイドライン際へボールを送る。そこから細かいパスを繋ぎ、タベーラで抜け出したVOLジャジソンがPA内からゴール前へクロス。ファーサイドでSBアラン・フーシェウがボールをゴールに押し込む。
コリンチャンスは、相手陣で積極的にボールを支配し、相手ボール時には高い位置でのプレスを敢行、ショートカウンターと遅攻を織り交ぜゴールに迫り、一方のジュヴェントゥージは素早くボールを前方に送り自陣からのカウンターを狙う。
コリンチャンスは、前半14分、相手陣でのボール奪取からFWジオヴァーニがPA手前右から左足でコースを狙ったミドルシュート。ボールはファーサイドのゴールポストを直撃しゴールを阻まれる。
対するジュヴェントゥージは、前半15分、ハーフライン上右サイドライン際でボールを受けたFWルーカス・バルボーザ(Lucas Barbosa, 2001)がPA手前へ鋭いパス。最終ラインを抜け出したFWエリキ・ファリアス(Erick Farias, 1997)がコリンチャンスGKウーゴ・ソウザ(Hugo Souza, 1999)と一対一を迎えるが、GKウーゴ・ソウザに軍配が上がり、追加点を奪うことができない。
前半20分、ジュヴェントゥージは、攻撃の要MFジアン・カルロス(Jean Carlos, 1992)が負傷交代を余儀なくされると、コリンチャンスは前半23分、24分と相次いでショートカウンターから相手ゴールに迫る。しかし、ジュヴェントゥージGKガブリエウ(Gabriel, 1992)の好守もありゴールは生まれない。
前半45+2分、コリンチャンスは、自陣PA手前から相手陣へ大きくボールを蹴り込む。このボールに、ジュヴェントゥージGKガブリエウがPAを飛び出し、味方にパスを送ろうとするが、パスが弱くコリンチャンスFWジオヴァーニに奪われる。GKガブリエウはFWジオヴァーニのプレーを妨害し一発退場。1点をリードするジュヴェントゥージが前半終了間際に数的不利な状況に陥り前半戦を終える。
後半開始時に、コリンチャンスはボランチを下げ、FWペドロ・エンヒキを投入。
すると、後半3分、ピッチに立ったばかりのFWペドロ・エンヒキが、右SBファギネルからのクロスボールを頭でゴールに流し込み試合を振り出しに戻す。
後半12分、ジュヴェントゥージが相手陣深くに攻め込んだものの、ボールを失いカウンターを受けそうになると、左SBアラン・フーシェウが相手選手を倒しこの試合2枚目のイエローカード。ジュヴェントゥージは残り30分以上の時間を9人での戦いが強いられる。
コリンチャンスは、高さのあるFWペドロ・ハウーウ(Pedro Raul, 1996)に始まり、次々と攻撃的な選手を投入。しかし、4-4の2ラインでゴール前のスペースを消すジュヴェントゥージ守備網を崩すことができない
後半45+3分にコリンチャンスMFイゴル・コロナド(Igor Coronado, 1992)がPA入口から放ったシュートはゴールポストをかすめ枠外へと流れるが、2人の数的有利を享受してからの30分間で惜しい場面はこのシーンのみ。
試合は1-1の引き分け。
コリンチャンスは、数的有利を生かすことができず勝点を「1」積み上げるに止まり、他会場の結果、降格圏に転落。
一方のジュヴェントゥージは、厳しい状況を乗り越え、貴重な勝点「1」を獲得した。
アトレチコ・パラナエンセ(CAP) 0-2 グレミオ(GRE)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=_Dgso6ZTJOQ
(GRE) : 18' #53 グスタヴォ・マルチンス(Gustavo Martins, 2002)[]
(GRE) : 21' #11 ミゲル・モンサルベ(Miguel Monsalve, 2004)[]
今節前の順位
アトレチコ・パラナエンセ(CAP)は全国選手権8勝4分6敗勝点28の8位。(2試合未消化)
