【ブラジル全国選手権2024】第22節(2/2)[08/10-11]

投稿者: | 2024年8月10日

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全国選手権第22節 対戦組合せ


以下の5試合の概要はこちらで。→ 【ブラジル全国選手権2024】第22節(1/2)[08/10-11]
・2024/08/10 フォルタレーザ(FOR) x クリシウーマ(CRI)
・2024/08/10 クイアバ(CUI) x グレミオ(GRE)
・2024/08/10 クルゼイロ(CRU) x アトレチコ・ミネイロ(CAM)
・2024/08/10 ヴァスコ・ダ・ガマ(VAS) x フルミネンセ(FLU)
・2024/08/10 コリンチャンス(COR) x RBブラガンチーノ(RBB)
以下の5試合の概要はこの記事で。
・2024/08/11 ジュヴェントゥージ(JUV) x ボタフォゴ(BOT)
・2024/08/11 バイーア(BAH) x ヴィトーリア(VIT)
・2024/08/11 フラメンゴ(FLA) x パウメイラス(PAL)
・2024/08/11 サンパウロ(SAO) x 
アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)
・2024/08/11 インテルナシオナウ(INT) x アトレチコ・パラナエンセ(CAP)

全国選手権第22節 試合概要

ジュヴェントゥージ(JUV) 3-2 ボタフォゴ(BOT)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=W0uDln8P8Dw
(JUV) : 9' #4 ダニーロ・ボザ(Danilo Boza, 1998)[]
(JUV) : 45+4' #79 カリージョ(Carrillo, 1996)[#11 マルセリーニョ(Marcelinho, 2002)]
(JUV) : 48' #11 マルセリーニョ(Marcelinho, 2002)[#10 ネネー(Nenê, 1981)]
(BOT) : 69' #66 クイアバーノ(Cuiabano, 2003)[#10 サバリーノ(Savarino, 1996)]
(BOT) : 81' #21 マルサウ(Marçal, 1989)[]

今節前の順位

ジュヴェントゥージ(JUV)は全国選手権5勝7分7敗勝点22の13位。(2試合未消化)
ボタフォゴ(BOT)は全国選手権13勝4分4敗勝点43の首位。

得点シーン

(JUV) : 9' #4 ダニーロ・ボザ(Danilo Boza, 1998)[]
右CKからMFネネーが左足でゴール前に上げたボールにニアサイドでCBゼ・マルコス(Zé Marcos, 1998)が頭を合わせると、ボールはファーサイドのゴールに向かうが、ボタフォゴDFがゴールライン上で頭でクリア。しかし、そのボールが間合いを詰めたジュヴェントゥージCBダニーロ・ボザに当たりゴールイン。幸運な形でホームのジュヴェントゥージが先制。[1-0]
   CBダニーロ・ボザは、2022年にジュヴェントゥージに加入し、全国選手権開幕直後に全国選手権2部ヴァスコ・ダ・ガマへ期限付き移籍、最終盤の9試合に先発出場を果たしチームの1部昇格に貢献。翌2023年ジュヴェントゥージに復帰すると、ポジションに定着し、全国選手権2部全試合先発出場など年間50試合2得点1アシスト(うち49試合にフル出場。警告、退場はゼロ)の成績を収め、チームの1部昇格に貢献。2024年はケガのため7月の5試合に欠場したものの、これまで30試合に出場。このゴールは第3節ボタフォゴ戦以来、ボタフォゴ戦では2試合連続となるゴールとなった。
(JUV) : 45+4' #79 カリージョ(Carrillo, 1996)[#11 マルセリーニョ(Marcelinho, 2002)]
相手陣に入った左サイド2つ目のレーンからMFネネーが右サイドライン際へ大きく正確なボールを送る。SBエヴェルトン(Ewerthon, 2000)がボールを受け、PA右角のFWマルセリーニョへボールを預け、PA内ゴールライン際へ抜け出しを図る。しかし、FWマルセリーニョはSBエヴェルトンを囮にゴール前にクロス。ゴール前でFWカリージョがDFの背後から前方に現れ頭を合わせると、GKは一歩も動けず、ボールはゴールネットを揺らす。[2-0]
   FWカリージョは、エクアドル国籍のセンターフォワード。2024年7月にポルティモネンセ/PORから完全移籍加入。7月19日全国選手権第17節にてクラブデビューを果たし約20分間プレー。その後しばらく出番は訪れないものの、8月1日コパ・ド・ブラジル、4日全国選手権第21節に先発に抜擢され、この試合にも先発に起用されていた。このゴールはジュヴェントゥージでの初ゴール。センターフォワードらしいポジションニングと動き出しでゴールを奪った。
(JUV) : 48' #11 マルセリーニョ(Marcelinho, 2002)[#10 ネネー(Nenê, 1981)]
自陣からの速い攻撃。ボールを持ち上がったFWマルセリーニョが、アタッキングサード入口中央やや右の位置から左サイドへ大きくボールを展開。ボールを受けたMFネネーがPA内に侵入し、ニアサイドに詰めるFWカリージョを囮に、DFの間を抜けるボールをファーサイドへ送る。そこにFWマルセリーニョが飛び込み右足を合わせゴールネットを揺らす。ジュヴェントゥージが後半開始早々にアドバンテージを拡げる。[3-0]
   FWマルセリーニョは、2020年11月コパ・ド・ブラジルにてパウメイラスから17歳のプロデビュー。その後、数試合に出場したもののトップチームに昇格できず、ヴァスコ・ダ・ガマU-20、クルゼイロU-20へと移籍。2022年クルゼイロにてトップチームの5試合に出場するが、年後半には全国選手権4部のクラブ、サンパウロ州選手権下位リーグのクラブへと短期間の期限付き移籍を繰り返し、クルゼイロとの契約は11月に満了する。年明けの2023年初めに全国選手権2部トンベンセと契約を結ぶと、年間で46試合7得点2アシストの成績を収める。2024年4月ジュヴェントゥージに期限付き移籍加入すると、交代出場を繰り返した後、第4節以降は6試合連続で先発出場。ケガのため約一か月間離脱を余儀なくされるが、復帰後の8月7日コパ・ド・ブラジルにて途中出場からゴールをマークすると、今節はスタメンに抜擢され2試合連続のゴール。名門クラブでは、短期間での結果が求められ、結果を残せず、サッカー人生を諦める寸前に追い込まれたが、トンベンセ、ジュヴェントゥージでは、多くの機会が与えられ、時間をかけながらも着実な成長、結果を残している。
(BOT) : 69' #66 クイアバーノ(Cuiabano, 2003)[#10 サバリーノ(Savarino, 1996)]
1レーン内のSBマテオ・ポンテ(Mateo Ponte, 2003)からのボールを右サイドライン際で受けたFWサバリーノが縦にドリブルを仕掛け、ゴール前ファーサイドへ大きなクロス。DFと競り合いながら頭を合わせたSBクイアバーノのシュートは柔らかな弧を描き、GKの頭上を越えゴールに吸い込まれる。[3-1]
   左SBクイアバーノは、世代別代表での複数の招集歴を持つ攻撃的なサイドバック。育成時代を過ごしたグレミオではサイドバックとしての起用機会は少なく、2024年4月ボタフォゴに完全移籍加入。ボタフォゴ加入後は19試合4得点3アシストの成績を残している。
(BOT) : 81' #21 マルサウ(Marçal, 1989)[]
左CK。ゴール前に上げられたボールはDFのクリアに遭うが、そのこぼれ球をPA入口やや左の位置からSBマルサウが叩きつけるようなシュート。ボールはゴール前の選手の密集を抜けファーサイドのゴールネットに突き刺さる。[3-2]
   左SBマルサウは、2010年1月サンパウロ州選手権2部にてグアラチンゲタ(Guaratinguetá)から21歳のプロデビュー。2010年7月ポルトガル下位リーグのトヘンセ(Torreense)へ移籍すると、2011年7月ポルトガル1部ナシオナウへキャリアアップを果たし、その後はベンフィカ/POR、リヨン/FRA、ウルヴァーハンプトン/ENGなどでプレー。2022年7月ボタフォゴに加入すると、左サイドバックのポジションに定着。2023年のチームの躍進に主力の一人として貢献。34歳で迎えた2024年は、上述のSBクイアバーノのバックアップに回っているが、豊かな経験に裏打ちされた攻守にバランスのとれたプレーでチームを支えている。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:44% 56% ⇒ 前後半:41% 59%
シュート(枠内): 前半:11‐6(6-3) ⇒ 前後半:15-20(8-10)
パス成功率: 前半:% % ⇒ 前後半:79% 86%
Desarmes: 前半:‐ ⇒ 前後半:22-15
Faltas Cometidas: 前半:‐ ⇒ 前後半:10-14