グレミオ(GRE)は全国選手権5勝3分10敗勝点18の16位。(2試合未消化)
得点シーン
(GRE) : 18' #53 グスタヴォ・マルチンス(Gustavo Martins, 2002)[]
相手陣ペナルティアーク内で得たFKをMFエデニウソン(Edenílson, 1989)が直接狙う。壁の横を抜けたボールをGKレオ・リンキ(Léo Linck, 2001)が倒れ込みながら両手で弾き返すが、そのボールをCBグスタヴォ・マルチンスがダイレクトにヘディングシュート。再びGKレオ・リンキが両手でボールを押し返すも、CBグスタヴォ・マルチンスが再度頭を合わせボールをゴールに押し込む。アウェイのグレミオが先制。[0-1]
CBグスタヴォ・マルチンスは、2023年パンアメリカン競技大会代表に選出され5試合1得点(チームは優勝)。グレミオ育成出身で、2021年3月期限付き移籍先のカシアスからコパ・ド・ブラジルにて18歳のプロデビュー。グレミオでは2023年にトップチーム昇格を果たし、1月のリオグランデドスル州選手権にてクラブデビューを果たす。2023年は25試合(うち先発5試合)1得点、2024年はこの試合を含め21試合(うち先発15試合)3得点。世代別で代表のユニフォームに袖を通したグスタヴォは、グレミオで着実に経験を積み、監督、サポーターを信頼を積み上げている。
(GRE) : 21' #11 ミゲル・モンサルベ(Miguel Monsalve, 2004)[]
アトレチコ・パラナエンセ陣深い位置でプレスをかけると、ゴールライン沿い送られたボールを受けるアトレチコ・パラナエンセGKレオ・リンキへFWミゲル・モンサルベが視界の外から猛然と詰め、GKレオ・リンキがトラップしたボールを奪いゴールに流し込む。[0-2]
FWミゲル・モンサルベは、2023年U-20W杯(4試合1アシスト)、2023年U-20南米ユース選手権(9試合2アシスト)をコロンビア代表として出場。2020年10月インデペンディエンテ・メデジン(Independiente Medellín)/COLから16歳のプロデビュー。2023年には35試合4得点5アシストを記録する。グレミオには2024年7月中旬に230万ユーロ相当額にて移籍加入。今節クラブデビューをスタメンで迎えると、デビュー後21分でクラブ初ゴールを記録した。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:68% 32% ⇒ 前後半:66% 34%
シュート(枠内): 前半:7‐6(1-5) ⇒ 前後半:17-8(4-6)
パス成功率: 前半:90% 76% ⇒ 前後半:86% 72%
Desarmes: 前半:6‐6 ⇒ 前後半:12-10
Faltas Cometidas: 前半:6‐3 ⇒ 前後半:11-11
アトレチコ・パラナエンセは、コパ・ド・ブラジルにて2-0と先勝。これで、コパ・スウアメリカーナ、全国選手権、コパ・ド・ブラジルの異なる3大会で公式戦3連勝を収めた。
今節は、コパ・ド・ブラジル2ndレグを控え、CBチアゴ・エレーノ(Thiago Heleno, 1988)とVOLフェルナンジーニョ(Fernandinho, 1985)の守備的なポジションの両ベテランを温存するなど、5つのポジションで変更。
グレミオは、現在公式戦4試合負けなし。うち全国選手権は2勝1分。コパ・ド・ブラジルはコリンチャンスとの1stレグを0-0の引き分けに終えており、中2日で迎える2ndレグに向け、今節のスタメンは全ポジションを入れ替える。