   ジュヴェントゥージは、週中に開催されたコパ・ド・ブラジルにてフルミネンセと2-2の引き分け。2試合合計で5-4とし、準々決勝への進出を決めた。全国選手権は5試合勝ち星から遠ざかっており、残留争いに巻き込まれつつある状況に陥っている。
   今節のスタメンは、出場停止のGKガブリエウ(Gabriel, 1992)に代わり、GKマテウス・クラウス(Mateus Claus, 1994)など、7つのポジションでフルミネンセ戦から変更。大ベテランMFネネー(Nenê, 1981)、U-20チーム所属で今節がプロデビュー戦となるMFダヴィ・ゴエス(Davi Goes, 2005)、6月19日以来のスタメンとなるFWマルセリーニョ(Marcelinho, 2002)などが起用される。
   ボタフォゴは、直近のコパ・ド・ブラジルにて前半終了間際の微妙な判定の退場劇で数的不利となり0-1の敗戦、コパ・ド・ブラジルを後にした。一方で、全国選手権は前々節にて9試合ぶりの黒星となったが、前節は4-1の快勝を収め首位をキープしている
   今節のスタメンは、中2日でリベルタドーレスでのパウメイラス戦を控え、一部の主力選手を温存し、6つのポジションでコパ・ド・ブラジルでのスタメンから変更。若手の新加入3選手、FWカルロス・アウベルト(Carlos Alberto, 2002)、FWマテウス・マルチンス(Matheus Martins, 2003)、MFアルマダ(Almada, 2001)がスタメンに起用される。

   前半8分、ジュヴェントゥージは左サイドでの攻撃が手詰まりとなるや、大きく右サイドへボールを展開、PA外ゴールライン手前からのマイナスのクボールにFWカリージョがシュートに持ち込む。芯を外れたボールは際どいコースへ飛ぶがボタフォゴGK(John Victor, 1996)が辛うじてCKに逃れる。このCKからニアサイドでCBゼ・マルコス(Zé Marcos, 1998)がヘディングシュート。ボタフォゴDFがゴールライン上でクリアするが、そのボールが間合いを詰めたジュヴェントゥージCBダニーロ・ボザに当たりゴールイン。幸運な形でホームのジュヴェントゥージが先制する。
   失点後、ボタフォゴがボールを握るが、ジュヴェントゥージの中盤をコンパクトに保ち、ボールの出どころに素早くプレッシャーをかける守備に苦しみ、効果的な攻撃を組み立てることができない。
   前半45+3分、ジュヴェントゥージは、マイボールとなるや、ゆっくりと相手陣へボールを運ぶ。攻撃の組み立てに下がったMFネネーが大きなサイドチェンジのボールを右サイドへ送ると、攻撃が一気に加速。FWマルセリーニョがSBエヴェルトンのゴールライン際へのフリーランニングを囮にゴール前にクロスを送ると。ゴール前でFWカリージョがDFの背後から前方に現れ頭を合わせ追加点。スコアを2-0とし前半を締める。
   後半開始時にボタフォゴは2選手を交代。
   しかし、後半3分、ジュヴェントゥージは、FWマルセリーニョが自陣から右サイドをドリブルでボールを持ち上がり、大きく左サイドへボールを展開。左サイドライン際からゴール前ファーサイドへ送られた戻りのボールをFWマルセリーニョがゴールに押し込みジュヴェントゥージが3-0とリードを拡げる。
   ボタフォゴは、温存していた主力選手を後半開始時に続いて、後半10分、後半20分と相次いで投入。攻撃面での連係が高まり、ジュヴェントゥージの中盤の寄せを剥がすようになり、相手守備陣をゴール前に押し込んでいく。
   後半24分、FWサバリーノの大きなクロスをDFと競り合いながら頭を合わせたSBクイアバーノのヘディングシュートで1点を返すと、後半36分にはCKのこぼれ球を左SBサルサウが強烈なシュートをゴールに突き刺し1点差に迫る。
   なおも猛攻を仕掛けるボタフォゴは、後半43分、右SBマテオ・ポンテがPA内でフリーの体勢でシュートに持ち込むが、ジュヴェントゥージGKテウス・クラウスが両手で弾き返す好セーブ。
   最後までボタフォゴの猛攻は続くが、GKマテウス・クラウスを中心に総力でゴール前を固めるジュヴェントゥージが最後までゴールを守り抜き、3-2の勝利。