センターバックはCBグスタヴォ・マルチンス(Gustavo Martins, 2002)とCBナタン(Natã, 2001)の育成出身の若いコンビ。新加入でコロンビア国籍のFWミゲル・モンサルベ(Miguel Monsalve, 2004)がクラブデビューを果たし、FWグスタヴォ・ヌーネス(Gustavo Nunes, 2005)、FWナタン(Nathan, 1996)と3トップを構成する。
試合は立ち上がりからホームのアトレチコ・パラナエンセがボールを支配するが、高い位置で素早く寄せるグレミオの守備に圧され、効果的に前線にボールを運ぶことができない。
前半18分、グレミオが高い位置でのプレスから掴んだチャンスをファールで止められPA手前でFKを獲得。このFKをMFエデニウソンが直接狙うが、アトレチコ・パラナエンセGKレオ・リンキがストップ。こぼれ球にグレミオCBグスタヴォ・マルチンスが詰めるがまたもやGKレオ・リンキがストップ。しかし、その跳ね返りをCBグスタヴォ・マルチンスが冷静に押し込みアウェイのグレミオが先制。
さらに、その3分後の前半21分、グレミオは相手陣ゴールライン際でのプレスから、アトレチコGKレオ・リンキへ送られたボールにFWミゲル・モンサルベが猛然とプレスをかけ、ミスを誘い、グレミオが追加点を奪う。
グレミオは、前半32分にも、ショートカウンターからFWミゲル・モンサルベが強烈なシュートでゴールネットを揺らすが、ゴールに至る過程でのファールが認められゴールは無効。
グレミオは、両サイドバックがセンターバックと並び、最終ラインが高い位置をキープ。中盤のスペースを消し、高い位置でのプレスから鋭いショートカウンターを繰り出す一方、押し込まれた際には最終ラインは距離を縮めゴール前を固め、サイドからプレスを掻い潜って送り込まれるクロスボールを弾き返していく。
後半38分、グレミオはPA入口左横からのFKをMFエデニウソンが直接狙うと、GKレオ・リンキが片手で押し返したボールがゴールポストを叩き、混戦の中からVOLドゥ・ケイロス(Du Queiroz, 2000)がゴールに押し込むが、惜しくもオフサイド。ダメ押し点は生まれない。
試合を通してアトレチコ・パラナエンセに75%のボール支配率を許しながらも、グレミオの堅固な守備網は試合をコントール、最後までゴールを許さず、アウェイで2-0の勝利。
グレミオは、勝点「3」を積み上げ、降格圏を抜け出し14位まで浮上。
一方のアトレチコ・パラナエンセは、ボールを支配しながらも、グレミオのカウンターに苦しめられ、相手陣内でのアイディアに欠け、公式戦の連勝は「3」でストップ。全国選手権は、リベルタドーレス出場圏内までの勝点差が「7」と拡がった。
インテルナシオナウ(INT) 1-1 パウメイラス(PAL)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=yAPROm4lFmQ
(INT) : 31' #8 ブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1989)[#16 ファブリシオ・ブストス(Fabricio Bustos, 1996)]
(PAL) : 88' #10 ホニ(Rony, 1995)[#2 マルコス・ホッシャ(Marcos Rocha, Marcos Rocha)]
今節前の順位
インテルナシオナウ(INT)は全国選手権5勝5分5敗勝点20の14位。(5試合未消化)
パウメイラス(PAL)は全国選手権11勝3分6敗勝点36の3位。
得点シーン
(INT) : 31' #8 ブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1989)[#16 ファブリシオ・ブストス(Fabricio Bustos, 1996)]