   ホームで強さを誇るジュヴェントゥージが首位ボタフォゴをも下し、コパ・スウアメリカーナ出場圏内の12位に浮上。
   一方の首位ボタフォゴは公式戦2連敗。他会場の結果、全国選手権は首位から陥落した。

バイーア(BAH) 2-0 ヴィトーリア(VIT)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=1-WeFywblmE
(BAH) : 15' #10 エヴェルトン・ヒベイロ(Éverton Ribeiro, 1989)[#16 タシアーノ(Thaciano, 1995)]
(BAH) : 90+7' #46 ルシアーノ・ジュバ(Luciano Juba, 1999)[#21 ハファエウ・ハトン(Rafael Ratão, 1995)]

今節前の順位

バイーア(BAH)は全国選手権9勝5分7敗勝点32の7位。
ヴィトーリア(VIT)は全国選手権6勝3分12敗勝点21の15位。

得点シーン

(BAH) : 15' #10 エヴェルトン・ヒベイロ(Éverton Ribeiro, 1989)[#16 タシアーノ(Thaciano, 1995)]
相手陣に入った位置での最終ラインのパス交換、右サイドから左サイドライン際のFWタシアーノへのサイドチェンジのボールが送られると、FWタシアーノは中央へ切れ込み、中央MFカウリー(Cauly, 1995)とのタベーラでPA手前に進出、さらにMFエヴェルトン・ヒベイロへボールを預けPAへの侵入を図る。しかし、MFエヴェルトン・ヒベイロはFWタシアーノの動きを囮に自らがシュート。DFに当たったボールは縦回転でGKの頭上を越え、ゴールに吸い込まれる。ホームのバイーアが先制。[1-0]
   MFエヴェルトン・ヒベイロは、2022W杯などブラジル代表として22試合3得点1アシスト。コリンチャンス育成出身で、2007年4月サンパウロ州選手権にて17歳のプロデビュー。しかし、コリンチャンスでは多くの出番はなく、2008-10年は全国選手権2部サンカエタノへ期限付き移籍、2011年にコリチバへ移籍し2012年に56試合18得点3アシストの成績を収め一躍注目を集める。2013年に加入したクルゼイロでは、2年間108試合23得点24アシストを記録しチームの全国選手権2連覇に貢献。このタイトル獲得を皮切りに、2014年1月‐2017年6月は1500万ユーロの移籍金で移籍したアル・アハリ・ドバイ/UAEにて4つのタイトルを獲得、2017年6月‐2023年12月フラメンゴにて2度のリベルタドーレスなど8つのタイトルを獲得。バイーアには2024年1月に加入、これまで44試合5得点9アシストの成績を収めている。
(BAH) : 90+7' #46 ルシアーノ・ジュバ(Luciano Juba, 1999)[#21 ハファエウ・ハトン(Rafael Ratão, 1995)]
自陣右サイドから縦に速い攻撃。相手陣右サイドでFWハファエウ・ハトンがDFとの一対一を迎えると、メイア・ルアでDFをかわしPA内ゴールライン際からPA中央入口へマイナスのパス。フリーの体勢のSBルシアーノ・ジュバがダイレクトに右足を合わせゴールネットを揺らす。バイーアが試合を決定づける。[2-0]
   SBルシアーノ・ジュバは、エスポルチ育成出身で、2020年1月ペルナンブカーノ州選手権にて20歳のプロデビュー。2022年にレギュラーの座を獲得し57試合10得点9アシストを記録すると、2023年には8月までに左サイドの攻撃的なポジションを中心に53得点20得点18アシストの大活躍でチームの全国選手権2部優勝争いに貢献。2023年9月に事前契約を結んでいたバイーアに加入。加入当初は途中交代出場での起用が続くが、終盤の5試合でスタメンに起用されると、最終戦に1得点1アシストをマークしチームの1部残留に貢献。2024年は左サイドバックとしてスタメンに定着し、これまで45試合2得点5アシストの成績を収めている。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:60% 40% ⇒ 前後半:55% 45%
シュート(枠内): 前半:3‐3(1-2) ⇒ 前後半:7-11(3-5)
パス成功率: 前半:90% 86% ⇒ 前後半:87% 82%
Desarmes: 前半:9‐10 ⇒ 前後半:13-15
Faltas Cometidas: 前半:3‐6 ⇒ 前後半:11-13

   バイーアは、週中のコパ・ド・ブラジルにてボタフォゴを1-0で下し、準々決勝への進出を決めた。一方、全国選手権は一時の勢いを失い、5試合勝ち星から遠ざかっている。
   今節は、ボタフォゴ戦と同様のスタメンで試合に入る。
   ヴィトーリアは、4連敗後の直近2試合を無失点で2連勝を収め、再び降格圏から脱している。
   今節は、右SBウィレアン・レポ(Willean Lepo, 1997)と左SBルーカス・エステヴィス(Lucas Esteves, 1999)の両サイドバックが出場停止明けでスタメンに復帰。攻撃の要MFマテウジーニョ(Matheuzinho, 1997)が出場停止となり、センターフォワードにFWアレハンドロ(Alerrandro, 2000)を起用。MFウィリアン・オリヴェイラ(Willian Oliveira, 1993)に代わり、新加入のVOLフィリピ・マシャード(Filipe Machado, 1996)が中盤に入る。

   両チームは今季6回目の対戦で、過去の5戦はヴィトーリアが2勝2分1敗。バイーア州選手権決勝はヴィトーリアが1勝1分で州選手権のタイトルを獲得している。
   バイーア州都サウヴァドールを本拠にする両チームによるクラシコは、立ち上がりからインテンシティの高い激しい展開。しかし、個々の選手の力量で上回るバイーアが次第に試合の主導権を握り始めると、アタッキングサード入口前後で左右に広くピッチを使い、前後に選手とボールが動き、ゴールへの道筋を探り始める。
   前半8分、ボールの奪い合いからバイーアMFエヴェルトン・ヒベイロが転倒し、相手選手の膝が顔面を強打。治療のため一時的にピッチを離れるが、プレーを続行する。
   前半15分、左サイドライン際でボールを受けたFWタシアーノが中央へ切れ込み、ゴールへ進行方向を変え、相手守備網を混乱に陥れると、FWタシアーノからタベーラのボールを預かったMFエヴェルトン・ヒベイロがシュート。DFに当たったボールがゴールに吸い込まれホームのバイーアが先制。
   前半18分、MFエヴェルトン・ヒベイロは顔面の痛みのため交代を申し出、ピッチを後にする。
   MFエヴェルトン・ヒベイロを欠くアクシデントに見舞われたバイーアだが、リードを奪ったことから、ボールを握りながらもリスクを低く抑え、ピッチを広く使うボール回しで試合を落ち着かせる。
   ヴィトーリアは、ボールの奪いどころが分散され、ボールを追いかける状況に陥る。また、ボールを奪ってもミスを繰り返し、相手ゴールに効率的に攻め上がることができず、前半が終了。
   ハーフタイムで修正を施したヴィトーリアは、高い位置でボールへのプレスを繰り返し、後半3分にVOLルアン(Luan, 1999)がゴール正面からミドルシュート、後半10分にはFKからのこぼれ球をVOLフィリピ・マシャードがシュートに持ち込むが、いずれもバイ―アGKマルコス・フェリピ(Marcos Felipe, 1996)がシュートストップ。
   ヴィトーリアは、さらに後半27分、ハーフライン近辺で奪ったボールを受けたFWラワン(Lawan, 2005)がFWゼ・ウーゴ(Zé Hugo,  1999)へスルーパス。FWゼ・ウーゴは間合いを詰めるGKの脇を抜けるシュートを放つが、ボールは惜しくもファーサイドのゴールポストを叩き、ゴールは生まれない。
   後半30分を過ぎ、逃げ切りを図り、自陣で守備ブロックを構築したバイーアは、後半終了間際に自陣からのロングカウンターを発動し、SBルシアーノ・ジュバが試合を決定づけるダメ押しゴール。
   ホームのバイーアが今季6度目のクラシコを2-0のスコアで制した。

   バイーアは、全国選手権6試合ぶりの勝利。リベルタドーレス出場圏の6位まで勝点差を「1」まで追い上げた。
   ヴィトーリアの連勝は「2」でストップ。降格圏の17位までの勝点差はゼロ。辛うじて降格圏転落は逃れたが、厳しい状況は続いている。

フラメンゴ(FLA) 1-1 パウメイラス(PAL)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=fndqLeGP_Js
(FLA) : 69' #14 デ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)[]
(PAL) : 86' #57 ルイージ(Luighi, 2006)[]

今節前の順位

フラメンゴ(FLA)は全国選手権12勝4分4敗勝点40の2位。(1試合未消化)
パウメイラス(PAL)は全国選手権11勝4分6敗勝点37の4位。

得点シーン

(FLA) : 69' #14 デ・アラスカエッタ(De Arrascaeta, 1994)[]
PA入口のラインをMFデ・アラスカエッタが右サイドライン際から中央へ向かいドリブル。中央MFデ・ラ・クルス(De La Cruz, 1997)を経由したボールが、PA左のVOLジェルソン(Gerson, 1997)に繋がると、中央へ折り返しのクロス。DFの間をすり抜けたボールをMFデ・アラスカエッタがワントラップからシュートに持ち込むと、ボールはDFに当たりGKの脇を抜け、ゴールライン上で試みられたクリアも虚しく、ゴールに吸い込まれる。[1-0]
   MFデ・アラスカエッタは、2024コパ・アメリカ、2022W杯などウルグアイ代表として50試合10得点6アシスト。2019年のフラメンゴ加入後は、276試合70得点88アシストの成績を残し、2度のリベルタドーレス、2度の全国選手権など複数のタイトルを獲得している。
(PAL) : 86' #57 ルイージ(Luighi, 2006)[]
左CKのキッカーはMFハファエウ・ヴェイガ(Raphael Veiga, 1995)。左足で高く上げられたボールはDFにクリアされるが、PA手前でVOLホームロ(Rômulo, 2001)が回収しゴール前へ柔らかいボールを上げる。フラメンゴ最終ラインが上がるのと入れ替わるように抜け出したFWホニ(Rony, 1995)がヘディングシュート。フラメンゴGKロッシ(Rossi, 1995)が片手で辛うじてボールを弾き返すが、このボールをFWルイージが頭でゴールに押し込む。線審はオフサイドフラッグを掲げるが、VARの検証によりFWホニの抜け出しはオンサイドと認められ、パウメイラスが土壇場で同点に追いつく。[1-1]
   FWルイージは、2023南米U-17選手権にて5試合2得点。パウメイラス育成出身で、2024年7月7日全国選手権第15節バイーア戦にて後半44分にピッチに送り出され18歳でのプロデビュー。今節は後半32分に交代出場、自身3試合目にして嬉しいプロ初ゴール。センターフォワードを軸に左ウィングでもプレーする右利きのストライカーは、同期のレアルマドリード/ESP所属FWエンドリッキ(Endrick, 2006)、ウェストハム/ENG所属MFルイス・ギリェルミ(Luis Guilherme, 2006)に続く欧州ビッグクラブへの移籍、プレーが期待されている。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:55% 45% ⇒ 前後半:49% 51%
シュート(枠内): 前半:6‐1(3-1) ⇒ 前後半:10-9(6-7)
パス成功率: 前半:79% 82% ⇒ 前後半:80% 82%
Desarmes: 前半:8‐5 ⇒ 前後半:14-12
Faltas Cometidas: 前半:6‐11 ⇒ 前後半:15-21