相手陣ゴール前へ守備陣を押し込むと、左サイドライン際からのボールを相手陣中央で受けたVOLブルーノ・エンヒキがPA内へ柔らかい縦パス。SBファブリシオ・ブストスが後方からの難しいボールをシュートに持ち込むがDFによりブロックに遭う。PA内で混戦となる中、SBファブリシオ・ブストスが一旦後方へボールを戻すと、VOLブルーノ・エンヒキが思い切りよく右足を一閃。ボールはゴール左上隅に突き刺さるゴラッソ。ホームのインテルナシオナウが先制する。[1-0]
VOLブルーノ・エンヒキは、2010年7月全国選手権4部にてイラチ(Iraty)から20歳のプロデビュー。2013年半ばに加入したポルトゲーザにて全国選手権を中心に29試合4得点1アシストの成績を残すと、2014年コリンチャンスへ移籍。さらに2016年8月にはパレルモ/ITAへ330万ユーロの移籍金で移籍し、レギュラーとして33試合1得点2アシストの成績を収める。その後、2017年6月‐2020年10月はパウメイラスで169試合26得点11アシスト。2020年10月‐2023年7月はサウジアラビアでプレー。2023年7月にインテルナシオナウに加入すると、ここでも主力として2023年は25試合2得点、2024年41試合3得点5アシストの成績を残している。
(PAL) : 88' #10 ホニ(Rony, 1995)[#2 マルコス・ホッシャ(Marcos Rocha, Marcos Rocha)]
相手陣右サイドからSBマルコス・ホッシャが最終ライン裏を狙うFWホニへ柔らかく浮かしたパス。一気にライン裏に抜け出したFWホニは間合いを詰めるGKの頭上を越すロビングのシュート。ボールは無人のゴールマウスに吸い込まれるが、線審はオフサイドフラッグを上げる。しかし、VARの検証により、FWホニの位置はオンサイド。ゴールは認められ、パウメイラスが土壇場で同点に追いつく。
FWホニは、2023年3月の国際親善試合モロッコ戦にて代表デビュー。代表では3試合に出場。2017年には新潟/JPNにて36試合8得点を記録。2018年に加入したアトレチコ・パラナエンセでの2年半で73試合13得点12アシスト。2020年2月にパウメイラスへ移籍すると、アベウ・フェヘイラ監督のもと、主力選手の一人として数多くのタイトルを獲得。パウメイラスでは通算265試合69得点30アシスト。2024年は45試合9得点4アシストの成績を残している。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:48% 52% ⇒ 前後半:45% 55%
シュート(枠内): 前半:10‐1(6-0) ⇒ 前後半:15-12(7-4)
パス成功率: 前半:82% 83% ⇒ 前後半:78% 81%
Desarmes: 前半:4‐7 ⇒ 前後半:14-12
Faltas Cometidas: 前半:11‐3 ⇒ 前後半:18-6
インテルナシオナウは、コパ・ド・ブラジルの三回戦での敗退に続き、コパ・スウアメリカーナはプレーオフで敗退、今後は全国選手権に集中することになる。
ホージェル・マシャード監督は、就任後公式戦3試合を終え、2分1敗と未だ白星はない。
今節は一週間ぶりの試合。前節はバイーアとの対戦で後半44分のゴールで1-1の引き分けに持ち込んだ。
今節のスタメンは、ケガ明けのCBヴィトン(Vitão, 2000)が4試合ぶりの出場。前節後半開始時にピッチに立ったVOLホームロ(Rômulo, 2000)がスタメンに復帰。MFガブリエウ・カルヴァーリョ(Gabriel Carvalho, 2007)が2試合連続でスタメンを務める。
パウメイラスは、公式戦3試合連続無得点で3連敗中。コパ・ド・ブラジルではフラメンゴを相手に0-2の完敗。ケガ人が相次ぎ、新加入選手も戦術にフィットしきれず、苦しい状況に陥っている。