   この両チームは直近のコパ・ド・ブラジルにて対戦。1stレグ:2-0、2ndレグ:0-1の1勝1敗ながら、2試合合計2-1でフラメンゴが準々決勝への進出を決めた。
   フラメンゴの前節サンパウロ戦は、中3日でコパ・ド・ブラジルでのパウメイラス戦2ndレグが予定されていたため、控え選手中心のスタメンで試合に臨み、0-1の敗戦。
   今節のスタメンは、コパ・ド・ブラジルから4選手を変更。GKロッシ(Rossi, 1995)と右SBウェズレイ(Wesley, 2003)が戦術的な変更。MFデ・ラ・クルス(De La Cruz, 1997)とFWエヴェルトン・セボリーニャ(Everton Ceboloha, 1996)はいずれも軽傷が癒え3試合ぶりの出場となる
   パウメイラスは、直近のコパ・ド・ブラジルにて、公式戦5試合ぶりの勝ち星をあげたものの、コパ・ド・ブラジルは敗退。アベウ・フェヘイラ監督は、リベルタドーレス、全国選手権に向けた戦術の再構築、各選手の再評価を明言している。
   今節のスタメンの布陣は3-4-2-1。中盤から前線にかけては、FWフラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)とVOLアニバル・モレノ(Anibal Moreno, 1999)を除く、5選手がコパ・ド・ブラジルから変更されて試合に臨む。

   前半1分、パウメイラスはFWフラッコ・ロペス(Flaco López, 2000)が左サイドからPA手前中央へドリブルでボールを運び、右サイドを後方から駆け上がる右SBジアイ(Giay, 2004)の前方へボールを送る。SBジアイはPAに侵入し強烈なシュートを放つがGKロッシ(Rossi, 1995)は両手で防ぐ。こぼれ球にMFマウリシオ(Maurício, 2001)が詰めるがボールはゴールラインを割る。
   対するフラメンゴはその直後に反撃。前半2分、左サイドをFWエヴェルトン・セボリーニャが仕掛け、中央へのパスはDFにカットされるが、そのこぼれ球を強烈なシュート。しかし、パウメイラスGKウェヴェルトン(Weverton, 1987)が片手で辛うじてCKに逃れる。
   その後、フラメンゴが相手陣でスピード感のあるパス回しを展開し試合の主導権を握るが、前半12分、フラメンゴはFWエヴェルトン・セボリーニャがアキレス腱を痛め交代を余儀なくされるアクシデントに見舞われる。
   しかし、フラメンゴの勢いは衰えず、前半17分、フラメンゴは相手陣PA近辺でのボール回しから、PA左角でVOLジェルソン(Gerson, 1997)が個人技で縦に抜け出し、ゴール正面にボールを送ると、FWペドロ(Pedro, 1997)がヘディングシュート。しかし、GKウェヴェルトンが飛びつき僅かに指先に当てたボールはクロスバーを叩き枠を越える。
   なおもフラメンゴは、前半25分、前半30分にもパウメイラスゴールを襲うが、いずれもGKウェヴェルトンの牙城を崩すことができず、ゴールは生まれない。
   すると、前半31分、パウメイラスは相手陣右サイドライン際アタッキングサード入口で獲得したFKから、MFマウリシオがゴール前に上げたボールにCBグスタボ・ゴメス(Gustavo Gómez, 1993)がヘディングシュート。GKロッシが辛うじてボールを弾き返すが、そのボールをFWフラッコ・ロペスがゴールに押し込む。しかし、VARの検証の末、CBグスタボ・ゴメスが僅かにオフサイドの位置からプレーを始めておりゴールは取り消される。
   ハーフタイムで修正を施されたパウメイラスは、後半2分、自陣から右サイドを縦に素早くボールを送ると、FWラザロ(Lázaro, 2003)のパスに最終ライン裏に抜け出したMFマウリシオがシュート。しかし、GKロッシがニアサイドのシュートを両手で弾きCKに逃れる。
   さらに、後半2分のFWラザロのシュートはGKロッシがストップ、後半3分のFWラザロのシュートは僅かにゴールポストの外へ流れゴールは生まれないものの、パウメイラスが試合の流れを掴む。
   ところが、後半24分、フラメンゴは相手陣アタッキングサード入口で右サイドから中央を経て左サイドへボールを送り、PA内を右サイドへ折り返したボールを、一連の流れの起点となったMFデ・アラスカエッタがゴールに押し込み、後半に入り劣勢に回っていたフラメンゴが先制する。
   リードを許したパウメイラスは前線を中心に選手交代を繰り返すが、引き気味で守備ブロックを構築するフラメンゴ守備陣を相手に攻めあぐね、大きなチャンを迎えぬまま時間が経過していく。
   後半40分、パウメイラスは相手陣でFKを獲得。MFハファエウ・ヴェイガがゴール前に上げたボールはDFのクリアに遭うが、PA手前でVOLホームロ(Rômulo, 2001)が回収しゴール前へ柔らかいボールを上げる。FWホニのヘディングシュートはGKロッシに片手で阻止されるものの、このボールをFWルイージが頭でゴールに押し込み土壇場で同点に追いつく。
   両チームは最後まで激しい攻防を見せるが、ゴールは生まれず、1-1のままタイムアップ。

   2週間で3試合を戦った両チームの対戦は1勝1分1敗に終えたが、フラメンゴはコパ・ド・ブラジルにて準々決勝への進出を決め、全国選手戦は1試合未消化の状況で首位ボタフォゴまで勝点差「2」の3位をキープ。
   一方のパウメイラスは、コパ・ド・ブラジルを敗退し、全国選手権では4試合勝ち星がなく、首位までの勝点差は「5」と一歩後れを取る状況となっている。

サンパウロ(SAO) 1-0 アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=YWb6735_MXc
(SAO) : 15' #17 アンドレ・シウヴァ(André Silva, 1997)[#27 ウェリントン・ハット(Wellington Rato, 1992)]