今節のスタメンは、コパ・ド・ブラジルから5つのポジションで変更。今節は3バックを採用し、CBムリーロ(Murilo, 1997)がケガ明けで4試合ぶりに出場。ボランチに新加入MFマウリシオ(Maurício, 2001)を抜擢。2トップはFWドゥドゥ(Dudu, 1992)とFWラザロ(Lázaro, 2002)が構成する。
最初にゴールネットを揺らしたのはアウェイのパウメイラス。前半8分、相手陣左サイドアタッキングサード入口でFKを獲得すると、ゴール前ファーサイドへ大きく蹴られたボールにCBグスタボ・ゴメス(Gustavo Gómez, 1993)が頭で中央やや後方へ折り返し、FWラザロがゴールネットを揺らす。しかし、CBグスタボ・ゴメスのポジションがオフサイド。ゴールは認められない。
立ち上がりのピンチを逃れたインテルナシオナウは、コンパクトな陣形から相手の攻撃を寸断すると、縦に鋭くボールを運び、試合の主導権を握り始める。
前半13分、前半22分と、FWエネル・バレンシア(Enner Valencia, 1989)がタイミングよくゴールライン際へ抜け出しチャンスを作り出すものの、パウメイラスGKウェヴェルトン(Weverton, 1987)の好守を前にゴールは生まれない。
しかし、前半31分、PA内ゴール正面での混戦から後方に戻されたボールに、VOLブルーノ・エンヒキが豪快なミドルシュート。。ボールはゴール左に突き刺さるゴラッソ。インテルナシオナウが均衡を破る。
その後もインテルナシオナウの守→攻の素早い移行による攻撃は続き、相次いで相手ゴールに迫るが、パウメイラスGKウェヴェルトンがゴールマウスに立ちはだかり追加点を奪えず前半を終える。
前半のシュート数を1本に抑え込まれたパウメイラスは、後半開始時にFWフェリピ・アンデルソン(Felipe Anderson, 1993)を投入。ボールの出どころが増えたことでインテルナシオナウのボールの奪いどころが分散し、次第にパウメイラスが試合の流れを掴み始める。
パウメイラスは、選手交代を通じて中盤の優位を図り、後半30分に3バックから4バックへ移行しFWホニ(Rony, 1995)を投入。
一方のインテルナシオナウも、パウメイラスに対抗し中盤の選手を投入、後半35分には守備的な選手を投入して逃げ切りを図る。
後半38分、パウメイラスは右サイドからのボールにPA内左でFWホニが抜け出し、角度のない位置からシュートに持ち込むが、インテルナシオナウGKロチェ(Rochet, 1993)がブロック。
続く後半43分、パウメイラスは再び右サイドライン際を起点に、一列内のレーンを抜け出すFWホニがGKの頭上を越すシュート。一度はオフサイドの判定が下されたものの、VARの検証の末、FWホニのポジションはオンサイド。パウメイラスが土壇場で試合を振り出しに戻す。
試合はこのままタイムアップを迎え、1-1の引き分け。
インテルナシオナウは、前半の優勢を後半に持続することができず、終了間際に同点ゴールを喫し、痛い引き分け。
パウメイラスは、4試合ぶりの得点で、辛うじて勝点「1」を獲得した。
クルゼイロ(CRU) 1-2 フォルタレーザ(FOR)
動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=ge5iV3mguSE
(FOR) : 9' #26 ブレーノ・ロペス(Breno Lopes, 1996)[#11 マリーニョ(Marinho, 1990)]
(COR) : 14' #97 マテウス・エンヒキ(Matheus Henrique, 1997)[]
(FOR) : 42' #79 ヘナト・カイゼル(Renato Kayzer, 1996)[]
今節前の順位
クルゼイロ(CRU)は全国選手権11勝2分6敗勝点35の5位。(1試合未消化)
フォルタレーザ(FOR)は全国選手権10勝6分3敗勝点36の4位。(1試合未消化)
得点シーン
(FOR) : 9' #26 ブレーノ・ロペス(Breno Lopes, 1996)[#11 マリーニョ(Marinho, 1990)]
相手陣手前右サイドでパスカット。細かく2本のパスを繋ぎ、ボールを囲い込もうとするDFを尻目に、FWマリーニョが逆サイドの前方へDFの間を通したパス。そこに駆け上がっていたFWブレーノ・ロペスがPA入口やや左の位置からファーサイドを狙ったグラウンダーのシュートを放つと、GKの指先を越えたボールはゴールポストを叩きながらもゴールネットに吸い込まれ、アウェイのフォルタレーザが先制。[0-1]
FWブレーノ・ロペスは、2024年4月18日にパウメイラスからの期限付き移籍にてフォルタレーザに加入。加入直後からスピードと戦術眼の高さ、守備への貢献度が評価され左ウィングとしてレギュラーの座を獲得。全国選手権は加入後の全試合に出場し、2024年はフォルタレーザにて17試合3得点3アシスト。残念ながら次戦は警告累積のため出場停止。
(COR) : 14' #97 マテウス・エンヒキ(Matheus Henrique, 1997)[]
相手陣PA前後でボールを左右に散らし、PA入口ゴール正面からFWマテウス・ペレイラ(Matheus Pereira, 1996)がシュート。GKジョアン・ヒカルド(João Ricardo, 1988)が辛うじて弾き返したボールをフォルタレーザDFが拾うが、クルゼイロの選手が取り囲み、ボールがこぼれると、そのこぼれ球に反応したVOLマテウス・エンヒキが左足でダイレクトにシュート。これがファーサイドのゴールに吸い込まれクルゼイロが試合を振り出しに戻す。[1-1]
VOLマテウス・エンヒキは、2019年10月に21歳にて代表デビュー、2020東京五輪金メダリスト(2試合)。2015年3月サンパウロ州選手権下位リーグにて17歳のプロデビューを果たすと、その後グレミオ育成へ移籍し、2019年46試合、2020年53試合とチームの主力選手に成長。2021年8月サスオーロ/ITAへ期限付きで移籍すると、2022年7月700万ユーロにて完全移籍へ移行し、3年間で89試合6得点5アシストの成績を収める。クルゼイロには2024年7月に850万ユーロにて移籍加入。今節は5試合目の出場でクラブ初ゴール。利き足とは逆の左足での精度の高いシュートを決めた。
(FOR) : 42' #79 ヘナト・カイゼル(Renato Kayzer, 1996)[]
相手陣左サイドでボールを繋ぎ、PA左角でボールを受けたFWケルビン・アンドラーデ(Kervin Andrade, 2005)が縦にボールを送る。そこに走り込んだ左SBブルーノ・シャペコ(Bruno Pacheco, 1991)がグラウンダーのクロス。クルゼイロDFがクリアし損ねたボールをFWヘナト・カイゼルがゴールへ押し込みアウェイのフォルタレーザが逆転。[1-2]
FWヘナト・カイゼルは、2024年シーズンを期限付き移籍先のクリシウーマで迎えたが、フォルタレーザが移籍ウィンドウが締まる4月18日を目前にクリシウーマとの契約を解除しクラブに復帰した。チーム内得点王のFWルセロ(Lucero, 1991)の控えながら、全国選手権17試合、コパスーラ2試合に出場し、計4得点。最近の出場4試合では3得点を記録している。
試合経過、所感その他
ボール保持率: 前半:58% 42% ⇒ 前後半:62% 38%
シュート(枠内): 前半:10‐5(7-2) ⇒ 前後半:15-10(7-4)
パス成功率: 前半:86% 77% ⇒ 前後半:86% 74%
Desarmes: 前半:6‐4 ⇒ 前後半:17-18
Faltas Cometidas: 前半:10‐9 ⇒ 前後半:18-17