今節前の順位

サンパウロ(SAO)は全国選手権10勝5分6敗勝点35の6位。
アトレチコ・ゴイアニエンセ(ACG)は全国選手権2勝6分13敗勝点12の20位。

得点シーン

(SAO) : 15' #17 アンドレ・シウヴァ(André Silva, 1997)[#27 ウェリントン・ハット(Wellington Rato, 1992)]
右サイド相手陣に入った位置からMFマルセロ・アントニオ(Marcos Antônio, 2000)が大きく左サイドライン際へサイドチェンジ。ボールを受けた右SBジョアン・モレイラ(João Moreira, 2004)が縦にFWウェリントン・ハットへボールを預けオーバーラップ。FWウェリントン・ハットはSBジョアン・モレイラの動きを囮にゴール前にクロスボールを送ると、精度の高いボールが相手CB間に落ち、FWアンドレ・シウヴァが頭を合わせる。ボールはゴールネットを揺らし、ホームのサンパウロが先制。[1-0]
   FWアンドレ・シウヴァは、ブラジル国内でのデビューを待たずに2017年7月ヒオ・アーヴェス(Rio Aves)/PORのU-23チームへ移籍、2019年1月ポルトガル1部にて21歳のプロデビューを果たす。翌シーズンにアロウカ/PORへ移籍し2019年8月‐2022年7月の3年間で80試合21得点5アシスト、2022年7月‐2024年3月ヴィトーリアSC/PORにて1年半で60試合19得点6アシストの成績を残す。2024年3月に380万ユーロにてサンパウロに加入すると、CFカレリ(Calleri, 1993)の2番手ながら、25試合5得点1アシストを記録している。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:42% 58% ⇒ 前後半:45% 55%
シュート(枠内): 前半:3‐6(3-1) ⇒ 前後半:12-13(7-6)
パス成功率: 前半:85% 88% ⇒ 前後半:86% 86%
Desarmes: 前半:‐ ⇒ 前後半:15-13
Faltas Cometidas: 前半:‐ ⇒ 前後半:15-8

   サンパウロは、1stレグを2-0で勝利していた週中のコパ・ド・ブラジルを0-0の引き分けに終え準々決勝への進出を決めた。全国選手権は前節で4試合ぶりの勝利を収め、上位争いに食らいついている。
   今節のスタメンは、中3日でリベルタドーレスを控え、コパ・ド・ブラジルでのスタメンから全選手を入れ替え。新加入でクラブデビューとなるMFマルセロ・アントニオ(Marcos Antônio, 2000)、年初に加入したもののこれまで1試合の出場に止まるCBサビーノ(Sabino, 1996)、相次ぐケガが癒えた右SBジョアン・モレイラ(João Moreira, 2004)などがチャンスを与えられる。
   アトレチコ・ゴイアニエンセは、1stレグを引き分けに終えたコパ・ド・ブラジルでのヴァスコ・ダ・ガマ戦2ndレグを0-1の敗戦。コパ・ド・ブラジル敗退が決まった。公式戦での勝ち星は6月15日全国選手権第9節以来途絶えており、全国選手権は最下位に低迷している。
   なお、ウンベルト・ロウゼル(Umberto Louzer)監督が直近のコパ・ド・ブラジルにて初采配を振るい、今節が全国選手権での初采配。
   今節のスタメンは、ヴァスコ・ダ・ガマ戦から3つのポジションを変更。右SBマギーニョ(Maguinho, 1992)、VOLハウジネイ(Rhaldney, 1998)、FWデレキ(Derek, 1997)がスタメンに起用される

   控え選手中心のサンパウロと、約2か月間勝ち星がなくクラブ会長のチームの士気に影を落とすような発言が続くアトレチコ・ゴイアニエンセの一戦は、静かな立ち上がり。
   最初に好機を迎えたのはアウェイのアトレチコ・ゴイアニエンセ。相手陣右サイドでのFKのボールをゴール前でCBペドロ・エンヒキ(Pedro Henrique, 1992)が頭を合わせるが、ボールはGK正面に飛び、GKジャンドレイ(Jandrei, 1993)が難なくキャッチ。
   サンパウロのこの試合最初の好機は前半15分。相手陣入口でのサイドチェンジから右サイドを縦に素早くボールを送り、FWウェリントン・ハットのクロスにFWアンドレ・シウヴァが頭を合わせ、先制点を奪う。
   試合のスコアは動いたものの試合展開は落ち着いたテンポを刻んだまま。サンパウロは相手にボールを持たせながら試合をコントロールする。
   攻めあぐねるアトレチコ・ゴイアニエンセは、前半37分に再び相手陣でのFKからチャンスを迎えるが、FWルイス・フェルナンド(Luiz Fernando, 1996)のヘディングシュートは僅かに枠を捉えない。
   後半開始時にアトレチコ・ゴイアニエンセは、いずれも期限付き移籍で新加入の、コスタリカ代表FWジョエル・キャンベル(Joel Campbell, 1992)とベネズエラ代表として10試合の経歴を持つFWジャン・ウルタド(Jan Hurtado, 2000)を投入。
   すると、相手守備陣をゴール前に押し込み、後半9分に左サイドからの柔らかいクロスにFWジャン・ウルタドが頭を合わせるが、ボールはGK正面。
   後半16分には、PAの僅かに外の位置で得たFKをFWジョエル・キャンベルが直接狙うが、GKジャンドレイが難なくゴール枠外へ弾き出す。
   劣勢に回っていたサンパウロは、後半20分、自陣PAを起点としたビルドアップから、縦に素早く3本のパスを通し、最後はMFホドリゴ・ネストール(Rodrigo Nestor, 2000)がシュートに持ち込む。しかし、間合いを詰めたGKペドロ・ハンジェウ(Pedro Rangel, 2000)が腕にボールを当てるシュートブロック。さらに、後半25分、後半29分とGKペドロ・ハンジェウを襲うシュートを畳み掛ける。
   後半30分を過ぎると、サンパウロはCBアルボレーダ(Arboleda, 1991)、VOLボバディージャ(Bobadilla, 2001)の守備的な選手を投入、さらには中盤から前線の選手を入れ替え逃げ切りを図る。
   後半45+4分、アトレチコ・ゴイアニエンセは、相手陣PA内で猛攻を仕掛け、最後はFWエリ・ジュニオール(Eli Júnior, 2004)が強烈なシュートを放つが、GKジャンドレイが片手でクロスバーの上に弾き出す好セーブ。
   試合はホームのサンパウロが前半15分の虎の子の一点を守り切り1-0の勝利を収めた。

   サンパウロは、公式戦4試合連続の無失点試合を達成し、全国選手権は4位パウメイラスに勝ち点で並ぶ5位に浮上。
   一方のアトレチコ・ゴイアニエンセは、さらに一つ黒星を積み重ねた。

インテルナシオナウ(INT) 2-2 アトレチコ・パラナエンセ(CAP)

動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=ObcTNeLNT_s
(INT) : 12' #27 ウェズレイ(Wesley, 1999)[#34 ガブリエウ・カルヴァーリョ(Gabriel Carvalho, 2007)]
(CAP) : 39' #57 ジョアン・クルス(João Cruz, 2006)[]
(CAP) : 50' #14 カノービオ(Canobbio, 1998)[#10 サペリ(Zapelli, 2002)]
(INT) : 90+6' #11 ヴァンデルソン(Wanderson, 1994)[]

今節前の順位

インテルナシオナウ(INT)は全国選手権5勝6分5敗勝点21の16位。(5試合未消化)
アトレチコ・パラナエンセ(CAP)は全国選手権8勝4分7敗勝点28の8位。(2試合未消化)

得点シーン

(INT) : 12' #27 ウェズレイ(Wesley, 1999)[#34 ガブリエウ・カルヴァーリョ(Gabriel Carvalho, 2007)]
中央やや左相手陣に入った地点からVOLホームロ(Rômulo, 2000)が縦にボールを入れると、MFガブリエウ・カルヴァーリョがライン間で受け、マークに上がったDFが空けたポジションを狙うFWウェズレイに向けスルーパス。GKと一対一となったFWウェズレイが左足を振り抜きゴールネットを揺らす。[1-0]
   FWウェズレイは、パウメイラス育成出身で、2019年6月期限付き移籍先のヴィトーリアから全国選手権2部にて20歳のプロデビュー。同年は28試合5得点の成績を残し、2020年にパウメイラスに復帰。パウメイラスでは2020年-2022年の3年間で124試合13得点14アシストを記録し、2023年に300万ユーロの移籍金でクルゼイロへ完全移籍。クルゼイロでもウィングとしてチームを牽引するが、チームは得点力不足から残留争いに巻き込まれ、終盤には出場機会が減少する。2024年2月200万ユーロにてインテルナシオナウへ完全移籍。加入当初は交代出場が続くが、全国選手権開幕2試合連続ゴールを決めると以降はスタメンに定着。2024年は今節終了時点で30試合7得点2アシストを記録中。
   MFガブリエウ・カルヴァーリョは、インテルナシオナウ育成出身で、U-17カテゴリーの年齢ながら2024年6月17日にトップチームに昇格。2024年6月16日コパ・ド・ブラジルにて後半26分にピッチに送り出され16歳のプロデビューを迎えると、11分後の後半37分にFWウェズレイのゴールをアシストし自らのデビュー戦を飾った。全国選手権第20節にてプロ初スタメンに抜擢されると、以降の3試合でスタメン出場。今節はデビュー戦に続きFWウェズレイへのアシストを記録した。
(CAP) : 39' #57 ジョアン・クルス(João Cruz, 2006)[]
相手陣中央でのMFサペリ(Zapelli, 2002)のパスカットを起点とした攻撃。複数のパスを繋ぎ右サイドを抜け出したSBレオ・ゴドイ(Léo Godoy, 1995)が相手陣深い位置からゴール前にクロス。FWカノービオ(Canobbio, 1998)がトラップしたボールはDFに掻き出されるが、そのこぼれ球をMFジョアン・クルスが左足でシュート。DFをかすめたボールがゴール左に収まり、アトレチコ・パラナエンセが試合を振り出しに戻す。[1-1]
   MFジョアン・クルスは、アトレチコ・パラナエンセU-20所属で、2024年6月26日全国選手権第12節クルゼイロ戦にて18歳のプロデビュー。7月28日第20節クイアバ戦にてプロ初先発に抜擢され、今節は自身4試合目にして2度目の先発出場だった。2022年にはU-17代表に選出され、メキシコU-17代表、イングランドU-16代表との試合に出場歴を持つ。
(CAP) : 50' #14 カノービオ(Canobbio, 1998)[#10 サペリ(Zapelli, 2002)]
ハーフライン付近左サイドでの密集したボールの奪い合いから、ボールを確保したMFサペリが右サイド前方へボールを送る。DFの頭を越えたボールをFWカノービオがワンタッチで縦にボールを運ぶと、PAに入った位置からシュート。間合いを詰めるGKの脇を抜けたボールがゴールネットを揺らし、アウェイのアトレチコ・パラナエンセが逆転。[1-2]
   FWカノービオは2022W杯、2024コパ・アメリカなどウルグアイ代表として12試合1得点1アシスト。2022年3月にアトレチコ・パラナエンセに加入し、通算125試合17得点14アシストを記録中。2024年は今節終了時点で32試合8得点5アシストで、得点数はすでにキャリアハイを更新。攻撃面のみならず豊富なスタミナを生かした守備面での貢献度も高い。
(INT) : 90+6' #11 ヴァンデルソン(Wanderson, 1994)[]
右CKからVOLブルーノ・ゴメス(Bruno Gomes, 2001)が右足でゴール前に上げたボールを、FWアラーリオ(Alario, 1992)がノーマークでヘディングシュート。GKが反応良く両手でブロックするが、跳ね返りのボールをFWヴァンデルソンが右足でゴールに蹴り込み、実質的に最後のプレーでインテルナシオナウが同点に追いつく。[2-2]
   FWヴァンデルソンは、ブラジル生まれながら幼い頃にベルギーへ移民し、2012年10月ベールスホット(Beerschot)/BELからベルギーリーグにて17歳のプロデビュー。リールセ/BEL、ヘタフェ/ESP、RBザルツブルク/AUSを経て、2017年7月に800万ユーロにてクラスノダール/RUSに加入。2022年3月にインテルナシオナウに期限付き移籍加入すると、間もなく左ウィングとしてレギュラーの座を獲得。2023年1月に450万ユーロで完全移籍に移行し、同年は61試合8得点10アシストの活躍。2024年も主力の一人としてこれまで32試合4得点3アシストの成績を残している。