クルゼイロは、すでにコパ・ド・ブラジルを敗退しており、今節は一週間ぶりの試合。前節は首位ボタフォゴを相手にアウェイで3-0の快勝。解説者で監督経験の豊かなヴァンデルレイ・ルシェンブルゴ氏が「試合を楽しみながらプレーしている」と評価し、首位まで勝点差「5」のクルゼイロを優勝候補の筆頭に上げるほどチーム力は向上している。
今節のスタメンは、出場停止明けのCBゼ・イヴァウド(Zé Ivaldo, 1997)が復帰。他は前節ボタフォゴ戦でのスタメンから変更はない。
フォルタレーザもすでにコパ・ド・ブラジルを敗退しており、今節は一週間ぶりの試合。前節サンパウロ戦との上位対決を制し、最近の一か月を負けなしの5勝1分、順位を4位に上げ、優勝争いに食い込んできた。
今節のスタメンは、出場停止のVOLエルクレス(Hércules, 2000)に代わり、ボランチにVOLペドロ・アウグスト(Pedro Augusto, 1997)が入るのみで、他のポジションに変更はない。全国選手権得点ランク2位のFWルセロ(Lucero, 1991)は前節に引き続き今節もベンチスタート。
全国選手権ではホームゲーム8戦8勝のクルゼイロが立ち上がりからフォルタレーザを相手陣に押し込みボールを展開。ピッチを左右に広く使い、長短のパスを使い分け、試合を支配する。
しかし、先制点はフォルタレーザから生まれる。フォルタレーザは、右サイドを起点とした速い攻撃でFWブレーノ・ロペスがゴールを決め、この試合で初めて迎えたチャンスをゴールに結びつける。
先制を許した後も、クルゼイロは平静を保ち、失点前のサッカーを継続。すると、前半15分、PA内でのこぼれ球に新加入のMFマテウス・エンヒキが精度の高いシュートを決め、クルゼイロが同点に追いつく。
その後もクルゼイロが試合の主導権を握り相手陣でボールを展開。一方のフォルタレーザは、ボールの奪いどころを見極めることができず、ズルズルとゴール前に押し込まれるものの、ゴール前ではGKジョアン・ヒカルドを中心に辛うじてクルゼイロの攻撃をしのぐ展開が続く。
フォルタレーザのボイボダ監督は、戦局を打開するため、前半36分にFWケルビン・アンドラーデ(Kervin Andrade, 2005)を投入。
すると、前半42分、フォルタレーザは相手陣左サイドライン際でFKを獲得すると、細かいパス交換からFWケルビン・アンドラーデのパスを受けたSBブルーノ・シャペコがゴール前にクロス。これをFWヘナト・カイゼルがゴールに押し込みフォルタレーザが勝ち越し。フォルタレーザは数少ないチャンスを再びゴールに結びつける。
後半開始時にクルゼイロは右SBウィリアン・フルタド(William Furtado, 1995)が足の痛みを訴え交代。一方のフォルタレーザは守備面での修正を加え後半を迎える。
フォルタレーザは、守備面でマンマークを強め、相手の大きく展開するパスに対ししては果敢にインターセプトを狙いに行き成功するようになると、クルゼイロは次第に攻撃のダイナミズムを失っていき、フォルタレーザが守備を中心に試合の主導権を握るようになる。
クルゼイロは、縦にゴールライン際へボールを送る攻撃を活用するようになり、右SBウェズレイ・ガゾリーナ(Wesley Gasolina, 2000)や、左サイドをFWアルトゥール・ゴメス(Arthur Gomes, 1998)へボールを送り打開を図るが、フォルタレーザのゴール前の守備は固く、大きなチャンスは訪れない。
試合は2-1のままタイムアップ。
フォルタレーザが1引き分けを挟んだ6連勝を飾り、1試合未消化ながら首位ボタフォゴまで勝点差「4」にまで迫る3位に浮上。前半36分の思い切った交代策や、後半の守備戦術の変更など、ボイボダ(Voyvoda)監督の采配が光った。
一方のクルゼイロは、フォルタレーザの効率的な攻撃に苦杯を舐め、首位争いから一歩後退。この試合で浮き彫りとなった課題をどのように解決するか、フェルナンド・セアブラ(Fernando Seabra)監督の手腕に注目したい。