試合経過、所感その他

ボール保持率: 前半:49% 51% ⇒ 前後半:51% 49%
シュート(枠内): 前半:7‐7(1-3) ⇒ 前後半:19-11(4-5)
パス成功率: 前半:82% 84% ⇒ 前後半:80% 82%
Desarmes: 前半:7‐9 ⇒ 前後半:13-19
Faltas Cometidas: 前半:8‐6 ⇒ 前後半:18-13

   インテルナシオナウは、コパ・ド・ブラジルはすでに敗退しており、この試合は一週間ぶりの試合。この試合の後には中2日で順延された全国選手権第6節ジュヴェントゥージ戦が控えている。全国選手権は7試合勝ち星から遠ざかり、ホージェル・マシャード監督は就任後公式戦4試合が経過し、3分1敗と未だ勝ち星はない。
   今節のスタメンは、ケガのCBヴィトン(Vitão, 2000)に代わり、新加入のCBアウグスティン・ロージェル(Agustín Rogel, 1997)がクラブデビューをスタメンで飾る。ボランチにはケガから復帰のVOLチアゴ・マイア(Thiago Maia, 1997)が6月30日以来の試合。出場停止のFWボレー(Borré, 1995)に代わりMFブルーノ・エンヒキ(Bruno Henrique, 1989)が入り、布陣は4-4-2から4-5-1への変更が想定される。
   アトレチコ・パラナエンセは、直近のコパ・ド・ブラジルにてRBブラガンチーノを相手に3-2の勝利。2試合合計5-2のスコアで準々決勝進出を決めた。この試合の後には中3日でコパ・スウアメリカーナでのベスト16ベルグラーノ/ARG戦1stレグが控え、厳しい日程が待ち構えている。全国選手権は直近の10試合が3勝2分5敗、上位争いから脱落している。
   今節のスタメンは、コパ・ド・ブラジルから6つのポジションで変更。しかし、CBチアゴ・エレーノ(Thiago Heleno, 1988)とVOLフェルナンジーニョ(Fernandinho, 1985)の両ベテランは連戦で先発出場。U-20チーム所属のMFジョアン・クルス(João Cruz, 2006)が先発に抜擢されている。

   立ち上がりは、互いが自らのターンを相手陣ゴール前まで攻め込み、ボールを失うとボールにプレスをかけながら素早く帰陣し守備隊形を整える、といった展開で試合が進む。
   前半6分に、アトレチコ・パラナエンセはPAの右横でFKを獲得。CBガマラ(Gamarra, 2000)が直接狙ったボールは惜しくもクロスバーを越える。
   一方のインテルナシオナウは、前半12分、中央やや左相手陣に入った地点からVOLホームロ(Rômulo, 2000)が縦にボールを入れると、16歳MFガブリエウ・カルヴァーリョの絶妙なスルーパスに抜け出したFWウェズレイがゴールネットを揺らし先制。
   リードを許したアトレチコ・パラナエンセは、その後ボールを支配するようになり、インテルナシオナウ守備陣を押し込んでいく。
   前半24分、MFサペリ(Zapelli, 2002)がPA左をゴールライン際から下がりながら、ファーサイドへ柔らかいクロス。FWカノービオが頭で落としたボールにFWディ・ジョリオ(Di Yorio, 1996)、さらにFWジュリマール(Julimar, 2001)が相次いでシュートに持ち込むが、GKロチェ(Rochet, 1993)が2度に渡り身を挺してゴールを守り抜く。
   前半39分、アトレチコ・パラナエンセは相手陣でのMFサペリのパスカットを起点に、右サイド深い位置からSBレオ・ゴドイがゴール前にクロス。FWカノービオがトラップしたボールはDFに掻き出されるが、そのこぼれ球をMFジョアン・クルスがシュートに持ち込むと、DFをかすめたボールがゴール左に収まり、アトレチコ・パラナエンセが試合を振り出しに戻す。
   前半を中盤で劣勢に回っていたインテルナシオナウは、後半開始時に右SBイゴル・ゴメス(Igor Gomes, 2001)に代えVOLブルーノ・ゴメス(Bruno Gomes, 2001)を投入。
   しかし、後半5分、中盤左サイドでのボール争奪戦に上回ったアトレチコ・パラナエンセは、素早く相手陣右サイド前方へボールを送ると、FWカノービオが間合いを詰めるGKの脇を抜くシュートでゴールをマーク。試合をひっくり返す。
   後半10分、同点に追いつきたいインテルナシオナウは、右サイドゴールライン際からVOLホームロ(Rômulo, 2000)がゴール前にクロス。アトレチコ・パラナエンセGKレオ・リンキ(Léo Linck, 2001)が前に出てパンチングでクリアするが、クリアボールは短くMFガブリエウ・カルヴァーリョがシュート。このシュートは当たりが浅く、FWウェズレイが頭で押し込みを図るが、ゴールライン手前でSBレオ・ゴドイが大きくクリア。
   その後、アトレチコ・パラナエンセは、自陣で守備を固め、カウンターを狙う戦術を採用。インテルナシオナウにボールを持たせながらも、後半22分、後半45+2分と鋭いカウンターから好機を迎えるが、インテルナシオナウGKロチェを中心とした守備陣の粘り強い対応に追加点は生まれない。
   後半45+6分、インテルナシオナウは右CKを獲得すると、VOLブルーノ・ゴメスがゴール前に上げたボールに、FWアラーリオ(Alario, 1992)がノーマークでヘディングシュート。GKロチェが反応良く両手でブロックするが、跳ね返りのボールをFWヴァンデルソンが右足でゴールに蹴り込みインテルナシオナウが同点に追いつく。
   キックオフによる試合再開直後に試合終了の笛が吹かれ、試合は2-2の引き分け。

   アウェイのアトレチコ・パラナエンセは、今季全国選手権で4度目となる後半アディショナルタイムでの同点ゴールを被弾。
   ホームのインテルナシオナウは、終了間際に同点に持ち込んだものの、タイムアップの笛と共にスタジアムはブーイングに包まれた。

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